JP3418441B2 - ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の表面加工剤 - Google Patents

ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の表面加工剤

Info

Publication number
JP3418441B2
JP3418441B2 JP34780393A JP34780393A JP3418441B2 JP 3418441 B2 JP3418441 B2 JP 3418441B2 JP 34780393 A JP34780393 A JP 34780393A JP 34780393 A JP34780393 A JP 34780393A JP 3418441 B2 JP3418441 B2 JP 3418441B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
polyvinyl alcohol
mol
based polymer
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34780393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07179516A (ja
Inventor
川 秋 夫 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP34780393A priority Critical patent/JP3418441B2/ja
Publication of JPH07179516A publication Critical patent/JPH07179516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3418441B2 publication Critical patent/JP3418441B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/12Hydrolysis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/70Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the isocyanates or isothiocyanates used
    • C08G18/71Monoisocyanates or monoisothiocyanates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の構造単位を有す
るN,N−ジ分岐アルキルアクリルアミドとカルボキシ
ル基を導入した新規ポリビニルアルコール系ポリマー、
その製造法、及び該ポリビニルアルコール系ポリマーよ
りなる紙の加工剤、特に表面サイズ剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリビニルアルコール系ポリマ
ー(以下PVAと略す)は、その製膜特性(造膜性、耐
油性、強度等)、水溶性等を利用して乳化剤、懸濁剤、
界面活性剤、繊維加工剤、各種バインダー、紙用サイジ
ング剤、接着剤等として広く使用されている。
【0003】そして、各種用途に応じて、PVAの変性
が試みられている。即ち、PVAの主鎖に各種の単量体
を共重合により変性を行うことが試みられており、例え
ばエチレン性不飽和カルボン酸単位、長鎖脂肪酸ビニル
エステル単位、N−スルホアルキルアミド単位、N−ア
ルキルアクリルアミド単位等により変性基を導入した数
多くの変性PVAが上市されている。そして、その用途
としては上記の如く乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、繊維
加工剤、各種バインダー、紙用サイジング剤、接着剤等
が挙げられるが、近時の技術革新においては、より特徴
のある製品が要求されたり、変性PVAの製造時のケン
化反応時に於ける変性基の安定性(脱離しないこと)や
各種溶液として実用に供した時の放置安定性が重要な問
題となったりしている。
【0004】特にPVA水溶液をそのまま処理剤として
用いる紙用サイジング剤用途においては、その影響が顕
著でありPVA樹脂そのものの特性に左右されると言っ
ても過言ではない。このような背景において、PVAを
共重合変性して紙用コーティング剤として用いることが
多く提案されている。
【0005】かかる方法として、特開昭49−8781
1号公報には、紙用コーティング剤用途において、紙層
内部へのPVAを含む紙用コーティング液の紙表面への
歩留りを改善し、紙の表面強度の改善を目的として分子
内に0.1〜15モル%のラクトン環を含有する変性P
VAが開示されている。
【0006】又、空気、油或いは有機溶剤の透過性や吸
収に関するバリヤー性能を紙に付与することを目的とし
て、特開昭56−20698号公報には0.1〜15モ
ル%のエチレン性不飽和カルボン酸を含有する変性PV
Aが開示されており、特開昭63−270704号公報
には、高重合度スルホン酸基を含有する変性PVAが開
示されている。更に、上記と同目的で特開昭56−58
098号公報には、炭素数が6以上の脂肪酸ビニルエス
テル、炭素数が6以上のアルキルビニルエーテル、炭素
数が6以上のα−オレフィンより選ばれる単量体及びエ
チレン性不飽和カルボン酸又はその低級アルキルエステ
ル又は酸無水物を含有する変性PVAが開示されおり特
開昭62−119202号公報に於いても、ジアルキル
カルビトールやトリアルキルカルビトールからなるエチ
レン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単位及び酢酸ビ
ニル単位を任意単位として含む変性PVAが開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
PVAの水溶液の安定性においては、まだまだ改善の余
地があり、特に特開昭56−58098号公報及び特開
昭62−119202号公報開示技術の変性PVAでは
上記ポリマーを各種溶液とし長期放置した場合増粘、ゲ
ル化、層分離等が起こったり、該PVAの製造時には変
性しようとする官能基が脱離し、カルボキシル基又はラ
クトンになりやすく、変性の目的が充分果たせないとい
う問題や充分な重合度を有するPVAが得られ難いとい
う問題点がありPVAの製造面及び用途面で一層の改善
が望まれているのである。
【0008】更に紙用サイジング剤としての特性を見た
場合においても特開昭49−87811号公報の開示技
術では、紙コーティング液を塗被した紙の表面強度の改
善効果は認められるものの、空気、油或いは有機溶剤の
透過性や吸収に関するバリヤー性能を紙に付与すること
は考慮されてなく不十分である。又、特開昭56−20
698号公報、特開昭63−270704号公報、特開
昭56−58098号公報及び特開昭62−11920
2号公報の開示技術では、油或いは有機溶剤の吸収や透
過性に関するバリヤー性能が考慮されおり透気度、吸油
度、印刷適正の改善が図られているもののまだまだ満足
の出来るものではなく、より一層の改善が求められてい
るのが現状である。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる欠点を解決すべく
鋭意検討した結果、本発明者らは、変性成分として下記
の化1で示されるN,N−ジ分岐アルキルアクリルアミ
ド(A)を0.1〜20モル%、エチレン性不飽和カル
ボン酸もしくはその塩の少なくとも1種(B)を0.1
〜20モル%、ビニルエステル単位(C)及びビニルア
ルコール単位(D)を合計で60〜99.8モル%共重
合成分とする新規なPVAはケン化反応時に変性基の脱
離がなく目的とする変性PVAが容易に製造できる上、
水溶液とした時の保存安定性に優れ、特に該ポリマーを
紙用サイジング剤用途に供した場合、塗工加工紙のバリ
ヤー性能及び印刷適性が顕著に優れていることを見いだ
し本発明に至った。
【化1】 ここでR0は化2で示される。
【化2】 (但し、nは1〜3、R1は水素又はメチル基を示す。
又R2〜R4は水素又はアルキル基又はアリル基をそれぞ
れ示し、同時に2個以上は水素ではなく、R2〜R4の炭
素数の合計が4以上である。)
【0010】
【化1】 ここでR0は化2で示される。
【化2】 (但し、nは1〜3、R1 は水素又はメチル基、R2
4は水素又はアルキル基又はアリル基をそれぞれ示し
同時に2個以上は水素でなく、R2 〜R4 の炭素数の合
計が4以上である。)
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
変性PVA(以下、単に変性PVAと称することがあ
る)は、上記の如く(A)〜()単位を必須成分とし
ており、(A)単位は上記化1で示される如きN,N−
ジ分岐アルキルアクリルアミド成分でR1〜R4の上記官
能基を有するものでR2〜R4の官能基の炭素数が、4未
満ではケン化時の変性基の安定性、水溶液の保存安定性
が悪く、又塗工紙のバリヤー性能、印刷適性の点で不適
当であり、該炭素数は好ましくは4〜16である。該
(A)単位を含有する共重合可能な単量体としては、
N,N−ジイソブチルアクリルアミド、N,N−ジ(2
−エチルヘキシル)アクリルアミド、N,N−ジイソア
ミルアクリルアミド、N,N−ジイソブチルメタアクリ
ルアミド、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)メタアク
リルアミド、N,N−ジイソアミルメタアクリルアミド
などが挙げられ、好ましくはジイソブチルアクリルアミ
ドが好適に使用される。
【0012】又(B)単位を含有する共重合可能な単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット
酸、フマル酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸モ
ノエステル、シトラコン酸モノエステル、フマル酸モノ
エステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸等が挙げられる。
【0013】本発明のPVAを製造するには(A)、
(B)とビニルエステル(C)を共重合して得られるビ
ニルエステル系共重合体をケン化するが、(C)として
はギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル等が挙げられるが、経済的にみて酢酸ビニルが好
ましい。
【0014】上記変性PVAの各単位の割合は、水溶
性、造膜性という点から上記化1で示されるN,N−ジ
分岐アルキルアクリルアミド単位(A)を0.1〜20
モル%、経済性という点より好ましくは0.1〜10モ
ル%、エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその塩の少
なくとも1種(B)を0.1〜20モル%、好ましくは
0.1〜10モル%、ビニルエステル単位(C)及びビ
ニルアルコール単位(D)が、合計で60〜99.8モ
%である。又、ケン化度(ビニルエステル単位(C)
とビニルアルコール単位(D)との合計量に対するビニ
ルアルコール単位(D)の割合)は、水溶性を保持する
という点より50モル%以上であることが好ましく、特
に好ましい範囲は耐水性、強度という点から75モル%
以上である。
【0015】本発明に用いられる変性PVAの重合度は
その使用目的により適宜選択すべきであるが、300未
満であると塗膜用途等に用いた場合、該塗膜強度の低下
等の点で好ましくなく、又4000以上であると水溶液
粘度の上昇、塗工性の低下の点で問題があり、通常50
0〜3000の範囲が適当である。
【0016】次に本発明の変性PVAの製造方法につい
て説明する。本発明の変性PVAは、上記の化1で示さ
れる特定の構造単位を有するN,N−ジ分岐アルキルア
クリルアミド単量体とエチレン性不飽和カルボン酸もし
くはその塩の少なくとも1種及びビニルエステルの共重
合体をケン化することによって得られる。該共重合反応
は、溶媒不存在下に行うことも出来るが、通常は適当な
溶媒、特にメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノールなどの低級アルコールが用いられる。重合時の
単量体の仕込み方法としては特に制限はなく、一括仕込
み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用される
が、分岐アルキルアクリルアミド及びエチレン性不飽和
カルボン酸若しくはその塩をPVA分子中に均一に導入
出来る点で分割仕込み或いは連続仕込み方法が有利であ
る。
【0017】共重合に当たって触媒としてはアゾイソブ
チルニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒及びアゾビス
ジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバ
レロニトリル等の低温活性ラジカル触媒等が用いられ
る。又、反応温度は40〜65℃程度とすることが多
い。
【0018】かかる重合に当たっては、本発明の趣旨を
損なわない限り上記3成分以外にかかる単量体と共重合
可能な他の不飽和単量体、例えばアルキルビニルエーテ
ル、メタアクリルアミド、エチレン、プロピレン、α−
ヘキセン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタド
デセン等のオレフィン、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のニトリル類、アクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキ
ルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、イタコン
酸ジアルキルエステル、シトラコン酸ジアルキルエステ
ル、フマル酸ジアルキルエステル等を少量共重合させて
もよい。
【0019】かかる方法により得られた共重合体は、次
にケン化される。該ケン化工程においては、必要に応じ
て残存モノマーを追い出してから、常法に従ってケン化
される。即ち、ケン化に当たっては該共重合体をアルコ
ール又は含水アルコールに溶解し、アルカリで中和後酸
触媒又はアルカリ触媒でケン化が行われる。アルコール
としては、メタノール、エタノール、プロパノール、t
−ブタノール等が挙げられるがメタノールが特に好適に
使用される。アルコール中の共重合体の濃度は系内の粘
度により適宜選択され、通常は10〜60重量%の範囲
から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のア
ルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触
媒、或いは硫酸、塩酸等の酸触媒が用いられる。
【0020】かかる触媒の使用量は、ケン化方法、目標
ケン化度によって適宜選択されるが、通常ビニルエステ
ルに対して0.1〜10モル%が適当である。又、ケン
化反応温度は特に制限はなく、通常10〜60℃、好ま
しくは20〜50℃の範囲から選ばれ、ケン化反応は5
〜240分にわたって行われる。ケン化反応終了後、必
要に応じて中和し、アルコール等で洗浄し乾燥すること
により目的とする変性PVAが得られる。
【0021】次に本発明の変性PVAを用いた紙の表面
サイズ剤について説明する。上記方法により得られた変
性PVAを紙の表面サイズ剤用途に用いる際には、一般
に水に溶解して用いられるが、溶剤系でも使用可能であ
る。又、サイズ剤中のポリマー濃度は目的に応じて適宜
調製すればよいが、通常0.5〜20重量%程度の範囲
から選択することが出来る。
【0022】本発明の変性PVAを紙用サイジング剤と
して使用する場合には、本発明に支障のない範囲で、所
望に応じて他の添加剤を含有させ或いは併用することが
できる。他の添加剤としては、例えば通常のPVA、コ
ーンスターチ、酸化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキル
セルロースなどのセルロース化合物、スチレン−ブタジ
エン共重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン−メタ
クリル酸エステル共重合体ラテックスなどの合成ゴム系
ラテックス、グリオキザール、尿素樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂等の耐水化剤、硼
砂、硼酸、硫酸アルミニュウム、酢酸マグネシウム等の
架橋剤、及び消泡剤、離型剤、防腐剤、防虫剤、防錆
剤、増粘剤、グリセリン、ジエチレングリコール、エチ
レングリコール等の可塑剤などが挙げられる。又、該サ
イジング剤は上記以外の公知の添加剤を加えてもよい。
【0023】本発明の紙加工剤は、紙のクリアコーティ
ングに好適に用いられるが、酸化チタン、クレー、炭酸
カルシウム、サチンホワイトなどの無機系顔料、微粉末
状熱可塑性樹脂(塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂など)の合
成樹脂系顔料などの顔料を含む顔料コーティングにも好
適に用いることが出来る。
【0024】サイズ剤を塗被する紙としては、例えばマ
ニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質
紙、中質紙、コート紙、軽量コート紙、包装用紙、グラ
ビア用紙などの印刷用紙などが好適に用いられるが、特
にバリヤー性能を必要とする剥離紙、感圧記録紙、感熱
記録紙等の加工用原紙、耐油紙、撥水紙の如き特殊紙に
適用して顕著な効果を発揮しうるが、これらに限定され
るものではない。
【0025】紙に塗被するに当たっては、サイズプレス
コート、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレー
ドコート法等従来公知の任意の方法が採用できる。塗布
量は、所望する紙の性状に応じて任意に選ぶことが出来
るが、通常0.1〜5g/m2 程度(本発明の変性PV
Aの固形分換算)が適当である。又、塗布後の乾燥条件
は、紙の性状に応じて任意に選ぶことが出来るが、通常
80〜250℃で3〜60秒程度の条件で行われる。
【0026】本発明の変性PVAは、上述した紙用サイ
ジング剤としての用途の他、乳化剤、懸濁剤、高分子界
面活性剤、繊維加工剤、フィルム、シート、顔料バイン
ダー、徐放性薬剤(殺虫剤、農薬、肥料、湿布薬、飲み
薬、芳香剤)用バインダー、不織布バインダー、石膏ボ
ードや繊維板等の各建材用バインダー、各種粉体造粒用
バインダー、木材、紙、アルミ泊などの接着剤、ホット
メルト型接着剤、感圧接着剤、感熱オーバーコート剤、
紙力増強剤、さらには繊維用糊剤、土壌や化粧品用の保
水(安定)剤、化粧品用クリーム,練り歯磨き,各種水
溶液等の粘度調整剤、シャンプー,石鹸,洗剤等の添加
剤、曇り・結露防止用暫定皮膜や(マイクロ)カプセル
皮膜、プラスチックス用可塑剤、剥離・雛型紙用塗布
剤、船底防汚塗料、感光性樹脂、酸素固定用ゲル、セメ
ント混和剤、水処理用凝集剤、インクジェットプリンタ
ー用シートの表面処理剤、衣服等の静電気防止剤、洗濯
糊、魚釣用疑似餌、変性ビニロンや変性ブチラール樹脂
の原料などの分野にその有用性が期待されるものであ
る。
【0027】
【作用】本発明の変性PVAは、上記の化1で示される
特定の構造単位を有するN,N−ジ分岐アルキルアクリ
ルアミド及びエチレン性不飽和ジカルボン酸若しくはそ
の塩の少なくとも1種を導入することにより変性基の安
定性に優れ、該ポリマーの水溶液を紙サイジング用途に
供した場合、空気、油或いは有機溶剤の透過性や吸収に
関するバリヤー性能及び印刷適性が格段に向上し大変有
用である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例によって具体
的に説明する。なお,実施例中「部」又は「%」とある
のは、断りのない限り重量基準を意味する。 実施例1 還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた重合缶に酢酸ビ
ニル1000部、メタノール250部を仕込み攪拌しな
がら窒素気流下で温度を上昇させ62℃においてアゾイ
ソブチロニトリル0.4部をメタノール19.6部に溶
解した溶液を投入し重合を開始した。重合開始点よりマ
レイン酸モノメチル8.0部とN,N−ジイソブチルア
クリルアミド22.6部を溶解したメタノール溶液6
1.2部を5時間にわたって連続的に滴下しながら重合
を行い、酢酸ビニルエステルの重合率が50%になった
時点で重合を終了した。続いてメタノール蒸気を吹き込
む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去
し共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、該溶液を
メタノールで希釈して濃度を30%に調製してニーダー
に仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら水酸化ナトリ
ウムを加えて中和した。
【0029】これに更に水酸化ナトリウムをポリマー中
の酢酸ビニル単位に対して30ミリモル加えて混練りし
た。ケン化反応進行と共にケン化物が析出し、遂には粒
子状となった。生成した変性PVAを濾過し、メタノー
ルでよく洗浄して熱風乾燥器中で乾燥し、目的物を得
た。得られた変成PVAをソックスレー抽出器を用いて
メタノールで抽出洗浄し、N,N−ジイソブチルアクリ
ルアミドによる変成度を1H−NMRで分析した結果、
変性度は2.0モル%であった。又、マレイン酸モノメ
チルの変性度はケン化前の共重合体の滴定による酸分定
量で分析を行ったところ、変性度は1.0モル%であ
り、変性PVAのケン化度は、残存酢酸ビニル単位の加
水分解に要するアルカリ消費量の定量で分析を行ったと
ころ98モル%であった。尚、この変成PVAのB型粘
度計による4%水溶液の粘度は、30cps/20℃で
あった。
【0030】更に、得られた変性PVAのIRスペクト
ル及び1H−NMR(D2O)スペクトルの帰属を以下に
示す。 IR : 3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −CH 1650cm-1 −C=O 1585cm-1 −COONa1 H−NMR: 1.0ppm −CH(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0031】実施例1で得られた変性PVAのケン化前
後の(A)単量体の含有量の評価:変性PVA水溶液の
放置安定性の評価及びサイズ剤としての適性評価を以下
の如く行った。評価結果は表3〜4に示す。
【0032】ケン化前後の(A)単量体の含有量の評
価:1H−NMRを用いて分析を行い、(A)単量体の
変性度の評価を行った。
【0033】水溶液の放置安定性評価:実施例1で得ら
れた変性PVAの4%水溶液を80℃で2時間にわたっ
て溶解を行うことにより調製し、40℃で1週間放置後
のN,N−ジイソブチルアクリルアミドの変性度を1
−NMRで分析を行い、放置テスト後の変性度の評価を
行った。
【0034】サイズ剤としての適正評価:実施例1で得
られた変性PVAの4%水溶液を調製し、秤量60g/
2 上質紙に試験用サイズプレス装置(熊谷理機(株)
製)を用いて着量1.0g/m2 になるよう塗布し、乾
燥温度110℃、乾燥時間1分の条件で乾燥後、スーパ
ーカレンダー(80℃、40Kg/cm2 )で2回処理
し、20℃、65%RHで24時間以上調湿した後、以
下の種々の物性測定に供した。
【0035】(物性測定項目) ステキヒトサイズ度:JIS P−8122により測定
を行った。 透気度 :JIS P−8117により測定
を行った。 吸油度 :JIS P−8130により測定
を行った。 IGTピック :IGT印刷試験機(熊谷理機
(株)製)によりインキにFINE INK TV−2
0(大日本インキ製)を用いて測定を行った。 実施例1で得られた変性PVAの4%水溶液を40℃で
1週間放置後においても上記と同様にサイズ剤としての
適性評価を行った。
【0036】実施例2〜7、比較例1〜6 表1に示した成分及び仕込み量で実施例1と同様の手順
により酢酸ビニルとの共重合及びケン化を行い種々の変
性PVAを調製し、同様の評価を行った。尚、変性PV
Aの4%水溶液を40℃で1週間放置後に於けるサイズ
剤としての適性評価は比較例2〜4について行った。得
られた種々の変性PVAを表2に示し、評価結果は表3
〜4に示す。実施例1の場合についても再度表1〜4に
示す。
【0037】又、上記実施例2〜7で得られた変性PV
AのIRスペクトル及び1H−NMR(D2O)スペクト
ルの帰属を以下に示す。 実施例2 IR : 3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −CH 1650cm-1 −C=O 1585cm-1 −COONa1 H−NMR: 1.0ppm −CH(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0038】実施例3 IR : 3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −CH 1650cm-1 −C=O 1585cm-1 −COONa1 H−NMR: 1.0ppm −CH(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0039】実施例4 IR : 3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −CH 1650cm-1 −C=O 1585cm-1 −COONa1 H−NMR: 1.0ppm −CH(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0040】実施例5 IR : 3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −CH 1650cm-1 −C=O 1585cm-1 −COONa1 H−NMR: 1.0ppm −CH(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0041】実施例6 IR : 3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −CH 1650cm-1 −C=O 1585cm-1 −COONa1 H−NMR: 0.9ppm −CH2CH3のメチルプロトン 1.6ppm −CH2CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0042】実施例7 IR : 3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −CH 1650cm-1 −C=O 1585cm-1 −COONa1 H−NMR: 0.9ppm −CH2CH3のメチルプロトン 1.6ppm −CH2CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0043】
【表1】 注) ( )内の数値はモノマーの総仕込み量に対する各
単量体の仕込みモル分率を表す。 略語は以下の通り。 D−i−BAAmは、N,N−ジイソブチルアクリルア
ミド。 D−i−AAAmは、N,N−ジイソペンチルアクリル
アミド。 D−EHAAmは、N,N−ジ(2エチルヘキシル)ア
クリルアミド。 N−n−OAAmは、N−n−オクチルアクリルアミ
ド。 3Mは、マレイン酸モノメチル。 MRMは、モノ(ジイソプロピルメチル)マレート。 VeoVa−10は、下記化3で示される単量体。
【化3】 1,R2,R3は水素又はアルキル基 R1,R2,R3の炭素数の合計は平均で10。 AMPSは、N−スルホイソブチレンアクリルアミドナ
トリウム。
【0044】
【表2】 変 性 P V A ケン化度 (A)単量体 (B)単量体 4%粘度 含有量 含有量 (mol%) (mol%) (mol%) (cps) 実施例1 98 2.0 1.0 30 実施例2 80 2.0 1.0 25 実施例3 98 7.7 4.0 20 実施例4 98 0.5 0.5 30 実施例5 98 2.0 1.0 30 実施例6 98 2.0 1.0 30 実施例7 98 2.0 1.0 35 比較例1 98 2.0 − 30 比較例2 98 2.0 1.0 40 比較例3 98 2.0 1.0 30 比較例4 98 2.0 − 30 比較例5 98 2.0 − 30比較例6 98 − 1.0 30
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】 ステキヒト 透気度 吸油度 IGTピック サイズ度 強度 (秒) (秒) (秒) (cm/秒) 実施例1 30 1000 800 190 (30) (950) (800) (185) 実施例2 27 800 450 165 実施例3 25 800 400 175 実施例4 22 550 300 160 実施例5 28 850 550 170 実施例6 29 800 550 180 実施例7 29 900 600 180 比較例1 17 450 200 130 比較例2 18 450 200 145 (20) (300) (150) (140) 比較例3 20 500 210 145 (20) (350) (170) (140) 比較例4 20 550 250 150 (22) (300) (150) (150) 比較例5 18 300 170 130比較例6 19 40 30 145 注)( )内の数値は、変性PVAの4%水溶液を40
℃で1週間放置した後のサイズ剤としての適性評価結果
を示す。
【0047】
【発明の効果】本発明の変性PVAは、上記の化1で示
される特定の構造単位を有するN,N−ジ分岐アルキル
アクリルアミド及びエチレン性不飽和カルボン酸若しく
はその塩の少なくとも1種を導入することにより水溶液
の安定性に優れ、該ポリマーの水性溶液を紙サイジング
用途に供した場合、空気、油或いは有機溶剤の透過性や
吸収に関するバリヤー性能及び印刷適性が格段に向上し
大変有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50 D21H 17/36 D21H 21/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化1で示されるN,N−ジ分岐ア
    ルキルアクリルアミド(Α)を0.1〜20モル%、エ
    チレン性不飽和カルボン酸もしくはその塩の少なくとも
    一種(Β)を0.1〜20モル%、ビニルエステル単位
    (C)及びビニルアルコール単位(D)を合計で60〜
    99.8モル%共重合成分として含有するポリビニルア
    ルコール系ポリマー。 【化1】 ここでR0は化2で示される。 【化2】 (但し、nは1〜3、R1は水素又はメチル基を示す。
    又R2〜R4は水素又はアルキル基又はアリル基をそれぞ
    れ示し、同時に2個以上は水素ではなく、R2〜R4の炭
    素数の合計が4以上である。)
  2. 【請求項2】 (A)の単量体と(B)のエチレン性不
    飽和カルボン酸もしくはその塩の少なくとも1種及びビ
    ニルエステルを共重合した後、得られるビニルエステル
    共重合体をケン化し、請求項1記載のポリビニルアルコ
    ール系ポリマーを得ることを特徴とするポリビニルアル
    コール系ポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリビニルアルコール系
    ポリマーを用いることを特徴とした紙の加工剤。
JP34780393A 1993-12-24 1993-12-24 ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の表面加工剤 Expired - Fee Related JP3418441B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34780393A JP3418441B2 (ja) 1993-12-24 1993-12-24 ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の表面加工剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34780393A JP3418441B2 (ja) 1993-12-24 1993-12-24 ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の表面加工剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07179516A JPH07179516A (ja) 1995-07-18
JP3418441B2 true JP3418441B2 (ja) 2003-06-23

Family

ID=18392694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34780393A Expired - Fee Related JP3418441B2 (ja) 1993-12-24 1993-12-24 ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の表面加工剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3418441B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5289127B2 (ja) * 2009-03-25 2013-09-11 大王製紙株式会社 ライナー

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07179516A (ja) 1995-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2808381A (en) Resin-dextrin compositions and method of preparation
JP2002284818A (ja) 新規ビニルアルコール系樹脂及びその用途
CN102958954A (zh) 烷基改性乙烯醇系聚合物、以及含有其的组合物、增粘剂、纸用涂布剂、涂布纸、粘接剂和膜
JP2002241433A (ja) 新規ビニルアルコール系樹脂及びその用途
JP2000045197A (ja) 製紙用表面塗工剤および表面塗工紙
JP2649023B2 (ja) ポリビニルアルコール系ポリマーおよびその製造法
CN100393830C (zh) 皮革涂料粘合剂和良好压花性及耐湿弯曲性的涂覆皮革
JP3531877B2 (ja) ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の加工剤
JP3418441B2 (ja) ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の表面加工剤
JPS6350478B2 (ja)
JP3418442B2 (ja) ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の加工剤
JP3758705B2 (ja) 乳化分散安定剤
JP3531878B2 (ja) ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の加工剤
JPH0368888B2 (ja)
JPS5879003A (ja) ケイ素含有変性ポリビニルアルコ−ルの製造法
JP3769380B2 (ja) 高速塗工性に優れたポリビニルアルコール系紙コート剤
JP3883425B2 (ja) 耐水性ポリビニルアルコール系共重合体およびそれを用いて得られる合成樹脂エマルジョン
JP3357710B2 (ja) エマルジョン組成物
JPS63270704A (ja) 高重合度スルホン酸基含有変性ポリビニルアルコール、その製造法及び用途
JPH093797A (ja) 紙加工剤
JPH11241295A (ja) 表面塗工剤組成物及び塗工紙の製造方法
JPS62119202A (ja) ポリビニルアルコ−ル系ポリマ−、その製造法、およびそのポリマ−よりなる紙の表面サイズ剤および分散安定剤
JPH03243643A (ja) ポリビニルアルコール系樹脂組成物及びその用途
JPH0140158B2 (ja)
JP2000045196A (ja) 製紙用表面塗工剤および表面塗工紙

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees