JP2000045196A - 製紙用表面塗工剤および表面塗工紙 - Google Patents

製紙用表面塗工剤および表面塗工紙

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JP2000045196A JP10228696A JP22869698A JP2000045196A JP 2000045196 A JP2000045196 A JP 2000045196A JP 10228696 A JP10228696 A JP 10228696A JP 22869698 A JP22869698 A JP 22869698A JP 2000045196 A JP2000045196 A JP 2000045196A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙力強度、サイズ性等が高く、しかも水への
溶解性の低いポリアクリルアミド系の表面塗工剤および
表面塗工紙を提供すること。 【解決手段】 (1)表面サイズ剤、(2)カルボキシ
ル基含有ポリアクリルアミド及び、(3)水溶性アルミ
ニウム化合物を含有する水溶液からなる製紙用表面塗工
剤を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種の紙、板紙の表
面塗工に用いられる製紙用表面塗工剤および当該製紙用
表面塗工剤により表面塗工された表面塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製紙工業界においては、紙表
面を、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ドなどの表面塗工剤により処理して、紙の印刷適性を向
上させている。前記表面塗工剤のなかでポリアクリルア
ミド系の表面塗工剤は澱粉やポリビニルアルコール系の
表面塗工剤に比べて少量の塗工で紙の表面強度を向上で
きる点で優れている。また、紙の表面強度、表面紙質、
サイズ性、耐水性等をバランスよく向上させるため、ア
ニオン性のポリアクリルアミドに表面サイズ剤を混合し
た表面塗工剤が使用されている。
【0003】しかし、前記表面塗工剤は水に溶解し易い
ため、湿し水を使用するオフセット印刷では紙表面上に
塗工した表面塗工剤が印刷時に溶け出し、紙表面の粘着
性の増加や湿潤時の表面強度の低下が起こり、印刷機の
ブランケットロールの汚れが生じ易いという問題があ
る。
【0004】近年では、抄紙速度の増加に伴い、塗工方
式が、従来、主に採用されていた2本ロールサイズプレ
ス等から、ゲートロールサイズプレスやプレメタリング
サイズプレス等の紙表面へのフィルム転写方式に換わ
り、表面塗工剤を紙表面層にのみ塗工して効率的に紙表
面強度を向上できるようになっている。しかし、フィル
ム転写方式によりポリアクリルアミド系の表面塗工剤を
塗工した場合、紙表面層に局在する該表面塗工剤が溶解
しやすいため、オフセット印刷に用いる場合にブランケ
ットロール汚れなど、印刷時の操業性に多大な悪影響を
及ぼす。
【0005】このようなポリアクリルアミド系の表面塗
工剤の水への溶解性を抑える手段としては、たとえば、
グリオキザールを併用したりN−メチロール(メタ)ア
クリルアミドを共重合した熱架橋性のものを使用するこ
とが知られている。しかし、これらのものは、塗工後の
乾燥時に与えられる熱量では熱架橋が不十分となり、目
的を十分に達成し得ない。また、架橋剤として多価金属
化合物、特に各種のジルコニウム系化合物を用いること
が知られているが、これらはポリアクリルアミドと混合
した後の粘度安定性が著しく不良であること及び高価で
あることから一般紙にはほとんど用いられない。
【0006】また、カルボキシル基を含有しないポリア
クリルアミドと水溶性アルミニウム化合物を含む混合物
を製紙用塗工剤として用いることは知られているが、か
かる製紙用塗工剤では、ポリアクリルアミドの水への溶
解性は低下せず、また紙力効果も高くない(特公昭47
−12883号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙力強度、
サイズ性等が高く、しかも水への溶解性の低いポリアク
リルアミド系の表面塗工剤および表面塗工紙を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、表面サイズ剤および
カルボキシル基含有ポリアクリルアミドに、さらに水溶
性アルミニウム化合物を加えた水溶液を紙表面に塗工し
た場合には、表面サイズ剤および当該ポリアクリルアミ
ドに基づく紙力強度、サイズ性等の効果に加え、アルミ
ニウムと当該ポリアクリルアミド等のカルボキシル基が
反応することで、さらに表面強度が向上し、水への溶解
性が大幅に減少することを見出した。さらには、表面塗
工剤に、キレート剤を添加しておけば、当該混合物から
なる水溶液が短時間に増粘、ゲル化を引き起こすことな
く安定に存在し、しかも当該水溶液を紙表面に塗工した
後の乾燥工程では前記した通りアルミニウムと当該ポリ
アクリルアミド等のカルボキシル基が反応することを見
出した。本発明は、かかる新たな知見により完成された
ものである。
【0009】すなわち、本発明は、(1)表面サイズ
剤、(2)カルボキシル基含有ポリアクリルアミド及
び、(3)水溶性アルミニウム化合物を含有する水溶液
からなる製紙用表面塗工剤;さらに、(4)キレート剤
を含有してなる前記製紙用表面塗工剤;前記製紙用表面
塗工剤を、紙表面に塗工した表面塗工紙に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】(1)表面サイズ剤としては、紙
にサイズ性を付与できる各種のものを特に制限なく使用
できる。一般的には、表面サイズ剤は、疎水部と、カル
ボキシル基等のアニオン部とからなる。かかる表面サイ
ズ剤は、たとえば、疎水性モノマーとα,β−不飽和モ
ノカルボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、不飽和ス
ルホン酸等のアニオン性モノマーを共重合することによ
り得られる。
【0011】疎水性モノマーとしては、スチレン、αメ
チルスチレン等のスチレン類、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル{なお、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルとは、アクリル酸アルキルエステルおよび/または
メタクリル酸アルキルエステルをいう。以下(メタ)等
と記載してあるのは前記と同様の意味である}、(メ
タ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステ
ル、酢酸ビニル、(ジ)イソブチレン等の直鎖または分
岐鎖のα−オレフィン類等があげられる。
【0012】アニオン性モノマーのなかの、α,β−不
飽和モノカルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸、(メタ)アリルカルボン酸等があげられ、
α,β−不飽和ジカルボン酸としてはイタコン酸、(無
水)マレイン酸、フマル酸、ムコン酸等があげられ、不
飽和スルホン酸としては、(メタ)アリルスルホン酸、
スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸等があげられる。これらアニオン性
モノマーは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金
属塩やアンモニウム塩等の塩の形態でもよく、α,β−
不飽和ジカルボン酸は、半エステルとなっていてもよ
い。なお、塩、半エステルは、モノマーそれ自体が塩、
半エステルでもよく、共重合体を製造した後に共重合体
中のカルボキシル基を塩、半エステルとすることもでき
る。
【0013】前記疎水性モノマーとアニオン性モノマー
の共重合比は、疎水性モノマー:アニオン性モノマー
(モル比)が、5〜95:95〜5、好ましくは20〜
80:80〜20である。かかる共重合体は、一般的
な、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等により製造でき、
水溶液として得られる。なお、各種重合において有機溶
媒を使用した場合には有機溶媒を留去して水溶液とす
る。得られた共重合体の分子量は特に制限されないが、
通常、重量平均分子量が1000〜100000程度の
ものを使用するのが好ましい。
【0014】疎水性モノマーとアニオン性モノマーの共
重合体からなる表面サイズ剤の具体例としては、たとえ
ば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン
−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マ
レイン酸−マレイン酸半エステル共重合体、(ジ)イソ
ブチレン−マレイン酸共重合体、(ジ)イソブチレン−
マレイン酸−マレイン酸半エステル共重合体およびこれ
らの塩等があげられる。本発明では、これらの1種を単
独でまたは2種以上を組み合わせて使用するのが好まし
い。また、表面サイズ剤としては、前記以外に、アルキ
ルケテンダイマー、アルケニル(無水)コハク酸、スチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレート共重合体およびそ
のエピハロヒドリン反応物などを使用することもでき
る。
【0015】本発明の(2)カルボキシル基含有ポリア
クリルアミドは、アクリルアミドを主成分としてなるポ
リアクリルアミドであって、分子中にカルボキシル基を
有しているものであれば特に制限なく使用できる。かか
る本発明のカルボキシル基含有ポリアクリルアミドとし
ては、たとえば、アクリルアミド、カルボキシル基含有
ビニルモノマー、および必要により前記以外のビニルモ
ノマーを共重合した共重合体があげられる。
【0016】アクリルアミドの使用割合は、ビニルモノ
マーの総モル和に対して、通常50〜99モル%が好ま
しい。アクリルアミドの使用割合の下限としては70モ
ル%、上限としては98モル%がより好ましい。なお、
アクリルアミドの使用割合が50モル%未満では、紙力
強度が十分でない。
【0017】カルボキシル基含有ビニルモノマーとして
は、前記共重合型の表面サイズ剤の調製に用いた、α,
β−不飽和モノカルボン酸、α,β−不飽和ジカルボン
酸と同様のものを使用できる。なかでも、(メタ)アク
リル酸、イタコン酸を使用するのが好ましい。
【0018】カルボキシル基含有ビニルモノマーの使用
割合は、ビニルモノマーの総モル和に対して、1〜50
モル%が好ましい。カルボキシル基含有ビニルモノマー
の使用割合の下限としては2モル%、上限としては10
モル%がより好ましい。カルボキシル基含有ビニルモノ
マーの使用割合が1モル%未満では、紙力強度が十分で
なく、また、アルミニウム化合物との反応が不十分で、
製紙用表面塗工剤を紙表面に塗工、乾燥した後のポリア
クリルアミドの水への溶解性を十分に低減し難い。
【0019】前記以外のビニルモノマーとしては、各種
のものがあげられる。たとえば、アニオン性ビニルモノ
マーとしてはビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
(メタ)アリルスルホン酸などの有機スルホン酸;また
はこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩等があげられる。カチオ
ン性ビニルモノマーとしては、たとえばジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミドなどの第三級アミノ基を有するビニルモ
ノマーまたはそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸も
しくは有機酸の塩類、または該第三級アミノ基含有ビニ
ルモノマーとメチルクロライド、ベンジルクロライド、
ジメチル硫酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との
反応によって得られる第四級アンモニウム塩を含有する
ビニルモノマー等があげられる。また、ノニオン性ビニ
ルモノマーとしては、カルボキシル基含有ビニルモノマ
ーまたは前記アニオン性ビニルモノマーのアルキルエス
テル(アルキル基の炭素数1〜8)、メタクリルアミ
ド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン類、酢酸ビニ
ル、メチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドンなど
が挙げられる。また、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、
N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミドなど
のN−置換(メタ)アクリルアミド類があげられる。
【0020】さらには、前記以外のビニルモノマーとし
て、多官能性モノマーを使用することもできる。多官能
性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
等のジ(メタ)アクリレート類、メチレンビス(メタ)
アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビ
ス(メタ)アクリルアミド類、アジピン酸ジビニル、セ
バシン酸ジビニル等のジビニルエステル類、アリルメタ
クリレート、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモ
ニウム、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデー
ト、ジビニルベンゼン、N,N−ジアリルアクリルアミ
ド等の2官能性ビニルモノマー、1,3,5−トリアク
リロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイ
ソシアヌレート、トリアリルアミン、トリアリルトリメ
リテート等の3官能性ビニルモノマー、テトラメチロー
ルメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテ
ート、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジ
アミノブタン、テトラアリルアミン塩、テトラアリルオ
キシエタン等の4官能性ビニルモノマー、その他にN−
メチロールアクリルアミド等があげられる。
【0021】かかる必要に応じて用いられるビニルモノ
マーの使用割合は、ビニルモノマーの総モル和に対し
て、0〜40モル%が好ましい。ただし、多官能性モノ
マーは0〜5モル%とするのが好ましい。
【0022】なお、アクリルアミド、カルボキシル基含
有ビニルモノマー、および必要により前記以外のビニル
モノマーを共重合してカルボキシル基含有ポリアクリル
アミドを製造する方法は、通常の手段を採用できる。例
えば、所定の反応容器に前記各種モノマーおよび水を仕
込み、ラジカル重合開始剤を加え、攪拌下、加温するこ
とにより目的とするカルボキシル基含有ポリアクリルア
ミドを得ることができる。反応温度は、通常50〜10
0℃程度、反応時間は1〜5時間程度である。その他、
モノマーの仕込み方法は同時重合、連続滴下重合等の従
来公知の各種方法により行うことができる。ラジカル重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナトリウム
のごとき還元剤とを組み合わせた形のレドックス系重合
開始剤等の通常のラジカル重合開始剤を使用できる。ま
た、前記ラジカル重合開始剤には、アゾ系開始剤を用い
てもよい。ラジカル重合開始剤の使用量は、ビニルモノ
マーの総重量和の0.05〜2重量%程度である。
【0023】カルボキシル基含有ポリアクリルアミドの
重量平均分子量は、通常、10万〜500万程度であ
り、粘度は、通常、固形分10〜35重量%で2000
0cps程度(25℃)以下の性状である。
【0024】(1)表面サイズ剤と(2)カルボキシル
基含有ポリアクリルアミドの使用割合は、紙力強度、サ
イズ性等のバランスに優れることから、固形分重量比
で、通常、(1):(2)=1〜200:100であ
る。(1)表面サイズ剤の使用割合は、(2)カルボキ
シル基含有ポリアクリルアミド100重量部に対し、下
限は5重量部、また上限は100重量部とするのが好ま
しい。
【0025】本発明の(3)水溶性アルミニウム化合物
としては、各種のものを使用できるが、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基
性塩化アルミニウム、硫酸珪酸アルミニウムおよびそれ
らの重合体から選ばれるいずれか少なくとも1種を使用
するのが好ましい。これら例示した水溶性アルミニウム
化合物のなかでも、コスト面から硫酸アルミニウムが特
に好ましい。
【0026】水溶性アルミニウム化合物は前記カルボキ
シル基含有ポリアクリルアミドのなかのカルボキシル基
と反応させて、製紙用表面塗工剤を紙表面に塗工、乾燥
した後の当該ポリアクリルアミドの水への溶解性を低減
させるものである。そのため、水溶性アルミニウム化合
物の使用量は、カルボキシル基含有ポリアクリルアミド
のカルボキシル基100当量に対し、アルミニウム原子
として1〜200当量が好ましく、下限としては10当
量、上限としては100当量がより好ましい。水溶性ア
ルミニウム化合物の使用量が、1当量より少ない場合に
はポリアクリルアミドの水への溶解性を低減し難く、ま
た200当量より多い場合には全固形分当たりの紙力効
果が不十分となる。
【0027】本発明の製紙用表面塗工剤には、前記
(1)表面サイズ剤、(2)カルボキシル基含有ポリア
クリルアミドおよび(3)水溶性アルミニウム化合物に
加えて、さらに(4)キレート剤を含有することができ
る。キレート剤の効果はよく分からないが、水溶性アル
ミニウム化合物に配位して、水溶性アルミニウム化合物
のポリアクリルアミド中のカルボキシル基との反応性
を、製紙用表面塗工剤の安定性が確保できる程度に不活
性とし、また、製紙用表面塗工剤を紙表面に塗工し、乾
燥する際には、水溶性アルミニウム化合物がポリアクリ
ルアミド中のカルボキシル基と反応しうる程度に反応性
を維持するような作用をしていると考えられる。
【0028】キレート剤としては、アルミニウムに配位
する各種のものを使用できるが、本発明では、クエン
酸、リンゴ酸、酒石酸および乳酸から選ばれるいずれか
少なくとも1種を使用するのが好ましい。これら例示し
たキレート剤のなかでも、特にクエン酸が好ましい。キ
レート剤の使用量は、通常、水溶性アルミニウム化合物
のアルミニウム原子1モル部に対し、3モル部以下で使
用する。3モル部より多い場合には、紙に塗工された後
もポリマー中のカルボキシル基とアルミニウムの結合が
生成せず、ポリマーの不溶化を達成し難い。一方、キレ
ート剤の使用量は、水溶性アルミニウム化合物のアルミ
ニウム原子1モル部に対し、0.1モル部以上、さらに
は0.2モル部以上とするのが好ましい。キレート剤が
0.1モル部より少ない場合には、塗工剤が使用される
前(保存中)にポリアクリルアミド中のカルボキシル基
とアルミニウムの結合が生成し、塗工剤の増粘、ゲル化
が起こり易い。
【0029】本発明の製紙用表面塗工剤は、(1)表面
サイズ剤、(2)カルボキシル基含有ポリアクリルアミ
ドおよび(3)水溶性アルミニウム化合物を含有する水
溶液であり、各成分の使用量が前記範囲となるように適
宜に調製して製造できるが、(2)カルボキシル基含有
ポリアクリルアミドの水溶液に、必要に応じ、無機酸、
有機酸あるいは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
アンモニア等のアルカリを添加し、水溶液のpHを2〜
9に調整したあと、(1)表面サイズ剤及び(3)水溶
性アルミニウム化合物を混合し、pH2〜9の水性液か
らなる製紙用表面塗工剤を調製するのが好ましい。ま
た、(4)キレート剤を含有させる場合にも、各成分の
使用量が前記範囲となるように適宜に調整して製造でき
るが、水溶液の調製時にカルボキシル基とアルミニウム
化合物が反応しないように、予め(3)水溶性アルミニ
ウム化合物と(4)キレート剤を含有する水溶液を調製
し、必要に応じ、さらに、アルカリを添加し当該水溶性
アルミニウム化合物含有水溶液のpHを4〜11に調整
したあと、(2)カルボキシル基含有ポリアクリルアミ
ドを含む水溶液と混合し、pH4〜11の水性液からな
る製紙用表面塗工剤を調製するのが好ましい。なお、
(1)表面サイズ剤は、(2)カルボキシル基含有ポリ
アクリルアミドを含む水溶液に予め混合していてもよ
く、水溶性アルミニウム化合物含有水溶液を混合した後
に混合してもよい。
【0030】製紙用表面塗工剤として用いる水溶液中の
(1)表面サイズ剤および(2)カルボキシル基含有ポ
リアクリルアミドの濃度は、通常40重量%以下の範囲
で適宜に調整できる。ただし、製紙用表面塗工剤が、
(4)キレート剤を含有しない場合には、水溶液の安定
性を考慮すれば濃度を5重量%以下とするのが好まし
い。一方、(4)キレート剤を含む場合には前記濃度を
10〜40重量%程度で安定に存在する。また、製紙用
表面塗工剤は、輸送時には高濃度とし、使用時に必要に
応じ濃度0.1〜10重量%程度に希釈して使用でき
る。また、使用時に、濃度0.1〜10重量%に希釈さ
れたカルボキシル基含有ポリアクリルアミド水溶液に表
面サイズ剤、水溶性アルミニウム化合物、必要に応じて
キレート剤、前記アルカリを別々にあるいは同時に混合
してもよい。さらには必要に応じ、防滑剤、滑剤、消泡
剤等各種の添加剤を混合してもよい。
【0031】こうして得られた製紙用表面塗工剤は、表
面塗工紙を製造するための紙、板紙の表面処理に用いら
れる。紙、板紙としては、新聞巻取紙、筆記用紙、壁
紙、PPC用紙、インクジェット用紙、印刷用紙や、ラ
イナー等の板紙等の各種のものがあげられるが、本発明
の製紙用表面塗工剤は、近年、軽量化が進み、カラー印
刷が増加し、厳しい印刷適性が要求されているといった
点から、特に新聞巻取紙の表面塗工剤として有用であ
る。また、紙表面の塗工方法としては、各種の方式を採
用できる。たとえば、含浸法、バーコーター法、カレン
ダー法、スプレー法、二本ロールサイズプレス等の方
式、ゲートロールサイズプレス、シムサイズプレス等の
フィルム転写方式等が挙げられる。また、製紙用表面塗
工剤の塗工量は通常は0.01〜2g/m2 (固形分)
程度、好ましくは0.04〜1g/m2である。
【0032】
【発明の効果】本発明の製紙用表面塗工剤は、紙力強
度、サイズ性等が高く、しかも紙表面へ塗工、乾燥した
後には、水への溶解性が低いため、表面塗工剤を塗工し
た表面塗工紙をオフセット印刷に用いた場合、印刷適性
が優れ、印刷時の操業トラブルが無く、得られる印刷物
の品質も優れる。そのため、ゲートロールサイズプレス
等のフィルム転写方式により、表面塗工剤を紙表面に多
量に塗工することもできる。また、キレート剤を加える
ことにより表面塗工剤の保存安定性を向上できる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、各例中の部および%は特記ない限り重
量基準である。
【0034】合成例1(表面サイズ剤の合成) 撹拌器、還流冷却管および窒素導入管を備えた反応器
に、水100部、イソプロピルアルコール75部を加
え、窒素雰囲気下で撹拌しながら加熱し温度を85℃ま
で上昇させた。これにスチレン45部、アクリル酸n−
ブチル10部、メタクリル酸45部を混合した単量体混
合液と、過硫酸カリウム5部を水100部に溶解した重
合開始剤水溶液を3時間で全量滴下させた後に2時間熟
成させて反応を完結させた。その後、イソプロピルアル
コールを留去し、冷却後28%アンモニア水溶液31.
8部を加え水で希釈し共重合体の濃度が20%になるよ
うに調整し、25℃の粘度が1500cps、pH8.
5の表面サイズ剤(以下、サイズAという)を得た。
【0035】合成例2(表面サイズ剤の合成) 撹拌器、還流冷却管および窒素導入管を備えた反応器
に、トルエン80部を加え、窒素雰囲気下で撹拌しなが
ら加熱し温度を110℃まで上昇させた。これにスチレ
ン51.5部、無水マレイン酸48.5部をトルエン1
50部に溶解した単量体混合液と、t−ブチルパーオキ
シベンゾエイト5部をトルエン50部に溶解した重合開
始剤溶液を3時間で全量滴下させた後に2時間熟成させ
て反応を完結させた。その後、48%水酸化ナトリウム
16.5部と水100部を添加した後トルエンを留去
し、冷却後28%アンモニア水溶液51.1部を加え水
で希釈し共重合体の濃度が20%になるように調整し、
25℃の粘度が2500cps、pH9.5の表面サイ
ズ剤(以下、サイズBという)を得た。
【0036】合成例3(表面サイズ剤の合成) 撹拌器、還流冷却管および窒素導入管を備えた反応器
に、無水マレイン酸46.6部、トルエン200部を加
え、窒素雰囲気下で撹拌しながら加熱し温度を110℃
まで上昇させた。これにジイソブチレン53.4部と、
t−ブチルパーオキシベンゾエイト5部をトルエン50
部に溶解した重合開始剤溶液を3時間で全量滴下させた
後に2時間熟成させて反応を完結させた。その後、48
%水酸化ナトリウム11.9部と水100部を添加した
後トルエンを留去し、冷却後28%アンモニア水溶液5
2部を加え水で希釈し共重合体の濃度が25%になるよ
うに調整し、25℃の粘度が1100cps、pH9.
3の表面サイズ剤(以下、サイズCという)を得た。
【0037】合成例4(カルボキシル基含有ポリアクリ
ルアミド水溶液) 撹拌器、還流冷却管および窒素導入管を備えた反応器
に、アクリルアミド94.9部(単量体総モル和に対し
95モル%)、アクリル酸5.1部(5モル%)、脱イ
オン水395.8部を加え、窒素雰囲気下で撹拌しなが
ら加熱し温度を40℃まで上昇させた。これに10%過
硫酸アンモニウム水溶液3部および10%亜硫酸水素ナ
トリウム水溶液1.2部投入した。発熱により反応液温
度が90℃に達した後、2時間熟成させて反応を完結さ
せた。その後、冷却し48%水酸化ナトリウム3.5部
を加え水で希釈し共重合体の濃度が20%になるように
調整し、25℃の粘度が4800cps、pH5.9の
カルボキシル基含有ポリアクリルアミド水溶液(以下、
PAM−Aという)を得た。
【0038】合成例5(カルボキシル基含有ポリアクリ
ルアミド水溶液) 撹拌器、還流冷却管および窒素導入管を備えた反応器
に、アクリルアミド91.9部(単量体総モル和に対し
95.5モル%)、イタコン酸7部(4モル%)、メタ
リルスルホン酸ナトリウム1.1部(0.5モル%)お
よび脱イオン水297.5部を加え、窒素雰囲気下で撹
拌しながら加熱し温度を45℃まで上昇させた。これに
10%過硫酸アンモニウム水溶液2.5部を投入した。
発熱により反応液温度が90℃に達した後、2時間熟成
させて反応を完結させた。その後、冷却し48%水酸化
ナトリウム4.5部を加え水で希釈し共重合体の濃度が
25%になるように調整し、25℃の粘度が3800c
ps、pH6.2のカルボキシル基含有ポリアクリルア
ミド水溶液(以下、PAM−Bという)を得た。
【0039】合成例6(カルボキシル基含有ポリアクリ
ルアミド水溶液) 撹拌器、還流冷却管および窒素導入管を備えた反応器
に、アクリルアミド69.3部(単量体総モル和に対し
65モル%)、アクリル酸10.8部(10モル%)、
アクリロニトリル19.9部(25モル%)、イソプロ
ピルアルコール2.5部および脱イオン水394.8部
を加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら加熱し温度を40
℃まで上昇させた。これに10%過硫酸アンモニウム水
溶液1.5部および10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液
1.2部投入した。発熱により反応液温度が90℃に達
した後、2時間熟成させて反応を完結させた。その後、
冷却し28%アンモニア水溶液4.6部を加え水で希釈
し共重合体の濃度が20%になるように調整し、25℃
の粘度が3100cps、pH5.2のカルボキシル基
含有ポリアクリルアミド水溶液(以下、PAM−Cとい
う)を得た。
【0040】実施例1 合成例1で得たサイズA100部および合成例4で得た
PAM−A1000部をそれぞれ濃度3%に希釈し混合
した。この混合液に、市販の硫酸アルミニウム水溶液
(濃度:27%、1.6ミリモル/gのアルミニウムを
含有)8.8部(アルミニウム原子はPAM−A中のカ
ルボキシル基100当量に対し10当量)を添加し、更
に水で希釈し濃度2%でpH2.9の製紙用表面塗工剤
aを得た。
【0041】実施例2 合成例3で得たサイズC150部および合成例5で得た
PAM−B1000部をそれぞれ濃度3%に希釈し混合
した。この混合液に、実施例1で用いた硫酸アルミニウ
ム水溶液169.2部(アルミニウム原子はPAM−B
中のカルボキシル基100当量に対し100当量)、水
300部、クエン酸一水和物11.4部(アルミニウム
原子1モル部に対し、0.2モル部)および28%アン
モニア水溶液80部を混合したアルミニウム化合物含有
水溶液を添加し、更に水で希釈し濃度2%でpH7.5
の製紙用表面塗工剤bを得た。
【0042】実施例3 合成例2で得たサイズB1250部および合成例5で得
たPAM−B1000部をそれぞれ濃度3%に希釈し混
合した。この混合液に、実施例1で用いた硫酸アルミニ
ウム水溶液169.2部(アルミニウム原子はPAM−
A中のカルボキシル基100当量に対し100当量)、
水300部、クエン酸一水和物11.4部(アルミニウ
ム原子1モル部に対し、0.2モル部)および28%ア
ンモニア水溶液80部を混合したアルミニウム化合物含
有水溶液を添加し、更に水で希釈し濃度2%でpH9.
5の製紙用表面塗工剤cを得た。
【0043】実施例4 合成例4で得たPAM−A1000部に28%アンモニ
ア水溶液3.4部を添加しpH8.5に調整した。この
水溶液に、実施例1で用いた硫酸アルミニウム水溶液4
3.9部(アルミニウム原子はPAM−A中のカルボキ
シル基100当量に対し50当量)、水40部、クエン
酸一水和物5.9部(アルミニウム原子1モル部に対
し、0.4モル部)および28%アンモニア水溶液20
部を混合したアルミニウム化合物含有水溶液、および合
成例1で得たサイズA50部、水を混合して、濃度20
%となるように調整して、粘度1000cps、pH
9.0の製紙用表面塗工剤dを得た。
【0044】実施例5 合成例5で得たPAM−B1000部に28重量%アン
モニア水溶液9.8部を添加しpH9.5に調整した。
この水溶液に、実施例1で用いた硫酸アルミニウム水溶
液67.7部(アルミニウム原子はPAM−B中のカル
ボキシル基100当量に対し40当量)、水50部、ク
エン酸一水和物8部(アルミニウム原子1モル部に対
し、0.35モル部)、48%水酸化ナトリウム水溶液
46.4部を混合したアルミニウム化合物含有水溶液、
および合成例3で得たサイズC100部、水を混合し
て、濃度25%となるように調整して、粘度2500c
ps、pH9.5の製紙用表面塗工剤eを得た。
【0045】実施例6 合成例6で得たPAM−C1000部に28%アンモニ
ア水溶液10.0部を添加しpH9.0に調整した。こ
の水溶液に、実施例1で用いた市販の硫酸アルミニウム
水溶液112.5部(アルミニウム原子はPAM−C中
のカルボキシル基100当量に対し60当量)、水70
部、酒石酸23.0部(アルミニウム原子1モル部に対
し、0.85モル部)、28%アンモニア水溶液65.
0部を混合したアルミニウム化合物含有水溶液および合
成例2で得たサイズ−B150部、水を混合して、濃度
20%となるように調整して、粘度1100cps、p
H9.3の製紙用表面塗工剤fを得た。
【0046】比較例1 実施例1において、硫酸アルミニウム水溶液を添加しな
いこと以外は、実施例1と同様の調製を行い、濃度2%
でpH7.5の製紙用表面塗工剤gを得た。
【0047】比較例2 実施例3において、硫酸アルミニウム水溶液にクエン酸
一水和物、28%アンモニア水溶液を添加したアルミニ
ウム化合物含有水溶液を添加しないこと以外は、実施例
3と同様の調製を行い、濃度20%で粘度1500cp
s、pH8.7の製紙用表面塗工剤hを得た。
【0048】比較例3 実施例4において、硫酸アルミニウム水溶液にクエン酸
一水和物、28%アンモニア水溶液を添加したアルミニ
ウム化合物含有水溶液を添加しないこと以外は、実施例
4と同様の調製を行い、濃度20%で粘度4200cp
s、pH8.5の製紙用表面塗工剤iを得た。
【0049】実施例1〜6および比較例1〜3で得られ
た製紙用表面塗工剤a〜iの組成を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1中、(1)表面サイズ剤の部数は
(2)PAMの固形分100部に対する固形部数、
(2)PAMはカルボキシル基含有ポリアクリルアミド
水溶液、(3)アルミの当量は(2)PAM中のカルボ
キシル基100当量に対する硫酸アルミニウム水溶液中
のアルミニウム原子の当量、(4)キレート剤のモル数
はアルミニウム原子1モル部に対するキレート剤のモル
数、CAはクエン酸一水和物、TAは酒石酸、を表す。
【0052】(表面塗工紙の製造)実施例1〜6で得た
製紙用表面塗工剤a〜f及び比較例1〜3で得た製紙用
表面塗工剤g〜iを、それぞれ濃度2%になるように適
宜に希釈し、表2に示す塗工量でゲートロールコーター
にて新聞原紙(坪量43g/m2 )に塗工し、回転ドラ
イヤーを用いて100℃で1分間乾燥させて新聞用紙を
得た。得られた新聞用紙は恒温恒湿(20℃、65%
R.H.)の環境下で1日調湿した後に、以下の方法で
評価した。評価結果を表2に示す。
【0053】(表面強度)印刷適性試験機(SMT社
製)を用いて、表面塗工した新聞用紙にタック10の墨
インキを印刷した後の紙表面のケバ立ちにより、表面強
度を目視判定した。評価は印刷後のケバ立ちの程度に応
じて5段階評価した(数字が大きいほどケバ立ちが少な
い)。
【0054】(水溶解性)1cm×1cmに切断した表
面塗工した新聞用紙(1.5g)を、イオン交換水10
0gに浸し、マグネチックスターラーで撹拌し、1分後
に水を採取し、水中の窒素濃度を測定して、塗工された
ポリアクリルアミドの量に対する溶解したポリアクリル
アミドの量の割合(%)を算出した。
【0055】(サイズ性) 吸水度:J.Tappi No.33(吸収性の紙の吸
水速度試験)に準じ、1マイクロリットルの脱イオン水
が吸収されるまでの時間を測定した。 接触角:脱イオン水1マイクロリットルを表面塗工した
新聞用紙に滴下し、滴下0.1秒後の接触角を接触角測
定装置DAT1100(FIBRO社製)で測定した。
【0056】
【表2】
【0057】表面塗工剤a〜cはいずれも2%水溶液で
あり、40℃で24時間保存しても増粘はなく、表面塗
工剤として使用可能であった。なお、表面塗工剤b及び
cは、表面塗工剤aに比べてアルミニウム化合物の含有
量がかなり多いにも拘わらず、キレート剤の作用により
安定に存在した。また、表面塗工剤d〜fは、20%ま
たは25%水溶液であり、表面塗工剤a〜cに比べて高
濃度であるが、キレート剤の作用により一カ月経過後も
増粘、ゲル化することなく安定なものであった。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)表面サイズ剤、(2)カルボキシ
    ル基含有ポリアクリルアミド及び、(3)水溶性アルミ
    ニウム化合物を含有する水溶液からなる製紙用表面塗工
    剤。
  2. 【請求項2】 (1)表面サイズ剤が、スチレン−(メ
    タ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル
    酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−
    マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−マレイン
    酸半エステル共重合体、(ジ)イソブチレン−マレイン
    酸共重合体、(ジ)イソブチレン−マレイン酸−マレイ
    ン酸半エステル共重合体およびこれらの塩から選ばれた
    いずれか少なくとも1種である請求項1記載の製紙用表
    面塗工剤。
  3. 【請求項3】 (2)カルボキシル基含有ポリアクリル
    アミドが、アクリルアミド50〜99モル%、カルボキ
    シル基含有ビニルモノマー1〜50モル%、および前記
    以外のビニルモノマー0〜40モル%を共重合した共重
    合体である請求項1または2記載の製紙用表面塗工剤。
  4. 【請求項4】 (1)表面サイズ剤:(2)カルボキシ
    ル基含有ポリアクリルアミドの使用割合が、(1):
    (2)=1〜200:100(固形分重量比)である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の製紙用表面塗工剤。
  5. 【請求項5】 (3)水溶性アルミニウム化合物が、硫
    酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミ
    ニウム、塩基性塩化アルミニウム、硫酸珪酸アルミニウ
    ム及びそれらの重合体から選ばれるいずれか少なくとも
    1種である請求項1〜4のいずれかに記載の製紙用表面
    塗工剤。
  6. 【請求項6】 (3)水溶性アルミニウム化合物の使用
    量が、カルボキシル基含有ポリアクリルアミドのカルボ
    キシル基100当量に対し、アルミニウム原子として1
    〜200当量である請求項1〜5のいずれかに記載の製
    紙用表面塗工剤。
  7. 【請求項7】 さらに、(4)キレート剤を含有してな
    る請求項1〜6のいずれかに記載の製紙用表面塗工剤。
  8. 【請求項8】 (4)キレート剤が、クエン酸、リンゴ
    酸、酒石酸および乳酸から選ばれるいずれか少なくとも
    1種である請求項7記載の製紙用表面塗工剤。
  9. 【請求項9】 (4)キレート剤の使用量が、水溶性ア
    ルミニウム化合物のアルミニウム原子1モル部に対し、
    0.1〜3モル部である請求項7または8記載の製紙用
    表面塗工剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の製紙
    用表面塗工剤を、紙表面に塗工した表面塗工紙。
  11. 【請求項11】 紙表面の塗工方法がゲートロール方式
    である請求項10記載の表面塗工紙。
  12. 【請求項12】 紙が新聞巻取紙である請求項10また
    は11記載の表面塗工紙。
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JP2010196237A (ja) * 2009-01-27 2010-09-09 Arakawa Chem Ind Co Ltd 製紙用表面サイズ剤、製紙用表面サイズ剤を含有する塗工液ならびにこれらを用いて得られる紙
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