JPH09124875A - アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂 - Google Patents

アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂

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JPH09124875A
JPH09124875A JP30820195A JP30820195A JPH09124875A JP H09124875 A JPH09124875 A JP H09124875A JP 30820195 A JP30820195 A JP 30820195A JP 30820195 A JP30820195 A JP 30820195A JP H09124875 A JPH09124875 A JP H09124875A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解速度の優れたアセト酢酸エステル化ポリ
ビニルアルコール系樹脂を提供する。 【解決手段】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
ルコール系樹脂中の(1)粒子径500μm以上の粒子
のアセト酢酸エステル化度が該樹脂全体の平均のアセト
酢酸エステル化度の0.5〜1.2倍であって、尚且つ
粒子径500μm未満の粒子を80重量%以上含有し、
尚且つ(2)粒子径45μm未満の粒子のアセト酢酸エ
ステル化度が該樹脂全体の平均のアセト酢酸エステル化
度の0.8〜1.8倍であって尚且つ粒子径45μm以
上の粒子を80重量%以上含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセト酢酸エステル基
含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下AA化PVAと
略記する)に関し、更に詳しくは溶解性に優れたAA化
PVAに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリビニルアルコール系樹脂
(以下PVAと略記する)はその製膜性能(造膜性、耐
油性、強度等)、水溶性等を利用して乳化分散安定剤、
紙加工剤、接着剤、懸濁剤、界面活性剤、繊維加工剤等
として広く使用されている。
【0003】そして、その各種用途や要求性能に応じ
て、PVAの変性が試みられており、その1つとして、
アセト酢酸エステル基(以下AA基と略記する)を含有
したAA化PVAが知られている。
【0004】そして該AA化PVAの水溶液は上記の如
く乳化分散安定剤、紙加工剤、接着剤懸濁剤、界面活性
剤、繊維加工剤等の用途に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年AA
化PVAは、その優れた特性により広範囲な用途に大量
に使用されるようになり、各用途におけるニーズも多様
化し、様々な特性が要求されるようになってきた。特に
省力化、高速化という傾向の中において共通する要求特
性は溶解度(溶解速度)である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる事情
を鑑みて鋭意検討した結果、AA化PVA中の溶解度は
AA化PVAの粒度分布と、アセト酢酸エステル化度
(以下AA化度と略記する)に影響されるとの知見のも
とに研究を重ねた結果、AA化PVA中の(1)粒子径
500μm以上の粒子のアセト酢酸エステル化度が該樹
脂全体の平均のアセト酢酸エステル化度の0.5〜1.
2倍であって、尚且つ粒子径500μm未満の粒子を8
0重量%以上含有し、尚且つ(2)粒子径45μm未満
の粒子のアセト酢酸エステル化度が該樹脂全体の平均の
アセト酢酸エステル化度の0.8〜1.8倍であって、
尚且つ粒子径45μm以上の粒子を80重量%以上含有
するAA化PVAが水に対する溶解速度が極めて速いこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明のAA化PVAは、PVAとジケテンを反応させ
る方法、PVAとアセト酢酸エステルを反応させエステ
ル交換する方法や、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共
重合させる方法等いずれの方法で製造しても良いが、製
造工程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られる点
から、PVAとジケテンを反応させる方法で製造するの
が好ましい。PVA粉末とジケテンを反応させる方法と
しては、PVAとガス状あるいは液状のジケテンを直接
反応させても良いし、有機酸をPVA粉末に予め吸着吸
蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状又はガス状の
ジケテンを噴霧、反応するか、またはPVA粉末に有機
酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応するなどの方法
が用いられる。
【0008】有機酸を使用する方法では、有機酸として
は酢酸が最も有利であるが、これのみに限られるもので
はなく、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸等も任意に使用
される。有機酸の量は反応系内のPVA粉末が吸着及び
吸蔵しうる限度内の量、換言すれば反応系の該樹脂と分
離した有機酸が存在しない程度の量が好ましい。具体的
には、PVA100重量部に対して30〜80重量部が
好ましい。
【0009】有機酸をPVAに均一吸着、吸蔵するに
は、有機酸を単独でPVAに噴霧する方法、適当な溶剤
に有機酸を溶解しそれを噴霧する方法等、任意の手段が
実施可能である。
【0010】PVAとジケテンとの反応条件としては、
PVA粉末に液状ジケテンを噴霧等の手段によって均一
に吸着、吸収せしめる場合は、不活性ガス雰囲気下、温
度20〜120℃に加温し、所定の時間撹拌あるいは流
動化を継続することが好ましい。
【0011】またジケテンガスを反応させる場合、接触
温度は0〜200℃、好ましくは25〜100℃であ
り、ガス状のジケテンがPVAとの接触時に液化しない
温度とジケテン分圧条件下に接触させることが好ましい
が、一部のガスが液滴となることは、なんら支障はな
い。接触時間は接触温度に応じて、即ち温度が低い場合
は時間が長く、温度が高い場合は、時間が短くてよいの
であって、1分〜6時間の範囲から適宜選択する。
【0012】ジケテンガスを供給する場合には、ジケテ
ンガスそのままか、ジケテンガスと不活性ガスとの混合
ガスでも良く、粉末PVAに該ガスを吸収させてから昇
温しても良いが、該粉末を加熱しながら、加熱した後に
該ガスを接触させるのが好ましい。
【0013】アセト酢酸エステル化(以下AA化と略記
する)の反応の触媒としては、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、第一アミン、第二アミン、第三アミンなどの塩
基性化合物が有効であり、該触媒量は公知の反応方法に
比べて少量で良く、PVA粉末に対し0.1〜1.0重
量%である。PVA粉末は、通常酢酸ナトリウムを含ん
でいるので触媒を添加しなくてもよい場合が多い。触媒
量が多すぎるとジケテンの副反応が起こりやすく好まし
くない。
【0014】AA化を実施する際の反応装置としては、
加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分である。例
えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダ
ーその他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置である。
【0015】かかるAA化PVAの出発原料であるPV
Aとしてはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアル
カリなどのケン化触媒によってケン化して得られたPV
Aやその誘導体、さらに酢酸ビニルと共重合性を有する
単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物で、該PV
Aは特に限定されないが、平均ケン化度30〜99.9
モル%、平均重合度50〜6000、より好ましくは2
00〜3000、平均ケン化度80〜99.9モル%の
範囲が好ましい。
【0016】該単量体としては、例えばエチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、
α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ
又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタア
クリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタ
クリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリ
ルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンス
ルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、
N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ
メチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリル
ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエー
テル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルな
どのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポ
リオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプ
ロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレ
ン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)
アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリ
ルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルア
ミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミ
ドー1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシ
エチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニル
エーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキ
シプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニル
アミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等との共重
合ケン化物が挙げられる。
【0017】PVAの製品には製造工程中のアルコール
類、エステル類及び水分を数重量%含んでいるものもあ
り、これらの成分中にはジケテンと反応して、ジケテン
を消費し、ジケテンの反応率を低下せしめるので、反応
に供する際には、加熱、減圧操作を行うなどして可及的
に減少せしめてから使用することが望ましい。
【0018】かくして得られたAA化PVAの平均のA
A化度は0.1〜40モル%、より好ましくは0.2〜
20モル%の範囲であって、0.1モル%未満では、A
A基としての特徴的な効果が発現されず、通常のPVA
と大差なく、又40モル%を越えると水への溶解性や安
定性が不良となり好ましくない。
【0019】本発明においてはかかるAA化PVA中
(1)粒子径500μm以上の粒子のアセト酢酸エステ
ル化度が該樹脂全体の平均のAA化度の0.5〜1.2
倍であって、尚且つ粒子径500μm未満の粒子を80
重量%以上含有し、尚且つ(2)粒子径45μm未満の
粒子のAA化度が該樹脂全体の平均のアセト酢酸エステ
ル化度の0.8〜1.8倍であって、尚且つ粒子径45
μm以上の粒子を80重量%以上含有することを最大の
特徴とするものである。
【0020】AA化PVA中の粒子径500μm以上の
粒子のAA化度がAA化PVA全体の平均のAA化度の
0.5倍未満の場合、1.2倍を越える場合、粒子径5
00μm未満の粒子が80重量%未満の場合、更には該
樹脂中の粒子径45μm未満の粒子のAA化度が該樹脂
全体の平均のAA化度の0.8倍未満の場合、2.0を
越える場合、粒子径45μm以上の粒子が80重量%未
満の場合のいずれの場合においても、AA化PVAの溶
解性及び溶解速度が極めて遅くなり本発明の目的を達成
することはできない。
【0021】本発明のAA化PVAを得る方法として要
は、最終製品が本発明の範囲内に入る様にコントロール
すれば良く、そのコントロールの時期は任意である。例
えば、原末のPVAを製造する時に、原料PVAの粒度
を調節したり、AA化PVA製造後500μmの標準金
網を通過させて大きな粒子を取り除いたり、45μmの
標準金網を通過する微粉を取り除いたりいずれも任意で
ある。
【0022】原料PVAの粒度のコントロール方法の一
例を挙げれば、粒子径500μm未満の粒子が80重量
%以上、尚且つ粒子径45μm以上の粒子を80重量%
以上にすることが好ましく、更に好ましくは粒子径50
0μm未満の粒子が95重量%以上、尚且つ粒子径75
μm以上の粒子を95重量%以上にする。粒子径500
μm未満の粒子が80重量%未満の時はAA化PVAの
500μmを未満の粒子が80重量%未満となる傾向が
あり、粒子径45μm以上の粒子が80重量%未満で
は、AA化PVAの粒子径45μm以上の粒子が80重
量%未満となる傾向があり、それらの場合AA化PVA
の粒子径500μm以上の粒子や、粒子径45μm未満
の粒子を除去する作業が必要となり、好ましくない。
【0023】またAA化反応の際に用いられる有機酸の
量をPVA100重量部に対して30〜80重量部に調
節しても良い。有機酸の量として好ましくはPVA10
0重量部に対して、50〜70重量部である。30重量
部未満では500μm以上のAA化PVAのAA化度
が、AA化PVAのAA化度の0.5倍未満になり、一
方80重量部を越え過剰の有機酸が存在するとAA化度
が不均一な生成物が得られやすく、未反応のジケテンが
多くなる傾向がある。
【0024】かかる方法等で得られた本発明のAA化P
VAは必要に応じて他のPVAや澱粉等の水溶性高分
子、多価金属やイソシアネートやアミノ樹脂等の架橋
剤、可塑剤、高沸点溶剤等の造膜助剤、炭酸カルシウム
やクレー等の体質顔料、酸化チタン等の有色顔料、防腐
剤、防虫剤、消泡剤、増粘剤、アミン類,アルコール
類,酸類等の硬化促進剤、レシチンやラノリン等の防錆
剤、増粘剤などが添加されて実用に供される。
【0025】本発明のAA化PVAの具体的な用途とし
ては次のようなものが挙げれる。 (1)成形物関係 繊維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、
暫定皮膜、ケミカルレース用、水溶性繊維 (2)被覆剤関係 繊維製品用サイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上
げ剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光
沢剤、帯電防止剤、導電剤、暫定皮膜、紙用クリアーコ
ート、紙用カラーコート、感熱記録紙、離型紙用アンダ
ーコート、内添サイズ剤 (3)疎水性樹脂用ブレンド剤関係 疎水性樹脂の帯電防止剤、及び親水性付与剤、複合繊
維、フィルムその他成形物用添加剤 (4)懸濁分散安定剤関係 塗料、墨汁、水性カラー、接着剤等の顔料分散剤、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレ
ート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分
散安定剤 (5)増粘剤関係 各種エマルジョンの増粘剤 (6)凝集剤関係 水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプ、スラリーの濾
水性 (7)土壌改良剤関係 (8)感光剤、感電子関係 (9)その他イオン交換樹脂、イオン交換樹脂、イオン
交換膜関係、キレート交換樹脂
【0026】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて更に詳
しく説明する。尚例中にことわりのない限り、「部」と
あるのは、「重量部」、「%」とあるのは、「重量%」
を示す。
【0027】実施例1 平均粒子径150μmで粒子径75〜500μmの粒子
が全体粒子の95%を占めるPVA粒子(ケン化度9
9.4%、重合度1200)をニーダーに100部仕込
み、これに酢酸60部を入れ、膨潤させ、回転数20r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン25部
と酢酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に30分
間反応させた。反応終了後の反応分散液にメタノール1
00部を添加し、30分撹拌した後、メタノール400
部で洗浄し、70℃で、6時間乾燥し、平均のAA化度
が6.0モル%のAA化PVAを得た。500μmの標
準金網で粒子径500μm以上の粒子を分別し、AA化
度を測定したところ、AA化度が4.5モル%(平均の
AA化度の0.75倍)であった。又45μmの標準金
網で45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定した
ところ、AA化度が7.5モル%(平均のAA化度の
1.25倍)であった。AA化PVA中の粒子径500
μm未満の粒子は88重量%、粒子径45μm以上の粒
子は85重量%であった。
【0028】次に得られたAA化PVA32gと水76
8gを1lのセパラブルフラスコに入れて撹拌しなが
ら、20分間で90℃に昇温し、その後45分撹拌した
後、15分間で25℃まで冷却し以下の要領で溶解性
(溶液の状態、未溶解分、濾液の様子、未溶解分の付
着)を調べた。
【0029】冷却液の様子 ○・・・溶液の濁りなし △・・・溶液がやや白濁 ×・・・粗粒部が不溶又はままこ生成
【0030】未溶解分 上記の冷却液を100メッシュの標準金網で濾過し、金
網上の不溶物の105℃の乾燥機で恒量になるまで乾燥
し、乾燥重量を求め、仕込みのAA化PVAに対する重
量%を求めた。
【0031】濾液の様子 金網で濾過した濾液の様子を目視で以下の様に評価し
た。 ○・・・濾液の濁りなし △・・・濾液がやや白濁 ×・・・濾液が白濁
【0032】未溶解物の付着 フラスコ壁面の未溶解物の付着程度を以下の様に評価し
た。 ○・・・付着物なし ×・・・付着物が若干あり これらの結果を表1に示す。
【0033】実施例2 平均粒子径150μmで粒子径45μm未満の微粉を粒
子径350メッシュの標準金網で取り除いたPVA粒子
(ケン化度98モル%、重合度1700)を還流冷却器
を具備した反応缶に100部、酢酸100部を仕込み、
これにテトラブチルチタネート0.025部を添加し回
転数20rpmで撹拌しながら、8時間にわたって12
0℃で反応した。反応終了後40℃に冷却しメタノール
375部を仕込み、1時間撹拌後、濾過し、10mmH
gの減圧下、60℃で4時間乾燥し、平均のAA化度が
5.2モル%のAA化PVAを得た。500μmの標準
金網で粒子径500μm以上の粒子を分別し、AA化度
を測定したところ、AA化度が4.8モル%(平均のA
A化度の0.92倍)であった。又45μmの標準金網
で粒子径45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定
したところ、AA化度が6.2モル%(平均のAA化度
の1.19倍)であった。AA化PVA中の粒子径50
0μm未満の粒子が85重量%、粒子径45μm以上の
粒子が92重量%であった。得られたAA化PVAにつ
いて実施例1と同様に評価を行った。
【0034】比較例1 実施例1において、AA化反応時の酢酸を20部に変更
する以外は実施例1と同様の操作で製造し、平均のAA
化度が5.9モル%のAA化PVAを得た。500μm
の標準金網で500μm以上の粒子を分別し、AA化度
を測定したところ、AA化度が2.6モル%(平均のA
A化度の0.44倍)であった。又45μmの標準金網
で粒子径45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定
したところ、AA化度が10.0モル%(平均のAA化
度の1.69倍)であった。AA化PVA中の粒子径5
00μm未満の粒子が85重量%、粒子径45μm以上
の粒子が82.0重量%であった。得られたAA化PV
Aについて実施例1と同様に評価を行った。
【0035】比較例2 実施例2において粒子径45μm未満の粒子が10重量
%になるように45μmの粒子を添加したPVA粒子を
用いた以外は実施例2と同様の操作で製造し、平均のA
A化度が5.3モル%のAA化PVAを得た。粒子径5
00μmの標準金網で500μm以上の粒子を分別し、
AA化度を測定したところ、AA化度が4.5モル%
(平均のAA化度の0.85倍)であった。又45μm
の標準金網で粒子径45μm未満の粒子を分別し、AA
化度を測定したところ、AA化度が11.7モル%(平
均のAA化度の2.21倍)であった。AA化PVA中
粒子径500μm未満の粒子が89重量%、粒子径45
μm以上の粒子が82重量%であった。得られたAA化
PVAについては実施例1と同様に評価を行った。
【0036】比較例3 平均粒子径200μmで粒子径100〜500μmの粒
子が全体粒子の90%を占めるPVA粒子(ケン化度9
5.0%、重合度1500)をニーダーに100部仕込
み、これに酢酸60部を入れ、膨潤させ、回転数20r
pmで撹拌しながら、75℃に昇温後、ジケテン25部
と酢酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に30分
間反応させた。反応終了後の反応分散液にメタノール1
00部を添加し、30分撹拌した後、メタノール400
部で洗浄し、70℃で、6時間乾燥し、平均のAA化度
が5.5モル%のAA化PVAを得た。500μmの標
準金網で粒子径500μm以上の粒子を分別し、AA化
度を測定したところ、AA化度が6.9モル%(平均の
AA化度の1.25倍)であった。又45μmの標準金
網で45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定した
ところ、AA化度が5.2モル%(平均のAA化度の
0.95倍)であった。AA化PVA中の粒子径500
μm未満の粒子は88重量%、粒子径45μm以上の粒
子は85重量%であった。得られたAA化PVAについ
ては実施例1と同様に評価を行った。
【0037】比較例4 平均粒子径150μmで粒子径45〜500μmの粒子
が全体粒子の80%を占めるPVA粒子(ケン化度9
9.0%、重合度2000)をニーダーに100部仕込
み、これに酢酸100部を入れ、膨潤させ、回転数20
rpmで撹拌しながら、50℃に昇温後、ジケテン25
部と酢酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に2時
間反応させた。反応終了後の反応分散液にメタノール1
00部を添加し、30分撹拌した後、メタノール400
部で洗浄し、70℃で、6時間乾燥し、平均のAA化度
が6.1モル%のAA化PVAを得た。500μmの標
準金網で粒子径500μm以上の粒子を分別し、AA化
度を測定したところ、AA化度が7.0モル%(平均の
AA化度の1.15倍)であった。又45μmの標準金
網で45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定した
ところ、AA化度が4.6モル%(平均のAA化度の
0.75倍)であった。AA化PVA中の粒子径500
μm未満の粒子は88重量%、粒子径45μm以上の粒
子は85重量%であった。得られたAA化PVAについ
ては実施例1と同様に評価を行った。
【0038】比較例5 実施例1において得られたAA化PVAを500μmの
標準金網で500μm未満の粒子を一部除去し、粒子径
500μm未満の粒子が77重量%になるようにした。
粒子径500μm以上のAA化度は4.5モル%(平均
のAA化度の0.75倍)であった。又粒子径45μm
未満の粒子のAA化度は7.0モル%(平均のAA化度
の1.16倍)であった。AA化PVA中粒子径500
μm未満の粒子が70重量%、粒子径45μm以上の粒
子が95重量%であった。得られたAA化PVAについ
ては実施例1と同様に評価を行った
【0039】比較例6 実施例1において得られたAA化PVAを45μmの標
準金網で45μm以下の粒子を一部除去し、粒子径45
μm以上の粒子が60重量%になるようにした。粒子径
500μm以上のAA化度は5.0モル%(平均のAA
化度の0.83倍)であった。又粒子径45μm未満の
粒子のAA化度は7.5モル%(平均のAA化度の1.
25倍)であった。AA化PVA中粒子径500μm未
満の粒子が88重量%、粒子径45μm以上の粒子が6
0重量%であった。得られたAA化PVAについては実
施例1と同様に評価を行った。実施例及び比較例の評価
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】 *濾過性悪く、完全に濾液が除けないため測定できなか
った。
【0041】
【発明の効果】本発明のAA化PVAは、特定の粒度分
布及びAA化度を有するため、溶解速度が優れ作業性が
向上する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
    ルコール系樹脂中の(1)粒子径500μm以上の粒子
    のアセト酢酸エステル化度が該樹脂全体の平均のアセト
    酢酸エステル化度の0.5〜1.2倍であって、尚且つ
    粒子径500μm未満の粒子を80重量%以上含有し、
    尚且つ(2)粒子径45μm未満の粒子のアセト酢酸エ
    ステル化度が該樹脂全体の平均のアセト酢酸エステル化
    度の0.8〜1.8倍であって、尚且つ粒子径45μm
    以上の粒子を80重量%以上含有することを特徴とする
    アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹
    脂。
  2. 【請求項2】 残存酢酸ビニル成分のケン化度が80〜
    99.9モル%であることを特徴とする請求項1記載の
    アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹
    脂。
  3. 【請求項3】 重合度が200〜3000であることを
    特徴とする請求項1又は2いずれか記載のアセト酢酸エ
    ステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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