JP4006416B2 - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関し、より詳細には、撥インク性の表面層を有する中間転写体にインク像を形成し、そのインク像を記録媒体に転写して記録を行うインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関するものである。
現在、コンピュータによって作成された画像、印刷物の複写画像、FAX画像等を、ユーザの要求に従って記録し出力する画像記録装置の記録方式として、インクジェット記録方式、電子写真方式、サーマルヘッド方式、ドットインパクト方式等が利用されている。
これら方式の中で、インクジェット記録方式は、複雑な装置を必要としないため、ランニングコストが低く、装置の小型化やカラー化が容易であること、カードサイズのものから大版のポスター等に至る迄、記録媒体サイズに対して自由度があること、等の種々の利点を有している。このような利点から、現在、インクジェット記録方式を用いた記録装置が注目されている。その中でも、インクジェット記録方式を用いたプリンタは、小型で比較的安価に市場に提供されていることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラ等の印刷機として好適に用いられている。また、インクジェット記録方式は、プリンタに限らず、ファクシミリや複写機等のOA機器の出力装置にも用いられている。
このようなインクジェット記録方法は、低騒音のプリント方式であり、画像信号に応じて、インクを、紙、布及びプラスチックシート等の被プリント材(記録媒体)上に直接吐出して文字や画像等をプリントする方式(直接吐出方式とも呼ぶ)が主流である。また、インクジェット記録方法は、プリントの際に版を必要としないので、少部数でも効率的な印刷物が作成できるため、産業用途からも期待されている印刷方式である。産業用途に用いるには、様々な記録媒体に画像形成しなければならないが、現在主流の直接吐出方式ではこれを満足する事ができていない。すなわち、直接吐出方式によるインクジェット記録は記録媒体の制限が大きい画像形成方式となっている。
その具体的な制限の1つに記録媒体のインク吸収性の影響が挙げられる。
インクジェット記録方式で用いられるインクは成分のほとんどが液体成分であるために記録媒体のインクに対する吸収浸透性の違いが画像再現性に影響を与える。特に、液体を吸収しない(非インク吸収性)記録媒体を用いると、隣接して印字されたインク滴が混ざりあってしまう(ブリーディング)現象、先に着弾したインク滴が後に着弾したインク滴に引き寄せられてしまう(ビーディング)現象が起こりやすい為、画像形成は非常に困難である。また、インク浸透性を有する記録媒体であっても、液体の吸収性が低い(インク吸収性が低い)記録媒体の場合、ビーディング、ブリーディングが発生するばかりか、記録媒体内部の繊維に沿ってインクが浸透していくことでその繊維に沿って滲むフェザーリングという現象が生じ良好な画像を得ることができない。記録媒体のインク吸収性を高めると上記問題は軽減されるが、インクの裏抜け(インクが記録媒体の裏面にまで浸透する状態)が生じてしまうことがあった。
これらの問題を解消するものとして、例えば、一旦中間転写体上にインクジェット記録方式によりインク像を形成し、その中間転写体上のインク像をインクの乾燥とともに増粘し、或いはインク像の溶剤を除去してインクを濃縮後、インク像を中間転写体から記録媒体上に転写する転写方式と呼ばれる方法が多く提案されている(特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。これらの方法は、従来のインクジェットのように直接記録媒体に印字を行ない、インク中の水分を記録媒体に浸透させることにより画像を形成する方法ではないため、特に、フェザーリングに対して有効な手段となる。
ところで、インクジェット記録によるカラー画像形成に用いられる記録媒体としては、インクジェット用の専用記録紙以外に電子写真複写機などで使用される普通紙も使用されることが多い。この普通紙においては生産業者が多く、白色の用紙であっても生産業者ごとに紙の質や色合いについて微妙に異なる。また近年においては、再生紙の普及が広がってきており、色合いの異なる記録媒体がさらに多くなっている。また、色や柄などを前もって着色あるいはプリントされている記録媒体や透明基材等、様々な種類の記録媒体へのインクジェット記録が望まれている。
このような多種多様の記録媒体に画像形成を行うと、その形成画像が少なからず記録媒体の色や柄に影響される。そこで、このような影響を軽減するために、形成画像の下地処理として、画像形成が行われる前に記録媒体に白インクを付与しておく技術が提案されている(例えば、特許文献4)。具体的には、この特許文献4では、白色インクを含んだ複数色のインクを用意し、まず、白インクを記録媒体に直接付与し、その後、有色インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を記録媒体に付与することで画像形成を行うことが記載されている。
しかしながら、この特許文献4は、中間転写体を用いた方式でなく、画像形成に用いる有色インクを記録媒体に直接付与する方式であることから、上述したようにインク吸収性の低い記録媒体に不向きである。例えば、特許文献4においてインク吸収性の低い記録媒体を用いると、白色インクと有色インクが記録媒体上で混ざり合ってしまい、下地となるべき白部分が歪み、下地処理としての効果を得る事が難しい。
以上のことを鑑みれば、中間転写体を用いつつも白の下地処理を行える画像形成方式が望まれる。このような画像形成方式として、例えば、特許文献5に開示される技術が存在する。
この特許文献5では、インクに対し溶解性又は膨潤性を有する高分子の粒体を中間転写体上に予め形成し、この粒体が形成された中間転写体上にインクジェット用記録ヘッドから有色インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)滴を噴射して可視画像を形成すると共に、この可視画像が形成されない非画像部分に白インクを噴射して白色背景部を形成した後、この画像と白色背景部を記録媒体に転写している。
米国特許第4,538,156号明細書 米国特許第5,099,256号明細書 特開昭62−92849号公報 特開2001−253065号公報 特開2003−25554号公報 特開平6−199032号公報 特開平7−133451号公報 特開平6−40025号公報
しかしながら、上記の特許文献5では、可視画像が形成される部分には白インクを付与していないため、可視画像の下地部分における記録媒体の色や柄の影響を軽減しきれない、といった問題がある。
以上から明らかなように、インク吸収性の低い記録媒体に画像形成を行えるようにしつつも、画像形成部の下地部分における記録媒体の色や柄の影響を軽減する技術は、未だ提案されていない。そのため、印刷容易性や少部数対応性などのインクジェット記録方式の持つ利点を産業分野では十分発揮されていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、記録媒体のインク吸収性や下地色の影響を軽減し、良好な色再現性で画像形成を行うことができるインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明のインクジェット記録方法は、プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、当該中間転写体上でのインクの流動性を低下させるための液体を付与する工程と、前記液体が付与された中間転写体上に対して、画像データに応じて記録ヘッドにより前記インクを付与する第1付与工程と、前記中間転写体上に付与されたインクを記録媒体に転写する転写工程と、前記転写工程に先立って、白色の材料を、前記中間転写体上の前記インクが付与された第1の領域の少なくとも一部または前記記録媒体上の前記インクが転写される第2の領域の少なくとも一部に付与する第2付与工程とを有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、インク中の色材を凝集させる成分を含有する液体を付与する工程と、前記液体が付与された中間転写体に対して、画像データに応じて記録ヘッドによりインクを付与する工程と、前記中間転写体上の前記インクが付与された領域の少なくとも一部に白色の材料を付与する工程と、前記中間転写体上に付与されたインクと白色の材料を記録媒体に転写する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、インク中の色材を凝集させる成分を含有する液体を付与する工程と、前記液体が付与された中間転写体に対して、画像データに応じて記録ヘッドによりインクを付与する第1付与工程と、前記中間転写体上に付与されたインクを記録媒体に転写する転写工程と、前記転写工程に先立って、白色の材料を、前記記録媒体上の前記インクが転写される領域の少なくとも一部に付与する第2付与工程とを有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、インクと反応する反応液を付与するための手段と、前記反応液が付与された中間転写体に対して、画像データに応じてインクを付与するための手段と、前記中間転写体上に付与されたインクを記録媒体に転写するための転写部と、前記中間転写体上の前記インクが付与され領域の少なくとも一部に白色の材料を付与するための手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、インクと反応する反応液を付与するための手段と、前記反応液が付与された中間転写体に対して、画像データに応じてインクを付与するための手段と、前記中間転写体上に付与されたインクを記録媒体に転写するための転写部と、前記記録媒体上の前記インクが転写される領域の少なくとも一部に白色の材料を付与するための手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、中間転写体に対して、インクの流動性を低下させる方法を用いることにより(例えば、転写体上に形成されるインク像の乾燥を促進させる方法や、転写体上におけるインク像の水分を低減させる方法や、インクの色材を凝集させる反応液を塗布する方法)、記録ヘッドによりインクを付与して画像を形成するので、中間転写体上にビーディングやブリーディングの発生を抑えたインク像を形成することができ、更に、転写工程に先立って、白色の材料(例えば、白色インク)を、中間転写体上の少なくともインクドットが形成される第1の領域または記録媒体上の少なくともインクドットが転写される第2の領域に付与するので、記録媒体の色や柄等の影響を軽減でき、あるいは記録媒体上での形成画像を際立たせることができ、その結果、色再現性の良好な画像を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、記録媒体の色や柄の影響を軽減させるため、あるいは記録媒体上での形成画像を際立たせるために用いる白色インクを、中間転写体としての転写ドラム上への反応液付与工程と転写工程との間で転写ドラムに付与するものである。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を説明するための概略図である。
図1において、転写ドラム1は、離型性の表面層を有する中間転写体である。この転写ドラム1は、不図示の軸に支持されており、不図示のドラム駆動装置によって矢印A方向に回転駆動することができる。転写ドラム1の円周方向には上流側から下流側に向かって順に、インクの色材を凝集させるための反応液を付与する反応液付与手段としての反応液塗布部2、インクを付与する画像形成手段としての画像形成部3、白色インクを付与する手段としての白色インク描画部4、インク像の乾燥を促進させる等の処理を行うインク像処理部5、転写ドラム1に形成されたインク像を記録媒体9へ転写するための転写部6、記録媒体分離部7、転写ドラム1の表面を清掃するためのクリーニング部8が配置されている。さらに、記録媒体9を不図示の記録媒体格納部(給紙カセット)から後述するニップ部へ搬送するための給紙搬送部10、およびインク像が、中間転写体である転写ドラム1から記録媒体9に転写された後に、記録媒体9上のインク像を定着させるための定着機構を有すると同時に、排紙トレイに記録媒体9を排紙する排紙搬送定着部11が配置されている。また、インクジェット記録装置は、不図示の制御部を有している。
なお、本発明の一実施形態において、「記録媒体」とは、インクジェット用記録用紙や普通紙など、一般的な記録装置で用いる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルムその他のインクを受容可能なものである。また、PETやポリエチレンから構成されているプラスチックシートのように、インク吸収性が低いまたは無いものや、エンボス紙等のように表面が粗いものとすることもできる。
以下で、上述したそれぞれの部材の構成についてさらに詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る制御部の構成を示す概略ブロック図である。図2において、全体を符号100で示すインクジェット記録装置において、CPU101は、本インクジェット記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。メモリ103は、それらの処理手順等のプログラムを格納したROM(不図示)と、それらの処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(不図示)とを有する。I/F105は、インクジェット記録装置と、ホストコンピュータ等の画像データの供給源である画像供給装置110との間でデータやコマンド等の情報を授受するためのインターフェイスである。
以上の各部のほか、転写ドラム1、反応液塗布部2、画像形成部3、白色インク描画部4、インク像処理部5、転写部6、記録媒体分離部7、クリーニング部8、給紙搬送部10、排紙搬送定着部11、加熱ヒータ14は、バスライン120に接続されている。従って、CPU101は、バスライン120を介して各部と信号のやり取りを行うことができる。また、制御対象である各部には、状態検出用センサが配設され、その検出信号をバスライン120を介してCPU101に伝達することができる。
なお、画像供給装置110から送られてくる画像データが、ミラー反転したデータでなければ、上述した制御部で反転処理を行い、ミラー画像データを作成する。
図1に示されるように、離型性の表面層を有する中間転写体である転写ドラム1は、アルミニウム製の支持体12の周囲に、表面層13a及び13bとして、シリコーンゴムからなる2層が積層されている。支持体12として使用される材料は、特にアルミニウムに限定されるわけではなく、例えば、ニッケル、燐酸鉄等の金属や、アセタールのような強度に優れる熱硬化性樹脂、またはセラミック等によって成型されたものを用いることができる。また、図1においては、離型性の表面層をシリコーンゴムからなる2層としているがこれに限定されず、その弾性特性により、適宜に、その層構成を変えてもよい。
このように、転写ドラム1の支持体としてアルミニウム等を用いているので、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度の向上の他、回転のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上することができる。
また、本実施形態に係る転写ドラム1は、表面層13aが記録媒体9と少なくとも線接触する形状であればいずれのものでもよく、適用するインクジェット記録装置の形態または記録媒体への転写の態様に合わせて、その形状を、ドラム状、ローラ状、ベルト状、シート状であるもの等を使用することができる。また、表面層13aと記録媒体9とが線接触せずとも、印刷におけるパッド印刷用パッドのような弾性変形の大きい材料も、転写ドラム1として記録媒体形状にあわせて用いることができる。
離型性の表面層を有する転写ドラム1の最表面となる表面層13aは、その表面において、インク像を剥離し易い性質(離型性)を有するものが好ましい。シリコーンゴムは、表面エネルギーが低く、剥離性が高い性質を有していることから、表面層13aを形成する最適材料の一つである。シリコーンゴムには、加硫型、1液硬化型、2液硬化型など、様々なタイプがあるが、どれも好適に用いることができる。表面層13aを形成する材料の他の例としては、例えば、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム等が好ましい。表面層13aの下層である表面層13bは、支持体12の表面を構成するゴム層の弾性特性を最適化するものであり、上記に挙げた材料等を適宜に使用して形成することができる。
また、表面層13aには弾性体を用いた方が、より幅広い記録媒体に対応できるので好ましい。弾性体としては、NBRやウレタンゴム等に表面処理を施したものや、素材自体が撥インク特性を持つフッ素ゴムやシリコーンゴムを好適に用いることができる。表面層13aに用いることができるゴム硬度は、表面層13aと接触させる記録媒体9の厚みや堅さ等に影響を受けるので、それぞれに最適化することが望ましいが、10〜100°の範囲で効果が得られ、さらには、40〜80°であれば、殆どの記録媒体に対応できる。
図1においては、表面層13aは、離型性であるとしたが、転写ドラム1の表面層13aは、特に制限を受けない。但し、転写率向上の面から離型性材料であることが望ましく、非浸透性(非吸収性)の材料であることが望ましい。ここで、離型性とは、表面にインク、反応液等の材料が接着しにくく、後に剥離可能な特性を示すものである。離型性が高いほどクリーニング時の負荷やインクの転写率の面で、有利である反面、材料の臨界表面張力が低くなり、インク等の液体が付着しにくい撥液性となるため、画像を保持することが難しくなる。本発明で表記する離型性表面とは、臨界表面張力が30mN/m以下、若しくは水に対する接触角が75°以上の表面を指す。つまり、本発明では、転写ドラム1の表面として、表面処理を施す前の状態では、インクが着弾してもそのインクを弾き、画像にならないような(インク画像の保持性の低い)材料が好適である。
具体的に、離型性の表面層を得るには、表面層13aとして上記の離型性材料を用いる他、例えば、表面層13aにテフロン(登録商標)加工やシリコーンオイルを付与する等の表面処理を行う等して達成できる。
転写ドラム1内部には、転写ドラム1の温度安定性を確保するための加熱ヒータ14が内蔵されている。加熱ヒータ14には、例えばハロゲンランプ等の、通常使用される加熱手段を適宜に使用できる。その設定温度は、転写ドラム1の表面温度を基準として、20〜100℃とすることが好ましく、より好ましくは25〜80℃である。
図1における反応液塗布部2は、塗布液容器15、反応液16、塗布ローラ17aおよび17bを含んで構成されており、塗布液容器15内の反応液16を転写ドラム1へと塗布する。
反応液塗布部2は、転写ドラム1上の後述する画像形成部3の上流側に配置されている。塗布ローラ17bは、転写ドラム1に従動して回転する(従動回転)か、独立の塗布ローラ駆動手段(不図示)によって回転制御可能となっている。また、塗布ローラ17aは、塗布ローラ17bに従動するか、独立の塗布ローラ駆動手段によって回転制御可能となっている。このように、2つの塗布ローラ17aおよび17bが回転することによって、反応液16は転写ドラム1の表面に塗布される。反応液16の転写ドラム1への塗布厚は、反応液16の濃度によっても異なるが、0.1〜10μmの範囲で設定することが好ましい。塗布した反応液の厚さが薄過ぎると、塗布ムラによる反応液とインクとの不均一な反応が生じ、その厚さが厚過ぎると凝集したインクが反応液表面を動くため、ビーディングを生じてしまう。塗布ローラ17a及び17bは、反応液を均一に塗布するために、反応液16との濡れ性がよい材料が好ましい。また、塗布ローラの表面形状としては、多孔質材料や表面凹凸材料、例えば、グラビアロール状のもの等、を用いることができる。
さらに、反応液付与手段としては、ローラ形状に限定されず、ブレードによる塗布量をコントロールする方法や、スプレーや記録ヘッドを用いて転写ドラム1の画像形成領域全面あるいは一部にあるいは、形成される画像に応じて塗布・付与を行なう方法等を適宜に用いることができる。反応液塗布部2は、又、不図示の離接制御装置により転写ドラム1に離接制御が可能に構成されている。
以下で、本実施形態に係る反応液について詳細に説明する。
本実施形態に係る反応液とは、インクの流動性を低下させるための材料であり、例えば、インクに含まれる顔料や染料等の着色剤を凝集させる反応液を好適に用いることができる。詳しくは、インクとの接触によって転写ドラム上におけるインクの流動性を低下させ、転写ドラム上に着弾したインクを極力着弾位置に保持させる(画像固定させる)役割を担う液体である。ここで、画像固定とは、インクを構成している組成物の一部である着色剤や樹脂等が、化学的に反応、または物理的に吸着し、インク全体の流動性の低下が認められる場合は勿論、インクを構成する組成物の固形分の凝集により局所的に流動性の低下を生じる場合を含む意である。
本実施形態に係る反応液としては、少なくとも金属塩を含んだものが好適に用いられる。このような金属塩として最も好適なものとしては、多価金属塩が挙げられる。多価金属塩とは、二価以上の多価金属塩イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+等の三価金属イオンが等が挙げられる。また、これらと結合する陰イオンとしては、Cl、NO 、SO 、I、Br、ClO 、RCOO(Rは、アルキル基)等が挙げられる。
本実施形態に係る反応液に使用できる水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等が挙げられる。本実施形態に係る反応液中における上記水溶性有機溶剤の含有量については特に制限はないが、反応液全重量の5〜60重量%、更に好ましくは、5〜40重量%が好適な範囲である。
本実施形態に係る反応液には、更に、凝集補助材として、例えば、ポリアミン、ポリアミン誘導体のような水溶性樹脂、水溶性架橋剤、酸性溶液等を含有させても良い。これらの凝集補助材は、分子量が比較的大きいことから反応に時間を有するため、多価金属塩との併用によって形成された凝集インク像の内部凝集力を高めることができ、この結果、転写ドラム1上の凝集インク像の記録媒体9への転写効率を高めることができる。
更に、転写ドラム1への反応液16の均一な塗布を行うことを目的として、塗布助剤として界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤としては、例えば、サーフロンS−141(商品名、セイミケミカル株式会社製)、シルウェットL−77(商品名、日本ユニカー株式会社製)、アセチレノールEH(商品名、川研ファインケミカル製)等を用いることができる。本実施形態に用いる界面活性剤はこれらに限定されるものではなく、他の、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、水溶性のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の、各種の界面活性剤を用いることができる。これらの界面活性剤の添加量は、反応液16に対して、0.05〜10質量%程度とすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%程度である。
本実施形態で使用する反応液16には、この他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜に配合してもよい。又、本発明で使用する反応液16は、無色であることがより好ましいが、記録媒体上でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。更に、上記したような形成材料からなる反応液16は、25℃付近での粘度が1〜30cps.(mPa・s)の範囲となるように、物性を調整されたものであることが好ましい。
なお、本実施形態において、後述する親水化処理工程(図1には不図示)を設けて、反応液の付与に先立って、転写ドラム1の表面層13aの濡れ性(表面エネルギー)を高めるための親水化処理を施すようにしても良い。このような親水化処理を行うことによって、転写体上で反応液が弾かれにくくなる。
図1において、画像形成部3では、上述のような反応液16が塗布された転写ドラム1上に、制御部より送られてくる画像信号に応じて、少なくとも着色剤を含むインクを記録ヘッドにより付与することによってインク像の形成を行う。
このようにして形成されたインク像は、画像形成部3にて付与されたインクと転写ドラム1上の反応液16との反応により、凝集インク像となる。よって、転写ドラム1上には、濃度の異なるインクや複数のカラーインクによってカラー画像を形成した場合においても、ビーディングやブリーディングの発生を抑えた画像を形成することができる。しかも、この凝集インク像を記録媒体9上に転写した後においても、高画質なカラー画像を形成することができるという、効果が得られる。なお、本明細書において、「凝集インク像」とは、流動性が低下され、着弾位置に保持されたインクにより形成されるインク像のことである。
図1において、画像形成部3は、転写ドラム1上の反応液塗布部2の下流側に配置されており、記録ヘッド18a、18b、18cおよび18dを含んで構成されている。本実施形態において、記録ヘッド18a、18b、18cおよび18dを総じて記録ヘッド18と呼ぶ。本実施形態に係るインクジェット記録装置では、記録ヘッド18として、電気熱変換素子である発熱素子(ヒータ)を用いる形式のライン型インクジェット記録ヘッドを用いている。記録ヘッド18a、18b、18cおよび18dは、転写ドラム1の円周方向に一定間隔を置いて配置されている。図1の構成においては、ライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、勿論、インク色別の複数のノズル列を転写ドラム1の円周方向または軸方向(図1において、紙面垂直方向)の所定範囲に配列された記録ヘッド(以下、本明細書では「シリアル型の記録ヘッド」とも呼ぶ)を用い、この記録ヘッドを軸方向に走査しながら順次転写ドラム1に画像形成を行ってもよい。シリアルヘッドの場合、転写ドラムの回転駆動は、ヘッドのノズル列の長さに対応した量だけ回転させるステップ駆動となる。さらに、インクジェット記録ヘッドは、上記発熱素子を用いる形態に限らず、圧電素子駆動型等、インクをノズルから吐出可能な手段であれば、いずれの方式のものも使用できる。
上述した4種の記録ヘッド18は、それぞれが異なる色のインクを付与するように構成されている。図1の構成においては、記録ヘッド18aがイエロー(Y)、18bがマゼンタ(M)、18cがシアン(C)、18dがブラック(K)の、各色のインクを付与する形態となっている。これらからなる記録ヘッド18は、不図示のインクタンクから、それぞれの色のインクの供給を受ける。各記録ヘッドの発熱素子は、制御部より受け取った各色に対応した画像信号に応じて発熱して、各インクタンクから供給されたインクの温度を上昇させバブルを発生させる。発生したバブルが膨張することによって、各記録ヘッド18の複数ノズルからインク滴が吐出される。なお、本実施形態における画像形成部を構成するインクジェット記録ヘッドの数、転写ドラム1に吐出されるインクの色順序、および使用されるインクの色相は、上述に限定されるものではない。
なお、転写ドラム1上に形成されるインク像は、転写の際に反転することを考慮し、記録媒体9に最終的に形成すべき画像の鏡面画像とする。記録ヘッド18に供給される画像信号は鏡面画像に対応した画像信号とする。そこで、制御部にて、画像供給装置110から送られてくる画像信号(つまり、記録媒体9に最終的に形成される画像に対応した画像信号)に対しミラー反転処理(反転データを得る処理)を施し、鏡面画像に対応した画像信号を取得し、これを記録ヘッドへ供給するようにしている。
本実施形態で用いるインクとしては、従来のインクジェット用インクをいずれも使用することができる。特に、着色剤として少なくとも顔料を含有する顔料インクは、堅牢性のよい記録画像が得られるため、好適に用いられる。以下で、本実施形態において好適に使用できる顔料インクについて説明する。
顔料インク中の顔料は、顔料インクの全質量に対して、質量比で1〜20質量%、好ましくは2〜12質量%の範囲で用いる。本実施形態で使用される顔料としては、具体的には下記に挙げるものが使用できる。
黒色の顔料としてはカーボンブラックが挙げられる。例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ(nm)、BET法による比表面積が50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上キャボット製)、Color Black FWl、COLOR Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等があり、いずれも好ましく使用することができる。
又、イエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられる。又、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられ。又、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。勿論、本実施形態で使用できる顔料は、これらに限られるものではない。又、上記に挙げたものの他、自己分散型顔料等、新たに製造された顔料も、勿論、使用することが可能である。
水系の顔料インクを製造する場合に使用する、水系媒体中に上記に挙げたような顔料を分散させるための分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用できるが、例えば、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものを使用する。このような分散剤としては、具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも二つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、顔料インクの全質量に対して0.1〜5質量%の範囲で含有させるのが好ましい。
特に、前記したような顔料が含有されている顔料インクの場合には、顔料インクの全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。このようなものとすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れた顔料インクとすることができる。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。前記に挙げたような顔料等の着色剤、及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解されて、本発明で使用する顔料インクを構成する。
本実施形態で使用される顔料インクを構成する好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の、多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
上記したような水溶性有機溶剤の顔料インク中の含有量は、一般的には、顔料インクの全質量の3〜50質量%の範囲、より好ましくは3〜40質量%の範囲で使用する。又、使用される水の含有量としては、顔料インクの全質量の10〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲とする。
また、本実施形態において使用する顔料インクとしては、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つ顔料インクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。特に、浸透促進剤として機能する界面活性剤は、記録媒体に反応液と顔料インクの液体成分とを速やかに浸透させる役割を担うための適量を添加する必要がある。添加量の例としては、0.05〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%が好適である。アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものをいずれも好ましく使用することができる。
上記したような材料からなる顔料インクの作製方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂と水とが少なくとも含有された水性媒体に、顔料を添加し、混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液に、サイズ剤、及び、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使用する顔料インクとする。
尚、分散剤として上記したようなアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要である。この際の塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の、無機塩基が好ましく使用できる。
又、顔料インクの作製方法においては、顔料を含む水性媒体を攪拌し、分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。即ち、このようなプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるため、好ましい。
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用される。このようなものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
また、顔料インクを用いるインクジェット記録方法では、耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料を用いるが、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級すること、及びこれらの手法の組合せ等の手法が挙げられる。
なお、上記では、着色剤として顔料を用いる顔料インクを例にとって説明したが、本実施形態はこれに限定されず、染料インクであっても、顔料に加えて、色相を変えるために従来既知の染料を添加したインクであっても、いずれのものも用いることができる。また、反応液に金属塩を有していれば、インクおよび/または反応液中に、凝集インク像の内部凝集力を強めるために水溶性樹脂や架橋剤などを添加したものであっても良い。
図1において、白色インク描画部4は、白色インク付与用記録ヘッド19、この記録ヘッド19に供給する白色インクを貯蔵したインクタンク(不図示)などを含んで構成されている。白色インク描画部4では、画像形成部3で形成された凝集インク像20に対応して白色インクを白色インク付与用記録ヘッド19により付与する。
その際、制御部は、画像形成すべきデータ(画像データ)に応じて、白色インク描画部4に送るデータ(白色インクデータ)を作成する。すなわち、制御部は、記録ヘッド18に送られる各色(YMCK)に対応するデータ(着色インクデータ)の論理和をとることで白色インクデータを作成する。これにより、白色インク描画部4は、白色インク付与用記録ヘッド19により、上記凝集インク像20を構成する各色インクのドットのそれぞれに、白色インクのドットを重ねて形成する。このようにして形成された転写ドラム1上の白色インクの領域により、画像部分(着色インク付与部分)の隠蔽性のみを向上させることができ、後の転写工程にて転写される画像を記録媒体の色や柄を活かした画像とすることができる。
なお、白色インクデータを作成する際に、論理和したデータの画像部分の境界部に対して所定の割合でオーバーラップするように白色インクデータを作成するようにしても良い。例えば、論理和したデータの画像部分の境界部から外側にはみ出した位置に白色インクを、Nドット(例えば1ドット)付与するようにしてもよい。これによれば、画像部分の下色処理をより完全なものにすることができる。
本実施形態では、白色インクデータを、画像データに応じて作成しているが、これに限定されない。例えば、着色インクデータを論理和したデータの画像部分の境界部から所定の割合で白色インクを打ち、画像部分にスクエア状やサークル状等、所定の白色背景を形成するように白色インクデータを作成するようにしても良い。これは、画像部分に、スクエア状やサークル状等の所定の背景が求められている場合に有効である。
また、着色インクデータを論理和したデータを所定の割合で間引くことによって白色インクデータを作成するようにしても良い。このような間引き処理は、記録媒体9の色等が白色に近い場合等、白色インクの付与量を抑えたい場合などに有効である。
更には、色付きの記録媒体に対して白色の下地処理を行うことで記録媒体上における画像を際立たせたい場合には、画像部分のみならず、画像部分の外側にはみ出した部分にも白インクを付与することも有効である。
以上のように、本実施形態では、転写ドラム1に形成する白色インクドットの領域を、少なくとも着色インクドットが付与される領域とすることによって、凝集インク像20が転写される、記録媒体の領域に対する隠蔽力を向上することができ、転写後の画像を、記録媒体の色や柄の影響を軽減した良好な色再現性の画像とすることができる。すなわち、少なくとも着色インクドットが付与される領域に白色インクが積載するので、後工程である転写後は、この白色インクが形成されている領域は、まるで凝集インク像20に対する白色の下地として機能し、記録媒体の色や柄などを隠蔽するのである。このとき、画像形成部3にて付与されたインクは、反応液16との反応によって凝集しているので、それらインクと後に付与される白色インクとの混合は軽減される。
なお、上述のようにして作成された白色インクデータは、ミラー画像データであることは言うまでも無い。また、白色インクデータは、2値データであっても良いし、多値データであっても良い。また、このような所定の領域に対する白色インクデータの作成形態の切換は、インクジェット記録装置に備えられた、タッチパネル等の入力部(不図示)によって行っても良いし、画像供給装置110からのコマンドデータによって行っても良い。
図1において、転写ドラム1上の画像形成部3の下流側に、白色インク描画部4が設けられている。本実施形態においては、白色インク付与用記録ヘッド19に、発熱素子を用いる形式のライン型インクジェット記録ヘッドを用いている。白色インク付与用記録ヘッド19は、画像形成部3の記録ヘッド18a、18b、18c及び18dと並列に転写ドラム1の円周方向の下流側に配置されており、白色インクデータに応じて白色インクを転写ドラム1上に付与する。図1では、白色インク付与用記録ヘッドとしてライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、勿論、従来のシリアル型の記録ヘッドを用い、この記録ヘッドを軸方向に走査しながら転写ドラム1に形成された凝集インク像20上に順次白色付与を行ってもよい。さらに、白色インク付与用記録ヘッドは、上述に限らず、圧電素子駆動型等、インクを吐出可能であれば、いずれの方式のものも使用できる。
以下、本実施形態に係る白色インクについて説明する。
白色インクは、凝集インク像20の下地の色あるいは柄を隠蔽するとともに着色剤の鮮明度を向上せしめるものである。本実施形態において、白色インクは、通常のインクに対して、使用される着色剤である顔料や染料を除いた成分に白色インク成分を添加したものを主としている。
本実施形態において使用する白色インクは、白色顔料を含んでいる。白色顔料を用いることで記録媒体の下地の色・柄に影響されない鮮やかなカラー画像形成ができる効果が得られる。白色顔料としては、亜鉛、鉛、バリウム、チタン、アンチモン等の酸化物、硫酸物、炭酸物などの白色無機顔料やエチレンービスーメラミン(商品名シゲノックスOWP、ハッコーケミカル株式会社製)などの白色有機顔料を挙げることができる。上記白色顔料の粒径を10μm以下とし、添加量を白色インク全量の1〜30質量%とする。
又、本実施形態において使用する白色インクとしては、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つものとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。特に、界面活性剤は、白色インク付与用記録ヘッド19から白色インクを安定吐出するための表面張力を調整するために適量を添加する必要がある。添加量の例としては、0.05〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%が好適である。アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものをいずれも好ましく使用することができる。
また、転写後白色インクの凝集能力を高めるために水溶性樹脂を添加することができる。水溶性樹脂ならどのようなものでも使用できるが、例えば、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものを使用する。具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも二つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの水溶性樹脂は、白色インクの全質量に対して0.1〜5質量%の範囲で含有させるのが好ましい。
樹脂の溶解性に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。前記に挙げたような水溶性樹脂を、水性液媒体中に分散又は溶解して、本実施形態で使用する白色インクを構成する。
本実施形態で使用される白色インクを構成する好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の、多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
上記したような水溶性有機溶剤の白色インク中の含有量は、一般的には、白色インクの全質量の3〜50質量%の範囲、より好ましくは3〜40質量%の範囲で使用する。又、使用される水の含有量としては、白色インクの全質量の10〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲とする。
ここで、白色インクの白色とは、白色インクのみを記録媒体に形成した場合、その表面がJISZ8722、JISZ8729で記載された方法で測定した明度指数L*が80以上であり、かつ−10≦a*≦10、−10≦b*≦10の条件を満たすものを指す。
図1において、インク像処理部5は、エアーナイフ22、溶剤受け皿23を含んで構成される。インク像処理部5では、インク付与部3で形成された凝集インク像20を記録媒体9へと転写する際に、より最適な条件で行なえるように凝集インク像20に対して処理を行う。
図1において、白色インク描画部4の下流側には、インク像処理部5が設けられている。インク像処理部5には、インク中の液媒体、主にインク中の水分を蒸発または分離して、除去するために、不図示のヒータにより加熱された温風を送るエアーナイフ22と、溶剤受け皿23とが設けられている。即ち、インク像処理部5は、記録媒体9への凝集インク像20の浸透性の相違を勘案し、エアーナイフから送風されるエアーの量、またはそのエアーの温度に関する熱量によって、凝集インク像20の記録媒体9への転写特性を制御する目的で設けられている。
なお、本実施形態では、凝集インク像20の乾燥手段として、エアーナイフ22を用いているが、赤外線ヒータ等、温度がコントロール可能で、インク像の特性をコントロール可能であるものならば従来既知の技術を使用することができる。
図1において、転写部6は、転写ローラ26を含んで構成され、また、給紙搬送部10は搬送ローラ24aおよび24b、搬送ガイド25aおよび25bを含んで構成される。
転写部6では、給紙搬送部10の搬送ローラ24aおよび24bと、搬送ガイド25aおよび25bとによって搬送された記録媒体9に、転写ローラ26によって転写ドラム1上のインク像20を圧力転写する。
転写ローラ26は、転写ドラム1とのニップ部に記録媒体9を通過するように配置されており、ゴムローラや金属ローラ等で形成することができる。この転写部6では、不図示の押圧制御装置によって、転写ドラム1に押圧解除の制御が可能である。同図において、搬送ローラ24aおよび24bは矢印B方向に、転写ローラ26は矢印C方向に回転する。転写ローラ26は、押圧状態では、記録媒体9を介して転写ドラム1に従動して回転する(従動回転)か、独立の転写ローラ駆動手段(不図示)によって回転制御可能となっている。図1においては、転写ローラ26の回転を従動回転とした。本実施形態においては、転写時において転写ローラ26は、記録媒体9を介して転写ドラム1を線荷重0.6kg/cmで押圧するように構成されているが、それに限定されない。
図1において、記録媒体分離部7は、分離爪27を含んで構成されている。記録媒体分離部7では、記録媒体9の搬送タイミングに応じて分離爪27が稼動する。
分離爪27は、上述の転写が終了すると、不図示の駆動装置によって駆動し、記録媒体9を転写ドラム1から分離させ、搬送ガイド28aおよび28bで、記録媒体9を排紙搬送定着部11へと導く。
図1において、排紙搬送定着部11は、搬送ガイド28aおよび28b、搬送定着ローラ29aおよび29bを含んで構成されている。
排紙搬送定着部11では、搬送ガイド28aおよび28bに導かれたインク像が転写された記録媒体9を、赤外線ヒータを有する搬送定着ローラ29a及び29bにて熱定着し、かつそれらローラの回転と共に不図示の排紙トレイに送り、記録を終了する。搬送定着ローラ29aおよび29bには、従来既知の定着ローラを使用することができ、温度は、30〜200℃程度とすることが好ましい。また、ローラ材質は、金属ローラ、シリコーンゴム等で形成されている。剥離性を向上させるために、ローラ表面にシリコーンオイル等を塗布してもかまわない。
図1において、クリーニング部8は、クリーニング液30と、クリーニング液30を保持するクリーニング液保持部材31と、さらに、クリーニング液30を塗布して、転写ドラム1上のごみ等を取り除くための、クリーニング液供給ローラ32a、およびクリーニングローラ32bを含んで構成されている。
同図において、クリーニングローラ32bは、転写ドラム1に従動(従動回転)するか、不図示の駆動手段によって駆動制御可能である。また、クリーニング液供給ローラ32aは、クリーニングローラ32bに従動するか、不図示の駆動手段によって駆動制御可能である。以上のように、クリーニング液供給ローラ32aおよびクリーニングローラ32bが回転することによって、クリーニング液30は、転写ドラムに塗布される。以上のようにして、クリーニング部8は、転写ドラム1のクリーニングを行う。
クリーニング部8は、特に転写ドラム1表面をクリーニング可能であれば、装置の構成や、クリーニング液30を限定するものではないが、例えば、反応液16で使用した界面活性剤、水溶性有機溶剤等を含む水溶液を、クリーニング液30とすることが好ましい。
以下で、上述したような構成である本実施形態のインクジェット記録装置の、一連の動作について、図1を参照しながら詳細に説明する。
インクジェット記録装置の電源を投入すると、転写ドラム1が駆動回転をはじめ、転写ドラム1の内部、エアーナイフ22、搬送定着ローラ29aおよび29bに対する、それぞれのヒータがONになり、各部における設定温度にそれぞれ昇温する。コンピュータ等の画像供給装置110から画像データを受け取ると、反応液塗布部2を構成する、塗布ローラ17bが転写ドラム1に当接し、次いで、塗布ローラ17aが回転することにより反応液16が塗布ローラ17aを介して塗布ローラ17bへ塗布され、転写ドラム1上に反応液16を均一に塗布する。転写ドラム1が1回転し、転写ドラム1上に反応液16が塗布された後、塗布ローラ17bは、転写ドラム1から離接する。勿論、反応液16を転写ドラム1に塗布しながら、転写ドラム1上の反応液16が塗布された領域に、画像形成部3にてインク像を形成することができる。
ここで、画像供給装置110からは、本実施形態で使用する各インク色(CMYK)に対応した多値の画像データ(以下、本明細書では、「外部画像データ」とも呼ぶ)が送られてくるため、制御部にて、この多値の画像データYMCKに対応した2値の画像データに変換する。その後、この各色に対応した2値画像データに対しミラー反転処理を施し、各色に対応した2値の反転画像データを取得する。また、制御部は、2値の反転画像データに応じて、白色インクデータを作成する。ここでは、白色インクデータは、各色画像データを論理和したデータである。
次に、各色に対応する2値の反転画像データが各記録ヘッド18に送られ、転写ドラム1の回転とともに、それらの画像データに応じて、順次記録ヘッド18a、18b、18c、および18dから各色のインクが吐出し転写ドラム1に付与されて、そのインクが、転写ドラム1上に塗布されている反応液16と反応等することで、転写ドラム1上にカラーの凝集インク像20を形成する。勿論、この凝集インク像20は、記録媒体9に最終的に形成される画像の鏡面画像となっている。
続いて、白色インクデータが白色インク付与用記録ヘッド19に送られ、転写ドラム上の回転とともに白色インク付与用記録ヘッド19から白色インクが吐出され、転写ドラム1上の凝集インク像20上に付与される。白色インクが付与された凝集インク像20は、インク処理部5で溶剤を蒸発乾燥され、その後に行われる転写に対してより最適な条件となる。
転写部6に対しては、上述のようにして転写ドラム1上に形成されたインク画像の先端位置と、被転写媒体である記録媒体9が転写位置であるニップ部で重なるように、搬送ローラ24aおよび24bによって記録媒体9が搬送される。転写部6では、記録媒体9の先端が転写ドラム1と転写ローラ26とのニップ部に到達したと不図示のセンサにより検知されると、転写ローラ26が駆動し、記録媒体9を介して転写ドラム1に押し当てられ、ここで、押圧制御装置によって所定の転写圧が生じ、転写ドラム1上の白色インクが付与された凝集インク像20を記録媒体9に転写する。
次いで、記録媒体9の先端が転写部6から排出されたことを不図示のセンサによって検知すると同時に、分離爪27が駆動し、転写ドラム1と記録媒体9との間に挿入され、記録媒体9を、転写ドラム1から分離する。そして、転写ドラム1から分離した記録媒体9は、搬送ガイド28aおよび28b、ならびに搬送定着ローラ29aおよび29bによって、記録媒体9上に熱圧が加えられて定着処理が行われた後、排紙トレイに排紙される。転写ドラム1上のインクが記録媒体9にすべて転写した後、転写ローラ26および分離爪27それぞれを離接する。
次に、クリーニングローラ32bが転写体ドラム1に当接し、クリーニング液30を塗布することにより転写ドラム1表面をクリーニングする。転写ドラムが1回転すると、クリーニングローラ32bは、転写ドラム1から離接する。記録が続けられる場合、外部画像データに応じて上述した動作が繰り返される。記録動作を終了し電源を切る場合、各ヒータをOFFにし転写ドラム1の回転を止めた後、インクジェット記録装置の電源をOFFにし、装置動作を終了する。
なお、本実施形態では、図1に示すように、白色インク描画部4を画像形成部3とインク像処理部5との間に配置した構成のインクジェット記録装置について説明したが、これに限定されず、例えば図3や図4に示すように、反応液塗布部2と転写部6との間に白色インク描画部4を配置する構成であればいずれの構成であっても良い。
図3および図4は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を説明するための概略図である。図3は、白色インク描画部4を反応液塗布部2と画像形成部3との間に配置した構成を示す図であり、図4は、白色インク描画部4をインク像処理部5と転写部6との間に配置した構成を示す図である。
以上説明したように、本実施形態では、反応液塗布部2にて、反応液16を中間転写体である転写ドラム1上に塗布し、次いで、その塗布された領域に対して画像形成部3にてインクを付与してインク像を形成する構成とすることで、転写ドラム1上には、ビーディングやブリーディングの発生を抑えた凝集インク像20を形成することができる。この凝集インク像20に対して白色インク描画部4にて白色インクを付与することで、凝集インク像20に対して記録媒体の色や柄に対する隠蔽性を向上させることができ、この白色インクが付与された凝集インク像20を記録媒体に転写することで、記録媒体の背景の色や柄に影響されず鮮明かつ忠実な色を再現した良好な画像を得ることができる。
なお、上記の説明では、中間転写体上でのインクの流動性を低下させるための処理として、インクの流動性を低下させる材料を付与する形態について説明したが、この形態に限られるものではない。中間転写体上でのインクの流動性を低下させるための処理としては、例えば、中間転写体上に形成されたインク像の乾燥を促進させる加熱処理や中間転写体上に形成されたインク像の水分をスポンジ等を用いて低減させる処理であってもよい。
(実施例)
以下、実施例及び比較例を用いて本実施形態を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り質量基準である。又、使用したインク及び反応液は、いずれも、水で調整して総量を100部とした。
[顔料インクの調製]
先ず、下記に述べるようにして、それぞれ、顔料とアニオン性化合物とを含む、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの各色の顔料インクを調製した。
(顔料インクK1の作製)
<顔料分散液の作製>
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量=5,000)
1.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・ジエチレングリコール 5.0部
・イオン交換水 残部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に、新たに試作したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)を10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理した。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm.、20分間)を行って粗大粒子を除去して、黒色の顔料分散液とした。
<インクの調製>
上記の分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製し、ブラックの顔料インクK1とした。このインクの表面張力は、34mN/mであった。
・上記顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・N−メチルピロリドン 5.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
1.0部
・イオン交換水 残部
(顔料インクC1の作製)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントブルー15に代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、シアン色の顔料インクC1を調製した。
(顔料インクM1の作製)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントレッド7に代えたこと以外は顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ色の顔料インクM1を調製した。
(顔料インクY1の作製)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、イエロー色の顔料インクY1を調製した。
[反応液の調製]
次に、下記に述べるようにして、それぞれ、多価金属塩と界面活性剤とを含む、反応液を調製した。
(反応液R1の作製)
下記の組成の成分を混合溶解した後、更に、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、反応液R1を得た。
・ジエチレングリコール 10.0部
・メチルアルコール 5.0部
・塩化カルシウム・2水和物 5.0部
・サーフロンS−141(セイミケミカル株式会社製)
1.0部
・イオン交換水 残部
[白色インクの調製]
次に、下記に述べるようにして、それぞれ、樹脂と界面活性剤とを含む、各白色インクを調製した。
(白色インクW1の作成)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、アナターゼ二酸化チタンに代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、白色インクW1を調製した。
・上記顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・N−メチルピロリドン 5.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
1.0部
・イオン交換水 残部
(白色インクW2の作成)
下記の組成比を有する成分を混合し、白色インクW2を作製した。
・エチレンービスーメラミン(商品名シゲノックスOWP、ハッコーケミカル株式会社製) 20.0部
・へキシレングリコール 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・N−メチルピロリドン 5.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
0.5部
・イオン交換水 残部
(白色インクW3の作成)
下記の組成比を有する成分を混合し、白色インクW3を作製した。
・酸化チタン 15.0部
・ロジン変性キシレン樹脂 30.0部
・シクロヘキサノン 40.0部
・エタノール 15.0部
上記のものをサンドミルで処理し分散させ、エタノール50部、チオシアン酸ソーダ2.0部を加えボールミルで30分攪拌する。3μmフィルターで吸引ろ過紙粗粒子を除去する。更にオクテンサン亜鉛0.5重量部を含むメチルエチルケトン40重量部を加え攪拌した。
(実施例1)
本実施例では、図1に示した本実施形態にかかるインクジェット記録装置を用いて画像形成を行なった。その際、先に調製した反応液R1と、顔料インクK1、C1、M1、及びY1を用いた。先ず、転写ドラム1に、反応液R1を厚さ約2μm塗布した後、記録ヘッド18にて、顔料インクY1、M1、C1、及びK1を順に付与して、転写ドラム1上に凝集インク像20を得た。
このとき、転写ドラム1上の各色顔料インクは、反応液R1と反応しており、転写ドラム1上に形成された画像は、ビーディングがない良好な画像であった。又、各色インクを重ねていっても、すぐに凝集が起こり、ビーディングやブリーディングといった現象は生じず、転写ドラム1上に形成される画像は、高画質画像であることが確認できた。
次に白色インク付与用記録ヘッド19から白色インクW1を吐出し、転写ドラム1の高画質画像である凝集インク像20上に付与する。更に、次工程のエアーナイフ22の送風によって凝集インク像20の溶剤分は蒸発し、その後に、転写部6で、搬送ローラ24a及び24bにて給紙された青色の着色のある記録媒体9に、上記転写ドラム1の凝集インク像20が転写されて、印字物が作成された。更に、この印字物は、加熱温度150℃の搬送定着ローラ29a及び29bを通過することで、定着画像とされた。最終的に得られたカラー画像は、高画質画像であるとともに出力直後で擦ってもインク汚れのない耐刷性を有し、ビーディングやブリーディングといった現象が生じないだけでなく、青色の記録媒体であっても下地の色に影響されず鮮やかな画像が形成できた。
上記で用いた記録ヘッド18および白色インク付与用記録ヘッド19は、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数10kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、それぞれ4plのヘッドを使用した。
(実施例2)
本実施例では、図3に示した本実施形態に係るインクジェット記録装置で、透明基材に画像形成を試みた。先に調製した反応液R1を反応液塗布部2にて転写ドラム1上に塗布した直後に白色インク付与用記録ヘッド19によって白色インクW2を転写体上に吐出したのち、記録ヘッド18にて転写ドラム1に顔料インクK1、C1、M1及びY1を付与して、転写ドラム1上に画像を形成した。その結果、実施例1と同様に転写ドラム1上に高画質な凝集インク像が形成された。その凝集インク像を記録媒体である透明基材に転写した。この転写後の最終的な印刷物の画質も良好であり、良好な結果が得られた。
本実施例は、画像形成がなされる面と反対側から画像を観察する場合に有効であり、本例において白インクは形成画像を際立たせる役割(詳しくは、形成画像の色の発色効率を向上させる役割)を担う。
(実施例3)
本実施例では、図4に示した本実施形態に係るインクジェット記録装置で、透明基材に画像形成を試みた。先に調製した反応液R1を反応液塗布部2にて転写ドラム1上に塗布した直後に記録ヘッド18にて顔料インクK1、C1、M1及びY1を付与して、転写ドラム1上に画像形成を行った。その結果、実施例1と同様に転写ドラム1上に高画質な凝集インク像が形成された後に、インク像処理部5にて凝集インク像から液体成分を除去した直後に、白色インク付与用記録ヘッド19にて白色インクW3を転写ドラム1上の凝集インク像20に付与した。その後、白色インクが付与された凝集インク像20を記録媒体である透明基材に転写した。これらの工程では、転写ドラム1と転写ローラ26とを加熱すると更に転写率が向上する。このときの温度は50℃から60℃に調整した。上記のような油性、あるいは溶剤系の白色インクを用いることにより更に強硬な隠蔽率をもち高画質な画像を形成することができる。
本実施例によれば、白色の下地処理がなされているため、白色上に形成される画像の色を目立たせることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、記録媒体の色や柄の影響を軽減させるため、あるいは記録媒体上での形成画像を際立たせるための白色下地を、中間転写体としての転写ドラム上に形成されたインク像の転写工程に先立って、記録媒体に形成するものである。
図5は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を説明するための概略図である。図5において、図1と同様の装置およびそれらを構成する各部材については、図1と同様の符号を付すと共にその説明は省略する。
図1において、転写ドラム1は、軸1Aのまわりに矢印A方向に回転駆動される中間転写体であり、表面には表面層13aを有する。図5中の符号51は、親水化処理装置を示し、転写ドラム1は、矢印F方向に回転し、必要に応じて表面層13aの表面を表面改質する。
その後、必要に応じて転写ドラム1の表面に接して配置された反応液塗布部2により反応液が表面改質した転写ドラム1に付与される。さらに、反応液が付与された後に、画像形成部3からインク液滴が吐出され転写ドラム1上に着弾しインク像20となり、転写ドラム1の表面にインク画像(ミラー画像)が形成される。
一方、記録媒体9の画像が転写される領域には下地処理部53にて、白色下地が形成される。そして、転写ドラム1上に形成されたインク像20に、記録媒体9の白色下地が形成された記録面を接触させ、転写部6の転写ローラにより加圧することで、記録媒体9上に画像が転写形成される。
なお、転写ドラム1に形成されたインク像20と、記録媒体9に形成された白色下地とをレジずれなく重ね合わせるための画像位置調整を行うマーキング技術等は、従来公知の手段を用いれば良い。
図5に例示した装置では、転写ドラム1上の画像を構成するインク中の水分ないし溶剤成分を蒸発させて除去する目的で、インク像処理部5が配置されている。また、これとともに、またはこれに代えて、中空状とした転写ドラム1の裏面側に接触して加熱を行う加熱ローラ52を用いることもできる。
上述のようにして転写ドラム1を介して画像形成が行われた記録媒体9は、これを搬送定着ローラ29aおよび29bで加圧することで、優れた表面平滑性を有するものとなる。また、搬送定着ローラ29aおよび29bで加熱することで、即時に印刷物に堅牢性を持たせることもできる。
そして、図5においてはさらに、インク像20を記録媒体9に転写した後の転写ドラム1は、次の画像形成に備え、クリーニング部8で洗浄される。
図6は、本実施形態に係る制御部の構成を示す概略ブロック図である。図6において、全体を符号600で示すインクジェット記録装置において、CPU601は、本インクジェット記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。メモリ603は、それらの処理手順等のプログラムを格納したROM(不図示)と、それらの処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(不図示)とを有する。I/F605は、インクジェット記録装置と、ホストコンピュータ等の画像データの供給源である画像供給装置110との間でデータやコマンド等の情報を授受するためのインターフェイスである。
以上の各部のほか、転写ドラム1、反応液塗布部2、画像形成部3、インク像処理部5、転写部6、クリーニング部8、給紙搬送部10、排紙搬送定着部11、親水化処理装置51、加熱ローラ52および下地処理部53は、バスライン620に接続されている。従って、CPU601は、バスライン620を介して各部と信号のやり取りを行うことができる。また、制御対象である各部には、状態検出用センサが配設され、その検出信号をバスライン620を介してCPU601に伝達することができる。
なお、画像供給装置110から送られてくる画像データが、ミラー反転したデータでなければ、上述した制御部で反転処理を行い、ミラー画像データを作成する。
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、転写ドラム上1に画像形成部3を用いて画像を形成する工程(以下、工程(a)と呼ぶ)と、記録媒体9の少なくとも一部に白色の下地処理を施す工程(以下、工程(b)と呼ぶ)と、転写ドラム1上に形成されたインク像20を、記録媒体9に転写する工程(以下、工程(c)と呼ぶ)とを実施する手段を含むものである。以下、これらの工程(a)〜(c)ないし実施手段について、詳細に説明する。
1.工程(a)
工程(a)は、転写ドラム1上に画像を形成する工程である。本実施形態において、第1の実施形態で説明した反応液およびインクを用いることができる。
中間転写体である転写ドラム上に画像形成する事で、記録媒体のインク吸収性に影響を受けずに安定した高品質な画像を作成する事ができる。このとき、第1の実施形態で説明したように、インク付与に先立って転写ドラムに反応液を塗布し、インクと反応液とを反応させて凝集インク像を形成すすれば、転写ドラム上に形成されるインク像は、ビーディングやブリーディングの発生が抑えられた画像とすることができる。また、転写ドラム上でインク像中の液体成分を減少させる事で記録媒体にインク吸収性が無くとも画像をゆがみ無く転写する事ができる。
上述のように、転写ドラム1へのインク付与に先立って反応液を転写ドラム1に塗布する場合には、第1の実施形態で説明したように、転写ドラム1の表面層は離型性の材料が好ましく用いられるので、表面層13aに均一な反応液の塗布が行えない可能性がある。従って、反応液を均一に塗布するために、転写ドラム1への反応液の塗布に先立って、表面層13aの濡れ性(表面エネルギー)を高めるための親水化処理を親水化処理装置51にて行うことが好ましい。
本実施形態では、工程(a)において、離型性の表面層13aを有する転写ドラム1上に、親水化処理装置3を適用して表面改質を行う。上述のように、離型性の材料は、一般的に臨界表面張力が低い特性を示し、インクや反応液のような液体を弾いてしまう。そこで、インクや反応液を転写ドラム1上に均一に塗布するために、親水化処理装置51による表面改質を行うことでインクや反応液のはじきを抑制するのである。
親水化処理手段としては、転写ドラム1の表面に界面活性剤を含む液体を付与する方法や、転写ドラム1の表面にエネルギー付与することで表面改質する方法が好適に用いられる。また、これらを併用することも可能である。
使用できる界面活性剤としてはいずれのものでもよく、例えば、一般的な、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、およびシリコーン系界面活性剤等を用いることができる。中でも、本実施形態において好適な例として挙げている、離型性の表面層13aは、低表面エネルギーで構成されているため、フッ素系またはシリコーン系の界面活性剤を用いることが好適である。また、界面活性剤の付与手段についての限定はないが、界面活性剤は薄膜で十分機能するため、ロールコーターを用いることが好適である。
また、エネルギー付与手段としては紫外線照射、フレーム処理、コロナ放電処理、プラズマ処理など一般的に親水化処理を施せるものであれば限定を受けず用いる事ができる。中でも大気圧もしくは減圧下でのプラズマ処理は好適な処理方法で、離型性表面層にフッ素化合物もしくはシリコーン化合物を含む材料を用いた場合、特に好適である。この組み合わせは単なる親水化処理だけでなく、後の工程である転写ドラム上に形成されたインク画像を記録媒体に転写する際の転写率を低下させずに、もしくは向上させる効果をもつ。ここで指すプラズマ処理とは大気中の酸素を活性化し、処理基材表面に水酸基を生じさせるコロナ放電処理の一部を含む。また、ここで指すフッ素化合物、シリコーン化合物とはそれぞれのオイル成分を含む。
このような選択された材料と選択された表面改質手段とにより好適な効果を得られるメカニズムは今のところ完全に解明されてはいない。しかし、フッ素もしくはシリコーン系オイル成分が存在する場合において、表面の親水化と転写率の維持もしくは向上の両立が顕著に見られる事や、さらに一度処理を行うとこれら効果が持続的に得られる事などの傾向は明らかである。これらの事から一般的に言われているプラズマ処理の効果である化学的作用(表面親水基の導入)によりゴム成分、フィラー成分、オイル成分の少なくとも一部が親水化することに加え、物理的作用(表面粗化)によりゴム構造の一部に変化が起こり、オイル成分の表面移動が促進されている事などが推定される。
処理の形態としては、あらかじめ表面改質した材料を転写ドラムの表面層として用いるか、装置内にエネルギー付与手段を持ち、一定間隔で表面改質を行うか、またはこれら両方を用いても良い。
なお、親水化処理手段として、界面活性剤を付与する方法とエネルギー付与による方法とを併用する場合は、エネルギー付与による方法を行った後に、界面活性剤を付与する方法を行うことが効果的である。
これらの材料及び方法で中間転写体上にインク像を形成する。この形成されたインク像から液体成分である水及び揮発性有機溶剤を蒸発させて濃縮する。しかしながら、高速な出力を望む場合、自然蒸発では濃縮が不十分となる場合が考えられる。かかる場合を考慮して、図1に示したように、インク画像形成から転写までの間にインク像処理部5を配置し、かかる装置によってインク中の水分除去を促進させることが望ましい。水分除去を促進させる手段としては、インク像処理部5のほか、例えば、インク画像形成面に、送風したり加熱したり、あるいは、図1に示したように、中空状とした転写ドラム1の裏面側から加熱ローラ7を接触させたり、加圧ローラ11を加熱することが有効である。
本実施形態では、親水化処理装置51にて転写ドラム1に対して親水化処理を施してから、反応液塗布を行っているが、親水化処理装置51を設けないようにしても良い。
2.工程(b)
工程(b)は、記録媒体の所定の領域に白色の下地処理を施す工程である。
本実施形態に係る下地処理とは、図5に示す下地処理部53によって記録媒体表面のインク像20が転写される領域に白色の下地を形成することである。このような白色の下地によって、記録媒体の画像形成部分の色や柄等の隠蔽性を向上することができ、この白色下地が形成された記録媒体にインク像を転写すれば、その画像は記録媒体の色や柄による影響を軽減した良好な画像となる。
さらに、本実施形態では、記録媒体のインク像20が転写される領域の少なくとも一部に好ましくは全面に白色下地を形成することによって、転写工程における転写ドラム1から記録媒体9への転写率を向上することができる。
このような転写率の向上を狙って、従来、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献6や、特許文献7では、転写体上に、転写時にインクを中間転写体から剥離するための剥離層をもうけることによって、転写率の向上を狙った方法が提案されている。しかしながら、転写体上に剥離層である液体層を設けるとその上に形成されるインク画像は固定されないため、「ゆがみ」や「にじみ」を生じたり、転写時に加えられる転写圧で「ずれ」を生じるなど、画像品位を劣化させる原因となっていた。さらに、液体層が存在することにより、液体層を乾燥させないようにインク画像を乾燥しなければならず、インク画像の乾燥を阻害するため、高速化や画像堅牢性に悪影響が生じていた。
また、特許文献8では、インクジェット記録式ヘッドから中間転写体上にインク滴を噴射し、この中間転写体に、インク中の溶媒を吸収させてインクを濃縮し、記録媒体へ転写する装置が開示されている。しかしながら、この装置では、溶媒吸収に時間が要したり、中間転写体に設けられた溶媒を吸収するための吸収孔に目詰まりを生じる等の不具合が生じた。さらに、吸収したインク溶媒が中間転写体に残存することでインク溶媒がない部分との画像ムラが生じる問題もあった。また、吸収したインク溶媒を除去する手段を設けなければならず、溶媒の吸収も含めて、転写体を初期状態に戻すために、多大なエネルギーを消費するという問題もあった。
このように、転写率を向上するために様々な方法が提案されているが、まだ課題は残されている。
本実施形態では、記録媒体のインク像20が転写される領域に白色下地を形成することによって、転写ドラム1上のインク像を転写(受像)しにくいような記録媒体の転写性を改善するための効果を得ることができる。よって、記録媒体9が白色であったとしても、下地処理を施す事で転写率を向上させる効果が得られるため、より高品位な画像を出力する事ができる。転写ドラム上のインク像を転写(受像)しにくいような記録媒体とは、具体的には表面が粗い(凹凸している)記録媒体や、インク吸収性が低い記録媒体等を指す。これら記録媒体の転写率を向上させるためには記録媒体上に形成する白色下地によって、記録媒体の表面平滑性もしくは表面粘着性の少なくともどちらかを改善する事が有効である。
1)表面平滑性の向上
インクの転写率は、転写ドラム上のインクと記録媒体表面との接触面積に影響を受ける。普通紙や和紙、ざら紙やエンボス加工紙などの表面が粗い記録媒体は、転写時に記録媒体の凸部は、効率良く転写ドラム上のインクに接触するが、凹部は、転写ドラム上のインクとの接触面積が減少し、転写率は減少する。つまり、表面が粗い程、転写率も低下してしまう。よって、転写率を高めるためには、その接触面積を大きくする、すなわち記録媒体の表面を平滑にすることが必要である。
そこで、転写工程に先立って形成する白色下地表面を、記録媒体素地に対して平滑になるように形成すれば転写ドラム上のインク像と記録媒体との接触面積を増加させることができ、転写率の向上を図ることができる。
2)表面粘着性の付与
インクの転写率は、転写ドラムの表面と記録媒体の表面との表面エネルギーの差に影響を受ける。転写ドラム上に形成された凝集インク像(膜)の内部凝集力が十分であれば、転写時にインク像を介して接触する転写ドラムと記録媒体とのうち表面エネルギーが高い方にインク像は移動する。すなわち記録媒体の表面は、表面エネルギーの高い程、凝集インク像に対する粘着性を高めることができ、転写率は良好となる。
そこで、転写工程に先立って形成する白色下地表面が、記録媒体素地に対して粘着性となるように形成すれば記録媒体のインク付着部の表面エネルギーを高めることができる。
また、逆に、転写工程に先立って形成する白色下地表面が、転写ドラム1上の凝集インク像の粘着性を高めるように形成すればインク像表面の表面エネルギーを高めることができる。
具体的な下地処理の方法としては、白色の熱転写フィルムやラミネートフィルムなどのフィルムを記録媒体の一部もしくは全面に貼り付けて白色膜を形成する方法や、電子写真方式で白色トナー膜を形成する方法や、白色色剤やその他の固形分を有する塗布液や白色インクを記録媒体の一部もしくは全面に付与する方法などが挙げられる。
下地処理をフィルム貼り付けで行う場合、一般的な熱転写プリンタや熱もしくはコールドラミネータ装置がそのまま下地処理部53として用いる事ができる。白色トナー膜で白色下地を形成する場合は一般的な単色電子写真画像記録装置に白色トナーを組み合わせて下地処理部として用いれば良い。白色下地の形成部分を画像部形状と同一にしたり、記録媒体の一部とする場合は熱転写方式や電子写真方式を用いる事が有効である。この場合、当然ながら転写ドラム上に形成する画像データと下地処理エリアとのデータ(下地処理データとも呼ぶ)を同調させておく必要がある。熱転写フィルムを下地に用いた場合、画像転写時に加熱し再溶融させることで表面粘着性を得る事もできる。
下地処理が液体の付与にて行われる場合、下地処理部53は下地処理液付与部を含んでいる。また、乾燥部及び表面平滑化部を含むようにしても良い。下地処理液付与部は、その付与手段や形態としては特に制限を受けないが、記録媒体全面に塗布または付与する場合はロールコーターやスプレーコーターが好適に用いられる。また、記録媒体上に選択的に付与する場合はインクジェット方式によりインク下地処理液を吐出する記録ヘッドが好適に用いられる。記録ヘッドを用いる場合は、第1の実施形態で説明した白色インク付与用記録ヘッド19を用いることができる。この場合、記録媒体上に選択的に下地処理液を付与できるので、作成する画像に応じた付与が可能となるためより好ましい。また、下地処理の際に、記録ヘッドを用いる場合は、記録ヘッドは、下地処理データに従って下地処理液を記録媒体に付与する。
乾燥部は用いる下地処理液によって選択されるが、通常は加熱機と送風機とを有する乾燥装置が用いられる。下地処理液を完全に乾燥させて平滑性のみを効果として得る方法、および下地処理液を完全には乾燥させずに平滑性と粘着性との両方を効果として得る方法がある。当然ながら、後者がより望ましい。乾燥部を用いずとも自然乾燥でこのような状態を再現できる場合、乾燥部は不要としても良い。
また、ごくまれに下地処理液のレベリングだけでは十分な平滑面が得られない場合がある。そのときは表面平滑化部として、具体的には表面をテフロン(登録商標)加工した金属鏡面ロールなどを用いれば良く、記録媒体の表面をそのロールによって加圧することによって平滑性を得ることができる。
本実施形態に係る下地処理液に用いる成分としては、主に白色色材、溶媒、樹脂が挙げられ、最小構成は、白色色材と溶媒とを含むものである。なお、本実施形態の下地処理液は必ずしも水系でなくてもよい。このような下地処理液として、第1の実施形態で説明した白色インクが好適である。
また、下地処理として熱転写方式を用いる場合について説明する。
図7は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を示す図である。図7において、下地処理部53は、ライン型サーマルヘッド71、白色インクドナーフィルム72、白色インクドナーフィルムの供給ローラ73、白色インクドナーフィルムの巻取りローラ74およびプラテンローラ75を含んで構成されている。
このような構成において、ライン型サーマルヘッド71の発熱素子が下地処理データに応じて発熱することによって、白色インクドナーフィルム72から記録媒体9のインク像20が転写される領域へと白色インクが熱転写される。
なお、画像形成部3の記録ヘッド18の解像度と、ライン型サーマルヘッド71の解像度とが異なる場合の画像信号の調整は従来公知の手段を用いればよい。
本実施形態において、下地処理データは、記録媒体9上のインク像20が転写される領域(画像が形成されている領域)に白色の下地を形成するためのデータであり、第1の実施形態で説明した白色インクデータと同様に、画像形成部3に送られる各色に対応するデータを論理和したデータであり、制御部にて作成される。作成された下地処理データに従って、例えば、下地処理部53が記録ヘッドである場合は、記録ヘッドは白色インク等の下地処理液を記録媒体の所定の領域に付与して、白色下地を形成するのである。
なお、本実施形態において、白色下地を形成する領域は、記録媒体9に転写されたインク像20を含む領域のうち、少なくとも着色インクドットが付与される領域である。よって、制御部は、第1の実施形態と同様に、所望の白色下地の形成領域に応じて、下地処理データを作成する。
3.工程(c)
工程(c)は、転写ドラム1上に形成されたインク画像20を、記録媒体9に転写する工程である。
工程(c)において、記録媒体9は、転写部6の転写ローラによって、転写ドラム1の画像形成面と接触されてインクを受容する。このとき、転写ローラが、転写ドラム1に対して記録媒体9を相対的に押圧することで、転写は達成される。本実施形態によれば、転写ドラム1上のインク像は濃縮されており、体積的に小さく且つ流動性が少なくなっているため、加圧による画像の乱れは軽減されている。この濃縮効果により直接描画では色が混ざってしまうような液体の下地処理であっても、またインクをはじいてしまうような熱転写や電子写真記録方式による固体の下地処理面であっても良好な画像の形成が可能である。さらに、記録媒体上の白色下地処理の効果で有色の記録媒体であってもはっきりとした色再現が可能である。加えて、下地処理による表面平滑化や表面粘着性付与の効果で、中間転写体上のインク像を高い転写率で安定して受領する事ができる。
さらに、上記のようにして転写ドラム1を介して画像形成された記録媒体9は、これを搬送定着ローラ29aおよび29bで加圧することで、優れた表面平滑性を有するものとなる。また、搬送定着ローラ29aおよび29bにて記録媒体9を加熱することで、即時に印刷物に堅牢性を持たせることができる。
図5に例示したインクジェット記録装置では、インク画像を受け渡した後の転写ドラム1は、次の画像形成に備えて、次段に配置されているクリーニング部8で洗浄される。洗浄を行う手段としては、第1の実施形態で説明した形態の他、シャワー状に水を当てながらの水洗いもしくは水拭き、水面に接触させる等の直接洗浄、あるいは濡らしたモルトンローラを表面に当接させる等の払拭を行う手段を用いることが望ましい。勿論、これらを併用することも有効である。
更に、必要であれば、洗浄後に乾いたモルトンローラを当接させたり、送風する等の方法により、転写ドラム1の表面を乾燥させることも有効である。
以上説明したように、本実施形態では、転写工程に先立って下地処理部53にて記録媒体の所定の領域に白色下地を形成するので、第1の実施形態と同様に、凝集インク像20に対して記録媒体の色や柄に対する隠蔽性を向上させることができ、凝集インク像20を白色下地が形成された記録媒体に転写することで、記録媒体の背景の色や柄に影響されず鮮明かつ忠実な色を再現した良好な画像を得ることができる。
さらに、白色下地を形成することによって、記録媒体の表面平滑性および粘着性のうち少なくとも一方を向上することができるので、転写ドラム1上に形成された凝集インク像20を高い転写率で記録媒体9に転写することができる。
なお、上記の説明では、中間転写体上でのインクの流動性を低下させるための処理として、インクの流動性を低下させる材料を付与する形態について説明したが、この形態に限られるものではない。中間転写体上でのインクの流動性を低下させるための処理としては、例えば、中間転写体上に形成されたインク像の乾燥を促進させる加熱処理や中間転写体上に形成されたインク像の水分をスポンジ等を用いて低減させる処理であってもよい。
また、本実施形態においては、中間転写体上でのインクの流動性を低下させるための処理は省いても良い。
(実施例)
以下、実施例及び比較例を用いて本実施形態を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り質量基準である。又、使用したインク及び反応液は、いずれも、水で調整して総量を100部とした。
(実施例4)
(a)転写ドラム上へのインク画像形成
本実施例では、転写ドラムとして、ゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学製 KE12)を0.3mmの厚さでコーティングした、アルミニウム製のドラムを用いた。先ず、この転写ドラム表面に、大気圧プラズマ照射装置(キーエンス社製 ST-7000)を用いて下記条件にて転写ドラムの表面改質を行った。
・照射距離 :5mm
・プラズマモード:High
・処理速度 :20mm/sec
次に、塩化カルシウム・2水和の5質量%水溶液に、フッ素系界面活性剤(セイミケミカル社製 サーフロンS−141)を0.5%添加した反応液を、ロールコーターにて転写ドラム上に塗布した。その後、インクジェット用記録ヘッド「(ノズル密度1200dpi、吐出量4pl、駆動周波数12kHz)にて、反応液が表面に塗布されている転写ドラム上に、黄色のインクを用いてミラー反転させた文字画像を形成した。ここでは、インクとして、下記の組成のものをそれぞれ用いた。
・下記の顔料 :3部
イエロー:ピグメントイエロー74
・水溶性樹脂 :1部
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000)
・グリセリン :10部
・エチレングリコール :5部
・界面活性剤 :1部
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・イオン交換水 :80部
次いで、転写ドラム上の凝集インク像に50℃の温風を2秒間当ててインク中の水分を減少させた。
(b)記録媒体の下地処理
一方、記録媒体(トーヨーコットン・こいあお 104.7g・m2)にインクジェット用記録ヘッド(ノズル密度600dpi、吐出量10pl、駆動周波数6kHz)にて、文字画像受領部のみ(画像データに対応する領域)に下記下地処理剤(白色インク)を付与した。
・下記の顔料 :10部
アナターゼ二酸化チタン
・水溶性樹脂 :1部
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価180、重量平均分子量4500)
・グリセリン :3部
・エチレングリコール :3部
・界面活性剤 :1部
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・イオン交換水 :82部
次いで、記録媒体上の下地処理剤に50℃の温風を2秒間当てて下地処理剤中の水分を減少させた。
(c)インク画像の転写
転写ドラムと記録媒体の表面を接触加圧して、転写ドラム上の文字画像を記録媒体へと転写させた。この場合、インクの転写率はほぼ100%を示し、記録媒体上にははっきりとした黄色の文字画像が形成された。
(実施例5)
(a)転写ドラム上へのインク画像形成
本実施例では、実施例4と同様に、転写ドラムとして、ゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学製 KE12)を0.3mmの厚さでコーティングした、アルミニウム製のドラムを用いた。先ず、この転写ドラムの表面に、大気圧プラズマ照射装置(キーエンス社製 ST-7000)を用いて下記条件にて転写ドラムの表面改質を行った。
・照射距離 :5mm
・プラズマモード:High
・処理速度 :20mm/sec
次に、塩化カルシウム・2水和の5質量%水溶液に、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー社製 L77)を0.5%添加した反応液を、ロールコーターにて転写ドラム上に塗布した。その後、インクジェット用記録ヘッド(ノズル密度1200dpi、吐出量4pl、駆動周波数12kHz)にて、反応液が表面に塗布されている転写ドラム上に、4色のインクを用いてミラー反転させた写真画像を形成した。ここでは、インクとして下記の組成のものをそれぞれ用いた。
・下記の各顔料 :3部
ブラック:カーボンブラック(三菱化学製 MCF88)
シアン:ビグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
・水溶性樹脂 :1部
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000)
・グリセリン :10部
・エチレングリコール :5部
・界面活性剤 :1部
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・イオン交換水 :80部
次いで、中間転写体上のインク像に50℃の温風を2秒間当ててインク中の水分を減少させた。
(b)記録媒体の下地処理
一方、記録媒体(テンカラー・黒(***D色)152.0g・m2)に熱溶融性の白色インクドナーフィルムをライン型サーマルヘッド(解像度400dpi)にて、インク画像受領部より一回り大きいエリア(少なくとも画像データに対応する領域)に下地処理を施した。
(c)インク画像の転写
転写ドラムと記録媒体の表面とを接触加圧して、転写ドラム上の写真画像を記録媒体へと転写させた。この場合、インクの転写率はほぼ100%を示し、記録媒体上には良好な写真画像が形成された。
(比較例1)
(a)転写ドラム上へのインク画像形成
実施例4と同様に、転写ドラムとして、ゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学製 KE12)を0.3mmの厚さでコーティングした、アルミニウム製のドラムを用いた。先ず、この転写ドラム表面に、大気圧プラズマ照射装置(キーエンス社製 ST-7000)を用いて下記条件にて転写ドラムの表面改質を行った。
照射距離 :5mm
プラズマモード:High
処理速度 :20mm/sec
次に、塩化カルシウム・2水和の5質量%水溶液に、フッ素系界面活性剤(セイミケミカル社製 サーフロンS−141)を0.5%添加した反応液を、ロールコーターにて転写ドラム上に塗布した。その後、インクジェット用記録ヘッド(ノズル密度1200dpi、吐出量4pl、駆動周波数12kHz)にて、反応液が表面に塗布されている転写ドラム上に、黄色のインクを用いてミラー反転させた文字画像を形成した。ここでは、インクとして、下記の組成のものをそれぞれ用いた。
・下記の顔料 :3部
イエロー:ピグメントイエロー74
・水溶性樹脂 :1部
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000)
・グリセリン :10部
・エチレングリコール :5部
・界面活性剤 :1部
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・イオン交換水 :80部
次いで、転写ドラム上の凝集インク像に50℃の温風を2秒間当ててインク中の水分を減少させた。
(b)記録媒体の下地処理
一方、記録媒体(トーヨーコットン・こいあお 104.7g・m2)を下地処理せずに用いた。
(c)インク画像の転写
転写ドラムと記録媒体の表面とを接触加圧して、転写ドラム上の文字画像を記録媒体へと転写させた。この場合、インクの転写率は約90%程度に低下した。また、記録媒体上に形成された文字画像は緑色になってしまった。
(比較例2)
(b)記録媒体の下地処理
一方、記録媒体(テンカラー・黒(***D色)152.0g・m2)に熱溶融性の白色インクドナーフィルムをライン型サーマルヘッド(解像度400dpi)にて、インク画像受領部より一回り大きいエリア(少なくとも画像データに対応する領域)に下地処理を施した。
(d)インク画像の形成
インクジェット用記録ヘッド(ノズル密度1200dpi、吐出量4pl、駆動周波数12kHz)を用いて直接、記録媒体上の下地処理された領域に写真画像を形成した。ここでは、インクとして、下記の組成のものをそれぞれ用いた。
・下記の各顔料 :3部
ブラック:カーボンブラック(三菱化学製 MCF88)
シアン:ビグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
・水溶性樹脂 :1部
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000)
・グリセリン :10部
・エチレングリコール :5部
・界面活性剤 :1部
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・イオン交換水 :80部
この場合、下地処理面上でインク滴は混ざり合ってしまい、画像は大きく乱れてしまった。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係る制御部の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係る制御部の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を説明するための概略図である。
符号の説明
1 転写ドラム
2 反応液塗布部
3 画像形成部
4 白色インク描画部
5 インク像処理部
6 転写部
7 記録媒体分離部
8 クリーニング部
9 記録媒体
10 給紙搬送部
11 排紙搬送定着部
12 支持体
13a、13b 表面層
14 加熱ヒータ
15 塗布液容器
16 反応液
17a、17b 塗布ローラ
18a、18b、18c、18d 記録ヘッド
19 白色インク付与用記録ヘッド
20 インク像
22 エアーナイフ
23 溶剤受け皿
24a、24b 搬送ローラ
25a、25b、28a、28b 搬送ガイド
26 転写ローラ
27 分離爪
29a、29b 搬送定着ローラ
30 クリーニング液
31 クリーニング液保持部材
32a クリーニング液供給ローラ
32b クリーニングローラ
51 親水化処理装置
52 加熱ローラ
53 下地処理部
71 ライン型サーマルヘッド
72 白書インクドナーフィルム
73 白色インクドナーフィルムの供給ローラ
74 白色インクドナーフィルムの巻取りローラ
75 プラテンローラ

Claims (9)

  1. プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、当該中間転写体上でのインクの流動性を低下させるための液体を付与する工程と、
    前記液体が付与された中間転写体上に対して、画像データに応じて記録ヘッドにより前記インクを付与する第1付与工程と、
    前記中間転写体上に付与されたインクを記録媒体に転写する転写工程と、
    前記転写工程に先立って、白色の材料を、前記中間転写体上の前記インクが付与された第1の領域の少なくとも一部または前記記録媒体上の前記インクが転写される第2の領域の少なくとも一部に付与する第2付与工程と
    を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記中間転写体上に付与されたインクの乾燥を促進させる工程を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記液体は、前記インク中の色材を凝集させる反応液であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記第2付与工程では、前記画像データに基づいて作成された白色材料付与用データに応じて、記録ヘッドにより前記白色の材料を前記第1の領域または前記第2の領域に付与することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記白色材料付与用データは、複数色のインク夫々に対応する複数色の画像データの論理和により得られるデータであることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録方法。
  6. プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、インク中の色材を凝集させる成分を含有する液体を付与する工程と、
    前記液体が付与された中間転写体に対して、画像データに応じて記録ヘッドによりインクを付与する工程と、
    前記中間転写体上の前記インクが付与された領域の少なくとも一部に白色の材料を付与する工程と、
    前記中間転写体上に付与されたインクと白色の材料を記録媒体に転写する工程と
    を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、インク中の色材を凝集させる成分を含有する液体を付与する工程と、
    前記液体が付与された中間転写体に対して、画像データに応じて記録ヘッドによりインクを付与する第1付与工程と、
    前記中間転写体上に付与されたインクを記録媒体に転写する転写工程と、
    前記転写工程に先立って、白色の材料を、前記記録媒体上の前記インクが転写される領域の少なくとも一部に付与する第2付与工程と
    を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、インクと反応する反応液を付与するための手段と、
    前記反応液が付与された中間転写体に対して、画像データに応じてインクを付与するための手段と、
    前記中間転写体上に付与されたインクを記録媒体に転写するための転写部と、
    前記中間転写体上の前記インクが付与され領域の少なくとも一部に白色の材料を付与するための手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. プラズマ処理により親水化された表面を有する中間転写体に対して、インクと反応する反応液を付与するための手段と、
    前記反応液が付与された中間転写体に対して、画像データに応じてインクを付与するための手段と、
    前記中間転写体上に付与されたインクを記録媒体に転写するための転写部と、
    前記記録媒体上の前記インクが転写される領域の少なくとも一部に白色の材料を付与するための手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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