JP2014233957A - 画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙種によらず、高速で、かつ、インク打ち込み量に依存することなく良好な転写画像を得ることができる画像記録方法を提供すること。
【解決手段】インクを中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と中間画像を記録媒体に転写する転写工程とを有する画像記録方法であって、記録媒体の中間画像が転写される面が樹脂で被覆されており、転写工程において樹脂のガラス転移点又は融点以上に加熱することを特徴とする画像記録方法。
【選択図】図2
【解決手段】インクを中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と中間画像を記録媒体に転写する転写工程とを有する画像記録方法であって、記録媒体の中間画像が転写される面が樹脂で被覆されており、転写工程において樹脂のガラス転移点又は融点以上に加熱することを特徴とする画像記録方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像記録方法に関するものである。
コンシューマ用として広く用いられているインクジェット吐出デバイスを用いたインクジェット画像記録装置は、産業用にも利用されるようになってきており、さらにより広く応用されることが期待されている。その一つとして、印刷分野への応用がある。インクジェット記録方式ではオフセット印刷などの従来の印刷方式では必要な版が不要となる。さらにリードタイムが不要なため即時に所望の印刷物を得られる。これらの特徴が、時代のニーズである多品種、小ロット、短納期、に対して好適な技術として注目される由縁である。
このインクジェット記録方式の中で、中間転写体を用いた転写型の記録方式が提案されている。転写型の記録方式では、インクジェット吐出デバイスから吐出したインクを一度、中間転写体上に付着させ、インクの流動性をある程度低下させた後、その中間画像を中間転写体から記録媒体に転写させる。
この転写型インクジェット記録方式では、中間転写体から記録媒体へのインクの転写する割合(=転写率)を高くすることが重要となる。転写率が低い場合には、十分な画像濃度が得られない。このため、十分な画像濃度を得ようとする場合は、インクの打ち込み量を多くしなければならない。しかし、インク打ち込み量の増加は、中間転写体上での水分が多くなり、中間画像が止まらずに流れてしまう、隣接したインク滴が混ざり合ってしまう等の画像不良につながる。また、生産性においても、乾燥に多くのエネルギーが必要になることが懸念されたり、中間転写体上の転写残りに対するクリーニングの負荷が増えたりといった問題が起こるため好ましくない。
そこで、転写型の記録方式において、転写率を向上させるための様々な提案がなされている。
特許文献1では、中間転写体上に剥離をしやすくするための剥離層を設けることで中間画像の転写率を向上させる方法が提案されている。
特許文献1では、中間転写体上に剥離をしやすくするための剥離層を設けることで中間画像の転写率を向上させる方法が提案されている。
また、特許文献2では、記録媒体に対して、転写率を高めるためのインク転写補助剤を付与することにより転写率を向上させる方法が提案されている。この方法では、転写補助剤を付与することで記録媒体の表面エネルギーおよび表面平滑性を高め、異なる記録媒体同士間でも記録媒体の表面性を統一して転写率を高めることができる。
しかしながら、特許文献1の方法では、中間転写体上に液体である剥離層を形成させるため、中間転写体上で中間画像が固定されず、画像が流れ、ゆがんだり、にじんだりして画像品位を劣化させる、という問題点があった。
一方、特許文献2に記載の画像記録方式では、転写補助剤により記録媒体表面が均質になるために、記録媒体の表面粗さ、記録媒体表面層の吸水性等の違いによらず良好な転写画像が得られると推測される。しかしながら、例えば、高速で記録媒体に中間画像を転写する場合には、転写媒体と記録媒体の当接時間が短くなる。このため、中間画像の記録媒体への密着力が充分得られず、記録媒体への中間画像の転写性が悪くなることが懸念される。また、例えば「文字」と「夜景画像」のようにインクの打ち込み量に大きな差がある画像を転写させる場合、打ち込み量に関わらず、画像が流れない程度に、転写前の画像から水分を除去する必要がある。この際、中間転写体上で打ち込み量の多い「夜景画像」に合わせて、例えば乾燥により水分を除去すると、打ち込み量の少ない「文字」の部分は水分がほとんど蒸発してしまい、表面がカラカラになってほとんど記録媒体への粘着性がなくなる。このように乾燥の程度が行き過ぎた場合、転写補助剤による粘着性の回復が不十分となり、転写性が悪くなることが懸念される。また、粘着性回復のために過剰に転写補助剤を付与すれば、画像が流れて乱れてしまうことが懸念される。このように、特許文献2の方法では、インク打ち込み量に大きな差があるさまざまな画像や文字を含んだ画像を同時に良好に転写させることは難しかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、紙種によらず、高速で、かつ、インク打ち込み量に依存することなく良好な転写画像を得ることができる画像記録方法を提供することである。
本発明は、鋭意検討の結果、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明者らは、記録媒体にガラス転移点または融点を持つ樹脂をコーティングし、中間画像の転写時に記録媒体に対してガラス転移点または融点以上の温度を印加すれば良いことを見出した。換言すると、中間画像のみならず記録媒体表面の粘着性を向上させることが転写率向上に極めて有効であることを見出した。
一実施形態は、
インクを中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程とを有する画像記録方法であって、
前記記録媒体の、前記中間画像が転写される面が樹脂で被覆されており、
前記転写工程において、前記樹脂のガラス転移点又は融点以上に記録媒体を加熱することを特徴とする画像記録方法に関する。
インクを中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程とを有する画像記録方法であって、
前記記録媒体の、前記中間画像が転写される面が樹脂で被覆されており、
前記転写工程において、前記樹脂のガラス転移点又は融点以上に記録媒体を加熱することを特徴とする画像記録方法に関する。
他の実施形態は、
インクを中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程とを有する画像記録方法であって、
前記転写工程に先立って、前記記録媒体に樹脂を被覆する工程を有し、
前記転写工程において、前記樹脂のガラス転移点又は融点以上に記録媒体を加熱することを特徴とする画像記録方法に関する。
インクを中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程とを有する画像記録方法であって、
前記転写工程に先立って、前記記録媒体に樹脂を被覆する工程を有し、
前記転写工程において、前記樹脂のガラス転移点又は融点以上に記録媒体を加熱することを特徴とする画像記録方法に関する。
このような画像記録方法を提供することで、前記課題を解決することができる。
紙種によらず、高速で、かつ、インク打ち込み量に依存することなく良好な転写画像を得ることができる画像記録方法を提供することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像記録方法の工程フロー図を示す。また、図2は、この画像記録方法を実施するための画像記録装置の概略構成を示す断面模式図である。以下では、図1および2を用いて、本実施形態の画像記録方法を説明する。
まず、画像記録装置の作動がスタートすると(図1の「スタート」)、中間転写体を装着した転写ドラムの搬送と加熱が開始される(図1の「転写ドラム搬送・加熱開始」)。中間転写体が設定温度に到達した後(図1の「設定温度到達」 YES)、中間転写体上に反応液が塗布される(図1の「反応液塗布」;反応液付与工程)。次に、記録画像に対応する電気信号によってインクジェット吐出デバイスよりインクが中間転写体上に吐出される(図1の「IJ描画」)。これにより、予め塗布された反応液とインクが反応して、これらからなる中間画像が形成される(中間画像形成工程)。次に、中間転写体上に形成された中間画像は、予めガラス転移点、または融点を持つ樹脂がコーティングされた記録媒体に転写される(図1の「転写」;転写工程)。この時、中間転写体と接する記録媒体は、記録媒体にコーティングされた樹脂のガラス転移点、または融点よりも高い温度に加熱されるよう調整されている。転写時に、このように記録媒体を加熱することで、記録媒体中の樹脂が柔らかくなり粘着力が増す。この結果、記録媒体表面と中間画像の接着力が上がり、中間画像の転写率を向上させることができる。これら一連の動作を繰り返した後、設定枚数に達すると印刷は終了し(図1の「印刷終了」 YES)、転写ドラムの搬送と加熱を停止する(図1の「転写ドラム搬送・加熱停止」)。
図2は、図1のフロー図に示した画像記録方法を実施するための画像記録装置を示す図である。
図2に示すように、中間転写体2は、中間転写ドラム1と、中間転写ドラム1上に設けられた表層部材とから構成され、矢印F方向に搬送される。ここで用いられる中間転写体2の表層部材は、金属、樹脂、ゴム、セラミックなど旧来から用いられている物を何れも好適に用いることができるが、例えば、撥水性基材を表面処理し親水性を付与させたものを用いることができる。この場合の表面処理としては、コロナ処理、フレーム処理、活性エネルギー線の照射、プラズマ処理などが挙げられる。この際、効果を高めるために酸素などのガスを同時に用いても好適である。また、この撥水性基材としては、シリコーンゴムやフッ素ゴム等が好適に用いられる。
中間転写体2の表面には、反応液塗布装置3から反応液4が付与されるようになっている。ここで用いられる反応液4は、インク中の色材と反応して色材を凝集させたり析出させる成分を含む。この反応液4中の成分と色材の反応には、化学的な反応だけでなく、物理的な吸着なども包含される。反応液4は、画像記録に使用するインクの種類によって適宜に選択される。例えば、染料インクに対しては高分子凝集剤を用いることが有効であり、微粒子が分散された顔料インクに対しては金属イオンを使用することが有効である。さらに、染料インクに対して、画像固定成分として金属イオンを高分子凝集剤と組み合わせて用いる場合には、インク中に、染料と同等色の顔料を混合させるか、色目に影響の少ない、白色もしくは透明色の微粒子を混合させるとよい。
反応液として使用できる高分子凝集剤としては、例えば、陽イオン性高分子凝集剤、陰イオン性高分子凝集剤、非イオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等が挙げられる。また、金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。そして、これらの金属イオンを含有する液体を塗布する場合には、金属塩水溶液として塗布することが望ましい。金属塩の陰イオンとしては、Cl−、NO3−、SO4 2−、I−、Br−、ClO3 −、RCOO−(Rはアルキル基)等が挙げられる。また、使用するインクと逆性を持つ材料は反応液として用いることができる。例えば、インクがアニオン性もしくはアルカリ性であれば、その逆性であるカチオン性もしくは酸性材料が反応液として使用できる。
また、最終的に形成された画像の堅牢性を向上させるために、反応液4中に水溶性樹脂や水溶性架橋剤を添加することもできる。用いる材料としては反応液成分と共存できるものであれば制限は無い。水溶性樹脂としてはPVAやPVP等を添加することが好適に用いられる。水溶性架橋剤としては、反応性の遅いオキサゾリンやカルボジイミドが反応液安定性の面で好適に用いられる。
反応液4の付与手段は特に限定されないが、ワイヤーバーコート等の接触式塗布によるものや、スプレーコート、インクジェットヘッドによる液滴付与のような非接触塗布によるものなどを用いることができる。適応の範囲が限定されるが、スピンコートや引き上げ塗布、エアナイフによる塗布等を行うものであっても、特性的には問題なく使用できる。また、それらの塗布手段を適宜、組み合わせて使用しても良い。
次に、中間転写体2上に付与された反応液4上に更に、インクジェット吐出デバイス5を用いてインクが付与されるようになっている。ここで使用されるインクについては特に制限はないが、一般的に染料や、顔料を用いた水系インクが好適に用いられる。特に、水系顔料インクは反応液4に金属塩を用いた場合に好適である。
染料としては限定を受けず、一般的に使われる染料であれば問題なく用いることができる。例えば、下記の染料を用いることができる。
C.Iダイレクトブルー6、8、22、34、70、71、76、78、86、142、199。
C.Iアシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、117、120、167、229。
C.Iダイレクトレッド1、4、17、28、83、227。
C.Iアシッドレッド1、4、8、13、14、15、18、21、26、35、37、249、257、289。
C.Iダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142。
C.Iアシッドイエロー1、3、4、7、11、12、13、14、19、23、25、34、44、71。
C.Iフードブラック1、2、C.Iアシッドブラック2、7、24、26、31、52、112、118。
C.Iダイレクトブルー6、8、22、34、70、71、76、78、86、142、199。
C.Iアシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、117、120、167、229。
C.Iダイレクトレッド1、4、17、28、83、227。
C.Iアシッドレッド1、4、8、13、14、15、18、21、26、35、37、249、257、289。
C.Iダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142。
C.Iアシッドイエロー1、3、4、7、11、12、13、14、19、23、25、34、44、71。
C.Iフードブラック1、2、C.Iアシッドブラック2、7、24、26、31、52、112、118。
顔料としても限定を受けず、一般的に使われる顔料であれば問題なく用いることができる。例えば、下記の顔料を用いることができる。
C.Iピグメントブルー1、2、3、15:3、16、22。
C.Iピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、112、122。
C.Iピグメントイエロー1、2、3、13、16、83。
カーボンブラックNo2300、900、33、40、52、MA7、8、MCF88(三菱化成製)。
RAVEN1255(コロンビア製)。
REGAL330R、660R、MOGUL(キャボット製)
Color Black FW1、FW18、S170、S150、Printex35(デグッサ製)。
C.Iピグメントブルー1、2、3、15:3、16、22。
C.Iピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、112、122。
C.Iピグメントイエロー1、2、3、13、16、83。
カーボンブラックNo2300、900、33、40、52、MA7、8、MCF88(三菱化成製)。
RAVEN1255(コロンビア製)。
REGAL330R、660R、MOGUL(キャボット製)
Color Black FW1、FW18、S170、S150、Printex35(デグッサ製)。
これらの顔料は、形態としての限定を受けず、例えば、自己分散タイプ、樹脂分散タイプ、マイクロカプセルタイプ等のものをいずれも使用することが可能である。その際に使用する顔料の分散剤としては、水溶性で、質量平均分子量が1,000以上15,000以下程度の分散樹脂が好適に使用できる。具体的には、例えば、スチレンおよびその誘導体、ビニルナフタレンおよびその誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、イタコン酸およびその誘導体、フマール酸およびその誘導体からなるブロック共重合体あるいはランダム共重合体、また、これらの塩等が挙げられる。
また、最終的に形成された画像の堅牢性を向上させるために、インク中に水溶性樹脂や水溶性架橋剤を添加することもできる。用いる材料としてはインク成分と共存できるものであれば制限は無い。水溶性樹脂としては上記した分散樹脂等をさらに添加することが好適に用いられる。水溶性架橋剤としては、反応性の遅いオキサゾリンやカルボジイミドを、インク安定性の面で好適に用いることができる。
インク中の有機溶剤量はインク吐出性や乾燥性を決めるファクターとなる。記録媒体6に転写するときのインクは、ほぼ色材と高沸点有機溶剤だけとなるので、その最適値に設計する。使用する有機溶剤は高沸点で蒸気圧の低い水溶性の材料が好ましい。例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン等である。また、粘度、表面張力等を調整する成分としてエチルアルコールやイソプロピルアルコール等のアルコール類を添加することもできる。
インクを構成する成分の配合比についても限定を受けることなく、選択したインクジェット記録方式やヘッドの吐出力、ノズル径などから吐出可能な範囲、適宜に調製することが可能である。インク組成の一例は色材0.1質量%以上10質量%以下、樹脂0.1質量%以上10質量%以下、溶剤5質量%以上40質量%以下、界面活性剤0.1質量%以上5質量%以下であり、残りは純水である。
インクジェット吐出デバイス5により中間転写体2上に形成されたインク画像は、予め中間転写体2上に塗布された反応液3と反応する。これにより、インク中の色材成分(顔料、染料など)が凝集または析出して、反応液3とインクからなる中間画像が形成される。この中間画像は加圧ローラー7によって加圧され、予めガラス転移点または融点を有する樹脂がコーティングされた記録媒体6に転写される。この記録媒体6の少なくとも中間画像が転写される面は、ガラス転移点又は融点を有する樹脂で被覆されている。また、図示していない加熱手段により、加圧ローラー7は記録媒体6の表面が樹脂のガラス転移点または融点以上の温度に到達するよう加熱される。転写工程の加熱手段は、中間転写ドラム1側、または加圧ローラー9側のどちらに設けても、またその両方に設けても良く、記録媒体6表面の温度が樹脂のガラス転移点、または融点以上になるように加熱される。このように加熱されると、記録媒体6表面の樹脂が溶ける、または柔らかくなることにより、その付着力が増し、記録媒体6と中間画像がより強固に記録媒体6に付着する。この結果、中間転写体2から記録媒体6への中間画像の転写率を向上させることができる。
さらに、転写工程前に、あらかじめ記録媒体6を余熱することも、中間画像の転写率の向上の点から好ましい。また、転写工程の際、記録媒体6に付加される圧力を高めることが好ましい。圧力を上げることにより、記録媒体6と中間転写体2上の中間画像の接触率が高まり、記録媒体6と中間画像の付着をより強固にすることができる。この結果、より中間画像の転写率を高めることができる。
樹脂による記録媒体表面の被覆率は高ければ高いほど良く、全面を覆うことで、高い転写率が得られる。ガラス転移点、または融点を有する樹脂としては、樹脂微粒子が好適に用いられる。樹脂微粒子の材質としては、特に限定されず公知の樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコールを用いることができる。また、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物を用いることもできる。更に、これらを複数、組み合わせた共重合物が挙げられる。該樹脂の質量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。
さらに、本実施形態においては、樹脂微粒子が液中に分散した樹脂微粒子の分散体として用いることが好ましい。樹脂微粒子の分散体を用いる場合は、この分散体を調製した後、記録媒体の表面上に塗布し、更に分散体中の液体分を除去することにより、記録媒体の表面を樹脂で被覆することができる。樹脂微粒子の分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種、共重合させた樹脂を用いて分散させた、いわゆる自己分散型樹脂微粒子分散体が好適である。ここで解離性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂微粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂微粒子分散体も、同様に本実施形態に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好適に用いられる。界面活性剤はノニオン性か、もしくは樹脂微粒子と同じ電荷を持つ物が好適である。本実施形態に用いる樹脂微粒子の分散体は、10nm以上1000nm以下の分散粒径をもつことが望ましく、さらに100nm以上500nm以下が望ましい。
また、本実施形態に用いる樹脂微粒子の分散体を作製する際に、安定化のために各種添加剤を加えておくことも好ましい。添加剤としては例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が好適である。
本実施形態では、上述した樹脂微粒子のうち、ガラス転移点、または融点が25℃以上160℃以下のものが好適に、さらには50℃以上120℃以下のものがより好適に用いられる。ガラス転移点、または融点が25℃未満の場合には、記録後の記録媒体6を重ねて保管する際に、インク中の樹脂の硬化が不十分になり、重ねた記録媒体6の裏面にその下の記録媒体6の画像の一部が貼りつく場合がある。この貼りつきをより抑制するためには、ガラス転移点、または融点を50℃以上にすることがより好ましい。また、ガラス転移点、または融点が160℃を超える樹脂を使用し160℃を超える温度で中間画像の転写をすると、記録媒体6への転写は良好であるが、記録媒体6中の水の蒸発により記録媒体6が伸びてしまう場合がある。例えば、記録媒体6の両面に印刷をする場合に、表面と裏面の印刷位置がずれてしまう。この伸びをより抑制するためには、ガラス転移点、または融点を120℃以下にすることがより好ましい。
画像記録前に予め記録媒体6に樹脂をコーティングする場合、記録媒体6への樹脂のコーティング方法は、樹脂を水等の溶媒に溶解または分散させた液体を例えば、ワイヤーバーコート等で記録媒体6上に塗布し、乾燥させる。また、本実施形態の画像記録方法の転写工程に先立って樹脂を記録媒体6にコーティングする場合、樹脂を水等の溶媒に溶解または分散させた液体を用いる。また、その際のコーティング手段は、例えば、ワイヤーバーコート等の接触式塗布によるものや、スプレーコート、インクジェットヘッドによる液滴付与のような非接触塗布によるものなどを用いることができる。それらの塗布手段を適宜、組み合わせて使用しても良い。記録媒体6上に樹脂を含む液体が塗布された後、液体分を除去するために乾燥を行う。付与、または塗布の際に使用する液体中に含まれる樹脂微粒子の量は、液体全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
さらに、反応液およびインクのうち少なくとも一方の中に、ガラス転移点、または融点を有する樹脂を含んでも良い。この場合、転写工程の際に、記録媒体表面の樹脂とインク凝集物中の樹脂が一体になり、強固に結びつくことで記録媒体とインクの付着力が増し、転写率が向上する。
なお、図2には示されていないが、中間転写体2上において画像を構成するインク中の水分ないし溶剤成分を蒸発させて除去する目的で、液体分除去促進手段を設けても良い。この液体分除去促進手段は例えば、中間転写体の搬送方向Fにおいて、インクジェット吐出デバイス5と加圧ローラー7の間に設けても良い。液体分除去促進手段には、送風や減圧、また吸収材料の接触など公知の技術がどれも好適に用いられる。なお、同じ目的で、中間転写ドラム1そのものを加熱する手段を設けても良い。
液体分除去促進手段により除去される水分ないし溶剤成分の量は、インクの打ち込み量の多い少ないにかかわらず、画像が流れない程度の量であることが好ましい。インク打ち込み量の多い画像を基準に例えば、送風で水分ないし溶剤成分を蒸発させる場合には、インク打ち込み量の少ない画像部分は乾燥が過剰な状態になり、表面がカラカラになり、ほとんど記録媒体6への粘着性がなくなる。しかしながら、転写工程での加熱により、記録媒体6表面の樹脂の溶解、または軟化により記録媒体6の中間画像への粘着力が増し、転写率が上がる。
また、上述したガラス転移点、または融点を有する樹脂を含む反応液、および/またはインクを用いる場合には、記録媒体6表面の樹脂とインク凝集物中の樹脂が一体となり、強固に結びつく。このため、表面がカラカラな状態でも記録媒体とインクの付着力がより増し、転写率を向上させることができる。
以下に本発明に係る画像記録方法の実施例、および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。もちろん、本発明は下記実施例に限られるものではない。また、以下の説明において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
まず、中間転写体上に反応液を付与する工程を手動で行った(反応液付与工程)。作業台の上に中間転写体を置き、反応液をスポイトで数滴、ランダムに中間転写体上に滴化し、表面がシリコーンゴム製のハンドローラーで均一に引き延ばした。ここで用いた中間転写体は、表層部材として、厚さ0.5mmのPETシートにゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学社製 KE12)を0.2mmの厚さにコーティングしたものを用いた。この表層部材の表面に、大気圧プラズマ処理装置(キーエンス社製 ST−7000)を用いて、下記条件にてプラズマ表面処理を施した。
・処理距離:5mm
・プラズマモード:High
・処理速度:100mm/sec。
まず、中間転写体上に反応液を付与する工程を手動で行った(反応液付与工程)。作業台の上に中間転写体を置き、反応液をスポイトで数滴、ランダムに中間転写体上に滴化し、表面がシリコーンゴム製のハンドローラーで均一に引き延ばした。ここで用いた中間転写体は、表層部材として、厚さ0.5mmのPETシートにゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学社製 KE12)を0.2mmの厚さにコーティングしたものを用いた。この表層部材の表面に、大気圧プラズマ処理装置(キーエンス社製 ST−7000)を用いて、下記条件にてプラズマ表面処理を施した。
・処理距離:5mm
・プラズマモード:High
・処理速度:100mm/sec。
さらに、この表面をアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる市販の中性洗剤を3%となるように純水で希釈した界面活性剤水溶液に10秒間、浸漬させて界面活性剤処理を行った。その後、水洗、乾燥させたものを表層部材とした。これを両面粘着テープにより支持部材であるPETに固定して用いた。
また、ここで用いた反応液は、下記の組成の成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム社製)にて加圧濾過することにより調整した。
・グルタル酸 30部
・グリセリン 5部
・界面活性剤(アセチレノールE100) 1部
・イオン交換水 64部。
・グルタル酸 30部
・グリセリン 5部
・界面活性剤(アセチレノールE100) 1部
・イオン交換水 64部。
反応液が付与された中間転写体2を、図3に示す矢印方向に移動するリニアステージ10上に装着し、インクジェット吐出デバイス35を用いてインクを選択的に付与することにより中間画像を形成した(中間画像形成工程)。本例におけるインクは、以下の各手順により作成したものを用いた。
(ブラック顔料分散液の調製)
下記の材料を混合した。
・カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット社製) 10部
・顔料分散剤水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体<酸価150、質量平均分子量8,000>;固形分20%;水酸化カリウムにて中和済み) 15部
・純水 75部。
下記の材料を混合した。
・カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット社製) 10部
・顔料分散剤水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体<酸価150、質量平均分子量8,000>;固形分20%;水酸化カリウムにて中和済み) 15部
・純水 75部。
上記材料の混合物をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス社製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部、充填し、水冷しつつ、5時間、分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去し、顔料濃度が約10%のブラック顔料分散液を得た。
(シアン顔料分散液の調製)
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10部を、C.I.ピグメントブルー15:3、10部に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、シアン顔料分散液を調製した。
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10部を、C.I.ピグメントブルー15:3、10部に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、シアン顔料分散液を調製した。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10部を、C.I.ピグメントレッド122、10部に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ顔料分散液を調製した。
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10部を、C.I.ピグメントレッド122、10部に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ顔料分散液を調製した。
(イエロー顔料分散液の調製)
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10部を、C.I.ピグメントイエロー74、10部に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、イエロー顔料分散液を調製した。
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10部を、C.I.ピグメントイエロー74、10部に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、イエロー顔料分散液を調製した。
前記の各色顔料分散液を用いて、下記の組成からなるインクをブラック、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれについて調製した。具体的には、下記成分を各々混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過することにより調整した。
・各色顔料分散液(濃度約10%) 20部
・樹脂微粒子分散体:日本触媒社 ST−200
融点55℃(濃度約40%) 15部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 54部。
・各色顔料分散液(濃度約10%) 20部
・樹脂微粒子分散体:日本触媒社 ST−200
融点55℃(濃度約40%) 15部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 54部。
図4は、本例の転写工程を実施するための転写装置の断面模式図である。該中間画像が形成された中間転写体2はドラム101に装着し矢印Fの方向に回転すると共に、加熱手段106、107によって60℃に加熱した。更に、加圧ローラー109によって中間転写体2は記録媒体108に熱圧着され、該中間画像を記録媒体108に転写した(転写工程)。この時、加圧ローラー109は、図示していない加熱手段により60℃に加熱した。ここで、記録媒体108としては、印刷用上質紙(OKプリンス上質:王子製紙社)上に、下記の樹脂を含んだ溶液をバーコーターで塗布し、自然乾燥させることでその表面を樹脂で被覆したものを用いた。また、転写時には、記録媒体10の樹脂で被覆した面が中間転写体2の表面に接するように転写を行った。
・樹脂微粒子分散体:日本触媒社 ST−200
融点55℃(濃度約40%) 100部
このようにして得られた記録媒体108上の転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
・樹脂微粒子分散体:日本触媒社 ST−200
融点55℃(濃度約40%) 100部
このようにして得られた記録媒体108上の転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
(実施例2)
インク中の樹脂を変更して下記の組成にし、また、記録媒体108に塗布する樹脂を含む溶液を下記のように変更した以外はすべて実施例1と同様にして画像記録を行った。
インク中の樹脂を変更して下記の組成にし、また、記録媒体108に塗布する樹脂を含む溶液を下記のように変更した以外はすべて実施例1と同様にして画像記録を行った。
(インク組成)
・各色顔料分散液(濃度約10%) 20部
・樹脂微粒子分散体:BASF社 JONCRYL 352J
ガラス転移点56℃(濃度約45%) 16部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 53部。
・各色顔料分散液(濃度約10%) 20部
・樹脂微粒子分散体:BASF社 JONCRYL 352J
ガラス転移点56℃(濃度約45%) 16部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 53部。
(樹脂を含む溶液)
・樹脂微粒子分散体:BASF社 JONCRYL 352J
ガラス転移点56℃(濃度約45%) 90部
・イオン交換水 10部。
・樹脂微粒子分散体:BASF社 JONCRYL 352J
ガラス転移点56℃(濃度約45%) 90部
・イオン交換水 10部。
こうして得られた、転写画像は良好であり、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
(実施例3)
インク中の樹脂を変更して下記の組成にし、また、記録媒体108に塗布する樹脂を含む溶液を下記のように変更し、転写時の加熱温度を45℃にした。これ以外はすべて実施例1と同様にして画像記録を行った。
インク中の樹脂を変更して下記の組成にし、また、記録媒体108に塗布する樹脂を含む溶液を下記のように変更し、転写時の加熱温度を45℃にした。これ以外はすべて実施例1と同様にして画像記録を行った。
(インク組成)
・各色顔料分散液(濃度約10%) 20部
・樹脂微粒子分散体:BASF社 JONCRYL 8383
ガラス転移点26℃(濃度約40%) 15部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 54部。
・各色顔料分散液(濃度約10%) 20部
・樹脂微粒子分散体:BASF社 JONCRYL 8383
ガラス転移点26℃(濃度約40%) 15部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 54部。
(樹脂を含む溶液)
・樹脂微粒子分散体:BASF社 JONCRYL 8383
ガラス転移点26℃(濃度約40%) 100部
こうして得られた、転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
・樹脂微粒子分散体:BASF社 JONCRYL 8383
ガラス転移点26℃(濃度約40%) 100部
こうして得られた、転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
(実施例4)
インク中の樹脂を変更して下記の組成にし、記録媒体108に塗布する樹脂を含む溶液を下記のように変更した。また、記録媒体108の転写時の加熱温度を160℃にした以外はすべて実施例1と同様にして画像記録を行った。
インク中の樹脂を変更して下記の組成にし、記録媒体108に塗布する樹脂を含む溶液を下記のように変更した。また、記録媒体108の転写時の加熱温度を160℃にした以外はすべて実施例1と同様にして画像記録を行った。
(インク組成)
・各色顔料分散液(濃度約10%) 20部
・樹脂微粒子分散体:東邦化学工業社、P−9018
融点156℃(濃度約35%) 15部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 54部。
・各色顔料分散液(濃度約10%) 20部
・樹脂微粒子分散体:東邦化学工業社、P−9018
融点156℃(濃度約35%) 15部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 54部。
(樹脂を含む溶液)
・樹脂微粒子分散体:東邦化学工業社、P−9018
融点156℃(濃度約35%) 100部
こうして得られた、転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
・樹脂微粒子分散体:東邦化学工業社、P−9018
融点156℃(濃度約35%) 100部
こうして得られた、転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
(実施例5)
インクジェット吐出デバイスで形成する画像のパターンをシングルドットとDuty400%のベタ画像とした。ここで、シングルドットは、中間転写体2上でドットとドットの重なりがまったくない状態を表す。また、中間転写体2上の画像記録部全面を最小限のドットで覆いつくした状態をDuty100%のベタ画像とし、「Duty400%のベタ画像」はDuty100%のベタ画像の4倍量のインクで形成した画像を表す。描画後、中間転写体2上の画像を送風により乾燥し、該ベタ画像の液体分が完全に除去されたことを目視で確認した後、記録媒体108に画像を転写した。それ以外の条件は、すべて実施例2と同様に画像記録を行った。
インクジェット吐出デバイスで形成する画像のパターンをシングルドットとDuty400%のベタ画像とした。ここで、シングルドットは、中間転写体2上でドットとドットの重なりがまったくない状態を表す。また、中間転写体2上の画像記録部全面を最小限のドットで覆いつくした状態をDuty100%のベタ画像とし、「Duty400%のベタ画像」はDuty100%のベタ画像の4倍量のインクで形成した画像を表す。描画後、中間転写体2上の画像を送風により乾燥し、該ベタ画像の液体分が完全に除去されたことを目視で確認した後、記録媒体108に画像を転写した。それ以外の条件は、すべて実施例2と同様に画像記録を行った。
得られた、転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。シングルドット部分に対応した中間転写体2の表面を光学顕微鏡で観察したが、転写残りは見られなかった。
(実施例6)
図5は、本例の画像記録方法に使用する画像記録装置の断面模式図である。本実施例では、中間転写体2、反応液塗布装置13、反応液14、インク、および記録媒体18は実施例1と同じものを用いた。図5に示すように本例の画像記録装置では、中間転写体2は回転可能な中間転写ドラム11に装着されている。そして該中間転写ドラム11は軸12を中心として矢印方向Fの方向に回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各デバイスが作動するようになっている。本例では、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、回転のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するため等について要求される特性から、アルミニウム合金からなる円柱形のローラーを中間転写ドラム11として用いた。
図5は、本例の画像記録方法に使用する画像記録装置の断面模式図である。本実施例では、中間転写体2、反応液塗布装置13、反応液14、インク、および記録媒体18は実施例1と同じものを用いた。図5に示すように本例の画像記録装置では、中間転写体2は回転可能な中間転写ドラム11に装着されている。そして該中間転写ドラム11は軸12を中心として矢印方向Fの方向に回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各デバイスが作動するようになっている。本例では、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、回転のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するため等について要求される特性から、アルミニウム合金からなる円柱形のローラーを中間転写ドラム11として用いた。
また、中間転写体2の表面には、反応液塗布装置13から反応液14を付与できるようになっている。中間転写体2の表面に対向するようにインクジェットヘッド15が設けられている。インクジェットヘッド15には、電気熱変換素子を用いオンデマンド方式にてインク吐出を行うタイプのデバイスを、中間転写体ドラム11の軸12に略平行となるライン状に配列したラインヘッド形態のものを用いた。中間転写体2上の画像を構成するインク中の液体分を減少させる目的で、中間転写体2と対向するように送風装置16が配置されている。また、同時に、中間転写体2の裏面側から加熱を行う加熱ヒータ17も配置されている。中間転写体2上に形成された中間画像を記録媒体18に接触させ、中間画像を転写形成させるための熱加圧ローラ19(加熱手段は図示していない)が配置されている。
本例では、以下のようにして画像記録を行った。まず、中間転写体2の表面に、反応液塗布装置13により反応液14を付与した(反応液付与工程)。次に、インクジェット吐出デバイス15から中間転写体2上に画像記録用のインクを吐出した(中間画像形成工程)。これにより、中間転写体2上で反応液とインクが反応して、中間画像(ミラー反転している画像)が形成された。次に、送風装置16および加熱ヒータ17により、中間画像を加熱した。ここでは、加熱設定温度を80℃とした。この加熱により、中間画像中の液体分の乾燥を促進するとともに、インク中に含まれる樹脂を溶融することにより、後述する転写時の記録媒体18中の樹脂とのなじみを良くし、中間画像の転写率を向上させることができる。次に、中間転写体と熱加圧ローラ19で、中間画像と記録媒体18を挟み込むように熱加圧した(転写工程)。これにより、効率の良い中間画像の転写を実現することができた。ここでの熱加圧ローラー19の加熱設定温度は、中間転写ドラム11と同様に80℃とした。こうして得られた、転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
(実施例7)
図6は、本例の画像記録方法を実施するための画像記録装置の断面模式図である。本実施例では、中間転写体2、反応液塗布装置13、反応液14、インクは実施例1と同じものを用いた。図6に示すように本例の画像記録装置では、中間転写体2、インクジェット吐出デバイス15、送風装置16、加熱ヒータ17、および熱加圧ローラ19は、図5の画像記録装置と同様の構成となっている。ただし、図6の画像記録装置は、インクジェット吐出デバイス50および送付装置60により、記録媒体の中間画像が転写される面が樹脂で被覆されるようになっている点が図5の画像記録装置とは異なる。
図6は、本例の画像記録方法を実施するための画像記録装置の断面模式図である。本実施例では、中間転写体2、反応液塗布装置13、反応液14、インクは実施例1と同じものを用いた。図6に示すように本例の画像記録装置では、中間転写体2、インクジェット吐出デバイス15、送風装置16、加熱ヒータ17、および熱加圧ローラ19は、図5の画像記録装置と同様の構成となっている。ただし、図6の画像記録装置は、インクジェット吐出デバイス50および送付装置60により、記録媒体の中間画像が転写される面が樹脂で被覆されるようになっている点が図5の画像記録装置とは異なる。
本例では、以下のようにして画像記録を行った。実施例6と同様にして、中間転写体2上へ、反応液塗布装置13による反応液14の塗布を行った(反応液付与工程)。次に、インクジェット吐出デバイス15によるインクの塗布を行い、中間画像を形成した(中間画像形成工程)。次に、送風装置16および加熱ヒータ17により中間画像を加熱した。次に、記録媒体18を矢印Gの方向に搬送し、インクジェット吐出デバイス50により、記録媒体18の表面に樹脂含有溶液を塗布した。この後、塗布された樹脂含有溶液中の液体分を、送風装置60により乾燥した。その後、中間転写体2と、図示していない加熱手段により80℃に加熱された加圧ローラ19とで、中間転写体2上の中間画像と記録媒体18を挟み込むように熱加圧した。これにより、効率の良い画像転写を実現することができた。
なお、この時に用いた樹脂含有溶液は、下記の組成からなる成分を各々混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過することにより調整した。
・樹脂微粒子分散体:日本触媒(株)ST−200
融点55℃(濃度約40%) 15部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 74部。
・樹脂微粒子分散体:日本触媒(株)ST−200
融点55℃(濃度約40%) 15部
・グリセリン 10部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 1部
・イオン交換水 74部。
こうして得られた、転写画像は良好で、中間転写体2の表面にはインク残りは視認できなかった。
(比較例1)
転写時に、記録媒体を加熱しない以外はすべて実施例1と同様に画像記録を行った。こうして得られた、転写画像には画像の抜けがあり、また、中間転写体の表面にはインク残りを視認することができた。
転写時に、記録媒体を加熱しない以外はすべて実施例1と同様に画像記録を行った。こうして得られた、転写画像には画像の抜けがあり、また、中間転写体の表面にはインク残りを視認することができた。
(比較例2)
表面に樹脂を被覆していない記録媒体を使用した以外は実施例5と同様に画像記録を行った。得られた、転写画像は良好であったが、シングルドットを形成させた部分に相当する中間転写体2の表面にはわずかにインクの色味が残っているように感じられた。そこで、シングルドット部分に対応した中間転写体2表面を光学顕微鏡で観察すると、ドットがわずかに欠けた状態(丸い形状の一部が欠けている状態)で、中間転写体2上に残っているのがわかった。
表面に樹脂を被覆していない記録媒体を使用した以外は実施例5と同様に画像記録を行った。得られた、転写画像は良好であったが、シングルドットを形成させた部分に相当する中間転写体2の表面にはわずかにインクの色味が残っているように感じられた。そこで、シングルドット部分に対応した中間転写体2表面を光学顕微鏡で観察すると、ドットがわずかに欠けた状態(丸い形状の一部が欠けている状態)で、中間転写体2上に残っているのがわかった。
上述したような構成において、実施例1〜7では良好な結果が得られた。しかし、比較例1、2では、中間転写体上にインク残りが発生したり、インクが裏移りしたりすることで良好な転写が行われなかった。
1、11、101 中間転写ドラム
2 中間転写体
3、13 反応液塗布装置
4、14 反応液
5、15、35 インクジェット吐出デバイス
16、60、106 送風装置
17、107 ヒーター
8、18、108 記録媒体
9、19、109 加圧ローラー
10 リニアステージ
12 軸
50 樹脂溶液用インクジェット吐出デバイス
2 中間転写体
3、13 反応液塗布装置
4、14 反応液
5、15、35 インクジェット吐出デバイス
16、60、106 送風装置
17、107 ヒーター
8、18、108 記録媒体
9、19、109 加圧ローラー
10 リニアステージ
12 軸
50 樹脂溶液用インクジェット吐出デバイス
Claims (6)
- インクを中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程とを有する画像記録方法であって、
前記記録媒体の、前記中間画像が転写される面が樹脂で被覆されており、
前記転写工程において、前記樹脂のガラス転移点又は融点以上に記録媒体を加熱することを特徴とする画像記録方法。 - インクを中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程とを有する画像記録方法であって、
前記転写工程に先立って、前記記録媒体に樹脂を被覆する工程を有し、
前記転写工程において、前記樹脂のガラス転移点又は融点以上に記録媒体を加熱することを特徴とする画像記録方法。 - 前記中間画像形成工程の後に、前記記録媒体の表面を乾燥する工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録方法。
- 前記転写工程の前に、反応液を中間転写体に付与する反応液付与工程を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 前記反応液および前記インクのうち少なくとも一方は、ガラス転移点または融点を持つ樹脂を含むことを特徴とする請求項4に記載の画像記録方法。
- 前記記録媒体を被覆する樹脂のガラス転移点または融点は、25℃以上160℃以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013118727A JP2014233957A (ja) | 2013-06-05 | 2013-06-05 | 画像記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016203631A (ja) * | 2015-04-20 | 2016-12-08 | キヤノン株式会社 | 画像記録方法および画像記録装置 |
JP2019155922A (ja) * | 2014-05-01 | 2019-09-19 | キヤノン株式会社 | 画像記録方法および画像記録装置 |
JP2020131590A (ja) * | 2019-02-21 | 2020-08-31 | 株式会社リコー | 画像形成方法、及び画像形成装置 |
US11555130B2 (en) | 2019-12-18 | 2023-01-17 | Ricoh Company, Ltd. | Ink, pre-processing fluid-ink set, inkjet printing device, and inkjet printing method |
-
2013
- 2013-06-05 JP JP2013118727A patent/JP2014233957A/ja active Pending
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US11555130B2 (en) | 2019-12-18 | 2023-01-17 | Ricoh Company, Ltd. | Ink, pre-processing fluid-ink set, inkjet printing device, and inkjet printing method |
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