JP2004090595A - 画像形成方法及び画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写体上への効率のよい印字が得られ、カラー画像を形成した場合にも中間転写体上のインク像にビーディングやブリーディング等の現象を生じず、該インク像を転写した後の記録媒体でも、高画質なカラー画像を形成することができる、画像形成方法、及び画像記録装置の提供。
【解決手段】(i)撥インク性の表面を有する中間転写体の該表面にインクジェット記録装置を用いてインクを付与して画像を形成する工程と、(ii)前記工程(i)で形成された画像を記録媒体に転写する工程と、を有する画像形成方法において、前記工程(i)に先立って、該表面層に該インクの高粘度化成分を付与する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写体を用いた画像形成方法、及びその方法を実施するための画像記録装置に関し、更に詳しくは、撥インク性の表面層を有する中間転写体上に画像像を形成した後、その画像像を記録媒体に転写し、記録媒体上に画像を得る画像形成方法、及びそれを実施するための画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より知られているインクジェット記録方法は、画像信号に応じて、インクを、紙、布及びプラスチックシート等の被プリント材(記録媒体)上に直接吐出して、文字や画像等をプリントする低騒音のプリント方式である。この方式は、複雑な装置を必要としないため、ランニングコストが低く、装置の小型化やカラー化が容易であること、カードサイズのものから大版のポスター等に至る迄、記録媒体サイズに対して自由度があること、等の種々の利点を有している。又、画像品位においても、近年では、銀塩カラー写真と同等の高画質画像の出力が可能になっている。インクジェット方式の記録装置は、以上のような利点を有していることから、パーソナルコンピュータに接続される出力装置としてのプリンタに限らず、ファクシミリや複写機等のOA機器の出力装置として、更には、工業生産分野でも、各種のカード印刷、パッケージ印刷、或いは大判のポスター作成等、広範な使用がなされている。
【0003】
ところで、最近の動向として、各種の分野において、記録媒体の種類によらず、インクジェット記録方法で高品位画像を出力したいという要望がある。このような要望を実現するためには、特に、これらの場合に記録媒体上で画像劣化を生じる要因、例えば、以下に述べる「フェザーリング」、「ビーディング」や「ブリーディング」といった現象を防止する必要がある。これらの現象は、インクジェット記録の高速化に伴い、更に顕著となってきている。
【0004】
上記のような画像劣化を生じる現象は、記録媒体の性状と、これに印字するインクの物性と密接な関係がある。例えば、媒体が普通紙(PPC)等のセルロース繊維で形成されたものならば、インク或いは媒体に何らかの化学的処理を施さない限り、繊維に沿ったインク滲み「フェザーリング」を生じる。又、PET(ポリエチレンテレフタレート)や、ポリエチレン等のプラスチックシート等からなる、溶剤を浸透させない非吸収性の記録媒体や、インクの浸透性の少ない印刷光沢紙等であれば、記録媒体上でインクがはじきと同時にインクドットが集合し、「ビーディング」ムラになったり、重なりあった色の境界部分で互いの色が滲みでる「ブリーディング」現象が生じたりし、良好な画像を形成することが困難である。
【0005】
上記した問題点を解決するための方法として、インク組成中のインク溶剤の種類の変更や相変化を生じさせる等の方法で、各種記録媒体に適応させることが知られている。ここで、記録用インクの主溶剤は、油性系、有機溶剤系、水系に分類されるが、一般に、溶剤の臭気、環境や人体への影響から、油性系や有機溶剤系のインクを用いた場合には、装置に、排気や回収等の設備を設けなければならず、装置が大型化するという問題があり、この点からも有用であるとは言えない。
【0006】
又、熱溶融型(ホットメルト)インクジェットと呼ばれている液−固体相変化を利用した記録方法がある。この方法を用いる場合は、加熱により低粘度化されたインクを直接記録媒体上に吐出するか、一旦、加熱された中間転写体上にインクを吐出してインク像を形成後、記録媒体に転写して画像を形成する。何れの場合も、記録媒体上で自然冷却して固化して画像形成を行っている。このような熱溶融型の方法によれば、どのような記録媒体にも記録することが実現される。しかしながら、インクの相変化特性を発現させる必要があるために、着色剤よりも樹脂量が極めて多くなって、所望の濃度を得るための記録媒体上でのインク量が多くなり、結果として、インク厚さが厚くなって画像品位が落ちてしまうという問題がある。又、固形のインクを一旦溶融する必要があるため、装置が稼動している間はインク供給路やヘッド等を加熱し続けなければならず、膨大なエネルギーが消費され、省エネルギーの点からも有用ではない。
【0007】
その他に知られている、前記した問題の解決を試みた記録装置としては、一旦中間転写体上にインクジェット記録方式によりインク像を形成し、該中間転写体上のインク像をインクの乾燥とともに増粘し、或いはインク像の溶剤を除去してインクを濃縮後、インク像を中間転写体から記録媒体上に転写する転写方式と呼ばれる方法が多く提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照)。これらの方法は、従来のインクジェットのように、直接記録媒体に印字を行ない、インク中の水分を記録媒体に浸透させることにより画像を形成する方法ではないため、特に、フェザーリングに対して有効な手段となる。
【0008】
しかしながら、このような装置において、更に高画質高品位な画像を得るためには、下記の条件を満たさなければならない。
[1]中間転写体上のインク像が、ビーディングやブリーディングのない画像として形成されること。
[2]中間転写体上に形成されたインク像が、画像劣化がない状態で記録媒体に転写されること。
【0009】
上記[1]については、使用される中間転写体が浸透性の記録媒体ではないために、中間転写体上に吐出された隣接インク滴が中間転写体上でくっつき合って不当に広がったり流れたりして、ドットの位置や形が大きく変化し、ビーディングを生じ、画像が乱れてしまうという問題がある。中間転写体上で、このようなビーディング現象が発生すると、その後に行なわれる記録媒体上での良好な画像形成が困難となる。
[2]については、中間転写体上に形成されたインク像が記録媒体に転写される際に、インク像の一部が中間転写体から局部的に転写しなかったりして、良好な画像形成が行えなくなってしまう。
【0010】
これに対して、例えば、特許文献4に記載されている方法では、インクジェット記録式ヘッドから中間転写体上にインク滴を噴射し、この中間転写体に、インク中の溶媒を吸収させてインクを濃縮し、画像支持体へ転写する。この方法も良好な画像形成を可能とするための有用な手段の一つである。しかし、この方法では、中間転写体のインク吸収孔に目詰まりを生じてしまい、記録媒体への転写の効率が低下するという特有の問題がある。又、これに伴い、中間転写体上に残されたインクのクリーニングが大掛かりとなる。更には、溶媒を吸収した中間転写体からエアーサクションにより吸液したり、吸収した水分を加熱により放出したりして、転写体を初期状態に戻すために、多くのエネルギーを消費するという問題もある。
【0011】
特許文献5では、転写体上に予めインクに対し溶解性又は膨潤性を有する粉体を形成し、インクジェット記録式ヘッドからこの転写体上にインク滴を噴射して画像を形成した後、前記画像を記録媒体に転写する方法及び装置を提案している。この方法では、粉体に吸水性を持たせるため、粉体に取り込んだ水分を除去する際に高いエネルギーを要するし、水分を含んだまま記録媒体に転写すると、画像を拡げることになり、画像のシャープネスが落ちると同時に、光学濃度も低下し、画像劣化を生じる。又、非画像部では、未着色の吸水性樹脂粉体が残るので、転写時に記録媒体に汚れを生じ、画像品位を更に劣化させる要因となる。以上の工程を用いた画像形成方法は、画像を中間転写体に固定する方法としては有用であるが、転写後に再度、粉体を安定に転写体に供給させるようにするためには、転写体上の非画像部の吸水性樹脂粉体をクリーニングした後に再塗工する工程が必要となり、転写体のクリーニングや粉体塗工装置が、かなり大掛かりなものとなる。
【0012】
特許文献6には、中間転写体上に油性インクに対して撥インク性のグリセリンの薄膜を形成し、その上に油性インクによるインク像を形成する方法が開示されている。このように、油性インクならば、中間転写体上に良好なインク像を形成することが可能である。しかしながら、環境や人体への影響を考慮した、水を主溶媒とする水性インク組成物を用いて上記の方法を実施した場合には、グリセリンと水性インクとのなじみがよいため、ビーディング、ブリーディングが生じ、画像が乱れる。
【0013】
特許文献7、特許文献8には、撥インク性の中間転写体上に予め界面活性剤を塗布して、水性インクに対する濡れ性を上げることが記載されている。そして、この中間転写体上に水性インクで画像を形成し、ほどよい粘度となったところで記録紙に転写することで、記録媒体上でのインク滲みの発生等を解決している。
【0014】
上記に挙げた、従来からの中間転写記録における課題解決の手法は、単色、例えば、同一濃度のブラックインクのみを使用し、中間転写体上、或いは記録媒体上に画像を形成する場合に有用であるが、記録媒体上での所定の画像アドレスポイントに、濃度の異なるインクや色の異なるインクを、複数の異なったノズルからインクを吐出させてカラーの高画質画像を形成する場合に対しては、決定的な解決策とはならない。
【0015】
インクジェット記録においては、光学濃度が高い部分や2次色等では、濃度が薄い部分や単色部に比べてインク量が多くなる。本発明者らの検討によれば、例えば、界面活性剤や溶剤のみで、中間転写体の表面を処理するだけでは、中間転写体上の画像アドレスポイントの位置によって多重に打ち込まれるインク量に対応して、ビーディングやブリーディングと呼ばれる現象を止めることは不可能であった。
【0016】
【特許文献1】
米国特許第4538156号明細書
【特許文献2】
米国特許第5099256号明細書
【特許文献3】
特開昭62−92849号公報
【特許文献4】
特開平5−200999号公報
【特許文献5】
特開平11−188858号公報
【特許文献6】
特開平1−146750号公報
【特許文献7】
特開平7−89067号公報
【特許文献8】
特開平7−256873号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、水性インク組成物を用いた場合において、中間転写体上への効率のよい印字が得られるだけでなく、中間転写体上に、濃度の異なるインクや複数のカラーインクで書き込んでカラー画像を形成した場合においても、中間転写体上のインク像にビーディングやブリーディング等の現象を生じることがなく、しかも該インク像を転写した後の記録媒体上においても、高画質なカラー画像を形成することができる、画像形成方法、及び画像記録装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、(i)撥インク性の表面を有する中間転写体の該表面にインクジェット記録装置を用いてインクを付与して画像を形成する工程と、(ii)前記工程(i)で形成された画像を記録媒体に転写する工程と、を有する画像形成方法において、前記工程(i)に先立って、該表面層に該インクの高粘度化成分を付与する工程を有することを特徴とする画像形成方法である。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態は、上記構成において、前記撥インク性の表面が、フッ素化合物若しくはシリコーン化合物を含む材料で形成されている画像形成方法、又は、上記構成において、前記工程(i)により中間転写体表面に形成された画像を加熱する工程を更に有する画像形成方法、又は、上記構成において、前記工程(ii)により画像が転写された中間転写体を加熱する工程を更に有する画像形成方法、又、上記構成において、前記工程(ii)の後に、中間転写体の表面層をクリーニングする工程を更に有する画像形成方法、又、上記構成において、前記インクが、着色剤として顔料を含む画像形成方法、又、上記構成において、前記高粘度化成分が、金属イオンを含んでいる画像形成方法、又、上記構成において、前記高粘度化成分が、更に、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤からなる群から選択された少なくとも1の界面活性剤を含む画像形成方法が挙げられる。
【0020】
又、本発明の別の実施形態は、撥インク性の表面を有する中間転写体と、インクとの接触により該インクを高粘度化させる高粘度化成分を中間転写体表面の少なくともインクが付与されるべき領域に付与する手段と、画像信号に応じて吐出制御可能な複数のノズルを有する記録ヘッドで、少なくとも着色剤を含むインク滴を中間転写体上に付与して画像を形成する手段と、該中間転写体上に形成された画像を記録媒体に接触させて圧力を印加し、インク像を記録媒体に転写する手段と、を有することを特徴とする画像記録装置である。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態は、上記構成において、更に、前記中間転写体上のインク像を加熱する手段を有する画像記録装置、又、更に、インク像が転写された記録媒体を加熱する手段を有する画像記録装置、又、更に、中間転写体上をクリーニングする手段を有する画像記録装置が挙げられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるインクジェットプリンタの画像形成部の構成を説明するための、概略斜視図であり、図2は、その断面図を示す。
【0023】
図1及び2に示した装置では、撥インク性の表面層を有する中間転写体である転写ドラム1の周囲に、高粘度化成分塗布部2、画像書き込み部3、インク像処理部4、転写部5、記録媒体分離部6、クリーニング部7が配置されている。更に、記録媒体8を搬送するための給紙搬送部9、インク像が、中間転写体1から記録媒体8に転写された後に、記録媒体8上の画像を定着させるための定着機構を有すると同時に、排紙トレイに排紙させる排紙搬送定着部10を有している。
【0024】
図1及び2に示したように、該装置で使用する撥インク性の表面層を有する中間転写体である転写ドラム1は、アルミニウム製の支持体11の周囲に、表面層12a及び12bとして、シリコーンゴムからなる2層が積層されている。支持体11の材料は、特にアルミニウムに限定されるわけではなく、例えば、ニッケル、燐酸鉄等の金属や、アセタールのような強度に優れる熱硬化性樹脂や、或いはセラミック等によって成型されたものを用いることができる。又、図1及び2に示した装置では、撥インク性の表面層をシリコーンゴムからなる2層としているがこれに限定されず、その弾性特性により、適宜に、その層構成を変えてもよい。
【0025】
撥インク性の表面層を有する中間転写体1の最表面となる表面層12aは、その表面が、インク像を剥離し易い性質を持つものである。
ここで、撥インク性とはインクの表面張力に対する中間転写体表面の臨界表面張力のバランスである。通常水性インクの表面張力が30〜50mN/mであるため、本発明で表記する撥インク性表面とは、臨界表面張力が30mN/m以下、若しくは水に対する接触角が70°以上の表面を表す。具体的材料として、シリコーンゴムは表面エネルギーが低く、剥離性が高い性質を有していることから、表面層12aを形成する最適材料の一つである。表面層12aを形成する材料の他の例としては、例えば、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴムが好ましい。表面層12aの下層である表面層12bは、支持体11の表面を構成するゴム層の弾性特性を最適化するものであり、上記に挙げた材料等を適宜に使用して形成することができる。
【0026】
上記のような材料からなる転写ドラム1は、不図示のドラム駆動装置により、矢印Aの方向に回転するように構成されている。該転写ドラム1内部には、装置の温度安定性を確保するための加熱ヒータが内蔵されている。加熱手段には、ハロゲンランプ等の、通常使用される手段を適宜に使用できる。その設定温度は、転写ドラム1の表面温度を基準として、20〜100℃とすることが好ましく、より好ましくは25〜80℃である。
【0027】
高粘度化成分塗布部2では、塗布液容器13内の高粘度化成分14を転写ドラム1へと供給する。高粘度化成分14は、2つの塗布ローラ15a及び15bにて転写ドラム1の表面に塗布される。高粘度化成分14の転写ドラム1への塗布厚は、高粘度化成分14の濃度によっても異なるが、0.1〜10μmの範囲で設定することが好ましい。塗布した高粘度化成分の厚さが薄過ぎると、塗布ムラによる不均一な反応が生じ、厚過ぎると凝集したインクが高粘度化成分表面を動くため、ビーディングを生じてしまう。塗布ローラ15a及び15bは、高粘度化成分14との濡れ性がよい材料が好ましいが、多孔質材料や表面凹凸材料、例えば、グラビアロール状のもの等、従来既知の技術を使用可能である。更に、高粘度化成分の塗布手段としては、ローラ形状に限定されず、ブレードによる塗布量をコントロールする方法や、スプレーや記録ヘッドを用いて塗布を行なう方法等を適宜に用いることができる。高粘度化成分塗布部2は、又、不図示の離接制御装置により転写ドラム1に離接制御が可能に構成されている。
【0028】
ここで、本発明で使用する高粘度化成分14について詳細に説明する。かかる高粘度化成分は、少なくとも金属塩を含んで構成され、インクとの接触によって該インクを高粘度化させる液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクと接触することによって、インクを構成している組成物の一部である色材や樹脂等が、化学的に反応、或いは物理的に吸着し、インク全体の粘度上昇が認められる場合は勿論、インクを構成する組成物の固形分の凝集により局所的に粘度上昇を生じる場合を含む意である。
【0029】
本発明で使用する高粘度化成分14を構成する金属塩の最も好適なものとしては、多価金属塩が挙げられる。多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+等の三価金属イオンが挙げられる。又、これらと結合する陰イオンとしては、Cl、NO 、SO 2−、I、Br、ClO 、RCOO(Rは、アルキル基)等が挙げられる。インクと接触した場合に、インクと瞬時に反応等してインク凝集像を形成するようにするためには、高粘度化成分中の多価金属イオンの総電荷濃度は、インク中の逆極性イオンの総電荷濃度の2倍以上であることが望ましい。
【0030】
本発明で使用する高粘度化成分14には、上記多価金属塩等の金属塩と共に、下記に挙げるような水溶性有機溶剤を含有させることができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等が挙げられる。上記に挙げたような水溶性有機溶剤の、高粘度化成分14中の含有量については特に制限はないが、高粘度化成分全質量の5〜60質量%、更に好ましくは、5〜40質量%が好適な範囲である。
【0031】
本発明で使用する高粘度化成分には、更に、凝集補助材として、例えば、水溶性樹脂、水溶性架橋剤、酸性溶液等を含有してもよい。これらの凝集補助材は、分子量が比較的大きいことから、多価金属塩との併用によって形成されたインク凝集像の内部凝集力を高めることができ、この結果、インク凝集像の記録媒体8への転写効率を高めることができる。
【0032】
更に、転写ドラム1への高粘度化成分の均一な塗布を行うことを目的として、塗布助剤として界面活性剤を該高粘度化成分に含有させてもよい。界面活性剤としては、例えば、サーフロンS−141(商品名、セイミケミカル(株)製)、シルウェットL−77(商品名、日本ユニカー(株)製)等を用いることができる。本発明に用いる界面活性剤はこれらに限定されるものではなく、多価金属塩と反応しないものであれば各種の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤の具体例としては、水溶性のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤やフッ素系界面活性剤、及びシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
【0033】
アニオン系界面活性剤の好ましい具体例としては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、の各種の塩(Na、K、Li、Ca)、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等が挙げられる。
【0034】
カチオン系界面活性剤の好ましい具体例としては、脂肪族アミン塩、第四アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォニウム塩等が挙げられる。
【0035】
ノニオン系界面活性剤の好ましい具体例としては、フッ素系、シリコーン系、アクリル酸共重合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレンオキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキサイド、等が挙げられる。
【0036】
両性界面活性剤の好ましい具体例としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン、等が挙げられる。
【0037】
これらの界面活性剤の添加量は、高粘度化成分に対して、0.05〜10質量%程度とすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%程度である。
【0038】
本発明で使用する高粘度化成分14には、この他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜に配合してもよい。又、本発明で使用する高粘度化成分14は、無色であることがより好ましいが、記録媒体上でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。更に、上記したような形成材料からなる高粘度化成分14は、25℃付近での粘度が1〜30cps.(mPa・s)の範囲となるように、物性を調整されたものであることが好ましい。
【0039】
次に、上記のような高粘度化成分が塗布された中間転写体上に、少なくとも着色剤を含むインク滴を、画像信号に応じて吐出制御可能な複数のノズルを有する記録ヘッドで付与してインク像を形成する画像書き込み部について説明する。
【0040】
図1及び2に示した装置では、画像書き込み部3は、4種の記録ヘッド16より構成されている。該装置は、記録ヘッド16に、発熱素子を用いる形式のライン型インクジェット記録ヘッドを用いた例である。記録ヘッド16a、16b、16c及び16dは、転写ドラム1の円周方向に一定間隔を置いて配置されている。図1及び2に示した装置では、ライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、勿論、従来のシリアル型の記録ヘッドを用いて、順次転写体に画像形成を行ってもよい。更に、インクジェット記録手段は、上記に限らず、圧電素子駆動型等、インクを吐出可能であれば、何れの方式のものも使用できる。
【0041】
上記した4種の記録ヘッド16は、それぞれが異なるカラー画像を形成できるように構成されている。図1及び2に示した装置では、記録ヘッド16aがイエロー(Y)、16bがマゼンタ(M)、16cがシアン(C)、16dがブラック(Bk)の、各色の画像形成に対応している。これらからなる記録ヘッド16は、不図示のインクタンクから、それぞれの色のインクの供給を受ける。各記録ヘッドの発熱素子は、各色に対応した外部画像信号に応じて発熱し、これによって各記録ヘッド16の複数ノズルからインク滴が吐出する。尚、本発明で使用する画像書き込み部における、インクジェット記録ヘッドの数、色順序は、上記に限定されるものではない。
【0042】
画像書き込み部3で使用するインクとしては、従来のインクジェット用インクを何れも使用することができるが、好ましくは、着色剤として少なくとも顔料を含有する、顔料インクを用いることが好ましい。以下、本発明において好適に使用できる顔料インクについて説明する。
【0043】
顔料インク中の顔料は、顔料インクの全質量に対して、質量比で1〜20質量%、好ましくは2〜12質量%の範囲で用いる。本発明で使用される顔料としては、具体的には下記に挙げるものが使用できる。
【0044】
黒色の顔料としてはカーボンブラックが挙げられる。例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ(nm)、BET法による比表面積が50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上、キャボット製)、Color Black FWl、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
【0045】
又、イエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.PigmentYellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow83等が挙げられる。又、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられる。又、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。勿論、本発明は、これらに限られるものではない。又、上記に挙げたものの他、自己分散型顔料等、新たに製造された顔料も、勿論、使用することが可能である。
【0046】
水系の顔料インクを製造する場合に使用する、水系媒体中に上記に挙げたような顔料を分散させるための分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用できるが、例えば、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものを使用する。このような分散剤としては、具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも二つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、顔料インクの全質量に対して0.1〜5質量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0047】
特に、前記したような顔料が含有されている顔料インクの場合には、顔料インクの全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。このようなものとすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れた顔料インクとすることができる。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。前記に挙げたような顔料等の着色剤、及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解されて、本発明で使用する顔料インクを構成する。
【0048】
本発明で使用される顔料インクを構成する好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0049】
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の、多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0050】
上記したような水溶性有機溶剤の顔料インク中の含有量は、一般的には、顔料インクの全質量の3〜50質量%の範囲、より好ましくは3〜40質量%の範囲で使用する。又、使用される水の含有量としては、顔料インクの全質量の10〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲とする。
【0051】
又、本発明において使用する顔料インクとしては、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つ顔料インクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。特に、浸透促進剤として機能する界面活性剤は、記録媒体に高粘度化成分と顔料インクの液体成分を速やかに浸透させる役割を担うための適量を添加する必要がある。添加量の例としては、0.05〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%が好適である。アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものを何れも好ましく使用することができる。
【0052】
上記したような材料からなる顔料インクの作製方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂と水とが少なくとも含有された水性媒体に、顔料を添加し、混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液に、サイズ剤、及び、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使用する顔料インクとする。
【0053】
尚、分散剤として前記したようなアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要である。この際の塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の、無機塩基が好ましく使用できる。
又、顔料インクの作製方法においては、顔料を含む水性媒体を攪拌し、分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。即ち、このようなプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるため、好ましい。
【0054】
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用される。このようなものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(何れも商品名)等が挙げられる。
【0055】
又、顔料インクを用いるインクジェット記録方法では、耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料を用いるが、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級すること、及びこれらの手法の組合せ等の手法が挙げられる。
【0056】
画像書き込み工程においては、上記したような顔料インク等を用い、前記した高粘度化成分が塗布された中間転写体(転写ドラム)上に、画像信号に応じて吐出制御可能な複数のノズルを有する記録ヘッドでインク滴を付与して、インク像を形成する。本発明においては、かかる工程で形成されるインク像は、転写ドラム1上に塗布された高粘度化成分14と、付与された顔料インクとの反応によってインクが凝集等するため、画像書き込み工程において転写ドラム1上に形成される画像は、インク凝集像となる。そして、これによって、先に述べたような、中間転写体上への効率のよい印字が得られるだけでなく、中間転写体上に、濃度の異なるインクや複数のカラーインクで書き込んでカラー画像を形成した場合においても、中間転写体上のインク像にビーディングやブリーディング等の現象を生じることがなく、しかも、このインク像を記録媒体上に転写した後においても、高画質なカラー画像を形成することができるという、従来にない効果が得られる。
【0057】
これに対して、従来例の如く、インク中、或いは転写ドラムへの塗布液中に樹脂や糖のみを添加し、溶剤の蒸発とともに粘度を上昇させ、それに伴ってインク像を固定する方法や、高分子の重縮合等の架橋反応のみでインク像を固定する方法では、迅速にインクを凝集することが不可能なため、完全にビーディングやブリーディングの発生を止めることができない。本発明では、高粘度化成分として機能する、例えば、金属塩、つまり金属イオンが、迅速に顔料インクと反応し凝集することによって、転写ドラム1上に、ビーディングやブリーディングがない良好なインク凝集画像を形成することができる。本発明の方法によれば、高速印字や、カラー画像を形成する場合におけるインクの多重打ちで、上記した効果は更に顕著となる。尚、上記では、着色剤として顔料を用いる顔料インクを例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、染料インクであっても、顔料に加えて、色相を変えるために従来既知の染料を添加したインクであっても、何れのものも用いることができる。又、高粘度化成分に金属塩を有していればインク且つ/又は高粘度化成分中にインク凝集像の内部凝集力を高めるために水溶性樹脂や架橋剤などを添加したものであってもよい。
【0058】
図1及び2に示した装置の画像書き込み部3は、上記で説明した画像書き込み工程を実現するものである。図1及び2に示した装置では、次に、インク像処理部4が設けられている。このインク像処理部4は、画像書き込み部3で形成されたインク像17を、次工程で記録媒体8へと転写する場合に、より最適な条件で行なえるようにするためのものである。即ち、インク像処理部4には、インク中の液媒体、主にインク中の水分を蒸発或いは分離せしめ、除去するために、不図示のヒータにより加熱された温風を送るエアーナイフ18と、溶剤受け皿19とが設けられている。即ち、インク像処理部4は、記録媒体8へのインク凝集像の浸透性の相違を勘案し、エアーの量、或いは熱量によって、インク凝集像の記録媒体8への転写特性を制御する目的で設けられている。
尚、本発明では、エアーナイフ18を用いているが、赤外線ヒータ等、温度がコントロール可能で、インク像の特性をコントロール可能であるならば、従来既知の技術を使用してもよい。
【0059】
図1及び2に示した装置の転写部5では、給紙搬送部9の搬送ローラ20a及び20bと、搬送ガイド21a及び21bとによって導かれた記録媒体8に、転写ドラム1上のインク像17を圧力転写する。転写ドラム1と記録媒体8を介して配置される転写ローラ22は、ゴムローラや金属ローラ等で形成すればよい。この転写部5では、図示しない押圧制御装置によって、転写ドラム1に押圧解除の制御が可能である。図中に、搬送ローラ20a及び20bと、転写ローラ22の回転方向を矢印にて示した。転写ローラ22は、押圧状態では、記録媒体8を介して転写ドラム1に従動して回転するか、独立の転写ローラ駆動手段によって回転制御可能となっている。図1及び2に示した装置では、従動回転とした。かかる装置においては、転写時において転写ローラ22は、記録媒体8を介して転写ドラム1を線荷重0.6kg/cmで押圧するように構成されている。
【0060】
記録媒体分離部6では、記録媒体8の搬送タイミングに応じて分離爪23が稼動する。該分離爪23は、記録媒体8を転写ドラム1から分離し、搬送ガイド24a及び24bで、記録媒体8を排紙搬送定着部10へと導く。
【0061】
排紙搬送定着部10では、インク像が転写された記録媒体8を、赤外線ヒータを有する搬送定着ローラ25a及び25bにて熱定着し、不図示の排紙トレイに送り、記録を終了する。搬送定着ローラ25a及び25bには、従来既知の定着ローラを使用することができ、温度は、30〜200℃程度とすることが好ましい。又、ローラ材質は、金属ローラ、シリコーンゴム等で形成されている。剥離性を向上させるために、表面にシリコーンオイル等を塗布してもかまわない。
【0062】
クリーニング部7は、クリーニング液26と、クリーニング液26を保持するクリーニング液保持部材27と、更に、クリーニング液26を塗布されて、転写ドラム1上のごみ等を取り除くため、クリーニング液供給ローラ28a、及びクリーニングローラ28bより構成されている。クリーニング液26は、特に転写ドラム1表面をクリーニング可能であれば、装置の構成や、クリーニング液26を限定するものではないが、例えば、上記高粘度化成分14で使用した界面活性剤、水溶性有機溶剤等を含む水溶液を、クリーニング液26とすることが好ましい。
【0063】
次に、上記したような構成を有する本発明の画像記録装置の、一連の動作について、図2を参照しながら詳細に説明する。装置の電源を投入すると、転写ドラム1が駆動回転をはじめ、転写ドラム1の内部の、エアーナイフ18の、搬送定着ローラ25a及び25bの、それぞれのヒータがONになり、各部における設定温度にそれぞれ昇温する。外部からの記録信号を受け取ると、高粘度化成分塗布部2の、塗布ローラ15bが転写ドラム1に当接し、転写ドラム1上に高粘度化成分14を均一に塗布する。転写ドラム1が1回転し、転写ドラム1上に高粘度化成分14が塗布された後、塗布ローラ15bは、転写ドラム1から離接する。
【0064】
次に、外部画像信号が各記録ヘッド16に送られ、転写ドラム1上の回転とともに、順次記録ヘッド16a、16b、16c、及び16dから各色のインクが吐出し転写ドラム1に付与されて、該インクが、転写ドラム1上に塗布されている高粘度化成分と反応等することで、転写ドラム1上にカラーの凝集したインク像17を形成する。このインク凝集像17は、インク像処理部4で溶剤を蒸発乾燥され、転写に、より最適なインク条件のものとなる。
【0065】
一方、転写部5には、上記のようにして転写ドラム1上に形成されたインク画像の先端位置と、被転写媒体である記録媒体8が転写位置で重なるように、搬送ローラ20a及び20bで記録媒体8が搬送される。転写部5では、記録媒体8先端が来ると転写ローラ22が駆動し、記録媒体8を介して転写ドラム1に押し当てられ、ここで、所定の転写圧を発生し、転写ドラム1上のインク画像を記録媒体8に転写する。
記録媒体8の先端が転写部5から排出されたことを検知すると同時に、分離爪23が転写ドラム1と記録媒体8の間に挿入され、記録媒体8を、転写ドラム1から分離する。そして、記録媒体8は、搬送ガイド24a及び24b、及び搬送定着ローラ25a及び25bによって、記録媒体8上に熱圧が加えられて定着処理が行われた後、排紙トレイに排紙される。転写ドラム1上のインクが記録媒体8にすべて転写した後、転写ローラ22及び分離爪23を離接する。
【0066】
次に、クリーニングローラ28bが転写体ドラム1に当接し、転写ドラム1表面をクリーニングする。転写ドラムが1回転すると、クリーニングローラ28bは、転写ドラム1から離接する。記録が続けられる場合、記録信号に応じて上記動作が繰り返される。記録動作を終了し電源を切る場合、各ヒータをOFFにし転写ドラム1の回転を止めた後、装置の電源をOFFにし、装置動作を終了する。
【0067】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り質量基準である。又、使用したインク及び高粘度化成分は、何れも、水で調整して総量を100部とした。
【0068】
[顔料インクの調製]
先ず、下記に述べるようにして、それぞれ、顔料とアニオン性化合物とを含む、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの各色の顔料インクを調製した。
【0069】
Figure 2004090595
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に、新たに試作したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)を10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理した。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm.、20分間)を行って粗大粒子を除去して、黒色の顔料分散液とした。
【0070】
<インクの調製>
上記の分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製し、ブラックの顔料インクK1とした。このインクの表面張力は、34mN/mであった。
Figure 2004090595
【0071】
(顔料インクC1の作製)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントブルー15に代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、シアン色の顔料インクC1を調製した。
【0072】
(顔料インクM1の作製)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントレッド7に代えたこと以外は顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ色の顔料インクM1を調製した。
【0073】
(顔料インクY1の作製)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、イエロー色の顔料インクY1を調製した。
【0074】
(顔料インクK2の作製)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)を含む顔料分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合して、ブラックの顔料インクK2を調製した。このインクの表面張力は、32mN/mであった。
Figure 2004090595
【0075】
(顔料インクC2の作製)
顔料インクK2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントブルー15に代えたこと以外は、顔料インクK2の調製の場合と同様の方法で、シアン色の顔料インクC2を調製した。
【0076】
(顔料インクM2の作製)
顔料インクK2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントレッド7に代えたこと以外は顔料インクK2の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ色の顔料インクM2を調製した。
【0077】
(顔料インクY2の作製)
顔料インクK2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外は、顔料インクK2の調製の場合と同様の方法で、イエロー色の顔料インクY2を調製した。
【0078】
[高粘度化成分の調製]
次に、下記に述べるようにして、それぞれ、多価金属塩と界面活性剤とを含む、各高粘度化成分を調製した。
【0079】
(高粘度化成分R1の作製)
下記の組成の成分を混合溶解した後、更に、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、高粘度化成分R1を得た。
Figure 2004090595
【0080】
(高粘度化成分R2の作製)
下記の組成成分を用い、高粘度化成分R1の調製の際と同様の方法で、高粘度化成分R2を得た。
Figure 2004090595
【0081】
(高粘度化成分R3の作製)
下記の組成成分を用い、高粘度化成分R1の調製の際と同様の方法で、高粘度化成分R3を得た。
Figure 2004090595
【0082】
(高粘度化成分R4の作製)
下記の組成成分を用い、高粘度化成分R1の調製の際と同様の方法で、高粘度化成分R1と同様な手法により高粘度化成分R4を得た。
Figure 2004090595
【0083】
(非高粘度化成分NR1の作製)
下記の組成成分を用い、高粘度化成分R1の調製の際と同様の方法で、高粘度化成分ではない、非高粘度化成分NR1を得た。
Figure 2004090595
【0084】
[実施例1]
図1に示した本発明にかかる装置を用いて画像形成を行なった。その際、先に調製した高粘度化成分R1と、顔料インクK1、C1、M1、及びY1を用いた。先ず、転写ドラム1に、高粘度化成分R1を厚さ約1μm塗布した後、インクジェットヘッド16にて、顔料インクY1、M1、C1、及びK1を順次描画して、転写ドラム1上にインク像を得た。尚、本実施例では中間転写体としてドラム状の転写ドラムを使用した。
【0085】
このとき、転写ドラム1上の各色顔料インクは、高粘度化成分R1と反応等して凝集しており、転写ドラム上に形成された画像は、ビーディングがない良好な画像であった。又、各色インクを重ねていっても、すぐに凝集が起こり、ビーディングやブリーディングといった現象は生じず、転写体ドラム1上に形成される画像は、高画質画像であることが確認できた。更に、転写ドラム1上のインク像17は、次工程のエアーナイフ18の送風によってインク像の溶剤分が蒸発され、その後に、転写部5で、搬送ローラ20a及び20bにて給紙された記録媒体8に、上記転写ドラム1のインク像17が転写されて、印字物が作成された。更に、該印刷物は、加熱温度150℃の、ローラー状の搬送定着部25a及び25を通過することで、定着画像とされた。最終的に得られたカラー画像は、ビーディングやブリーディングといった現象が生じないだけでなく、耐擦過性や耐水性にも優れたものであった。
上記で用いた記録ヘッド16は、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数8kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、それぞれ4plのヘッドを使用した。
【0086】
[実施例2]
図1に示した本発明にかかる装置で、先に調製した高粘度化成分R1と、顔料インクK2、C2、M2及びY2を用いて、実施例1と同様に、カラー画像の形成を行った。その結果、実施例1と同様に転写ドラム1上に高画質な凝集インク像が形成されるとともに、最終的な印刷物の画質も良好であり、顔料インクの種類によらず良好な結果が得られた。
【0087】
[実施例3]
図1に示した本発明にかかる装置で、高粘度化成分R2と、顔料インクK1、C1、M1及びY1を用いて、実施例1と同様に、カラー画像の形成を行った。その結果、転写ドラム1上に高画質な凝集インク像が形成されるとともに、理由は定かでないが、記録媒体へのインク像の転写において実施例1よりも転写率が向上した。
【0088】
[実施例4]
図1に示した本発明にかかる装置で、高粘度化成分R3と、顔料インクK1、C1、M1及びY1を用いて、実施例1と同様に、カラー画像の形成を行った。その結果、転写ドラム1上に、高粘度化成分の均一な塗布が安定的にでき、繰り返し印字においても高画質な画像を形成できた。
【0089】
[実施例5]
図1に示した本発明にかかる装置で、高粘度化成分R4と、顔料インクK1、C1、M1及びY1を用いて、実施例1と同様に、カラー画像の形成を行った。その結果、転写ドラム1上に高粘度化成分を塗布する際に気泡の発生が抑えられ、転写ドラム1上に、更なる高画質な凝集インク像が形成されるとともに、記録媒体へのインク像の転写においても転写率が向上した。
【0090】
[比較例1]
図1に示した画像装置で、先に調製した非高粘度化成分NR1と、顔料インクK1、C1、M1及びY1を用いて、下記のようにしてカラー画像の形成を行った。先ず、転写ドラム1に、非高粘度化成分NR1を塗布した後、各インクジェットヘッドにて顔料インクK1、C1、M1及びY1順次描画して、転写ドラム1上にインク像を得た。このとき、転写ドラム1上に塗布されているのは非高粘度化成分NR1であるため、各顔料インクは、実施例の場合のように凝集反応が起こらないため、転写ドラム上のインク像は、ビーディングが生じ、滲んだ画像であった。又、色を重ねていくと、ビーディングやブリーディングといった現象が生じ、転写体ドラム上に良好な画像を形成することができなかった。
更に、転写ドラム上のインク像は、次工程のエアーナイフによってインク像の溶剤分を蒸発せしめた後、転写部で、該インク像を記録媒体に転写し、印字物を作成した。得られたカラー画像は、滲んだ画像であるとともに、部分的にインク像が転写しない、白抜けと呼ばれる現象が発生していることが確認された。
【0091】
【発明の効果】
以上述べたように、従来例の如く、インク中或いは塗布液に樹脂や糖等を添加し溶剤の蒸発とともに粘度が上昇し、それに伴いインク像を固定する方法や高分子の重縮合等の架橋反応のみでインク像を固定する方法では、迅速にインクを凝集することが不可能なため、完全にビーディングやブリーディングの発生を止めることができなかったのに対し、本発明の方法、即ち、少なくとも金属塩を含む高粘度化成分を中間転写体上に薄層塗布し、その後、この上にインク画像を形成する構成とすることで、高粘度化成分中の金属イオンと顔料インクが迅速反応して凝集し、その状態のインク像が形成されるため、中間転写体上に、ビーディングやブリーディングがない良好な画像を形成することができる。更に、この凝集した状態のインク像が記録媒体に転写されるので、転写率が向上するとともに、転写工程における画像乱れが生じることなく、高画質な画像を形成することができる。従って、上記本発明の方法によれば、高速印字や、カラー画像を形成する場合に生じる、インクの多重打ちによる画像アドレスポイント毎のインク量の差によるビーディングやブリーディングの発生を有効に防止するという、更なる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様のインクジェット記録装置の斜視図。
【図2】本発明の一実施態様のインクジェット記録装置の断面図。
【符号の説明】
1:転写ドラム(中間転写体)
2:高粘度化成分塗布部
3:画像書き込み部
4:インク像処理部
5:転写部
6:記録媒体分離部
7:クリーニング部
8:記録媒体
9:給紙搬送部
10:排紙搬送定着部
11:支持体
12a、12b:表面層
13:塗布液容器
14:高粘度化成分
15a、15b:塗布ローラ
16:記録ヘッド
17:インク像
18:エアーナイフ
19:溶剤受け皿
20a、20b:搬送ローラ
21a、21b:搬送ガイド
22:転写ローラ
23:分離爪
24a、24b:搬送ガイド
25a、25b:搬送定着ローラ
26:クリーニング液
27:クリーニング液保持部材
28a、28b:クリーニングローラ

Claims (12)

  1. (i)撥インク性の表面を有する中間転写体の該表面にインクジェット記録装置を用いてインクを付与して画像を形成する工程と、(ii)前記工程(i)で形成された画像を記録媒体に転写する工程と、を有する画像形成方法において、前記工程(i)に先立って、該表面層に該インクの高粘度化成分を付与する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記撥インク性の表面が、フッ素化合物若しくはシリコーン化合物を含む材料で形成されている請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記工程(i)により中間転写体表面に形成された画像を加熱する工程を更に有する請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記工程(ii)により画像が転写された中間転写体を加熱する工程を更に有する請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記工程(ii)の後に、中間転写体の表面層をクリーニングする工程を更に有する請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記インクが着色剤として顔料を含む請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記高粘度化成分が、金属イオンを含んでいる請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記高粘度化成分が、更に、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤からなる群から選択された少なくとも1の界面活性剤を含む請求項1〜7の何れか1項に記載の画像形成方法。
  9. 撥インク性の表面を有する中間転写体と、インクとの接触により該インクを高粘度化させる高粘度化成分を中間転写体表面の少なくともインクが付与されるべき領域に付与する手段と、画像信号に応じて吐出制御可能な複数のノズルを有する記録ヘッドで、少なくとも着色剤を含むインク滴を中間転写体上に付与して画像を形成する手段と、該中間転写体上に形成された画像を記録媒体に接触させて圧力を印加し、インク像を記録媒体に転写する手段と、を有することを特徴とする画像記録装置。
  10. 更に、前記中間転写体上のインク像を加熱する手段を有する請求項9に記載の画像記録装置。
  11. 更に、インク像が転写された記録媒体を加熱する手段を有する請求項9に記載の画像記録装置。
  12. 更に、中間転写体上をクリーニングする手段を有する請求項9に記載の画像記録装置。
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