JP2008221529A - 記録物の製造方法および記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写体を用いる記録方式において、記録媒体の裁断を要することなく、縁部に余白のない記録物を製造することができる記録物の製造方法および記録装置を提供すること。
【解決手段】記録媒体9のサイズよりも大きいサイズのインク像を転写ベルト1上に形成し、そのインク像を記録媒体9上に転写することにより縁なし記録を行う。記録媒体9上に転写されずに転写ベルト1上に残った余剰インクは、カウンターローラ25に転移させる。その後、そのカウンターローラ25をクリーニング部8によってクリーニングすることにより、残留インクを除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写体に形成したインク像を記録媒体に転写することによって、記録物を製造する記録物の製造方法および記録装置に関するものである。
最近の傾向として、インクジェット記録方式の利点を生かすことにより、各種の分野において、記録媒体の種類に拘わらず高品位の画像を記録したいという要望が高まっている。このような要望に応えるためには、特に、記録媒体上において画像品位の低下や印刷物の風合いの低下をもたらす要因を抑制することが望ましい。例えば、フェザリング(髭状のインクの滲み)、ビーディング(隣接ドットの繋がりによる濃度ムラ)、ブリーディング(境界滲み)などの現象を抑制する必要がある。また、記録媒体に水系のインクが浸透することにより生じる記録媒体の波打ち現象(コックリング)を抑制する必要もある。これらの現象は、インクジェット記録方式における記録画像の高精細化や高速化に伴って、記録媒体の単位領域当たりに多量のインクが高速に付与されるようになってきている状況下において、一層効果的に抑制されるべきである。また、これらの現象は、記録媒体として様々な材質のものが用いられるようになってきている状況下においても一層効果的に抑制されるべきである。
そこで、転写方式の記録方法が提案されている。この記録方法においては、まず、インクジェット記録方式により中間転写体上にインクを付与してインク像を形成し、その中間転写体上のインク像をインクの乾燥によって増粘させ、またはインク像の溶剤を除去してインクを濃縮する。その後、そのインク像を中間転写体上から記録媒体上に転写する。
この転写方式の記録方法は、記録ヘッドからインクを直接記録媒体に付与して記録を行うものではない。したがって、フェザリング、ビーディング、ブリーディングといった現象を抑制するために、インク中の水分を記録媒体に素早く浸透・定着させる必要がなく、用いる記録媒体の種類を拡大することができる。そのため、このような転写方式による記録方法は、インク浸透性の劣る記録媒体が用いられる場合であっても、画像品位の低下の問題に対して有効な解決策となる。また、中間転写体上に形成されたインク像を記録媒体へ転写する前に、そのインク像を形成しているインクの液体成分のほとんどを除去することにより、記録媒体側に浸透する液体量を少なくすることができる。したがって、コックリングも生じにくくなり、「こし」や手触りなどといった記録媒体の風合いも損なわれない。
さらに、インクジェット記録方式によって中間転写体上にインク像を形成することにより、インクを吐出するためのノズルを有する記録ヘッドは、記録媒体に対して離れた位置に配置することができる。そのため、記録媒体から発生する紙粉等の塵埃がノズルに付着しにくくなるといった利点もある。つまり、紙粉等がノズルに付着することで生じる目詰まりなど問題が防止できることになる。
上述したような中間転写体を用いるインクジェット記録方式においては、記録媒体として、カット紙やロール紙タイプなどの形状のものが使用できる。オフセット印刷などにおいては、これら記録媒体よりも画像の形成領域が小さく、記録媒体上における画像の形成領域の周囲は余白となる。その記録媒体上の余白をなくすためには、記録媒体上に画像を形成した後に、記録媒体の縁部を断裁する必要がある。しかしながら、このように記録媒体を断裁した場合には、不要な紙などの記録媒体が多く排出されて、ゴミ処理ための負荷が大きくなってしまう。
本発明の目的は、中間転写体を用いる記録方式において、記録媒体の裁断を要することなく、縁部に余白のない記録物を製造することができる記録物の製造方法および記録装置を提供することにある。
本発明の記録物の製造方法は、中間転写体上に形成したインク像を記録媒体上に転写して、記録物を製造する記録物の製造方法において、前記中間転写体上にインクと当該インクに反応する処理液とを付与することにより、前記記録媒体のサイズよりも大きいサイズのインク像を前記中間転写体上に形成する工程と、前記記録媒体のサイズに対応する前記インク像の部分を前記記録媒体上に転写する転写工程と、前記記録媒体上に転写されなかった前記インク像の部分が前記中間転写体上に残存しないように、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の記録装置は、中間転写体上に形成したインク像を記録媒体上に転写して、前記記録媒体に画像を記録する記録装置において、前記中間転写体上にインクと当該インクに反応する処理液とを付与することにより、前記記録媒体のサイズよりも大きいサイズのインク像を前記中間転写体上に形成する手段と、前記記録媒体のサイズに対応する前記インク像の部分を前記記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写されなかった前記インク像の部分が前記中間転写体上に残存しないように、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、中間転写体を用いる記録方式において、記録媒体のサイズよりも大きいサイズのインク像を中間転写体に形成することにより、記録媒体の裁断を要することなく、記録媒体の縁部に余白のない記録物を製造することができる。しかも、記録媒体上に転写されずに中間転写体上に残った余剰インクを積極的にカウンター部材に転移させてから、そのカウンター部材をクリーニングすることにより、残留インクを確実に除去することができる。さらに、残留インクを処理するために中間転写体に掛かる負荷を軽減し、中間転写体の劣化を抑えて、高品位の画像を記録することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1から図6は、本発明の第1の実施形態を説明するための図である。
1.記録装置の全体構成
図1は、本実施形態の記録装置の概略構成を示す模式的断面図である。
図1において1は、中間転写体としての転写ベルトであり、インク離型性の表面層を有する。この転写ベルト1は、3つのベルト搬送ローラ12、13、14の間に張架されており、それらの搬送ローラのいずれかが不図示のベルト駆動装置によって回転駆動されることにより、矢印A方向に搬送される。本例においては、搬送ローラ13を回転駆動されるベルト駆動ローラとした。搬送ローラ14は、転写のための加圧ローラとして兼用されており、転写時に安定した温度を与えるためにローラ内部に加熱ヒータを有している。
転写ベルト1の周囲位置には、転写ベルト1の搬送方向(矢印A方向)の上流側から下流側に向かって順に、処理液付与部2、インク付与部3、インク像処理部4、転写部5、記録媒体分離部6、およびクリーニング部7が配置されている。転写部5は、縁なし記録を可能とするためのカウンターローラクリーニング部8を有している。
縁なし記録を可能とするために、転写ベルト1、処理付与部2、およびインク付与部3における画像の形成領域として、記録媒体9のサイズよりも大きな領域を確保する必要がある。例えば、A4サイズ(210mm×297mm)の記録媒体9を短幅方向に横送り搬送させる場合には、縁なし記録を行うために、転写ベルト1の幅サイズは記録媒体9の幅より大きく350mmとする。また、塗布部2、および吐出ヘッド(液体吐出ヘッド)3における描画領域は、記録媒体9の幅よりも大きい。
記録装置には、給紙搬送部10および排紙搬送定着部11が配置されている。給紙搬送部10は、記録媒体9を不図示の記録媒体格納部(給紙カセット)から、後述するニップ部へ搬送する。中間転写体である転写ベルト1上に形成されたインク像は、転写部5において記録媒体9に転写され、排紙搬送定着部11は、その記録媒体9に転写されたインク像を定着させると共に、その記録媒体9を不図示の排紙トレイに排出する。本例の記録装置においては、中間転写体をエンドレスベルトとしたがドラム形状であっても良い。
図2は記録装置の制御系の概略構成例を示すブロック図である。
本例の記録装置100において、CPU101は、本記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。メモリ103は、それらの処理手順等のプログラムを格納するROM(不図示)と、それらの処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(不図示)と、を含む記憶部である。I/F105は、記録装置100と、ホストコンピュータ等の画像データの供給源である画像供給装置110と、の間において、データやコマンド等の情報を授受するためのインターフェイスである。
バスライン120には、転写ベルト1の駆動部1A、処理液付与部2、インク付与部3、インク像処理部4、転写部5、記録媒体分離部6、クリーニング部7、カウンターローラクリーニング部8の各部が接続されている。さらに、バスライン120には、給紙搬送部10、排紙搬送定着部11、加熱ヒータ15、加熱ヒータ16の各部が接続されている。したがって、CPU101は、バスライン120を介して各部と適宜信号を授受しながら、所要の制御を実行することができる。また、制御対象である各部には状態検出用センサが配設されており、それらの検出信号は、バスライン120を介してCPU101に伝達することができる。
2.各部の詳細
2.1 中間転写体(転写体ベルト1)
図3は、転写体ベルト1の層構成を説明するための断面図である。本例における中間転写体としての転写ベルト1は、ポリイミドの支持体18aに、接着層18bとシリコーンゴム製の表面層18cが積層されたものである。
支持体18aとして使用される材料は、特にポリイミドに限定されるわけではない。転写時の加圧に耐える剛性や寸法精度の他、搬送のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上させるために要求される特性等を満たすものであればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂やニッケル、燐酸鉄等の金属やアセタールのような強度に優れる熱硬化性樹脂、またはセラミック等によって成型されたものを用いることもできる。また、オフセット印刷機等に使用されているブランケットローラーを形成するための支持体であってもよい。
表面層18cは、その表面においてインク像を剥離し易い性質(離型性)を有する。シリコーンゴムは、表面エネルギーが低く、剥離性が高い性質を有していることから、表面層18cを形成する最適材料の1つである。しかし、表面層18cの材料はシリコーンゴムに限定されるものではなく、好ましい離型性および弾性特性を有して、インク像を記録媒体に転写する際の転写率に優れているものであればよい。また、表面層18cを2層以上の構成とするなど、適宜、その層構成を変更してもよい。表面層18cを形成する材料の他の例としては、例えば、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム等が挙げられる。特に、好適なものとして、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムが挙げられる。転写ベルト1の温度安定性を確保するために、加熱ヒータ15、16が設けられている。加熱ヒータ15、16としては、例えば、抵抗加熱等の一般的な加熱手段を適宜使用することができる。加熱ヒータ15、16の設定温度は、転写ベルト1の表面温度を基準として、20〜100℃とすることが好ましく、より好ましくは25〜80℃である。
本例の記録装置は、縁なし記録を行なうために、前述したように、転写ベルト1の幅は記録媒体9の幅よりも広く形成されている。後述するように、幅広い転写ベルト1に対して、記録媒体9に対するよりも大きな画像を形成することにより、記録媒体9に対して縁なし記録を行うことができる。
2.2 処理液付与部2
2.2.1 構成
処理液付与部2は、後述するインク付与部3に対して、転写ベルト1の搬送方向の上流側に配置されている。処理液付与部2は、画像の固定成分を含む処理液21を転写ベルト1の表面の全面に塗布するための塗布ローラ部20を有する。
塗布ローラ部20は、図4のように、塗布ローラ20a、処理液供給ローラ20b、処理液保持ローラ20cおよび処理液保持部材22を含む。処理液保持部材22は、処理液21を貯留・保持する。塗布ローラ20aは、転写ベルト1と当接しながら回転することによって、処理液21を転写ベルト1の全面に塗布する。処理液供給ローラ20b、処理液保持ローラ20cは、処理液保持部材22と塗布ローラ20aとの中間に位置し、処理液保持部材22から塗布ローラ20aに処理液21を供給する。
2.2.2 処理液
ここで処理液21について詳細に説明する。処理液とは、着色インクの流動性を低下、またはインク中の色材を凝集させるための液体である。その成分としては、画像固定成分、水、水溶性有機溶剤、および均一塗布や吐出安定性のための助剤等がある。本例では、転写体ベルト1上に処理液21を塗布する形態としているが、インク吐出ヘッド23のような記録ヘッド(液体吐出ヘッド)を用いて、その記録ヘッドから吐出する処理液を転写ベルト1上に付与することも可能である。つまり、インク像を転写体ベルト1上に形成する工程において、インクと処理液の少なくとも一方は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを用いて転写体ベルト1に付与することができる。
画像固定成分とは、着色インクの流動性を低下、またはインク中の色材を凝集させるための材料である。詳しくは、インクとの接触によって中間転写体(転写ベルト1)上におけるインクの流動性を低下させて、中間転写体上に着弾したインクを極力、その着弾位置に保持させる役割を担う材料である。ここで画像固定とは、インクを構成している組成物の一部である着色剤や樹脂等が化学的に反応、または物理的に吸着することによって、インク全体の流動性の低下が認められるものをいうことは勿論である。さらに画像固定とは、インクを構成する組成物の固形分の凝集により局所的に流動性の低下を生じる場合をも含む。仮に、離型性の中間転写体(転写ベルト1)上に着弾したインクの流動性を低下させなかった場合には、中間転写体上においてインクが流れてしまい、ビーディングやブリーディングの発生原因となるおそれがある。そこで本例においては、画像固定成分を含む処理液用いてインクと反応させることにより、それと接触したインクの流動性を低下させて、離型性の中間転写体上に着弾しインクを着弾位置に保持させる。これにより、中間転写体(転写ベルト1)上においてインク滴同士が接触しても、ビーディングやブリーディングの発生を抑制することができる。
画像固定成分としては、インクと接触することによってインクを凝集させることができる材料が好適であり、例えば、金属塩が好適である。金属塩の最も好適なものとしては、多価金属塩が挙げられる。多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンと、から構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+等の三価金属イオンが挙げられる。また、これらと結合する陰イオンとしては、Cl-、NO3-、SO4 2-、I-、Br-、ClO3-、RCOO-(Rは、アルキル基)等の陰イオンが挙げられる。
また処理液には、上述の画像固定成分である多価金属塩等の金属塩と共に、水溶性有機溶剤を含有させることができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等が挙げられる。これらのような水溶性有機溶剤の処理液中における含有量については特に制限はないが、処理液全質量の5〜60質量%、好ましくは5〜40質量%の範囲である。
本例のように塗布ローラ部20を用いる場合には、転写ベルト1への均一塗布を目的として、処理液21に塗布助剤を含有させてもよい。この塗布助剤としては、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、例えば、アセチノールEH(商品名、川研ファインケミカル製)、サーフロンS−141(商品名、セイミケミカル株式会社製)、シルウェットL−77(商品名、日本ユニカー株式会社製)等を用いることができる。
しかし、界面活性剤はこれらに限定されるものではなく、その他にも、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、水溶性のカチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の、各種の界面活性剤を用いることができる。
カチオン系界面活性剤の好ましい具体例としては、脂肪族アミン塩、第四アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォニウム塩等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤の好ましい具体例としては、フッ素系、シリコーン系、アクリル酸共重合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレンオキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
両性界面活性剤の好ましい具体例としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レチシン等が挙げられる。
これらの界面活性剤の添加量は、処理液に対して、0.05〜10質量%程度とすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%程度である。
処理液には、この他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜配合してもよい。また、処理液21は、無色であることがより好ましいが、記録媒体上においてインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものであってもよい。
さらに、上述したような形成材料からなる処理液21は、塗布ローラ部20を用いて付与する場合には、25℃付近での粘度が1〜100cP(mPa・s)の範囲となるように、物性が調整されたものであることが好ましい。
2.3 インク付与部3
2.3.1 構成
インク付与部3は、上述したような処理液付与部2によって処理液21が付与された転写ベルト1上に、制御部より送られてくる画像信号に応じて、少なくとも着色剤を含むインクを付与することによって、インク像を形成する。このとき、処理液21とインクの凝集成分とが凝集反応を行うことにより、ビーディングやブリードのない画像が形成される。
インク付与部3は、転写ベルト1の搬送方向において処理液付与部2の下流側に配置されており、インク吐出ヘッド23a、23b、23cおよび23dを含む。以下では、インク吐出ヘッド23a、23b、23cおよび23dを総じてインク吐出ヘッド23とも称する。これらのインク吐出ヘッドは、インクを吐出可能な複数のノズルを有する。ノズルからインクを吐出させるための吐出エネルギー発生手段としては、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などを用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によってインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用してノズルからインクを吐出させることができる。
インク吐出ヘッド23a、23b、23cおよび23dは、転写ベルト1の搬送方向に一定間隔を置いて配置されている。それぞれのインク吐出ヘッドは、それらに対応する不図示のインクタンクから供給されたインクを吐出することにより、カラー画像を形成することができる。本例の場合、インク吐出ヘッド23a、23b、23c、および23dは、それぞれ、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)のインクを吐出する。しかし、インク付与部3を構成するインク吐出ヘッドの数、転写ベルト1上の画像形成領域に対して吐出するインク色の順序、および使用されるインクの色相は、上述した例に限定されるものではない。
縁なし記録を行なうための画像信号の生成に際しては、例えば、記録媒体9の縁部の位置を基準の”0”として、インク吐出ヘッドから吐出されるインクによって形成するインク像の縁部の位置を調整する。つまり、インク像の縁部の位置の増減量を調整するように、画像信号を生成する。例えば、元画像を拡大または縮小処理することにより、記録媒体9上に形成される余白の量、あるいは記録媒体9の縁部からのはみ出る記録画像のはみ出し量を適宜決定することができる。画像信号は、縁なし記録を行なうか否かによって生成方法が異なる。
転写ベルト1上に形成されるインク像は、転写の際に反転することを考慮し、最終的に記録媒体9に形成すべき画像の鏡面画像としなければならない。当然、インク吐出ヘッド23に供給される画像信号は、鏡面画像に対応した画像信号でなければならない。そこで、図2の制御系においては、画像供給装置110から送られてくる画像信号(すなわち、最終的に記録媒体9に記録される画像に対応した画像信号)に対して、ミラー反転処理(反転データを得る処理)を施す。これにより鏡面画像に対応した画像信号を取得し、そして、それをインク吐出ヘッドへ供給する。
インク吐出ヘッド23は、このような画像信号に基づいてインクを吐出することにより、転写ベルト1上にインク像を形成する。インク像が形成される転写ベルト1上の描画領域を記録媒体9の縁部の外側に及ぶ領域として、その転写ベルト1上の描画領域にインク像を形成することにより、転写後の記録媒体9に余白のない縁なし記録を行うことができる。このような余白なし記録を行うためのインク像を形成することができれば、インク付与部3は、いわゆるフルラインタイプであってもシリアルスキャンタイプのいずれであってもよい。
2.3.2 インク
インク付与部3にて使用するインクとしては、特に限定されるものではなく、一般的なインクジェット用インクのいずれも使用することができる。特に、顔料インクは、染料インクと比べて、記録媒体に対して滲みにくく、耐水性、耐光性に優れているため好適に使用できる。以下、本実施形態において好適に使用できる水系顔料インクについて説明する。
顔料インク中の顔料は、顔料インクの全質量に対して、質量比で1〜20質量%、好ましくは2〜12質量%の範囲で用いる。具体的には、下記の顔料が使用できる。
黒色の顔料としては、カーボンブラックが挙げられる。例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックである。そのカーボンプラックとしては、一次粒子径が15〜40nm、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく使用できる。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)がある。さらに、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上キャボット製)もある。また、Color Black FWl、COLOR Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等もある。このような市販品は、いずれも好ましく使用することができる。
また、イエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3が挙げられる。さらに、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられる。
また、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)が挙げられる。さらに、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられる。
また、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3が挙げられる。さらに、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。
勿論、本実施形態は以上の顔料に限られるものではない。また、上記に挙げたものの他、自己分散型顔料、樹脂分散型顔料、マイクロカプセル化顔料等のものをいずれも使用することが可能である。
水系の顔料インクを製造する場合に使用するための分散材、例えば、上記に挙げたような顔料を水系媒体中に分散させるための分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも良い。特に、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものを使用する。このような分散剤としては、具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、およびその誘導体等から選ばれた少なくとも二つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、あるいは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、またはこれらの塩等が挙げられる。あるいは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。なお、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、顔料インクの全質量に対して0.1〜5質量%の範囲で含有させることが好ましい。
特に、上述のような顔料が含有されている顔料インクの場合には、顔料インクの全体が中性またはアルカリ性に調整されていることが好ましい。このように調整することにより、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させて、長期保存性に一層優れた顔料インクとすることができる。ただし、この場合には、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因とならないように、好ましくは、pH範囲7〜10とするのが望ましい。その際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上述のような顔料等の着色剤、および分散剤である水溶性樹脂を水性液媒体中に分散または溶解することによって、顔料インクが構成される。
顔料インクにおいて好適な水溶性溶媒は、水および水溶性有機溶剤の混合溶媒である。水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用することが好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の、多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
上述のような水溶性有機溶剤の顔料インク中の含有量は、一般的には、顔料インクの全質量の3〜50質量%の範囲、より好ましくは3〜40質量%の範囲で使用する。また、使用される水の含有量としては、顔料インクの全質量の10〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲とする。
また、必要に応じて所望の物性値を持つ顔料インクとするために、上述の成分の他に、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。特に、浸透促進剤として機能する界面活性剤は、記録媒体に対して、画像固定成分と顔料インクの液体成分を速やかに浸透させる役割を担うために適量を添加するのが強く望ましい。その添加量の例としては、0.05〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲である。アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものをいずれも好ましく使用することができる。
以上のような材料からなる顔料インクの作製方法としては、まず、分散剤としての水溶性樹脂と水とが少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加する。次に、それらを混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液に、サイズ剤、および、上述したような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して顔料インクとする。
分散剤として、上述のようなアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要である。その際に添加する塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミンが好ましく使用できる。さらに、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましく使用できる。
また、顔料インクの作成方法においては、顔料を含む水性媒体を攪拌して分散処理する前に、プレミキシングを30分以上行うことが効果的である。すなわち、このようなプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるため好ましい。
上述した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機ならいかなるものでもよい。例えば、ボールミル、ロールミルおよびサンドミル等が挙げられ、特に、高速型のサンドミルが好ましく使用できる。そのようなサンドミルとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミルおよびコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
また、顔料インクを用いるインクジェット記録方式においては、ノズルの目詰りを避けるなどのために、最適な粒度分布を有する顔料を用いる。所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級すること等が挙げられる。また、これらの手法を適宜組合せてもよい。
インク付与部3においては、上述した画像固定成分を含む処理液21が付与された中間転写体(転写ベルト1)上に、制御部より送られる画像信号に応じて、インク吐出ヘッド23のノズルから上述した顔料インクを吐出する。このように、中間転写体(転写ベルト1)上にインク像を形成する工程を実施する。本実施形態においては、転写ベルト1上に塗布された処理液21と、インク吐出ヘッド23により付与された顔料インクと、の反応によってインクが迅速に凝集するため、転写ベルト1上のインク像としてインク凝集像が形成されることになる。特に、本実施形態では、例えば金属塩つまり金属イオンが画像固定成分として機能することにより、迅速に顔料インクと反応し凝集する。よって、転写ベルト1上に、ビーディングやブリーディングがない良好なインク凝集像を形成することができる。
なお、以上においては、着色剤として顔料を用いる顔料インクを例示したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば、顔料に染料を加えた混合インクを用いてもよい。また、画像固定成分が金属塩を有していれば、インクおよび/または画像固定成分中に、インク凝集像の内部凝集力を強めるための水溶性樹脂や架橋剤等を添加してもよい。
2.4 インク像処理部4
本例のインク像処理部4は温風送風乾燥炉24を備えており、不図示の温風送風機によって温風送風炉内に温風を送る構成となっている。インク像処理部4は、インク付与部3にて転写ベルト1上に形成されたインク像から、水を含む溶剤成分を除去することにより、記録媒体9への転写条件を最適化するようにインク像を処理する。温風の温度は、20〜100℃好ましくは、25℃〜80℃である。
インク像処理部4は、記録媒体9に対するインク凝集像(インク像)の浸透性および濡れ性を勘案して、温風乾燥機から送風されるエアー量、または、そのエアーの温度を調節するものである。このようにして、インク像に与える熱量を調整することにより、記録媒体9に対するインク像の転写特性が適切に制御される。
なお、本実施形態のインク像処理部4は、温風乾燥炉24を用いてインク像の乾燥を促進させているが、赤外線ヒータなどのように、温度調節可能であって、インク像の転写特性を制御可能なものを使用することもできる。また、インク中の水を含む溶剤を制御可能に除去できるものであれば、水を含む溶剤を吸収する公知の手段、または、水を含む溶剤を絞り取るスキージブレード・ローラを用いる手段なども使用可能である。
2.5 転写部5、給紙搬送部6および記録媒体分離部6
図1において、転写部5は、ベルト駆動のための駆動ローラ13と、カウンターローラ25と、を含む構成となっている。また給紙搬送部6は、搬送ローラ26a、26bと搬送ガイド(不図示)とを含む構成となっている。記録媒体は、給紙搬送部6の搬送ローラ26a、26bの回転に伴って、搬送ガイドのガイド部を介して搬送される。転写部5は、カウンターローラ25によって、その記録媒体9を転写ベルト1に圧接させることにより、転写ベルト1上のインク像を記録媒体9の表面に転写させる。
カウンターローラ25は、転写ベルト1との間のニップ部に記録媒体9を通過させるように配置されており、ゴムローラや金属ローラ等で形成することができる。この転写部5に押圧制御装置(不図示)を付加することにより、転写ベルト1に対するカウンターローラ25の押圧、および、その解除の制御が可能となる。
カウンターローラ25は、転写ベルト1に対する押圧状態では、記録媒体9を介して転写ベルト1に従動回転することができる。カウンターローラ25は、このような従動回転とする他、独立の転写ローラ駆動手段(不図示)によって回転制御するようにしてもよい。カウンターローラ25は、転写ベルト1に対しての記録媒体9の押圧と、転写ベルト1との間のニップ部の幅(ニップ幅)に対応する転写時間によって、転写ベルト1上のインク像を記録媒体9に転写する。カウンターローラ25の第1の機能は、このように転写ベルト1上のインク像を記録媒体9に転写することである。転写ベルト1は、その機能を損なわないように表面をクリーニングすることができる。そのため、ローラの駆動トルクが十分であれば、カウンターローラ25上のインクをほぼ完全に除去して、記録媒体9の裏面を汚すことがない状態にすることができる。カウンターローラ25上にてクリーニングを行うことにより、転写ベルト1上の残留した余剰インクをクリーニングする負荷を大幅に低減して、汚れや余剰インクによるゴーストのない画像を連続して記録媒体9に形成することができる。
ここで、縁なし記録における転写時の動作について説明する。
縁なし記録を行う場合には、上述したように、転写ベルト1上のインク像は、記録媒体9上の領域よりも大きな領域に形成される。したがって、記録媒体9上の領域からはみ出るインク像は、通常、カウンターローラ25および記録媒体9には転写せず、転写ベルト1上に残留する。その後、転写ベルト1上に残留した余剰インクはクリーニング部7によって清掃される。このように、カウンターローラ25および記録媒体9へ転写されずれに転写体ベルト1上にインクが残った場合、その残留インクの量が多い。そのため、クリーニング部7は、転写ベルト1上のクリーニング不良、およびクリーニング部材との摺擦により転写ベルト1の表面の劣化を招くおそれがある。
本発明においては、転写体ベルト1上の残留インクをカウンターローラ25に積極的に転移させ、そのカウンターローラ25上に転移した残留インクは、カウンターローラクリーニング部8のクリーニング部材(クリーニングブレード)17によって除去する。つまり、クリーニング部材17が転写ベルト1に接しつつ相対移動することに、その転写ベルト1をクリーニングする。これにより、クリーニング部7に至る前に、転写ベルト1上のインク残りを低減して、クリーニング部7のクリーニング不良、およびクリーニング部材との摺擦による転写ベルト1の表面性能の劣化を低減させることができる。本実施形態においては、転写時に、カウンターローラ25によって記録媒体9を介して転写ベルト1を線荷重1.0kg/cmで押圧するように構成されている。しかし、これに限定されるものではない。
カウンターローラクリーニング部8におけるカウンターローラ25のクリーニング手段は、縁なし記録時に特に有効であるため、縁なし記録を行わない記録モードが指定された場合には、カウンターローラ25から離れた停止状態としてもよい。また、カウンターローラクリーニング部8は、カウンターローラ25のゴミや紙粉などクリーニングするために適宜使用することも可能である。そのため、動作時間間隔毎に、あるいはクリーニングの有無の指示に応じて動作可能としてもよい。
記録媒体分離部6は分離爪27を含む構成とされており、記録媒体9の搬送タイミングに応じて分離爪27が稼動する。分離爪27は、上述した転写が終了すると不図示の駆動装置によって駆動され、記録媒体9を転写ベルト1から分離させて、その記録媒体9を搬送ガイド(不図示)のガイド部を介して排紙搬送定着部11へと導く。
2.6 排紙搬送定着部11
排紙搬送定着部11は、搬送ガイド(不図示)と搬送定着ローラ28a、28bを含む構成とされている。搬送ガイドに導かれたインク像転写済の記録媒体9は、赤外線ヒータを内蔵した搬送定着ローラ28a、28bによって加熱される。これにより、その記録媒体P上に転写像が定着する。そして、それらの搬送定着ローラ28a、28bの回転によって記録媒体9が不図示の排紙トレイに送られることにより、その記録媒体9への記録が終了する。搬送定着ローラ28a、28bとしては、公知の定着ローラを使用することができ、その温度は30〜200℃程度とすることが好ましい。また、搬送定着ローラ28a、28bの材質は、金属やシリコーンゴム等とすることができる。また、記録媒体9の剥離性を向上させるために、それらのローラ表面にシリコーンオイル等を塗布してもよい。
本実施形態においては、記録媒体9は、上述したような1枚ずつの枚葉紙状には限定されず、ロール紙形状の連続した記録媒体であってもよい。ロール形状の紙などの記録媒体の場合には、その記録媒体の先端や後端を断裁する必要がある。そのために、既存の断裁装置を装置内に設けてもよく、あるいは、別途設けられた断裁機によって記録媒体9を断裁するようにしてもよい。
2.7 クリーニング部7
クリーニング部7は、クリーニング液保持部材29、クリーニング液供給ローラ30、およびローラ32を含む構成とされている。ローラ32は、クリーニングローラ31および転写ベルト1を介して、クリーニングローラ31に対向する位置に設けられている。クリーニングクリーニング液保持部材29は、クリーニング液33を貯留・保持する。クリーニングローラ31は、転写ベルト1に当接しながら回転することによって、転写ベルト1上にクリーニング液33を塗布して、その転写ベルト1上の塵埃等を取り除く。クリーニング液供給ローラ30は、クリーニング液33とクリーニングローラ31との間に位置して、クリーニング液保持部材29内のクリーニング液33をクリーニングローラ31に供給する。
クリーニングローラ31は、転写ベルト1に従動回転するものでもよいし、または不図示の駆動手段によって駆動制御可能なものでもよい。また、クリーニング液供給ローラ30は、クリーニングローラ31に従動回転するものでもよいし、または不図示の駆動手段によって駆動制御可能なものでもよい。いずれにしても、クリーニング液供給ローラ30およびクリーニングローラ31が回転することによって、これらローラを介してクリーニング液33が転写ベルト1上に塗布されて、転写ベルト1のクリーニングを行なうことができる。
なお、クリーニング部7は、転写ベルト1の表面を適切にクリーニング可能なものであればよく、その構成は図示のものに限定されない。また、クリーニング液33の種類も特に限定されるものではなく、例えば、上記の処理液21において使用した界面活性剤や水溶性有機溶剤等を含む水溶液が好ましく使用可能である。
また、転写部5と同様に、転写ベルト1に対するクリーニングローラ31の押圧を制御可能な押圧制御装置(不図示)を付加することにより、転写ベルト1に対するクリーニングローラ31の押圧、および、その解除の制御が可能となる。
3.記録動作の手順
次に、図5のフローチャートに基づいて、記録装置の一連の記録動作について説明する。
記録装置の電源が投入されて、記録の開始が指示されると、まず開始処理を実行する(ステップS1)。その開始処理においては、転写ベルト1の駆動を開始させると共に、転写ベルト1を加熱する加熱ヒータ15、16、および、温風乾燥機24、転写圧力ローラ13、ローラ搬送定着ローラ28a、28bのそれぞれ設けられたヒータをオンとする。これにより、各部を所定温度に設定・調節することができる。
また、この開始処理においては、必要に応じて、記録媒体9の搬送系における各部の位置設定等を行うことができる。さらに、後述する画像形成動作に先立って転写ベルト1の表面のクリーニングを行うことが望ましい場合には、クリーニングローラ31を転写ベルト1に押圧させて、クリーニング液33の塗布および転写ベルト1の清浄を行うようにしてもよい。
コンピュータ等の画像供給装置110から画像信号を受け取ると、その画像信号に基づいて、インク吐出ヘッド23による吐出動作を制御するための記録データを生成して、それをメモリ領域へ展開する(ステップS2)。例えば、画像信号として、本例において使用する各インク色(K、C、MおよびY)に対応し、かつノズルからのインクの吐出の有無に対応する2値の画像信号が画像供給装置110から送られてくる場合には、その画像信号に対してミラー反転処理を施す。そして、そのミラー反転処理されたデータは、インク吐出動作を規制する記録データとして、各色インク吐出ヘッド用のメモリ領域に展開する。また、3値以上の多値の画像信号が画像供給装置110から送られてくる場合には、CPU101が所定の2値化処理プログラムを実行することによって、その画像信号を2値の画像信号に変換する。そして、その変換後の画像信号にミラー反転処理を施して展開を行う。
より具体的に、解像度1200dpiのカラー画像を記録する際には、まず、記録装置内の画像処理部(不図示)が、画像供給装置110から送られた多値の画像信号を誤差拡散法により2値化して、K、C、MおよびYの2値化記録データを生成する。
縁なし記録を行なう場合、その記録データは、記録媒体9の大きさよりも大きな領域に画像を形成するためのデータであり、その記録データに基づいて転写ベルト1上に形成されるインク像の領域は、記録媒体9よりも大きい。その場合、画像のはみ出し量、つまり記録媒体9からインク像がはみ出る量は、画像の内容などに応じて適宜決定することができる。その画像のはみ出し量は、転写時における転写ベルト1と記録媒体との合わせ精度に応じて所定量以上、例えば、3mm以上(縁どり3mm以上)とすることが望ましい。縁なし記録を行うか否か(縁なしの有無)、および画像のはみ出し量の設定は、画像の記録前に画像供給装置110から送られてくる信号によって決定することができる。
ここで、縁なし記録を行うための画像展開について説明する。
縁なし記録を行うか否かは、記録データを形成する前に判断する。縁なし記録を行う場合、上述した処理によって展開された画像は、記録媒体9よりも大きな領域に形成できるように拡大された画像である。これにより、記録媒体8の外側にはみ出る位置までインクを吐出可能な記録データが生成される。このような記録データに基づいて、インク吐出ヘッド23から転写ベルト1の描画領域にインクが吐出されることにより、記録媒体9の縁部に余白のない縁なし画像を記録することができる。つまり、このような記録データに基づいて、記録媒体9のサイズよりも大きいサイズのインク像を転写ベルト1上に形成することにより、縁なし画像を記録することができる。
ステップS3では、搬送駆動されている転写ベルト1に対して、塗布ローラ20aによって処理液21を付与する。縁なし記録を行なう場合、処理液21を付与する転写ベルト1上の領域A2は、図6(a)に示すように、インク像が形成される転写ベルト1上の領域A1よりも広くすることが望ましい。このように、処理液21の付与領域A2を広くすることにより、転写時に記録媒体9への転写率が良好となることが確認できた。処理液21を付与した場合、処理液21と顔料インクとによって形成される凝集インクは、その凝集よって固形分と液体分とが分離しやすくなる。一方、処理液21を用いずに転写ベルト1上に描画したインク像は、水分がなくなると転写ベルト1へ強く付着するために、転写しにくくなる。そのため、転写体(転写ベルト1)上における顔料インクのみの付与領域のクリーニングは、容易ではなくなる。したがって、転写ベルト1上における処理液21の付与量域A2の面積は、縁なし記録を行うか否かに拘わらず、インクの付与領域A1の面積よりも大きくすることが好ましい。
その後、記録データ(インクの吐出データ)に基づいて、インク吐出ヘッド23(23a〜23d)を駆動することにより、それらのインク吐出ヘッド23からインクを吐出させる。前述した縁なし記録用の記録データの場合には、記録媒体9よりも広い領域A1にインクが吐出される。このようにインク吐出ヘッド23から吐出されるインクと、先に塗布ローラ部2により付与された処理液21と、によって、転写ベルト1上にインク像(記録画像のミラー反転画像)が形成される。すなわち、インクが転写ベルト1上の処理液21の画像固定成分と反応することにより、転写ベルト1上に色材が凝集したインク像を形成する。
その後、そのインク像は、水分を含む溶剤がインク処理部4にて蒸発乾燥され、その後の転写に最適な条件とされる。
一方、このように形成された転写ベルト1上のインク像の位置と整合するように、記録媒体9の搬送を行う(ステップS4)。すなわち、転写ベルト1上に形成されたインク像の先端位置と、記録媒体9と、が転写位置(ニップ部)において重なるように、搬送ローラ26a、26bによって記録媒体9を転写部5に搬送する。転写ベルト1と転写ローラ25との間のニップ部に、記録媒体9の先端が到達したことは、不図示のセンサにより検知される。その検知がなされると、カウンターローラ25が転写ベルトに接触して駆動され、そのカウンターローラ25が記録媒体9と転写ベルト1を介してローラ13に押し当てられる。これにより、転写部5における各ローラの押圧制御装置によって所定の転写圧が付与され、転写ベルト1上のインク像が記録媒体9上に転写される。
そして、記録媒体9の先端が転写部5から排出されたことが不図示のセンサによって検出されると同時に、分離爪27が駆動されて転写ベルト1と記録媒体9との間に挿入される。これにより、記録媒体9が転写ベルト1上から分離される。そして、転写ベルト1上から分離された記録媒体9は、搬送ガイドを通過してから、搬送定着ローラ28a、28bによって熱が加えられて定着処理され、その後、排紙トレイ上に導かれる。
次に、縁なし記録における転写時の動作について詳細に説明する。
前述したように、縁なし記録のための記録データに基づいて、記録媒体9よりも大きな転写ベルト1上の領域A1(図6(a)参照)にインク像が形成され、それが記録媒体9に転写される。記録媒体9に転写せずに転写体ベルト1上に残留したインクは、カウンターローラ25に転移してからクリーニングされる。カウンターローラ25として、フッ素系の樹脂コートやシリコーンオイルを塗布したゴムローラなどを用いた場合には、記録媒体9に残留したインクはカウンターローラ25に転移しない。この場合には、クリーニング部7だけによって転写ベルト1をクリーニングしなければならず、前述したように、転写ベルト1上のクリーニング不良、およびクリーニング部材との摺擦による転写ベルト1の表面の劣化を招くおそれがある。
本発明においては、転写体ベルト1上の残留インクをカウンターローラ25に積極的に転移させて、そのカウンターローラ25上に転移した残留インクをカウンターローラクリーニング部8のクリーニング部材17によって除去する。これにより、クリーニング部7に至る前に、転写ベルト1上のインク残りを低減して、クリーニング部7のクリーニング不良、およびクリーニング部材との摺擦による転写ベルト1の表面性能の劣化を低減させることができる。この結果、記録媒体9上に転写されなかったインク像の部分が転写体ベルト1上に残存しないように、転写体ベルト1を確実にクリーニングすることができる。
これらの結果、転写ベルト1上のインク像において、記録媒体9と接した部分は、ほぼ完全に記録媒体9へ転写され、同時に、記録媒体9からはみ出た部分は、カウンターローラ16へほぼ完全に転移される。カウンターローラ16へのインクの転移量は、そのカウンターローラ16の材質により変わる。カウンターローラ16の表面エネルギーが低ければインクの転移量は少なくなり、それが大きければインクはほぼ完全に転移する。例えば、フッ素系のゴムローラ、またはフッ素系の樹脂でコーティングされたローラをカウンターローラ16として用いた場合、あるいはカウンターローラ16の表面にシリコーンオイルを塗布した場合には、カウンターローラ16の表面エネルギーが小さくなる。したがって、このような表面エネルギーの小さいカウンターローラ16を用いなければ、カウンターローラ25にインクを転移させることができる。
本実施形態では、カウンターローラ25として、表面エネルギーが低いシリコーンゴムローラを用いることにより、多くのインクをカウンターローラ25に転移させることが可能となった。この時のシリコーンゴムローラの表面張力は、32mN/mであった。また、カウンターローラ25の表面エネルギーが低い場合であっても、その表面が凹凸形状であったり、残留インクとのタック性と言われる粘着性を有していれば、カウンターローラ25の材質に拘わらず、カウンターローラ25へのインクの転移は可能となる。
カウンターローラ25に転移したインクは、クリーニング部8のカウンターローラクリーニング部材16によってカウンターローラ25の表面から除去される。本実施例では、カウンターブレード17を用いてカウンターローラ25のクリーニングを行う。
カウンターローラ25をクリーニングするためのクリーニング部8のクリーニング手段としては、ブレード(スクレーパー)、スポンジ、スポンジローラ、粘着ローラを用いることができる。さらに、不織布によってカウンターローラ25をクリーニングするウエッブや回転ウエッブを用いることができ、また、カウンターローラ25上のインクを粘着ベルトに転移させてからブレードにより掻き取るクリーニング方法を採用することもできる。カウンターローラ25のクリーニング方式としては、クリーニング液を付与する湿式のクリーニング方式を採ることが望ましい。しかしながら、記録媒体9の裏面にクリーニング液が残留した場合には、記録媒体9の裏面を汚すおそれがある。そのため、クリーニング部8に複数枚のブレードを設けたり、異なるクリーニング方式を複数組み合わせるように構成してもよい。
以上のようにして、処理液21の付与、インク像の形成、記録媒体の搬送、および転写を含む一連の動作により、1枚の記録媒体9に対する記録が完了すると、終了処理が行われる(ステップS5)。具体的には、カウンターローラ25および分離爪27のそれぞれを転写ベルト1から離隔させる処理が行われる。さらに、クリーニングローラ31を転写体ベルト1に当接させ、クリーニング液33を塗布しながら転写ベルト1の表面をクリーニングし、そして転写ベルト1が1回転したときに、クリーニングローラ31を転写ベルト1から離隔させる処理を行うこともできる。また、後続の記録媒体9に対しても記録を続ける場合には、画像信号に応じて、上記の一連の動作を繰り返すことができる。一方、記録動作を終了して電源を切る場合には、各ヒータの駆動および転写ベルト1の回転駆動のオフを行う。
4.記録動作の具体例
次に、記録動作のより具体的な例について説明する。なお、以下の記載における「部」、「%」は、特に断わらない限り質量基準である。また、使用したインクおよび画像固定成分は、いずれも水で調整して総量を100部とした。
[顔料インクの調製]
まず、下記のように、顔料とアニオン性化合物とを含むブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各色の顔料インクを調製した。
ブラックインクK1
<顔料分散液の作製>
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 1.5部
(酸価240、重量平均分子量=5,000)
・モノエタノールアミン 1.0部
・ジエチレングリコール 5.0部
・イオン交換水 残部
上記成分を混合し、それをウォーターバスで70℃に加温して、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液に、新たに試作したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)を10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理した。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
さらに、遠心分離処理(12,000rpm.、20分間)を行って粗大粒子を除去して、黒色の顔料分散液とした。
<インクの調製>
上記の分散液を使用し、それに下記の組成比を有する成分を混合することにより、顔料を含有するインクを作製し、それをブラックの顔料インクK1とした。このインクの表面張力は、34mN/mであった。
・上記顔料分散液 20.0部
・ジエチレングリコール 3.0部
・ヘキシレングリコール 12.0部
・2−ピロリドン 3.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0部
・イオン交換水 残部
顔料インクC1
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントブルー15に代えて、シアン色の顔料インクC1を調製した。それ以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様である。
顔料インクM1
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントレッド7に代えて、マゼンタ色の顔料インクM1を調製した。それ以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様である。
顔料インクY1
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントイエロー74に代えて、イエロー色の顔料インクY1を調製した。それ以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様である。
[処理液の調製]
次に、下記のように、多価金属塩と界面活性剤とを含む処理液を調製した。
処理液R1
下記の組成の成分を混合溶解した後、さらに、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過して、処理液R1を得た。
・ジエチレングリコール 40.0部
・塩化カルシウム・2水和物 15.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製 1.0部
・イオン交換水 残部
[記録]
上述のように調整した処理液R1と、顔料インクK1、C1、M1およびY1と、を用いて画像を記録した。
本例では、第1処理液R1を処理液保持部材22に入れて、それを処理液塗布ローラ20aに供給した。また、顔料インクK1、C1、M1およびY1は、それぞれ対応するインク吐出ヘッド23a、23b、23cおよび23dに供給して、吐出動作が行われるようにした。これらのインク吐出ヘッドとしては、いずれも転写ベルト1の幅方向における記録密度が1200dpi(ドット/インチ;参考値)であって、1ドット当たりのインクの吐出量が4plのものを用いた。そして、これらのインク吐出ヘッドを駆動周波数10kHzで駆動した。
解像度1200dpiのカラー画像を記録する際には、まず、記録装置内の画像処理部(不図示)により、画像供給装置110から送られた多値の画像信号を誤差拡散法により2値化して、K、C、MおよびYの2値化データを生成する。縁なし記録を行う場合、その2値化データは、記録媒体9よりも大きな画像領域A1(図6(a))にインク像を形成するための記録データとなる。本例の場合は、転写ベルト1上に形成されたインク像が記録媒体の縁部から3mmはみ出すように、記録データを生成した。
そして、塗布ローラ20aにより処理液を転写ベルト1上に塗布してから、記録データに基づいて、インク吐出ヘッド23から顔料インクY1〜K1を順次吐出させて、転写ベルト1上にインク像を形成した。このように転写ベルト1上に形成されたインク像の主溶剤である水分は、次の工程において、温風乾燥機24からの送風によって蒸発させた。その後、そのインク像を転写部6にて記録媒体9(特菱両面アート紙 坪量110g、三菱製紙)に転写した。
記録媒体9に転写された画像は、加熱温度150℃の搬送定着ローラ28a、28bを通過することにより記録媒体9に定着させて、記録画像とする。最終的に得られたカラーの記録画像において、多色インクがベタ記録されるベタ部等、インクの打ち込み量が多い部分は、ビーディングやブリードが抑えられて、コントラストのはっきりした高画質画像であった。すなわち、ビーディングやブリーディングといった現象が生じることなく、転写ベルト1上から記録媒体9上にインク像がほぼ完全に転写されて、耐擦過性や耐水性にも優れた画像が得られた。縁なし記録を行った場合、記録媒体9に転写されなかった転写ベルト1上インクは、カウンターローラ25上にほぼ完全に転移した。そのカウンターローラ25上の転移したインクは、クリーニングブレード17により除去された。
このような動作により、転写ベルト1上にはインクの残りがほぼなくなり、転写ベルト1に接触するクリーニング部3のクリーニングローラ31の接触抵抗を低減することができて、転写ベルト1の表面のクリーニングが容易となった。上述の動作を繰り返して、記録を連続して行っても、転写ベルト1の表面にはインクが残らず、また傷なども付かず、連続して画像を記録することができた。
(第2の実施形態)
図7(a),(b)は、本発明の第2の実施形態の説明図である。
本実施形態においては、カウンターローラクリーニング部8に、第1および第2のクリーニング手段が備えられている。第1のクリーニング手段は、クリーニングブレード(クリーニング部材)17によってカウンターローラ25の表面を全面クリーニングする。つまり、転写ベルト1の接触部は、転写ベルト1の矢印Aの搬送方向と交差する方向(本例では、直交する方向)において、転写ベルト1の全幅に渡ってクリーニングブレード17に接する。第2のクリーニング手段は、転写ベルト1の幅方向の両側に位置する専用のクリーニングブレード50によって、縁なし記録時に転写ベルト1からカウンターローラ25に転移した残留インクをクリーニングする。転写ベルト1における残留インクの位置は決まっているため、カウンターローラ25に転移するインクの位置も決まっている。クリーニングブレード50は、そのカウンターローラ25に転移するインクと対向する位置に備えられている。
このように、カウンターローラ25に残留するインクを除去するためのクリーニング部材50の位置を決定することができ、カウンターローラ25を効率よく集中的にクリーニングすることができる。この結果、1枚のクリーニングブレード17では掻き取ることが難しいカウンターローラ25上のインクも掻き取ることが可能となり、カウンターローラ25の表面をより確実にクリーニングすることができる。また、クリーニング手段とカウンターローラ25との接触抵抗を小さく抑えて、カウンターローラ25の負荷を低減することもできる。
(第3の実施形態)
図8(a),(b)は、本発明の第3の実施形態の説明図である。
本実施形態においても上述した第2の実施形態と同様に、カウンターローラクリーニング部8に第1および第2のクリーニング手段が備えられている。第1のクリーニング手段は、クリーニングブレード(クリーニング部材)17によってカウンターローラ25の表面を全面クリーニングする。第2のクリーニング手段は、転写ベルト1の幅方向の両側に位置する専用のクリーニングブレード51によって、縁なし記録時に転写ベルト1からカウンターローラ25に転移した残留インクをクリーニングする。
クリーニングブレード51は、カウンターローラ25の母線に対して斜めに配備されている。つまり、カウンターローラ25に接するクリーニングブレード51の接触部は、それらの相対移動の方向に対して斜めに延在することになる。したがって、クリーニングブレード51によって掻き取られるカウンターローラ25上のインクは、カウンターローラ25の矢印B方向の回転に伴って、カウンターローラ25の両端部に向かって矢印C方向に移行する。カウンターローラ25の両端には凹状の溝25Aが形成されており、その溝25Aには、ゴムブレード54が当接している。クリーニングブレード51によって掻き取られたインクは、溝25A内に移行してから、さらにブレード54によって掻き取られて、インク回収容器(不図示)に回収される。
本実施形態においては、ブレード51上のインクを次々と回収するため、上述した実施形態に加えて、クリーニングの信頼性をさらに向上させることができる。図中の52は、転写ベルト1の位置を規制するためにカウンターローラ25に設けたフランジである。また、55は、クリーニングブレード17に付着したゴミや残留インクを回収して、クリーニングブレード17をリフレッシュするためのクリーナーである。このクリーナー55は、不図示の駆動系によってクリーニングブレード17がカウンターローラ25から離されたときに、そのクリーニングブレード17に接触して、クリーニングブレード17に付着した残留インクなどを回収する。
(第4の実施形態)
図9(a),(b)は、本発明の第4の実施形態の説明図である。
本実施形態においても上述した第2の実施形態と同様に、カウンターローラクリーニング部8に第1および第2のクリーニング手段が備えられている。第1のクリーニング手段は、転写ベルト1のベルト幅に対応する長さのクリーニングブレード(クリーニング部材)17によって、カウンターローラ25の表面を全面クリーニングする。第2のクリーニング手段は、転写ベルト1の幅方向の両側に位置する専用のクリーニングベルト61によって、縁なし記録時に転写ベルト1からカウンターローラ25に転移した残留インクを除去する。
クリーニングベルト61の材質としては、不織布を使用した。クリーニングベルト61は、3つのローラ軸62、63、64に備えられたゴムローラ62a、63a、64aの間に掛け渡されている。クリーニングベルト61は、クリーニング保持容器65に保持されるクリーニング液66に浸されている。クリーニング液66は、少なくとも界面活性剤、ジエチレングリコール、水から構成されている。ローラ軸62は不図示の駆動系に接続されており、このローラ軸62の回転により、クリーニング液66に浸漬されているクリーニングベルト61を駆動して、クリーニング液66を移送する。本例では、クリーニングベルト61をステッピング送りし、そのクリーニングベルト61とカウンターローラ25との摺擦によって、カウンターローラ25の残留インクを除去する。67は、クリーニングベルト61の表面に残る残留インクなど掻き取るブレードであって、クリーニングベルト61へのクリーニング液66の含浸量を規制する。
第1のクリーニング手段は、ゴムのクリーニングブレードによって、カウンターローラ25の全面に残るゴミ、ほこり、インク残りを掻き取ってクリーニングする。68は、クリーニングブレード17に付着したゴミや残留インクを回収して、クリーニングブレード17をリフレッシュするためのクリーナーである。このクリーナー68は、不図示の駆動系によってクリーニングブレード17がカウンターローラ25から離されたときに、そのクリーニングブレード17に接触して、クリーニングブレード17に付着した残留インクなどを回収する。
本実施形態においては、クリーニングベルト61上のインクを次々と回収するため、上述した実施形態に加えて、クリーニングの信頼性をさらに向上させることができる。また、クリーニングベルト61とカウンターローラ25とが接する接線部が小さいため、カウンターローラ25に掛かる負荷を小さくすることができる。また、クリーニンブレード17によってカウンターローラ25を効率的にクリーニングして、より確実に残留インクを回収することができる。また、クリーニング手段とカウンターローラ25との接触抵抗を小さく抑えて、カウンターローラ25の負荷を低減することもできる。
(第5の実施形態)
図10(a),(b)は、本発明の第5の実施形態の説明図である。
本実施形態においては、転写部5における搬送ローラ14として2つの搬送ローラ14A、14Bを備え、また、カウンターローラ25として2つのカウンターローラ25A,25Bを備えている。これにより、転写時に形成される搬送ローラ14(14A,14B)とカウンターローラ25(25A,25B)との間に形成されるニップ部を大きくしている。この結果、より高速な転写が可能となる。カウンターローラ25Aおよび25Bのそれぞれは、搬送ローラ14A、14Bと対向するように配置されている。また、カウンターローラ25A、25Bの間には、カウンターベルト71が張架されている。このカウンターベルト71に対して、第1および第2のクリーニング手段が備えられている。第1のクリーニング手段は、カウンターベルト71のベルト幅に対応する長さのクリーニングブレード(クリーニング部材)17によって、カウンターベルト71の表面を全面クリーニングする。第2のクリーニング手段は、カウンターベルト71の幅方向の両側に位置する専用のクリーニングベルト61によって、縁なし記録時に転写ベルト1からカウンターベルト71に転移した残留インクを除去する。このように、本実施形態においては、縁なし記録時に、転写ベルト1から記録媒体9に転写せずに残ったインクは、カウンターローラ25ではなく、カウンターベルト71に転移する。したがって、第1および第2のクリーニング手段は、そのカウンターベルト71上に転移したインクを除去することになる。
第1および第2のクリーニング手段は、前述した第4の実施形態と同様に構成されている。
すなわち、クリーニングベルト61の材質としては、不織布を使用した。クリーニングベルト61は、3つのローラ軸62、63、64に備えられたゴムローラ62a、63a、64aの間に掛け渡されている。クリーニングベルト61は、クリーニング保持容器65に保持されるクリーニング液66に浸されている。クリーニング液66は、少なくとも界面活性剤、ジエチレングリコール、水から構成されている。ローラ軸62は不図示の駆動系に接続されており、このローラ軸62の回転により、クリーニング液66に浸漬されているクリーニングベルト61を駆動して、クリーニング液66を移送する。本例では、クリーニングベルト61をステッピング送りし、そのクリーニングベルト61とカウンターベルト71との摺擦によって、カウンターベルト71上の残留インクを除去する。67は、クリーニングベルト61の表面に残る残留インクなど掻き取るブレードであって、クリーニングベルト61へのクリーニング液66の含浸量を規制する。
第1のクリーニング手段は、ゴムのクリーニングブレードによって、カウンターベルト71の全面に残るゴミ、ほこり、インク残りを掻き取ってクリーニングする。68は、クリーニングブレード17に付着したゴミや残留インクを回収して、クリーニングブレード17をリフレッシュするためのクリーナーである。このクリーナー68は、不図示の駆動系によってクリーニングブレード17がカウンターベルト71から離されたときに、そのクリーニングブレード17に接触して、クリーニングブレード17に付着した残留インクなどを回収する。
本実施形態においては、転写ベルト1とカウンターベルト71との間に大きなニップ部を形成することにより、転写ベルト1上のインクがカウンターベルト71上に転移する量が増える。さらに、カウンターベルト71上のインクを次々と回収するために、クリーニングの信頼性が向上する。また、クリーニングベルト61とカウンターベルト71とが接する接触面積が小さいため、カウンターローラ25に掛かる負荷を小さくすることができる。また、クリーニンブレード17によってカウンターベルト71を効率的にクリーニングして、より確実に残留インクを回収することができる。また、クリーニング手段とカウンターベルト71との接触抵抗を小さく抑えて、カウンターローラ25の負荷を低減することもできる。
(他の実施形態)
前述したように、記録データに基づいて、記録媒体のサイズよりも大きいサイズのインク像を転写ベルト上に形成することにより、縁なし画像を記録することができる。また、縁なし記録は、必ずしも、記録媒体の上下左右の縁部の全てに余白がない記録だけではなく、記録媒体の上下左右の縁部の少なくとも1つに余白がない記録をも含む。したがって、転写ベルト上に形成するインク像は、少なくとも一部が記録媒体の縁部からはみ出るサイズであってもよい。
また、転写ベルトにインクおよび処理液を付与する手段は、インク吐出ヘッドや塗布ローラを用いる構成のみに特定されず、要は、インクと処理液を付与してインク像を形成可能であればよい。また処理液は、インクと化学的または物理的に反応して、インクの流動性を低下させたり、顔料インク中の色材を凝集させたりすることができるものであればよい。
また、中間転写体上の余剰インクが転移するカウンター部材は、前述したように、中間転写体に記録媒体を押圧するカウンターローラまたはカウンターベルトである必要はなく、それらのカウンターローラまたはカウンターベルトとは別に備えてもよい。要は、記録媒体上に転写されなかったインク像の部分がカウンター部材上に移転すればよい。
本発明の第1の実施形態における記録装置の模式的断面図である。 図1の記録装置の制御系のブロック構成図である。 図1における転写ベルトの拡大断面図である。 図1における処理液付与部の模式的断面図である。 図1の記録装置による記録処理を説明するためのフローチャートである。 (a)は、図1の記録装置におけるカウンターローラクリーニング部の概略構成図、(b)は(a)のVI矢視図である。 (a)は、本発明の第2の実施形態における要部の概略構成図、(b)は(a)のVII矢視図である。 (a)は、本発明の第3の実施形態における要部の概略構成図、(b)は(a)のVIII矢視図である。 (a)は、本発明の第4の実施形態における要部の概略構成図、(b)は(a)のIX矢視図である。 (a)は、本発明の第5の実施形態における要部の概略構成図、(b)は(a)のX矢視図である。
符号の説明
1 転写ベルト
2 処理液付与部
3 インク付与部
4 インク像処理部
5 転写部
6 記録媒体分離部
7 クリーニング部
8 カウンターローラクリーニング部
9 記録媒体
23(23a、23b、23c、23d) インク吐出ヘッド

Claims (14)

  1. 中間転写体上に形成したインク像を記録媒体上に転写して、記録物を製造する記録物の製造方法において、
    前記中間転写体上にインクと当該インクに反応する処理液とを付与することにより、前記記録媒体のサイズよりも大きいサイズのインク像を前記中間転写体上に形成する工程と、
    前記記録媒体のサイズに対応する前記インク像の部分を前記記録媒体上に転写する転写工程と、
    前記記録媒体上に転写されなかった前記インク像の部分が前記中間転写体上に残存しないように、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、
    を含むことを特徴とする記録物の製造方法。
  2. 前記クリーニング工程は、前記記録媒体上に転写されなかった前記中間転写体上の前記インク像の部分をカウンター部材上に移転させる工程と、前記カウンター部材上に移転した前記インク像の部分を除去するように前記カウンター部材をクリーニングする工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録物の製造方法。
  3. 前記カウンター部材は、カウンターローラまたはカウンターベルトであり、
    前記転写工程においては、前記記録媒体を介して前記カウンター部材を前記中間転写体上に押圧する
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録物の製造方法。
  4. 前記カウンター部材をクリーニングする工程は、前記中間転写体上に前記記録媒体を押圧するために当該記録媒体に接する前記カウンター部材の部分をクリーニングする工程と、前記中間転写体上に接する前記カウンター部材の部分をクリーニングする工程と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の記録物の製造方法。
  5. 前記カウンター部材をクリーニングする工程において、前記カウンター部材に接する少なくとも1つのブレードを前記カウンター部材と相対移動させることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の記録物の製造方法。
  6. 前記カウンター部材に接する前記ブレードの接触部は、前記相対移動の方向に対して斜めに延在することを特徴とする請求項5に記載の記録物の製造方法。
  7. 前記カウンター部材をクリーニングする工程において、クリーニング液を含みかつ前記カウンター部材に接するクリーニングベルトを前記カウンター部材と相対移動させることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の記録物の製造方法。
  8. 前記中間転写体は、複数の搬送ローラの間に掛け渡されて搬送される転写ベルトであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の記録物の製造方法。
  9. 前記記録媒体のサイズよりも大きいサイズのインク像を前記中間転写体上に形成するための記録データを生成する工程を含み、
    前記記録データに基づいて、前記中間転写体上に前記インクと前記処理液を付与する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の記録物の製造方法。
  10. インク像を前記中間転写体上に形成する工程において、前記インクと前記処理液の少なくとも一方は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを用いて前記中間転写体に付与することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の記録物の製造方法。
  11. 中間転写体上に形成したインク像を記録媒体上に転写して、前記記録媒体に画像を記録する記録装置において、
    前記中間転写体上にインクと当該インクに反応する処理液とを付与することにより、前記記録媒体のサイズよりも大きいサイズのインク像を前記中間転写体上に形成する手段と、
    前記記録媒体のサイズに対応する前記インク像の部分を前記記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記記録媒体上に転写されなかった前記インク像の部分が前記中間転写体上に残存しないように、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、
    を含むことを特徴とする記録装置。
  12. 前記クリーニング手段は、前記記録媒体上に転写されなかった前記中間転写体上の前記インク像の部分をカウンター部材上に移転させる手段と、前記カウンター部材上に移転した前記インク像の部分を除去するように前記カウンター部材をクリーニングする手段と、を含むことを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
  13. 前記カウンター部材は、カウンターローラまたはカウンターベルトであり、
    前記転写手段においては、前記記録媒体を介して前記カウンター部材を前記中間転写体上に押圧する
    ことを特徴とする請求項12に記載の記録装置。
  14. 前記中間転写体は、複数の搬送ローラの間に掛け渡されて搬送される転写ベルトであることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の記録装置。
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