JP2014150043A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】素子基板、該素子基板上に形成された第1電極、該第1電極上に形成されかつ発光層を含む有機化合物層、及び該有機化合物層上に形成された第2電極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子本体部と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子本体部の光取り出し面側にガラスクロスからなる光取り出しシートとを備え、前記有機エレクトロルミネッセンス素子本体部と前記光取り出しシートは、無機充填材を含む光透過性接着剤によって貼合されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】図1
Description
1.素子基板、該素子基板上に形成された第1電極、該第1電極上に形成されかつ発光層を含む有機化合物層、及び該有機化合物層上に形成された第2電極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子本体部と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子本体部の光取り出し面側にガラスクロスからなる光取り出しシートとを備え、前記有機エレクトロルミネッセンス素子本体部と前記光取り出しシートは、無機充填材を含む光透過性接着剤によって貼合されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本実施形態の有機EL素子は、素子基板、該素子基板上に形成された第1電極(陽極)、該第1電極(陽極)上に形成されかつ発光層を含む有機化合物層、及び該有機化合物層上に形成された第2電極(陰極)を有する有機EL素子本体部と、前記有機EL素子本体部の光取り出し面側に光取り出しシートとを備えている。
接着層4とは、有機EL素子本体部1と封止材3とを接着し固定する接着層である。また、接着層5とは、有機EL素子本体部1と光取り出しシート2とを接着し固定する接着層である。(図1参照)。ここで、後記するように、光取り出しシート2は、光が取り出される構成の違いに応じて、陰極14の外側、陽極12の外側あるいは陰極14及び陽極12の両外側に設置される。そのため、接着層5も、それぞれの構成の違いに応じて、有機EL素子本体部1と光取り出しシート2との間に設けられることとなる。本実施形態では、光取り出しシート2が、陽極12の外側に設置されている場合(図1参照)について説明する。
本発明において有機EL素子本体部1と光取り出しシート2を接着し固定する接着層5は、無機充填材を含んでいる光透過性の接着剤からなる。
当該無機充填材を含有することで、接着層5作製時の組成物のはじきが防止されて、有機EL素子本体部1や光取り出しシートとの密着性を向上させることができる。
具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、シリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
金属酸化物は、一般に化学的に安定であり、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れている。特に微粒子の形態の場合には、こうした特性が重要となる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、シリカ等が好ましい。
金属酸化物の中でも、耐候性低下の原因である紫外線を吸収する機能に優れたものが好ましい。Ti、Ce、Zn及びFeからなる群から選ばれる1種以上の金属酸化物は、紫外線を吸収する機能に優れたものであり、より好ましいものである。
粘土鉱物とは、珪酸塩系無機充填材であり、層状の構造を有していることが多い。これらの中でもラミネート時に無機充填材が流動し難いという観点から、タルク、クレー、マイカ、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ハイドロタルサイト等の平板状粒子形態を有した粘土鉱物が好ましい。
有機EL素子本体部1と光取り出しシート2とを接着固定する接着層5に用いられる光透過性接着剤とは、可視光を透過する接着剤であり、具体的には20μm厚のシートとした際の可視光領域における全光線透過率(全光透過率)が40%以上であるものをいう。全光線透過率は、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。全光透過率をこの範囲に設定することにより、より良好な光取出し効果を図ることができる。なお、全光透過率は、JIS K−7361−1「プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法」に記載されている方法で測定することができる。
有機EL素子10に備えられる光取り出しシート2は、詳細は後記する有機化合物層13から放出された光が透過する電極(図1に示す有機EL素子10では陽極12)の外側に設けられ、ガラスクロス基材2aを含んでなるものである。ただし、光取り出しシート2の形状はシート状に何ら限定されず、例えば平板状等であってもよい。光取り出しシート2は、主として、ガラスクロスからなるガラスクロス基材2aから構成されるものであるため、それ自体耐候性に優れており、有機EL素子10に難燃性を付与することができるものである。
ガラスクロス基材2aは、ガラスクロスからなる。ガラスクロスは、ガラス繊維が織成されて形成されているものである。このようなガラスクロスの具体的な構成や種類、添加剤等は何ら限定されず、任意のガラスクロスが適用可能である。ただし、ガラスクロスは、通常は無色のものが好適である。また、ガラスクロス基材2aに適用可能なガラスクロスは、市販されているものであってもよく、適宜調製されたものであってもよい。また、ガラスクロスは、1種類が単独で用いられてもよく、2種類以上が任意に組み合わされて用いられてもよい。
ガラス繊維が長繊維の場合には、例えば、ガラス繊維を適宜引き揃えて固めたものが使用可能である。ただし、この場合、ガラス繊維は、撚りがかけられていることが好ましい。撚り数は特に制限されないが、例えば、100cmあたり、20回以上200回以下のものを使用することができる。撚り方向としては、右撚り(S撚り)、左撚り(Z撚り)のいずれであってもよい。また、撚り糸の形態としては、例えば、片撚り糸、諸撚り糸、ビッコ諸撚り糸、強撚糸、壁撚り糸、駒撚り糸等が挙げられる。
ガラスクロスはそのままでは取扱性、機械的強度が十分ではないため、必要に応じて、樹脂を含浸させて形態を固定化させることができる。含浸させる樹脂としては、種々の樹脂が使用し得るが、難燃性の観点からは難燃性樹脂が好ましい。難燃性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂等のフッ素系樹脂、シリカ系無機樹脂等が好ましく用いられるが、光透過性を損なわない範囲で難燃剤を添加しても良い。また光透過性を損なわない範囲で難燃剤を添加した酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の樹脂も用いることができる。難燃性樹脂を用いてガラスクロスを含浸処理することにより、有機EL素子としての難燃性のさらなる向上を図ることができる。
ガラスクロス基材2aの有機EL素子本体部1が設けられる面とは反体側の面に、保護層が形成されていてもよい。
保護層は、光取り出しシート2の一構成部材であり、ガラスクロス基材2aの表面に設けられるものである。保護層は、ガラスクロス基材2aの片面のみに設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。また、保護層は省略することもできる。
光取り出しシート2の物性は、特に制限されない。ただし、光取り出しシート2のヘイズ値が70%以上であることが好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ヘイズ値をこの範囲に設定することにより、より良好な光取り出し効率を図ることができる。ガラスクロスを構成するガラス繊維の種類、繊度、織密度等、あるいは含浸樹脂の種類(屈折率等)や処理条件等を制御して、より微細な構造とすることにより、ヘイズ値の数値を高いものとすることができる。
ヘイズ値(%)={拡散透過率(%)/全光透過率(%)}×100・・・(1)
また、ヘイズ値は、JIS K−7136「プラスチック−透明材料のヘイズの求め方」に記載されている方法で測定することができる。
有機EL素子本体部1は、陽極12及び陰極14からなる電極と、陽極12及び陰極14間に配置され、両電極(陽極12及び陰極14)間に電圧が印加されることにより発光する有機化合物層13とを備えるものである。有機EL素子10から取り出される光は、通常、有機EL素子本体部1から放出された光である。
(1)発光層/電子輸送層
(2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層
(3)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層
(4)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層(陰極バッファー層)(5)正孔注入層(陽極バッファー層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
素子基板11は、例えば、ガラス、プラスチック等の透明性材料で形成することができる。そして、素子基板11は、薄膜ガラス、透明樹脂フィルム等の可撓性のある基材で構成されることが好ましい。また、素子基板11は、透明樹脂材料により構成されることが好ましい。従って、素子基板11は、透明樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。
素子基板11と有機化合物層12との間には、防湿の観点から、1層又は2層以上のガスバリア層が形成されることが好ましい。なお、図1において、ガスバリア層は図示していない。
陽極12は、有機化合物層1(具体的には発光層)に正孔を供給(注入)する電極膜である。陽極12の材料の種類や物性は特に制限されず、任意に設定できる。例えば、陽極12は、仕事関数の大きい(4eV以上)材料、例えば、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物等の電極材料で形成可能である。また、陽極12は、酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する材料(透明電極)により構成されていてもよい。
有機化合物層13は、通常は、発光層に加えて、キャリア(正孔及び電子)の注入層、阻止層及び輸送層等の各種有機層を備えている。以下、各有機層の構成を説明するが、これらの有機層は図1においては図示していない。また、各種有機層の具体的な材料等は公知の材料等を適用することが可能であるため、その説明を省略する。
発光層は、陽極12から直接、又は陽極12から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、陰極14から直接、又は陰極14から電子輸送層等を介して注入される電子とが再結合することにより、発光する層である。なお、発光する部分は、発光層の内部であってもよいし、発光層とそれに隣接する層との間の界面であってもよい。
注入層は、駆動電圧の低下や発光輝度の向上を図るための層である。注入層は、通常は、電極及び発光層の間に設けられる。注入層は、通常は2つに大別される。即ち、注入層は、正孔(キャリア)を注入する正孔注入層、及び電子(キャリア)を注入する電子注入層に大別される。正孔注入層(陽極バッファー層)は、陽極12と、発光層又は正孔輸送層との間に設けられる。また、電子注入層(陰極バッファー層)は、陰極14と、発光層又は電子輸送層との間に設けられる。
阻止層は、キャリア(正孔、電子)の輸送を阻止するための層である。阻止層は、通常は2つに大別される。即ち、阻止層は、正孔(キャリア)の輸送を阻止する正孔阻止層と、電子(キャリア)の輸送を阻止する電子阻止層とに大別される。
輸送層は、キャリア(正孔及び電子)を輸送する層である。輸送層は、通常は2つに大別される。即ち、輸送層は、正孔(キャリア)を輸送する正孔輸送層と、電子(キャリア)を輸送する電子輸送層とに大別される。
陰極14は、発光層に電子を供給(注入)する電極膜である。陰極14を構成する材料は特に制限されないが、通常は、仕事関数の小さい(4eV以下)材料、例えば、金属(電子注入性金属)、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等の電極材料で形成される。
封止材3は、外気から有機EL素子本体部1等を保護するものである。封止材3の具体的な構成は特に制限されない。ただし、封止材3として可撓性材料を使用する場合には、封止材3は、樹脂層とガスバリア層とが積層されてなることが好ましい。
次に、本実施形態の有機EL素子の製造方法を説明する。ただし、以下に説明する方法は、本実施形態の有機EL素子を製造可能な方法の一例であり、本実施形態の有機EL素子の製造方法は以下の内容に何ら限定されるものではない。
ヒートクリーニング処理において、ガラスクロスはヒートクリーニングされる。具体的には、ガラスクロスが所定時間、所定温度で加熱される。この処理により、ガラスクロスの生機に付着した集束剤、滑剤等を除去することができる。ヒートクリーニング処理の条件は特に制限されないが、例えば、加熱炉を用いて、300℃〜400℃程度に加熱される。処理時間も特に制限はされないが、通常は24時間以上、好ましくは48時間以上であり、また通常は120時間以下、好ましくは96時間以下である。
シランカップリング剤処理において、ガラスクロスに対して、シランカップリング剤による処理が行われる。この処理によってガラスクロスの表面改質が行われ、含浸樹脂や接着剤等との接着性を向上させることができる。シランカップリング剤の種類は、特に制限されず、選択して適宜使用することができる。シランカップリング剤処理の条件は特に制限されないが、通常は、シランカップリング剤が溶解した溶液(シランカップリング剤溶液)を用いてガラスクロスに付着・乾燥させる方法で行われる。これにより、ガラスクロス表面にシランカップリング剤が固着又は固定化される。
含浸処理においては、ガラスクロスに対して、含浸樹脂を付着させて形態を固定化させる。具体的には、ガラスクロスを含浸樹脂を含む溶液に浸漬させ、その後乾燥させることにより、ガラスクロスは含浸樹脂によって処理される。乾燥条件は、特に制限されないが、例えば25℃24時間程度で乾燥処理を行うことができる。
このようにして、含浸樹脂が付着したガラスクロスが作製される。そして、このようにして作製されたガラスクロスは、本実施形態の有機EL素子に好適に使用される。
Eガラス(成分−SiO2;55質量%、Al2O3;14質量%、CaO;23質量%、MgO;1質量%、R2O;0.6質量%、B2O3;6質量%;Rはアルカリ金属)を用いて、モノフィラメント径6μm、モノフィラメント本数800本、67.5texのガラス繊維束を2本合撚して、ガラス繊維を製造した。このガラス繊維を縦糸及び横糸に用いて、縦糸の織密度が44本/25mm、横糸の織密度が35本/25mmとなるように平織のガラスクロスを製織した。その後、このガラスクロスに対して、400℃で72時間加熱してヒートクリーニング処理を行い、さらにシランカップリング剤としてメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いてシランカップリング剤処理を行って、光取り出しシート用のガラスクロスを作製した。得られたガラスクロスの厚さは180μmであった。
水に、コロイダルシリカ、シクロデキストリン、キトサン、プルラン、酵素(シクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼ、キトサナーザ、プルナラーザ、アミラーゼ)を添加して混合することによって、固形分濃度が30質量%であるバインダー樹脂の溶液を調製した。
得られたバインダー樹脂の溶液を光取り出しシートaで用いたガラスクロスに含浸させ、その後含浸物を120℃×2分間の乾燥条件で乾燥させることによって、樹脂組成物を含浸させた光取り出しシートbを作製した。乾燥後のバインダー樹脂の付着量は30g/m2であった。
光取り出しシートaで用いたガラスクロスを、PTFE水性分散液(ダイキン工業社製、製品名:D2CE)中に浸漬し、一定速度で引き上げるディッピング法によって、PTFE樹脂を付着させ、その後、100℃にて乾燥し、更に380℃にて焼成を行って、光取り出しシートcを作製した。乾燥後のバインダー樹脂の付着量は35g/m2であった。
アクリルポリオール(アクリディック49−394IM、固形分60%、DIC株式会社製):32質量部、シリカ樹脂粒子(平均粒径27.2μm):180質量部、シリコーン樹脂粒子(平均粒径30.0μm):40質量部、酢酸ブチル:215質量部の組成で調製された光取り出しシート用溶液を、厚さ100μmのPETフィルムに塗布することによって、光取り出しシートdを作製した。
塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体を主成分とする塩化ビニル樹脂(カネカ株式会社製、商品名:カネビラック)100質量部に、可塑剤としてジブチルフタレートを15質量部添加し、更に、平均粒径20nmの酸化亜鉛ナノ粒子としてFINEX−50W−LP2(堺化学工業社製)を30質量部添加し、メチルエチルケトン100質量部を加えて、ペイントシェーカーで2時間分散して、塩化ビニル樹脂溶液を調製した。
得られたバインダー樹脂の溶液を光取り出しシートaで用いたガラスクロスに含浸させ、その後含浸物を120℃×2分間の乾燥条件で乾燥させることによって、樹脂組成物を含浸させた光取り出しシートeを作製した。乾燥後のバインダー樹脂の付着量は36g/m2であった。
(素子基板の作製)
はじめに、プラズマCVD法による成膜を行うCVD装置を用いて、以下の条件で、素子基板表面にガスバリア層として窒化珪素膜を含む、ガスバリア層付き素子基板を作製した。
得られた素子基板上に、スパッタ装置により、陽極としてITO(酸化インジウム錫)を厚さ110nmで設けた。そして、フォトリソグラフィ法によりITOのパターニングを行い、その上に、特開2008−269962号公報の実施例1に記載の方法に則って、有機化合物層及び陰極を真空蒸着法にて形成して、有機EL素子本体部を作製した。このようにして得られた有機EL素子本体部は、発光パターンが20mm×16.5mm×4画素の4分割発光パターンである(4画素分合計で41mm×34mmの面積となる)。
膜厚50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ガスバリア層として、30μm厚のアルミニウム箔をラミネートして封止材を作製した。
封止材のアルミニウム箔面上に、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)を塗布し、封止材を静置した。その後、有機EL素子本体部の陰極と封止材のアルミニウム箔とが熱硬化型接着剤を介して対向するように積層した。1×10−2Paの減圧環境下で真空ラミネータを用いて、押圧力0.1MPaで100℃60秒間圧着し、さらに硬化処理として100℃30分間加熱を施して、有機EL素子本体部の封止を行った。
実施例1において、光取り出しシートaの表面に塗布する接着剤を、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)に平均粒径20nmの酸化亜鉛ナノ粒子としてFINEX−50W−LP2(堺化学工業社製)を30質量部添加し、20℃条件下ペイントシェーカーで2時間分散して混合したものに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Bを作製した。
実施例1において、光取り出しシートaの表面に塗布する接着剤を、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)に平均粒径20nmの酸化セリウムナノ粒子であるCERIGUARDSC−6832(大東化成工業株式会社製)を30質量部添加し、20℃条件下ペイントシェーカーで2時間分散して混合したものに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Cを作製した。
実施例1において、光取り出しシートaを光取り出しシートbに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Dを作製した。
実施例1において、光取り出しシートaを光取り出しシートcに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Eを作製した。
実施例1において、光取り出しシートaの表面に塗布する接着剤を、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)に平均粒径400nmの酸化チタン粒子としてKR-310(チタン工業株式会社製)を30質量部添加し、20℃条件下ペイントシェーカーで2時間分散して混合したものに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Fを作製した。
実施例1において、光取り出しシートaの表面に塗布する接着剤を、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)に平均粒径1μmの酸化チタン粒子としてST-750(チタン工業株式会社製)を30質量部添加し、20℃条件下ペイントシェーカーで2時間分散して混合したものに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Gを作製した。
実施例2において、光取り出しシートaを光取り出しシートeに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Hを作製した。
実施例1において、光取り出しシートaを使用せず、封止材のみを接着することとして、他は同様の条件で有機EL素子Iを作製した。
実施例1において、光取り出しシートaを光取り出しシートdに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Jを作製した。
素子基板の作製、有機EL素子本体部の作製までは、実施例1と同様に行い、有機EL素子の作製以降を下記に記載の方法で行った。
膜厚50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ガスバリア層として、30μm厚のアルミニウム箔をラミネートして封止材を作製した。
封止材のアルミニウム箔面上に、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)を塗布し、封止材を静置した。その後、有機EL素子本体部の陰極と封止材のアルミニウム箔とが熱硬化型接着剤を介して対向するように積層した。1×10−2Paの減圧環境下で真空ラミネータを用いて、押圧力0.1MPaで100℃60秒間圧着し、さらに硬化処理として100℃30分間加熱を施して、有機EL素子本体部の封止を行った。
実施例9において、光取り出しシートaの表面に塗布する接着剤に平均粒径0.7μmのタルクを30質量部添加し、他は同様の条件で有機EL素子Lを作製した。
実施例9において、光取り出しシートaの表面に塗布する接着剤を、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)に平均粒径0.3μmのハイドロタルサイトを30質量部添加したものに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Mを作製した。
実施例9において、光取り出しシートaの表面に塗布する接着剤を、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)に平均粒径0.7μmのタルク15質量部と平均粒径0.3μmのハイドロタルサイト15質量部とを混合して合計30質量部添加したものに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Nを作製した。
実施例9において、光取り出しシートaを光取り出しシートbに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Oを作製した。
実施例9において、光取り出しシートaを光取り出しシートcに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Pを作製した。
実施例9において、光取り出しシートaを使用せず、封止材のみを接着することとして、他は同様の条件で有機EL素子Qを作製した。
実施例9において、光取り出しシートaの表面に塗布する接着剤には無機充填材を添加せず、他は同様の条件で有機EL素子Rを作製した。
実施例9において、光取り出しシートaを光取り出しシートdに変更して、他は同様の条件で有機EL素子Sを作製した。
作製した光取り出しシートa〜e及び有機EL素子A〜Sについて、下記に記載の特性評価試験を行った。光取り出しシートについては、そのヘイズ値及び全光透過率についての評価を行い、有機EL素子A〜Jについては、輝度特性、耐候性及び難燃性についての評価を行い、有機EL素子K〜Sについては、輝度特性、密着性及び難燃性についての評価を行った。評価結果を表1及び表2に示した。
作製した光取り出しシートについて、ヘイズ値(%)はJIS K−7136に準拠し、全光透過率(%)はJIS K−7361−1に準拠して測定した。
輝度特性は以下のようにして評価した。まず、作製直後の有機EL素子に対して、陽極及び陰極間に2.5mA/cm2の直流電流を流し、輝度(初期輝度)を測定した。輝度(cd/m2)は、分光放射輝度計(コニカミノルタオプティクス社製 CS−2000)を用いて測定した。
有機EL素子A〜Jを、サンシャインウェザーメータを用いて、500時間、UVカットフィルター無しの条件で強制劣化処理を施した後、2.5mA/cm2の直流電流を流したときに必要となる電圧を測定し、強制劣化前の値との差(V)を算出した。数値が小さい方が耐候性に優れていることを示している。
光取り出しシートa〜dを備える有機EL素子K〜P、R、Sの光取り出しシートの剥離強度を測定した。また有機EL素子K〜P、R、Sを60℃90%環境下に500時間放置した後の剥離強度を測定した。剥離強度(N/cm)はイマダ社製の180°剥離試験機を用いて測定した。剥離強度は、4.0N/cm以上のとき優れていると判定した。
有機EL素子A〜Sに輻射熱で3.5W/cm2の熱を加えた状態で、さらに、各有機EL素子に対して炎を5分間当てた。その際の最大発熱量Peak RHR(Rated Heat Release)(kW/m2)、2分間の総発熱量THR(Total Heat Release)(kW×min/m2)を測定した。なお、最大発熱量及び総発熱量はいずれも、小さい方が難燃性に優れていることを示している。
2 光取り出しシート
2a ガラスクロス基材
3 封止材
4、5 接着層
10 有機EL素子
11 素子基板
12 陽極
13 有機化合物層
14 陰極
Claims (8)
- 素子基板、該素子基板上に形成された第1電極、該第1電極上に形成されかつ発光層を含む有機化合物層、及び該有機化合物層上に形成された第2電極を有する有機エレクトロルミネッセンス素子本体部と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子本体部の光取り出し面側にガラスクロスからなる光取り出しシートとを備え、前記有機エレクトロルミネッセンス素子本体部と前記光取り出しシートは、無機充填材を含む光透過性接着剤によって貼合されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記無機充填材は、平均粒径5μm以下の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記無機充填材の添加量が、前記光透過性接着剤100質量部に対して10〜50質量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記無機充填材は、金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記無機充填材は、粘土鉱物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記光透過性接着剤は、熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記光取出しシートのヘイズ値が70%以上であり、かつ全光透過率が40%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記光取出しシートは、難燃性の樹脂を含浸させていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013056363A JP6089834B2 (ja) | 2013-01-09 | 2013-03-19 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
Applications Claiming Priority (3)
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