JP2005326492A - 光拡散シートおよび液晶ディスプレイ用バックライト - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性および寸法安定性に優れ、また他の光学部材の性能を低下させることのない、表示品位に優れた光拡散シートを提供する。
【解決手段】 少なくとも透明樹脂(a)およびガラス繊維(b)からなり、少なくとも片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μm以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上、5μm以下である光拡散シート。または、片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μ以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上50μm以下であり、反対面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm未満、または凹凸の平均間隔(Sm)が50μm以上である光拡散シート。
【選択図】図3
【解決手段】 少なくとも透明樹脂(a)およびガラス繊維(b)からなり、少なくとも片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μm以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上、5μm以下である光拡散シート。または、片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μ以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上50μm以下であり、反対面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm未満、または凹凸の平均間隔(Sm)が50μm以上である光拡散シート。
【選択図】図3
Description
本発明は、耐湿、耐熱性に優れた光拡散シートおよび液晶ディスプレイ用バックライトに関する。
従来の液晶ディスプレイ用バックライトの例について図1に示す。冷陰極管などの線状光源(3)から出射された光は、導光板(5)を経由し、集光シート(2)、光拡散シート(1)を経由することで、均一な面発光となる。集光シート、光拡散シートの枚数、および組み合わせは図1以外にも考えられ、例えば導光板/光拡散シート/集光シート/光拡散シート/集光シート/集光シート、導光板/光拡散シート/集光シートなどがある。また画面輝度を上昇させるために導光板を除き、かつ線状光源を複数本用い、また視野角を広げるために集光シートを除いた図2に示されるような大型液晶ディスプレイ用バックライトも知られており、厚みの違いはあるがいずれの場合においても、光拡散シートは光源近くに配置されている。
液晶ディスプレイを駆動する際、バックライトの光源近傍は、100℃近い高温にさらされることもあるので、光源に最も近い光拡散シートは、耐熱性及び熱的寸法安定性が要求される。例えば、高温においてシートが膨張すると、ソリ、たわみが発生し、発光が面全体で不均一になり、ディスプレイとして表示不良を起こしてしまう。特に近年のディスプレイの大型化、および画面輝度の上昇により、熱変形による光拡散シートのソリ、たわみは、表示ムラとして大きな問題となっていた。またディスプレイの高温高湿下での耐久試験においても、光拡散シートは、熱膨張、吸水膨張などによって変形し、隣接するプリズムシート、導光板、偏光板など他の光学部材と接触し、接触した光学部材はさらに隣接する光学部材と接触を起こし、光学部材同士の機械的損傷、性能低下が発生し問題となっていた。
熱変形によるたわみを防止するために、拡散シートと光源の間の空間に真空部分を形成し、拡散シートに熱蓄積を与えない方法(特許文献1)があるが、製造工程が増え、コストアップにつながり、またバックライトシステム自体の厚みも大きくなることから、現実的な解決策とはいえなかった。
また熱変形によるたわみを防止するために、光学シートに粘着剤を介して補強シートを貼り合わせる方法(特許文献2)も提案されているが、部材間の膨張係数が違うため、高温高湿下ではソリが発生する恐れがあった。
さらに5nm以上100nm以下の無機超微粒子を、光拡散シート中に、光学特性に影響を与えない程度に含有させる製造方法も提案されている。しかしながら無機超微粒子の製造方法、必要な含有量などを考慮すると、光拡散シートの製造コストが大幅に増加することが予測され、これも現実的な解決方法ではないものと考えられる。
通常液晶ディスプレイの輝度ムラを低減させるため、図2に示すように、光拡散シート(21)は複数枚使用される。光拡散シート1枚では光拡散性が不十分であり、線状光源(23)が輝度ムラとして視認される。光拡散材をシート内部に含有させることも可能であるが、全光線透過率が低下するという問題があった。
本発明は、耐熱性および寸法安定性に優れ、また他の光学部材の性能を低下させることのない、表示品位に優れた光拡散シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、透明樹脂(a)とガラス繊維(b)を組み合わせることで、シートの低線膨張を達成し、高温高湿条件下でも、たわみが少なく、さらに、少なくとも該シートの一方の表面を、十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μ以下であり、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μ以上50μ以下である凹凸形状を付与することで、拡散性能に優れた光拡散シートを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1) 少なくとも透明樹脂(a)およびガラス繊維(b)からなり、少なくとも片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μm以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上、5μm以下である光拡散シート。
(2)片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μ以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上50μm以下であり、反対面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm未満、または凹凸の平均間隔(Sm)が50μm以上である(1)の光拡散シート。
(3) ガラス繊維(b)がガラスクロス織布(c)である(1)、(2)の光拡散シート。
(4) 透明樹脂(a)が反応性モノマー(d)を硬化させてなる硬化性樹脂である(1)〜(3)の光拡散シート。
(5) 透明樹脂(a)が屈折率の異なる2種以上の反応性モノマー(d)を含む組成物を硬化させてなる(1)〜(4)の光拡散シート。
(6) 反応性モノマー(d)が、(メタ)アクリロイル基を有する(4)、(5)の光拡散シート。
(7) 反応性モノマー(d)が、エポキシ基を有する(4)、(5)の光拡散シート。
(8) 反応性モノマー(d)が、環式脂肪族エポキシ化合物である(4)、(5)の光拡散シート。
(9) 前記透明樹脂(a)の全光線透過率が80%以上である(1)〜(8)の光拡散シート。
(10) 30〜150℃の平均線膨張係数が40ppm以下である(1)〜(9)の光拡散シート。
(11) ヘイズが80%以上である(1)〜(10)の光拡散シート。
(12) 全光線透過率が40%以上である(1)〜(11)の光拡散シート。
(13) 313nmの紫外光が5×105J/m2に相当するよう超高圧水銀灯で光照射したときの透過光の色度変化が0.03以下である(1)〜(12)の光拡散シート。
(14)50℃、95%の環境下に、40時間吸湿処理したときの吸湿寸法変化が、2000ppm以下である(1)〜(13)の光拡散シート。
(15) (1)〜(14)の光拡散シートを用いた液晶ディスプレイ用バックライト。
(16) (1)〜(15)の光拡散シートにおける十点平均粗さ(Rz)が3μm以上の面を、光拡散の対象とする光源と反対側に配置した液晶ディスプレイ用バックライト。
である。
(1) 少なくとも透明樹脂(a)およびガラス繊維(b)からなり、少なくとも片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μm以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上、5μm以下である光拡散シート。
(2)片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μ以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上50μm以下であり、反対面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm未満、または凹凸の平均間隔(Sm)が50μm以上である(1)の光拡散シート。
(3) ガラス繊維(b)がガラスクロス織布(c)である(1)、(2)の光拡散シート。
(4) 透明樹脂(a)が反応性モノマー(d)を硬化させてなる硬化性樹脂である(1)〜(3)の光拡散シート。
(5) 透明樹脂(a)が屈折率の異なる2種以上の反応性モノマー(d)を含む組成物を硬化させてなる(1)〜(4)の光拡散シート。
(6) 反応性モノマー(d)が、(メタ)アクリロイル基を有する(4)、(5)の光拡散シート。
(7) 反応性モノマー(d)が、エポキシ基を有する(4)、(5)の光拡散シート。
(8) 反応性モノマー(d)が、環式脂肪族エポキシ化合物である(4)、(5)の光拡散シート。
(9) 前記透明樹脂(a)の全光線透過率が80%以上である(1)〜(8)の光拡散シート。
(10) 30〜150℃の平均線膨張係数が40ppm以下である(1)〜(9)の光拡散シート。
(11) ヘイズが80%以上である(1)〜(10)の光拡散シート。
(12) 全光線透過率が40%以上である(1)〜(11)の光拡散シート。
(13) 313nmの紫外光が5×105J/m2に相当するよう超高圧水銀灯で光照射したときの透過光の色度変化が0.03以下である(1)〜(12)の光拡散シート。
(14)50℃、95%の環境下に、40時間吸湿処理したときの吸湿寸法変化が、2000ppm以下である(1)〜(13)の光拡散シート。
(15) (1)〜(14)の光拡散シートを用いた液晶ディスプレイ用バックライト。
(16) (1)〜(15)の光拡散シートにおける十点平均粗さ(Rz)が3μm以上の面を、光拡散の対象とする光源と反対側に配置した液晶ディスプレイ用バックライト。
である。
本発明の光拡散シートは、高温高湿条件下においてもシートのソリが小さいため、均一な面発光が可能であり、隣接する他の光学部材を損傷させることもない。本発明の光拡散シートを用いることによって、信頼性に優れ、高品位な液晶ディスプレイ用のバックライトを提供できるようになった。
本発明の光拡散シートは図3に示すように、透明樹脂(a)(8)にガラス繊維(b)(9)を含有させることで、耐熱性および耐湿性を高め、また透明樹脂(a)とガラス繊維(b)の屈折率の差、およびシート表面の形状を利用することで、光拡散性を制御するものである。
本発明の透明樹脂(a)は、熱あるいはエネルギー線で硬化する硬化性樹脂が好ましく、該硬化性樹脂は反応性モノマー(d)から製造かれることが好ましい。反応性モノマー(d)は1種類でも良いが、屈折率の異なる2種以上の反応性モノマー(d)を含むことが好ましい。屈折率の異なる反応性モノマーの比率を調整することで、ガラス繊維(b)との屈折率差が調整でき、光拡散シートの光拡散性および耐熱性を制御できる。
本発明の反応性モノマー(d)の具体的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリルアクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のような(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいはビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、臭素化エポキシ化合物、多官能エポキシ化合物、環式脂肪族エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアヌレート化合物、縮合多環式エポキシ化合物、含ケイ素エポキシ化合物、含ホスフィンエポキシ化合物等のようなエポキシ基を有する化合物等が挙げられるが、耐熱性を向上させるために、重合基を2つ以上有することが好ましい。
バックライトの輝度を向上させるためには、本発明の透明樹脂(a)の全光線透過率は、80%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。
本発明の透明樹脂(a)のガラス転移温度は、使用環境、保存環境を顧慮すると120℃以上であることが好ましい。
本発明で用いるガラス繊維(b)としては、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布、チョップドガラスなどが挙げられ、中でも線膨張係数の低減効果が高いことから、ガラスクロス、ガラス不織布が好ましく、ガラスクロスが最も好ましい。
ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが挙げられ、中でも入手の容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
ガラス繊維(b)の配合量は透明樹脂(a)に対して1〜90重量%が好ましく、より好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。ガラス繊維(b)の配合量がこの範囲であれば成形が容易で、線膨張の低下の効果が認められる。
本発明の光拡散シートにおいては、ガラス繊維(b)と樹脂とが密着しているほど、全光線透過量が増大するため、ガラス繊維(b)表面をシランカップリング剤などの公知の表面処理剤で処理するのが好ましい。
本発明の光拡散性を増加させる方法として、透明樹脂(a)の屈折率とガラスフィラー(
b)の屈折率の差は、0.003以上にすることが好ましく、またシート表面形状は凸凹状であることが好ましい。表面形状を凸凹にする方法としては、エンボス加工、PETフィルム、金属フィルムなどによるマット転写、金型を用いた注型、等が挙げられるが、これらの方法は透明樹脂(a)の硬化条件等によって使い分けることができる。
b)の屈折率の差は、0.003以上にすることが好ましく、またシート表面形状は凸凹状であることが好ましい。表面形状を凸凹にする方法としては、エンボス加工、PETフィルム、金属フィルムなどによるマット転写、金型を用いた注型、等が挙げられるが、これらの方法は透明樹脂(a)の硬化条件等によって使い分けることができる。
本発明の光拡散シート表面の十点平均粗さ(Rz)は、3μm以上100μm以下、特に5μm以上50μm以下が好ましく、かつ凹凸の平均間隔(Sm)は0.1μm以上5μm以下、特に1μm以上5μm以下が好ましい。Rzが3μm以下では可視光に対する拡散効果が小さく、また可視光の干渉が生じやすいので、好ましくない。Rzが100μm以上になると、凹凸の形状が目立ちやすくなり、表示ムラの原因となり好ましくない。Smについても、0.1μm以下では可視光に対する拡散効果が小さく、また可視光の干渉が生じやすいので好ましくない。Smが100μm以上になると、凹凸の形状が目立ちやすくなり表示ムラの原因となり好ましくない。またSmが100μm以上のとき、Rzが3μm程度であれば、凹凸形状は目立たないが、拡散効果が小さく好ましくない。
本発明の光拡散シートは、裏表両面とも、もしくは片面のみ、十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μ以下でかつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上50μm以下である凹凸形状を付与することができる。両面凹凸形状を付与した場合は拡散効率がより向上する。
本発明の光拡散シートにおいて、片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μ以下であり、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上50μm以下であり、また反対側の表面の十点平均粗さ(Rz)が3μm未満、または凹凸の平均間隔(Sm)が5μm以上である場合、光拡散性は、該シートを、光拡散の対象とする光源に対して、凹凸が大きい面を相対させる場合と、凹凸の小さい面を相対させる場合で異なる。すなわち図6のように、凹凸の小さい面を相対させた場合、バックライトの正面輝度が上昇する。
表面の凹凸の断面形状がレンズ状である例を図4に示す。図4(a)、(b)のように凹レンズ状では、レンズ面を光源と反対側に配置した場合、光源の光拡散性を保ちながら輝度上昇させることができる。図4(c)のように凸レンズ状では、レンズ面を光源と反対側に配置した場合、拡散性を向上させることができる。
本発明の光拡散シートは微粒子を添加することで、光拡散性能を調整することもできる。微粒子の種類としては、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム、シリカゲルなどの無機物、およびアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、シリコーン、スチレンなどの有機物があり、単独あるいは2種類以上使用してもかまわない。
微粒子の形状は、ほぼ球形であることが好ましく、粒径の平均は0.1μm以上100μm以下が好ましい。微粒子を用いる場合は、透明樹脂(a)の屈折率とガラス繊維(b)の屈折率の差を、0.003未満としてもよい。
本発明の光拡散シートの成形方法に制限はなく、例えば、未硬化の透明樹脂(a)とガラス繊維(b)とを直接混合し、注型したのち架橋させてシートとする方法、未硬化の透明樹脂(a)と溶剤の溶液にガラス繊維(b)を分散させ、このものをキャストした後、
架橋させてシートとする方法、未硬化の透明樹脂(a)をガラスクロスやガラス不織布に含浸させた後、ガラス板、銅泊、PETフィルムなど適当な支持体に挟み込み、このものを架橋させてシートにする方法する方法等が挙げられる。
架橋させてシートとする方法、未硬化の透明樹脂(a)をガラスクロスやガラス不織布に含浸させた後、ガラス板、銅泊、PETフィルムなど適当な支持体に挟み込み、このものを架橋させてシートにする方法する方法等が挙げられる。
本発明の光拡散シートの厚さは10〜10000μmであり、より好ましくは100〜2000μmである。本発明の光拡散シートを液晶ディスプレイ用バックライトに用いた場合、薄型、軽量である液晶ディスプレイを製造できる。
また、ディスプレイ用途で用いる場合、30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下である。特に、平均線膨張係数が30ppm以下である光拡散シートを用いれば、15インチ以上の大型液晶ディスプレイに用いた場合でも、光拡散シートの高温高湿下でのソリ、たわみが小さく、これらに起因する表示ムラを解消できる。
本発明の光拡散シートは、その光拡散性能として、ヘイズが80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上である。
より明るいディスプレイを実現するためには、本発明の光拡散シートの全光線透過率は、40%以上であることが好ましく、より好ましくは50%、最も好ましくは、60%以上である。
本発明の光拡散シートは、光源近くに配置されることから、耐光性に優れることが好ましい。超高圧水銀灯を用い、313nmのUV光が積算で5×105J/m2になるまで光照射したときの、該シートの透過光の色度変化が、0.03以下であることが好ましい。より好ましくは0.02以下、最も好ましくは0.01以下である。
吸湿寸法変化率が大きい光拡散シートをディスプレイに適用した場合、ディスプレイ駆動時、あるいは保管時において、光拡散シートが内部で膨張し、液晶パネル、その他の光学部材を損傷する原因となる。そのため本発明の光拡散シートの吸湿寸法変化は、50℃、95%、40時間吸湿処理した場合、2000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは1000ppm以下、最も好ましくは500ppm以下である。
本発明の光拡散シートには、必要に応じて、光拡散性、耐溶剤性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、熱可塑性又は熱硬化性のオリゴマーやポリマーを併用してよい。また、本発明の光拡散シートには、必要に応じて、光拡散性、耐溶剤性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、少量の溶剤、重合開始剤、増感剤、硬化剤、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、ブルーイング剤、染料、無機フィラー等の添加剤を含んでいても良い。特に、エポキシ化合物用硬化剤としては、酸無水物系硬化剤またはジシアンジアミドを用いることが樹脂の透明性を高める上で望ましい。特に、ジシアンジアミドはエポキシ樹脂組成物の硬化度を制御し易く、成形の上でも望ましい硬化剤である。
さらに必要に応じて、シート片面あるいは両面に反射防止処理、帯電防止処理、赤外線吸収処理などを施しておいてもよく、また水蒸気、酸素などの気体透過を抑制するバリア層を積層していてもよい。
さらに必要に応じて、シート片面あるいは両面に反射防止処理、帯電防止処理、赤外線吸収処理などを施しておいてもよく、また水蒸気、酸素などの気体透過を抑制するバリア層を積層していてもよい。
本発明の液晶ディスプレイ用バックライトは、本発明の光学シートを少なくとも1枚含むことを特徴としているが、その他プリズムシートのような集光シート、偏光を選択的に取り出すことのできる輝度向上フィルム、電磁波遮蔽に用いられる透明導電性シートなどを含んでいても良い。液晶ディスプレイ用バックライトを構成する光学シートの種類、枚数、配置位置は、液晶ディスプレイの求められる品質によって自由に選択できる。
以下、実施例を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
線膨張係数は、セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から400℃まで上昇させて20分間保持し、30℃〜150℃の時の値を測定して平均を求めた。荷重は5g、引張モードで測定を行った。なお、測定には独自に設計した石英引張チャック(材質:石英,線膨張係数0.5ppm)を用いた。
全光線透過率およびヘイズは、(株)東洋精機製作所製、直読ヘイズメーターを用いて測定した。
耐光性の評価は、光拡散シートにUV光を照射し、その時の色度変化を見た。光照射はUV照射装置(ウシオ電機製、ML−251D/B)を用い、313nmの紫外光量は、分光放射照度計(ウシオ電機製、USR−40D)を用いて測定した。色度は、UV/VIS分光光度計(島津製作所製、UV2400PC)を用いて全光線透過光量を測定し求めた。
吸湿寸法変化は、本発明の光拡散シートを10cm角に切断し、100℃で24時間乾燥させた後、50℃、95%、の環境で40時間放置し、ミツトヨ製測定顕微鏡(QVC−2)を用いて寸法変化量を測定した。
表面の粗さ測定は、キーエンス製超深度形状測定顕微鏡(VK−8500)を用い、JIS B 0601−1994に準じて行なった。
(実施例1)
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製EHPE3150)120重量部、硬化触媒ジシアンジアジド(DDA、日本カーバイド製)6重量部をジメチルホルムアミド80重量部に溶解し、Eガラス系ガラスクロス(厚さ180μm、日東紡製)に含浸させ、170℃で5分予備乾燥しプリプレグを得た。このものを、2枚の銅箔(古河サーキットフォイル社製:GTS2−18μm)で挟み、80℃45分、200℃で90分、15kg/cm2でプレス成型を行った。このとき2枚の銅箔の粗化面は、それぞれ樹脂側にセットした。冷却後、37%塩化第二鉄水溶液で銅箔をエッチングし、厚さ200μmのシートを得た。
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製EHPE3150)120重量部、硬化触媒ジシアンジアジド(DDA、日本カーバイド製)6重量部をジメチルホルムアミド80重量部に溶解し、Eガラス系ガラスクロス(厚さ180μm、日東紡製)に含浸させ、170℃で5分予備乾燥しプリプレグを得た。このものを、2枚の銅箔(古河サーキットフォイル社製:GTS2−18μm)で挟み、80℃45分、200℃で90分、15kg/cm2でプレス成型を行った。このとき2枚の銅箔の粗化面は、それぞれ樹脂側にセットした。冷却後、37%塩化第二鉄水溶液で銅箔をエッチングし、厚さ200μmのシートを得た。
得られた光拡散シートの一方の表面Rzは7.0μm、Smは3.0μm、反対側の表面表面Rzは2.0μm、Smは6.0μm、全光線透過率は60%、ヘイズは94%、線膨張係数は14ppmであった。UV照射装置を用い48時間光照射したところ、313nmのUV光が5×105J/m2となった。このときの色度(y)の変化は0.0002であった。50℃、95%、40時間吸湿処理した場合の吸湿寸法変化は、400ppmであった。
図5の構成のバックライトユニットを持つ液晶ディスプレイに本発明の光拡散シートを組み込み、60℃、85%RHの高温高湿試験を行った。その結果、100時間後においてもたわみは発生せず、常温に戻したあとバックライトを点灯しても、輝度ムラは発生しなかった。
(実施例2)
実施例1においてプレス成形する際、一方の銅箔は粗化面を樹脂側に配置し、もう一方の銅箔は、粗化面を樹脂と反対側に配置し、同様にシートを作製した。
実施例1においてプレス成形する際、一方の銅箔は粗化面を樹脂側に配置し、もう一方の銅箔は、粗化面を樹脂と反対側に配置し、同様にシートを作製した。
得られた光拡散シートの一方の表面Rzは7.0μm、Smは3.0μm、反対側の表面Rzは2.0μm、Smは5.0μmであった。Rzの小さな面を光源側にしたときの全光線透過率は74%、ヘイズは94%であった。
図5の構成のバックライトユニットを持つ液晶ディスプレイに本発明の光拡散シートを組み込み、60℃、85%RHの高温高湿試験を行った。その結果、100時間後においてもたわみは発生せず、常温に戻したあとバックライトを点灯しても、輝度ムラは発生しなかった。
(比較例1)
実施例1において得られた光拡散シートの代わりに、市販の光拡散シート(恵和製、BS−017、一方の表面凹凸は、Rz=18μm、Sm=9.0μm)を用い、図5の構成のバックライトユニットを持つ液晶ディスプレイに該光拡散シートを組んだところ、線状の光源が輝度ムラとなって視認され、ディスプレイとしての表示品位が著しく低下することがわかった。
実施例1において得られた光拡散シートの代わりに、市販の光拡散シート(恵和製、BS−017、一方の表面凹凸は、Rz=18μm、Sm=9.0μm)を用い、図5の構成のバックライトユニットを持つ液晶ディスプレイに該光拡散シートを組んだところ、線状の光源が輝度ムラとなって視認され、ディスプレイとしての表示品位が著しく低下することがわかった。
本発明の光拡散シートは、例えば、透明板、窓材、光線コントロールシート、液晶表示素子用光学シート、カラーフィルター用シート、EL表示素子用プラスチックシート、太陽電池シート、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に用いられる。
1,21,31:光拡散シート、2,22,32:集光シート、3,23,33:線状光源、4,24,34:反射シート、5:導光板、6,26,36:バックライト、37:輝度向上フィルム、a:透明樹脂、b:ガラス繊維
Claims (16)
- 少なくとも透明樹脂(a)およびガラス繊維(b)からなり、少なくとも片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μm以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上、5μm以下である光拡散シート。
- 片面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm以上100μ以下で、かつ凹凸の平均間隔(Sm)が0.1μm以上50μm以下であり、反対面の表面十点平均粗さ(Rz)が3μm未満、または凹凸の平均間隔(Sm)が50μm以上である請求項1記載の光拡散シート。
- ガラス繊維(b)がガラスクロス織布(c)である請求項1または2記載の光拡散シート。
- 透明樹脂(a)が反応性モノマー(d)を硬化させてなる硬化性樹脂である請求項1〜3何れか一項記載の光拡散シート。
- 透明樹脂(a)が屈折率の異なる2種以上の反応性モノマー(d)を含む組成物を硬化させてなる請求項1〜4何れか一項記載の光拡散シート。
- 反応性モノマー(d)が、(メタ)アクリロイル基を有する請求項4または5記載の光拡散シート。
- 反応性モノマー(d)が、エポキシ基を有する請求項4または5記載の光拡散シート。
- 反応性モノマー(d)が、環式脂肪族エポキシ化合物である請求項4または5記載の光拡散シート。
- 前記透明樹脂(a)の全光線透過率が80%以上である請求項1〜8何れか一項記載の光拡散シート。
- 30〜150℃の平均線膨張係数が40ppm以下である請求項1〜9何れか一項記載の光拡散シート。
- ヘイズが80%以上である請求項1〜10何れか一項記載の光拡散シート。
- 全光線透過率が40%以上である請求項1〜11何れか一項記載の光拡散シート。
- 313nmの紫外光が5×105J/m2に相当するよう超高圧水銀灯で光照射したときの透過光の色度変化が0.03以下である請求項1〜12何れか一項記載の光拡散シート。
- 50℃、95%の環境下に、40時間吸湿処理したときの吸湿寸法変化が、2000ppm以下である請求項1〜13何れか一項記載の光拡散シート。
- 請求項1〜14何れか一項記載の光拡散シートを用いた液晶ディスプレイ用バックライト。
- 請求項1〜15何れか一項記載の光拡散シートにおける十点平均粗さ(Rz)が3μm以上の面を、光拡散の対象とする光源と反対側に配置した液晶ディスプレイ用バックライト
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