JP2008287933A - 導光板、製造方法および液晶ディスプレイ用バックライト - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性に優れ、また光集光、光拡散などの複数の機能を備えた導光板、製造方法、および表示品位に優れた液晶ディスプレイ用バックライトを提供すること。
【解決手段】 透明樹脂およびガラス繊維を含有する複合体から構成される導光板であり、好ましくは透明樹脂が環式脂肪族骨格からなる化合物を有しており、ガラス繊維がガラスクロスからなるものであり、更に微小な突起構造の集合体が空気層を介して一体となっている構造を有し、突起構造が透明基材上に形成されている導光板。
【選択図】 図4
【解決手段】 透明樹脂およびガラス繊維を含有する複合体から構成される導光板であり、好ましくは透明樹脂が環式脂肪族骨格からなる化合物を有しており、ガラス繊維がガラスクロスからなるものであり、更に微小な突起構造の集合体が空気層を介して一体となっている構造を有し、突起構造が透明基材上に形成されている導光板。
【選択図】 図4
Description
本発明は、耐湿、耐熱性に優れた導光板、製造方法および液晶ディスプレイ用バックライトに関する。
従来の液晶ディスプレイ用バックライトの例について図1に示す。冷陰極管などの線状光源(3)から出射された光は、導光板(5)を経由し、光拡散シート(1)、集光シート(2)、光拡散シート(1)を経由することで、均一な面発光となる。集光シート、光拡散シートの枚数、および組み合わせは図1以外にも考えられ、例えば導光板/光拡散シート/光拡散シート/集光シート/集光シート、導光板/光拡散シート/集光シート/光拡散シート/集光シートなどがある。また画面輝度を上昇させるために導光板を除き、かつ線状光源やLEDランプを複数個用いたような、図2に示されるような大型液晶ディスプレイ用バックライトも知られている。
液晶ディスプレイを駆動する際、光源近傍は、100℃近い高温にさらされるので、光源に最も近い光学部材は、耐熱性及び熱的寸法安定性が要求される。例えば、導光板、光拡散シート、集光シートが高温にさらされると、反り、たわみが発生し、発光が面全体で不均一になり、ディスプレイとして表示不良を起こしてしまう。近年のディスプレイは、薄型化、画面の高輝度化が進んでいるが、熱変形による光学部材の反り、たわみは、表示ムラの原因として問題となっていた。
一方、図1に示すように、液晶ディスプレイには複数の光学部材が使用されるが、使用されているが、コスト削減のために1枚のシートで複数の機能を持たせることが望まれている。例えば高輝度化を実現するには、導光板上に出射光制御シートが設けられた構成の面光源素子が提案されている(特許文献1、2参照)。この面光源素子は、導光板と出射光制御シートの微小な突起構造の先端とが、光線が通過可能なように接着しており、また該突起構造と導光板との間に空気層が存在するので、突起構造壁面で光源からの入射光の全反射が生じ、これによって該突起部でプリズムシートのような集光効果が発現する。
ところで、この構成の面光源素子では、高温、高湿化で導光板と出射光制御シートの微小な突起構造の先端との接着剥がれが起こり問題であった。一旦接着剥がれが生じると、導光板と突起構造の先端の間に空気層が形成され、導光板中の光線を外部に取り出すことが困難になる。
本発明は、耐熱性に優れ、また光集光、光拡散などの複数の機能を備えた導光板、製造方法、および表示品位に優れた液晶ディスプレイ用バックライトを提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、透明樹脂(a)とガラス繊維(b)を組み合わせることで、導光板の低線膨張を達成し、高温高湿条件下でも、光学部材の剥離の抑制された、表示品位に優れた導光板を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)透明樹脂およびガラス繊維を含有する複合体から構成される導光板。
(2)前記透明樹脂が環式脂肪族骨格からなる化合物を有している(1)記載の導光板。
(3)前記ガラス繊維がガラスクロスからなるものである(1)又は(2)記載の導光板。
(4)(1)〜(3)何れか一項記載の導光板において、更に微小な突起構造の集合体が空気層を介して一体となっている構造を有する導光板。
(5)前記突起構造が曲面構造を含む(4)記載の導光板。
(6)前記突起構造が平面構造を含む(4)又は(5)記載の導光板。
(7)前記突起構造が透明基材上に形成されている(4)〜(6)何れか一項記載の導光板。
(8)前記透明基材の突起構造と反対側の面に更に光拡散構造が形成されている(7)記載の導光板。
(9)前記光拡散構造が複数の透明微粒子を含むものである(8)記載の導光板。
(10)(4)〜(9)何れか一項記載の導光板の製造方法であって、導光板と透明基材上に形成された微小な突起構造の集合体とを空気層を介して一体化する導光板の製造方法。
(11)(1)〜(9)何れか一項記載の導光板を用いた液晶ディスプレイ用バックライト。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)透明樹脂およびガラス繊維を含有する複合体から構成される導光板。
(2)前記透明樹脂が環式脂肪族骨格からなる化合物を有している(1)記載の導光板。
(3)前記ガラス繊維がガラスクロスからなるものである(1)又は(2)記載の導光板。
(4)(1)〜(3)何れか一項記載の導光板において、更に微小な突起構造の集合体が空気層を介して一体となっている構造を有する導光板。
(5)前記突起構造が曲面構造を含む(4)記載の導光板。
(6)前記突起構造が平面構造を含む(4)又は(5)記載の導光板。
(7)前記突起構造が透明基材上に形成されている(4)〜(6)何れか一項記載の導光板。
(8)前記透明基材の突起構造と反対側の面に更に光拡散構造が形成されている(7)記載の導光板。
(9)前記光拡散構造が複数の透明微粒子を含むものである(8)記載の導光板。
(10)(4)〜(9)何れか一項記載の導光板の製造方法であって、導光板と透明基材上に形成された微小な突起構造の集合体とを空気層を介して一体化する導光板の製造方法。
(11)(1)〜(9)何れか一項記載の導光板を用いた液晶ディスプレイ用バックライト。
本発明の導光板は、耐久性、表示品位に優れ、安価な液晶ディスプレイ用バックライトを提供できるようになった。
本発明の導光板は図3に示すように、少なくとも透明樹脂(7)にガラス繊維(8)を含有させることで、高温、高湿度下において、線膨張率を低減することができる。そのため、該導光板上に配置される、プリズムシート、拡散シートなどの光学シートの反りや撓みを抑制することができる。
本発明に用いられる微小な突起構造を、本発明の導光板に接着する場合、高温や、高湿度下において導光板の線膨張が少ないため、該接着部分の剥離を抑制することができる。
本発明の導光板(9)は、図4に示すように、線状光源(3)から出射した光線(12a)が、導光板(9)中を全反射しながら往復し、突起構造(10)を介して、外部に光線(12b)として取り出される。微小な突起構造(10)と導光板の集合体の間には空気層(11)が存在することが好ましい。突起構造(10)と空気層(11)の境界面を光線が通過する場合、屈折率差が大きくなるので、図4の上方への光線(12b)が多くなるためである。突起構造(10)の集合体は透明基材(13)に形成されているほうが、製造上好ましい。
本発明の導光板に用いられる透明基材は、導光板と同様にガラス繊維を含むことが好ましい。これによって、導光板との線膨張率を一致させやすいので、高温・高湿度下でも導光板と突起構造の接着部分の剥離を防止できる。
本発明の導光板に用いられる突起構造には、導光板と反対面に光拡散構造を有することが好ましい。たとえば本発明の導光板を液晶ディスプレイに用いて画像を表示させた場合、微小な突起構造に起因するギラツキ感が発生することがある。その際、突起構造の導光板と反対面に光拡散構造を配置すると、ギラツキ感を抑制することができる。光拡散構造の代わりに拡散シートを積層することによってもギラツキ感を抑えることはできるが、部品点数が増えるためバックライトのコストアップにつながり好ましくない。
本発明の導光板に用いられる透明樹脂は環式脂肪族骨格からなる化合物を含むことが好ましい。すなわち本発明の導光板を液晶ディスプレイ用バックライトとして長時間使用した場合、光源から発せられる紫外線によって透明樹脂が着色してくる。このとき、400nm以下の紫外線を吸収する官能基の少ない環式脂肪族化合物を透明樹脂として用いると、透明樹脂の着色を抑えることができる。
本発明の導光板に用いられるガラス繊維は、ガラスクロスであることが好ましい。この場合、透明樹脂に対するガラス繊維の含有量を制御しやすく、また導光板全体にガラス繊維を均一に配置させやすくなるためである。
本発明の導光板に用いられる突起構造が、図5に示すように曲面構造を有する場合、導光板(9)内部を一定方向に伝播する光線(12c)は、突起構造(10)と空気層(11)の界面で、様々な方向へ全反射する(12d)。すなわち、本発明の導光板を液晶ディスプレイに用いて画像を表示した場合、該突起構造に起因するギラツキ感を調整できるようになる。
本発明の導光板に用いられる突起構造が、図6に示すように平面構造を有する場合、導光板(9)内部を一定方向に伝播する光線(12c)は、突起構造(10)と空気層(11)の界面で、一定方向へ光線(12d)が全反射する。すなわち、導光板から出射される光線は、紙面上方向への光線(12b)の割合が増加するため、本発明の導光板を液晶ディスプレイに用いて画像を表示した場合、ディスプレイ法線方向の明るさを向上させることが可能となる。
本発明の光拡散構造は、図7に示すように透明基材(13)の中に、複数の透明微粒子(14)を含むことが好ましい。該透明微粒子(14)を含むことで、透明基材(13)から出射される光線(12b)は、様々な方向へ散乱され易くなるため、例えば本発明の導光板を液晶ディスプレイに用いて画像を表示した場合、該突起構造に起因するギラツキ感を調整できるようになる。
本発明における導光板の製造方法は、導光板と透明基材上に形成された微小な突起構造の集合体とを空気層を介して一体化することが好ましい。こうすることによって、プリズムシートのような集光作用のあるシートを導光板の上に積層する必要が無くなり、安価な導光板の製造方法を提供することができる。
本発明の導光板は、ガラス繊維を含むことから、高温、高湿度時の導光板の反り、撓みが抑えられ、耐久性、表示品位に優れた液晶ディスプレイ用バックライトを提供することができる。
本発明に用いられる、各部材についてさらに詳細に説明する。
(透明樹脂)
本発明に使用する透明樹脂は、反応性モノマーを熱あるいはエネルギー線で硬化させてなる硬化性樹脂であることが好ましい。反応性モノマーは1種類でも良いが、屈折率の異なる2種以上の反応性モノマーを含むことが好ましい。屈折率の異なる反応性モノマーの比率を調整することで、ガラス繊維との屈折率差が調整でき、透明性に優れた導光板を得ることができる。導光板の透明性が向上すると、バックライトの輝度が向上する。
(透明樹脂)
本発明に使用する透明樹脂は、反応性モノマーを熱あるいはエネルギー線で硬化させてなる硬化性樹脂であることが好ましい。反応性モノマーは1種類でも良いが、屈折率の異なる2種以上の反応性モノマーを含むことが好ましい。屈折率の異なる反応性モノマーの比率を調整することで、ガラス繊維との屈折率差が調整でき、透明性に優れた導光板を得ることができる。導光板の透明性が向上すると、バックライトの輝度が向上する。
本発明の反応性モノマーの具体的な例としては、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート等のような(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいはビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、臭素化エポキシ化合物、多官能エポキシ化合物、環式脂肪族エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアヌレート化合物、縮合多環式エポキシ化合物、含ケイ素エポキシ化合物、含ホスフィンエポキシ化合物等のようなエポキシ基を有する化合物等が挙げられるが、耐熱性を向上させるために、重合基を2つ以上有することが好ましい。
バックライトの輝度を向上させるためには、本発明の透明樹脂の全光線透過率は、可視光領域において80%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。
本発明の透明樹脂のガラス転移温度は、使用環境、保存環境を顧慮すると120℃以上であることが好ましい。
硬化後に全光線透過率が80%以上で、ガラス転移温度が120℃以上となる好ましい反応性モノマーとしては、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートやジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物、環式脂肪族エポキシ化合物やトリグリシジルイソシアヌレート化合物などのエポキシ化合物を例示できる。これらの中でも透明性が高く、耐光性に優れ、さらに成形性に優れる化合物として、環式脂肪族エポキシ化合物(例えば、ダイセル化学工業製EHPE3150)、水添ビスフェノールA化合物(例えば東都化成社製ST3000、ST4000)が好ましい。
エポキシ化合物の硬化剤としては、酸無水物系硬化剤またはジシアンジアミドを用いることが樹脂の透明性を高める上で好ましい。特に、ジシアンジアミドはエポキシ樹脂組成物の硬化度を制御し易く、成形性を考慮すると好ましい硬化剤である。
(ガラス繊維)
本発明で用いるガラス繊維としては、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布、チョップドガラスなどが挙げられ、中でも線膨張係数の低減効果が高いことから、ガラスクロス、ガラス不織布が好ましく、ガラスクロスが最も好ましい。
本発明で用いるガラス繊維としては、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布、チョップドガラスなどが挙げられ、中でも線膨張係数の低減効果が高いことから、ガラスクロス、ガラス不織布が好ましく、ガラスクロスが最も好ましい。
ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが挙げられ、中でも入手の容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
ガラス繊維の配合量は透明樹脂に対して1〜90重量%が好ましく、より好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。ガラス繊維の配合量がこの範囲であれば成形が容易で、線膨張の低下の効果が認められる。
本発明の導光板に用いられるガラス繊維は、透明樹脂との間に剥離欠陥があると、導光板の透明性が低下するため、ガラス繊維表面をシランカップリング剤などの公知の表面処理剤で処理し、透明樹脂との間に剥離欠陥が生じないようにすることが好ましい。
本発明の導光板の透明性を向上させる方法として、透明樹脂の屈折率とガラス繊維の屈折率の差は、0.01以下にすることが好ましい。屈折率差が0.01を超える場合、光源から入射した光線が、導光板中の透明樹脂とガラス繊維界面で大きく散乱するようになり、図4に示す光線(12b)が少なくなるため、導光板法線方向の輝度が低下することになる。
(突起構造)
本発明に用いられる突起構造は、曲面構造や平面構造のいずれの構造を有していても良い。例えば、導光板を法線方向から見た場合、突起構造が図8a、図9aに記載の、ストライプ状や、図8b、図9bに記載の斑点状であってもよい。さらに図8bに記載の円は、楕円であってもよく、また図9bに記載の正方形は、3角形や6角形のような多角形であってもよい。ここで突起構造の断面サイズとしては、楕円の場合、バックライトとしての外観、集光作用を考慮すると長径、短径ともに1μm以上、100μm以下が好ましい。また多角形の場合、バックライトとしての外観、集光作用を考慮するといずれの対角線の距離も1μm以上、100μm以下が好ましい。導光板上における突起構造の集合体の配置は、導光板のサイズ、用いる光源の形状や本数などによって異なるが、導光板法線方向の輝度が、導光板の光出射面全体に渡って均一になるよう、突起構造は配置される。
本発明に用いられる突起構造は、曲面構造や平面構造のいずれの構造を有していても良い。例えば、導光板を法線方向から見た場合、突起構造が図8a、図9aに記載の、ストライプ状や、図8b、図9bに記載の斑点状であってもよい。さらに図8bに記載の円は、楕円であってもよく、また図9bに記載の正方形は、3角形や6角形のような多角形であってもよい。ここで突起構造の断面サイズとしては、楕円の場合、バックライトとしての外観、集光作用を考慮すると長径、短径ともに1μm以上、100μm以下が好ましい。また多角形の場合、バックライトとしての外観、集光作用を考慮するといずれの対角線の距離も1μm以上、100μm以下が好ましい。導光板上における突起構造の集合体の配置は、導光板のサイズ、用いる光源の形状や本数などによって異なるが、導光板法線方向の輝度が、導光板の光出射面全体に渡って均一になるよう、突起構造は配置される。
突起構造の集合体は、例えば熱プレス法、エネルギー線硬化による2P法、熱硬化による2P法などによって形成することができる。またパネルソー、NC加工によって、アクリル樹脂、ポリカーボーネート樹脂のような透明樹脂板に直接切削加工して形成することができる。またビーズ、チョップドストランドのようなフィラーを透明基材上に塗布し、接着性樹脂を用いて固定して形成してもよい。突起構造の集合体は、ガラス繊維を含む透明基材の上に形成することが、接着する導光板と線膨張率が近くなるので好ましい。
突起構造の集合体と導光板との接着は、例えば導光板上へ紫外線硬化性樹脂を塗布し、この上に突起構造の集合体を貼り合わせ、紫外線を照射することが好ましい。また導光板を構成する透明樹脂に半硬化の熱硬化性樹脂を使用し、突起構造の集合体を導光板に貼り合わせた後、全体を過熱して、透明樹脂を完全硬化することで、導光板と突起構造の集合体を接着してもよい。この際、突起構造の先端部のみが導光板に接着し、突起構造と導光板との間には、空気層が確保できるよう接着する。
(光拡散構造)
本発明に用いられる光拡散構造は、図7に記載の透明基材(13)の中に透明微粒子(14)を含有させる方法以外に、例えば光線(12b)が出射する側の表面をエンボス加工、マット転写によって凸凹にする方法、透明基材(13)の屈折率とガラス繊維(9)との屈折率差を0.01以上にする方法、等によってなされてもよい。製造コストと拡散特性を考慮すると、マット転写が好ましい。
本発明に用いられる光拡散構造は、図7に記載の透明基材(13)の中に透明微粒子(14)を含有させる方法以外に、例えば光線(12b)が出射する側の表面をエンボス加工、マット転写によって凸凹にする方法、透明基材(13)の屈折率とガラス繊維(9)との屈折率差を0.01以上にする方法、等によってなされてもよい。製造コストと拡散特性を考慮すると、マット転写が好ましい。
(製造方法)
本発明の透明樹脂とガラス繊維とからなる導光板を成形する方法に、特に制限はなく、例えば、未硬化の透明樹脂とガラス繊維とを直接混合し、必要な型に注型したのち架橋させてシートとする方法、未硬化の透明樹脂と溶剤の溶液にガラス繊維を分散させ、このものをキャストした後、架橋させてシートとする方法、未硬化の透明樹脂をガラスクロスやガラス不織布に含浸させた後、ガラス板、銅泊、PETフィルムなど適当な支持体に挟み込み、このものを架橋させてシートにする方法等が挙げられる。ガラス繊維としてガラスクロスを使用する場合、透明樹脂に対するガラス繊維の含有量を制御しやすく、また導光板全体にガラス繊維を均一に配置させやすくなるため好ましい。さらにロールツーロールによる連続生産も可能となり製造コストを低減できる。
本発明の透明樹脂とガラス繊維とからなる導光板を成形する方法に、特に制限はなく、例えば、未硬化の透明樹脂とガラス繊維とを直接混合し、必要な型に注型したのち架橋させてシートとする方法、未硬化の透明樹脂と溶剤の溶液にガラス繊維を分散させ、このものをキャストした後、架橋させてシートとする方法、未硬化の透明樹脂をガラスクロスやガラス不織布に含浸させた後、ガラス板、銅泊、PETフィルムなど適当な支持体に挟み込み、このものを架橋させてシートにする方法等が挙げられる。ガラス繊維としてガラスクロスを使用する場合、透明樹脂に対するガラス繊維の含有量を制御しやすく、また導光板全体にガラス繊維を均一に配置させやすくなるため好ましい。さらにロールツーロールによる連続生産も可能となり製造コストを低減できる。
本発明の導光板には、必要に応じて少量の熱可塑性樹脂、溶剤、重合開始剤、増感剤、硬化剤、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、ブルーイング剤、染料、無機フィラー等の添加剤を含んでいても良い。
さらに必要に応じて、導光板の側面に、鏡面処理、防汚処理、帯電防止処理、赤外線吸収処理などを施しておいてもよく、また水蒸気、酸素などの気体透過を抑制するバリア層を積層していてもよい。
さらに必要に応じて、導光板の側面に、鏡面処理、防汚処理、帯電防止処理、赤外線吸収処理などを施しておいてもよく、また水蒸気、酸素などの気体透過を抑制するバリア層を積層していてもよい。
(液晶ディスプレイ用バックライト)
本発明の導光板が用いられる液晶ディスプレイ用バックライトは、サイド型バックライトであればいずれであってもよく、光源は、冷陰極管、熱陰極管、LEDのいずれを用いてもよい。また、ランプの数(図10)、突起の配置(図11)、導光板の形状(図12)について特に制限はなく、液晶ディスプレイに要求される発光状態を満足すれば何れであってもよい。さらに本発明の導光板の上にはプリズムシート、拡散シート、輝度向上フィルムのいずれかの光学シートを積層して用いてもよい。
本発明の導光板が用いられる液晶ディスプレイ用バックライトは、サイド型バックライトであればいずれであってもよく、光源は、冷陰極管、熱陰極管、LEDのいずれを用いてもよい。また、ランプの数(図10)、突起の配置(図11)、導光板の形状(図12)について特に制限はなく、液晶ディスプレイに要求される発光状態を満足すれば何れであってもよい。さらに本発明の導光板の上にはプリズムシート、拡散シート、輝度向上フィルムのいずれかの光学シートを積層して用いてもよい。
以下、実施例を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
線膨張係数は、セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から400℃まで上昇させて20分間保持し、30℃〜150℃の時の値を測定して平均を求めた。荷重は5g、引張モードで測定を行った。なお、測定には石英引張チャック(材質:石英,線膨張係数0.5ppm)を用いた。
全光線透過率は、UV/VIS分光光度計(島津製作所製、UV−2400PC)を用いて測定した。
吸湿寸法変化は、本発明の光拡散シートを100℃で24時間乾燥させた後、50℃、95%、の環境で40時間放置し、ミツトヨ製測定顕微鏡(QVC−2)を用いて測定した。
(実施例1)
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製EHPE3150)72重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER社製エピコート1004)48重量部、硬化触媒ジシアンジアジド(DDA、日本カーバイド社製)6重量部をジメチルホルムアミド80重量部に溶解し、Eガラス系ガラスクロス(厚み180μm、日東紡社製)に含浸させ、170℃で5分予備乾燥した。このものを3枚、厚み35μmの2枚の離形処理されたアルミ箔ではさみ、80℃45分、200℃で90分、加熱プレス成型を行った。冷却後、アルミ箔を剥離し、厚み600μmの導光板を得た。また同様に1枚のガラスクロスを用いて、厚み200μmの透明基材を得た。
得られた厚み600μmの導光板は端面が鏡面になるよう研磨した。この導光板の全光線透過率は65%、線膨張係数は14ppmであった。
次に厚み200μmの透明基材の片面に、平均粒径約50μmのアクリル樹脂性のビーズ(積水化成品工業社製)を、カプロラクトン変成ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート(日本化薬社製KAYAHARD HX−220)および光重合開始剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製イルガキュア651)のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を用いて接着した。
厚み600μmの導光板の片面に、カプロラクトン変成ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート(日本化薬社製KAYAHARD HX−220)および光重合開始剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製イルガキュア651)のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液をバーコーターで乾燥後の厚みが約5μmになるよう塗布した。この塗布面に、先に作製した突起構造を有する透明基材を、ビーズ面が内側になるよう貼り合わせ、ビーズと導光板の間に空気層が保たれるよう高圧水銀灯を用いて硬化接着した。
この導光板を図10の構成のバックライトユニットに組み込み、60℃、85%RHの高温高湿試験を行った。その結果、100時間後においても、導光板と微小な突起構造との剥離は発生せず、常温に戻したあとバックライトを点灯しても、輝度ムラは発生しなかった。
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製EHPE3150)72重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER社製エピコート1004)48重量部、硬化触媒ジシアンジアジド(DDA、日本カーバイド社製)6重量部をジメチルホルムアミド80重量部に溶解し、Eガラス系ガラスクロス(厚み180μm、日東紡社製)に含浸させ、170℃で5分予備乾燥した。このものを3枚、厚み35μmの2枚の離形処理されたアルミ箔ではさみ、80℃45分、200℃で90分、加熱プレス成型を行った。冷却後、アルミ箔を剥離し、厚み600μmの導光板を得た。また同様に1枚のガラスクロスを用いて、厚み200μmの透明基材を得た。
得られた厚み600μmの導光板は端面が鏡面になるよう研磨した。この導光板の全光線透過率は65%、線膨張係数は14ppmであった。
次に厚み200μmの透明基材の片面に、平均粒径約50μmのアクリル樹脂性のビーズ(積水化成品工業社製)を、カプロラクトン変成ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート(日本化薬社製KAYAHARD HX−220)および光重合開始剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製イルガキュア651)のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を用いて接着した。
厚み600μmの導光板の片面に、カプロラクトン変成ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート(日本化薬社製KAYAHARD HX−220)および光重合開始剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製イルガキュア651)のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液をバーコーターで乾燥後の厚みが約5μmになるよう塗布した。この塗布面に、先に作製した突起構造を有する透明基材を、ビーズ面が内側になるよう貼り合わせ、ビーズと導光板の間に空気層が保たれるよう高圧水銀灯を用いて硬化接着した。
この導光板を図10の構成のバックライトユニットに組み込み、60℃、85%RHの高温高湿試験を行った。その結果、100時間後においても、導光板と微小な突起構造との剥離は発生せず、常温に戻したあとバックライトを点灯しても、輝度ムラは発生しなかった。
本発明の導光板は、例えば、液晶ディスプレイのバックライト、電子ペーパーのバックライト、屋内の薄型照明装置、窓材等に好適に用いられる。
1、21:光拡散シート、
2:集光シート、
3、23:線状光源、
4、24:反射シート、
5:導光板、
6、26:バックライト、
7:透明樹脂
8:ガラス繊維
9:導光板
10:突起構造
11:空気層
12:光線
13:透明基材
14:透明微粒子
15:反射シート
16:散乱部材
2:集光シート、
3、23:線状光源、
4、24:反射シート、
5:導光板、
6、26:バックライト、
7:透明樹脂
8:ガラス繊維
9:導光板
10:突起構造
11:空気層
12:光線
13:透明基材
14:透明微粒子
15:反射シート
16:散乱部材
Claims (11)
- 透明樹脂およびガラス繊維を含有する複合体から構成される導光板。
- 前記透明樹脂が環式脂肪族骨格からなる化合物を有している請求項1記載の導光板。
- 前記ガラス繊維がガラスクロスからなるものである請求項1又は2記載の導光板。
- 請求項1〜3何れか一項記載の導光板において、更に微小な突起構造の集合体が空気層を介して一体となっている構造を有する導光板。
- 前記突起構造が曲面構造を含む請求項4記載の導光板。
- 前記突起構造が平面構造を含む請求項4又は5記載の導光板。
- 前記突起構造が透明基材上に形成されている請求項4〜6何れか一項記載の導光板。
- 前記透明基材の突起構造と反対側の面に更に光拡散構造が形成されている請求項7記載の導光板。
- 前記光拡散構造が複数の透明微粒子を含むものである請求項8記載の導光板。
- 請求項4〜9何れか一項記載の導光板の製造方法であって、導光板と透明基材上に形成された微小な突起構造の集合体とを空気層を介して一体化する導光板の製造方法。
- 請求項1〜9何れか一項記載の導光板を用いた液晶ディスプレイ用バックライト。
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JP2007129592A JP2008287933A (ja) | 2007-05-15 | 2007-05-15 | 導光板、製造方法および液晶ディスプレイ用バックライト |
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-
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- 2007-05-15 JP JP2007129592A patent/JP2008287933A/ja active Pending
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