JP2016065138A - インクセット、及び、画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録装置によって記録媒体上に画像を形成する場合において、凝集剤を含む処理液を用いない場合に比べて耐擦性に優れる画像が得られるインクセットを提供すること。
【解決手段】インクジェット記録用インク及び処理液を含み、上記インクジェット記録用インクが、着色剤、高分子粒子、界面活性剤、及び、水を少なくとも含有し、かつ、最大泡圧法により動的表面張力を測定したとき、1msec後での動的表面張力が32mN/m以下であり、1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が0.2mN/m以上3.0mN/m以下であり、上記処理液が、水及び凝集剤を含有することを特徴とするインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、及び、画像記録装置に関する。
インクジェットプリンティング技術は、広幅・高速化が容易であることから、近年、印刷分野においてシェアを大きく伸ばしている。
印刷用コート紙などの液体の浸透が遅いメディア(緩浸透メディア、非浸透メディア)に水系インクジェットインクで記録する要望が高まっている。
また、従来のインク組成物としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。
特許文献1には、少なくとも着色剤及び重合性化合物を含む記録液と、少なくとも1種類以上のポリシロキサン化合物を含有し、かつ、着色剤を実質的に含有しない処理液とを、少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録用インクセットが記載されている。
特開2007−313839号公報
本発明の目的は、インクジェット記録装置によって記録媒体上に画像を形成する場合において、凝集剤を含む処理液を用いない場合に比べて耐擦性に優れる画像が得られるインクセットを提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>又は<4>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>、<3>、<5>、及び、<6>と共に以下に示す。
<1> インクジェット記録用インク及び処理液を含み、上記インクジェット記録用インクが、着色剤、高分子粒子、界面活性剤、及び、水を少なくとも含有し、かつ、最大泡圧法により動的表面張力を測定したとき、1msec後での動的表面張力が32mN/m以下であり、1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が0.2mN/m以上3.0mN/m以下であり、上記処理液が、水及び凝集剤を含有することを特徴とするインクセット、
<2> 上記凝集剤が、有機酸、多価金属塩、及び、カチオン性ポリマーよりなる群から選択される、<1>に記載のインクセット、
<3> 上記インクセットが、インクジェット記録用インクとして、マゼンタ色のインクジェット記録用インク、シアン色のインクジェット記録用インク、イエロー色のインクジェット記録用インク、及び、ブラック色のインクジェット記録用インクを含有する、<1>又は<2>に記載のインクセット、
<4> 記録媒体上に処理液を付与する処理液付与手段、及び、インクジェット記録用インクを記録媒体上に吐出する吐出手段を含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクセットを用いた画像記録装置、
<5> 更に、処理液及び/又はインクジェット記録用インクを加熱乾燥する乾燥手段を含む、<4>に記載の画像記録装置、
<6> 上記記録媒体が、動的操作吸液計で測定した接触時間500msecにおける上記インクジェット記録用インクの最大吸液量が15mL/m2以下である、<4>又は<5>に記載の画像記録装置。
上記<1>〜<3>に記載の発明によれば、インクジェット記録装置によって記録媒体上に画像を形成する場合において、凝集剤を含む処理液を用いない場合に比べて耐擦性に優れる画像が得られるインクセットを提供することができる。
上記<4>及び<5>に記載の発明によれば、インクジェット記録装置によって記録媒体上に画像を形成する場合において、凝集剤を含む処理液を含有するインクセットを用いない場合に比べて、耐擦性に優れる画像が得られる画像記録装置を提供することができる。
上記<6>に記載の発明によれば、動的操作吸液計で測定した接触時間500msecにおけるインクジェット記録用インクの最大吸液量が15mL/m2以下である記録媒体上にインクジェット記録装置によって画像を形成する場合において、凝集剤を含む処理液を含有するインクセットを用いない場合に比べて、耐擦性に優れた画像が得られる画像記録装置を提供することができる。
本実施形態のインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態において、数値範囲を表す「A〜B」との記載は、AからBの間の範囲だけでなく、その両端であるA及びBも含む範囲を表す。
(インクセット)
本実施形態のインクセットは、インクジェット記録用インク(以下、単に「インク」、又は、「本実施形態のインク」ともいう。)及び処理液を含み、上記インクジェット記録用インクが、着色剤、高分子粒子、界面活性剤、及び、水を少なくとも含有し、かつ、最大泡圧法により動的表面張力を測定したとき、1msec後での動的表面張力が32mN/m以下であり、1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が0.2mN/m以上3.0mN/m以下であり、上記処理液が、水及び凝集剤を含有することを特徴とする。
印刷用コート紙などの液体の浸透が遅い記録媒体(緩浸透メディア、非浸透メディア)に水系インクジェットインクで記録すると、従来の水系インクでは、記録媒体のインク吸収性が乏しいために、印刷用コート紙上での画像定着性(耐擦性)が悪かった。
本発明者らは鋭意検討することによって、高分子粒子を含み、特定の動的表面張力の特性を有する水系インクを使用することにより、浸透が遅い記録媒体上でも濡れ拡がりが良好であり、印字可能であることを見出した。更に、凝集剤を含有する処理液と共に使用することにより、耐擦性(画像定着性)がより改善されることを見出した。特に、画像記録(印刷)後に、裁断や製本などの印刷後工程での画像乱れの発生が抑制されることを見出した。
詳細な機構は不明であるが、上記特定のインクであると、濡れ拡がりやすく、また、これと凝集剤を含有する処理液とを併用することにより、耐擦性に優れると推定される。
以下、本実施形態のインクセットを構成するインクジェット記録用インク、及び、処理液について説明する。
<インクジェット記録用インク>
本実施形態に用いられるインクジェット記録用インク(インク)は、着色剤、高分子粒子、界面活性剤、及び、水を少なくとも含有し、かつ最大泡圧法により動的表面張力を測定したとき、1msec後での動的表面張力が32mN/m以下であり、1sec後での動的表面張力が32mN/m未満であり、1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が0.2mN/m以上3.0mN/m以下である。
また、上記インクは、水を含む水性インクである。水に加え、水溶性有機溶媒を含有していてもよい。
上記範囲の1msec(ミリ秒)後及び1sec(秒)後での動的表面張力、並びに、動的表面張力の変動幅を持つインクは、各動的表面張力を小さくした上で、動的表面張力の変動幅も小さくしたインクである。つまり、このインクは、記録媒体上で濡れ拡がりやすい性質を持つインクを示している。
記録媒体上で濡れ拡がりやすい性質を持ち、かつ高分子粒子を含む上記インクは、浸透性の記録媒体上に吐出されると、記録媒体上で迅速に濡れ拡がると共に、インク中の液体成分の記録媒体中への浸透が促進されると推定される。このとき、インク中の固形分である高分子粒子は、記録媒体中(つまり紙繊維間)への浸透が遅れ、更に後述する処理液中の凝集剤との相互作用により、分散安定性が弱まり、高分子粒子同士の相互作用(インタラクション)が強くなると推定される。
この高分子粒子同士の相互作用が強くなると、高分子粒子付近の見かけ上の粘度が高まり、高分子粒子は、記録媒体の表面に残存しやすくなると共に、記録媒体の面方向(面に沿った方向)に拡がりにくくなり、同じくインクの固形成分である着色剤も高分子粒子同士の相互作用に取り込まれ、記録媒体の表面に残存しやすくなると共に、記録媒体の面方向(面に沿った方向)に拡がりにくくなると推定される。特に、上記インクは、上記表面張力特性を持つため、インク中の液体成分の一部が記録媒体中に吸収されると、処理液の作用によりインク安定性が崩れやすく、インク中の液体成分と固形分(着色剤及び高分子粒子)との分離が促進され、これら現象が生じやすいと推定される。
更に、従来の水系インクに比べ、耐擦性にも優れると推定される。
本実施形態に用いられるインクにおける1msec後での動的表面張力は、32mN/m以下であり、画像の滲み、及び、画像剥がれをより抑制する点から、25〜31mN/mであることが好ましく、27〜31mN/mであることがより好ましい。
本実施形態に用いられるインクにおける1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅は、0.2mN/m以上3.0mN/m以下であり、画像の滲みをより抑制し、耐擦性を向上させる点から、0.9〜3.0mN/mであることが好ましく、1.0〜3.0mN/mであることがより好ましい。なお、1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅は、当該変化は時間の経過と共に値が小さくなるため、1msec後での動的表面張力の値から1sec後での動的表面張力の値を引いた値と等しい。
本実施形態における動的表面張力は、動的表面張力計MPT C(LAUDA社製)を用い、23℃、55%RHの環境において最大泡圧法により測定した値である。
なお、1msec後での動的表面張力の値とは、キャピラリー先端で新しい界面が形成されてから1msecで最大泡圧に達したときの動的表面張力の値である。ただし、最大泡圧法動的表面張力計の測定限界が、1msec後での動的表面張力の場合、0msec後での動的表面張力として表記されることがある。この場合、0msec後での動的表面張力の値を1msec後での動的表面張力の値として採用する。
一方、1sec後での動的表面張力の値とは、キャピラリー先端で新しい界面が形成されてから1secで最大泡圧に達したときの動的表面張力の値である。ただし、最大泡圧法動的表面張力計の測定限界が、1sec未満後の動的表面張力の場合、測定限界での動的表面張力の値を1sec後での動的表面張力の値として採用する。これは、測定限界での動的表面張力の値であれば、動的表面張力が安定領域にあると判断できるためである。
本実施形態に用いられるインクの静的表面張力は、吐出安定性の点から、30mN/m未満であることが好ましく、20〜27mN/mであることがより好ましい。
本実施形態における静的表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
本実施形態において、インクセットに使用されるインクジェット記録用インクは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フルカラーの画像を得る観点からは、少なくともマゼンタ色のインクジェット記録用インク、シアン色のインクジェット記録用インク、イエロー色のインクジェット記録用インク、及び、ブラック色のインクジェット記録用インクを使用することが好ましい。なお、このように複数の色のインクジェット記録用インクを使用する場合、少なくとも1つのインクが、本実施形態のインクセットを構成するインクジェットインク、すなわち、着色剤、高分子粒子、界面活性剤、及び、水を少なくとも含有し、かつ、最大泡圧法により動的表面張力を測定したとき、1msec後での動的表面張力が32mN/m以下であり、1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が0.2mN/m以上3.0mN/m以下のインクであることが好ましく、全てのインクジェット記録用インクが、着色剤、高分子粒子、界面活性剤、及び、水を少なくとも含有し、かつ、最大泡圧法により動的表面張力を測定したとき、1msec後での動的表面張力が32mN/m以下であり、1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が0.2mN/m以上3.0mN/m以下のインクであることがより好ましい。
なお、本実施形態において、インクジェット記録用インクは、上記の態様に限定されるものではなく、上記の4色に加えて、ホワイト色のインクジェット記録用インクを含む5色の構成としてもよく、また、更にライトマゼンタインク及びライトシアンインクを加えた7色の構成としてもよく、特に限定されない。
〔界面活性剤〕
上記インクにおいて、1msec後又は1sec後での動的表面張力、及び、動的表面張力の変化幅を上記範囲とするには、上記インクは界面活性剤を含有する。つまり、界面活性剤の種類及び量により、1msec後又は1sec後での動的表面張力、及び、動的表面張力の変化幅を調整することが好ましい
上記インクに用いられる界面活性剤としては、例えば、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)値が14以下の界面活性剤が好ましく挙げられる。例えば、HLBが14以下の界面活性剤の量を調整することで、目的とする静的表面張力に調整しやすくなる。また、上記インクは、目的とする動的表面張力への調製が容易であり、また、画像剥がれをより抑制する点から、界面活性剤を2種以上含有することが好ましく、2〜4種含有することがより好ましく、2又は3種含有することが更に好ましく、2種含有することが特に好ましい。
なお、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)値は、以下の式(グリフィン法)により定義されるものである。
・HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
界面活性剤としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物、及び、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく挙げられ、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、及び、ポリエーテル変性シリコーンがより好ましく挙げられ、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物が更に好ましく挙げられる。
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物は、例えば、アセチレングリコールの少なくとも一つの水酸基にエチレンオキサイドを付加させた−O−(CH2CH2O)n−H構造(例えば、nは1以上30以下の整数を表す。)を持つ化合物である。
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す。)としては、例えば、オルフィンE1004(7〜9)、オルフィンE1010(13〜14)、オルフィンEXP.4001(8〜11)、オルフィンEXP.4123(11〜14)、オルフィンEXP.4300(10〜13)、サーフィノール104H(4)、サーフィノール420(4)、サーフィノール440(4)、ダイノール604(8)(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンは、例えば、シリコーン鎖(ポリシロキサン主鎖)に、ポリエーテル基がグラフト状に結合した化合物、又はブロック状に結合した化合物である。ポリエーテル基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられる。ポリエーテル基としては、例えば、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック状又はランダムに付加したポリオキシアルキレン基であってもよい。
ポリエーテル変性シリコーンの市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す。)としては、シルフェイスSAG002(12)、シルフェイスSAG503A(11)、シルフェイスSAG005(7)(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
これらの中でも、上記インクは、界面活性剤として、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物、及び、ポリエーテル変性シリコーンよりなる群から選ばれた2種以上の化合物を含有することが好ましく、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を2種以上含有することがより好ましく、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を2種含有することが更に好ましい。
前述した以外の他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が好ましく挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコールが好ましく挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素界面活性剤;スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も挙げられる。
上記インクにおける界面活性剤の含有量は、インクの全重量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましく、0.5〜8重量%であることが更に好ましく、2〜5重量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、目的とする動的表面張力への調製が容易であり、また、画像剥がれがより抑制される。
〔着色剤〕
本実施形態に用いられるインクは、着色剤を含有する。
着色剤としては、顔料が好ましく挙げられる。
顔料としては、有機顔料、及び、無機顔料が挙げられ、特に制限はなく、公知の顔料が用いられる。
黒色顔料(ブラック顔料)の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上、デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上、三菱化学(株)製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シアン顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue 1,2,3,15,15:1,15:2,15:3,15:4,16,22,60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red 5,7,12,48,48:1,57,112,122,123,146,168,177,184,202,C.I.Pigment Violet 19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow 1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,114,128,129,138,151,154,180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、着色剤として顔料を使用した場合には、上記インクは、顔料分散剤を含有することが好ましい。使用される顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、例えば縮合系重合体と付加重合体とが使用される。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いられる。
親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体、及び、これらの塩等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
これらの中でも、本実施形態に用いられるインクは、スチレン−アクリル酸共重合体中和物を含有することが好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体中和物を、インクの全重量に対し、0.1〜10重量%含有することが好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体中和物を、インクの全重量に対し、0.5〜5重量%含有することがより好ましい。
スチレン−アクリル酸共重合体中和物としては、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩が好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体のナトリウム塩がより好ましい。
高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)としては、例えば、2,000以上50,000以下であることが好ましい。
顔料分散剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料分散剤の含有量は、顔料により大きく異なるため一概にはいえないが、顔料100重量部に対し、0.1〜100重量部であることが好ましい。
顔料としては、水に自己分散する顔料(以下、「自己分散型顔料」ともいう。)も挙げられる。
自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料は、例えば、顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる。
自己分散型顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200,Cab−o−jet−300,Cab−o−jet−400,IJX−157,IJX−253,IJX−266,IJX−273,IJX−444,IJX−55,Cab−o−jet−250C,Cab−o−jet−260M,Cab−o−jet−270Y,Cab−o−jet−450C,Cab−o−jet−465M,Cab−o−jet−470Y,Cab−o−jet−480M、オリエント化学工業(株)製のMicrojet Black CW−1,CW−2等の市販の自己分散顔料等も挙げられる。
自己分散型顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが好ましく、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又は、カルボン酸塩を有する顔料であることがより好ましい。
ここで、顔料としては、樹脂により被覆された顔料等も挙げられる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、DIC(株)製、東洋インキ(株)製などの市販のマイクロカプセル顔料がある。なお、市販のマイクロカプセル顔料に限られず、目的に応じて作製したマイクロカプセル顔料を使用してもよい。
また、顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色顔料やシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤としては、顔料の他、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料等も挙げられる。
着色剤の体積平均粒径は、10nm以上1,000nm以下であること好ましい。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151(Microtrac社製)により行う。その測定は、1,000倍希釈したインクを測定セルに入れて行った。なお、測定時の入力値として、粘度にはインク希釈液の粘度を、粒子屈折率は着色剤の屈折率とした。
着色剤の含有量(濃度)は、インクの全重量に対し、1〜25重量%であることが好ましく、2〜20重量%であることがより好ましい。
〔高分子粒子〕
本実施形態に用いられるインクは、高分子粒子を含有する。
高分子粒子は、非浸透性の記録媒体に対するインクによる画像の定着性を高める成分である。
高分子粒子としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル酸共重合体、アクリル変性フッ素樹脂等の粒子(ラテックス粒子)が挙げられる。なお、高分子粒子としては、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェル型の高分子粒子も挙げられる。
高分子粒子は、乳化剤を用いてインク中に分散させたものであってもよく、乳化剤を用いないでインク中に分散させたものであってもよい。乳化剤としては、界面活性剤、スルホン酸基、カルボキシル基等の親水性基を有するポリマー(例えば、親水性基がグラフト結合しているポリマー、親水性を持つ単量体と疎水性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)が挙げられる。
高分子粒子の体積平均粒径は、画像の光沢性及び耐擦過性の点から、10nm以上300nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましい。
本実施形態における高分子粒子の体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151(Microtrac社製)により行う。その測定は、1,000倍希釈したインクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度にはインク希釈液の粘度を、粒子屈折率は高分子の屈折率とした。
高分子粒子のガラス転移温度は、画像の耐擦過性の点から、−20℃以上80℃以下が好ましく、−10℃以上60℃以下がより好ましい。
高分子粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
高分子粒子の含有量は、インクの全重量に対し、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。
〔水〕
本実施形態に用いられるインクは、水を含有する。
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
水の含有量は、インクの全重量に対し、10〜95重量%であることが好ましく、30〜90重量%であることがより好ましい。
〔水溶性有機溶媒〕
本実施形態におけるインクは、水溶性有機溶媒を含有することが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。また、水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、キシリトールなどの糖アルコール類;キシロース、グルコース、ガラクトースなどの糖類等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒は、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
水溶性有機溶媒の含有量は、インクの全重量に対して、0.1〜60重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましく、5〜40重量%であることが更に好ましく、10〜30重量%であることが特に好ましい。
〔他の添加剤〕
本実施形態に用いられるインクは、前述した以外の他の添加剤を含有していてもよい。
他の添加剤としては、特に制限はなく、公知の添加剤が用いられる。具体的には、例えば、インク吐出性改善剤(ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、導電率/pH調整剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物等)、反応性の希釈溶媒、浸透剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、キレート化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等が挙げられる。
本実施形態に用いられるインクのpHは、4〜10であることが好ましく、5〜9であることがより好ましい。
インクのpHは、温度23±0.5℃、湿度55±5%RH環境下において、pH/導電率計(メトラー・トレド社製MPC227)により測定した値を採用する。
本実施形態に用いられるインクの導電率は、0.01〜0.5S/mであることが好ましく、0.01〜0.25S/mであることがより好ましく、0.01〜0.20S/mであることが更に好ましい。
導電率の測定は、MPC227(pH/Conductivity Meter、メトラー・トレド社製)で行う。
本実施形態に用いられるインクの粘度は、1.5〜30mPa・sであることが好ましく、1.5〜20mPa・sであることがより好ましい。
粘度は、TV−20(東機産業(株)製)を測定装置として用い、測定温度は23℃、せん断速度は1,400s-1の条件で測定する。
<処理液>
本実施形態において、処理液は、水及び凝集剤を含有する。処理液は、透明又は淡色であることが好ましく、透明又は白色であることがより好ましく、透明であることが更に好ましい。なお、透明であるとは、処理液が着色剤を含有しないか、その含有量が処理液の全重量に対して1重量%以下であることを意味する。すなわち、処理液が、少量の着色剤を含むことを排除するものではない。処理液が透明であるとき、処理液中の着色剤の含有量は0〜0.5重量%であることが好ましく、0〜0.1重量%であることがより好ましく、0〜0.01重量%であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。
処理液として、1種の処理液を使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、1種のみを使用することが好ましく、透明の処理液を使用することがより好ましい。
〔凝集剤〕
本実施形態において、処理液は凝集剤を含有する。処理液が含有する凝集剤とは、インク中に分散している物質の分散安定性を低下させ、凝集作用を有する化合物であれば特に限定されない。具体的には、インクが含有する高分子粒子、着色剤等の分散安定性を低下させる作用を有することが好ましい。
凝集剤としては、酸性化合物、多価金属塩、及び、カチオン性ポリマー等を挙げることができる。中でもインク成分の凝集性の観点から、酸性化合物であることが好ましい。凝集剤は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−酸性化合物−
酸性化合物としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、及び、これらの化合物の誘導体等が好適に挙げられる。
これらの中でも、水溶性の高い酸性化合物が好ましい。また、インク成分と反応してインク全体を固定化させる観点から、3価以下の酸性化合物が好ましい。
酸性化合物としては、ピロリドンカルボン酸が特に好ましい。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記処理液が酸性化合物を含む場合、処理液のpH(25℃)は、0.1〜6.8であることが好ましく、0.5〜6.0であることがより好ましく、0.8〜5.0であることが更に好ましい。
また、処理液が酸性化合物を含む場合、処理液のpHを調整するために、塩基性化合物を添加してもよく、具体的には、無機系塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等)、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化アンモニウム等が挙げられる。有機系塩基性化合物としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどのアルコールアミン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等が例示される。
これらの中でも、塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物が入手容易性の観点から好ましい。
上記酸性化合物の含有量は、上記処理液の全重量に対し、40重量%以下であることが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましく、5〜20重量%であることが更に好ましい。酸性化合物の含有量を上記範囲内とすることでインク中の成分をより効率的に凝集させることができる。
酸性化合物の記録媒体への付与量としては、インクを凝集させるに足る量であれば特に制限はないが、インクを凝集させる観点から、0.5g/m2〜4.0g/m2であることが好ましく、0.9g/m2〜3.75g/m2であることがより好ましい。
−多価金属塩−
上記多価金属塩としては、アルカリ土類金属、亜鉛族金属等の2価以上の金属を含む化合物が好ましく、例えば、Ca2+、Cu2+、Al3+等の金属イオンの酢酸塩、酸化物等を挙げることができる。
上記多価金属塩は、凝集反応の観点で、価数が2価以上であることが好ましく、3価以上の多価金属イオンからなる多価金属塩であることが更に好ましい。
上記多価金属塩は、以下に示す多価金属イオンと陰イオンとの塩、ポリ水酸化アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、Fe2+、La3+、Nd3+、Y3+、及び、Zr4+などが挙げられる。これら多価金属イオンを処理液中に含有させるためには、上記多価金属の塩を用いればよい。
塩とは、上記のような多価金属イオンと、これらのイオンに結合する陰イオンとから構成される金属塩のことであるが、溶媒に可溶なものであることが好ましい。ここで、上記溶媒とは、多価金属塩と共に処理液を構成する媒質であり、例えば、水や後述する有機溶剤が挙げられる。
上記多価金属イオンと塩を形成するための好ましい陰イオンとしては、例えば、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、CH3COO-、SO4 2-などが挙げられる。
多価金属イオンと陰イオンとは、それぞれ単独種又は複数種を用いて多価金属イオンと陰イオンとの塩を形成することができる。
上記以外の多価金属塩としては、例えば、ポリ水酸化アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムなどが挙げられる。
上記多価金属塩としては、反応性や着色性、更には取り扱いの容易さなどの点から、多価金属イオンと陰イオンとの塩を用いることが好ましく、多価金属イオンとしては、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Al3+及びY3+から選ばれる少なくとも1種が好ましく、Ca2+がより好ましい。
また、陰イオンとしては、溶解性などの観点から、NO3 -が特に好ましい。
上記多価金属塩は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記処理液が上記多価金属塩を含む場合、上記多価金属塩の含有量は、上記処理液の全重量に対し、1重量%以上であることが好ましい。多価金属塩の含有量が1重量%以上であることでより効果的にインク組成物中の成分を固定化することができる。
多価金属塩の含有量は、上記処理液の全重量に対し、1重量%〜20重量%であることが好ましく、2重量%〜15重量%であることがより好ましく、3〜10重量%であることが更に好ましい。
多価金属塩の記録媒体への付与量としては、インク組成物を凝集させるに足る量であれば特に制限はないが、0.5g/m2〜4.0g/m2であることが好ましく、0.9g/m2〜3.75g/m2であることがより好ましい。
−カチオン性ポリマー−
上記カチオン性ポリマーとしては、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、及び、ポリグアニドから選ばれる少なくとも1種のカチオン性ポリマーが挙げられる。
カチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記カチオン性ポリマーの中でも、凝集速度の観点で有利な、ポリグアニド(好ましくは、ポリ(ヘキサメチレングアニジン)アセテート、ポリモノグアニド、ポリメリックビグアニド)、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルピリジン)が好ましい。
上記カチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、処理液の粘度の観点では分子量が小さい方が好ましい。処理液をインクジェット方式で記録媒体に付与する場合には、500〜500,000の範囲が好ましく、700〜200,000の範囲がより好ましく、更に好ましくは1,000〜100,000の範囲である。重量平均分子量は、500以上であると凝集速度の観点で有利であり、500,000以下であると吐出信頼性の点で有利である。ただし、処理液をインクジェット以外の方法で記録媒体に付与する場合には、この限りではない。
カチオン性ポリマーとしては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、ビニブラン701FE35、ビニブラン701FE50、ビニブラン701FE65(以上、日信化学工業(株)製)が例示される。
上記処理液がカチオン性ポリマーを含む場合、処理液のpH(25℃)は、1.0〜10.0であることが好ましく、2.0〜9.0であることがより好ましく、3.0〜7.0であることが更に好ましい。
上記処理液がカチオン性ポリマーを含む場合、カチオン性ポリマーの含有量は、上記処理液の全重量に対して、ポリマー固形分が1重量%〜20重量%であることが好ましく、2.5重量%〜15重量%であることがより好ましい。
カチオン性ポリマーの塗工紙への付与量としては、インクを凝集させるに足る量であれば特に制限はないが、インクを凝集させる観点から、0.5g/m2〜4.0g/m2であることが好ましく、0.9g/m2〜3.75g/m2であることがより好ましい。
〔水〕
本実施形態において、処理液は水を含有する。水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
水の含有量は、処理液の全重量に対し、10〜95重量%であることが好ましく、30〜90重量%であることがより好ましい。
〔水溶性有機溶剤〕
処理液は上記凝集剤及び水に加えて、水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。水溶性有機溶剤の詳細は、インクにおけるそれと同様であり、好ましい態様も同様である。
処理液は、本実施形態の効果を損なわない範囲内で、更にその他の成分として他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防カビ剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
(画像記録装置、及び、画像記録方法)
本実施形態の画像記録装置は、記録媒体上に処理液を付与する処理液付与手段、及び、インクジェット記録用インクを記録媒体上に吐出する吐出手段を含むことが好ましい。なお、上記処理液及びインクジェット記録用インクは、本実施形態のインクセットを構成する処理液及びインクジェット記録用インクである。
また、本実施形態の画像記録方法は、記録媒体上に処理液を付与する処理液付与工程、及び、インクジェット記録用インクを記録媒体上に吐出する吐出工程を含むことが好ましい。なお、上記処理液及びインクジェット記録用インクは、本実施形態のインクセットを構成する処理液及びインクジェット記録用インクである。
なお、本実施形態において、処理液付与工程及び吐出工程をこの順で含むことが好ましい。これにより、記録媒体上に処理液、インクの順に付与され、記録媒体に近接する領域で、インクの凝集が生じるため、耐擦性がより向上する。
また、後述する吐出工程において、2種以上のインクを使用する場合、吐出工程の前に処理液付与工程を一度のみ行ってもよいし、処理液付与工程と吐出工程とを繰り返し行ってもよく、特に限定されないが、処理液付与工程を吐出工程の開始前に一度のみ有する態様が、少ない工程で効果を得られる観点から好ましい。
なお、本実施形態において、多色のインクを使用する場合、上述するように、処理液付与工程の後に、多色のインクを記録媒体上に吐出する吐出工程を有する態様が好ましいが、多色のインクを用いた吐出工程を行った後に、処理液付与工程を行う態様や、処理液付与工程を各色インクの吐出工程の前又は後に行う態様など、特に限定せずに行うことができる。
<処理液付与手段、及び、処理液付与工程>
本実施形態の画像形成装置は、記録媒体上に処理液を付与する処理液付与手段を含む。本実施形態の画像記録装置が処理液付与手段を有することにより、浸透が遅い記録媒体上においても耐擦性に優れた画像を形成することができる。また、処理液付与手段を有することにより、画像記録を高速化でき、高速記録しても、耐擦性に優れた画像が得られる。また、高速記録しても、濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
また、本実施形態の画像記録方法は、記録媒体上に処理液を付与する処理液付与工程を含む。本実施形態の画像記録方法が処理液付与工程を有することにより、浸透が遅い記録媒体上においても耐擦性に優れた画像を形成することができる。また、処理液付与工程を有することにより、画像記録を高速化でき、高速記録しても、耐擦性に優れた画像が得られる。また、高速記録しても、濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
処理液付与工程は、上述のように、吐出工程よりも前に設けられることが好ましい。
処理液付与工程は、上記インクと接触することで凝集を形成可能な凝集剤を含む処理液を付与する工程であるため、上記インク付与工程の前に設けられていても、上記インク付与工程の後に設けられていてもよい。ただし、画像品質及び耐擦性の観点から、処理液付与工程は、吐出工程の前に設けられることが好ましい。換言すれば、上記吐出工程が、処理液付与工程の後に設けられ、処理液付与工程により処理液が付与された記録媒体の該処理液上にインク物を付与する工程であることが好ましい。
処理液付与手段における処理液の付与手段としては、公知の液体付与手段を特に制限なく用いることができ、例えば、スプレー塗布、塗布ローラー等による塗布、インクジェット方式による付与、浸漬などの任意の手段を選択することができる。
具体的には、例えば、ホリゾンタルサイズプレス法、ロールコーター法、カレンダーサイズプレス法などに代表されるサイズプレス法;エアーナイフコーター法などに代表されるナイフコーター法;ゲートロールコーター法などのトランスファーロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、リバースロールコーター法、スクイズロールコーター法などに代表されるロールコーター法;ビルブレードコーター法、ショートデュエルコーター法;ツーストリームコーター法などに代表されるブレードコーター法;ロッドバーコーター法などに代表されるバーコーター法;ロッドバーコーター法などに代表されるバーコーター法;キャストコーター法;グラビアコーター法;カーテンコーター法;ダイコーター法;ブラシコーター法;転写法などが挙げられる。
また、特開平10−230201号公報に記載の塗布装置のように、液量制限部材を備えた塗布装置を用いることで塗布量を制御して塗布する方法であってもよい。
これらの中でも、インクを吐出する領域にのみ処理液を付与することが好ましい観点から、処理液の付与は、インクジェット方式により行うことが好ましい。なお、凝集剤としてカチオン性ポリマーを使用する場合などに、処理液の粘度が高くなり、インクジェット方式に適さない場合が想定され、その場合には、上述したバーコーター法などを適宜採用することが好ましい。
処理液を付与する領域は、記録媒体全体に付与する全面付与であっても、吐出工程でインクジェット記録が行われる領域に部分的に付与する部分付与であってもよい。
これらの中でも、処理液の使用量を抑制し、また、記録媒体上に残存する処理液を少なくするという観点から、吐出工程でインクが吐出される領域のみに処理液を付与することが好ましい。
記録媒体への処理液の付与量としては、インクを凝集させるに足る量であれば特に制限はないが、インクを凝集させる観点から、0.5g/m2〜4.0g/m2であることが好ましく、0.9g/m2〜3.75g/m2であることがより好ましい。
〔乾燥手段、及び、乾燥工程〕
本実施形態において、画像記録装置は、記録媒体上に付与された処理液を加熱乾燥する乾燥手段を有することが好ましい。
また、本実施形態において、処理液付与工程後に吐出工程を設け、処理液を記録媒体上に付与した後、インクが吐出されるまでの間に、記録媒体上の処理液を加熱乾燥する乾燥工程を更に設けることが好ましい。吐出工程前に予め処理液を加熱乾燥させることにより、滲みが防止され、良好な画像品質が得られる。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行うことができる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面の反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
乾燥工程においては、記録媒体の表面温度を35℃〜200℃にすることが好ましく、40℃〜150℃にすることがより好ましい。乾燥工程における温度を上記範囲内にすることにより、インクの乾燥が迅速に行える一方、記録媒体の焦げ付き、装置コストの増大、消費電力の増大が抑制されるので好ましい。
なお、記録媒体の表面温度は、次の通りに測定された値である。まず、記録装置の乾燥装置から記録媒体搬送距離で0.5mの場所に、放射温度計を設置する。そして、この放射温度計により、記録媒体の非画像記録部(白紙部)の温度を測定し、この測定した温度を記録媒体の表面温度として求める。
<吐出手段、及び、吐出工程>
本実施形態の画像記録装置は、インクジェット記録用インクを記録媒体上に吐出する吐出手段を有する。
また、本実施形態の画像記録方法は、インクジェット記録用インクを記録媒体上に吐出する吐出工程を有する。吐出工程では、インクの液滴をインクジェットヘッドにより記録媒体へ吐出することが好ましい。
インク液滴の吐出に用いるインクジェットヘッドは、特に制限はなく、公知のインクジェットヘッドが用いられ、例えば、ピエゾ型のインクジェットヘッドや、サーマル型のインクジェットヘッドが挙げられる。
インクの吐出温度は、特に制限はなく、使用するインクに応じて調整することができる。
本実施形態の画像記録装置及び画像記録方法において、インクの吐出は、必要に応じ、複数回行ってもよい。例えば、記録媒体の同一の箇所に、1種類のインクを複数回吐出してもよいし、2種以上のインクをそれぞれ1回吐出してもよいし、2種以上のインクをそれぞれ複数回吐出してもよい。
本実施形態に用いられるインクは、1種のみを使用しても、2種以上を使用してもよい。例えば、カラー画像を形成する場合は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクが好適に用いられる。
本実施形態の画像記録装置及び本実施形態の画像記録方法において、インク液滴1ドロップ当たりの液体重量は25ng以下であることが好ましく、0.5ng以上20ng以下であることがより好ましく、2ng以上15ng以下であることが更に好ましい。上記態様であると、乾燥性に優れ、画像における剥がれの発生がより抑制される。
なお、1つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能であるインクジェット装置において、上記1ドロップ当たりの液体重量とは、印字可能な最小ドロップのドロップ量を指すこととする。
本実施形態の画像記録装置及び本実施形態の画像記録方法は、滲み及び色間滲みの改善効果という観点から、サーマルインクジェット記録方式、又は、ピエゾインクジェット記録方式を採用することが好ましい。この効果をもたらすメカニズムは明らかとはなっていないが、サーマルインクジェット記録方式の場合、吐出時にインクが加熱され、低粘度となっているが、記録媒体上でインクの温度が低下するため、粘度が急激に大きくなる。このため、滲み及び色間滲みに改善効果があると考えられる。一方、ピエゾインクジェット方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みに改善効果があるものと推測している。
本実施形態の画像記録装置及び本実施形態の画像記録方法において、インクのインクジェットヘッドへの補給(供給)は、インクを収納したインクタンクから行われることが好ましい。このインクタンクは、装置に脱着可能なカートリッジ方式であることが好ましく、このカートリッジ方式のインクタンクを交換することで、インクの補給が簡易に行われる。
また、インク供給系は、例えば、インクを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインクタンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる態様が好ましく挙げられる。
〔乾燥手段、及び、乾燥工程〕
本実施形態の画像形成装置は、更に、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥手段を有することが好ましい。乾燥手段を有することにより、高速での画像記録が実現される。
また、本実施形態において、画像記録方法は、更に、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥工程を有することが好ましい。乾燥工程を有することにより、高速での画像記録が実現される。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行うことができる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面の反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
乾燥工程においては、記録媒体の表面温度を35℃〜200℃にすることが好ましく、40℃〜150℃にすることがより好ましい。乾燥工程における温度を上記範囲内にすることにより、インクの乾燥が迅速に行える一方、記録媒体の焦げ付き、装置コストの増大、消費電力の増大が抑制されるので好ましい。
なお、記録媒体の表面温度は、次の通りに測定された値である。まず、記録装置の乾燥装置から記録媒体搬送距離で0.5mの場所に、放射温度計を設置する。そして、この放射温度計により、記録媒体の非画像記録部(白紙部)の温度を測定し、この測定した温度を記録媒体の表面温度として求める。
また、本実施形態の画像記録方法には、本実施形態に係るインクを収容し、記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジを使用してもよい。本実施形態に係るインクセットの各水性インクを収容し、当該記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジセットを使用してもよい。
〔記録媒体〕
本実施形態の画像記録装置及び本実施形態の画像記録方法に用いられる記録媒体は、特に制限はなく、公知の記録媒体が用いられる。
本実施形態のインクセットは、画像の滲みが生じやすい浸透性の記録媒体に対しても、当該画像の滲みが抑制され、耐擦性を得ることが困難である非浸透性の記録媒体に対しても、優れた耐擦性を有する。このため、本実施形態に係るインクセットは、記録媒体汎用性に優れる。
なお、浸透性の記録媒体としては、普通紙等が挙げられる。具体的には、浸透性の記録媒体とは、動的走査吸液計で測定した接触時間500ms以内におけるインクの最大吸液量が15ml/m2を超える記録媒体を意味する。
一方、非浸透性の記録媒体としては、コート紙、樹脂フィルム等が挙げられる。具体的には、非浸透性の記録媒体とは、動的走査吸液計で測定した接触時間500ms以内におけるインクの最大吸液量が15ml/m2以下である記録媒体を意味する。
本実施形態において、記録媒体としては、非浸透性の記録媒体を使用することが特に好ましい。本実施形態では、記録媒体として非浸透性の記録媒体を使用した場合であっても、インクと処理液とを併用することにより、耐擦性に優れた画像が得られる。
以下、本実施形態の画像記録方法の一例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
インクジェット記録装置10は、図1に示すように、水性インク(以下「インク」とも称する)を記録媒体P上に吐出する吐出ヘッド122(吐出ヘッド122を有する吐出装置121)を備える記録装置である。インクジェット記録装置10では、インクを記録媒体P上に吐出する吐出工程を有する画像記録方法(インクジェット記録方法)が実現される。これにより、記録媒体P上にインクによる画像を記録する。
具体的には、インクジェット記録装置10は、例えば、記録媒体Pとしての連帳紙(以下、「連帳紙P」とも称する。)に画像を記録する画像記録ユニット12を備えている。
記録装置10は、画像記録ユニット12に供給する連帳紙Pが収容される前処理ユニット14と、前処理ユニット14から画像記録ユニット12へ供給される連帳紙Pの搬送量等を調整するバッファユニット16と、を備えている。バッファユニット16は、画像記録ユニット12と前処理ユニット14との間に配置されている。
記録装置10は、例えば、画像記録ユニット12から排出される連帳紙Pを収容する後処理ユニット18と、画像記録ユニット12から後処理ユニット18へ排出される連帳紙Pの搬送量等を調整するバッファユニット20と、を備えている。バッファユニット20は、画像記録ユニット12と後処理ユニット18との間に配置されている。
記録装置10は、画像記録ユニット12とバッファユニット20との間に配置され、画像記録ユニット12から搬出される連帳紙Pを冷却する冷却ユニット22を備えている。
画像記録ユニット12は、例えば、連帳紙Pを連帳紙Pの搬送経路124に沿って案内するロール部材(符号省略)と、連帳紙Pの搬送経路124に沿って搬送される連帳紙Pにインク(インクの液滴)を吐出して画像を記録する吐出装置121とを備えている。
吐出装置121は、連帳紙Pにインクを吐出する吐出ヘッド122を備えている。吐出ヘッド122は、例えば、有効な記録領域(インクを吐出するノズルの配置領域)が連帳紙Pの幅(連帳紙Pの搬送方向と交差(例えば直交)する方向の長さ)以上とされた長尺状の記録ヘッドである。
なお、吐出ヘッド122は、これに限られず、連帳紙Pの幅よりも短尺状の吐出ヘッドであって、連帳紙Pの幅方向に移動してインクを吐出する方式(いわゆる、キャリッジ方式)の吐出ヘッドであってもよい。
吐出ヘッド122は、インクの液滴を熱により吐出する、いわゆる、サーマル方式であってもよいし、インクの液滴を圧力により吐出する、いわゆる、ピエゾ方式であってもよく、公知のものが適用される。
吐出ヘッド122は、例えば、連帳紙Pにインクを吐出してK(ブラック)色の画像を記録する吐出ヘッド122Kと、Y(イエロー)色の画像を記録する吐出ヘッド122Yと、M(マゼンタ)色の画像を記録する吐出ヘッド122Mと、C(シアン)色の画像を記録する吐出ヘッド122Cとを有している。そして、吐出ヘッド122Kと、吐出ヘッド122Yと、吐出ヘッド122Mと、吐出ヘッド122Cとは、この順番で連帳紙Pの搬送方向(以下、単に「用紙搬送方向」と記載することがある。)に沿って上流側から下流側に連帳紙Pと対向するように並べられている。なお、吐出ヘッドの表記において、K、Y、M、Cを区別しない場合には、符号に付しているK、Y、M、Cを省略する。
吐出ヘッド122K,122Y,122M,122Cは、それぞれ、インクジェット記録装置10に着脱される各色のインクカートリッジ123K,123Y,123M,123Cと供給管(不図示)を通じて連結され、インクカートリッジ123により、各色のインクがそれぞれ吐出ヘッド122へ供給される。
吐出ヘッド122は、上記4色のそれぞれに対応した4つの吐出ヘッド122を配置する形態に限られず、目的に応じて、他の中間色を加えた4色以上のそれぞれに対応した4つ以上の吐出ヘッド122を配置した形態であってもよい。
ここで、吐出ヘッド122としては、例えば、インク滴量以上15pl以下の範囲でインクを吐出する低解像度用の吐出ヘッド122(例えば600dpiの吐出ヘッド)、インク滴量10pl未満の範囲でインクを吐出する高解像度用の吐出ヘッド122(例えば1,200dpiの吐出ヘッド)のいずれを備えていてもよい。また、吐出装置121は、低解像度用の吐出ヘッド122、及び、高解像度用の吐出ヘッド122の双方を備えていてもよい。吐出ヘッド122のインク液滴量は、インクの最大液滴量の範囲である。また、dpiは「dot per inch」を意味する。
吐出装置121は、吐出ヘッド122に対して用紙搬送方向の下流側に、例えば、連帳紙Pの裏面が巻き掛けられ、搬送される連帳紙Pと接触して従動回転しながら連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する乾燥ドラム126(乾燥装置の一例)が配置されている。
乾燥ドラム126の内部には、加熱源(例えばハロゲンヒータ等:不図示)が内臓されている。乾燥ドラム126は、加熱源による加熱により連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する。
乾燥ドラム126の周囲には、連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する温風送風装置128(乾燥装置の一例)が配置されている。この温風送風装置128による温風によって、乾燥ドラム126に巻き掛けられた連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する。
ここで、吐出装置121は、吐出ヘッド122に対して用紙搬送方向の下流側には、連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する近赤外線ヒータ(不図示)、レーザ照射装置等の他の乾燥装置が配置されていてもよい。近赤外線ヒータ、レーザ照射装置等の他の乾燥装置は、乾燥ドラム126及び温風送風装置128の少なくとも一方に代えて、又は乾燥ドラム126及び温風送風装置128に加えて配置される。
一方、前処理ユニット14は、画像記録ユニット12へ供給される連帳紙Pが巻き付けられている供給ロール14Aを備えており、この供給ロール14Aは、図示せぬフレーム部材に回転可能に支持されている。
バッファユニット16は、例えば、用紙搬送方向に沿って第1パスローラ16A、ダンサーローラ16B及び第2パスローラ16Cが配置されている。ダンサーローラ16Bは、図1中上下に移動することにより、画像記録ユニット12へ搬送される連帳紙Pの張力調整、及び連帳紙Pの搬送量を調整する。
後処理ユニット18は、画像が記録された連帳紙Pを巻き取る搬送部の一例としての巻取ロール18Aを備えている。この巻取ロール18Aが図示せぬモータから回転力を受けて回転することで、連帳紙Pが搬送経路124に沿って搬送されるようになっている。
バッファユニット20は、例えば、用紙搬送方向に沿って第1パスローラ20A、ダンサーローラ20B及び第2パスローラ20Cが配置されている。ダンサーローラ16Bは、図1中上下に移動することにより、後処理ユニット18へ排出される連帳紙Pの張力調整、及び、連帳紙Pの搬送量を調整する。
冷却ユニット22には、複数のクーリングローラ22Aが配置されている。複数のクーリングローラ22Aの間に連帳紙Pを搬送することにより、連帳紙Pを冷却する。
次に、本実施形態に係る記録装置10による動作(記録方法)について説明する。
本実施形態に係る記録装置10では、まず、前処理ユニット14の供給ロール14Aから、バッファユニット16を通じて、画像記録ユニット12に連帳紙Pを搬送する。
次に、画像記録ユニット12において、吐出装置121の各吐出ヘッド122からインクを連帳紙Pに吐出する。これにより、連帳紙P上にインクよる画像が形成される。その後、乾燥ドラム126により、連帳紙P上の画像(インク)を連帳紙Pの裏面側(記録面とは反対側の面)から乾燥する。そして、温風送風装置128により、連帳紙Pに吐出されたインク(画像)を連帳紙Pの表面側(記録面)から乾燥する。つまり、乾燥ドラム126及び温風送風装置128により、連帳紙P上に吐出されたインクを乾燥する。
次に、冷却ユニット22において、クーリングローラ22Aにより、画像が記録された連帳紙Pを冷却する。
次に、バッファユニット16を通じて、後処理ユニット18は、画像が記録された連帳紙Pを巻取ロール18Aにより巻き取る。
以上の工程を通じて、記録媒体Pとしての連帳紙Pにインクによる画像が記録される。
なお、インクジェット記録装置10では、吐出装置121(吐出ヘッド122)によってインクの液滴を記録媒体Pの表面に直接吐出する方式について説明したが、これに限られず、例えば中間転写体にインクの液滴を吐出した後に、中間転写体上のインクの液滴を記録媒体Pに転写する方式であってもよい。
また、インクジェット記録装置10では、記録媒体Pとして連帳紙Pにインクを吐出して画像を記録する方式について説明したが、記録媒体Pとして枚葉紙にインクを吐出して画像を記録する方式であってもよい。
以下、実施例を交えて本実施形態を詳細に説明するが、以下に示す実施例のみに本実施形態は限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
(測定方法)
<インクの動的表面張力の測定方法>
動的表面張力は、最大泡圧法動的表面張力計MPT C(LAUDA社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した。
1msec後の動的表面張力の値は、キャピラリー先端で新しい界面が形成されてから1msecで最大泡圧に達したときの動的表面張力の値とした。ただし、最大泡圧法動的表面張力計の測定限界が、1msec後での動的表面張力の場合、0msec後での動的表面張力として表記されることがある。この場合、0msec後での動的表面張力の値を1msec後での動的表面張力の値として採用した。
一方、1sec後の動的表面張力の値は、キャピラリー先端で新しい界面が形成されてから1secで最大泡圧に達したときの動的表面張力の値とした。ただし、最大泡圧法動的表面張力計の測定限界が、1sec未満後の動的表面張力の場合、測定限界での動的表面張力の値を1sec後での動的表面張力の値として採用した。
<インクの静的表面張力の測定方法>
インクの静的表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学(株)製)を使用し、23℃、55%RHの環境において測定した。
(インクジェット用インク1〜5の調製)
表1に記載の成分を混合し、インクジェット用インク1〜5を作製した。
静的表面張力及び動的表面張力の測定値は、表1にまとめて示す。
なお、表1において、各成分の数値は、固形分としての重量%を意味し、イオン交換水の量は、各成分が当該重量%となるように、残部として追加した。
表1に記載の成分を混合した後、孔径5μmのフィルター(ADVANTEC社製、A500A090C)にて濾過することで、インクジェットインク1〜5を調製した。
Figure 2016065138
上記の表1において使用した成分は、以下の通りである。
・カーボンブラック:Mogul L、キャボット(株)製
・スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合体:(水溶性樹脂、平均分子量30,000)、スチレン:アクリル酸エチル:アクリル酸塩(モル比)=40:30:30
・水性樹脂エマルション:アクリル系樹脂エマルション、W−4627(Tg45℃)、W−4626(Tg20℃)、トーヨーケム(株)製
・PEG:和光純薬工業(株)製、ポリエチレングリコール(平均分子量20,000)
・グリセリン:和光純薬工業(株)製
・ジエチレングリコール:和光純薬工業(株)製
・オルフィンE1010:アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、日信化学工業(株)製
・オルフィンEXP.4001:アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、日信化学工業(株)製
・オルフィンEXP.4123:アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、日信化学工業(株)製
・オルフィンEXP.4300:アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、日信化学工業(株)製
・シルフェイスSAG002:ポリエーテル変性シリコーン、日信化学工業(株)製
・シルフェイスSAG503A:ポリエーテル変性シリコーン、日信化学工業(株)製
(処理液A〜Dの調製)
表2に記載の各成分を混合した後、孔径1μmのフィルター(ADVANTEC社製、A100A090C)にて濾過することで、処理液A〜Dを調製した。
なお、表2において、各成分の数値は、固形分としての重量%を意味し、イオン交換水の量は、各成分が当該重量%となるように、残部として追加した。
Figure 2016065138
表2において使用した各成分は、以下の通りである。
・ピロリドンカルボン酸:味の素(株)製
・ポリ塩化アルミニウム:セントラル硝子(株)製
・ビニブラン701FE50:カチオン性ポリマー、日信化学工業(株)製
・グリセリン:和光純薬工業(株)製
・ジエチレングリコール:和光純薬工業(株)製
・オルフィンE1010:アセチレンジオールの酸化エチレン付加物、日信化学工業(株)製
(実施例1〜4、及び、比較例1〜5)
<印字試験>
印刷速度25m/min、ドラムヒーター(設定温度100℃)と温風(設定温度100℃)からなる乾燥工程を有する印刷装置で、印字ヘッドは600dpiのピエゾヘッド(最大滴量11pl)を用いた。処理液をまずIJヘッドで塗布し(2.0g/m2)、その後各色インクでベタ画像の印字を行った。
印刷メディアは王子製紙(株)製OKトップコート+(連量43kg、最大吸液量15ml/m2)、及び、日本製紙(株)製オーロラコートを用いた。
<耐擦性評価>
得られた画像に対して、耐擦性の評価を行った。
得られたベタ画像部にインクジェット用浸透紙NIJ70(王子製紙(株)製)を重ね、20Nの荷重をかけて引きずった。
評価基準は以下の通りである。なお、いずれの記録媒体を用いても、同様の評価であった。
G1:剥がれがなく、転写部の光学濃度が0.03以下
G2:画像は剥がれなかったが、転写部の光学濃度が0.03を超える
G3:画像は剥がれた
なお、転写部の光学濃度は、測定機器:ROMIX CS Co.,Ltd.製、X−Rite504分光濃度計を使用した。
Figure 2016065138
(インクジェット用インク7〜13の調製)
表4に記載の成分を混合し、インクジェット用インク7〜13を作製した。
静的表面張力及び動的表面張力の測定値は、表4にまとめて示す。
なお、表4において、各成分の数値は、固形分としての重量%を意味し、イオン交換水の量は、各成分が当該重量%となるように、残部として追加した。
表4に記載の成分を混合した後、孔径5μmのフィルター(ADVANTEC社製、A500A090C)にて濾過することで、インクジェットインク7〜13を調製した。
Figure 2016065138
(処理液Eの調製)
以下の各成分を混合した後、孔径1μmのフィルター(ADVANTEC社製、A100A090C)にて濾過することで、処理液Eを調製した。
なお、各成分の数値は、固形分としての重量%を意味し、イオン交換水の量は、各成分が当該重量%となるように、残部として追加した。
マロン酸:5
水酸化リチウム:2
グリセリン:8
ジエチレングリコール:8
オルフィンE1010:1.5
イオン交換水:残部
(実施例5〜11、及び、比較例6)
実施例1と同様にして、評価を行った。評価結果を以下の表に示す。
Figure 2016065138
10:インクジェット記録装置
12:画像記録ユニット
14:前処理ユニット
14A:供給ロール
16:バッファユニット
16A:第1パスローラ
16B:ダンサーローラ
16C:第2パスローラ
18:後処理ユニット
18A:巻取ロール
20:バッファユニット
20A:第1パスローラ
20B:ダンサーローラ
20C:第2パスローラ
22:冷却ユニット
22A:クーリングローラ
121:吐出装置
122、122K、122Y、122M、122C:吐出ヘッド
123、123K、123Y、123M、123C:インクカートリッジ
124:搬送経路
126:乾燥ドラム
128:温風送風装置
P:記録媒体

Claims (6)

  1. インクジェット記録用インク及び処理液を含み、
    前記インクジェット記録用インクが、着色剤、高分子粒子、界面活性剤、及び、水を少なくとも含有し、かつ、最大泡圧法により動的表面張力を測定したとき、1msec後での動的表面張力が32mN/m以下であり、1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が0.2mN/m以上3.0mN/m以下であり、
    前記処理液が、水及び凝集剤を含有することを特徴とする
    インクセット。
  2. 前記凝集剤が、有機酸、多価金属塩、及び、カチオン性ポリマーよりなる群から選択される、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記インクセットが、インクジェット記録用インクとして、マゼンタ色のインクジェット記録用インク、シアン色のインクジェット記録用インク、イエロー色のインクジェット記録用インク、及び、ブラック色のインクジェット記録用インクを含有する、請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 記録媒体上に処理液を付与する処理液付与手段、及び、
    インクジェット記録用インクを記録媒体上に吐出する吐出手段を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセットを用いた画像記録装置。
  5. 更に、処理液及び/又はインクジェット記録用インクを加熱乾燥する乾燥手段を含む、請求項4に記載の画像記録装置。
  6. 前記記録媒体が、動的操作吸液計で測定した接触時間500msecにおける前記インクジェット記録用インクの最大吸液量が15mL/m以下である、請求項4又は5に記載の画像記録装置。
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