JP2020084101A - インク、印刷方法およびインクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非浸透性記録媒体に対する定着性および密着性に優れるとともに、耐擦過性および画像光沢性に優れる画像が得られる、インクを提供する。【解決手段】水、界面活性剤、樹脂粒子および色材を含み、該界面活性剤はHLB値が10以上のポリシロキサン系界面活性剤を含み、かつ該界面活性剤はHLB値10未満の界面活性剤を実質的に含まず、該樹脂粒子はスチレンアクリル系樹脂粒子を含むことを特徴とするインクによって上記課題を解決した。【選択図】図1

Description

本発明は、インク、印刷方法およびインクジェット印刷装置に関する。
広告、看板等の産業用途において、耐光性、耐水性、耐摩耗性等の耐久性を向上させるため、例えば、プラスチックフィルム等の非浸透性記録媒体が使用されており、前記非浸透性記録媒体に用いられるインクが種々開発されている。
このようなインクとしては、例えば、有機溶剤を溶媒として用いた溶剤系インク、重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インクなどが広く用いられている。しかし、前記溶剤系インクは、有機溶剤蒸発による環境への影響が懸念される。前記紫外線硬化型インクは、安全性の面から使用する重合性モノマーの選択肢が限られる場合がある。
そこで、環境負荷が少なく、非浸透性記録媒体に直接記録できる水性インクが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
しかし、従来技術の水性インクは、非浸透性記録媒体に対する定着性および密着性に改善の余地があった。
したがって本発明の目的は、非浸透性記録媒体に対する定着性および密着性に優れるとともに、耐擦過性および画像光沢性に優れる画像が得られる、インクを提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)水、界面活性剤、樹脂粒子および色材を含み、該界面活性剤はHLB値が10以上のポリシロキサン系界面活性剤を含み、かつ該界面活性剤はHLB値10未満の界面活性剤を実質的に含まず、該樹脂粒子はスチレンアクリル系樹脂粒子を含むことを特徴とするインク。
本発明によれば、非浸透性記録媒体に対する定着性および密着性に優れるとともに、耐擦過性および画像光沢性に優れる画像が得られる、インクを提供することができる。
図1は、インクジェット記録装置の一例を示す斜視説明図である 図2は、インクジェット記録装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
本発明のインクは、水、界面活性剤、樹脂粒子および色材を含み、該界面活性剤はHLB値が10以上のシロキサン系界面活性剤を含み、かつ該界面活性剤はHLB値10未満の界面活性剤を実質的に含まず、該樹脂粒子はスチレンアクリル系樹脂粒子を含むことを特徴とする。本発明のインクは、必要に応じて、有機溶剤、添加剤等を含有する。
以下、インクに用いる成分について説明する。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、25℃1気圧下で液体のものを用いる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤・相溶化剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が240℃以下のアルコールを用いることが好ましく、沸点が180℃以下のアルコールが特に好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙や非浸透性記録媒体を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
また、インク中に、下記一般式(1)で表される化合物を含有してもよい。
Figure 2020084101
ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上8以下の炭化水素基を表す。
前記一般式(1)で表される化合物としてはR、R及びRが全てメチル基である3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドや、Rがn−ブチル基であり、R及びRがメチル基である3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオン等を挙げることができるが、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドが特に好ましい。商品名としてはR、R及びRが全てメチル基であるものとしてはエクアミドM100(出光興産社製)を挙げることができ、Rがn−ブチル基であり、R及びRメチル基であるものとしてはエクアミドB100(出光興産社製)を挙げることができる。
前記一般式(1)で表される化合物は、有機溶剤として用いられる。一般式(1)で表される化合物を含むことで、更に定着性に優れたインクの提供が可能となり好ましい。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
なお、前記一般式(1)で表される化合物は、本発明のインク中、5〜20質量%含まれるのが好ましく、5〜10質量%含まれるのがさらに好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂粒子>
本発明のインクに含まれる樹脂粒子の種類としては、本発明の効果が良好に奏されるという観点から、スチレンアクリル系樹脂を含むことが必要であり、目的に応じてポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などを併用してもよい。
樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、J−450、J−734、J−7600、J−352、J−390、J−7100、J−741、J74J、J−511、J−840、J−775、HRC−1645、HPD−71、ジョンクリア7600、PDX−6102B、JDX−5050(いずれも、ジョンソンポリマー社製)、T−YP198(星光PMC社製)などが挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性の点から、インク全量に対して、5質量%以上が好ましい。吐出安定性の面から、5質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
また、耐擦過性を向上させる面から、ポリウレタン系樹脂粒子を併用することが好ましい。この形態において、ポリウレタン系樹脂粒子の含有量としては、インク全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上10質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明のインクは、さらに界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、HLB値が10以上のポリシロキサン系界面活性剤を含み、かつ該界面活性剤はHLB値10未満の界面活性剤を実質的に含まない。
<ポリシロキサン系界面活性剤>
前記ポリシロキサン系界面活性剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の側鎖に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の末端に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物などが挙げられる。なお、前記ポリシロキサン系界面活性剤とは、その構造中にポリシロキサン構造を有していればよく、上記例に限定されない。
前記親水性の基や前記親水性ポリマー鎖としては、例えば、ポリエーテル基(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキンドやこれらの共重合体等)、ポリグリセリン(CΗO(CHCH(OH)CHO)−H等)、ピロリドン、ベタイン(CΗ(C−CHCOO―等)、硫酸塩(CΗO(CO)−SONa等)、リン酸塩(CΗO(CO)−P(=O)OHONa等)、4級塩(CΗ(CCl等)などが挙げられる。ただし、前記化学式中、nは1以上の整数を表す。これらの中でも、ポリエーテル基を有することが好ましい。
また、末端に重合性ビニル基を有するポリジメチルシロキサン等と、共重合可能なその他のモノマー(前記モノマーの少なくとも一部には(メタ)アクリル酸、又はその塩などの親水性モノマーを用いることが好ましい)と、の共重合で得られる側鎖にポリジメチルシロキサンなどのシリコーン系化合物鎖を有するビニル系共重合体なども好適に挙げられる。
これらの中でも、ポリシロキサン構造を有する化合物であり、かつ親水性ポリマー鎖を有する化合物が好ましく、前記親水性ポリマー鎖としてポリエーテル基を含有することがより好ましく、ポリシロキサン界面活性剤が疎水基としてメチルポリシロキサンを有し、親水基としてポリオキシエチレンの構造を有する非イオン界面活性剤であることが特に好ましい。
前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値としては、10以上である。前記HLB値が、10以上であると、各種非浸透性記録媒体に対して、優れた密着性を確保することができる。前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値は、10以上15以下が好ましい。
ここで、HLB値とは界面活性剤の親水基と親油基とのバランスを意味し、前記HLB値は0〜20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。前記HLB値は、以下の式(グリフィン法)により定義されるものである。
HLB値=20×(親水部の式量の総和/分子量)
前記ポリシロキサン系界面活性剤としては、例えば上述のようにポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物などが挙げられる。
前記ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えばKF−353(HLB値:10)、KF−618(HLB値:11)、KF−642(HLB値:12)、KF−643(HLB値:14)、KF−6013(HLB値:10.0)、KF−6043(HLB値:14.5)(信越化学工業株式会社)、TSF4440(HLB値:14)、TSF4452(HLB値:11)、(東芝シリコン株式会社)、シルフェイスSAG002(HLB値:12)(日信化学工業株式会社製)などが挙げられる。
<その他界面活性剤>
その他の界面活性剤として、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などを併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
ただし、本発明のインクは、HLB値10未満の界面活性剤を実質的に含まないものである。HLB値10未満の界面活性剤を含む場合、本発明の効果を奏することができない。なお、本明細書で言う「実質的に含まない」とは、インク中のHLB値10未満の界面活性剤の含有量が0質量%以上0.1質量%以下であることを意味する。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の効果が良好に奏される点に加え、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5.00質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5.00質量%以下、1.00質量%以上2.00質量%以下がより好ましい。とくに前記ポリシロキサン系界面活性剤の含有量は、1.00質量%以上2.00質量%以下であることがとくに好ましい。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、消泡剤、防腐防黴剤、pH調整剤等を加えても良い。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
前記ポリプロピレン、ポリエチレンとしては特に制限はなく、例えばAR1025、AR1056、AR1082、EC1082、1082D、1073D、1056D、1025D、FR1073(旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社)、P2002、P2102、P2108、P2161、P2171、P2111、P4266、P5767、P3162、P6181、P8121、P1162、P1111、P1128、P1181、P1153、P1157、P1146、P1147、P1171(東洋紡株式会社)、YPI、アクアユポ、スーパーユポ、ウルトラユポ、ニューユポ、ユポ電飾用紙、ユポ建材用紙、ユポハイグロス、ユポジェット、メタリックユポ(株式会社ユポ・コーポレーション)などが挙げられる。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
また本発明の印刷方法は、被印刷物にインクを付与する工程を有し、該インクとして前記本発明のインクを用いる。
また本発明のインクジェット印刷装置は、インクを吐出する液体吐出ヘッドと、インクとを有し、該インクとして前記本発明のインクを用いる。
以下、本発明の印刷方法およびインクジェット印刷装置の例について説明する。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
赤外線ヒーターを用いた場合、少なくとも近赤外線照射装置を備えている。
近赤外線照射装置は、ハロゲンランプと反射ミラーから成る装置が知られている。反射ミラーにハロゲンヒーターを組み込み、加熱ユニット化することにより効率の良い加熱を実現しようとしたものが製品化されており、例えば、UH−USC−CL300、UHUSC−CL700、UH−USC−CL1000、UH−USD−CL300、UHUSD−CL700、UH−USD−CL1000、UH−MA1−CL300、UHMA1−CL700、UH−MA1−CL1000(全てウシオ電機製)などが挙げられる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」であり、「%」は、評価基準中のものを除き、「質量%」である。また、特に記載が無い場合、インクの調製、評価は、室温25℃、湿度60%の条件下で行った。
<インクの調製>
(顔料分散体の調製例)
<ブラック顔料分散体の調製>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して自己分散型ブラック顔料分散体(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)・・・15部
・アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)・・・2部
・イオン交換水・・・83部
<インク組成物1>
以下の配合で、全部で100部になるようにイオン交換水を加え、調合後混合攪拌し、5μmのフィルター(ザルトリウス社製ミニザルト)で濾過して、実施例1のインク組成物1を得た。
ブラック顔料分散体 15.00部
J−450(スチレンアクリル系樹脂粒子、不揮発分42%、ジョンソンポリマー社製) 9.50部
スーパーフレックス300(ポリウレタン系樹脂粒子、不揮発分30%、泰一工業製薬社製) 6.70部
KF−353(ポリシロキサン系界面活性剤、HLB値=10、信越化学工業社製) 1.00部
1,3−ブタンジオール 10.00部
3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド 10.00部
3-メトキシ-3-メチルブタノール 5.00部
プロキセルLV(アビシア製防腐剤) 0.10部
イオン交換水 残量
<インクの組成2〜9>
表1に記載の処方でインク組成物1と同様にして実施例2〜7および比較例1,2の各インク組成物を調製した。表1記載の含有率(質量部)は、固形分濃度を表す。
ただし、上記に記載のない表中の材料には以下を使用した。
KF−6043(ポリシロキサン系界面活性剤、HLB値=14.5、信越化学工業社製)
EMALEX−SS−5602(ポリシロキサン系界面活性剤、HLB値=9、日本エマルジョン社製)
Figure 2020084101
得られたインクを用いて、以下のようにして、「密着性」、「耐擦過性」、「定着性(ビーディング)」及び「画像光沢度」を評価した。結果を表2に示す。
[ベタ画像の形成]
次に、インクをインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、ポリ塩化ビニルフィルム(CPPVWP1300、桜井株式会社製、以下、「PVCフィルム」とも称することがある)記録媒体に対し、インク付着量が0.6g/cmで、ベタ画像を記録した。記録後、前記ベタ画像をホットプレート(NINOS ND−1、アズワン株式会社製)上で80℃で1時間乾燥させた。
なお、前記IPSiO GXe5500改造機は、IPSiO GXe5500機を、150cmの印字幅で30m/hrの記録速度相当の記録をA4サイズで再現できるように改造し、また、前記ホットプレートを設置し、記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)を変えることができるように改造した。
<密着性>
前記ベタ画像の形成方法と同様にして、PPフィルム記録媒体(東洋紡製、P2161)に形成されたベタ画像に対し、布粘着テープ(ニチバン株式会社製、123LW−50)を用いた碁盤目剥離試験により、試験マス目100個の残存マス数をカウントし、下記評価基準に基づいて、記録媒体に対する「密着性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
〔評価基準〕
AA:残存マス数が98個以上
A:残存マス数が90個以上98個未満
B:残存マス数が70個以上90個未満
C:残存マス数が70個未満
<耐擦過性>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像を綿布で10回擦り、綿布への顔料転写具合を目視で観察し、下記の基準で評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
〔評価基準〕
A:綿布への顔料転写は殆どみられない。
B:若干の顔料転写がみられる。
C:明らかに顔料が転写している。
<定着性(ビーディング)>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像の記録ムラを目視により観察し、下記評価基準に基づいて、「定着性(ビーディング)」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
A:非常に良好(ビーディングが全くなかった)
B:良好(わずかにビーディングが観察された)
C:普通(ビーディングがあった)
D:不良(著しいビーディングがあった)
<画像光沢度>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像の60°光沢度を、光沢度計(BYK Gardener社製、4501)により4回測定し、光沢値の平均値を求め、下記評価基準に基づいて、「画像光沢度」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
〔評価基準〕
AA:光沢値が100以上
A:光沢値が90以上100未満
B:光沢値が80以上90未満
C:光沢値が80未満
Figure 2020084101
実施例1、2は、本発明の好ましい形態であり、密着性及び定着性に優れ、非浸透性記録媒体に印字した際にも高い画像光沢度が得られると共に、耐擦過性を有する画像を得られることが分かる。
実施例3は樹脂固形分が5質量%未満である例であり、実施例1、2に比べ密着性および耐擦過性が劣る結果となった。
実施例4は、ポリウレタン樹脂粒子を併用しない例であり実施例1、2に比べ耐擦過性が劣る結果となった。
実施例5は、一般式(1)で表される化合物を含まない例であり、実施例1、2に比べ定着性が劣る結果となった。
実施例6は、界面活性剤の添加量がやや少ない例であり、実施例1、2に比べ画像光沢度が劣る結果となった。
実施例7は、界面活性剤の添加量がやや多い例であり、実施例1、2に比べ密着性および定着性が劣る結果となった。
比較例1は、HLB値が10未満のポリシロキサン系界面活性剤を含む例であり、実施例に比べ密着性、定着性が劣る結果となった。
比較例2は、スチレンアクリル系樹脂粒子を用いない例であり、実施例に比べ密着性が劣る結果となった。
前記表2の結果から、本発明におけるインクが屋外用途に適したものであることが分かる。また、実施例1〜7のインクは、密着性、耐擦過性、定着性及び画像光沢度に優れていた。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
L インク収容容器
特開2005−220352号公報 特開2011−094082号公報

Claims (8)

  1. 水、界面活性剤、樹脂粒子および色材を含み、該界面活性剤はHLB値が10以上のポリシロキサン系界面活性剤を含み、かつ該界面活性剤はHLB値10未満の界面活性剤を実質的に含まず、該樹脂粒子はスチレンアクリル系樹脂粒子を含むことを特徴とするインク。
  2. 前記樹脂粒子をインク全体の5質量%以上含む、請求項1に記載のインク。
  3. ポリウレタン系樹脂粒子を併用する、請求項1または2に記載のインク。
  4. 更に、下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項1から3のいずれかに記載のインク。
    Figure 2020084101
    ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上8以下の炭化水素基を表す。
  5. 前記ポリシロキサン系界面活性剤の含有量が、1.00質量%以上2.00質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載のインク。
  6. 被印刷物にインクを付与する工程を有する印刷方法において、該インクとして、請求項1から5のいずれかに記載のインクを用いる印刷方法。
  7. 前記インクを付与する工程が、液体吐出ヘッドを用いてインクを吐出するインクジェット印刷工程である請求項6に記載の印刷方法。
  8. インクを吐出する液体吐出ヘッドと、インクとを有するインクジェット印刷装置において、該インクは請求項1から5のいずれかに記載のインクであるインクジェット印刷装置。

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