JP2017114951A - インク、インクカートリッジ、記録方法、インクジェット記録装置、画像 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、記録方法、インクジェット記録装置、画像 Download PDF

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亮太 岩崎
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Abstract

【課題】画像定着性の悪化を伴うことなく、記録媒体におけるブロッキングの発生を抑制できるインクの提供。
【解決手段】(1)有機顔料、樹脂粒子、フィラー、有機溶剤及び水を含むインクであって、前記樹脂粒子は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のウレタン樹脂粒子を含み、前記フィラーは、モース硬度が3以上の無機顔料を含むインク。
(2)乾固させたときのインク膜のマルテンス硬度が150〜300N/mmである(1)に記載のインク。
(3)前記ウレタン樹脂粒子のTgが50℃〜100℃である(1)又は(2)に記載のインク。
(4)前記フィラーの含有量が、インク総質量に対して1〜5質量%である(1)〜(3)のいずれかに記載のインク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク、これを用いたインクカートリッジ、記録方法、インクジェット記録装置、及び画像に関する。
インクジェット記録方式は、微細なノズルから少量のインク液滴を飛翔させて紙などの記録媒体に付着させ文字や画像を記録する方式であり、低騒音、プロセスが簡便かつカラー化が容易であることから家庭用プリンターとして広く普及している。
近年、インクジェット記録方式は、可変印刷や幅広い記録媒体に対応できるといった利点から、商用印刷にも拡大している。しかし、商用印刷に係る印刷物は、大量に積み重ねて保管されたり輸送され、印刷物の荷重による圧力と環境変化により、印字した印刷物のインクが別の印刷物に張り付いたり剥がれたりするブロッキングが発生していた。
このブロッキングの抑制については様々な手法が提案されており、例えば、インクの塗布量・付着量を下げたり、ガラス転移温度(Tg)の高い樹脂を添加したりすると、ブロッキングが低減することが知られている。
また、有機顔料は、分子間相互作用により粒子を形成しているため柔らかく、十分な硬度のインク膜が得られず、タック性が発生しブロッキングが発生しやすかった。その対策としてアクリル樹脂を添加する方法があり、インク膜の硬度を上げることができるが、耐擦過性が悪く十分な画像定着性は得られていない。また、ウレタン樹脂を用いた場合は、画像定着性に優れるものの、柔軟性が高いためブロッキングが問題となっていた。
特許文献1には、Tgが100℃以上の第一の樹脂と、Tgが40℃以上60℃未満の第2の樹脂を加えることにより、画像の耐擦性に優れ、かつブロッキングの発生が抑制されたインクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法が開示されている。本発明とはTgを規定した樹脂を加えて耐ブロッキング性を向上させるという点で類似するが、ブロッキングの抑制効果は不十分であり、また画像定着性の悪化を招くという問題は解消できていない。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、画像定着性の悪化を伴うことなく、記録媒体におけるブロッキングの発生を抑制できるインクの提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 有機顔料、樹脂粒子、フィラー、有機溶剤及び水を含むインクであって、前記樹脂粒子は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のウレタン樹脂粒子を含み、前記フィラーは、モース硬度が3以上の無機顔料を含むことを特徴とするインク。
本発明によれば、画像定着性の悪化を伴うことなく、記録媒体におけるブロッキングの発生を抑制可能なインクを提供できる。
記録装置の一例の斜視説明図。 図1の装置に用いるメインタンクの斜視説明図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明する。なお、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜12)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 乾固させたときのインク膜のマルテンス硬度が150〜300N/mmであることを特徴とする1)に記載のインク。
3) 前記ウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が50℃〜100℃であることを特徴とする1)又は2)に記載のインク。
4) 前記フィラーの含有量が、インク総質量に対して1〜5質量%であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のインク。
5) インク中の前記有機顔料の含有量(質量基準)を1とした場合の、インク中の前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量基準)が1〜3であることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のインク。
6) 前記ウレタン樹脂粒子がエステル系のウレタン樹脂粒子であることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のインク。
7) 前記フィラーが、ホワイトカーボンであることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のインク。
8) 前記有機顔料が、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、及びアニリンブラックから選ばれたものであることを特徴とする1)〜7)のいずれかに記載のインク。
9) 1)〜8)のいずれかに記載のインクを付着させた記録媒体を100℃以上で加熱する加熱乾燥工程を有することを特徴とする記録方法。
10) 1)〜8)のいずれかに記載のインクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
11) 10)に記載のインクカートリッジを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
12) 記録媒体上の画像であって、該画像は、有機顔料、樹脂及びフィラーを含み、前記樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のウレタン樹脂を含み、前記フィラーは、モース硬度が3以上の無機顔料を含むことを特徴とする画像。
本発明者らは、画像定着性の高いウレタン樹脂粒子を選定し、Tgがブロッキングに与える影響について検討した結果、Tgが高いほど優れた耐ブロッキング性を示し、その際にインク膜のマルテンス硬度が高い値を示すことを見出した。そこで更に検討した結果、インク中に硬いフィラーを添加してインク膜を一層硬くし、画像の密着性とタック性を下げると、ブロッキングを高いレベルで抑制できる上に、ウレタン樹脂の弾性により高い画像定着性が得られることを知見し、本発明に至った。
ここで、マルテンス硬度とは、押し込み深さ試験において得られる材料の硬さを表す指標である。この試験では、材料にビッカース圧子を押し込み、その際の負荷試験力と押し込み深さを連続的に測定して「押し込み深さ−試験力」の関係を得る。そして、この曲線の最大負荷試験力の50%値と90%値までの押し込み深さが、負荷試験力の平方根に比例する傾きからマルテンス硬度が求められる。
具体的には、インクをガラスプレート上に、厚さが5〜10μmとなるように塗膜し、100℃で6時間減圧乾燥する。このインク膜に、フィシャー・インストルメンツ社製、微小硬度計HM−2000を用いて、ビッカース圧子を1.0[mN]の力で10秒かけて押し込み、5秒間保持し、10秒間かけて圧子を引き抜くと、インクのマルテンス硬度を測定することができる。
この方法で測定したインクのマルテンス硬度は150〜300N/mmであることが望ましい。150N/mm以上であればタックが少なく耐ブロッキング性が良好である。また、300N/mm以下であれば耐擦過性に優れている。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する有機顔料、樹脂粒子、有機溶剤、水及びフィラーについて説明する。また、本発明のインクに用いてもよい添加剤等についても説明する。
<樹脂粒子>
本発明で用いる樹脂粒子は、Tgが50℃以上のウレタン樹脂粒子を含む。Tgが50℃未満では十分な画像硬度が得られずタックが発生する。また、Tgが100℃以下であるとインクの保存安定性が良好であることから、Tgは50℃〜100℃が望ましい。
ウレタン樹脂粒子はエステル系のウレタン樹脂粒子であることが好ましい。
樹脂粒子は、インク中で分散した樹脂エマルションの状態で、有機顔料や有機溶剤などの材料と混合してもよい。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを用いても市販品を用いてもよく、また、1種を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
<フィラー>
本発明で用いるフィラーは、モース硬度が3以上の無機顔料を含む。モース硬度とは、硬さを示す尺度の一つであり、1〜10の標準物質の硬さで決められている。硬さを測定する試料物質で硬さの標準物質を擦り、ひっかき傷の有無で硬さを判定する。
モース硬度が3以上の無機顔料の具体例としては、ホワイトカーボン(微粉末ケイ酸)、酸化鉄類(ベンガラ、黄酸化鉄、鉄黒等)鉄粉、銅粉等がある。
また、フィラーとして使用可能なモース硬度が3未満の材料の具体例としては、炭酸カルシウム、タルク、アルミニウム粉等がある。有色インクであることを考慮すると、白色顔料が好ましいが、添加後の色味を検討さえすれば酸化鉄などの有色顔料であっても構わない。含有量は、耐ブロッキング性の効果と吐出性の点からインク総質量に対して1〜5質量%であることが好ましい。また、良好な吐出性の点から体積平均粒子径(D90)は80〜250nmであることが好ましい。
<有機顔料>
本発明で用いる有機顔料は、もともと硬度の低い顔料である。その例としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらのうち、有機溶剤と親和性の良いものが好ましい。
インク中の有機顔料の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
また、インク中の有機顔料の含有量(質量基準)を1とした場合の、インク中の前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量基準)は1〜3であることが望ましい。ウレタン樹脂粒子が1以上であれば、画像の擦過性が悪化することはなく、3以下であれば、インクの保存安定性が悪化することはない。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものとする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤は特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分には樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、デシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク中における界面活性剤の含有量としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度の測定には、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体は特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本願において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録方法は、インクの付着した記録媒体を100℃以上で加熱する加熱乾燥工程が入ることが望ましい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」は、「質量部」であり、「%」は、評価基準中のものを除き、「質量%」である。
<シアン顔料分散体の調製>
ピグメントブルー15:4(SENSIENT社製SMART Cyan 3154BA)90gを、2.5N(規定)の次亜塩素酸ナトリウム水溶液3000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。
得られた反応液を濾過し、濾別したシアン顔料を水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
次いで、得られた濾過物とイオン交換水を用いて透析膜による限外濾過を行い、更に、超音波分散を行って、顔料固形分を20%に濃縮したシアン顔料分散体を得た。
<マゼンタ顔料分散体の調製>
前記シアン顔料分散体の調製におけるピグメントブルー15:4に代えてピグメントレッド122(Sun Chemical社製Pigment Red 122)を用いた点以外は同様にして、マゼンタ顔料分散体を得た。
<ホワイトカーボン顔料分散体の調製>
前記シアン顔料分散体の調製におけるピグメントブルー15:4に代えてホワイトカーボン(日本シリカ社製ニプシール)を用いた点以外は同様にして、ホワイトカーボン顔料分散体を得た。
<炭酸マグネシウム顔料分散体の調製>
前記シアン顔料分散体の調製におけるピグメントブルー15:4に代えて炭酸マグネシウム(和光純薬社製)を用いた点以外は同様にして、炭酸カルシウム顔料分散体を得た。
<タルク顔料分散体の調製>
前記シアン顔料分散体の調製におけるピグメントブルー15:4に代えて、タルク顔料(富士タルク社製PK50)を用いた点以外は同様にして、タルク顔料分散体を得た。
<炭酸カルシウム顔料分散体の調製>
前記シアン顔料分散体の調製におけるピグメントブルー15:4に代えて、炭酸カルシウム(和光純薬社製)を用いた点以外は同様にして、炭酸カルシウム顔料分散体を得た。
<ウレタン樹脂エマルジョンAの調製>
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、窒素気流下でポリライトOD−X−2420(DIC社製ポリエステルポリオール)1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g及びN−メチルピロリドン(NMP)1347gを仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。得られた反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出し、強攪拌下、水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1500gを投入し、35%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行った後、水分量を調整し、固形分濃度40%のウレタン樹脂エマルジョンAを得た。
<ウレタン樹脂エマルジョンBの調製>
前記ウレタン樹脂エマルジョンAの調製におけるポリライトOD−X−2420に代えて、トーエスターH−450(東洋インキ製造社製ポリエステルポリオール)を用いた点以外は同様にして、固形分濃度40%のウレタン樹脂エマルジョンBを得た。
<ウレタン樹脂エマルジョンCの調製>
前記ウレタン樹脂エマルジョンAの調製におけるポリライトOD−X−2420に代えて、エリーテルXA−0611(ユニチカ社製ポリエステルポリオール)を用いた点以外は同様にして、固形分濃度40%のウレタン樹脂エマルジョンCを得た。
<ウレタン樹脂エマルジョンDの調製>
前記ウレタン樹脂エマルジョンAの調製におけるポリライトOD−X−2420に代えて、クラレポリオールC−590(クラレ社製ポリカーボネート系ポリオール)を用いた点以外は同様にして、固形分濃度40%のウレタン樹脂エマルジョンDを得た。
<ウレタン樹脂エマルジョンEの調製>
前記ウレタン樹脂エマルジョンAの調製におけるポリライトOD−X−2420に代えて、ハイフレックスD2000(第一工業製薬社製ポリエーテルポリオール)を用いた点以外は同様にして、固形分濃度40%のウレタン樹脂エマルジョンEを得た。
<アクリル樹脂エマルジョンの調製>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下で窒素置換しながら70℃まで昇温した。次いで内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを加えて溶解させた後、予めイオン交換水450gに、ラウリル硫酸ナトリウム3g、アクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸10gを撹拌しつつ加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間熟成し、得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して、固形分30%、pH8に調整することにより、固形分濃度40%のアクリル樹脂エマルジョンを得た。
上記ウレタン樹脂エマルジョンA〜E及びアクリル樹脂エマルジョンの組成、固形分濃度及びTgを纏めて表1に示す。
Figure 2017114951
実施例1〜13、比較例1〜5
<インクの調製>
表2−1の実施例1〜13及び表2−2の比較例1〜5の各欄に示した処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過して、各インクを調製した。なお、表2−1、表2−2中の数値は「質量%」である。

<物性の測定・評価>
上記各インクについて、以下のようにして物性を測定し評価した。結果を表3−1、表3−2に示す。
<マルテンス硬度の測定>
各インクをガラスプレート上に5〜10μmの厚さになるように塗膜し、100℃で6時間減圧乾燥した。インク膜に、フィシャー・インストルメンツ社製、微小硬度計HM−2000を用いて、ビッカース圧子を1.0[mN]の力で10秒かけて押し込み、5秒保持し、10秒間かけて圧子をインク膜から引き抜いて、マルテンス硬度を測定した。
<ブロッキング評価>
プリンター(リコー社製GXe5500)を用いて、記録媒体に6cm四方のベタ部を印字し、100℃で180秒乾燥させた後、印字面に印刷していない記録媒体(合紙)を重ねた。これを10×10cm四方のガラス板2枚の間に挟み、その上から、加重0.5kg/cmをかけた状態で60℃70%の環境下に24時間放置した後、次の基準でブロッキングの程度を評価した。

〔評価基準〕
A:ブロッキングなし(抵抗なく用紙同士が剥離する)。
B:合紙に張り付くが、転写はなし。
C:合紙の転写部が30cmの距離から分かる。
D:合紙の転写部が1mの距離から分かる。
E:密着してしまい、剥がすと紙がやぶれる。
<定着性評価>
Lumi Art Gross(90gms)上に、プリンター(リコー社製GXe5500)を用いて6cm四方のベタ画像を100dutyで印字し、印字直後に100℃の定温乾燥機(アズワン社製OF−300B)で180秒乾燥させた。次いで、クロックメータ(東洋精機社製)に装着したLumi Art Gross(90gms)で印字したベタ部を擦って10往復させ、擦った方の用紙に付着した汚れをX−rite(X−rite社製濃度計)で測定し、次の基準で評価した。なお、「OD」は「光学濃度」である。

〔評価基準〕
A:転写ODが0.10未満
B:転写ODが0.10以上、0.15未満
C:転写ODが0.15以上、0.20未満
D:転写ODが0.20以上、0.25未満
E:転写ODが0.25以上
<保存安定性評価>
各インクの粘度を回転粘度計(粘度計RE80L・コーンプレートタイプ、東機産業社製)を用いて25℃で測定した。測定操作は次のとおりである。
即ち、各インクを1.1mL採取して粘度計のサンプルカップに入れ、該サンプルカップを粘度計本体に取り付けて1分間静置した後、粘度計のローターを回転し、1分後の値を読み取った。粘度測定時の回転数は、トルクが40%〜80%の範囲で一定になるように調整した。
上記操作により、各インクを調製した翌日の粘度と、50℃で1週間保管した後の粘度を測定し、下記式により粘度変化率を算出し、次の基準で保存安定性を評価した。

粘度変化率(%)=〔(保管した後の粘度−翌日の粘度)/翌日の粘度〕×100

〔評価基準〕
A:粘度変化率が±3%未満
B:粘度変化率が±3%以上、5%未満
C:粘度変化率が±5%以上、7%未満
D:粘度変化率が±7%以上
Figure 2017114951
Figure 2017114951
Figure 2017114951
Figure 2017114951
実施例1〜5は特に好ましい例であり、ブロッキングと画像定着性が共に良好である。
実施例7、8は、無機顔料の含有量が請求項4の範囲外のため画像定着性がやや低下している。実施例6、9は、有機顔料とウレタン樹脂粒子の含有量の比が請求項5の範囲外のため、ウレタン樹脂が多い実施例6では保存安定性がやや低下しており、ウレタン樹脂が少ない実施例9ではブロッキングと画像定着性がやや低下している。実施例10は、ポリカーボネート系のウレタン樹脂を用いたため、画像定着性がやや低下している。実施例11は、ウレタン樹脂のTgが請求項3の範囲外のため、画像定着性と保存安定性が共にやや低下している。実施例12、13は、マルテンス硬度が請求項2の範囲外のため、マルテンス硬度が低い実施例12ではブロッキング性が悪化し、マルテンス硬度が高い実施例13では画像定着性が低下しているが、実用上問題はないレベルである。
一方、比較例1は、ウレタン樹脂のTgが請求項1の範囲外のため、ブロッキングに問題がある。比較例2はアクリル樹脂を用いたため、画像定着性に問題がある。比較例3は無機顔料を含まないため、インク膜にしたときに十分な硬度が得られず、ブロッキングに問題がある。比較例4〜5は無機顔料のモース硬度が請求項1の範囲外のため、ブロッキングに問題がある。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
L インクカートリッジ
特開2010−155907号公報

Claims (12)

  1. 有機顔料、樹脂粒子、フィラー、有機溶剤及び水を含むインクであって、前記樹脂粒子は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のウレタン樹脂粒子を含み、前記フィラーは、モース硬度が3以上の無機顔料を含むことを特徴とするインク。
  2. 乾固させたときのインク膜のマルテンス硬度が150〜300N/mmであることを特徴とする請求項1に記載のインク。
  3. 前記ウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が50℃〜100℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記フィラーの含有量が、インク総質量に対して1〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク。
  5. インク中の前記有機顔料の含有量(質量基準)を1とした場合の、インク中の前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量基準)が1〜3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインク。
  6. 前記ウレタン樹脂粒子が、エステル系のウレタン樹脂粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインク。
  7. 前記フィラーが、ホワイトカーボンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインク。
  8. 前記有機顔料が、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、及びアニリンブラックから選ばれたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインク。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のインクを付着させた記録媒体を100℃以上で加熱する加熱乾燥工程を有することを特徴とする記録方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のインクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  11. 請求項10に記載のインクカートリッジを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 記録媒体上の画像であって、該画像は、有機顔料、樹脂及びフィラーを含み、前記樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のウレタン樹脂を含み、前記フィラーは、モース硬度が3以上の無機顔料を含むことを特徴とする画像。
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