JP3158682B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JP3158682B2
JP3158682B2 JP19703192A JP19703192A JP3158682B2 JP 3158682 B2 JP3158682 B2 JP 3158682B2 JP 19703192 A JP19703192 A JP 19703192A JP 19703192 A JP19703192 A JP 19703192A JP 3158682 B2 JP3158682 B2 JP 3158682B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写媒体上にインク像
を形成した後、記録媒体に転写し、記録媒体上にインク
像を得る転写型のインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】記録紙上に直接インク滴を吐出しインク
像形成を行なう直接型インクジェットプリンタに対し
て、転写型インクジェットプリンタは、記録紙や紙粉と
記録ヘッドの意図しない接触に起因するノズル目詰まり
がなく、高い信頼性が得られ、また紙質(紙表面の平滑
性)に依存せず高画質が得られるという特徴を有する。
従来の転写型インクジェットプリンタとしては、特開昭
59−225958号公報ならびに米国特許第4538
156号明細書に記載されている構成が知られている。
これらでは、ドラム状またはベルト状の転写媒体に対し
て間隙を介して複数のノズルを有する記録ヘッドを設け
る。記録ヘッドで転写媒体上へインク像形成を行なった
後、記録媒体である記録紙を転写媒体に当接させ、押圧
することによって、インク像は記録紙に転写される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のインク
ジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドか
ら吐出させるためにインクは一定値以下の粘度を有する
十分低粘度の液体でなければならない。通常は吐出には
少なくとも50mPa・sより低粘度の状態でないと必
要な吐出特性が得られない。このインクを吐出して形成
される転写媒体上のインク像は、低粘度液体の液滴から
構成され、記録紙に浸透しやすい。さらに記録紙と当接
して転写される際に、狭い間隙を通過するため、押し広
げられ、形がゆがむ。従って、次の記録紙への転写の工
程で、記録紙に当接させて押圧されると、形がゆがみ、
さらに記録紙に染み込みエッジが不鮮明になって、画像
品質が低下する。
【0004】これに対して、特開昭62−92849に
おいて開示される方法では転写媒体上のインク像を乾燥
させてから記録紙に転写する。この方法によれば、転写
媒体上のインク像は容易に変形せず、記録紙に染み込む
こともない。従って、圧力転写によって、像品質が劣化
する事なく、転写媒体上のインク像が記録紙に忠実に転
写され、高画質像が得られる。
【0005】しかしながらこの場合、転写媒体上のイン
ク像は半固体状であり、大きな圧力を印加しないと記録
紙との間の付着力が得られず、良好な転写特性を得るた
めに大きな圧力を加えられるよう構成する必要があっ
た。従って、転写に要する圧力が大きいために、装置構
成上、装置の大型化、コストアップ等の欠点を有する。
さらに加えて、実際の装置化の際、転写媒体上へのイン
ク像形成から転写工程までの時間(濃縮時間)が場所に
よって異なり、転写ムラを生じ高画質の転写画像が得ら
れなかった。
【0006】これに対して、本発明者らは、転写媒体上
のインク像を、乾燥が十分進行していない状態で、イン
ク像が適度の粘稠状態を保っている状態で転写させるこ
とによって、小さい転写圧力で、染み込みや形のゆがみ
の無い高画質転写が可能な条件の存在することを見いだ
した。
【0007】この特性を、図1の実験結果で示す。
【0008】実験に用いた転写媒体は厚さ1mmのシリ
コーンゴムである。
【0009】インクはインク溶媒として非極性絶縁性溶
媒、具体的にはエクソン化学社製アイソパーLを用い、
これを溶媒として、顔料、樹脂を分散して構成されてい
る。顔料と樹脂で色材固形成分を構成し、色材固形成分
とインク溶媒の重量組成は、それぞれ24%、76%で
ある。固形分濃度は以下で定義する。
【0010】固形分濃度=色材固形成分重量/(色材固
形成分重量+インク溶媒重量)図1のグラフでは、横軸
にインク像形成から転写までの経過時間を表わす。これ
はインク滴が転写媒体上に付着した時点から、転写媒体
上のインク像を記録紙に転写する時点までの時間とし、
以下ではこれを濃縮時間と表わす。縦軸には転写時に印
加する圧力を表わす。
【0011】斜線で示す領域Uは高画質転写像の得られ
る領域、同じく領域Sは、転写時に記録紙へのニジミ
や、広がり変形により画質低下の生ずる領域、領域Vは
転写残りによる画質劣化の見られる領域である。領域U
の下端領域で境界を破線で示す部分は遷移的であって、
領域S、Vの挙動が不安定に生ずる。
【0012】Uの領域では、特定の圧力に対して、転写
の可能な、一定範囲の適正濃縮時間が存在する。領域U
の中で転写圧力が大きい場合、例えば図1中で転写圧力
P2の時、許容濃縮時間が長くとれるが、領域Uの中で
下方領域で転写圧力が小さい部分では、許容濃縮時間が
短い特性を有する。このような条件では、転写圧力を特
定の値P1に設定したとき、転写可能最小時間T1と転
写可能最大時間T2が存在する。T1より早い時点で転
写するとインク像の濃縮が不十分で像の崩れ、染み込み
によって良好な転写像が得られない。T2を過ぎて転写
すると、乾燥が進んでいるため、必要とする転写圧力が
大きく、圧力P1では転写残りを生ずる。高画質転写画
像を得るには、より大きな転写圧力を加える必要がある
ことを示している。
【0013】代表的数値で本実験のインクを用いた特性
を表わすと、P1として3Kg/cm2の転写圧力を印
加した場合、T1は2.5秒、T2は5秒で、T1から
T2までの許容乾燥時間の間隔は2.5秒であった。
【0014】この時、転写時の転写媒体上のインク像が
固形分濃度35〜70%であった。上記固形分濃度にお
いて若干の転写画像品質のバラツキを伴う実用上問題の
ないレベルの転写画像品質を得ることが出来る。更に、
高画質転写画像の得られるより望ましい固形分濃度は3
5〜45%であった。
【0015】低圧力転写を行なうには上記の固形分濃度
に保ち、適度の粘稠状態のインク像を転写する必要があ
る。
【0016】上記のように、適度の粘稠状態が保持され
る時間は2.5秒程度であることは、図2のさらに別の
実験結果を用いて説明することができる。シリコーンゴ
ムはアイソパーL(インク溶媒浸透成分)を吸収する特
性を有する。この転写媒体のインク溶媒を浸透する能力
は測定の結果、飽和浸透溶媒量で表わして、1.3Kg
/m2であった。一方、インクジェット記録ヘッドから
吐出されるインク量は1ドット当り0.06μgであ
り、これは転写媒体上で84μmの直径のドットを形成
した。インク中でインク溶媒は重量比76%であること
から、インク溶媒量はインク像部分で8.2E−3Kg
/m2である。このような量は飽和浸透溶媒量に対して
相対的に十分小さい値であるため、上記のインク溶媒の
浸透は5.5秒で速やかに行なわれる。上記適正固形分
濃度35〜75%に相当するインク溶媒残量は4.8〜
1.1E−3Kg/m2であり、転写媒体に浸透するイ
ンク溶媒の浸透量は3.4〜7.1E−3Kg/m2
ある。この浸透に要する時間(適正濃縮時間)は、図か
ら2.5〜5秒までの間である。これより長い濃縮時間
を経ると転写媒体へのインクの浸透が進行し、インク像
からインク溶媒が除去されるため適正固形分濃度以上の
濃度となり、低圧力転写ができなかった。
【0017】上に述べた転写特性の場合に、実際の装置
化の際、転写媒体上へのインク像形成から転写工程まで
の時間(濃縮時間)が場所によって異なり許容される時
間間隔が短いことが装置化を困難にしていた。すなわ
ち、濃縮時間がT1以下の部分と、T2以上の部分とが
混在することになって、場所によって転写特性が異な
り、転写ムラを生じ高画質の転写画像が得られなかっ
た。
【0018】実際の装置化が容易な十分長い濃縮時間許
容範囲の得られる方法によって、上記の適度の粘稠状態
での低圧力転写を実現することが必要であり、転写媒体
上のインク像を適正粘稠状態に保って場所によらず低圧
力転写を実現するには適正濃縮時間を長くすること、す
なわちT1とT2の間の時間を長く保てるようにするこ
とが課題であった。
【0019】本発明はこの特性に着目して従来技術の問
題を解決するもので、その目的は、インクジェット方式
の記録ヘッドから、転写媒体への吐出時は、良好な吐出
特性を実現し、さらに、転写媒体から記録媒体への転写
は、小さい転写圧力で行なうことができ、さらに、場所
によらず、安定して高画質インク像の得られるインクジ
ェットインク及びインクジェット記録方法を提供するこ
とである。
【0020】また実際の装置化が容易な、つまり、十分
長い濃縮時間許容範囲の得られる方法によって、上記の
適度の粘稠状態での低圧力転写を実現することが必要で
あり、転写媒体上のインク像を適正粘稠状態に保って場
所によらず低圧力転写を実現するには適正濃縮時間を長
くすることが課題であった。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録方法は、転写媒体表面上にインクを吐出しその後、
記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録方法で
あり、インクジェットインクとして、溶媒と、溶媒に対
して分散した顔料、及び、溶解した染料、及び、分散及
び溶解した樹脂からなる色材固形成分から構成され、前
記溶媒は、 (a)前記転写媒体に対する浸透性を有するインク溶媒
浸透成分と、 (b)前記転写媒体に対する浸透性を持たないインク溶
媒非浸透成分、とからなり、 (1)転写媒体上にインク像を形成する工程と、 (2)転写媒体上のインク像からインク溶媒浸透成分を
転写媒体に浸透させる工程と、 (3)インク溶媒浸透成分の浸透後の溶媒非浸透成分と
顔料及び染料及び樹脂からなるインク像を転写媒体から
記録媒体に転写する工程と、 (4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
とからなることを特徴とする。また、本発明のインクジ
ェット記録方法は、転写媒体表面上にインクを吐出しそ
の後、記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録
方法であり、インクジェットインクとして、溶媒と、溶
媒に対して分散した顔料、及び、溶解した染料、及び、
分散または溶解した樹脂からなる色材固形成分から構成
され、前記溶媒は、 (a)前記転写媒体に対する浸透性を有するインク溶媒
浸透成分と、 (b)前記転写媒体に対する浸透性を持たないインク溶
媒非浸透成分、とからなり、 (1)転写媒体上にインク像を形成する工程と、 (2)転写媒体上のインク像からインク溶媒浸透成分を
転写媒体に浸透させる工程と、 (3)インク溶媒浸透成分の浸透後の溶媒非浸透成分と
顔料及び染料及び樹脂からなるインク像を転写媒体から
記録媒体に転写する工程と、 (4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
とからなることを特徴とする。また、本発明のインクジ
ェット記録方法は、転写媒体表面上にインクを吐出しそ
の後、記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録
方法であり、インクジェットインクとして、溶媒と、溶
媒に対して分散した顔料、または、溶解した染料、及
び、分散または溶解した樹脂からなる色材固形成分から
構成され、前記溶媒は、 (a)前記転写媒体に対する浸透性を有するインク溶媒
浸透成分と、 (b)前記転写媒体に対する浸透性を持たないインク溶
媒非浸透成分、とからなり、 (1)転写媒体上にインク像を形成する工程と、 (2)転写媒体上のインク像からインク溶媒浸透成分を
転写媒体に浸透させる工程と、 (3)インク溶媒浸透成分の浸透後の溶媒非浸透成分と
顔料または染料及び樹脂からなるインク像を転写媒体か
ら記録媒体に転写する工程と、 (4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
とからなることを特徴とする。また、本発明のインクジ
ェット記録方法は、転写媒体表面上にインクを吐出しそ
の後、記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録
方法であり、インクジェットインクとして、溶媒と、溶
媒に対して分散した顔料、または、溶解した染料、及
び、分散及び溶解した樹脂からなる色材固形成分から構
成され、前記溶媒は、 (a)前記転写媒体に対する浸透性を有するインク溶媒
浸透成分と、 (b)前記転写媒体に対する浸透性を持たないインク溶
媒非浸透成分、とからなり、 (1)転写媒体上にインク像を形成する工程と、 (2)転写媒体上のインク像からインク溶媒浸透成分を
転写媒体に浸透させる工程と、 (3)インク溶媒浸透成分の浸透後の溶媒非浸透成分と
顔料または染料及び樹脂からなるインク像を転写媒体か
ら記録媒体に転写する工程と、 (4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
とからなることを特徴とする。
【0022】
【作用】上記方法及びインクジェットインクによれば、
インクジェットインクは記録ヘッドからの吐出時は低粘
度状態にあり、良好な吐出特性が得られ、このインクジ
ェットインクによって形成されたインク像は、転写媒体
上で溶媒中の浸透成分が速やかに除かれ、非浸透成分と
色材固形成分からなる適度の粘稠状態のインク像が転写
媒体に形成される。非浸透成分は長時間にわたって安定
的にインク像中に残留するため、転写媒体上のインク像
は一定の粘稠状態が保たれる。この粘稠状態が保たれて
いる間に転写することで、転写媒体上のインク像転写は
場所によって転写ムラを生ずることなく低圧力で記録媒
体へ転写できる。
【0023】インク溶媒非浸透成分は転写媒体への浸透
性を持たないため、転写媒体上に安定的に残留する。こ
の結果、転写媒体上のインク像は長い適正濃縮時間の
間、適度の粘稠状態を保つため、低圧力転写のできる適
正濃縮時間が大きく、場所による濃縮時間の差によらず
低圧力で高画質転写を行なうことができる。
【0024】望ましくは、上記インク溶媒非浸透成分に
対する上記色材固形成分は、色材固形成分重量/(色材
固形成分重量+インク溶媒非浸透成分重量)=0.35
〜0.70の重量比である。この時インク中のインク溶
媒浸透成分が転写媒体に浸透した後得られる転写媒体上
のインク像は、インク溶媒非浸透成分と色材固形成分と
からなり、固形分濃度は35〜70%である。この固形
分濃度では低圧力での高画質転写を行なうことができ
る。
【0025】
【実施例】本発明の実施例について説明する。
【0026】本発明のインクジェット記録方法に用いる
インクジェットインクは、溶媒が水性の極性溶媒や非水
性の非極性溶媒が考えられる。これらの溶媒は何れも転
写媒体への浸透性を有する浸透成分(インク溶媒浸透成
分)と、浸透性を持たない非浸透成分(インク溶媒非浸
透成分)との混合溶媒から構成される。
【0027】インクの溶媒は転写媒体の材質に使う材質
により決まるが本発明のインクジェットインクおよび記
録方法にはシリコーンゴムを使用した。
【0028】転写媒体にシリコーンゴムを用いる場合、
本発明のインクジェットインクは溶媒が非水性の非極性
溶媒が好ましい。
【0029】以下に具体的にインクの組成及び本発明の
記録方法による記録装置をのべる。転写媒体にシリコー
ンゴムを用いる場合、インク溶媒浸透成分として用いる
非水性の溶媒としては、分枝状の脂肪族炭化水素溶剤好
ましくは分子量190以下で、具体的にはエクソン社の
アイソパー、フィリップ石油社のソルトール、出光石油
化学社のIPソルベント、石油ナフサでは、シェル石油
化学社のS.B.R.、シェルゾール、モービル石油社
のベガゾール等がある。
【0030】また、インク溶媒非浸透成分として用いる
非水性の非極性溶媒としては、直鎖状の脂肪族炭化水素
溶剤好ましくは分子量200以上、具体的にはエクソン
社のエクソール等、あるいはシロキサン結合を骨格に持
つシリコーンオイル、例示すると信越シリコーン社のK
Fシリーズ(例えば、KF901、KF995)等、さ
らには植物油(ダイズ油、ナタネ油、ヒマシ油)を完全
に飽和化させる処理を施した溶媒等が挙げられる。
【0031】また上記のインク溶媒浸透成分及びインク
溶媒非浸透成分として用いられる非極性の絶縁性溶媒に
必要な特性としては、毒性の少ないこと、引火性の低い
こと、臭気の小さいことである。
【0032】本発明のインクジェットインク中の溶媒以
外の色材固形分は以下のものが考えられる。
【0033】顔料は以下のようである。例えば、ファー
ネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、
チャネルブラック、等のカーボンブラック類、または
銅、鉄、酸化チタン等の金属類あるいは金属酸化物、オ
ルトニトロアニリンブラック等の有機顔料が挙げられ
る。
【0034】染料としては以下のものがある。アクリジ
ン染料、アニリンブラック染料、アントラキノン染料、
アジン染料、アゾメチン染料、ベンゾー及びナフトキノ
ン染料、インジゴイド染料、インドフェノール染料、イ
ンドアニリン染料、インダミン染料、ロイコ染料、ナフ
タールイミド染料、ニグロシン染料、インジュリン染
料、ニトロ及びニトロソ染料、オキサジン及びジオキサ
ジン染料、酸化染料、フタロシアニン染料、ポリメチン
染料、キノフタロン染料、硫化染料、トリ及びジアクリ
ルメタン染料、チアジン染料、チアゾール染料、キサン
テン染料、シアニン染料等の染料が考えられる。
【0035】また分散顔料の粒径を整える目的及びイン
クの粘度調整あるいは、印字後の記録物の耐擦過性向
上、粘度調整、インク像転写時の転写媒体と記録紙間の
接着力付与等の目的で樹脂および/または分散安定剤を
添加する。
【0036】このような樹脂はモノマーの共重合により
得ることができる。例としては、ラウリルマタクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、セチルメタクリレート等とメチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、イソブチルメタクリレート、スチレン、ビニ
ルトルエン等の共重合体樹脂等がある。
【0037】また印字後の耐擦過製向上、インク転写時
の転写媒体と記録紙間の接着力付与等の目的で溶媒に分
散樹脂を添加することもある。その例としては、塩化ビ
ニル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリス
ルホン樹脂等の熱可塑性樹脂が考えらる。
【0038】分散安定剤としては、イオン性(アニオン
性、カチオン性)、両性、ノニオン性界面活性剤、また
はフッ素系、シリコン系、高分子系の界面活性剤、ある
いは高分子化合物を添加することができる。
【0039】以上述べたインク組成物を使って構成した
インクジェットインクの実施例を製造方法とともに説明
する。
【0040】インクジェットインクの実施例1 上記インクジェットインクの製造方法は以下の通りであ
る。
【0041】アイソパーLを40重量部に市販のステア
リルメタクリレート10重量部、アクリル酸6重量部を
重合管に入れ、60℃に加熱し一昼夜攪拌して平均分子
量(重量基準)16000のステアリルメタクリレート
とアクリル酸の共重合体樹脂溶液を得てこれを溶液Aと
する。
【0042】次に上記工程で得られた溶液A中に三菱化
成社製MA−100を8重量部添加し、溶液Aをカーボ
ンブラックに良く浸透させた後、循環横置型ミル(EI
GER ENGINEERING LIMITED社製
ビーズミル)0.9mmビーズ、5000rpmで1時
間分散し、顔料の平均粒径2μmの分散液Bを得た。次
に分散液Bを攪拌機(HI−15東京理科器株式会社
製)で攪拌しながら、徐々にエクソールD−130を3
6重量部添加し、目的のインクジェットインクを得た。
【0043】上記組成でセン断速度26000/sにお
ける20℃の粘度20mPa・Sのインクを得た。
【0044】インクジェットインクの実施例2 インク組成 顔料 カーボンブラックMA−100(三菱化成社製) 5重量部 染料 C.I.ソルベントブラック 5 3重量部 樹脂 ラウリルメタクリレートースチレン共重合体樹脂 12重量部 デンカビニール#1000MT(電気化学工業社製) 4 重量部 分散剤 ポリオキシエチレントリオレエート 0.8 重量部 インク溶媒浸透成分 アイソパーL(エクソン化学社製) 40重量部 インク溶媒非浸透成分 シリコーンオイルKF995(信越シリコーン社製) 35.2重量部 上記インクジェットインクの製造方法は以下の通りであ
る。
【0045】アイソパーLを40重量部に市販のラウリ
ルメタクリレート8重量部、スチレン4重量部を重合管
に入れ、60℃に加熱し一昼夜攪拌して得た平均分子量
(重量基準)23000のラウリルメタクリレートとス
チレンの共重合体樹脂溶液にポリオキシエチレントリオ
レエート0.8重量部を加えて溶液Aを得る。
【0046】次に電気化学工業社製のデンカビニール#
1000MTを4重量部を120℃に加熱し軟化状態と
し、C.I.ソルベントブラック5を3重量部を加え、
120℃で加熱しながら、三本ロールで50パス混練す
る。これをジェットミルで粉砕し粒径を整え加工顔料A
をえた。
【0047】次に溶液A中に加工顔料A及び三菱化成社
製MA−100を5重量部添加し、循環横置型ミル(E
IGER ENGINEERING LIMITED社
製ビーズミル)0.9mmビーズ、5000rpmで2
時間分散し、顔料の平均粒径1.7μmの分散液Bを得
た。
【0048】次に分散液Bを攪拌機(HI−15東京理
科器株式会社製)で攪拌しながら、徐々にシリコーンオ
イルKF995を35.2重量部添加し、目的のインク
ジェットインクを得た。
【0049】上記組成でセン断速度26000/sにお
ける20℃の粘度25mPa・Sのインクを得た。
【0050】インクジェットインクの実施例3 上記インクジェットインクの製造方法は以下の通りであ
る。
【0051】アイソパーLを56.8重量部に市販のス
テアリルメタクリレート6重量部、アクリル酸2重量部
を重合管に入れ、60℃に加熱し一昼夜攪拌して平均分
子量(重量基準)16000のステアリルメタクリレー
トとアクリル酸の共重合体樹脂溶液を得てこれを溶液A
とする。
【0052】次に電気化学工業社製のデンカビニール#
1000MT6重量部を120℃に加熱し軟化状態と
し、C.I.ソルベントブラック23を2重量部を加
え、120℃で加熱しながら、三本ロールで50パス混
練する。これをジェットミルで粉砕し粒径を整え加工顔
料Bをえた。
【0053】次に上記工程で得られた溶液A中に、加工
顔料Bを添加し、循環横置型ミル(EIGER ENG
INEERING LIMITED社製ビーズミル)
0.9mmビーズ、5000rpmで2時間分散し、顔
料の平均粒径2.0μmの分散液Cを得た。
【0054】次に分散液Bを攪拌機(HI−15東京理
科器株式会社製)で攪拌しながら、徐々にエクソールD
−130を27.2重量部添加し、目的のインクジェッ
トインクを得た。
【0055】上記組成でセン断速度26000/sにお
ける20℃の粘度25mPa・Sのインクを得た。
【0056】インクジェットインクの実施例4 上記インクジェットインクの製造方法は以下の通りであ
る。
【0057】アイソパーLを64.7重量部に市販のス
テアリルメタクリレート10重量部、ア クリル酸6重
量部を重合管に入れ、60℃に加熱し一昼夜攪拌して平
均分子量(重量基準)16000のステアリルメタクリ
レートとアクリル酸の共重合体樹脂溶液を得てこれを溶
液Aとする。
【0058】次に上記工程で得られた溶液A中に三菱化
成社製MA−100を8重量部添加し、溶液Aをカーボ
ンブラックに良く浸透させた後、循環横置型ミル(EI
GER ENGINEERING LIMITED社製
ビーズミル)0.9mmビーズ、5000rpmで1時
間分散し、顔料の平均粒径2μmの分散液Bを得た。次
に分散液Bを攪拌機(HI−15東京理科器株式会社
製)で攪拌しながら、徐々にエクソールD−130を1
1.3重量部添加し、目的のインクジェットインクを得
た。
【0059】上記組成でセン断速度26000/sにお
ける20℃の粘度22mPa・Sのインクを得た。
【0060】インクジェットインクの実施例5 上記インクジェットインクの製造方法は以下の通りであ
る。
【0061】アイソパーLを45重量部に市販のステア
リルメタクリレート10重量部、アクリル酸6重量部を
重合管に入れ、60℃に加熱し一昼夜攪拌して平均分子
量(重量基準)16000のステアリルメタクリレート
とアクリル酸の共重合体樹脂溶液を得てこれを溶液Aと
する。
【0062】次に上記工程で得られた溶液A中に三菱化
成社製MA−100を8重量部添加し、溶液Aをカーボ
ンブラックに良く浸透させた後、循環横置型ミル(EI
GER ENGINEERING LIMITED社製
ビーズミル)0.9mmビーズ、5000rpmで1時
間分散し、顔料の平均粒径2μmの分散液Bを得た。次
に分散液Bを攪拌機(HI−15東京理科器株式会社
製)で攪拌しながら、徐々にエクソールD−130を3
1重量部添加し、目的のインクジェットインクを得た。
【0063】上記組成でセン断速度26000/sにお
ける20℃の粘度18mPa・Sのインクを得た。
【0064】インクジェットインクの比較例1 上記組成でセン断速度26000/sにおける20℃の
粘度15mPa・Sのインクを得た。
【0065】インクジェットインクの比較例2 上記組成でセン断速度26000/sにおける20℃の
粘度13mPa・Sのインクを得た。
【0066】本発明のインクジェットインクのび比較例
1、比較例2のインクの製造方法は実施例1と同様な方
法である。
【0067】また、共重合樹脂としては、実施例1と同
様に16000のステアリルメタクリレートとアクリル
酸の共重合体樹脂を使用した。
【0068】インクジェットインクの比較例3 上記インクジェットインクの製造方法は以下の通りであ
る。
【0069】アイソパーLを76重量部に市販のステア
リルメタクリレート10重量部、アクリル酸6重量部を
重合管に入れ、60℃に加熱し一昼夜攪拌して平均分子
量(重量基準)16000のステアリルメタクリレート
とアクリル酸の共重合体樹脂溶液を得てこれを溶液Aと
する。
【0070】次に三菱化成社のカーボンブラックMAー
100を8重量部溶液Aに添加し、溶液Aをカーボンブ
ラックに良く浸透させた後、循環横置型ミル(EIGE
RENGINEERING LIMITED社製ビーズ
ミル)0.9mmビーズ、5000rpmで1時間分散
し、顔料の平均粒径2μmの分散液Bを得た。
【0071】上記組成でセン断速度26000/sにお
ける20℃の粘度12mPa・Sのインクを得た。なお
本発明の比較例3のインクジェットインクは、インク中
にインク溶媒非浸透成分を含まないインクである。
【0072】本発明に用いられるインクは、望ましく
は、転写媒体表面より記録媒体に転写する時に、上記イ
ンク溶媒非浸透成分に対する上記色材固形成分は、色材
固形成分重量/(色材固形成分重量+インク溶媒非浸透
成分重量)=0.35〜0.70の重量比である。0.
35未満であると記録媒体への転写時に記録紙へのニジ
ミや、広がり変形により画質低下の生じ、0.70より
大きいと大きな圧力を印加しないと記録紙にインク像が
転写しない。
【0073】次に本発明のインクジェット記録方法を応
用した記録装置を説明する。
【0074】図3、図4に一実施例のインクジェットプ
リンタを示す。図3は斜視図である。
【0075】このインクジェットプリンタは転写媒体で
ある転写ドラム1を圧力ローラ9と接触させない状態で
その外周上にインク像を形成し、この後、記録媒体であ
る記録紙8に転写する構成である。
【0076】さらに転写ドラム1の周囲にクリーナ装置
3、転写ドラムから浸透したインク溶媒浸透成分を除去
する乾燥装置4を配している。圧力ローラ9とクリーナ
装置3のクリーナブレード5及び乾燥装置4は、転写ド
ラム1に対して当接及び解除の制御が可能である。
【0077】転写ドラム1上へのインク像形成工程では
これらを離間させる。
【0078】転写ドラム1から記録紙8への転写工程で
は、圧力ローラ9を当接させて記録紙8を背後から押圧
する。さらに転写ドラム1の転写を終わった部分に乾燥
装置4、クリーナブレード5を当接させる。図3に実線
で圧力ローラ9のインク像転写工程における位置、破線
で圧力ローラのインク像形成工程における位置9−bを
それぞれ示している。
【0079】転写ドラム1は、金属素管16の周囲に弾
性層17を設けて構成される。
【0080】記録ヘッド2は記録信号に応じて、インク
をインク滴として複数のノズルから選択的に吐出する。
【0081】本装置は1/300インチのピッチで記録
を行なう装置である。記録ヘッド2は複数ノズルを転写
ドラム1の軸方向に一致させて、8×1/300インチ
のピッチで配置している。記録時は転写ドラム1の回転
に同期して、記録ヘッド揺動手段25によって、記録ヘ
ッド2は転写ドラム1の軸方向(図6で矢印Hで示
す。)に揺動する。
【0082】転写媒体である転写ドラム1は金属素管1
6の周囲に弾性層17とを有する。弾性層17は層厚1
mmのシリコーンゴム層からなる。シリコーンゴムは上
記溶媒浸透成分を速やかに吸収する特性を有する。さら
に剥離性がよい。また弾性を有するため記録紙の凹凸に
追随してインク像を記録紙に転写することができ転写ド
ラム1の転写媒体として適当な性質を有している。
【0083】乾燥装置4は、内部に棒状はハロゲンラン
プからなるヒータランプ6を有する金属ローラであり、
転写ドラム1との当接時は、ヒータランプ6を間欠的に
点灯して約200゜Cの所定温度範囲に保たれ、転写ド
ラム1に浸透したインク溶媒浸透成分を揮発させて除去
し転写媒体1を乾燥状態に保つ。
【0084】記録時の走査動作について図4を用いて説
明する。本図は図3における矢印Gの方向から見た図で
ある。説明を簡単にするために、記録ヘッド2が、3つ
のノズル有する場合を図示している。転写ドラム1を矢
印Aの方向に一定速度で回転させながら、記録ヘッド2
を矢印Hの方向に移動させることによって、各ノズルを
用いて帯状領域に記録が行なわれる。この時記録ヘッド
2がHの方向に1/300インチ移動する際に転写ドラ
ム1が1回転するように速度が設定されている。図3は
ヘッドの揺動量がMに達した場合の状態を示している。
記録ヘッド13の第1のノズル61(第2ノズル以下は
同様であるので説明は省略する)によって、転写ドラム
1に62で示す領域に記録が行なわれた状態を示してい
る。
【0085】MがKに一致するまで揺動させることによ
って所要記録走査を終了し、記録領域全域に記録が行な
われる。このようにして転写ドラム1に像記録を行なっ
た後、転写ドラム1と圧力ローラ9を当接させ、圧力を
印加し、この当接部に記録紙8を通過させ、印加される
圧力によって、転写ドラム1上のインク像は記録紙8に
転写する。
【0086】転写工程の後、転写ドラム1は圧力ローラ
9の下流側に位置する乾燥ローラ4でインク溶媒浸透成
分を除去し、さらに転写残りインク像をクリーナ装置3
で清掃し次に像形成工程にそなえる。
【0087】本装置では、インクは、記録ヘッド2から
の吐出は低粘度状態で行なわれる。さらに転写ドラム1
上でインク溶媒の浸透成分が浸透してインク像から除去
される。この粘稠状態は長時間に渡って安定的に保たれ
る。
【0088】上記の像形成の工程は、1ページ10.9
秒で行なわれ、以下のシーケンスで行なわれる。
【0089】(1)準備シーケンス 所要時間t1=
1.8秒 転写ドラム1を加速し定速度回転させる。
【0090】(2)インク像形成シーケンス 所要時間
t2=3.7秒 記録ヘッド2で転写ドラム1上に、所定の記録領域にイ
ンク像を形成する。転写ドラム1は一回転に0.46秒
を要し、これを8回転することで全記録領域を走査す
る。従って、この工程は3.7秒を要する。
【0091】(3)転写シーケンス 所要時間t3=
5.4秒 転写ドラム1上でインク像の濃縮のため、転写ドラム1
を9回転させ、この後記録紙8を転写ドラム1に当接さ
せ、この上のインク像を転写する。この工程は、記録ヘ
ッド2に対向する位置から転写位置までの移動に要する
時間を加えて0.46*(9+1+3/4)と、転写を
終えた記録紙を装置外の所定の記録紙収納場所まで搬送
する時間0.5秒を含む。
【0092】以上から明かなように、転写ドラム1上で
最後に形成されたインク像は直後に濃縮時間を経て転写
工程に入るため、転写までに要する濃縮時間はほぼ4.
5秒である。転写ドラム1上で最初に形成されたインク
像は転写までに要する濃縮時間は、t2を加えて約8.
2秒である。
【0093】本装置では、インクは、記録ヘッド2から
の吐出は低粘度状態で行なわれる。さらに転写ドラム1
上でインク溶媒の浸透成分が浸透してインク像から除去
される。この粘稠状態は長時間に渡って安定的に保たれ
る。濃縮時間の差(最大の濃縮時間と最小の濃縮時間の
差)、本実施例の場合は4.5秒〜8.2秒まで一定の
状態を保つことが必要である。上記インク構成のためイ
ンク溶媒浸透成分の浸透後、固形分濃度が安定的の保持
される。従って転写は適度の低粘稠状態で行なわれ、低
圧力で場所による転写特性の違い等を生ずることなく安
定して高画質転写が行なわれる。
【0094】さらに図2を用いて説明する。インク組成
をインクジェットインクの実施例1の場合で説明する。
インク滴の吐出は先の説明と同様、インク量は1ドット
当り0.06μgで行なわれ、これは転写媒体上で84
μmの直径のドットを形成する。従って転写ドラム1上
で単位面積当りインク量は、10.8E−3Kg/m2
であり、先に述べたインク組成から例えば実施例1のイ
ンク組成の場合、インク溶媒浸透成分は6.4E−3K
g/m2である。図2に示すように、この量のインク溶
媒浸透成分は転写ドラム1上で速やかに浸透しインク像
から除去される。上記の量の溶媒が浸透するのに要する
時間は約4.5秒である。インク溶媒の非浸透成分と色
材固形成分は転写ドラム表面に残留する。この結果固形
分濃度は約40%となる。インク像中の非浸透成分は転
写ドラム1に浸透しないため、転写媒体上に残留し、上
記固形分濃度は安定的に転写工程まで保持される。この
特性は図5に示す。
【0095】本実施例のインクジェット記録装置では以
下の工程で記録が行なわれる。
【0096】(1)インク滴で、転写媒体上にインク像
を形成する工程。
【0097】(2)転写媒体上のインク像からインク溶
媒浸透成分を転写媒体に浸透させる工程。
【0098】(3)インク溶媒浸透成分の浸透後のイン
ク像を転写媒体から記録媒体に転写する工程。
【0099】(4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を
除去する工程。
【0100】(2)の工程を欠くと、転写媒体上でイン
ク像が乾燥していないため、転写時に記録紙に対する浸
透と変形とを生じ、高画質転写像が得られない。
【0101】(4)の工程を欠くと、連続動作時に、転
写媒体内に残留する、前回のインク溶媒浸透成分が、後
続の像形成時の転写媒体上でのインク像乾燥特性に影響
し、乾燥に初期状態より長い時間を要し、安定した転写
特性が得られない。
【0102】本発明の記録方法による記録装置及び実施
例1〜5、比較例1〜3のインクジェットインクを用い
ての評価実験結果について述べる。(なお本発明の評価
実験においては、インクジェットインク中のインク溶媒
浸透成分が完全に転写媒体中に浸透し転写が行われる条
件にして次の評価を行った。)本実施例の記録方法及び
インクジェットインクを用いると転写媒体上に、インク
組成で制御された粘稠状態に保たれたインク像を形成
し、これを転写するため、転写ムラを生ずることなく低
圧力で高画質像が得られる。
【0103】これに対し、本発明の記録方法及び比較例
1〜3のインクジェットインクを用いての評価実験で
は、比較例1のインクジェットインクを用いて、転写実
験を行ったところ記録紙上でにじみを生じた。また比較
例2〜3のインクジェットインクを用いた場合は、転写
残りを生じ転写媒体から記録紙への転写の際に実際の装
置化に対して負荷となる高圧力を必要とする傾向であっ
た。
【0104】また本発明の記録方法を用いる記録装置で
は、上記工程で転写媒体上に、インク組成で制御された
粘稠状態に保たれたインク像を形成し、これを転写する
ため、転写ムラを生ずることなく低圧力で高画質像が得
られる。
【0105】
【発明の効果】本発明のインクジェットインクおよびイ
ンクジェット記録方法によれば、インクは記録ヘッドか
らの吐出時は低粘度状態にあり、良好な吐出特性が得ら
れ、このインクによって形成されたインク像は、転写媒
体上で溶媒中の浸透成分が速やかに除かれ、非浸透成分
と色材固形成分からなる適度の粘稠状態のインク像が転
写媒体に形成される。非浸透成分は長時間にわたって安
定的にインク像中に残留するため、転写媒体上のインク
像は一定の粘稠状態が保たれる。この粘稠状態が保たれ
ている間に転写することで、転写媒体上のインク像転写
は場所によって転写ムラを生ずることなく低圧力で記録
媒体へ転写できる。
【0106】従って記録ヘッドから、転写媒体への吐出
時は、良好な吐出特性を実現し、さらに、転写媒体から
記録媒体への転写は、小さい転写圧力で行なうことがで
き、さらに、場所によらず、安定して高画質インク像の
得られるインクジェットインク及びインクジェット記録
方法を提供することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写媒体から記録媒体への転写特性を説明する
図である。
【図2】転写媒体へのインク溶媒浸透特性を示す図であ
る。
【図3】本発明の一実施例のインクジェットプリンタの
メカニズムの斜視図である。
【図4】本発明の一実施例のインクジェットプリンタの
走査機構の動作を説明する図である。
【図5】本発明のインクジェット記録方法の場合の転写
媒体から記録媒体への転写特性を説明する図である。
【符号の説明】
1 転写ドラム(転写媒体) 2 記録ヘッド 4 乾燥装置 6 ヒータランプ 8 記録紙(記録媒体) 9 圧力ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41M 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写媒体表面上にインクを吐出しその
    後、記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録方
    法であり、インクジェットインクとして、溶媒と、溶媒
    に対して分散した顔料、及び、溶解した染料、及び、分
    散及び溶解した樹脂からなる色材固形成分から構成さ
    れ、前記溶媒は、 (a)前記転写媒体に対する浸透性を有するインク溶媒
    浸透成分と、 (b)前記転写媒体に対する浸透性を持たないインク溶
    媒非浸透成分、 とからなり、 (1)転写媒体上にインク像を形成する工程と、 (2)転写媒体上のインク像からインク溶媒浸透成分を
    転写媒体に浸透させる工程と、 (3)インク溶媒浸透成分の浸透後の溶媒非浸透成分と
    顔料及び染料及び樹脂からなるインク像を転写媒体から
    記録媒体に転写する工程と、 (4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
    とからなることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 転写媒体表面上にインクを吐出しその
    後、記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録方
    法であり、インクジェットインクとして、溶媒と、溶媒
    に対して分散した顔料、及び、溶解した染料、及び、分
    散または溶解した樹脂からなる色材固形成分から構成さ
    れ、前記溶媒は、 (a)前記転写媒体に対する浸透性を有するインク溶媒
    浸透成分と、 (b)前記転写媒体に対する浸透性を持たないインク溶
    媒非浸透成分、 とからなり、 (1)転写媒体上にインク像を形成する工程と、 (2)転写媒体上のインク像からインク溶媒浸透成分を
    転写媒体に浸透させる工程と、 (3)インク溶媒浸透成分の浸透後の溶媒非浸透成分と
    顔料及び染料及び樹脂からなるインク像を転写媒体から
    記録媒体に転写する工程と、 (4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
    とからなることを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 転写媒体表面上にインクを吐出しその
    後、記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録方
    法であり、インクジェットインクとして、溶媒と、溶媒
    に対して分散した顔料、または、溶解した染料、及び、
    分散または溶解した樹脂からなる色材固形成分から構成
    され、前記溶媒は、 (a)前記転写媒体に対する浸透性を有するインク溶媒
    浸透成分と、 (b)前記転写媒体に対する浸透性を持たないインク溶
    媒非浸透成分、 とからなり、 (1)転写媒体上にインク像を形成する工程と、 (2)転写媒体上のインク像からインク溶媒浸透成分を
    転写媒体に浸透させる工程と、 (3)インク溶媒浸透成分の浸透後の溶媒非浸透成分と
    顔料または染料及び樹脂からなるインク像を転写媒体か
    ら記録媒体に転写する工程と、 (4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
    とからなることを特徴とするインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 転写媒体表面上にインクを吐出しその
    後、記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録方
    法であり、インクジェットインクとして、溶媒と、溶媒
    に対して分散した顔料、または、溶解した染料、及び、
    分散及び溶解した樹脂からなる色材固形成分から構成さ
    れ、前記溶媒は、 (a)前記転写媒体に対する浸透性を有するインク溶媒
    浸透成分と、 (b)前記転写媒体に対する浸透性を持たないインク溶
    媒非浸透成分、 とからなり、 (1)転写媒体上にインク像を形成する工程と、 (2)転写媒体上のインク像からインク溶媒浸透成分を
    転写媒体に浸透させる工程と、 (3)インク溶媒浸透成分の浸透後の溶媒非浸透成分と
    顔料または染料及び樹脂からなるインク像を転写媒体か
    ら記録媒体に転写する工程と、 (4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
    とからなることを特徴とするインクジェット記録方法。
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