JP3731630B2 - インクジェット用ホットメルト型インク組成物 - Google Patents

インクジェット用ホットメルト型インク組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に用いられるホットメルトインク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりインクジェット記録用インク組成物としては、水溶性液体インク組成物が広く使われている。しかしながら、インクのしみ込みやすい紙への記録では「にじみ」が生じてしまい、記録媒体は加工紙に限定される。またオーバヘッドプロジェクタ(OHP)シートへの記録でも、インクの乾燥性が悪いためシート表面に特殊な処理が必要である。このため、紙質に関係なく良好な印字品質を提供するインク組成物として、室温で固体のワックス等を素材としたホットメルト型インク組成物を用いて、加熱等により液化し、何らかのエネルギを加えて噴射させ、記録媒体上に付着しつつ冷却固化し記録ドットを形成するホットメルト型インクジェット記録方式が提案されている。
【0003】
上記インクジェット方式の大きな利点として、該インクは室温で固体状であるため取扱い時に汚れないし、また、溶融時のインクの蒸発量を最小限にできるためノズルの目詰まりがない。更に、付着後直ちに固化するため「にじみ」もなく、和紙から画用紙、葉書といったさまざまな記録媒体を前処理等なしで用いることができる。米国特許第4,390,369号、4,484,948号、5,350,789号、5,703,145号には、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物が記述されている。
【0004】
また、特開平5−311101号公報にはポリアミド及び脂肪酸アミド、特開平5−194897号公報、特開平6−107987号公報には、グリセライドを使用し光透過性の優れたインクジェット用ホットメルト型インク組成物が記述されている。
【0005】
インクの色材としては一般に染料が広く用いられるが、印刷物の耐候性を向上するために、インクの着色剤として顔料を用いることもあり、レーザプリンタ、溶融転写型プリンタ、液体インクジェットプリンタ及びソリッドインクジェットプリンタ等の各種のプリンタのインクとして使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記ホットメルト型インク組成物は、一般に成分間の相溶性の維持が困難で、特に耐候性に優れる有機顔料を着色剤として用いた場合に溶融状態で分離しやすいという欠点を有していた。また、インク製造後、インクをペレット状あるいはスティック状に固化して成形する際、その表面に亀裂を生じる場合があった。
【0007】
本発明の課題は、これら従来の欠点を克服して、インク組成間の相溶性を向上し、かつインク固化物(ペレット、スティックなど)に亀裂を生じないようにするためのインク添加物を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の課題は、微細なノズルからインク滴を噴射させるに十分な、流動安定性に優れた低粘度でかつ分離のない、顔料を用いたソリッドインクジェットプリンタ用インク組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の要旨は、室温で固体のインク組成物を加熱により液化させた上で、何らかの噴射エネルギを付与することによりインク液滴を記録媒体上に噴射させ、記録ドットを形成するインクジェット用ホットメルト型インク組成物において、該インク組成物が、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステルを含有する点にある。
【0010】
好ましくは、前記ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量が0.5〜20重量%の範囲にあるとよい。
【0011】
更に好ましくは、前記インクの組成物は、その他にヒドロキシル価が20以上150以下のアルコール型ワックスが含有されるとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
前述のポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステルは本発明の主たる要素をなす添加剤であり、含有量は0.1〜30%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲で使用する。0.1%より低いとインク組成の相溶性、亀裂発生の抑制に効果がなく、30%を超えるとインクの機械的特性に問題を生じやすい。
【0013】
通常のヒマシ油は12−ヒドロキシオレイン酸のグリセライドであり、硬化ヒマシ油はこれに水素添加した12−ヒドロキシステアリン酸グリセライドが主成分であるが、本発明にはヒマシ油を処理してヒドロキシ基をポリオキシエチレン基とし、かつポリオキシエチレングリセライドとした材料が使用される。
【0014】
これら化合物の一般的な構造式を図1〜3に示す。図1はポリオキシエチレンヒマシ油、図2はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、図3はアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステルである。
【0015】
ここで、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位数は総計(図中、l、m、n、x、y、zの和)で3〜100である。特に好ましくは、3〜40である。
【0016】
アルキルグルセリルエーテル脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸バチル、イソステアリン酸バチル等がある。
【0017】
本発明には具体的には、ポリオキシエチレンヒマシ油としてはCO−3、CO−10、CO−20TX、CO−40TX、CO−50TX、CO−60TX(以上日光ケミカルズ)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、HCO−5、HCO−10、HCO−20、HCO−30、HCO−40、HCO−50、HCO−60、HCO−80、HCO−100(以上日光ケミカルズ)、GM−18S(日光ケミカルズ:モノステアリン酸バチル)、GM−18IS(日光ケミカルズ:モノイソステアリン酸バチル)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、TMGS−5、TMGS−15、TMGO−5、TMGO−15(以上日光ケミカルズ)が使用できる。但し、本発明は特にこれらに限定されるものではない。
【0018】
ビヒクル素材は、本発明のホットメルトインク組成物として特に限定されず、モノアミド、ビスアミド、テトラアミド、ポリアミド、エステルアミド、イソシアネート、イミド、ビスイミド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸系及びメタクリル酸系高分子、スチレン系高分子、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリケトン、シリコーン樹脂、クマロン樹脂、脂肪酸エステル、トリグリセライド、天然樹脂、天然及び合成ワックス等から選択された1ないし多成分から成ることが可能である。
【0019】
本発明には特に上記のビヒクル材料のうち、特にアルコール型ワックス材料が好適に用いられる。この材料は特に有機顔料に極めて相性がよく、比較的容易に凝集状態を解離した分散体を製造することが可能である。この理由は分明ではないが、ヒドロキシル基と顔料分子中の官能基との何らかの相互作用にもとづく可能性がある。これに従い、十分な彩度の得られる高濃度で且つ使用時の溶融粘度がインクジェット記録に適した低粘度となる特性を達成したものである。
【0020】
アルコール型ワックスとして更に好ましくは、アルコールとエテンのホモポリマーであるか、またはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムを原料とする酸化反応により製造されたワックスであり、本発明のアルコール型ワックスとしては、直鎖状の完全飽和タイプであり、かつ水酸基の位置がすべての炭素に均等に付いている等、従来の分留法によって得られるアルコールよりも反応性に富むものが望ましい。
【0021】
具体的には、UNILIN350、UNILIN425、UNILIN550、UNILIN700、またこれらをエトキシ化して得られたユニトックス420、ユニトックス450、ユニトックス480、ユニトックス520、ユニトックス550、ユニトックス720、ユニトックス750(東洋ペトロライト製)等が使用できる。更に、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムを原料とする酸化反応により製造されたアルコールリッチなアルコール型ワックスとしてOX1949、OX020T、NPS9210、NPS9125、NPS9035(日本精蝋製)等が望ましい。また、KOW、VLTN−4、VLTN−5、VLTN−6(川研ファインケミカル製)等も挙げられる。特に望ましいのは、UNILIN425、UNILIN550、OX1949である。
【0022】
ヒドロキシル基価は20以上150以下が好ましいが、最も好ましいのは60〜130程度である。ヒドロキシル基価が20未満では、前述した顔料の分散が不十分で沈殿を生じやすく、かつ150を超えると過剰な分極性が顔料とビヒクルの分離を生じる。
【0023】
ここで、ヒドロキシル基価(水酸基価)はASTM E222改で定義された測定方法に基づくものである。分子量に対するヒドロキシル基価の目安としては、ヒドロキシル基価/(57×分子量)の値が1ないしはそれ以下、好ましくは1〜0.5のアルコール型ワックスが好適である。
【0024】
また、アルコール型ワックスの溶融粘度は5〜50mPa・s、好ましくは5〜30mPa・sが望ましい。5mPa・s未満の粘度では顔料の沈降を防止できず、50mPa・sを超える粘度ではインクジェット記録を行うことが困難である。
【0025】
主としてこの粘度の要件に関連して、好ましいアルコール型ワックスの炭素数は18〜100程度び値が選定され、特に好ましくは25〜55である。炭素数25未満のワックスは粘度が過小で顔料の分散安定性が不十分となり、100を超えると粘度が過大でインクジェット記録が困難となる。同様の理由により、分子量としては、200〜1500程度、好ましくは300〜700の範囲が望ましい。
【0026】
上記アルコール型ワックスの融点は、インクの噴射安定性および印刷物の保管安定性の点から、50以上120℃以下が望ましい。特に望ましいのは70℃以上100℃以下である。
【0027】
熱および光に対する安定性が必要であるため、酸価は12.0以下、ヨウ素価は3以下が特に望ましく、これらはインクジェット用インクの主成分として十分な印刷物保管安定性が得られる。
【0028】
これらのアルコール型ワックスは、キャンデリラワックス、カルナバワックス、カストルワックス、木ろうに代表される植物系ワックスと良い相溶性を示し混合して用いることができる。その他にも例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級飽和及び不飽和脂肪酸、ステアロン、ラウロン等のケトン、脂肪酸エステルアミド、飽和あるいは不飽和脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化していない通常のヒマシ油、硬化ヒマシ油等を含む飽和及び不飽和脂肪酸グリセライド、さらにロジン系樹脂、炭化水素系樹脂、アミド系樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸系及びメタクリル酸系高分子、スチレン系高分子、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリケトン、シリコーン、クマロン等の高分子量の樹脂等を添加して特性を向上することもできる。本発明に使用するビヒクル系は他の顔料にも広く適用することも可能である。
【0029】
本発明には各種染料または顔料が色材として特に制限なく使用される。これらには、例えば染料としては多くの油溶性染料、顔料としては下記カラーインデックスで示される材料がある。
【0030】
赤またはマゼンタ顔料としては、ピグメントレッド3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、238、257、ピグメントバイオレット3、19、23、29、30、37、50、88、ピグメントオレンジ13、16、20、36などである。青またはシアン顔料としては、ピグメントブルー1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、22、27、28、29、36、60、緑顔料としては、ピグメントグリーン7、26、36、50、黄顔料としては、ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、128、137、138、139、151、153、154、155、157、166、1167、168、180、185、193、黒顔料としては、ピグメントブラック7、28、26などが目的に応じて使用できる。
【0031】
着色剤として更に溶解性染料(Solvent Dye)も使用でき、上記顔料と混合しても利用できる。
【0032】
本発明のインク組成物に更に機能性を発現するため、各種の表面処理剤、界面活性剤、粘度低下剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤、染料等を混合することができる。
【0033】
顔料の添加量はインク全体の0.5〜5重量%、特に0.7重量%以上が適量である。特に望ましくは、0.7〜3重量%である。0.5重量%未満では彩度が不十分で、5重量%より多いとインク粘度特性に悪影響を与え、且つ彩度も低下してしまう
顔料の場合、上記したビヒクル及びその他の成分の混合、分散には周知の各種の粉砕又は分散装置が使用できる。これらには、高速回転ミル、ローラーミル、容器駆動媒体ミル、媒体撹拌ミル、ジェットミル等の区分があり、例えば、ハイスピードデイスパーサ、インペラデイスパーザ、ゲートミキサ、ビーズミル、サンドミル、パールミル、コブラミル、ピンミル、モリネックスミル、撹拌ミル、ユニバーサルミル、センチュリーミル、プレッシャミル、アジテータミル、2本ロールエクストルーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ニッチェミル、ニーダ、ミキサ、コロイドミル、ストーンミル、ケーデイミル、遊星ミル、ボールミル、パドルミキサ、アトライタ、フロージェットミキサ、スラッシャーミル、ペグミル、マイクロフルダイザ、クレアミックス、ライノミル、ホモジナイザ、ピン付きビーズミル、横型ビーズミル等がある。
【0034】
混練時間は、装置により各種設定される。混練には、周知の成分を一括して溶融混練する方法、着色剤をあらかじめ高濃度に混合してマスタバッチとし希釈する方法、成分を順次追加混合する方法、液体中で分散し固相中に導入するフラッシュ方法等、塗料、インキ、樹脂着色等に使用される各種の方法が使用できる。
【0035】
本発明の組成が効果をもたらす理由は明瞭ではないが、添加した材料の相溶性、可塑性及びインク固化時の機械的、熱的緩和の効果を生じていることは確実である。
【0036】
高品質のインクジェット用インクの調製には多くの重要な因子のバランスを必要とする。本発明のインクは、ホットメルト型インクジェットプリンタに適用するために、周知の幾つかの要件を満足する。すなわち、このインクは室温で十分な硬度と安定性があり、印刷前の保管および印刷後の画質に信頼性がある。記録媒体に付着後は十分な透明性と彩度を有し、かつ均一な薄膜を形成して良好な画質の印刷物を与える。これらの要件は複雑で、本発明のインクについて必ずしも明瞭に数値化できるわけではないが、例えば、融点が相対的に低いホットメルトインクは典型的に滲みやすく、オフセットが発生しやすい。40℃保管状態でも印刷物を重ねておいた状態で、オフセットが発生しないことが必要である。しかし、インクの融点が高いと粘度が高くなるが、印刷時のインク組成物の溶融粘度としては50mPa・s以下、特に5〜15mPa・sの範囲が装置上望ましい。過剰な粘度は噴射時により大きなエネルギーが必要となり、またあまりに低粘度の材料では室温での保存安定性に問題を生じる。室温(25℃)での粘度は10、000mPa・s以上である。
【0037】
多くのインクは噴射温度を高めることによって噴射適性範囲に粘度を低下させることができるが、噴射温度を高めると熱安定性の問題を生じ、インクリザーバ(インク室)やプリントヘッドの中で長時間加熱するとインクが分解したり、インクと接する金属材料を腐食しかねないため、本発明のビヒクルの如く比較的低温で低溶融粘度が得られる組成は実用上特に好ましい。
【0038】
印刷物の折り曲げ特性としては、トランスペアレンシーフィルムを用いたマンドレル試験において5mmφ以下特に3mmφ以下の試験に合格することが望ましい。
【0039】
印刷時のインクを溶融する温度としては、装置を簡便で低価格にするために、100〜150℃の範囲が最適である。
【0040】
溶融時の表面張力は30mN/m以下が望ましい。溶融状態から固体に転移する際の体積変化は10%以下が望ましい。
【0041】
更に、この組成物は、印刷を必要とするときのみインク小滴を噴射させる、従来公知のインクジェットプリンタ例えば、オフィス用プリンタ、工業用マーキングに使用されているプリンタ、ワイドフォーマット型プリンタ、刷版及び製版用プリンタ、ラベルプリンタおよびこの典型的操作を持つすべてのタイプのプリンターに使用可能である。記録媒体としては、紙、プラスチックフィルム、カプセル、ジェル、金属箔、布等が挙げられるが、非接触印刷が可能なだけに媒体の形状は広範なものが使用でき、これに限定されるものではない。一旦転写体に記録し、記録媒体に転写する方法、加圧加熱装置等の処理を含む記録方法も使用できる。
【0042】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、記載例に限定されるものではない。
【0043】
〔実施例1〕
ビヒクルとしてアルコール型ワックス(東洋ペトロライト製、商品名:UNILIN425)を使用し、これに対してステアリン酸バチル(日光ケミカルズ製、商品名:GM18−S)を0〜30重量%、着色剤としてマゼンタ顔料(大日本インキ製、商品名:KET Red 310)を濃度2.5重量%添加し、ビーズミル(アイガー製モータミルM−250、ビーズ:ジルコン1φ)により150℃で、均質な溶融混合物が得られるまで1,500rpmの回転数で加熱、混練し、続いて加熱加圧ろ過を行い不純物等を除去し、室温で放冷して均質なマゼンタ色のホットメルトインク組成物を得た。得たインクを再溶融し、15φの中空円筒形のペレット成形容器(SUS製)に注入し、固化後取り出して形状を観測した。
【0044】
更に、これらのインクを12mmφの試験管に入れ、135℃で3日間放置して、インク層の分離(分離割合を%表示)を観察した。また、インクジェットプリンタ(日立工機製:JOLT SJ01A)に入れてプリントを行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003731630
【0046】
ステアリン酸バチルの添加量が0.1%以下では一部のペレットにひび割れが発生し、インク中の色材の分離、印刷時の吐出不良が観測された。表中、15/100は100個中15個がひび割れたことを示す。混合量が30%ではひび割れは生じないもののインクに溶融放置中の分離が認められ、インクの機械的性質が低下したため、プリントに裏移り(プリントを重ねて保存した場合にインクが他の紙の裏面に転写する現象)が観測された。
【0047】
〔実施例2〕
ビヒクルとしてK−3ワックス(川研ファインケミカルズ製:カスターワックス)50重量%及びOX1949(東洋ペトロライト製:アルコール型ワックス)50重量%を用い、これにポリオキシエチレンヒマシ油(日光ケミカルズ製:CO−3)を10重量%、着色剤としてシアン顔料(東洋インキ製、商品名:Lionol Blue FD−7400G)1.0重量%を含有する混合物全300gを実施例1の装置(モータミル)を用いて、同様に均質な溶融混合物が得られるまで加熱、混練(3時間)し、続いて加熱加圧ろ過を行い不純物等を除去し、室温で放冷して均質なシアンホットメルトインク組成物を得た。モータミルの回転数は2,500rpmである。
【0048】
得られたインクはペレット形成時にひび割れを生ぜず(0/10)、分離安定性(0%)、プリント特性上も問題がなかった。添加量を5%に低下しても十分効果的であった。
【0049】
一方、上記と同様の組成物でポリオキシエチレンヒマシ油を添加しない場合は、100個中7個にひび割れが発生した。
【0050】
〔実施例3〕
ビヒクルとしてUNILIN350(東洋ペトロライト製:アルコール型ワックス)を60重量%、カワスリップSA(川研ファインケミカルズ製:エステルアミド)を40重量%、の混合物を用い、これに対してポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ製:HCO−10)を全ビヒクル量に対して3重量%、および着色剤としてイエロー顔料(山陽色素製:Pigment Yellow 93)を1重量%加えた混合物全500gをホモジナイザ(日立工機製:HG30)を用いて、均質な溶融混合物が得られるまで加熱、混練(3時間)し、続いて加熱加圧ろ過を行い不純物等を除去し、室温で放冷して均質なイエローホットメルトインク組成物を得た。ホモジナイザの回転数は15,000rpmである。
【0051】
得られた各インクを、実施例1と同様の方法で評価した。得られたインクにはひび割れは観測されず(0/100)、溶融放置時に分離はなく(0%)、良好なプリントが得られた。添加量を20%に増大しても同等の効果が得られたが、上記と同様の組成物でポリオキシエチレンを添加していない系では一部ペレットの割れ(5/100)が観測された。
【0052】
【発明の効果】
本発明のインクジェット用ホットメルト型インク組成物は、従来インクを固体ペレットに成形する場合に問題とされていたひび割れ特性、及び溶融時の分離安定性が改良され、従来のインクに比べ容易にインク製造が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリオキシエチレンヒマシ油の分子構造を示す図。
【図2】 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の分子構造を示す図。
【図3】 アルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステルの分子構造を示す図。

Claims (3)

  1. 室温で固体のインク組成物を加熱により液化させた上で、何らかの噴射エネルギを付与することによりインク液滴を記録媒体上に噴射させ、記録ドットを形成するインクジェット用ホットメルト型インク組成物において、
    該インク組成物が、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油またはアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステルを含有することを特徴とするインクジェット用ホットメルト型インク組成物。
  2. 請求項1記載のインクジェット用ホットメルト型インク組成物において、
    前記ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量が0.5〜20重量%であることを特徴とするインクジェット用ホットメルト型インク組成物。
  3. 請求項1または2記載のインクジェット用ホットメルト型インク組成物において、
    前記インク組成物は、更にヒドロキシル価が20以上150以下のアルコール型ワックスを含有することを特徴とするインクジェット用ホットメルト型インク組成物。
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