JPH0867842A - 熱溶融性インク - Google Patents

熱溶融性インク

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JPH0867842A
JPH0867842A JP20484194A JP20484194A JPH0867842A JP H0867842 A JPH0867842 A JP H0867842A JP 20484194 A JP20484194 A JP 20484194A JP 20484194 A JP20484194 A JP 20484194A JP H0867842 A JPH0867842 A JP H0867842A
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JP
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ink
resin
surfactant
wax
recording
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JP20484194A
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Yoshito Toyoda
嘉人 豊田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホットメルト型インクジェット記録に使用す
るインクとして、記録シートに対する定着強度およびド
ットの重ね合わせの定着強度がきわめて良好である熱溶
融性インクを提供する。 【構成】 実施例のインクは、常温固体ワックスとして
のパラフィンワックス(2)と、樹脂としてのエチレン
酢酸ビニル共重合体(4)と、色材としての油溶性染料
(8)とを含み、さらに、非イオン界面活性剤、望まし
くは、ソルビタンエステル型界面活性剤、具体的にはそ
の一つであるソルビタンモノパルミテート(6)を含有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に用いられる熱溶融性インクに関するものであり、さ
らに詳細には、室温では固体のインクを加熱溶融して記
録が行われるホットメルト型インクジェット記録装置に
用いられる熱溶融性インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式として
は、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させ
る、いわゆる電界制御方式; ピエゾ素子の振動圧力を
利用してインクを吐出させる、いわゆるドロップオンデ
マンド方式(圧力パルス方式);高熱によって気泡を形
成、成長させることによって生じる圧力を利用してイン
クを吐出させる、いわゆるサーマルインクジェット方
式; 等の各種方式が提案されており、これらは極めて
高精細の画像を得ることができる。
【0003】これらのインクジェット記録方式には、主
溶媒として水を用いる水性インクと、主溶媒として有機
溶媒を用いる油性インクとが一般に用いられている。水
性インクを用いた印刷画像は、全般に、耐水性に劣って
いるのに対して、油性インクは、優れた耐水性を有する
印刷画像を提供することが可能である。
【0004】しかしながら、これらの水性および油性イ
ンクは、室温では液体のため、記録紙に印刷すると、に
じみが発生しやすく、かつ、十分な印刷濃度が得られ
ず、さらに、液体であるがゆえにインクからの析出物の
発生が起こりやすく、インクジェット記録方式の信頼性
を大きく低下させる原因となっていた。
【0005】これら従来の溶液型のインクの欠点を改良
することを目的として、常温で固体のインクを使用し
た、いわゆるホットメルト型インクジェット記録用油性
インク(ホットメルトインク)が提案されている。具体
的には、米国特許第3653932号明細書において
は、セバシン酸ジアルキルエステルを含有するインク、
米国特許第4390369号明細書および特開昭58−
108271号公報においては、天然ワックスを含有す
るインク、特開昭59−22973号公報においては、
ステアリン酸を含有するインク、特開昭61−8326
8号公報においては、炭素原子数20〜24の酸または
アルコールを含み、さらには、これらと融点が相対的に
高いケトンを含有するインク、特開昭62−48774
号公報においては、高い水酸基価を有する熱硬化性樹脂
と、150℃より高い融点を有する固体有機溶媒と、少
量の染料物質とを含むインク、特開昭62−11262
7号公報においては、色材と、室温で固体であり室温よ
り高温に加熱すると液化する第1の溶媒と、前記第1の
溶媒を溶解する室温で液体でかつ揮発性の高い第2の溶
媒とからなるインク、特開昭62−295973号公報
においては、極性基を有する合成ワックスと、該ワック
スに可溶な染料を含有するインク、等が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホット
メルト型インクジェット記録では、ヘッドから吐出され
たインク滴が、記録シート表面上で急冷固化してドット
が記録されるため、記録シートの表面からドットが盛り
上がっており、また、記録シートとの定着強度が低いた
め、外部からの圧力や摩擦等により、ドットの剥離ある
いは記録画像の汚れ等が起きてしまう虞れがあった。特
にOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用シートのよ
うな表面吸着性の低い印刷媒体に印刷を行う場合、イン
クがはじかれてしまうために定着性が悪く、ドットの剥
離が顕著に現れる。
【0007】更に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ック等のカラーインクを用いて、2色以上のドットを重
ね合わせて多色を表現しようとした場合、記録シートか
らのドットの剥離や、重ね合わせたドット同士の剥離に
よっても、色相や濃度の変化を起こし、致命的な欠陥と
なる。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、記録シートに対するぬれ性を良
くすることにより、記録シートに対する定着強度はもと
より、重ね合わせた記録ドット同士の定着強度も良好で
あり、高い印字品質を得ることが可能であって、この種
のホットメルト型インクジェット記録に使用するインク
として最適な熱溶融性インクを提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の熱溶融性インクは、室温では固体のインクを
加熱溶解して記録が行われるホットメルト型インクジェ
ット記録装置に用いられるものであり、更に、50℃〜
150℃の融点を有するワックスと、樹脂と、色材とを
含み、さらに界面活性剤を含んでいる。
【0010】尚、前記界面活性剤が、非イオン界面活性
剤から選ばれてもよく、望ましくは、前記非イオン界面
活性剤は、ソルビタンエステル型非イオン界面活性剤も
しくは、エーテル型非イオン界面活性剤であるのがよ
い。
【0011】尚、前記界面活性剤の含有量が0.5〜7
重量%であってもよく、望ましくは、含有量は2〜4重
量%であるのがよい。
【0012】
【作用】上記の構成を有する本発明の熱溶融性インクに
おいて、ワックスはインクの主材となり、熱特性及び粘
度等、インクの基本的な特性を決定する。また、樹脂は
インクの粘度制御、あるいはワックスの結晶性の妨げ、
といった働きのほかに、インクに透明性を付与するとい
った働きもする。色材はインク組成に色を付与するもの
である。そして、これらの組成にさらに界面活性剤を添
加することによって、インク全体としての粘度、融点、
融解エネルギーを大きく変化させることなく、インクジ
ェット記録時において、熱溶融性インクの記録シートへ
のぬれ性を向上させると共に、固体状態の熱溶融性イン
クに可塑性や粘着性を効果的に付与し、記録シートに対
する定着性および記録ドット同士の定着性を飛躍的に向
上でき、インクの剥がれ落ちがない、きわめて鮮明な画
像を記録可能とする。
【0013】また、界面活性剤のうち非イオン界面活性
剤はインク中で電離しないため、電離にて生ずるイオン
が熱を受けてインクに影響を与える虞が無い。よって、
添加する界面活性剤を非イオン界面活性剤から選択する
と、比較的広い温度条件下でインクを使用することが出
来る。
【0014】また、界面活性材はその効果の高さからソ
ルビタンエステル型非イオン界面活性剤もしくは、エー
テル型非イオン界面活性剤から選ばれるのが好ましい。
【0015】前記界面活性剤の含有量は0.5〜7重量
%が好ましく、含有量が0.5重量%に満たないと、充
分なぬれ性が出せない。また、含有量が7重量%を超え
ると溶融粘度が出過ぎてしまい、常温でもかなり柔らか
いインクとなる。よって、このインクで印刷された文字
は擦れに対して弱くなり、容易にドットが潰れて変色や
にじみを生じてしまう。更に望ましくは、含有量は2〜
4重量%であるのがよく、このときインクは、特にOH
P用シートに対して良好な定着性を備える。
【0016】
【実施例】以下、本発明の熱溶融性インクを具体化した
実施例について説明する。
【0017】本発明を実施した熱溶融性インクは、50
℃〜150℃の融点を有するワックスを30〜90重量
%と、樹脂を5〜70重量%と、色材としての油溶性染
料を0.1〜10重量%と、界面活性剤を0.7〜7重
量%とを、インク成分として含有する。
【0018】ビヒクルの一成分として用いられる融点5
0℃〜150℃のワックス、いわゆる常温固体ワックス
は、融点以上の加熱溶融状態において、少なくともイン
クジッェトプリンタのインク吐出温度(100℃から1
50℃程度)において熱的に安定なものを用いる。
【0019】前記ワックスとしては、例えば、石油ワッ
クス、望ましくはパラフィンワックスまたはマイクロク
リスタリンワックスや; 植物系ワックス、望ましくは
キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワ
ックス、またはホホバ固体ロウや; 動物系ワックス、
望ましくはミツロウ、ラノリンまたは鯨ロウや; 鉱物
系ワックス、望ましくはモンタンワックスや; 合成炭
化水素、望ましくはフィッシャートロプシュワックスま
たはポリエチレンワックスや; 水素化ワックス、望ま
しくは硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体や; 変
性ワックス、望ましくはモンタンワックス誘導体、パラ
フィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス
誘導体またはポリエチレンワックス誘導体や; 高級脂
肪酸、望ましくはベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン
酸、ミリスチン酸、またはラウリン酸や; 高級アルコ
ール、望ましくはステアリルアルコール、またはベヘニ
ルアルコールや; ヒドロキシステアリン酸、望ましく
は12−ヒドロキシステアリン酸または12−ヒドロキ
システアリン酸誘導体や; ケトン、望ましくはステア
ロンまたはラウロンや; 脂肪酸アミド、望ましくはラ
ウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒド
ロキシステアリン酸アミド、特殊脂肪酸アミドまたはN
−置換脂肪酸アミドや; アミン、望ましくはドデシル
アミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミン
や; エステル、望ましくはステアリン酸メチル、ステ
アリン酸オクタデシル、グリセリン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸
エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、または
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルや; 重合ワック
ス、望ましくはα−オレフィン無水マレイン酸共重合体
ワックス; 等の従来公知のワックスのいずれかを特に
限定することなく用いることができる。
【0020】これらのワックスは、単独で用いてもよい
し、2種以上を混合して用いてもよく、生成されたイン
クの熱特性を考慮するとインク全体に対して30〜90
重量%の範囲でワックスは含有されることが望ましい。
即ち、含有量が30重量%に満たないと、他の添加剤の
特性が全面に出てくるためインクの融点が高くなったり
定まらなくなったりして、インクジェットの吐出温度に
おいてインクがシャープに溶けなくなる。但し、他の添
加剤を適当に選定して、融点を揃えて使用した場合はそ
の限りではない。また、含有量が90重量%を超えると
インクとして充分な溶解温度が出ず、印刷用紙に付きに
くくなる。
【0021】前記ワックスとともにビヒクルの一成分と
して用いられる樹脂は、印刷用紙への接着性の付与や、
インクの粘度制御、さらにはワックスの結晶性の妨げ、
といった働きのほかに、インクに透明性を付与するとい
った働きもする。特に、透明性はOHP用のインクとし
て必要不可欠な性質である。
【0022】前記樹脂としては、油溶性樹脂が望まし
い。該油溶性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹
脂、望ましくはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂
またはポリイソブチレン樹脂や; ビニル系樹脂、望ま
しくはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂,塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合樹脂または酢酸ビニル樹脂またはエチ
レン−塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂や; アクリル系樹
脂、望ましくはメタクリル酸エステル樹脂,ポリアクリ
ル酸エステル樹脂,エチレン−エチルアクリレ−ト共重
合樹脂またはエチレン−メタクリル酸共重合樹脂や;
フェノ−ル樹脂や;ポリウレタン樹脂や; ポリアミド
樹脂や; ポリエステル樹脂や; ケトン樹脂や; ア
ルキド樹脂や; ロジン系樹脂や; 水素添加ロジン樹
脂や; 石油樹脂や; 水素添加石油樹脂や; マレイ
ン酸樹脂や; ブチラ−ル樹脂や;テルペン樹脂や;
水素添加テルペン樹脂や; クロマン−インデン樹脂;
等が挙げられる。
【0023】また、これらの樹脂(高分子材料)は、単
独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
く、生成されたインクの溶融粘度を考慮するとインク全
体に対して5〜70重量%の範囲で含有されることが望
ましい。即ち、含有量が5重量%に満たないと、インク
として充分な溶融粘度が出なかったり、透明性が得られ
なくなる。また、含有量が70重量%を超えると溶融粘
度が出過ぎてしまい、常温でもかなり柔らかいインクと
なる。よって、このインクで印刷された文字は擦れや圧
力に対して弱くなり、容易に記録ドットが潰れて変色や
にじみを生じてしまう。
【0024】本実施例のインクに使用する色材として
は、従来から油性インク組成物に用いられている染料お
よび顔料であればどれでも使用可能である。
【0025】前記顔料としては、無機顔料、有機顔料を
問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを
使用することができる。具体的には、例えば、カーボン
ブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロ
ムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸
化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウル
トラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブル
ー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン
系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔
料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、
チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔
料、等の従来公知の顔料を特に限定することなく用いる
ことができる。
【0026】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノイミン染料、キサンテン染料、
シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染
料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイ
ミド染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染
料、等の油溶性染料が好ましい。
【0027】これらの顔料および染料は、単独で用いて
もよいし、適宜組み合わせて使用することも可能である
が、インク全体に対して0.1〜10重量%の範囲で含
有されることが望ましい。
【0028】前記界面活性剤は、ぬれ性及び紙への浸透
性を良くし、記録ドットの定着性を良好にするといった
働きをする。また、固体状態のインクに可塑性や粘着性
を付与する。
【0029】前記界面活性剤としては、陽イオン界面活
性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオ
ン界面活性剤が挙げられるが、望ましくは、インクに溶
解しても電離しない非イオン界面活性剤から選ばれる。
なぜなら、電離するものであると、電離したイオンがイ
ンクの諸成分に何がしかの悪影響を与える虞があるから
である。さらに望ましくは、非イオン界面活性剤の内で
も効果の高いソルビタンエステル型非イオン界面活性
剤、もしくはエーテル型非イオン界面活性剤が用いられ
る。
【0030】ソルビタンエステル型非イオン界面活性剤
としては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビ
タンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、
ソルビタンジステアレートソルビタンモノオレエート、
ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエー
ト、等から選ばれるのが好ましい。
【0031】また、エーテル型非イオン界面活性剤とし
ては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、オポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、等から選ばれるのが好ましい。
【0032】上記界面活性剤は、インク全体に対して
0.5〜7重量%の範囲で含有されることが望ましい。
即ち、含有量が0.5重量%に満たないと、充分なぬれ
性が出せない。また、含有量が7重量%を超えると溶融
粘度が出過ぎてしまい、常温でもかなり柔らかいインク
となる。よって、このインクで印刷された文字は擦れに
対して弱くなり、容易にドットが潰れて変色やにじみを
生じてしまう。
【0033】界面活性剤は、さらに望ましくは、インク
と記録用紙、特にOHP用シートとの接触角が40°以
下(好ましくは20°程度)になるくらいに含有される
のがよい。具体的には、2〜4重量%程度含有されるの
がよく、この場合、OHP用シートへの定着性が格段に
良くなる。
【0034】界面活性剤がインクに含有されることによ
り、OHP用シートのような表面吸着性の低い記録用紙
に対してのぬれ性を向上させるため、記録ドットの記録
用紙に対する接触面積が大きくなり、定着性が良くな
る。更に、記録ドットの高さが低くなるため、耐擦性も
向上する。
【0035】次に、本実施例の熱溶融性インク(ホット
メルトインク)を具体化するための実験例について以下
に説明する。
【0036】〈実施例1〉実施例1における熱溶融性イ
ンク(以下、インクAと称す)は、ビヒクルとしての常
温固体ワックスであるパラフィンワックス(パラフィン
ワックス標準品155 、日本精蝋社製)と、樹脂であるエ
チレン酢酸ビニル共重合樹脂(エバフレックス210 、三
井ポリケミカル社製)と、界面活性剤であるソルビタン
モノパルミテート(ノニオンPP-40R、日本油脂社製)
と、色材としての油溶性染料であるカラーインデックス
(C.I.)SOLVENT YELLOW 162 (NEOPEN YELLOW 075、B
ASF社製)と、からなる。
【0037】実施例1に用いたインクAの組成は以下に
示すとおりである。 パラフィンワックス標準品155 (パラフィンワックス) 80重量% エバフレックス210 (エチレン酢酸ビニル 共重合樹脂) 10重量% ノニオンPP-40R (ソルビタンモノパル ミテート) 5重量% NEOPEN YELLOW 075 (SOLVENT YELLOW 162) 5重量%。
【0038】上記インクAは、図1に示すような手順で
製造することができる。
【0039】まず、パラフィンワックス(2)、エチレ
ン酢酸ビニル共重合樹脂(4)、ノニオンPP-40R(6)
を100℃〜200℃の温度で加熱溶解し、これにSOLV
ENTYELLOW 162(8)を混合する。次に、ディゾルバー
(10)により500〜5000RPM 程度で攪拌混合す
る。この攪拌混合された組成物(12)を東洋濾紙社製
の加熱濾過装置により2μmのメッシュフィルター(1
4)を使用して濾過を行い、最終的な熱溶融性インク
(16)を得る。
【0040】調製された熱溶融性インク(16)を12
0℃に熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融さ
せ、その上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これをニ
コン社製顕微鏡“XF−UNR”にて透過光による観察
を行った結果、ほとんど粒子は確認できなかった。従っ
て、染料であるNEOPEN YELLOW 075 (SOLVENT YELLOW16
2)は、そのほとんどがインク組成中にほぼ完全に溶解
していることが確認された。
【0041】以上のようにして得られた実施例1のイン
クAは、ホットメルト型インクジェットプリンタの熱溶
融性インクとして好適に使用可能である。
【0042】上記インクAをインクジェットプリンタに
搭載して、インク吐出温度(100℃〜150℃、好適
には125℃〜135℃)に加熱すると、インクはすば
やく溶融した。
【0043】次に、インクAの記録媒体への定着性を確
認するために、インクジェットプリンタを駆動して記録
紙およびOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用シー
トに印刷を行い、さらに、インクAの記録ドット同士の
定着性を確認するために、同インクジェットプリンタに
て、インクAの記録ドットを2段に重ねての印刷を行っ
た。
【0044】上記印刷後、記録紙を折り曲げても記録ド
ットは剥がれず優秀な定着性を示した。また、OHP用
フィルムに対しては、直径5mmの丸棒でフィルムを20
回しごいても記録ドットは剥がれなかった。
【0045】従って、インクAは、記録紙およびOHP
用シートに対し良好な定着性を示すとともに、重ね合わ
せた記録ドット同士においても優れた定着性を有するこ
とが確認された。
【0046】〈実施例2〉実施例2における熱溶融性イ
ンク(以下、インクBと称す)は、ビヒクルとしての常
温固体ワックスであるパラフィンワックス(パラフィン
ワックス標準品155 、日本精蝋社製)と、樹脂であるエ
チレン酢酸ビニル共重合樹脂(エバフレックス210 、三
井ポリケミカル社製)と、界面活性剤であるポリオキシ
エチレンステアリルエーテル(ディスパノール16-A、日
本油脂社製)と、色材としての油溶性染料であるカラー
インデックス(C.I.)SOLVENT YELLOW 162 (NEOPEN YE
LLOW 075、BASF社製)と、からなる。
【0047】実施例2に用いたインクAの組成は以下に
示すとおりである。 パラフィンワックス標準品155 (パラフィンワックス) 80重量% エバフレックス210 (エチレン酢酸ビニル 共重合樹脂) 10重量% ディスパノール16-A (ポリオキシエチレン ステアリルエーテル) 5重量% NEOPEN YELLOW 075 (SOLVENT YELLOW 162) 5重量%。
【0048】上記インクBは、図1に示すような手順で
製造することができる。
【0049】まず、パラフィンワックス(2)、エチレ
ン酢酸ビニル共重合樹脂(4)、ディスパノール16-A
(7)を100℃〜200℃の温度で加熱溶解し、これ
にSOLVENT YELLOW 162(8)を混合する。次に、ディゾ
ルバー(10)により500〜5000RPM 程度で攪拌
混合する。この攪拌混合された組成物(12)を東洋濾
紙社製の加熱濾過装置により2μmのメッシュフィルタ
ー(14)を使用して濾過を行い、最終的な熱溶融性イ
ンク(16)を得る。
【0050】調製された熱溶融性インク(16)を12
0℃に熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融さ
せ、その上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これをニ
コン社製顕微鏡“XF−UNR”にて透過光による観察
を行った結果、ほとんど粒子は確認できなかった。従っ
て、染料であるNEOPEN YELLOW 075 (SOLVENT YELLOW16
2)は、そのほとんどがインク組成中にほぼ完全に溶解
していることが確認された。
【0051】以上のようにして得られた実施例2のイン
クBは、ホットメルト型インクジェットプリンタの熱溶
融性インクとして好適に使用可能である。
【0052】上記インクBをインクジェットプリンタに
搭載して、インク吐出温度(100℃〜150℃、好適
には125℃〜135℃)に加熱すると、インクはすば
やく溶融した。
【0053】次に、インクBの記録媒体への定着性を確
認するために、インクジェットプリンタを駆動して記録
紙およびOHP用シートに印刷を行い、さらに、インク
Bの記録ドット同士の定着性を確認するために、同イン
クジェットプリンタにて、インクBの記録ドットを2段
に重ねての印刷を行った。
【0054】上記印刷後、記録紙を折り曲げても記録ド
ットは剥がれず優秀な定着性を示した。また、OHP用
フィルムに対しては、直径5mmの丸棒でフィルムを20
回しごいても記録ドットは剥がれなかった。
【0055】従って、インクBは、記録紙およびOHP
用シートに対し良好な定着性を示すとともに、重ね合わ
せた記録ドット同士においても優れた定着性を有するこ
とが確認された。
【0056】<比較例>比較例におけるインクCは、パ
ラフィンワックス(パラフィンワックス標準品155 ,日
本精蝋社製)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(エバフ
レックス210 、三井ポリケミカル社製)、カラーインデ
ックス(C.I.)SOLVENT BLUE 35(SUDANBLUE 670、BA
SF社製) からなる。
【0057】比較例におけるインク組成は以下に示すと
おりである。 パラフィンワックス標準品155 80重量% エバフレックス210 15重量% SUDAN BLUE 670 5重量%。
【0058】上記インクCは、実施例1,2のインク
A,Bと同様な手順で製造することができる。
【0059】ここで、インクCの定着性を確認するため
に、インクA及びインクBと同様な方法にて試験を行っ
たところ、記録紙上での定着性も十分とは言えず、ま
た、OHP用シート上では簡単に記録ドットが剥がれて
しまった。また、記録ドットを2段重ねて印刷したもの
は、記録紙を折り曲げると、重ね合わせた記録ドットが
簡単に剥がれてしまった。
【0060】従って、比較例におけるインクCは、特に
OHP用シートに対する定着性および記録ドット間の定
着性が非常に悪いことが確認された。
【0061】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の熱溶融性インクによれば、界面活性剤、望ましく
は非イオン界面活性剤、さらに望ましくはソルビタンエ
ステル型非イオン界面活性剤もしくはエーテル型非イオ
ン界面活性剤を添加したので、インクのぬれ性及び浸透
性を高め、記録シートに対する定着性および重ね合わさ
れた記録ドット間の定着性を飛躍的に向上させることが
できる。更に、記録ドットの高さが低くなるため、耐擦
性も向上する。
【0062】また、固体状態での可塑性、粘着性をも付
与させるので、記録ドットの剥がれ落ちが無い、きわめ
て鮮明な画像を記録することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である熱溶融性インクの製造
方法を示す説明図である。
【符号の説明】
2 パラフィンワックス(ワックス) 4 エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(樹脂) 6 ソルビタンモノパルミテート(界面活性剤) 7 ポリオキシエチレンステアリルエーテル(油溶性染
料) 8 SOLVENT YELLOW 162(油溶性染料)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温では固体のインクを加熱溶解して記
    録が行われるホットメルト型インクジェット記録装置に
    用いられる熱溶融性インクにおいて、 50℃〜150℃の融点を有するワックスと、樹脂と、
    色材とを含み、さらに界面活性剤を含むことを特徴とす
    る熱溶融性インク。
  2. 【請求項2】 前記界面活性剤が、非イオン界面活性剤
    から選ばれることを特徴とする請求項1記載の熱溶融性
    インク。
  3. 【請求項3】 前記非イオン界面活性剤は、ソルビタン
    エステル型非イオン界面活性剤であることを特徴とする
    請求項2記載の熱溶融性インク。
  4. 【請求項4】 前記非イオン界面活性剤は、エーテル型
    非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項2記
    載の熱溶融性インク。
  5. 【請求項5】 前記界面活性剤の含有量が0.5〜7重
    量%であることを特徴とする請求項1記載の熱溶融性イ
    ンク。
  6. 【請求項6】 前記界面活性剤の含有量が2〜4重量%
    であることを特徴とする請求項1記載の熱溶融性イン
    ク。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000017211A (ja) * 1998-07-03 2000-01-18 Hitachi Koki Co Ltd インクジェット用ホットメルト型インク組成物
US6390617B1 (en) 1998-09-29 2002-05-21 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
JP2003525339A (ja) * 2000-03-01 2003-08-26 クラリアント・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング 印刷インキ製造用ワックス

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