JP2000017211A - インクジェット用ホットメルト型インク組成物 - Google Patents

インクジェット用ホットメルト型インク組成物

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JP2000017211A JP18859498A JP18859498A JP2000017211A JP 2000017211 A JP2000017211 A JP 2000017211A JP 18859498 A JP18859498 A JP 18859498A JP 18859498 A JP18859498 A JP 18859498A JP 2000017211 A JP2000017211 A JP 2000017211A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット用ホットメルト型インク組成
物の固体状態での亀裂防止。 【解決手段】 室温で固体のインク組成物を加熱により
液化させて記録媒体上に噴射させ記録ドットを形成する
インクジェット用ホットメルト型インク組成物に、ポリ
オキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油又はアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステルを
添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に用いられるホットメルトインク組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット記録用インク組
成物としては、水溶性液体インク組成物が広く使われて
いる。しかしながら、インクのしみ込みやすい紙への記
録では「にじみ」が生じてしまい、記録媒体は加工紙に
限定される。またオーバヘッドプロジェクタ(OHP)
シートへの記録でも、インクの乾燥性が悪いためシート
表面に特殊な処理が必要である。このため、紙質に関係
なく良好な印字品質を提供するインク組成物として、室
温で固体のワックス等を素材としたホットメルト型イン
ク組成物を用いて、加熱等により液化し、何らかのエネ
ルギを加えて噴射させ、記録媒体上に付着しつつ冷却固
化し記録ドットを形成するホットメルト型インクジェッ
ト記録方式が提案されている。
【0003】上記インクジェット方式の大きな利点とし
て、該インクは室温で固体状であるため取扱い時に汚れ
ないし、また、溶融時のインクの蒸発量を最小限にでき
るためノズルの目詰まりがない。更に、付着後直ちに固
化するため「にじみ」もなく、和紙から画用紙、葉書と
いったさまざまな記録媒体を前処理等なしで用いること
ができる。米国特許第4,390,369号、4,484,948号、5,35
0,789号、5,703,145号には、紙質に関係なく良好な印刷
品質を提供するインク組成物が記述されている。
【0004】また、特開平5−311101号公報にはポリア
ミド及び脂肪酸アミド、特開平5−194897号公報、特開
平6−107987号公報には、グリセライドを使用し光透過
性の優れたインクジェット用ホットメルト型インク組成
物が記述されている。
【0005】インクの色材としては一般に染料が広く用
いられるが、印刷物の耐候性を向上するために、インク
の着色剤として顔料を用いることもあり、レーザプリン
タ、溶融転写型プリンタ、液体インクジェットプリンタ
及びソリッドインクジェットプリンタ等の各種のプリン
タのインクとして使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記ホットメ
ルト型インク組成物は、一般に成分間の相溶性の維持が
困難で、特に耐候性に優れる有機顔料を着色剤として用
いた場合に溶融状態で分離しやすいという欠点を有して
いた。また、インク製造後、インクをペレット状あるい
はスティック状に固化して成形する際、その表面に亀裂
を生じる場合があった。
【0007】本発明の課題は、これら従来の欠点を克服
して、インク組成間の相溶性を向上し、かつインク固化
物(ペレット、スティックなど)に亀裂を生じないよう
にするためのインク添加物を提供することにある。
【0008】また、本発明の他の課題は、微細なノズル
からインク滴を噴射させるに十分な、流動安定性に優れ
た低粘度でかつ分離のない、顔料を用いたソリッドイン
クジェットプリンタ用インク組成物を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の要旨は、室温で固体のインク組成物を加熱により液
化させた上で、何らかの噴射エネルギを付与することに
よりインク液滴を記録媒体上に噴射させ、記録ドットを
形成するインクジェット用ホットメルト型インク組成物
において、該インク組成物が、ポリオキシエチレンヒマ
シ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキルグ
リセリルエーテル脂肪酸エステルを含有する点にある。
【0010】好ましくは、前記ポリオキシエチレンヒマ
シ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキルグ
リセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量が0.5〜2
0重量%の範囲にあるとよい。
【0011】更に好ましくは、前記インクの組成物は、
その他にヒドロキシル価が20以上150以下のアルコ
ール型ワックスが含有されるとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】前述のポリオキシエチレンヒマシ
油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキルグリ
セリルエーテル脂肪酸エステルは本発明の主たる要素を
なす添加剤であり、含有量は0.1〜30%、好ましく
は0.5〜20重量%の範囲で使用する。0.1%より
低いとインク組成の相溶性、亀裂発生の抑制に効果がな
く、30%を超えるとインクの機械的特性に問題を生じ
やすい。
【0013】通常のヒマシ油は12−ヒドロキシオレイン
酸のグリセライドであり、硬化ヒマシ油はこれに水素添
加した12−ヒドロキシステアリン酸グリセライドが主成
分であるが、本発明にはヒマシ油を処理してヒドロキシ
基をポリオキシエチレン基とし、かつポリオキシエチレ
ングリセライドとした材料が使用される。
【0014】これら化合物の一般的な構造式を図1〜3
に示す。図1はポリオキシエチレンヒマシ油、図2はポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油、図3はアルキルグリセ
リルエーテル脂肪酸エステルである。
【0015】ここで、ポリオキシエチレン基の繰り返し
単位数は総計(図中、l、m、n、x、y、zの和)で
3〜100である。特に好ましくは、3〜40である。
【0016】アルキルグルセリルエーテル脂肪酸エステ
ルとしては、ステアリン酸バチル、イソステアリン酸バ
チル等がある。
【0017】本発明には具体的には、ポリオキシエチレ
ンヒマシ油としてはCO−3、CO−10、CO−20TX、CO−40T
X、CO−50TX、CO−60TX(以上日光ケミカルズ)、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油としては、HCO−5、HCO−1
0、HCO−20、HCO−30、HCO−40、HCO−50、HCO−60、HC
O−80、HCO−100(以上日光ケミカルズ)、GM−18S(日
光ケミカルズ:モノステアリン酸バチル)、GM−18IS
(日光ケミカルズ:モノイソステアリン酸バチル)、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、
TMGS−5、TMGS−15、TMGO−5、TMGO−15(以上日光ケミ
カルズ)が使用できる。但し、本発明は特にこれらに限
定されるものではない。
【0018】ビヒクル素材は、本発明のホットメルトイ
ンク組成物として特に限定されず、モノアミド、ビスア
ミド、テトラアミド、ポリアミド、エステルアミド、イ
ソシアネート、イミド、ビスイミド、ポリエステル、ポ
リ酢酸ビニル、アクリル酸系及びメタクリル酸系高分
子、スチレン系高分子、エチレン酢酸ビニル共重合体、
ポリケトン、シリコーン樹脂、クマロン樹脂、脂肪酸エ
ステル、トリグリセライド、天然樹脂、天然及び合成ワ
ックス等から選択された1ないし多成分から成ることが
可能である。
【0019】本発明には特に上記のビヒクル材料のう
ち、特にアルコール型ワックス材料が好適に用いられ
る。この材料は特に有機顔料に極めて相性がよく、比較
的容易に凝集状態を解離した分散体を製造することが可
能である。この理由は分明ではないが、ヒドロキシル基
と顔料分子中の官能基との何らかの相互作用にもとづく
可能性がある。これに従い、十分な彩度の得られる高濃
度で且つ使用時の溶融粘度がインクジェット記録に適し
た低粘度となる特性を達成したものである。
【0020】アルコール型ワックスとして更に好ましく
は、アルコールとエテンのホモポリマーであるか、また
はパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、ペトロラタムを原料とする酸化反応により製造され
たワックスであり、本発明のアルコール型ワックスとし
ては、直鎖状の完全飽和タイプであり、かつ水酸基の位
置がすべての炭素に均等に付いている等、従来の分留法
によって得られるアルコールよりも反応性に富むものが
望ましい。
【0021】具体的には、UNILIN350、UNILIN425、UNIL
IN550、UNILIN700、またこれらをエトキシ化して得られ
たユニトックス420、ユニトックス450、ユニトックス48
0、ユニトックス520、ユニトックス550、ユニトックス7
20、ユニトックス750(東洋ペトロライト製)等が使用
できる。更に、パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、ペトロラタムを原料とする酸化反応によ
り製造されたアルコールリッチなアルコール型ワックス
としてOX1949、OX020T、NPS9210、NPS9125、NPS9035
(日本精蝋製)等が望ましい。また、KOW、VLTN−4、VL
TN−5、VLTN−6(川研ファインケミカル製)等も挙げら
れる。特に望ましいのは、UNILIN425、UNILIN550、OX19
49である。
【0022】ヒドロキシル基価は20以上150以下が
好ましいが、最も好ましいのは60〜130程度であ
る。ヒドロキシル基価が20未満では、前述した顔料の
分散が不十分で沈殿を生じやすく、かつ150を超える
と過剰な分極性が顔料とビヒクルの分離を生じる。
【0023】ここで、ヒドロキシル基価(水酸基価)は
ASTM E222改で定義された測定方法に基づくものであ
る。分子量に対するヒドロキシル基価の目安としては、
ヒドロキシル基価/(57×分子量)の値が1ないしは
それ以下、好ましくは1〜0.5のアルコール型ワック
スが好適である。
【0024】また、アルコール型ワックスの溶融粘度は
5〜50mPa・s、好ましくは5〜30mPa・sが望ましい。
5mPa・s未満の粘度では顔料の沈降を防止できず、50m
Pa・sを超える粘度ではインクジェット記録を行うことが
困難である。
【0025】主としてこの粘度の要件に関連して、好ま
しいアルコール型ワックスの炭素数は18〜100程度
び値が選定され、特に好ましくは25〜55である。炭
素数25未満のワックスは粘度が過小で顔料の分散安定
性が不十分となり、100を超えると粘度が過大でイン
クジェット記録が困難となる。同様の理由により、分子
量としては、200〜1500程度、好ましくは300
〜700の範囲が望ましい。
【0026】上記アルコール型ワックスの融点は、イン
クの噴射安定性および印刷物の保管安定性の点から、5
0以上120℃以下が望ましい。特に望ましいのは70
℃以上100℃以下である。
【0027】熱および光に対する安定性が必要であるた
め、酸価は12.0以下、ヨウ素価は3以下が特に望ま
しく、これらはインクジェット用インクの主成分として
十分な印刷物保管安定性が得られる。
【0028】これらのアルコール型ワックスは、キャン
デリラワックス、カルナバワックス、カストルワック
ス、木ろうに代表される植物系ワックスと良い相溶性を
示し混合して用いることができる。その他にも例えばパ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の
石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン
酸、ベヘン酸等の高級飽和及び不飽和脂肪酸、ステアロ
ン、ラウロン等のケトン、脂肪酸エステルアミド、飽和
あるいは不飽和脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレン化していない通常のヒマシ油、硬化ヒマシ
油等を含む飽和及び不飽和脂肪酸グリセライド、さらに
ロジン系樹脂、炭化水素系樹脂、アミド系樹脂、ポリエ
ステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸系及びメタクリル
酸系高分子、スチレン系高分子、エチレン酢酸ビニル共
重合体、ポリケトン、シリコーン、クマロン等の高分子
量の樹脂等を添加して特性を向上することもできる。本
発明に使用するビヒクル系は他の顔料にも広く適用する
ことも可能である。
【0029】本発明には各種染料または顔料が色材とし
て特に制限なく使用される。これらには、例えば染料と
しては多くの油溶性染料、顔料としては下記カラーイン
デックスで示される材料がある。
【0030】赤またはマゼンタ顔料としては、ピグメン
トレッド3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、4
8:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、5
8:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、1
04、108、112、122、123、144、146、149、166、168、1
69、170、177、178、179、184、185、208、216、226、2
38、257、ピグメントバイオレット3、19、23、29、30、
37、50、88、ピグメントオレンジ13、16、20、36などで
ある。青またはシアン顔料としては、ピグメントブルー
1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、1
6、17:1、22、27、28、29、36、60、緑顔料としては、
ピグメントグリーン7、26、36、50、黄顔料としては、
ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、34、35、3
7、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、
128、137、138、139、151、153、154、155、157、166、
1167、168、180、185、193、黒顔料としては、ピグメン
トブラック7、28、26などが目的に応じて使用できる。
【0031】着色剤として更に溶解性染料(Solvent Dy
e)も使用でき、上記顔料と混合しても利用できる。
【0032】本発明のインク組成物に更に機能性を発現
するため、各種の表面処理剤、界面活性剤、粘度低下
剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、防腐剤、分散剤、染料等を混合することが
できる。
【0033】顔料の添加量はインク全体の0.5〜5重
量%、特に0.7重量%以上が適量である。特に望まし
くは、0.7〜3重量%である。0.5重量%未満では
彩度が不十分で、5重量%より多いとインク粘度特性に
悪影響を与え、且つ彩度も低下してしまう 顔料の場合、上記したビヒクル及びその他の成分の混
合、分散には周知の各種の粉砕又は分散装置が使用でき
る。これらには、高速回転ミル、ローラーミル、容器駆
動媒体ミル、媒体撹拌ミル、ジェットミル等の区分があ
り、例えば、ハイスピードデイスパーサ、インペラデイ
スパーザ、ゲートミキサ、ビーズミル、サンドミル、パ
ールミル、コブラミル、ピンミル、モリネックスミル、
撹拌ミル、ユニバーサルミル、センチュリーミル、プレ
ッシャミル、アジテータミル、2本ロールエクストルー
ダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ニッチェミ
ル、ニーダ、ミキサ、コロイドミル、ストーンミル、ケ
ーデイミル、遊星ミル、ボールミル、パドルミキサ、ア
トライタ、フロージェットミキサ、スラッシャーミル、
ペグミル、マイクロフルダイザ、クレアミックス、ライ
ノミル、ホモジナイザ、ピン付きビーズミル、横型ビー
ズミル等がある。
【0034】混練時間は、装置により各種設定される。
混練には、周知の成分を一括して溶融混練する方法、着
色剤をあらかじめ高濃度に混合してマスタバッチとし希
釈する方法、成分を順次追加混合する方法、液体中で分
散し固相中に導入するフラッシュ方法等、塗料、イン
キ、樹脂着色等に使用される各種の方法が使用できる。
【0035】本発明の組成が効果をもたらす理由は明瞭
ではないが、添加した材料の相溶性、可塑性及びインク
固化時の機械的、熱的緩和の効果を生じていることは確
実である。
【0036】高品質のインクジェット用インクの調製に
は多くの重要な因子のバランスを必要とする。本発明の
インクは、ホットメルト型インクジェットプリンタに適
用するために、周知の幾つかの要件を満足する。すなわ
ち、このインクは室温で十分な硬度と安定性があり、印
刷前の保管および印刷後の画質に信頼性がある。記録媒
体に付着後は十分な透明性と彩度を有し、かつ均一な薄
膜を形成して良好な画質の印刷物を与える。これらの要
件は複雑で、本発明のインクについて必ずしも明瞭に数
値化できるわけではないが、例えば、融点が相対的に低
いホットメルトインクは典型的に滲みやすく、オフセッ
トが発生しやすい。40℃保管状態でも印刷物を重ねて
おいた状態で、オフセットが発生しないことが必要であ
る。しかし、インクの融点が高いと粘度が高くなるが、
印刷時のインク組成物の溶融粘度としては50mPa・s以
下、特に5〜15mPa・sの範囲が装置上望ましい。過剰
な粘度は噴射時により大きなエネルギーが必要となり、
またあまりに低粘度の材料では室温での保存安定性に問
題を生じる。室温(25℃)での粘度は10、000mP
a・s以上である。
【0037】多くのインクは噴射温度を高めることによ
って噴射適性範囲に粘度を低下させることができるが、
噴射温度を高めると熱安定性の問題を生じ、インクリザ
ーバ(インク室)やプリントヘッドの中で長時間加熱す
るとインクが分解したり、インクと接する金属材料を腐
食しかねないため、本発明のビヒクルの如く比較的低温
で低溶融粘度が得られる組成は実用上特に好ましい。
【0038】印刷物の折り曲げ特性としては、トランス
ペアレンシーフィルムを用いたマンドレル試験において
5mmφ以下特に3mmφ以下の試験に合格することが
望ましい。
【0039】印刷時のインクを溶融する温度としては、
装置を簡便で低価格にするために、100〜150℃の
範囲が最適である。
【0040】溶融時の表面張力は30mN/m以下が望
ましい。溶融状態から固体に転移する際の体積変化は1
0%以下が望ましい。
【0041】更に、この組成物は、印刷を必要とすると
きのみインク小滴を噴射させる、従来公知のインクジェ
ットプリンタ例えば、オフィス用プリンタ、工業用マー
キングに使用されているプリンタ、ワイドフォーマット
型プリンタ、刷版及び製版用プリンタ、ラベルプリンタ
およびこの典型的操作を持つすべてのタイプのプリンタ
ーに使用可能である。記録媒体としては、紙、プラスチ
ックフィルム、カプセル、ジェル、金属箔、布等が挙げ
られるが、非接触印刷が可能なだけに媒体の形状は広範
なものが使用でき、これに限定されるものではない。一
旦転写体に記録し、記録媒体に転写する方法、加圧加熱
装置等の処理を含む記録方法も使用できる。
【0042】次に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、記載例に限定されるものではない。
【0043】〔実施例1〕ビヒクルとしてアルコール型
ワックス(東洋ペトロライト製、商品名:UNILIN425)
を使用し、これに対してステアリン酸バチル(日光ケミ
カルズ製、商品名:GM18−S)を0〜30重量%、着色
剤としてマゼンタ顔料(大日本インキ製、商品名:KET
Red 310)を濃度2.5重量%添加し、ビーズミル(ア
イガー製モータミルM−250、ビーズ:ジルコン1
φ)により150℃で、均質な溶融混合物が得られるま
で1,500rpmの回転数で加熱、混練し、続いて加
熱加圧ろ過を行い不純物等を除去し、室温で放冷して均
質なマゼンタ色のホットメルトインク組成物を得た。得
たインクを再溶融し、15φの中空円筒形のペレット成
形容器(SUS製)に注入し、固化後取り出して形状を
観測した。
【0044】更に、これらのインクを12mmφの試験
管に入れ、135℃で3日間放置して、インク層の分離
(分離割合を%表示)を観察した。また、インクジェッ
トプリンタ(日立工機製:JOLT SJ01A)に入れてプリン
トを行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】ステアリン酸バチルの添加量が0.1%以
下では一部のペレットにひび割れが発生し、インク中の
色材の分離、印刷時の吐出不良が観測された。表中、1
5/100は100個中15個がひび割れたことを示
す。混合量が30%ではひび割れは生じないもののイン
クに溶融放置中の分離が認められ、インクの機械的性質
が低下したため、プリントに裏移り(プリントを重ねて
保存した場合にインクが他の紙の裏面に転写する現象)
が観測された。
【0047】〔実施例2〕ビヒクルとしてK−3ワックス
(川研ファインケミカルズ製:カスターワックス)50
重量%及びOX1949(東洋ペトロライト製:アルコール型
ワックス)50重量%を用い、これにポリオキシエチレ
ンヒマシ油(日光ケミカルズ製:CO−3)を10重量
%、着色剤としてシアン顔料(東洋インキ製、商品名:
Lionol BlueFD−7400G)1.0重量%を含有する混合物
全300gを実施例1の装置(モータミル)を用いて、
同様に均質な溶融混合物が得られるまで加熱、混練(3
時間)し、続いて加熱加圧ろ過を行い不純物等を除去
し、室温で放冷して均質なシアンホットメルトインク組
成物を得た。モータミルの回転数は2,500rpmで
ある。
【0048】得られたインクはペレット形成時にひび割
れを生ぜず(0/10)、分離安定性(0%)、プリン
ト特性上も問題がなかった。添加量を5%に低下しても
十分効果的であった。
【0049】一方、上記と同様の組成物でポリオキシエ
チレンヒマシ油を添加しない場合は、100個中7個に
ひび割れが発生した。
【0050】〔実施例3〕ビヒクルとしてUNILIN350
(東洋ペトロライト製:アルコール型ワックス)を60
重量%、カワスリップSA(川研ファインケミカルズ製:
エステルアミド)を40重量%、の混合物を用い、これ
に対してポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケミカ
ルズ製:HCO−10)を全ビヒクル量に対して3重量%、
および着色剤としてイエロー顔料(山陽色素製:Pigmen
t Yellow 93)を1重量%加えた混合物全500gをホモ
ジナイザ(日立工機製:HG30)を用いて、均質な溶融混
合物が得られるまで加熱、混練(3時間)し、続いて加
熱加圧ろ過を行い不純物等を除去し、室温で放冷して均
質なイエローホットメルトインク組成物を得た。ホモジ
ナイザの回転数は15,000rpmである。
【0051】得られた各インクを、実施例1と同様の方
法で評価した。得られたインクにはひび割れは観測され
ず(0/100)、溶融放置時に分離はなく(0%)、
良好なプリントが得られた。添加量を20%に増大して
も同等の効果が得られたが、上記と同様の組成物でポリ
オキシエチレンを添加していない系では一部ペレットの
割れ(5/100)が観測された。
【0052】
【発明の効果】本発明のインクジェット用ホットメルト
型インク組成物は、従来インクを固体ペレットに成形す
る場合に問題とされていたひび割れ特性、及び溶融時の
分離安定性が改良され、従来のインクに比べ容易にイン
ク製造が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリオキシエチレンヒマシ油の分子構造を示
す図。
【図2】 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の分子構造
を示す図。
【図3】 アルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステル
の分子構造を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室温で固体のインク組成物を加熱により液
    化させた上で、何らかの噴射エネルギを付与することに
    よりインク液滴を記録媒体上に噴射させ、記録ドットを
    形成するインクジェット用ホットメルト型インク組成物
    において、 該インク組成物が、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリ
    オキシエチレン硬化ヒマシ油またはアルキルグリセリル
    エーテル脂肪酸エステルを含有することを特徴とするイ
    ンクジェット用ホットメルト型インク組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のインクジェット用ホットメ
    ルト型インク組成物において、 前記ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン
    硬化ヒマシ油又はアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エ
    ステルの含有量が0.5〜20重量%であることを特徴
    とするインクジェット用ホットメルト型インク組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のインクジェット用
    ホットメルト型インク組成物において、 前記インク組成物は、更にヒドロキシル価が20以上1
    50以下のアルコール型ワックスを含有することを特徴
    とするインクジェット用ホットメルト型インク組成物。
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