JP3367151B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JP3367151B2
JP3367151B2 JP18292193A JP18292193A JP3367151B2 JP 3367151 B2 JP3367151 B2 JP 3367151B2 JP 18292193 A JP18292193 A JP 18292193A JP 18292193 A JP18292193 A JP 18292193A JP 3367151 B2 JP3367151 B2 JP 3367151B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッドからインク
滴を吐出させ転写媒体上にインク像を形成した後、記録
媒体に転写し、記録媒体上にインク像を得る転写型イン
クジェットプリンタの記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の、インク滴を記録媒体上に吐出さ
せて記録像を書き込む形式のインクジェット記録方式
は、機構が簡単でしかも騒音が発生しない点で優れてい
るが、記録媒体の違い、例えば被転写紙の紙質の違いに
より印字状態が違うといった印字品質上の問題を有する
ほか、被転写紙排出の際に未乾燥状態の記録像を乱して
しまうといった問題を有している。
【0003】このような問題に対して本出願人が特開昭
62−92849号公報において提案した装置は、米国
特許第4538156号明細書に示された転写式プリン
タを基礎として改良し、インク滴を一旦転写媒体上に吐
出し、ここでインク滴中の大半の水分を蒸発させて、濃
縮したインクを紙等の記録媒体上に転写するようにした
ものである。さらに、米国特許第5099256号明細
書に印字品質を向上した同様なプリンタが提案され、前
述した問題を解消できるばかりでなく、きわめて鮮明な
画像形成を可能にした。
【0004】また、樹脂エマルジョンを用いたインクの
従来例としては、特公昭62ー1426号公報、特開平
4−18462号公報には、記録媒体上に形成されたイ
ンク画像の定着性、堅牢性を目的とした、水と顔料と水
不溶性合成樹脂エマルジョンからなるインク構成が記載
されている。
【0005】更に、本出願人は特開平3−160068
号公報において上記の効果に加えて、普通紙対応性の向
上、ノズルの目詰まり防止、保存信頼性の確保を目的と
して樹脂エマルジョンを含有し、最低造膜温度が40℃
以上のインク組成を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
転写型プリンタ、また従来の樹脂エマルジョンを含有す
るインクを用いた従来の転写型プリンタのでは、以下の
問題点があった。
【0007】ひとつは、インク吐出から転写までの時間
や印字パターンによらず、転写残りやインク像の変形の
無い良好な転写を実現するためには、転写の押圧力が大
きくなってしまうという問題点である。以下に本問題点
を詳細に説明する。
【0008】従来のインクを用いたインク像の濃縮状態
と転写圧力との関係は、インク像が濃縮しているほど転
写圧力は大きくなる傾向があった。すなわち、インクの
濃縮度が大きくなればインク像の粘着性が低下し、粘着
性の小さいインク像を転写するには大きな転写圧力が必
要になった。したがって低圧力で転写するためには、転
写が十分に可能な粘着性が得られる範囲で、濃縮度をで
きるだけ低くする必要があった。
【0009】一方、実際の装置では、転写残りやインク
像の変形の無い良好な濃縮状態を短時間で得る必要があ
り、そのために転写媒体をヒーターにより加熱し、イン
クの溶媒成分の蒸発を促進させる。ところが、転写媒体
を加熱するヒータの熱量を適当な値に設定し、転写媒体
上のインク像全体を良好な転写が可能な濃縮状態にしよ
うとしても、1ノズルヘッドまたはマルチノズルヘッド
で走査する場合、インク吐出から転写までの時間が場所
によって異なり、濃縮状態に差が生じてしまう。さらに
また、インク像の印字パターン、すなわち単位面積当り
のインク量によってもインク像の濃縮状態が異ってしま
う。
【0010】この様な濃縮状態の差に関係なく良好な転
写を得るためには、インク像の最大の濃縮状態に合わせ
て圧力値を設定する必要があり、過大な圧力が必要にな
ってしまった。
【0011】もうひとつの問題点は、記録ヘッドのノズ
ル目詰まり性確保と印字物の耐擦性、耐水性等の堅牢性
の両立が困難なことである。
【0012】従来の水を主体としたインクを用いた記録
方法では、ノズルの目詰まりを防止するために、インク
の構成成分である着色剤、樹脂等が水溶性のもの、また
は親水性のものであり、インク像が記録媒体上に固着さ
れた後、再び水と接触することによりインク像が乱れて
しまい、耐水性が得られなかった。
【0013】また、従来の堅牢性の向上に効果を有する
樹脂エマルジョンを含有するインクと、従来の転写型イ
ンクジェット記録方法を組み合わせた場合には、プリン
タ内に保持する熱源により装置の使用環境温度が上昇す
るため、エマルジョンの造膜により記録像の耐水性を得
ることは可能であったが、そのとき記録ヘッドのノズル
の目詰まりが発生してしまった。逆に目詰まり性の確保
のためにエマルジョン造膜性を低下させると、記録像の
耐水性がなくなってしまい、記録ヘッドのノズル目詰ま
り性確保と印字物の耐擦性、耐水性等の堅牢性の両立は
困難であった。
【0014】本発明は以上の問題点を解決するもので、
その目的は、印字から転写までの時間や、印字パターン
に影響されずに、転写媒体上で得られたインク像を低圧
力で記録媒体上に転写することが可能であり、さらには
記録ヘッドのノズル目詰まり性確保と印字物の耐擦性、
耐水性等の堅牢性の両立が可能な新たなインクジェット
記録方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録方法は、少なくとも水と着色剤とMFTが50℃以
上である樹脂エマルジョンを含むインクを、記録ヘッド
からインク滴として吐出させ、前記樹脂エマルジョンの
最低造膜温度(MFT、Minimum Film Format-ion Temp
erature)以上の温度に加熱した転写媒体にインク像
を書き込む工程と、このインク像の溶媒成分を前記転写
媒体上で蒸発する工程と、前記転写媒体上のインク像を
記録媒体に転写する転写工程を経、該転写工程における
該インク像の転写圧力が1kg重/cm以下であること
を特徴とし、さらにはインク像の溶媒成分を蒸発する工
程において、加熱温度が50℃〜150℃であることを
特徴とする。
【0016】
【作用】本発明のインクジェット記録方法では、加熱手
段により転写媒体上のインク像の溶媒成分を蒸発させる
際、転写媒体の表面温度をインク中に含まれる樹脂エマ
ルジョンのMFT以上に設定することにより、転写媒体
上のインク像の膜強度と接着力が向上し、印字から転写
までの時間や、印字パターンに影響されずに、転写媒体
上で得られたインク像を低圧力で記録媒体上に転写する
ことが可能になる。
【0017】ヘッドの目詰まりを防止する為には、樹脂
エマルジョンのMFTがヘッド内部の温度より高いこと
が必要であり、ヘッドの温度は装置の使用環境温度に影
響を受ける。そこで、樹脂エマルジョンのMFTがプリ
ンタの使用環境温度に左右されない充分高い温度(50
℃以上)とし、さらにドラム表面温度をそのMFT温度
以上に設定してインク層を加熱膜化することにより、従
来の課題であったヘッドの目詰まり性と堅牢性の両立が
可能になる。
【0018】従って、転写媒体の表面温度は50℃以上
でかつインク中の樹脂エマルジョンのMFT以上の温度
であることが必要となる。インクに含まれる樹脂エマル
ジョンのMFTが50℃未満の場合、環境温度によって
インクのゲル化等の発生が予測され、保存信頼性の確保
ができない。また、加熱された転写媒体からの熱や、周
囲の環境温度により、ノズルからのインク成分の蒸発で
樹脂エマルジョンが造膜し、吐出不良を引き起こし、ヘ
ッドの信頼性の確保ができない。
【0019】更に転写媒体の表面温度が150℃を超え
る場合、転写媒体近傍にヘッドが配置されているためヘ
ッド温度が上昇し、ノズルからのインク中の溶媒成分の
蒸発による増粘、乾燥による吐出不良を引き起こし、ヘ
ッドの信頼性の確保ができない。
【0020】従って転写媒体の表面温度は50℃〜15
0℃が望ましい。
【0021】
【実施例】まず、本発明のインクジェット記録方法の実
施例を詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の転写型インクジェットプ
リンタの特徴的な実施例の構成を示す斜視図であり、図
2は図1の断面図である。転写媒体である転写ドラム1
の周囲に、回転方向上流側からインクジェット記録ヘッ
ド2、転写手段であるバックアップローラ3、また必要
に応じて転写ドラム上の付着物を除去するクリーナー8
が順次配置されている。また、転写ドラム1の内部に
は、加熱手段7が配置されている。
【0023】記録ヘッド2は圧電素子を用いる形式のイ
ンクジェット記録ヘッドであり、複数個のノズルを転写
ドラム1の軸方向に有している。記録ヘッド2には、イ
ンク容器21が接続され、必要に応じてインクが供給さ
れる。
【0024】転写ドラム1は、金属素管11の周囲にシ
リコーンゴムからなる弾性層12を積層したものであ
る。弾性層12は、ゴム材が適しており、その中でも、
インク像を剥離し易い良離型性材料でかつ耐熱性、耐久
性を有する材質が望ましく、シリコーンゴム、フッ素樹
脂、フルオロシリコーンゴム等、またはそれらの変性品
が好ましい。またその他の材料としてクロロプレンゴ
ム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴ
ム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、
エチレン/プロピレン/ブタジエンポリマー、ニトリル
ブタジエンゴム等も用いることができる。
【0025】さらには、前記各種ゴム材の表層(インク
層担持面)に各種良離型性のコーテイング材を塗工して
弾性層12を形成してもよい。コーテイング材として
は、シリコーン系コーテイング、フッ素系コーテイング
が好ましい。
【0026】バックアップローラ3はアルミニウムの金
属ローラであり、図示しない転写圧力印加装置により転
写ドラム1に押圧及び押圧解除できる構成になってい
る。押圧時は記録紙6を介して図中矢印Bの方向に、転
写ドラム1の周速と同一速度で回転する。転写荷重は、
本実施例では約0.6kg重/cmである。
【0027】クリーナー8はフェルトにより構成され、
図示しない当接機構により転写ドラム1に所定の圧力で
当接されている。
【0028】加熱手段7は、棒状のハロゲンランプ15
と、楕円面を内面に有するリフレクター16とによって
構成され、ハロゲンランプ15を上記リフレクタ16の
第1焦点に配置している。
【0029】本実施例では、転写媒体の表面温度を以下
の値に設定した。
【0030】実施例1:80℃ 実施例2:90℃ 実施例3:100℃ 本発明の記録方法に用いられているインクは、少なくと
も水と着色材とMFTが50℃以上である樹脂エマルジ
ョンで構成されている。
【0031】具体的に以下にインク組成を示す。
【0032】(インク組成物1)
【0033】
【表1】
【0034】インクの製造は以下の手順で行ったがこれ
に限定されるものではない。着色剤と分散剤からなる水
分散液が単分散状態になったことを顕微鏡観察により確
認し、そこへ樹脂エマルジョン、ジプロピレングリコー
ルを添加し、さらに30分混合攪はんし完全に均一混合
させる。その後防腐剤等の添加物を加え完全溶解を確認
した後、その分散液を孔径10μmのメンブランフィル
ターにて濾過してゴミ及び粗大粒子を除去し記録用イン
クを得た。最後にもう一度濾過操作を行うことは不純物
混合防止に効果的である。
【0035】次に動作について説明する。
【0036】最初にインク像書き込み工程を説明する。
図3は、インク像書き込みの様子を示す図である。本実
施例に用いた記録ヘッド2は、印字領域Lの全域にわた
ってノズルを有したライン状の記録ヘッドであり、転写
ドラム1の1回転で1ページ分のインク像書き込みを行
なう。記録ヘッド2のノズルから記録信号に応じて選択
的にインク滴5を吐出し所望のインク像50を形成す
る。
【0037】次に、転写ドラム1上に記録ヘッド2によ
り形成されたインク像50(インク滴5)は、加熱手段
7によりインクを構成する樹脂エマルジョンのMFT以
上に加熱される。加熱手段7は図示しない温度検出器に
より転写媒体の表面温度が所定温度の範囲に収まるよう
制御される。転写ドラム1上のインク像は急激に加熱さ
れて、溶媒成分が蒸発し、エマルジョン樹脂が造膜する
ことにより粘着性のある膜を形成する。また従来のイン
クの場合、印字から経過した時間や印字パターンによっ
て濃縮状態が異なり粘着性に差が生ずるが、本インクの
場合、インク像自体が濃縮度に影響されず十分な膜強度
と粘着性を保持する作用を持っているため、印字後経過
時間や印字パターンによらず、ほぼ一様な膜強度と粘着
性を保つことができる。
【0038】本実施例のインクに含まれる樹脂エマルジ
ョンのMFTは、67〜85℃であり、加熱温度はその
MFT+5〜30℃が好ましい。
【0039】MFTとはエマルジョン樹脂が連続皮膜を
形成する温度であるが、明確なMFTを持たない樹脂エ
マルジョンの場合、樹脂エマルジョンのTg、軟化点、
溶融温度で代用してもかまわない。また、MFTが高す
ぎる場合、DBP(ジブチルフタレート)、DEP(ジ
エチルフタレート)、BBP(ベンジルブチルフタレー
ト)、BPBG(ブチルフタリルブチルグリコレート)
等の可塑剤を樹脂に混合したり、ブチルカルビトール、
エチルカルビトール、トリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール等の有機溶媒を造膜助剤として添加し
てMFTを低く調節しても構わない。ただし、インク組
成物のMFTが50℃以上であることが必要である。
【0040】次に転写ドラム1とバックアップローラ3
との当接部に記録紙6を通過させ、印加される圧力によ
って、転写ドラム1上のインク像50を記録紙6に転写
する。この時、インク像は一様な粘着性を保っているた
めに、最大の濃縮状態に於ける転写圧力に設定する必要
がない。従って、低圧力で記録紙6上に画像を得ること
ができる。
【0041】更に詳しく説明すると、インク像50は、
加熱によりインク粘着性のある膜状態にあり、記録紙6
に接触すると同時に、バックアップローラ3によって圧
力が印加されることにより、繊維の凹凸に沿ってインク
が接着する。さらに溶媒が完全に除去された時点で堅牢
性性に優れたインク像を記録紙6上に得ることができ
る。
【0042】ここで低圧力とは、装置の小型化、転写ド
ラム1やバックアップローラ3等の構成部品の低コスト
化、さらには転写ドラム表面の弾性層の耐久性の向上の
為に1kg重/cm以下であり好ましくは0.6kg
重/cm以下である
【0043】転写ドラム1は記録紙6へのインク像の転
写が終了すると、回転につれてクリーナー8と当接する
部分に移動し、転写ドラム1上の残留インクが除去され
る。
【0044】以上説明した本実施例の方法では、インク
中に樹脂エマルジョンを含有し、転写媒体上でその樹脂
エマルジョンのMFT以上の温度で加熱することで一様
な膜強度と粘着性のあるインク像を形成し、そのインク
像を記録紙の繊維に接着させることにより、転写媒体上
で加熱される時間や印字パターンによらず一様な膜強度
と粘着性のある膜を得ることができると同時に、記録ヘ
ッドのノズル目詰まりを確保しさらに堅牢性の高いイン
ク像を得られるという効果を有する。
【0045】尚、図4、図5は本実施例に適応できる別
のインク像書き込み工程を示す図である。図4は、記録
ヘッド2が転写ドラム1の回転軸と平行なキャリッジ軸
20に沿って矢印Cの方向に走査される形式である。ま
た図5に示す記録ヘッド2は複数のノズルを転写ドラム
1の軸方向に沿って有しており、記録ヘッド2を転写ド
ラム1の回転軸方向(図中Dの方向)に移動させなが
ら、転写ドラム1を所定回数、一定速度で回転さて帯状
にインク像を形成させる方法である。これらのインク像
書き込み方法においては、転写ドラム1上にてインク像
が形成される場所により、加熱手段によって加熱される
までの時間に差が生ずる。しかし、前述したように、加
熱手段7の加熱量をインク中に含まれる樹脂エマルジョ
ンのMFT以上の温度に設定することにより、インク滴
の吐出される場所によらず一様な膜強度と粘着性を得る
ことができる。
【0046】また、図6は本実施例に用いることのでき
る別の転写ドラムの構成を示す図である。転写ドラム1
8は金属素管10の上に断熱層13を設け、その上に加
熱手段であるシートヒーター層19を設け、さらにその
上層に上述した材質によって構成される弾性層17を設
けた構成である。これは、転写ドラムに加熱手段を一体
で形成した構成を示すものである。
【0047】上記の構成に加え、記録媒体上のインク像
の定着強度を向上させるため、また溶媒の蒸発を促進す
る為に、ロール加熱、ランプ加熱等の熱定着手段をもち
いることができる。
【0048】次に本発明の上記実施例に適応できるイン
クの具体的組成例を示す。
【0049】従来からインク用溶媒としては、低粘度で
あること、安全性に優れること、取扱が容易であるこ
と、コストが安いこと、臭気が無いこと等の理由より主
に水が用いられる。インク材料としてはイオン交換、蒸
留等の精製工程を経た純水または超純水が望ましい。
【0050】また本インクにノズルの耐目詰まり性、保
湿性、分散安定性の効果を付与するために親水性高沸点
低揮発性溶媒が加えられる。尚、前記の造膜助剤として
の有機溶媒も本目的で加えることもできる。本インクに
用いられる親水性高沸点低揮発性溶媒としては、グリセ
リン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等の高沸点低
揮発性の多価アルコール類が用いられ、あるいはそれら
のモノエーテル化物、ジエーテル化物、エステル化物、
例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が用いら
れ、その他Nメチル2ピロリドン、1.3ージメチルイ
ミダゾリジノン、モノエタノールアミン、N,N−ジメ
チルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノー
ルアミン等の含窒素有機溶剤等の水溶性有機溶剤を印字
の流れ、にじみが生じない範囲で添加することが出来
る。
【0051】また主溶媒である水に対して、乾燥性、定
着性の向上を目的として、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、等の高揮発性の一価の
アルコールも少量ならば添加することが出来る。
【0052】着色材剤としては顔料、水溶性染料、分散
染料、非水溶性染料(樹脂エマルジョンと混練添加する
場合)、が用いられ、主溶媒である水との親和性がよい
ものまたは、分散剤等の併用により均一分散が可能であ
るものであれば使用できる。
【0053】本インクに用いることができる顔料として
は、有機顔料、無機顔料等が挙げられ、例えば、黒色用
としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセ
チレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラ
ック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、
鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等
の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラ
ック1)等の有機顔料が挙げられる。 更にカラー用と
しては C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、1
2(シ゛スアソ゛イエローAAA)、13、14、17、24、3
4、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、8
1、83(シ゛スアソ゛イエローHR)、95、97、98、10
0、101、104、108、109、110、11
7、120、138、153、 C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、3
6、43、51、 C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22
(フ゛リリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2
(ハ゜ーマネントレット゛2B(Ba))、48:2(ハ゜ーマネントレット゛2B(C
a))、48:3(ハ゜ーマネントレット゛2B(Sr))、48:4(ハ゜ーマネ
ントレット゛2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1
(フ゛リリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:
1、81(ロータ゛ミン6Gレーキ)、83、88、101(べん
がら)、104、105、106、108(カト゛ミウムレット
゛)、112、114、122(キナクリト゛ンマセ゛ンタ)、12
3、146、149、166、168、170、17
2、177、178、179、185、190、19
3、209、219、 C.I.ピグメンバイオレット1(ロータ゛ミンレーキ)、3、
5:1、16、19(キナクリト゛ンレット゛)、23、38、 C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンフ゛ルー
R)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンフ゛ルーG)、1
5:4、15:6(フタロシアニンフ゛ルーE)、16、17:1、5
6、60、63、 C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、1
7、18、36、等、その他顔料表面を樹脂等で処理し
たグラフトカーボン等の加工顔料等が使用できる。その
添加量は、0.5〜30重量%が好ましいが、さらには
1.0〜12重量%が好ましい。粒子経は25μm以下
から用いることができるが、平均粒子径が1μm以下の
粒子からなる顔料を用いることが好ましく、さらには平
均粒子径が0.5μm以下が望ましい。
【0054】またこれらの着色剤均一分散するために
は、必要により分散剤を顔料に対し0.5〜200wt
%添加することができ、さらに好ましくは1〜50wt
%、特に好ましくは10〜30wt%添加することがで
き、さらにボールミル等で分散処理されることが望まし
い。
【0055】本インクに用いられる水溶性染料として
は、直接染料、酸性染料、塩基性染料、食用染料等が用
いられ、例えば、 C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、3
2、51、56、62、69、77、80、91、9
4、97、108、112、113、114、117、
118、121、122、125、132、146、1
54、166、168、173、199、 C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、26、3
1、39、62、63、72、75、76、79、8
0、81、83、84、89、92、95、111、1
73、184、207、211、212、214、21
8、221、223、224、225、226、22
7、232、233、240、241、242、24
3、247、 C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、
51、66、90、93、94、95、98、100、
101、 C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、2
7、28、29、33、35、39、41、44、5
0、53、58、59、68、86、87、93、9
5、96、98、100、106、108、109、1
10、130、132、142、144、161、16
3、 C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、2
5、55、67、68、71、76、77、78、8
0、84、86、87、90、98、106、108、
109、151、156、158、159、160、1
68、189、192、193、194、199、20
0、201、202、203、207、211、21
3、214、218、225、229、236、23
7、244、248、249、251、252、26
4、270、280、288、289、291、 C.I.アシッドブラック7、24、29、48、5
2:1、172、 C.I.アシッドレッド35、42、52、57、6
2、80、82、111、114、118、119、1
27、128、131、143、151、154、15
8、249、254、257、261、263、26
6、289、299、301、305、336、33
7、361、396、397、 C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、
48、90、103、126、 C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、3
9、40、42、44、49、50、61、64、7
6、79、110、127、135、143、151、
159、169、174、190、195、196、1
97、199、218、219、222、227、 C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、
72、76、78、80、82、92、106、11
2、113、120、127:1、129、138、1
43、175、181、205、207、220、22
1、230、232、247、258、260、26
4、271、277、278、279、280、28
8、290、326、 C.I.ベーシックブラック8、 C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、1
8、22、23、24、25、27、29、35、3
6、38、39、45、46、 C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、1
0、15、16、20、21、25、27、28、3
5、37、39、40、48、 C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、
14、15、19、21、23、24、25、28、2
9、32、36、39、40、 C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、
26、41、45、46、47、54、57、60、6
2、65、66、69、71、 C.I.デイスパースイエロー3、5、56、60、6
4、160 C.I.デイスパースレッド4、5、60、72、7
3、91、 C.I.デイスパースブルー3、7、56、60、7
9、198 C.I.デイスパースオレンジ13、30、 C.I.フードブラック、等が用いられるがこれらに限
定されるものではない。
【0056】本インク中に分散されて用いられるか、ま
たは樹脂中に混合または溶解されて用いられる非水溶性
染料としては、 C.I.ソルベントブラック3、5、22、 C.I.ソルベントエロー19、44、98、104、
105、112、113、114 C.I.ソルベントレッド8、24、71、109、1
52、155、176、177、179 C.I.ソルベントブルー2、11、25、78、9
4、95、 C.I.ソルベントグリーン26、 C.I.ソルベントオレンジ5、40、45、72、6
3、68、78 C.I.ソルベントバイオレット13、31、32、3
3、等が用いられるがこれらに限定されるものではない
るものではない。
【0057】これら染料の添加量は、染料の種類、溶媒
成分の種類、インクに対し要求されている特性等に依存
して決定されるが、一般にはインク全重量に対し0.2
〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲が良
い。
【0058】本インクに用いる樹脂エマルジョンとして
はMFTが50℃以上であるものが用いられ、望ましく
は60℃〜90℃のものが用いられ、1種、または、2
種以上を混合して用いることができる。
【0059】その添加量は、上記の良好な転写性及び堅
牢性を得る為に、樹脂エマルジョン中の樹脂分がインク
中の全固形分に対し、重量比で15%以上であることが
好ましい。15%未満であると、十分な樹脂エマルジョ
ンの造膜効果が得られない。また着色剤を強固に結着さ
せるために、着色剤と樹脂エマルジョンの固形分比が
1:1〜1:20の範囲がよい。ただし添加量を増加さ
せていくことで、インクの信頼性が低下していくのでイ
ンク全体に対し、固形分で30重量%程度に添加量を抑
えるのが好ましい。
【0060】樹脂エマルジョンの例として、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチ
ルアクリル酸エステル、スチレンーブタジエン共重合
体、ブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエ
ン共重合体、クロロプレン共重合体、架橋アクリル樹
脂、架橋スチレン樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデ
ン、ベンゾグアナミン樹脂、フエノール樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、スチレンーアクリル酸エステル共重合体、
スチレンーメタアクリル酸エステル共重合体、ポリスチ
レン、スチレンーアクリルアミド共重合体、nーイソブ
チルアクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ア
クリルアミド、シリコーン樹脂、ポリビニルアセター
ル、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、
塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル
共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、等があるが
これに限定されるものではない。
【0061】本インクに用いることのできる低分子量の
樹脂エマルジョンとして以下のものが挙げられる。例え
ばポリエチレンワックス、モンタンワックス、アルコー
ルワックス、合成酸化ワックス、αオレフィン−無水マ
レイン酸共重合体、カルナバワックス等の動植物系ワッ
クス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリス
タリンワックス等があるが、記録媒体上に転写された時
に堅牢性に優れるものであれば用いることが出来る。
【0062】また、インクの粘着性を増して転写性を向
上させるために水溶性高分子類を混合することができ
る。
【0063】本インクに用いることのできる水溶性高分
子としては、ポリエチレンオキサイド等のポリアルキル
オキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、にか
わ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アラビアゴム、
アルギン酸、メチルセルロース、カルボキシルメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリ
コール、さらにはグルコース、キシロース、スクロー
ス、マルトース、アラビノース、αーシクロデキストリ
ン、デンプン等の単糖類、二糖類、多糖類、配糖体等が
挙げられる。
【0064】さらに必要に応じ、インクを低表面張力化
し、低表面張力のゴム材質からなる転写媒体等にも濡れ
性の改善し、インク像転写媒体上でのインクのはじき、
流れを防止し、インク像を固定させるために、水溶性の
アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性の界面活性
剤を一種類または複数種を添加できる。
【0065】添加量としては十分な濡れ性を確保する為
に0.05〜10wt%、望ましくは0.1〜8wt%
が必要である。
【0066】例えばアニオン界面活性剤としては、高級
脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコー
ル硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン
酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、C
a)ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合
物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルス
ルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカ
ルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホ
ン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル
硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、
モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル
塩、アルキル燐酸エステル塩等があるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0067】カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、第4アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォ
ニウム塩等があるがこれらに限定されるものではない。
【0068】両性界面活性剤としてはカルボキシベタイ
ン型、アミノカルボン酸塩、レシチン等があるがこれら
に限定されるものではない。
【0069】ノニオン界面活性剤としては、フッ素系、
シリコーン系、アクリル酸共重合物、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエー
テル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオ
キシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホル
マリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオ
キシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレン
オキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アル
カノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキ
サイド等があるがこれらに限定されるものではない。
【0070】その他必要に応じて、リン酸二水素カリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム等のpH調整剤、防カビ、
防腐、防錆等の目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキ
サクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸
エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、デヒ
ドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベゾチアゾリン−3−オ
ン(製品名:プロキセルXLII(ICI製))、3,4
−イソチアゾリン−3−オン等を含むことができる。さ
らにノズル乾燥防止の目的で、尿素、チオ尿素、エチレ
ン尿素等を添加することができる。
【0071】またインク物性としてはヘッドからの安定
吐出、ヘッドへの安定インク供給を確保する為に、50
mPa・秒以下であることが望ましく、さらに望ましく
は25mPa・秒以下が良い。以下に説明するインク組
成例はいずれもこの範囲の粘度に調整した。
【0072】本発明のインクジェト記録方法に用いるこ
とのできるインクの組成例を表2に示す。組成比の数値
は、すべて重量%である。また、樹脂エマルジョンは樹
脂分の添加量を示した。
【0073】また、本実施例のインクの全固形分(ただ
し、界面活性剤、防腐剤は除く)に対する樹脂分の割合
は表2に示す通り何れも15%以上である。
【0074】
【表2】
【0075】また、インクの比較例として表2に組成を
示す。
【0076】インク比較例1は、米国特許453815
6号明細書中に記載されている従来例を元に作製した組
成例である。
【0077】インク比較例2は、インク組成2の樹脂エ
マルジョンを、MFTが50℃未満の樹脂エマルジョン
に置き換えたものである。尚インクの製造はインク実施
例1と同様の方法で行った。
【0078】本発明の比較例1として、図1に示した構
成の転写型インクジェットプリンタを用い、転写媒体の
表面温度が50℃未満である記録方法を用いた。
【0079】本発明の比較例2として、図1に示した構
成の転写型インクジェットプリンタを用い、転写媒体の
表面温度が150℃を超える記録方法を用いた。
【0080】以下に上記の各インクを用い、本発明の転
写型インクジェット記録方法の実施例及び比較例にて印
字試験を行った結果を示す。
【0081】評価項目は1.インク像を転写する時の転
写圧力と転写効率の関係、2ノズルの目詰まり性、印字
物堅牢度として3.耐水性、の3項目について評価し
た。
【0082】各評価条件および判定基準は以下の通りで
ある。
【0083】1.転写圧力と転写効率の関係 印字から転写までの時間 印字スタート部:10秒 印字終了部:2秒 印字パターン ベタ 1ドット連続ライン、 転写圧力 0.6kg重/cm:装置小型化、部品低コスト化容易 1.0kg重/cm:装置小型化、部品低コスト化可能 1.5kg重/cm:装置小型化、部品低コスト化困難 転写効率 ○:転写効率が100%で転写残り、像変形がない △:転写効率が95〜100%で部分的に転写残り、像
変形が発生する ×:転写効率が95%未満で明かな濃度変化、白抜け、
像変形が発生する 2.ノズル目詰まり性 ○:5分間放置後、目詰まりが無い △: 〃 一部目詰まりが発生している ×: 〃 全ノズル目詰まりが発生している 3.耐水性(印字後1分後) ○:印字物上に水がたれても印字物が全くにじまない △:印字物上に水がたれるとエッジがぼける ×:印字物上に水がたれると印字物が流れてしまう 上記の評価条件及び判定基準に基づき、インク組成1〜
3、インク比較例1、2を用いて、実施例及び比較例の
記録方法について調査を行った結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】上表に示したごとく、本発明の記録方法に
よれば、加熱手段により転写媒体上のインク像の溶媒成
分を蒸発させる際、転写媒体の表面温度をインク中に含
まれる樹脂エマルジョンのMFT以上に設定することに
より、印字から転写までの時間や、印字パターンに影響
されずに、転写媒体上で得られたインク像を記録媒体上
に転写することが可能であった。
【0086】さらには、50℃未満での使用環境下で
の、記録ヘッドのノズル目詰まり性が確保でき、転写媒
体の表面温度を50℃以上でかつ樹脂エマルジョンのM
FT以上にすることにより記録像の堅牢性が得られ、目
詰まり性確保と堅牢性との両立が可能であった。
【0087】それに対し、従来の樹脂エマルジョンを含
まず水溶性染料を用いたインク比較例を用いた場合、目
詰まり性は良好であったが、転写効率と耐水性は不十分
であった。またまたMFTが50℃未満のインク比較例
を用いた場合、耐水性は良好であるが、転写効率と目詰
まり性は不十分であった。
【0088】また、記録方法の比較例として転写媒体の
表面温度が50℃未満の記録方法の比較例1は、目詰ま
り性はどのインクでも良好であったが、転写効率と、耐
水性が不十分であった。さらに、記録方法の比較例とし
て転写媒体の表面温度が150℃を超える記録方法の比
較例2は、耐水性は良好であったが、転写効率と目詰ま
り性はインクに関係なく不十分であった。
【0089】以上の結果は、本発明の記録方法が、イン
ク中にMFTが50℃以上の樹脂エマルジョンを含有
し、転写媒体の表面温度をインクに含まれる樹脂エマル
ジョンのMFT以上に加熱することにより、インク像中
の水分を蒸発させ、一様な強度と粘着性のある膜が得ら
れるために、印字から転写までの時間や印字パターンに
よらず低圧力で、転写媒体上で得られたインク像を記録
媒体に転写することができ、さらに記録ヘッドのノズル
目詰まり防止と記録媒体上に転写されたインク像の堅牢
性の確保が両立できるという新規な効果により得られた
ものである。
【0090】また本発明は転写媒体上で複数のインクを
重ねあわすことが可能である為、2色プリンター、多色
カラープリンター、フルカラープリンターへの応用も可
能である。
【0091】
【発明の効果】本発明は、インク中にMFTが50℃以
上の樹脂エマルジョンを含有し、転写媒体の表面温度を
インクに含まれる樹脂エマルジョンのMFT以上に加熱
することにより、インク像中の水分を蒸発させ、一様な
強度と粘着性のある膜が得られるために、印字から転写
までの時間や印字パターンによらず低圧力で、転写媒体
上で得られたインク像を記録媒体に転写することができ
るという新規な効果を有する。さらに転写媒体の表面温
度が使用環境温度より十分高く、かつインク中の溶媒成
分の急激な蒸発を防止できる温度範囲(50℃〜150
℃)にすることにより、記録ヘッドのノズル目詰まりの
防止と記録媒体上に転写されたインク像の堅牢性の確保
が両立できるという新規な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のインクジェットプリンタの構
成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例のインクジェットプリンタの構
成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例に用いた記録ヘッドによるイン
ク像書き込みの様子を示す図である。
【図4】本発明に適応できる別のインク像書き込み工程
を示す斜視図である。
【図5】本発明に適応できる更に別のインク像書き込み
工程を示す斜視図である。
【図6】本発明に適用できる別の転写媒体の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 :転写ドラム(転写媒体) 2 :記録ヘッド 3 :バックアップローラー(転写手段) 5 :インク像 6 :記録紙(記録媒体) 7 :加熱手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−284948(JP,A) 特開 平5−42755(JP,A) 特開 平4−370166(JP,A) 特開 平5−1254(JP,A) 特開 平3−160068(JP,A) 特開 平3−169634(JP,A) 特開 平6−155725(JP,A) 特開 平6−344545(JP,A) 特公 昭37−18021(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41J 2/01 - 2/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水と着色材と、最低造膜温度
    が50℃以上の樹脂エマルジョンを含むインクを、記録
    ヘッドからインク滴として吐出させ、表面温度を上記樹
    脂エマルジョンの最低膜温度以上に加熱した転写媒体
    上にインク像を書き込む工程と、このインク像の溶媒成
    分を転写媒体上で蒸発する工程と、転写媒体上のインク
    像を記録媒体に転写する転写工程を経、該転写工程にお
    ける該インク像の転写圧力が1kg重/cm以下である
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 インク像を濃縮する工程に於て、加熱し
    た転写媒体の表面温度が50℃〜150℃以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方
    法。
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