JP3178174B2 - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物

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JP3178174B2 JP19370793A JP19370793A JP3178174B2 JP 3178174 B2 JP3178174 B2 JP 3178174B2 JP 19370793 A JP19370793 A JP 19370793A JP 19370793 A JP19370793 A JP 19370793A JP 3178174 B2 JP3178174 B2 JP 3178174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景
【産業上の利用分野】本発明は中間転写型インクジェッ
ト記録方法およびそれに用いられる中間転写型インクジ
ェット記録用インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、機構が簡単
でしかも騒音が発生しない点で優れている。しかしなが
ら、記録媒体の違い、例えば記録紙の紙質の違い、によ
り印字状態が変化するといった問題のほか、記録媒体排
出の際にインク像の未乾燥部分の像が乱されるといった
問題を有する。このような問題に対する記録装置として
は、一旦転写媒体上にインクジェット記録方式によりイ
ンク像を形成し、その後インク像を転写媒体から記録媒
体上に転写する中間転写方式と呼ばれる方法が提案され
ている(特開昭59−225958号、米国特許第45
38156号)。この方法は、記録ヘッドを記録紙と離
して配置できる。その結果、記録ヘッドが記録紙と近接
して配置されるために生ずる接触や記録紙から発生する
紙粉付着に起因する記録ヘッドの目詰りが防止できると
いう特徴を有している。しかしながら、上記転写型イン
クジェット記録装置においては、記録媒体上に転写した
画像の品質には改善の余地が存在していた。
【0003】更に、特開昭62−92849号、特開平
3−169643号、特開平3−284948号、米国
特許第5099256号において、インク滴を一旦転写
媒体上に吐出してインク像を形成し、ここでインク像中
の水分の大半を蒸発させ、インク像を乾燥状態に近い状
態まで濃縮したインクを記録紙上に転写する方法が提案
されている。しかしながら、上記転写型インクジェット
記録装置においては、記録媒体とインク像との接着力が
弱いため、インク像を記録媒体に転写するために高い圧
力が必要とされた。必要な圧力を与える構成の付加は、
記録装置を複雑化させる。
【0004】[発明の概要
【発明が解決しようとす課題】従って本発明は、記録媒
体の種類に依存せず優れた印字品質と良好な定着強度が
得られる、中間転写型インクジェット記録用インク組成
物を提供することを目的としている。また本発明は、イ
ンクジェットヘッドの目づまりがなく、転写および定着
が簡便な、中間転写型インクジェット記録用インク組成
物を提供することを目的としている。さらに本発明は、
上記インクジェット記録用インク組成物を用いた記録媒
体の種類に依存せず優れた印字品質と良好な定着強度が
得られる中間転写型インクジェット記録方法を提供する
ことを目的としている。さらにまた本発明は、低い圧力
のもとで中間転写媒体から記録媒体に良好なインク像を
転写可能な中間転写型インクジェット記録方法を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による中間転写型
インクジェット記録用インク組成物は、水と、顔料と、
コロイダルディスパージョン型樹脂と、揮発性のアルカ
リ成分と、水溶性有機溶剤とを含有してなるもの、であ
る。さらに本発明による中間転写型インクジェット記録
用インク組成物は、上記インク組成物を中間転写媒体上
に吐出して、インク像を形成する工程と、このインク像
を濃縮する工程、そして転写媒体上の加熱された状態の
インク像を記録媒体上に転写する工程とを含んでなるも
の、である。
【0006】[発明の具体的説明]インク組成物 本発明によるインク組成物は、水系であり、基本となる
溶剤は水である。水はイオン交換、蒸留などの精製工程
を経た純水または超純水が特に好ましい。溶媒として水
を用いる利点は、低粘度であること、安全性に優れるこ
と、人体への悪影響の心配がないこと、取扱いが容易な
こと、廉価であること、臭気がないことなどが挙げられ
る。
【0007】(コロイダルディスパージョン型樹脂)本
発明によるインク組成物に用いられるコロイダルディス
パージョン型樹脂とは、樹脂成分が溶解と分散の中間的
状態にある樹脂が溶媒中に存在しているものをいうもの
する。より具体的には、このコロイダルディスパージョ
ン型樹脂とは、例えば、樹脂エマルジョンとよばれるポ
リマー粒子が分散質として溶媒中に分散してなるものの
ポリマーにカルボキシル基を導入(モノマーとしてカル
ボキシル基を含有しているものを用いる)し、その樹脂
エマルジョンをアルカリで中和して、ポリマー粒子の親
水性を高め、半溶解状態としたものをいう(B.J.Saunts
on, Brit.Ink Mak. 18(1),26(1975)、相原次郎、印刷イ
ンキ入門、p114、印刷学会出版部)。興味あることに、
このコロイダルディスパージョン型樹脂を含有してなる
インク組成物は、いわゆる中間転写型インクジェット記
録方法に用いられる好適に用いられる。具体的には、後
記する「界面転写」とよばれる転写様式が可能となり、
優れた品質の印字が容易に得られるようになる。
【0008】本発明によるインク組成物に用いられるコ
ロイダルディスパージョン型樹脂は、インク組成物のp
Hがアルカリ側にあっても低粘度であるものが好まし
い。この樹脂の具体例としては、大日本インキ化学工業
株式会社製のウオーターゾルCD−520(アルキド樹
脂)、ウオーターゾルCD−530およびCD−540
(変性エポキシエステル樹脂)、バイエル社製のディス
パコールKA8486、KA8481およびU42(ポ
リウレタン樹脂)などが挙げられる。これらのコロイダ
ルディスパージョン型樹脂は単独でまたは二以上を混合
して用いてもよい。
【0009】さらに本発明の好ましい態様によれば、酸
価が5〜100の範囲にあるコロイダルディスパージョ
ン型樹脂を用いるのが好ましい。コロイダルディスパー
ジョン型樹脂の酸価がこの範囲にあると、コロイダルデ
ィスパージョンをより安定にインク中に存在させること
ができる。
【0010】コロイダルディスパージョン型樹脂の含有
量は、インク組成物に対して0.2〜20重量%程度が
好ましく、より好ましくは2〜20重量%程度である。
本発明による好ましい態様によれば、コロイダルディス
パージョン型樹脂の樹脂成分と、後記する顔料との合計
量が、インク組成物の5〜30重量%、好ましくは10
〜25重量%、であることが好ましい。また、顔料:樹
脂成分の重量比は1:0.25〜1:10の範囲にある
のが好ましい。
【0011】(揮発性のアルカリ成分)本発明によるイ
ンク組成物には、コロイダルディスパージョン型樹脂を
安定化させるために、揮発性のアルカリ成分が添加され
る。このアルカリ成分を存在させることによって、コロ
イダルディスパージョン型樹脂の半溶解状態をインク組
成物中においても安定に存在させることができる。ま
た、中間転写媒体上における濃縮工程(詳細後記)にお
いてインク像が濃縮されなければならないので、このア
ルカリ成分は揮発性でなければならない。しかしなが
ら、揮発性が非常に高いもの(例えば、アンモニア)
は、ノズルにおいて蒸発してインク組成物を凝集させて
しまい、それが目詰まりの原因となるおそれがあるので
避けるのが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、
このアルカリ成分としては沸点が水よりも高いものを用
いるのが好ましい。
【0012】この揮発性のアルカリ成分の好ましい具体
例としては、アルカノールアミン類、例えば、モノエタ
ノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、
N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられ
る。
【0013】このアルカリ成分の添加量はコロイダルデ
ィスパージョン型樹脂の安定化が図られる限り適宜決定
されてよいが、インク組成物に対して0.5〜15重量
%程度が好ましく、より好ましくは2〜12重量%程度
である。
【0014】(水溶性有機溶剤)本発明によるインク組
成物に含まれる水溶性有機溶剤は、インクの保湿性を改
善してノズルの目詰りを防止し、さらにインクの安定性
を向上させる。さらに、この水溶性有機溶剤は後記する
剥離層の形成を促す。水溶性有機溶剤の好ましい例とし
ては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどの高沸点低揮発性の多価アルコールが挙げられ
る。また、これらのモノエーテル化物、ジエーテル化物
およびエステル化物、例えばエチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングコールモノブチル
エーテルなどが挙げられる。さらに、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、メチルカル
ビトール、エチルカルビトールなどのカルビトール類、
モルホリン、N‐エチルモルホリンなどのモルホリン
類、N−メチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類な
どが挙げれる。
【0015】さらにまた、本発明によるインク組成物
は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノールなどの高揮発性の一価アルコールを含有してな
るのが、印字の速乾性、定着性の向上の観点から好まし
い。これらの水溶性有機溶剤は単独でも二以上組み合わ
せて用いられていもよい。
【0016】本発明によるインク組成物にあっては、水
溶性有機溶剤が単独で用いられる場合、その水溶性有機
溶剤の溶解度パラメータ(SP値)が12以上であるも
のが好ましい。さらに、インク組成物が二以上組み合わ
されて用いられる場合、その混合有機溶剤のSP値が1
2以上であることが好ましい。なお、この混合溶剤のS
P値は次の式で算出される。
【数1】 (ここで、δは各溶剤のSP値を、xは各溶剤の混合溶
剤中のモル分率を、Vは溶剤のモル体積を、nは溶剤の
種類を表す添字で2以上の整数を表す) 水溶性有機溶剤のSP値が12以上であると「剥離層」
が効率よく形成されるので有利である(その予想される
機構の詳細については後記する)。
【0017】さらに本発明の好ましい態様によれば、水
溶性有機溶剤が混合溶剤である場合、その少なくとも一
つの水溶性有機溶剤のSP値が12未満であるのが好ま
しい。混合溶剤に含まれる少なくとも一つの水溶性有機
溶剤のSP値が12未満であると、効率よく中間転写媒
体からのインク像を転写することができる。また本発明
による別の好ましい態様によれば、水溶性有機溶剤が混
合溶剤である場合、その少なくとも一つは水よりも沸点
が高いもの、すなわち100℃以上のものであることが
好ましい。「剥離層」が効率よく形成されるからであ
る。これらの水溶性有機溶剤の添加量は、インクに対し
て0.5〜30重量%程度が好ましく、より好ましくは
5〜25重量%である。
【0018】(着色剤)顔料としては、有機顔料、無機
顔料等が挙げられる。黒用の顔料の好ましい具体例とし
ては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレ
ンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック
(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄
(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の
金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラッ
ク1)等の有機顔料が挙げられる。更にカラー用の顔料
の好ましい具体例としては、C.I.ピグメントイエロ
ー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエ
ローAAA)、13、14、17、24、34、35、
37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83
(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、10
0、101、104、108、109、110、11
7、120、138、153、C.I.ピグメントオレ
ンジ5、13、16、17、36、43、51、C.
I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブ
リリアントファーストスカーレット)、23、31、3
8、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、4
8:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3
(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パー
マネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、
53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、6
0:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダ
ミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、
104、105、106、108(カドミウムレッ
ド)、112、114、122(キナクリドンマゼン
タ)、123、146、149、166、168、17
0、172、177、178、179、185、19
0、193、209、219、C.I.ピグメントバイ
オレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、
19(キナクリドンレッド)、23、38、C.I.ピ
グメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー
R)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニン
ブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブル
ーE)、16、17:127(紺青)、28(コバルト
ブルー)、29(群青)、56、60、63、C.I.
ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、1
8、36、等が挙げられる。上記以外にも顔料表面を樹
脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料等を使用
することができる。顔料の添加量は、0.5〜15重量
%程度が好ましい。またその粒径は25μm以下が好ま
しく、1μm以下が特に好ましい。またこれらの顔料を
均一に分散させるためには、必要により分散剤を顔料に
対し1〜100重量%が添加し、ボールミル等で分散処
理してもよい。
【0019】(添加剤)本発明によるインク組成物はさ
らに種々の添加剤を含有することができる。例えば、本
発明によるインク組成物は、水溶性のアニオン性、両性
またはノニオン性の界面活性剤が一種類または複数種添
加されていることが好ましい。界面活性剤を加えること
によりインクの表面張力を低下させ、中間転写媒体の表
面が、例えば低表面張力のゴム材質からなる場合、その
ゴム材質に対するインクの濡れ性を改善し、インクの転
写媒体上でのインクのはじき、流れを防止し、インク像
を固定させることができるので好ましい。特に、表面が
シリコーンゴム、フッ素ゴムなどからなる中間転写媒体
は低圧力でのインク像の記録媒体への転写を可能にする
が、インク組成物に対する濡れ性が十分でないことがあ
る。そのような場合、インク組成物への界面活性剤の添
加が有利となる。
【0020】アニオン界面活性剤の好ましい具体例とし
ては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高
級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジア
ルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハ
ク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸
塩、アシル化ペプチド、α‐オレフィンスルホン酸塩、
N‐アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、
第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリ
サルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アル
キル燐酸エステル塩等が挙げられる。
【0021】両性界面活性剤の好ましい具体例としては
カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン
等が挙げられる。ノニオン界面活性剤の好ましい具体例
としては、フッ素系、シリコーン系、アクリル酸共重合
物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンステロ
ールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ア
ルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導
体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
ポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンア
ルキルエーテルポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エス
テル型、ポリエチレンオキサイド縮合型ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエ
チレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ンアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。これらの
界面活性剤の添加量は、インクに対して0.01〜5重
量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%
程度である。
【0022】本発明によるインク組成物においては、そ
の他必要に応じて、安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサ
クロロフェン、ソルビン酸、p‐ヒドロキシ安息香酸エ
ステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、デヒド
ロ酢酸ナトリウム、1,2‐ベゾチアゾリン‐3‐オ
ン、3,4‐イソチアゾリン‐3‐オン等を防カビ、防
腐、防錆剤として添加してもよい。さらにノズル乾燥防
止の目的で、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等を添加し
てもよい。また本発明によるインク組成物のインク物性
は、ヘッドからの安定した吐出およびヘッドへの安定し
たインク供給を確保する為に、50mPa・秒以下であ
ることが好ましく、25mPa・秒以下が特に好まし
い。
【0023】(インク組成物の製造法)本発明によるイ
ンク組成物は例えば次のような方法で製造することが出
来る。まず、顔料を分散剤とともに水に分散して、高濃
度顔料分散液を調製する。この顔料分散液中の顔料濃度
は20%程度が好ましい。この顔料分散液と、他のイン
ク成分を混合し、数時間撹拌した後、シャープレス型や
コレクタ型の連続遠心分離機で、粗大粒子を取り除き、
インク組成物を得る。
【0024】記録方法 本発明の別の態様によれば、上記本発明によるインク組
成物を用いた中間転写型インクジェット記録方法が提供
される。この本発明による中間転写型インクジェット記
録方法を図面を用いて説明する。
【0025】図1は、本発明による記録方法を実施する
ための装置の一例の斜視図であり、図2は図1のX方向
の断面図である。この装置は、中間転写媒体である転写
ドラム1と、その回りに配置された、転写ドラム1の回
転方向上流側から、インクジェット記録手段2と、圧力
ローラ3とを含んで構成される。
【0026】この転写ドラム1は、その表面の弾性層1
1と、内部ドラム12とから構成されている。転写ドラ
ム1と圧力ローラ3との間には、記録媒体4が挟まれて
担持され、この記録媒体4は記録ドラム1および圧力ロ
ーラ3の回転とともに搬送される。転写ドラム1は、そ
の内部に備えられた加熱手段であるヒーター5によって
加熱される。このヒーター5は転写ドラム1の表面を次
に説明するようなインク像の転写が可能なように、イン
ク像を加熱し濃縮する。この転写様式を、本明細書にお
いて「界面転写」という場合があり、また、界面転写が
可能な状態とされたインク像を「膜化」したインク像と
いう場合がある。また、圧力ローラ3は、圧力印加手段
30により印加される圧力で、記録媒体6を転写ドラム
1に押圧でき、また必要に応じて圧力解除手段31によ
り圧力ローラ3の記録媒体6への押圧を解除できる。ま
た、必要に応じて、圧力ローラ3の下流側に、転写後の
残存インクなどを除去するクリーナー手段7が設けられ
ていてもよい。
【0027】このような装置における印字は次のように
行われる。まず、記録手段2(インクジェット記録ヘッ
ド)からインク組成物の液滴が吐出され、転写ドラム1
上にインク像8が形成される。形成された直後のインク
像8は、図3(a)に示されるような形状をとる。形成
されたインク像8は、ヒーター5によって、転写ドラム
1上で加熱される。この加熱によってインク像8から溶
剤が蒸発する、すなわち、インク像が濃縮される。その
結果、固形成分濃度が高くなり、最終的にはほぼ全てが
固形成分である凝集体が転写ドラム1上に形成される。
この濃縮された凝集体は、インクに含まれるコロイダル
ディスパージョン型樹脂に起因すると思われる凝集力を
有し、その凝集力によって図3(b)に示されるような
厚みがほぼ均一な膜状態のインク像8aとなる。このイ
ンク像8aは、加熱された状態ではその表面が粘性を有
する。
【0028】続いて、このインク像8aは、加熱された
状態で転写ドラム1の回転とともに圧力ローラ3と対向
する領域に運ばれ、インク像8aは記録媒体4に本明細
書において「界面転写」と定義される様式で転写され
る。その「界面転写」の様子を図4を用いて説明する。
この装置において、転写ドラム1は記録媒体4を介して
圧力ローラ3に押圧される。本発明による記録方法にあ
っては、三つの力、すなわちインク像8aと記録媒体4
との間の接着力(F1)、インク像8aの凝集力(F
2)、および、インク像8aと転写ローラ1の表面との
接着力(F3)、の関係が、F1>F2>F3となるこ
とから、インク像8aは一方の界面が転写ドラム1の表
面からきれいに剥離し、さらに一方の界面が記録媒体4
にきれいに接着することとなる。特に、本発明によるイ
ンク組成物による膜化されたインク像は、コロイダルデ
ィスパージョン型樹脂に起因すると思われるゴム弾性を
有し、かつ、冷却された場合に堅牢性が非常に高くなる
ので有利である。さらに、本発明にあっては大きな力F
1を実現することが可能であり、その結果、圧力ローラ
3によって加えられる圧力は小さくとも、良好な転写が
行える。
【0029】さらに興味あることに、本発明によるイン
ク組成物は、インク像8aの形成に伴い、このインク像
8aと転写ドラム1との間に水溶性有機溶剤の層9が形
成される(この層の予想される生成機構については後記
する)。すると、インク像8aと転写ドラム1は、溶剤
層9にさえぎられて直接接触しないため、F3はより小
さくなる。このため、転写ドラム1からのインクはイン
ク像8aの剥離は容易になり、転写残りも有効に防止で
きる。このように、有機溶剤層9はインク像8aの剥離
に大きな役割を果たすことから、この層を「剥離層」と
いう場合がある。
【0030】以下の理論に拘束されるわけではないが、
「剥離層」の形成は次のような機構によると思われる。
まず、インク組成物に含まれる固形成分(すなわち、主
に着色剤と樹脂成分)は疎水性に富んでいるが、水が存
在する限りこの固形成分と水溶性有機溶剤とは安定に系
中に存在している。しかし、水が存在しなくなると、固
形成分は疎水性に富んでおり、一方水溶性有機溶剤は親
水性であることから、両者は相溶でなくなり層分離す
る。よって、本発明による記録方法において、中間転写
媒体上でインク像が加熱されて固形成分の凝集体が形成
された際、その固形成分と層分離した水溶性有機溶剤が
凝集体の表面、とりわけ中間転写媒体と凝集体との間に
にじみ出す。それが剥離層であると考えられる。従っ
て、剥離層を効率よく形成させるためには、疎水性に富
む固形成分と、親水性に富みかつ沸点が高い(すなわ
ち、蒸発しにくい)水溶性有機溶剤の組み合わせが有利
である。具体的には、上記したように水溶性有機溶剤の
SP値が12以上のものが好ましい。さらに、インク像
中の水分が蒸発した後も水溶性有機溶剤が剥離層として
存在していることが好ましいことから、その沸点が水の
沸点を越えるもの、すなわち100℃を越えるものであ
ることが好ましい。
【0031】また、本発明の更なる有利な点としては、
最終的に記録媒体4上で十分な画像濃度(例えば、OD
値が1.4以上)を得るためには、転写ドラム上で膜化
したインク像の厚さが2〜10μm程度で十分であるこ
とが挙げられる。すなわち、従来の中間転写型インクジ
ェット記録方法の場合、記録媒体に転写される際の圧力
が大きく、インク像の形状が変形してしまい(「像つぶ
れ」)、画像品質を劣化させる原因となっていた。しか
し本発明にあっては、転写ドラム1上でのインク像の厚
さは2〜10μm程度であり、300dpiの記録にお
ける最小画素である1ドットの径120μmよりも十分
に小さい。従って、本発明にあってはインク像の形状の
変化はごく僅かであり、記録媒体に転写された際の像つ
ぶれは認識されない点でも有利である。
【0032】さらに、本発明による記録方法によれば、
記録媒体の種類によらず、より具体的にはその記録紙の
表面状態によらず、良好な転写が得られる。すなわち、
膜化したインク像8aは、一定の凝集力F2を持った状
態にあるから、インク像8aは一体として記録媒体4上
に転写される。記録媒体が凹凸の大きなもの(例えば、
ボンド紙)であっても、インク像8aと記録媒体の凸部
とが接触して十分な接着力が得られインク像8aが接着
されれば、インク像8aはその形状を保ったまま転写さ
れる。従って、記録媒体の凹凸に起因する画像欠損は生
ぜず、良好な転写を行うことができる。
【0033】記録媒体4に転写されたインク像8aは、
その後、加熱をとかれ、凝固する。凝固後も、依然とし
て接着力F1は大きく、インク像8aの良好な定着が得
られる。
【0034】なお、本明細書において「インク像」と
は、最小画素単位である1ドットからなる像のみなら
ず、複数のドットが隣接してつながり合った集合体とし
ての像の両者を言うものとする。
【0035】さらに、本発明による記録方法を実施する
のに適した装置を更に説明する。転写ドラム1の弾性層
11は好ましくはゴム材料からなり、特にインク像を剥
離し易い材料でかつ耐熱性を有するものが好ましい。好
ましいゴム材料の例としては、クロロプレンゴム、ニト
リルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、
フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、スチ
レンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン
/プロピレン/ブタジエンポリマー、ニトリルブタジエ
ンゴムが挙げられる。その耐熱性の観点から、シリコー
ンゴム、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴムが好まし
い。
【0036】前記したように、インク滴として飛翔した
インクは、転写ドラム1上でインク像8を形成する。こ
のインク像8が転写ドラム上ではじかれたり、流れたり
すると、その所望のインク像(例えば、所望のドット
径)が得られなくなってしまう。それを防止するために
は、転写ドラムの表面に対する塗れ性を界面活性剤の添
加によって調製してあるインク組成物を用いることが好
ましい。
【0037】この転写ドラム1への画像の形成は、イン
クジェット記録手段2によって行われる。記録手段2の
例としては、圧電素子を用いたインクジェット記録ヘッ
ドが挙げられる。
【0038】この記録ヘッド2による転写ドラム1への
画像の形成は種々の方式で行うことができる。例えば、
図1に示される装置の転写ドラム1と記録ヘッド2によ
る画像形成を図5を用いて説明する。図5(a)に示さ
れる装置にあっては、転写ドラム1の回転軸と平行なキ
ャリッジ軸20にそって矢印Yの方向に走査する。記録
ヘッド2は、キャリッジ軸にそって往復走行しながら、
印字領域Lにある間印字を行い、この領域Lの外にある
場合には印字を停止する。一方、転写ドラム1は記録ヘ
ッド2が領域L内にある場合は停止しており、記録ヘッ
ド2が領域Lの外にある場合に一定角度、図中A方向に
回転する。すなわち、記録ヘッド2が往復走査を繰り返
し、一方転写ドラム1が間欠的に回転することで、転写
ドラム1上で画像が形成された領域が間欠的に帯状領域
として増加して行く。図5(a)は、帯状領域が10
1、102、103そして104と順に形成されて行く
様子を示したものである。
【0039】また、図5(b)に示される装置では、記
録ヘッド2を、転写ドラム1の回転軸と平行なキャリッ
ジ軸20にそって一定速度で移動させ、一方、転写ドラ
ム1は一定の速度で回転させておく。その結果、転写ド
ラム1上の印字された領域が螺旋状に110、111と
増加して行くこととなる。なお、この装置では、記録ヘ
ッド2は二つのインクジェット記録ヘッドを有する態様
のものを用いている。さらに、図5(c)に示される装
置は、印字領域Lの全域に渡ってノズルを有する記録ヘ
ッド2を用いた例である。この装置では、記録ヘッド2
は固定され、一方、転写ドラム1は一定速度で回転して
おり、印字領域120が転写ドラム周方向に連続的に増
加して行く。
【0040】以上の画像形成方法のうち、図5(b)の
装置を用いた場合、転写ドラム1に一頁分の画像を形成
し終えてから、記録媒体への転写を行う必要がある。一
方、図5(a)および(c)の装置を用いた場合は、転
写ドラム1に一頁分の画像を形成してから記録媒体への
転写を行ってもよく(ただし、転写ドラム1の周長が画
像の一頁を記録するのに十分である必要がある)、また
一頁分の画像が形成される途中で記録媒体への転写を行
ってもよい。例えば、図5(a)に示される装置、すな
わち図1に示される装置を用いた場合、転写ドラム1に
一頁分の画像が形成されるまで、圧力ローラ3を圧力解
除手段31によって転写ドラム1から離す(記録媒体4
もまだ搬送しない)。一頁分の画像が転写ドラム1上に
形成され、かつ、加熱によってインク像が膜化された
後、圧力印加手段30によって圧力ローラ3を転写ドラ
ム1に押圧し、同時に記録媒体4を搬送して、記録媒体
4へインク像を転写する。一方、一頁分の画像が形成さ
れる途中で記録媒体への転写を行う場合は次のように行
う。すなわち、圧力ローラ3を圧力印加手段30によっ
て予め転写ドラム1に押圧しておき、加熱され膜化され
たインク像を一頁分の画像の形成を待たずに連続して記
録媒体4に転写して行く。
【0041】ヒーター5は、その転写ドラム1の表面
を、前記した膜化されたインク像が形成可能なように、
インク像を加熱し、濃縮する。その加熱温度は、前記し
たインク像の形成方法などの記録条件を勘案して適宜決
定されてよいが、好ましい加熱温度は50℃未満で、さ
らに好ましくは40〜50℃の範囲内である。50℃を
越える温度であると、インク像の加熱、濃縮によって、
剥離層を形成する水溶性有機溶剤まで蒸発してしまう場
合があるので好ましくない。具体的な加熱手段は適宜選
択されてよいが、例えばヒーターランプと反射鏡の組み
合わせが好ましく用いられる。
【0042】さらに、図6(a)に示されるように、こ
のヒーター5は転写ドラム1の内部ではなく外部にあっ
てもよい。この態様は、インク像のみを直接加熱でき、
インク像以外の箇所、例えば記録ヘッド2など、への熱
伝導が軽減される点で有利である。また、転写ドラム1
において所望の温度を得るまでのウォームアップ時間を
短くできる点でも有利である。
【0043】さらに、図6(b)に示されるように転写
ドラム1と発熱体が一体とされていてもよい。この態様
では、内部ドラム12の上に断熱層13を設けさらにそ
の上にヒーター層15(例えば、セラミックヒーター)
が設けられている。弾性層11は、ヒーター層15の上
に設けられている。この転写ドラムの表面は、ヒーター
層15によって加熱される。
【0044】さらに本発明の好ましい態様によれば、図
7に示されるようにヒーター5が圧力ローラ3と一体に
構成された装置が提供される。この装置においては、圧
力ローラ3の内部には発熱手段5(例えば、ヒーター)
が設けられている。この装置による印字は次のように行
う。圧力ローラ3は、最初、圧力解除手段31によって
転写ドラム1から僅かに離して置かれるが、転写ドラム
1は圧力ローラ3の内部に設けられたヒーター5によっ
て所望の温度に加熱される。記録ヘッド2によって形成
されたインク像8はこのヒーター5によって加熱し膜化
されることとなる。その後、圧力ローラ3を圧力印加手
段30によって転写ドラム1に押圧し、同時に記録媒体
4を搬送して、インク像を記録媒体に転写する。さらに
当初から圧力ローラ3を転写ドラム1に押圧し、転写ド
ラム1を加熱して、連続的にインク像の形成、その膜
化、そして膜化したインク像の記録媒体への転写を行っ
てもよい。さらに興味あることに、図7の装置にあって
は、ヒーター5の温度、転写ドラム1の回転速度などの
条件を適宜設定することによって、インク像の膜化と、
その記録媒体への転写を同時に行うことも可能である。
すなわち、記録ヘッド2によって転写ドラム上に形成さ
れたインク像を、圧力ローラ3と転写ドラム1との間で
記録媒体4に押圧しながら加熱し、インク像の膜化と、
その記録媒体への転写を同時に行う。
【0045】本発明による記録方法においては、1.0
Kg/cm以下程度、好ましくは1.0〜0.3Kg/cm程度
の低圧力で転写ドラム上のインク像を記録媒体に良好に
転写することができる。
【0046】
【実施例】以下の実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の%は重量%を意味する。
【0047】実施例A1 MA‐100 (三菱化成工業製カーボンブラック)20%水分散液* 15.0% ウォーターゾルCD−540(大日本インキ化学工業社製 変性エポキシエステル型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% イソプロピレングリコール13%含有) 30.0% トリエチレングリコール 5.0% トリエタノールアミン 5.0% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 44.9% 100% *: 顔料を純水(分散剤としてのジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウムを顔料比0.001%で含有する)に
加え、アイガーミルで顔料の平均粒径が0.5μmとな
るまで分散して製造。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、シャープレ
ス型連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、インク組成
物を得た。
【0048】実施例A2 C.I.ピグメントレッド57:1 20%水分散液* 10.0% ウォーターゾルCD−530(大日本インキ化学工業社製 変性エポキシエステル型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ 13%含有) 50.0% ジエチレングリコール 2.0% ジエタノールアミン 12.0% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 25.9% 100% *: 実施例A1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.7μmとした。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、シャープレ
ス型連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、マゼンダイ
ンク組成物を得た。
【0049】実施例A3 C.I.ピグメントブルー15:3 20%水分散液* 30.0% ウォーターゾルCD−520(大日本インキ化学工業社製 アルキド型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% イソプロピレングリコール18%含有) 20.0% N‐n‐ブチルジエタノールアミン 7.0% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 42.9% 100% *: 実施例A1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.6μmとした。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、シャープレ
ス型連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、シアンイン
ク組成物を得た。
【0050】実施例A4 C.I.ピグメント イエロー12 20%水分散液* 40.0% ディスパコールKA8464(バイエル社製ポリウレタン型 コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40%) 10.0% トリイソプロパノールアミン 2.0% エチレングリコール 4.0% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 43.9% 100% *: 実施例A1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.4μmとした。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、シャープレ
ス型連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、イエローイ
ンク組成物を得た。
【0051】比較例A1 ウォーターゾルCD−540のかわりにポリビニルピロ
リドンK30の40%水溶液を用いた以外は実施例A1
と同様にして黒色インクを得た。
【0052】比較例A2 ウォーターゾルCD−530のかわりにプライマルAC
−22(日本アクリル化学社製アクリル樹脂エマルジョ
ン、樹脂固形分44.5%)を用いた以外は実施例A2
と同様にしてマゼンダインク組成物を得た。
【0053】比較例A3 ウォーターゾルCD−520のかわりにポリアクリル酸
ナトリウム(25%水溶液)を32.0%加え、純水を
30.9%にした以外は実施例A3と同様にしてシアン
インク組成物を得た。
【0054】
【0055】評価A 実施例A1〜4および比較例A1〜3のインク組成物を
次のように評価した。 評価A1:保存安定性 インク組成物をガラス容器に密封し、−20℃または6
0℃で7日間放置し、その後室温で一か月間放置した。
その後のインク組成物中の顔料粒子の分散状態を顕微鏡
で観察した。 評価A2:目詰まり インク組成物を、吐出ノズル径50μm、駆動周波数6
kHzのインクジェット記録用ヘッドを有するインクジ
ェット記録装置に充填し、印字を中止した後、40℃で
3日間放置し、印字を再開した。その際のインクの吐出
状態を観察した。 評価A3:吐出安定性 インク組成物を、評価A2で使用したインクジェット記
録装置に充填し、室温で12時間連続印字を行った。 評価A4:印字耐水耐擦過性 インク組成物を、評価A2で使用したインクジェット記
録装置に充填し、印字を行った。印字物の印字面を濡れ
た木綿布で300g/cmの圧力で擦りこすり、印字
面の汚れの有無を調べた。 評価A5:耐折り曲げ 評価A4と同様にして印字した印字物を180度折り曲
げ、印字の割れ、はがれの有無を調べた。 評価A6:中間転写型インクジェット記録方法への適応
性 図1に記載の中間転写型インクジェット記録装置(中間
転写ドラムは水素化ニトリルゴムの弾性層を備えて、ま
た書き込み方式は図6(a)に記載の方法とした)で、
ゼロックス4024紙に印字した。中間転写ドラムの温
度は50℃、また転写圧力は1kg/cmとした。
【0056】評価結果 実施例A1〜4のインク組成物は、評価A1〜5のいず
れにあっても良好な結果を得た。一方、比較例A1のイ
ンク組成物は評価A4において印字面のよごれが激し
く、また評価A5において印字の割れが発生した。ま
た、比較例A2のインク組成物は評価A2において目詰
まりしたノズルが発生し、また評価A3において6時間
経過時点で飛行曲りが発生したノズルが生じた。比較例
A3のインク組成物は、評価A4において印字のよごれ
が激しく、また評価A5において印字のはがれが発生し
た。評価A6については、印字を目視により観察したと
ころ、実施例A1〜4のいずれのインク組成物について
も、印字のエッジが鮮明で、にじみは観察されなかっ
た。さらに、中間転写ドラム上にインク像の残存はなか
った。比較例A1〜3のインク組成物を用いて印字は行
えたが、中間転写ドラム上の相当量のインク像が残存し
ていた。
【0057】実施例B1 MA‐100(三菱化成工業社製カーボンブラック)20%水分散液* 15.0% ウォーターゾルCD−540(大日本インキ化学工業社製 変性エポキシエステル型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% イソプロピレングリコール13%含有) 30.0% トリエチレングリコール 5.0% トリエタノールアミン 5.0% ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.0% フロラードFC−170C(住友スリーエム社製パーフルオロ アルキルポリオキシエチレンエタノール) 1.0% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 42.9% 100% *: 顔料を純水(分散剤としてのジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウムを顔料比0.001%で含有する)に
加え、アイガーミルで顔料の平均粒径が0.5μmとな
るまで分散して製造。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式
連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、黒色インク組成
物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転写
型インクジェット記録装置(中間転写ドラムはフルオロ
シリコーンゴムの弾性層を備え、また、書き込み方式は
図5(a)に記載の方法とした)でゼロックス4024
紙に印字した。中間転写ドラムの温度は50℃とし、ま
た、転写圧力は0.8kg/cmとした。
【0058】実施例B2 C.I.ピグメント レッド57:1 20%水分散液* 10.0% ウォーターゾルCD−530(大日本インキ化学工業社製 変性エポキシエステル型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ 13%含有) 50.0% ジエチレングリコール 2.0% ジエタノールアミン 12.0% ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.3% シルウェットL−7604(日本ユニカー社製シリコーン系 界面活性剤) 0.7% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 24.9% 100% *: 実施例B1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.7μmとした。 前記各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式連
続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、マゼンダインク組
成物を得た。このインクを用いて、図8に記載の中間転
写型インクジェット記録装置(中間転写ドラムはシリコ
ーンゴムの弾性層を備え、また、書き込み方式は図5
(b)に記載の方式とした)でゼロックス4024紙に
印字した。中間転写ドラムの温度は45℃とし、また転
写圧力は0.8kg/cmとした。
【0059】実施例B3 C.I.ピグメント ブルー15:3 20%水分散液* 30.0% ウォーターゾルCD−520(大日本インキ化学工業社製 アルキド型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% イソプロピレングリコール18%含有) 20.0% N‐n‐ブチルジエタノールアミン 7.0% ヘキサグリン1−L(日光ケミカルズ社製ヘキサグリセリル モノラウレート) 0.8% フロラードFC−170C 0.4% 1,2‐ベンゾチアゾリン‐3‐オン 0.1% 純 水 41.7% 100% *: 実施例B1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.6μmとした。 前記各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式連
続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、シアンインク組成
物を得た。このインクを用いて、図8に記載の中間転写
型インクジェット記録装置(中間転写ドラムはフッ素ゴ
ムの弾性層を供え、また、書き込み方式は図5(c)に
記載の方式とした)でゼロックス4024紙に印字し
た。中間転写ドラムの温度は45℃とし、また転写圧力
は0.8kg/cmとした。
【0060】実施例B4 C.I.ピグメント イエロー12 20%水分散液* 40.0% ディスパコールKA8464(バイエル社製ポリウレタン型 コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40%) 10.0% トリイソプロパノールアミン 2.0% エチレングリコール 4.0% ソルゲンTW−60(第一工業製薬社製ポリオキシエチレン ソルビタンモノステアレート) 0.7% フロラードFC−430(住友スリーエム社製フッ素化 アルキルエステル) 0.5% 3,4‐イソチアゾリン‐3‐オン 0.1% 純 水 42.7% 100% *: 実施例B1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.4μmとした。 前記各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式連
続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、イエローインク組
成物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転
写型インクジェット記録装置(中間転写ドラムはシリコ
ーンゴムの弾性層を備え、また、書き込み方式は図5
(c)に記載の方法とした)でゼロックス4024紙に
印字した。中間転写ドラムの温度は45℃とし、また転
写圧力は0.8kg/cmとした。
【0061】評価B 印字を目視によって観察したところ、どの印字もエッジ
がシャープであり、にじみなどは観察されなかった。ま
た、インク像は中間転写ドラムから記録紙に全て転写さ
れ、転写ドラム上に残存しているインク像はなかった。
印字濃度をマクベス濃度計で測定したところ、そのOD
値は、実施例B1が1.45、実施例B2が1.48、
実施例B3が1,46、実施例B4が1.47と優れた
値であった。また、印字を300g/cm2 の圧力で濡
れた木綿布で擦ったが、印字の汚れは観察されなかっ
た。
【0062】実施例C1 MA‐100 (三菱化成社製カーボンブラック)20%水分散液* 15.0% ウォーターゾルCD−540(大日本インキ化学工業社製 変性エポキシエステル型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% イソプロポキシエタノール13%含有) 30.0% エチレングリコール(SP値14.6、沸点198℃) 20.0% トリエタノールアミン 5.0% ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 29.8% 100% *: 顔料を純水(分散剤としてのジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウムを顔料比0.001%で含有する)に
加え、アイガーミルで顔料の平均粒径が0.5μmとな
るまで分散して製造。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式
連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、黒色インク組成
物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転写
型インクジェット記録装置(中間転写ドラムの弾性層は
水素化ニトリルブチルゴム製とした)でゼロックス40
24紙に印字した。転写ドラムの温度は40℃とし、ま
た転写圧力は0.6kg/cmとした。
【0063】実施例C2 C.I.ピグメント レッド57:1 20%水分散液* 15.0% ウォーターゾルCD−530(大日本インキ化学工業社製 変性エポキシエステル型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ 13%含有) 25.0% ジエチレングリコール(SP値12.1、沸点245℃) 15.0% ジエタノールアミン 5.0% ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 39.8% 100% *: 実施例C1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.7μmとした。 前記各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式連
続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、マゼンダインク組
成物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転
写型インクジェット記録装置(中間転写ドラムの弾性層
はクロロプレンゴム製とした)でゼロックス4024紙
に印字した。転写ドラムの温度は50℃とし、また転写
圧力は0.6kg/cmとした。
【0064】実施例C3 C.I.ピグメント ブルー15:3 20%水分散液* 30.0% ウォーターゾルCD−520(大日本インキ化学工業社製 アルキド型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% 2‐イソプロポキシエタノール18%含有) 20.0% プロピレングリコール(SP値12.6、沸点188℃) 15.0% トリエタノールアミン 5.0% ヘキサグリン1−L(日光ケミカルズ社製ヘキサグリセリル モノラウレート) 0.2% 1,2‐ベンゾチアゾリン‐3‐オン 0.1% 純 水 29.7% 100% *: 実施例C1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.6μmとした。 前記各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式連
続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、シアンインク組成
物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転写
型インクジェット記録装置(中間転写ドラムの弾性層は
フッ素ゴム製とした)でゼロックス4024紙に印字し
た。転写ドラムの温度は40℃とし、また転写圧力は
0.6kg/cmとした。
【0065】実施例C4 C.I.ピグメント イエロー12 20%水分散液* 40.0% ディスパコールKA8464(バイエル社製ポリウレタン型 コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40%) 15.0% トリイソプロパノールアミン 2.0% グリセリン(SP値16.5、沸点290℃) 10.0% ソルゲンTW−60(第一工業製薬社製ポリオキシエチレン ソルビタンモノステアレート) 0.1% 3,4‐イソチアゾリン‐3‐オン 0.1% 純 水 32.8% 100% *: 実施例C1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.4μmとした。 前記各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式連
続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、イエローインク組
成物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転
写型インクジェット記録装置(中間転写ドラムの弾性層
はニトリルブチルゴム製とした)でゼロックス4024
紙に印字した。転写ドラムの温度は45℃とし、また転
写圧力は0.6kg/cmとした。
【0066】実施例C5 MA‐100 (三菱化成社製カーボンブラック)20%水分散液* 15.0% ディスパコールKA8481(バイエル社製ポリウレタン型 コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40%) 30.0% エチレングリコール(SP値14.6、沸点198℃) 10.0% ジエチレングリコール(SP値12.1、沸点245℃) 10.0% トリエタノールアミン 5.0% OTP−100(日光ケミカルズ社製ジ‐2‐エチルヘキシル スルホコハク酸ナトリウム) 0.1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 29.8% 100% *: 実施例C1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.5μmとした。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式
連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、黒色インク組成
物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転写
型インクジェット記録装置(中間転写ドラムの弾性層は
スチレンブタジエンゴム製とした)でゼロックス402
4紙に印字した。転写ドラムの温度は40℃とし、また
転写圧力は0.6kg/cmとした。
【0067】実施例C6 エチレングリコールをエチレングリコールモノメチルエ
ーテル(SP値11.4、沸点125℃)に置き換えた
以外は、実施例C1と同様の組成とし、実施例C1と同
様の印字試験を行った。
【0068】実施例C7 ジエチレングリコールをジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル(SP値9.5、沸点230℃)に置き換え
た以外は、実施例C2と同様の組成とし、実施例C2と
同様の印字試験を行った。
【0069】実施例C8 プロピレングリコールをジプロピレングリコール(SP
値10.0、沸点232℃)に置き換えた以外は、実施
例C3と同様の組成とし、実施例3と同様の印字試験を
行った。
【0070】比較例C1 実施例C4のインクを用い、転写ドラムの温度を80℃
にして、実施例C4と同様の印字試験を行った。
【0071】評価C 印字を目視によって観察したところ、どの印字もエッジ
がシャープであり、にじみなどは観察されなかった。ま
た、インク像は中間転写ドラムから記録紙に全て転写さ
れ、転写ドラム上に残存しているインク像はなかった。
印字濃度をマクベス濃度計で測定したところ、そのOD
値は、実施例C1が1.53、実施例C2が1.45、
実施例C3が1.47、実施例C4が1.44、実施例
C5がf1.15と優れた値であった。また、印字を3
00g/cm2 の圧力で濡れた木綿布で擦ったが、印字
の汚れは観察されなかった。一方、実施例C6〜8及び
比較例C1によっては、インク像が中間転写ドラム上に
一部残存してしまい、良好な印字が得られなかった。し
かし、転写圧力を1kg/cmとすると、比較例C1を除
き、良好な印字が得られた。
【0072】実施例D1 MA‐100 (三菱化成社製カーボンブラック)20%水分散液* 15.0% ウォーターゾルCD−540(大日本インキ化学工業社製 変性エポキシエステル型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% イソプロポキシエタノール13%含有) 30.0% エチレングリコール(SP値14.6、沸点198℃) 15.0% トリエチレングリコール(SP値10.7、沸点288℃) 5.0% (上記の溶剤を混合するとSP値は12.7) トリエタノールアミン 5.0% ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 29.8% 100% *: 顔料を純水(分散剤としてのジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウムを顔料比0.001%で含有する)に
加え、アイガーミルで顔料の平均粒径が0.5μmとな
るまで分散して製造。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式
連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、黒色インク組成
物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転写
型インクジェット記録装置(中間転写ドラムの弾性層は
水素化ニトリルブチルゴム製とした)でゼロックス40
24紙に印字した。転写ドラムの温度は40℃とし、ま
た転写圧力は0.4kg/cmとした。
【0073】実施例D2 C.I.ピグメント レッド57:1 20%水分散液* 15.0% ウォーターゾルCD−530(大日本インキ化学工業社製 変性エポキシエステル型コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40% ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ 13%含有) 25.0% グリセリン(SP値16.5、沸点290℃) 7.5% ジプロピレングリコール(SP値10.0、沸点232℃) 7.5% (上記の溶剤を混合するとSP値は12.4) ジエタノールアミン 5.0% ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 39.8% 100% *: 実施例D1と同様にして製造したが、但し最終平
均粒径は0.7μmとした。 前記各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式連
続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、マゼンダインク組
成物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転
写型インクジェット記録装置(中間転写ドラムの弾性層
はクロロプレンゴム製とした)でゼロックス4024紙
に印字した。転写ドラムの温度は50℃とし、また転写
圧力は0.4kg/cmとした。
【0074】実施例D3 C.I.ピグメント ブルー15:3 20%水分散液* 15.0% ディスパコールKA8481(バイエル社製ポリウレタン型 コロイダルディスパージョン 樹脂固形分40%) 30.0% エチレングリコール(SP値14.6、沸点198℃) 10.0% ジエチレングリコール(SP値12.1、沸点245℃) 10.0% (上記2種類の溶剤を混合するとSP値は13.3) トリエタノールアミン 5.0% OTP−100(日光ケミカルズ社製ジ‐2‐エチルヘキシル スルホコハク酸ナトリウム) 0.1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1% 純 水 29.8% 100% *: 実施例D1と同様にして製造した。 前記の各成分を混合し、3時間攪拌した後、コレクタ式
連続遠心分離機で粗大粒子を取り除き、ブルーインク組
成物を得た。このインクを用いて、図1に記載の中間転
写型インクジェット記録装置(中間転写ドラムの弾性層
はスチレンブタジエンゴム製とした)でゼロックス40
24紙に印字した。転写ドラムの温度は45℃とし、ま
た転写圧力は0.4kg/cmとした。
【0075】実施例D4 エチレングリコールとトリエチレングリコールの含有量
をそれぞれ10.0%と10.0%に変更した以外は、
実施例D1と同様の組成とし、実施例D1と同様の印字
試験を行った(混合後の溶剤のSP値11.8)。
【0076】実施例D5 グリセリンをジエチレングリコールモノブチルエーテル
(SP値9.5、沸点230℃)に置き換えた以外は、
実施例D2と同様の組成とし、実施例D2と同様の印字
試験を行った(混合後の溶剤のSP値9.8)。
【0077】比較例D1 実施例D3のインクを用いて、転写ドラムの温度を80
℃とし、実施例D3と同様の印字試験を行った。
【0078】評価D 印字を目視によって観察したところ、どの印字もエッジ
がシャープであり、にじみなどは観察されなかった。ま
た、インク像は中間転写ドラムから記録紙に全て転写さ
れ、転写ドラム上に残存しているインク像はなかった。
印字濃度をマクベス濃度計で測定したところ、そのOD
値は、実施例D1が1.53、実施例D2が1.45、
実施例D3が1.47と優れた値であった。また、印字
を300g/cm2 の圧力で濡れた木綿布で擦ったが、
印字の汚れは観察されなかった。一方、比較例D1〜3
によっては、インク像が中間転写ドラム上に一部残存し
てしまい、良好な印字が得られなかった。しかし、転写
圧力を1kg/cmとすると、比較例D1を除き、良好な印
字が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録方法を実施す
るためのインクジェット記録装置の斜視図である。
【図2】図1の装置のX方向の断面図である。
【図3】(a)は、本発明による記録装置の転写ドラム
上に形成された直後のインク像の形状を示す模式図であ
り、(b)は、本発明による記録装置の転写ドラム上で
「膜化」されたインク像の形状を表す模式図であり、さ
らにこのインク像と転写ドラムとの間には「剥離層」が
形成されている様子を表す。
【図4】本発明による記録装置においてインク像が記録
媒体に転写される様子を説明するための模式図である。
【図5】(a)は、本発明によるインクジェット記録方
法を実施するための装置であって、転写ドラム上で画像
が間欠的に帯状領域として形成される装置を表し、
(b)は、本発明によるインクジェット記録方法を実施
するための装置であって、転写ドラム上で画像が螺旋状
に形成される装置を表し、(c)は、本発明によるイン
クジェット記録方法を実施するための装置であって、印
字領域の全域にわたってノズルを有する記録ヘッドを用
いた装置を表す。
【図6】(a)は、ヒーターが転写ドラムの外部にある
インクジェット記録装置を表し、(b)は、ヒーターと
転写ドラムが一体とされたインクジェット記録装置を表
す。
【図7】本発明によるインクジェット記録方法を実施す
るための装置であって、ヒーターが圧力ローラと一体に
構成された装置を表す。
【符号の説明】
1 中間転写ドラム 2 インクジェット記録ヘッド 3 圧力ローラ 4 記録媒体 5 ヒーター 8 インク像 9 剥離層 11 弾性層 12 内部ドラム 15 ヒーター層 30 圧力印加手段 31 圧力解除手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−94535 (32)優先日 平成5年4月21日(1993.4.21) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 伊 藤 達 也 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 石 橋 修 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−105877(JP,A) 特開 昭62−92849(JP,A) 特開 平5−339528(JP,A) 特開 平5−339526(JP,A) 特開 昭57−70668(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 B41J 2/01 B41M 5/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水と、 顔料と、 コロイダルディスパージョン型樹脂と、 揮発性のアルカリ成分と、 水溶性有機溶剤とを含有してなる、中間転写型インクジ
    ェット記録用インク組成物。
  2. 【請求項2】インク組成物に対する顔料および樹脂成分
    の合計量が5〜30重量%である、請求項1記載のイン
    ク組成物。
  3. 【請求項3】顔料と樹脂の重量比が1:0.25〜1:
    10である、請求項1記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】水溶性有機溶剤の溶解度パラメーターが1
    2以上である、請求項1記載のインク組成物。
  5. 【請求項5】水溶性有機溶剤として複数の有機溶剤から
    なる混合有機溶剤を含んでなり、その混合有機溶剤の溶
    解度パラメーターが12以上である、請求項1記載のイ
    ンク組成物。
  6. 【請求項6】混合有機溶剤に含まれる少なくとも一つの
    水溶性有機溶媒の溶解度パラメーターが12未満であ
    る、請求項5記載のインク組成物。
  7. 【請求項7】界面活性剤を更に含んでなる、請求項1記
    載のインク組成物。
  8. 【請求項8】揮発性のアルカリ成分および水溶性有機溶
    剤としてアルカノールアミンが添加されてなる、請求項
    1記載のインク組成物。
  9. 【請求項9】中間転写型インクジェット記録方法であっ
    て、 請求項1〜8のいずれか一項記載のインク組成物を中間
    転写媒体上に吐出して、インク像を形成する工程と、 このインク像を濃縮する工程、そして転写媒体上の加熱
    された状態のインク像を記録媒体上に転写する工程とを
    含んでなる、方法。
  10. 【請求項10】インク像の濃縮を、インク像を50℃未
    満の温度に加熱して行う、請求項9記載のインクジェッ
    ト記録方法。
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