JP4001900B2 - 光コネクタアッセンブリ - Google Patents
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Description
本願は、2003年 4月30日に出願された特願2003−125350号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
前記光コネクタアッセンブリでおいて、前記光コネクタは、前記光入出端の光軸と交差する方向に延在する光ファイバと前記光入出端とを光接続するための光偏向部とを有していてもよい。
前記光コネクタアッセンブリにおいて、前記コネクタホルダは、前記弾性片を複数有し、前記光コネクタが複数の前記弾性片の間に押し込まれることにより、前記光コネクタを複数の前記弾性片によって前記基板に向けて押圧した状態で保持する構造を有することが好ましい。
前記光コネクタアッセンブリにおいて、前記光コネクタは、前記接合面である底面に隣接する複数の側部と、前記底面とは反対の側に位置する上部と、前記側部から前記上部の側に行くにしたがって光コネクタにおける反対側の側部に近づくように傾斜して形成された傾斜面とを備え、前記傾斜面に、前記弾性片が前記光コネクタを前記基板に向けて押圧するように係合されることが好ましい。
また、弾性片は、前記光コネクタに対する当接部分として、前記傾斜面に対して線接触又は面接触する円弧板状に形成されたコネクタ当接部を有することが好ましい。
また光コネクタアッセンブリであって、位置決め用凹部はガイド片を挿入する開口部がテーパ状に拡開されていることが好ましい。
また、本発明では、前記弾性片は、前記光コネクタに対する当接部分として、前記押さえ用傾斜面に対して線接触又は面接触する円弧板状に形成されたコネクタ当接部を有する構成も採用可能である。この構成では、弾性片の前記光コネクタに対する当接部分が、光コネクタに対して線接触又は面接触する円弧板状に形成されているため、例えば弾性片が球状等に成形された部分によって光コネクタを押圧する場合に比べて、弾性片から光コネクタに与えられる押圧力によって光コネクタに局所的な応力集中が生じることを回避でき、光コネクタの光特性の安定維持や、破損防止を実現できる。
さらに、前記コネクタホルダに押し込まれた光コネクタが、位置決めピンを利用したピン嵌合方式の位置決め手段によって前記基板に対して位置決めされて、前記光入出端と光接続可能な位置に配置されるようになっている構成を採用すると、コネクタ保持部では、ピン嵌合方式の位置決め手段と、ガイド片と、弾性片とによって、光コネクタが安定に位置決め保持されることになり、光コネクタ(光ファイバ)と光入出端との光接続特性を長期にわたって安定に維持できる等の利点がある。特に、ガイド片に加えて、ピン嵌合方式の位置決め手段をも、光入出端に対する光コネクタの位置決め用部材として機能することで、高精度の位置決めが可能になったり、位置決め精度を長期にわたって安定に維持できるようになるといった利点がある。
さらに、本発明では、前記光コネクタが、前記光入出端の端面の光軸に対して横向きの光ファイバと、前記光入出端とを光接続するものである構成が採用可能であり、この場合には、光入出端に対する光コネクタの押し込み方向、すなわち、コネクタホルダに対する光コネクタの押し込み方向に対する横方向に延在する光ファイバを、光コネクタを介して光入出端に接続することになる。基板に対して傾斜した光軸を以て光入出端に接続した光コネクタから引き出されている光ファイバを基板に沿わせるようにして引き回すことが容易であり、光コネクタやコネクタホルダの基板上の実装高さが、光ファイバの引き回しに要するスペースによって実質的に高くなるといったことを防止できる。また、光コネクタ自体も、例えば光ファイバに沿った扁平形状に形成することで、基板に対する実装高さの縮小を容易に実現できる。
なお、本明細書において、光入出端とは、例えば、発光素子や受光素子である光素子(より詳しくは、発光素子の発光面や、受光素子の受光面)、光ファイバ先端、光フェルールや各種光コネクタ(より詳しくは、その突き合わせ接合用の接合端面)などのことを指す。光入出端は、光の出射(「発光」も含む)あるいは入射(「受光」も含む)の少なくともいずれか一方の機能を有するものを総称するものである。また、光入出端を固定する固定部材としては、光素子が搭載されたマウント、このマウントが固定された基板、光ファイバをコネクタ接続可能に成端した光コネクタ、この光コネクタを固定するホルダ等の固定用部品などが該当する。
また、コネクタ本体に組み込まれたミラーによって、光入出端と、該光入出端の光軸に対して傾斜させた光ファイバとの間を光接続する、屈曲された光路を形成して、光入出端と光ファイバとの間を光接続する構成の光コネクタを採用することで、光入出端に対して、該光入出端の光軸に対して傾斜させた光ファイバを光接続する作業を簡単に行える。小型に形成できる光コネクタを光入出端に位置決めするだけで、光ファイバの接続を実現できるので、基板上での光コネクタの実装高さの抑制等に有利である。さらに、光コネクタの位置決めピン又はピン嵌合孔によって、光入出端を固定する固定部材に対するピン結合方式の位置決め手段を構成することで、光入出端に対する光コネクタ(詳細には、光コネクタに固定された光ファイバ)の位置決め精度の向上、位置決め作業性の向上を実現でき、しかも、位置決め精度の長期安定性も容易に確保できると利点がある。
図1〜図4Bは本発明に係る光コネクタアッセンブリ(符号10で指す、光コネクタ固定構造と言うこともできる)を示す図であって、図1は全体斜視図、図2は側面図(光ファイバ15の引き出し側から見た側面図)、図3は図2とは逆側の側面図、図4Aは平面図、図4Bは正断面図である。
図1〜図4Bにおいて、符号11は回路基板、符号12は光電変換モジュール、符号13はコネクタホルダ、符号14は光コネクタ、符号15は光ファイバを示す。
この実施の形態において、光素子16(より詳細には光素子16の発光面又は受光面)は、光入出端として機能するものであり、以下、光素子との記載箇所は、光入出端と読み替えることが可能である。また、光素子16の発光面又は受光面は、光入出端の端面として機能するものであり、以下、発光面又は受光面との記載箇所は、光入出端の端面と読み替えることが可能である。
前記コネクタホルダ13は具体的にはステンレス等の金属板を折り曲げ成形したものであり、回路基板11上に載置、当接される当接部13a(光電変換モジュール12の外周部に沿って設けられている枠状本体13dの下端部)の複数箇所から突設された固定片13bを回路基板11に貫通させて回路基板11の裏面(図2、図3において下側の面)にて回路基板11に固定することで、回路基板11にぐらつかないように固定される。
光コネクタ14は、プラスチック等の合成樹脂製のコネクタ本体14bと、このコネクタ本体14bに貼り付けるようにして固定され、前記コネクタ本体14bとの間に光ファイバ15aを挟み込んで固定するガラス板14cとを有している。前記ガラス板14cは、光コネクタ14の接合面14aに露出されており、光コネクタ14を光電変換モジュール12上に重ね合わせるようにして設置すると、ガラス板14cが光電変換モジュール12の上面12bに対面して配置される。また、この光コネクタ14は、光電変換モジュール12とほぼ同じか、若干小さい程度のサイズの外観ブロック状に形成されており、光電変換モジュール12上に設置しても、光電変換モジュール12から外側に大きく突出することは無い。
要は少なくとも使用波長帯において光減衰、損失発生が実用的に問題のないような材質で形成された透光性の材料からなるものであればよい。
光コネクタ14のコネクタ本体14bとガラス板14cとの間に挟み込まれる光ファイバ15aは、コネクタ本体14bに形成された位置決め溝14dによって精密に位置決め保持される。
ここで、光ファイバ15aは、多心光ファイバテープ心線である光ファイバ15先端に口出しされた単心の光ファイバ(ここでは裸光ファイバ)であり、光コネクタ14のコネクタ本体14bとガラス板14cとの間では、具体的には、光ファイバ15先端に口出しされた複数本(例えば、12本)の光ファイバ15aが、前記光コネクタ14のコネクタ本体14bの前記ガラス板14cが取り付けられる面に形成された位置決め溝14dによって並列に配列されて、それぞれ精密に位置決めされる。本実施形態のように、光ファイバ15が12本の光ファイバ15aを有する場合、左右両側の各4本の光ファイバ15aをアクティブファイバとし、中央の4本の光ファイバ15aをダミーファイバとすることが、光信号の混信を防止する意味で好ましい。
なお、位置決め溝14dとしては、ここではV溝の断面であるが、これに限定されず、例えば、丸溝(断面半円状の溝)、U溝等であっても良い。また、位置決め溝を光コネクタ14のコネクタ本体14bに形成する構成に限定されず、ガラス板14cに形成する構成、光コネクタの本体とガラス板の両方に形成する構成も採用可能である。
光ファイバ15aは、光コネクタ14のコネクタ本体14bの前記ガラス板14cが取り付けられる面14eから窪んだ形状の凹所14f内に挿入されている。凹所14fには、該凹所14fに挿入された光ファイバ15aの先端面の光軸延長上に位置して、前記光ファイバ15a先端に対して僅かなクリアランスを介して対面する内壁面に金属蒸着膜等によって形成した反射部14gが形成されている。この反射部14gは、光ファイバ(詳細には裸光ファイバ)先端面の光軸の延長線に対して45度傾斜した反射面を形成しており、光コネクタ14を光電変換モジュール12上に取り付けたときには、丁度、光電変換モジュール12上の光素子16上に位置し、この光素子16の発光面又は受光面と対面され、光ファイバ15a先端からの出射光を90度屈曲させて光素子16に照射したり、光素子16からの出射光を90度屈曲させて光ファイバ15aに入射させるミラー(光偏向部)として機能する。すなわち、反射部14gは、光ファイバ15aと前記光素子16との間の光路17を形成するミラーとして機能するものである。
光路17の内、反射部14gと光素子16との間に位置する部分は、光コネクタ14と光素子16との間を接続する光路であり、回路基板11に対して傾斜(この実施の形態では、ほぼ直交する方向)されており、これにより、光素子16と光ファイバ15とが回路基板11に対して傾斜した光軸を以て光接続される。ここで、「回路基板11に対して光軸が傾斜している」とは、回路基板11が概して水平面内に延在しているとした場合に、光軸がこの水平面と交差していることを意味する。また、「光接続」とは、光部材同士が、光信号伝達可能な位置に配置されることを意味する。
光コネクタ14は、該光コネクタ14と光素子16との間を接続する光路の光軸に対して交差方向に延在する光ファイバ15を、光素子16に対して光接続する機能を果たす。
また、反射部14gは、光ファイバ(詳細には裸光ファイバ)先端面の光軸の延長線に対して45度傾斜した反射面を有するものに限定されない。反射部14gは、光コネクタ14に固定された光ファイバ15先端と光素子16との間に屈曲した光路を形成して、光コネクタ14と光素子16との間を接続する光路の光軸に対して交差方向に延在する光ファイバ15と、光素子16との間の光接続を可能にするものであれば良く、光ファイバ(詳細には裸光ファイバ)先端面の光軸の延長線に対する反射面の傾斜角度は特に限定されるものでは無い。
凹所14fは、接合面14a側がガラス板14cによって塞がれており、光ファイバ15aを固定した後は、塵埃の侵入等による汚染、光路17を通る光が散乱等による損失増大等の不都合を防止できる。
また、光ファイバ15aと光素子16上面との間の光路17を通る光、特に、反射部14gと光素子16上面との間を通る光は、ガラス板14cを透過するようになっている。例えば、ガラス板14cは、光路17を通る光が散乱等による損失が殆ど生じることなく透過できる光学特性を有する。
必要に応じ、凹所14fには光学系接着剤を充填してもよい。この光学系接着剤は、少なくとも使用波長帯において光減衰、損失発生が実用的に問題のないような材料で形成されていることが好ましい。また、接着剤の充填はガラス板14cの接着と同時になされることが好ましい。
また、光電変換モジュール12上に設置した光コネクタ14は、コネクタホルダ13の構造によって光電変換モジュール12に押さえ込まれて、光電変換モジュール12に対して位置ずれしないように安定保持される。
すなわち、図2等に示すように、コネクタホルダ13は、光コネクタ14を光電変換モジュール12に押さえ込むための板バネ状の一対の押さえ片13cと、後述する位置決めピン14hを後述するピン穴12cに挿入できるように光コネクタ14を誘導するためのガイド片13fとを有している。これら、押さえ片13cとガイド片13fとは、いずれもコネクタホルダ13上(具体的には枠状本体13d上)に立ち上げるようにして突設された突片である。複数の押さえ片13cは、光素子16上面上に配置された光コネクタ14と係合して着脱可能に保持するコネクタ保持部13gを構成する。このコネクタ保持部13gには、光コネクタ14を、光電変換モジュール上面12bに直交する方向の移動によって、光電変換モジュール上面12bに押し付けるようにすることで、複数の押さえ片13cの間に押し込むことができ、これにより、コネクタ保持部13gの複数の押さえ片13cによって光コネクタ14が保持される。
押さえ片13cは、コネクタホルダ13の枠状本体13dから突出する舌片状の小片が湾曲成形されたものである。この押さえ片13cは、枠状本体13d上に立ち上げるようにして形成されており、この押さえ片13cの枠状本体13dからの突出中央部(コネクタ当接部13h)は、湾曲の外面側が枠状本体13dの中央開口13eに若干迫り出すように突出し、枠状本体13dからの突出先端は、前記中央開口13eの外側に向けて折り返すようにして湾曲成形されている。これら押さえ片13cは、コネクタ保持部13gに配置された光コネクタ14を保持するとともに、この光コネクタ14を、光電変換モジュール12の光素子16に向けて押さえ込む弾性片として機能するものである。
ガイド片13fは、光コネクタ14の前記光素子16上面に対面される底面(接合面14a)から該底面14aに対向する上面14jに向けて前記光コネクタ14に貫通して穿設されている孔状の位置決め用凹所14k(図7A参照)が挿入されるものである。ガイド片13fと位置決め用凹所14kとでガイド機構が構成されている。位置決め用凹所14kはガイド片を挿入する開口部がテーパ状に拡開されている(FIG.4B,FIG.7A参照)。また、FIG.4A,4Bに示すように、ガイド片13fは断面長方形状に形成され、位置決め用凹所14kはガイド片13fが挿入される長孔とされている。
前記溝14tには、光コネクタ14の上下方向(上下方向は、接合面14a側を下、上面14j側を上として定義される。すなわち、図7A,7Bにおける上下方向)中央部から下側に、光コネクタ14の両側部14sから底面(接合面14a)に向かって次第に光コネクタ14のコネクタ本体14bに切り込んでいく形状の傾斜面14uが形成されており、さらに、光コネクタ14の上下方向中央部から上側には、光コネクタ14の両側部14sから該光コネクタ14の前記光素子16上面に対面される底面(接合面14a)に対向するところに位置する上部14mに向かって(さらに言えば、この実施形態では上部14mの中央部に向かって)迫り上がるようにして延在する押さえ用傾斜面14nが形成されているから、光電変換モジュール12に対する光コネクタ14の押し込みを継続すると、光コネクタ14の両側の溝14tに挿入された押さえ片13cが、傾斜面14uによって、一対の押さえ片13cの間が押し広げられる。そして、傾斜面14uと押さえ用傾斜面14nとの境界、すなわち、光コネクタ14の両側の溝14tが最も浅くなっている部分(突部14i)が、両側の押さえ片13c同士の最も接近した部分(コネクタ当接部13h)の間を押し広げるようにして光電変換モジュール12の側に通過すると、押さえ片13cがそれぞれ押さえ用傾斜面14nに係合して、押さえ片13c自身の弾性によって、押さえ用傾斜面14nを光電変換モジュール12の上面12bに向けて押圧するようになり、これにより、光コネクタ14が、両押さえ片13cと光電変換モジュール12との間に挟み込まれるようにして、光電変換モジュール12に押さえ込まれる。
前記傾斜面14uは、換言すれば、接合面14aに対して傾斜させて光コネクタ14の側面(接合面14a以外の面)の一部として形成されている面であり、光コネクタ14の接合面14aに対向するところに形成された前記上部14mの側面として形成される構成に限定されず、例えば、光コネクタ14の側部14sから窪んだ形状の凹所内に形成されているものなどであっても良い。
また、位置決めピン14hの形状についても、本実施形態においては、丸棒状としているが、これに限定されず、細長板状としてもよい。この場合、当然、ピン穴12cもこれに対応する形状とする。いずれの形状であっても、位置決めピン14h及びピン穴12cの双方は、嵌合時に精密な位置決めが可能であるよう、精密加工されていることが必須である。なお、本実施形態において、位置決めピン14hは、光素子16の光軸と同一の方向に、かつ接合面14aに対しては垂直方向に延在しているが、位置決めピン14hの延在方向はこれに限定されず、光素子16の光軸とは異なる方向であってもよく、また、接合面14aに対して90度以外の角度をなしていてもよい。但し、光接続を実現するための位置決め精度の観点から言えば、本実施形態のように、位置決めピン14hが光素子16の光軸と同一の方向に、かつ接合面14aに対しては垂直方向に延在し、この光軸方向に沿って光コネクタ14が押し込まれることが好ましい。
前記位置決めピン14hは、光路17の内、前記コネクタ本体14に固定される前記光ファイバ15の先端と前記ミラー(反射部14g)との間に位置する部分、あるいは、その延長仮想線を介して両側に対向配置されている。また、この光コネクタ14では、前記ミラーは、光コネクタ14の接合面14aに突設された一対の位置決めピン14hの間に配置されている。また、この光コネクタ14では、光路17の内、前記コネクタ本体14に固定される前記光ファイバの先端と前記ミラー(反射部14g)との間に位置する部分は、一対の位置決めピン14hの間に位置しており、しかも、その延在方向が、一対の位置決めピン14hを結ぶ仮想線(図5Bに示す仮想線14w。すなわち、各位置決めピン14hの中心軸を通る仮想直線)に対して直交する方向になっている。また、この光コネクタ14では、光ファイバ15先端(詳細には光ファイバ15a)を位置決めする位置決め溝14dは、一対の位置決めピン14hの間に位置しており、しかも、該位置決め溝14dの延在方向が、一対の位置決めピン14hを結ぶ仮想線14wに対して直交する方向になっている。
また、前記押さえ片13cは、湾曲成形によって円弧板状に形成された部分(コネクタ当接部13h)によって、押さえ用傾斜面14nに対して線接触するため、例えば押さえ片が球状等に成形された部分によって光コネクタに点接触する場合等に比べて、押さえ片13cから光コネクタ14に与えられる押圧力によって光コネクタ14に局所的な応力集中が生じることを回避でき、光コネクタの光特性の安定維持や、破損防止を実現できるといった利点もある。弾性片(押さえ片)のコネクタ当接部や、光コネクタの押さえ用傾斜面の形状は、光コネクタの特性安定性の点で、コネクタ当接部の押さえ用傾斜面に対する当接範囲(面積)を出来るだけ大きく確保する構成であることが好ましく、この点、コネクタ当接部と押さえ用傾斜面とが面接触する構成であることがより好ましい。
なお、光コネクタ14の両側部の溝14tや傾斜面14uは必須では無い。光コネクタ14や押さえ片13c(弾性片)等の具体的形状は、光コネクタ14のコネクタ保持部13gへの押し込み、押さえ片13cによる係合保持(押さえ込み)が可能であれば良く、各種構成が採用可能である。光コネクタ14に形成する押さえ用傾斜面は、光コネクタ14の両側に形成することに限定されず、光コネクタの一箇所、あるいは、3箇所以上に形成することも可能である。コネクタ保持部としては、必ずしも、対向する両側から光コネクタと係合する一対の弾性片(押さえ片)を備えた構成に限定されず、弾性片の本数は、1本、あるいは、3本以上であっても良い。また、ガイド片13fが挿入される位置決め用凹所としては、必ずしも光コネクタを貫通する構成に限定されず、光コネクタの上面側には開口していない形状であっても良い。また、光コネクタの側部に形成された溝であっても良い。
前述した光コネクタアッセンブリによれば、回路基板11上の光コネクタ14の実装に係るスペースが、回路基板11上での光電変換モジュール12の実装に要するスペースと同じか、あるいは、それよりも若干大きい程度で済み、回路基板11上での光電変換モジュール12(詳細には光素子16)と光ファイバ15との接続を、極めて省スペースで実現できる。
例えば、光入出端に対する光コネクタの位置決め精度が、コネクタホルダのガイド片への光コネクタの挿入(ガイド片に光コネクタ側部の溝などを沿わせるようにしてガイドさせることも含む)、あるいは、コネクタホルダに設けられたガイド片以外の部材によって充分に確保できる場合には、ガイド片またはガイド片以外の部材を位置決め突起として機能させてもよい。
上記実施形態においては、光コネクタ14を、回路基板11に向けて(より詳しくは、光電変換モジュール上面12bに向けて)付勢した状態で保持するコネクタ保持部13gとして、コネクタホルダ13の枠状本体13dから突出する押さえ片13cを用いているが、コネクタ保持部13gはこのような形態に限定されず、回路基板11に取り付けた部材、あるいは、回路基板11と一体に形成された部材によって、コネクタ保持部13gを構成してもよい。
上記実施形態においては、反射部14gを用いることにより、光ファイバ15aと光素子16との間の光路を90度屈曲させているが、この屈曲角度は90度に限定されることはなく、また、光ファイバ15aの先端の光軸と光素子16の光軸とが一致している形態であっても、本発明の光コネクタアッセンブリを適用することができる。
また、回路基板に設ける光入出端としては、前述の光素子に限定されず、例えば、光ファイバの端部を回路基板に引き込んで固定したもの等、各種構成が採用可能である。
位置決めピンは、光コネクタと基板とを位置決めする突出部材の総称である。この位置決めピンは、好ましくは、前述の実施形態に例示したように、メタル製の丸棒ピンが用いられるが、これには限定されない。例えば、樹脂製の光コネクタに一体成形によって形成された突起、あるいは、樹脂製の基板に一体成形によって形成された突起であっても良い。光コネクタ側あるいは基板側から、相手側に向かって突出して光コネクタと基板とを位置決めする機能を果たすものであれば、本発明における位置決めピンに相当するということができる。例えば、光コネクタに突設された突出部が相手側(基板)と嵌合して、基板と光コネクタとの間を位置決めする機能を果たすのであれば、前記光コネクタに突設された突出部は本発明に係る「位置決めピン」と称することができる。また、基板側に突設された突出部が、これが光コネクタ側の凹所(嵌合部)と嵌合することで、基板と光コネクタとの間を位置決めする機能を果たすのであれば、本発明における「位置決めピン」と称することができる。位置決めピンは、前述したように、好ましくは断面円形の丸棒ピンであるが、断面形状が、例えば、楕円形、長方形、正方形などであっても良い。また、断面形状は、中空状であっても良い。また、位置決めピンの本数は、好ましくは2本であるが、位置決め精度の向上等の目的のため、2本以外の本数(1本又は3本以上)であっても構わない。
一方、本明細書における「ピン穴(位置決め用ピン穴)」は、位置決めピンが嵌合される部分の総称であり、丸棒ピンに対応する丸孔であるピン穴に限定されるものでは無い。位置決めピンが嵌合されることで、この位置決めピンを高精度に位置決めして、基板と光コネクタとの間を位置決めする機能を果たすものであれば、これを、本発明に係るピン穴と称することができる。
Claims (9)
- 光コネクタアッセンブリであって、
光入出端が実装された基板と、
光ファイバ先端に組み立てられ、前記基板の接合面に接合される接合面を有する光コネクタと、
前記光コネクタ及び前記基板の一方から突出する位置決めピンが、前記光コネクタ及び前記基板の他方に形成されたピン嵌合孔に挿入されることで、前記光コネクタに固定されている光ファイバと前記光入出端とが光接続されるように基板に対して光コネクタを位置決めするピン嵌合方式の位置決め機構と、
前記基板に設けられていて、前記光コネクタが基板に向けて押し込まれることで、前記光コネクタを前記基板に向けて押圧した状態で保持する弾性片を有するコネクタホルダと、
前記光コネクタ及び前記コネクタホルダの一方に突設されたガイド片と、前記光コネクタ及び前記コネクタホルダの他方に形成され前記ガイド片が挿入される位置決め用凹所とを有し、
前記光コネクタを基板に接合する際に、ガイド片の位置決め用凹所への挿入が開始され、前記ガイド片によって光コネクタの位置ずれを規制した状態で、光コネクタと基板を位置決めすることで、位置決めピンをピン嵌合孔に誘導するようにした光コネクタアッセンブリ。 - 光コネクタアッセンブリであって、
光入出端が実装された基板と、
光ファイバ先端に組み立てられ、前記基板の接合面に接合される接合面を有する光コネクタと、
前記光コネクタ及び前記基板の一方から突出する位置決めピンが、前記光コネクタ及び前記基板の他方に形成されたピン嵌合孔に挿入されることで、前記光コネクタに固定されている光ファイバと前記光入出端とが光接続されるように基板に対して光コネクタを位置決めするピン嵌合方式の位置決め機構と、
前記基板に設けられていて、前記光コネクタが基板に向けて押し込まれることで、前記光コネクタを前記基板に向けて押圧した状態で保持する弾性片を有するコネクタホルダと、
前記光コネクタ及び前記コネクタホルダの一方に突設されたガイド片と、前記光コネクタ及び前記コネクタホルダの他方に形成され前記ガイド片が挿入される位置決め用凹所とを有し、
前記光コネクタを基板に接合する際に、ピン嵌合孔に位置決めピンが挿入される前にガイド片の位置決め用凹所への挿入が開始されて光コネクタと基板を位置決めすることで、位置決めピンをピン嵌合孔に誘導するようにした光コネクタアッセンブリ。 - 請求項1または2に記載の光コネクタアッセンブリであって、
前記光コネクタに設けられている前記位置決めピン又は前記ピン嵌合孔は、前記光コネクタに固定されている前記光ファイバの先端における光軸と異なる方向に延在している光コネクタアッセンブリ。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の光コネクタアッセンブリであって、
前記光コネクタは、前記光入出端の光軸と交差する方向に延在する光ファイバと前記光入出端とを光接続するための光偏向部とを有する光コネクタアッセンブリ。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の光コネクタアッセンブリであって、
前記コネクタホルダは、前記弾性片を複数有し、前記光コネクタが複数の前記弾性片の間に押し込まれることにより、前記光コネクタを複数の前記弾性片によって前記基板に向けて押圧した状態で保持する構造を有する光コネクタアッセンブリ。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の光コネクタアッセンブリであって、
前記光コネクタは、前記接合面である底面に隣接する複数の側部と、前記底面とは反対の側に位置する上部と、前記側部から前記上部の側に行くにしたがって光コネクタにおける反対側の側部に近づくように傾斜して形成された傾斜面とを備え、
前記傾斜面に、前記弾性片が前記光コネクタを前記基板に向けて押圧するように係合される光コネクタアッセンブリ。 - 請求項6に記載の光コネクタアッセンブリであって、
前記弾性片は、前記光コネクタに対する当接部分として、前記傾斜面に対して線接触又は面接触する円弧板状に形成されたコネクタ当接部を有する光コネクタアッセンブリ。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタアッセンブリであって、
前記位置決め用凹部はガイド片を挿入する開口部がテーパ状に拡開されている光
コネクタアッセンブリ。 - 光コネクタアッセンブリであって、
光入出端が実装された基板と、
光ファイバ先端に組み立てられ、前記基板の接合面に接合される接合面を有する光コネクタと、
前記光コネクタ及び前記基板の一方から突出する位置決め用突出部材が、前記光コネクタ及び前記基板の他方に形成された嵌合部に挿入されることで、前記光コネクタに固定されている光ファイバと前記光入出端とが光接続されるように基板に対して光コネクタを位置決めする嵌合方式の位置決め機構と、
前記基板に設けられていて、前記光コネクタが基板に向けて押し込まれることで、前記光コネクタを前記基板に向けて押圧した状態で保持する弾性片を有するコネクタホルダと、
前記光コネクタ及び前記コネクタホルダの一方に突設された断面長方形状のガイド片と、前記光コネクタ及び前記コネクタホルダの他方に形成され前記ガイド片が挿入される長孔の位置決め用凹所とを有し、
前記光コネクタを基板に接合する際に、ガイド片の位置決め用凹所への挿入が開始され、前記ガイド片によって光コネクタの位置ずれを規制した状態で光コネクタと基板を位置決めすることで、位置決め用突出部材を嵌合部に誘導するようにした光コネクタアッセンブリ。
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