JP4141931B2 - 光コネクタ固定構造 - Google Patents
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この発明では、光ファイバ先端に組み立てられている光コネクタと、前記光コネクタを、光入出端が設けられる回路基板上に保持するべく、前記回路基板に取り付けられるコネクタホルダとを有し、前記コネクタホルダには、光コネクタを前記光入出端と光接続可能な位置に位置決め保持する係止手段が設けられており、前記係止手段には、前記光コネクタが、回路基板に向かって押圧するようにして押し込まれるようになっており、前記係止手段は、該係止手段に押し込まれるとともに位置決め手段によって前記光入出端と光接続可能な位置に位置決めされた光コネクタを、前記回路基板に向かって押さえ込むようにして保持するようになっており、更に、前記係止手段は、接合面に光ファイバが露出している第2の光コネクタを前記光入出端に対して光接続可能に支持するための変換アダプタを、前記光コネクタに代えて保持できるようになっていることを特徴とする光コネクタ固定構造を提供する。
また、2種以上の光コネクタを選択的に保持でき、また、回路基板上での光コネクタや変換アダプタの取り付けや取り外しが容易である。このため、目的,用途に応じて光コネクタを別の種類の光コネクタに取り替えることができる。
また、光素子に対する光コネクタ位置決めが容易かつ位置決め精度が長期にわたって安定に維持できる。
更に、光コネクタの位置決めピン又はピン嵌合孔によって、光入出端を固定する固定部材に対するピン結合方式の位置決め手段を構成することで、光入出端に対する光コネクタ(詳細には、光コネクタに固定された光ファイバ)の位置決め精度の向上、位置決め作業性の向上を実現でき、しかも、位置決め精度の長期安定性も容易に確保できると利点がある。
図1は、本発明に係る光コネクタ固定構造を示す図である。
図1において、符号11は回路基板、12は光電変換モジュール、13はコネクタホルダ、14は光コネクタ、24は第2の光コネクタ、15は光ファイバである。
まず、光コネクタ14が保持された状態の光コネクタ固定構造10について以下に詳細に説明する。
図1等には、光電変換モジュール12の光素子16が、光電変換モジュール12の回路基板11に臨む底面12aと対向する面(以下、接合面12b)に形成された構成を例示している。また、接合面12bは、回路基板11に沿った方向に延在されている。なお、特に図示はしないが、光電変換モジュール12が搭載される回路基板11には、光電変換回路、制御処理部、光信号処理回路、光素子駆動回路、その他、回路基板上の電子部品の駆動制御等を行う種々の回路が構成されている。
この実施の形態において、光素子16(より詳細には光素子16の発光面又は受光面)は、光入出端として機能するものであり、以下、光素子16との記載箇所は、光入出端と読み替えることが可能である。また、光素子16の発光面又は受光面は、光入出端の端面として機能するものであり、以下、発光面又は受光面との記載箇所は、光入出端の端面と読み替えることが可能である。
この光コネクタ本体14aには、光ファイバ15の先端と光素子16との間を光接続する光路を形成する光路形成手段が内蔵されている。この光路形成手段は、光コネクタ14に固定された光ファイバ15先端と光素子16との間に屈曲した光路を形成して、光コネクタ14と光素子16との間を接続する光路の光軸に対して横方向に延在する光ファイバ15と、光素子16との間の光接続を可能にするものである。
光コネクタ14は、該光コネクタ14と光素子16との間を接続する光路の光軸に対して横方向に延在する光ファイバ15を、光素子16に対して光接続する機能を果たす。
なお、光ファイバ15としては、多心光ファイバテープ心線に限定されず、例えば、単心の光ファイバ心線等、各種構成が採用可能である。
また、光電変換モジュール12上に設置した光コネクタ14は、コネクタホルダ13の構造によって光電変換モジュール12に押さえ込まれて、光電変換モジュール12に対して位置ずれしないように安定保持される。
すなわち、図1に示すように、コネクタホルダ13は、光コネクタ14を光電変換モジュール12に押さえ込むための板バネ状の一対の押さえ片13cと、光コネクタ14を光素子16上面に対して前記光ファイバの光接続が可能な位置に位置決めするためのガイド片13fとを有している。これら、押さえ片13cとガイド片13fとは、いずれもコネクタホルダ13上(具体的には枠状本体13d上)に立ち上げるようにして突設された突片である。複数の押さえ片13cは、光素子16上面上に配置された光コネクタ14と係合して着脱可能に保持するコネクタ保持部13gを構成する。このコネクタ保持部13gには、光コネクタ14を、光電変換モジュール上面12bに直交する方向の移動によって、光電変換モジュール上面12bに押し付けるようにすることで、複数の押さえ片13cの間に押し込むことができ、これにより、コネクタ保持部13gの複数の押さえ片13cによって光コネクタ14が保持される。
ガイド片13fは、光コネクタ14の前記光素子16上面に対面される底面(接合面)から該底面に対向する上面14bに向けて前記光コネクタ14に貫通して穿設されている孔状の位置決め用凹所14cが挿入されるものである。
ここで、前記光コネクタ14の係合部とは、光コネクタ14が光素子16上面上に配置された際、押さえ片13cと係合して着脱可能に保持されるように機能するものであり、押さえ片13cと係合すると、この押さえ片13cによって、光コネクタ14が光素子16に向けて押さえ込まれるようになっている。この係合部としては、各種構成が採用可能であり、例えば、凸部,傾斜面,溝部などが挙げられる。
また、前記押さえ片13cは、湾曲成形によって円弧板状に形成された部分(コネクタ当接部13h)によって、係合部に対して線接触するため、例えば押さえ片が球状等に成形された部分によって光コネクタに点接触する場合等に比べて、押さえ片13cから光コネクタ14に与えられる押圧力によって光コネクタ14に局所的な応力集中が生じることを回避でき、光コネクタ14の光特性の安定維持や、破損防止を実現できるといった利点もある。弾性片(押さえ片)13cのコネクタ当接部13hや、光コネクタ14の係合部の形状は、光コネクタ14の特性安定性の点で、係合部に対するコネクタ当接部13hの当接範囲(面積)を出来るだけ大きく確保する構成であることが好ましく、この点、コネクタ当接部13hと係合部とが面接触する構成であることがより好ましい。
本発明で用いる光コネクタ14は表面実装型光コネクタと言うことができ、本発明に係る光コネクタ固定構造10とは、この基板実装型光コネクタを受容して保持する構造自体のことである。例えば、光入出端が固定される回路基板11等の固定部材が無くても(例えばコネクタホルダ13が固定部材を兼ねる構成)、受発光素子や光ファイバといった光入出端に表面実装型光コネクタが対峙する構成であれば、本発明に係る光コネクタ固定構造10を構成していると言うことができるものとする。
変換アダプタ18は、コネクタホルダ13に取り付けることで、光コネクタ24(第2の光コネクタ。後述)を光素子16に対して光接続可能に位置決め支持する機能を果たすものである。
この変換アダプタ18は、前記光コネクタ24が挿入されるスリーブ状(具体的には角筒状)のアダプタ本体18aに、前記光コネクタ24をアダプタ本体18a内に押さえ込むための弾性爪18mを突設した概略構造になっている。また、このアダプタ本体18aは、ここではプラスチック製の一体成形品であるが、本発明では、これに限定されず、複数部材を結合した構成も採用可能である。
光コネクタ24には、接合面24aからこの接合面24aと対向した位置にある端面(以下、裏端面と言う。)24bまで貫通した位置決めピン穴24cが2本平行に形成されている。
後端面24b側には、2本の位置決めピン24dを固定したピンクランプ24eが備えられている。各位置決めピン24dは、位置決めピン穴24cに挿入されており、先端部が光コネクタの接合面24a側から突出した状態となっている。
前記複数本の弾性爪18mは、上面18cにおけるコネクタ収納穴18dの開口部の周囲に突設されており、これら複数本の弾性爪18mによって取り囲まれた内側の空間18uに光コネクタ24を接合面24a側から押し込んでいくと、複数本の弾性爪18mの間を押し広げるようにして、前記上面18cにおけるコネクタ収納穴18dの間を開口部からコネクタ収納穴18dへ光コネクタ24(具体的にはコネクタ本体24g)を挿入できるようになっている。
但し、変換アダプタ18への光コネクタ24の押し込み(コネクタ収納穴18dへのコネクタ本体24gの挿入)は、光コネクタ24の前記接合面24aに対向する側の端部(後端部)にフランジ状に突設されている鍔部24fが、アダプタ本体18aの上面18cに当接した所で限界となる。
ここで、アダプタ本体18aにおいて上面18cを形成している部位は、アダプタ本体18aに挿入した光コネクタ24が、コネクタ収納穴18dを通ってアダプタ本体18aの底面18b側に抜けてしまうことを規制するストッパ部18nとして機能する。
なお、ストッパ部18nとしては、押し込み限界位置を設定できるものであれば、その形状、配置位置等は特に限定されず、例えば、コネクタ収納穴18dの内壁に設けられた突片や段差などでも構わない。
空間18uを介して、アダプタ本体18aへ押し込んでいった光コネクタ24の鍔部24f及びピンクランプ24eが先端爪18pを超えて、先端爪18pよりもアダプタ本体18aの側へ移動すると、弾性爪18mの先端爪18pが、弾性爪18mの弾性復元力によって、光コネクタ24に組み付けられているピンクランプ24eに係合する。このとき、弾性爪18mは、アダプタ収納穴18dのアダプタ本体18aの上面18cにおける開口部の側から、光コネクタ24が抜け出してしまうことを規制する機能を果たす。
なお、ここでは、ピンクランプ24e付きの光コネクタ24を例示したが、光コネクタ24として、ピンクランプ24eの設置を省略したものを採用した場合は、弾性爪18mとして、押し込み限界位置に達した光コネクタ24に直接係合し、例えば、後端面24bに係合して、光コネクタ24をアダプタ本体18aの底面18b側に向けて押圧することで変換アダプタ18における光コネクタ24の収納、保持を実現するものを採用する。
なお、コネクタホルダ13に保持させた変換アダプタ18に、光コネクタ24を挿入して保持させる手順でも、光コネクタ24側の光ファイバ15と光素子16との光接続を実現できる。
コネクタホルダ13のコネクタ保持部13gへ変換アダプタ18を押し込んでいくと、変換アダプタ18に保持されている光コネクタ24の接合面24aから突出している位置決めピン24dが、光電変換モジュール12側のピン穴12cに挿入、嵌合されて光電変換モジュール12に対して光コネクタ24が高精度に位置決めされ、光ファイバ15が光素子16に対して光接続可能な位置に位置決めされる。
前記傾斜面18hは、換言すれば、底面18bに対して傾斜させて変換アダプタ18の側面(底面18b以外の面)の一部として形成されている面であり、変換アダプタの底面18bに対向するところに形成された前記上部18cの側面として形成される構成に限定されず、例えば、変換アダプタの側部から窪んだ形状の凹所内に形成されているものなどであっても良い。
すなわち、光コネクタ24を保持した変換アダプタ18をコネクタホルダ13への押し込みによってコネクタホルダ13に保持させる作業において、光コネクタ24は、コネクタ収納穴18dに向かって突出したコネクタ当接部13hの一部と接触しながら移動し、この突出したコネクタ当接部13hの一部によって概略位置決めされて、光コネクタ24の接合面24aに突出させた位置決めピン24dが光電変換モジュール12の上面のピン穴12cに挿入、嵌合される。これにより光コネクタ24の光素子16に対する位置決め精度が確保される。
上述したように、この光コネクタ固定構造10では、光コネクタ24を保持した変換アダプタ18を光素子16に向かってコネクタホルダ13に押し込むだけで、光素子16に対する光コネクタ24の位置決めとを非常に簡単に効率良く行える。
また、回路基板11に固定した部材(例えば、前述の光電変換モジュール12)や、回路基板11自体に固定して突設させた嵌合ピンを、光コネクタ24に形成したピン嵌合孔に挿入、嵌合する方式も採用可能である。
また、2種以上の光コネクタ14,24を選択的に保持できる。更に、光コネクタ24を収納保持した変換アダプタ18をコネクタホルダ13から外した際、ストッパ部18nによって光コネクタ24を落ちないように保持でき、光コネクタ24と変換アダプタ18とを一括して離脱できる。
なお、この光コネクタ固定構造10では、押さえ片13cを工具などで押し広げることによって、光コネクタ14,変換アダプタ18のコネクタホルダ13からの取り外し作業を簡単に行えるようにすることも可能である。
また、回路基板11上での光コネクタ14,24や変換アダプタ18の取り付けが容易であり、さらに、光素子16に対する光コネクタ位置決めが容易かつ位置決め精度が長期にわたって安定に維持できる。
Claims (6)
- 光ファイバ(15)先端に組み立てられている光コネクタ(14、14A)と、前記光コネクタを、光入出端が設けられる回路基板(11)上に保持するべく、前記回路基板に取り付けられるコネクタホルダ(13)とを有し、
前記コネクタホルダには、光コネクタを前記光入出端と光接続可能な位置に位置決め保持する係止手段が設けられており、
前記係止手段には、前記光コネクタが、回路基板に向かって押圧するようにして押し込まれるようになっており、前記係止手段は、該係止手段に押し込まれるとともに位置決め手段によって前記光入出端と光接続可能な位置に位置決めされた光コネクタを、前記回路基板に向かって押さえ込むようにして保持するようになっており、
更に、前記係止手段は、接合面(24a)に光ファイバが露出している第2の光コネクタ(24)を前記光入出端に対して光接続可能に支持するための変換アダプタ(18)を、前記光コネクタに代えて保持できるようになっていることを特徴とする光コネクタ固定構造。 - 前記コネクタホルダは、前記光コネクタを前記回路基板上にて前記係止手段によって係合保持するコネクタ保持部(13g)を有し、
このコネクタ保持部には、前記光コネクタの前記光入出端に対面される底面から該底面に対向する上面(14b)に向けて前記光コネクタに穿設されている溝状又は孔状の位置決め用凹所(14c)が挿入されるガイド片(13f)が、前記コネクタホルダから立ち上げるようにして突設されており、
前記位置決め用凹所によって前記ガイド片に挿入した前記光コネクタを、前記ガイド片に沿って光入出端に向けて移動することで、前記ガイド片によって前記光入出端に対して前記光ファイバの光接続が可能な位置に位置決めした状態で、前記光コネクタを前記コネクタ保持部の係止手段に係合保持させることができるようになっており、
前記変換アダプタについても、前記変換アダプタの前記光入出端に対面される底面(18b)から該底面に対向する上面(18c)に向けて溝状又は孔状の位置決め用凹所(18e)が穿設されており、
前記位置決め用凹所によって前記ガイド片に挿入した前記変換アダプタを、前記ガイド片に沿って光入出端に向けて移動することで、前記ガイド片によって前記光入出端に対して前記光ファイバの光接続が可能な位置に位置決めした状態で、前記変換アダプタを前記コネクタ保持部の係止手段に係合保持させることができるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ固定構造。 - 前記係止手段が、前記コネクタホルダに突設された2以上の弾性片であり、前記光入出端の光軸方向に沿って押し込まれた前記光コネクタあるいは前記変換アダプタが前記弾性片と係合して保持されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ固定構造。
- 前記変換アダプタには、コネクタ収納穴(18d)である貫通穴が設けられ、該コネクタ収容穴には、前記第2の光コネクタが、その底面を前記光入出端に向けた状態で収納されるようになっており、
前記変換アダプタの対向する両側部(18f)には、前記コネクタ収納穴と繋がった窓部(18k)が設けられ、
前記変換アダプタを前記回路基板に向かって押し込むと、前記窓部に入り込んた前記弾性片のうち、前記コネクタ収納穴内に突出した部分が、前記コネクタ収納穴に挿入される前記第2の光コネクタの概略位置決めを行うガイドとして機能するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の光コネクタ固定構造。 - 前記変換アダプタに接続された第2の光コネクタが、位置決めピン(24d)を利用したピン嵌合方式の位置決め手段によって前記回路基板に対して位置決めされて、前記光入出端と光接続可能な位置に配置されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光コネクタ固定構造。
- 前記変換アダプタには、前記第2の光コネクタの押し込み限界を定めるストッパ部(18n)が備えられたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光コネクタ固定構造。
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