JP4931764B2 - 光コネクタ - Google Patents
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Description
したがって、製造コストを下げるために金型精度を落としたり、製造工程を変更したりすると、光ファイバ穴列の左右両側の2つのピン穴のピッチの精度が低くなり、嵌合ピンを対向する光コネクタのピン穴に貫通させようとしても、容易に入らないことがある。
あるいは、嵌合ピンを架け渡すことができても光ファイバ穴の位置決め精度が悪い場合がある。
光コネクタと、この光コネクタに接続される光部品とを位置決めし、光コネクタと光部品の光路を合わせる手段として、光コネクタの接続面には、接続される光部品に向けて突出する1つの円形断面嵌合ピンと、接続面のコネクタ幅方向両側が落ち込んだ切欠きによりその間に形成される突部とを有し、前記円形断面嵌合ピンと突部とは、前記光コネクタの接続面における光入出部を挟んで設けられ、前記光部品の接続面には、円形断面嵌合ピンが嵌合する円形穴と、前記コネクタ幅方向両側の切欠きにそれぞれ嵌合する、2つの突条の間に形成される溝部とを有し、前記円形穴と溝部とは、前記光部品の接続面における光入出部を挟んで両側に設けられており、円形断面嵌合ピンと円形穴と、及び突部と溝部とが互いに嵌合することにより、光コネクタと光部品が位置決め接続されることを特徴とする。
嵌合ピンとピン穴との嵌合による位置決め箇所では、嵌合する両者(嵌合ピンとピン穴)間のクリアランスは極めて小さく、その1箇所(1点)においての精度よい位置決めがなされる。この1箇所だけでは光コネクタが嵌合ピン回りに回転してしまうが、突部と溝部との嵌合による位置決め箇所で光コネクタの回転が規制されて、回転方向の位置決めがなされる。すなわち、嵌合ピンによる1点の位置決めと垂直な壁面の突部による回転方向の位置決めとで、光コネクタの相手側光部品に対する精度よい位置決めがなされる。
突部と溝部との嵌合については、突部と溝部とのクリアランスは、光コネクタの回転を規制する面についてのみ充分小さくし、嵌合ピンとの間隔方向については充分大きなクリアランスを設定することで、突部が溝部に入らないという問題は生じない。
つまり、光学的な精度を確保するため高い成形精度が必要な部分は、突部のコネクタ幅方向両側の垂直な壁面と溝部のコネクタ幅方向両側の垂直な壁面が狭いクリアランスで向かい合う側面(コネクタ幅方向両側の垂直壁面)だけである。
この側面部分と直交する他の側面は、光学的な精度の確保には寄与しないから、高精度の成形は必要無い。
このように、光学的な精度を確保するため高い成形精度が必要な部分が、突部のコネクタ幅方向両側の2つの垂直壁面だけである。
しかも、これら側面は直線状であり成形精度を確保することは容易である。
したがって、2箇所における嵌合ピンとピン穴との嵌合により位置決めをする従来構造のように2つのピン穴間のピッチの精度が低いと嵌合ピンが相手側光部品のピン穴に入らないという問題が生じるものと異なり、位置決め精度の確保が容易である。
図1は光コネクタ1の斜視図であり、本図に示すように光コネクタの平らな接続面(取付面)5aには嵌合ピン15が突出している。
接続面5aには、中間部1aを挟んで接着剤充填窓10と、光コネクタからの光が入出射する凹所11が開口し、凹所11より嵌合ピンが存在しない側には、光コネクタの幅方向の両側に向かい合って形成された切欠き部16aを有する。
凹部11は、光の反射面9から光素子2に反射する複数の光路が形成される光入出部17となっている。
光入出部17には、横一列の光ファイバ穴8が開口し、光ファイバ穴と向かい合う辺は光を反射する傾斜面(反射面)9となっている。
2つの切欠き16aは、接続面5aから垂直に落ち込む壁面16bと、接続面5aと平行に同じ高さだけ落ち込んでいる平面16cよりなっている。
図2に示すように、上記の各構造物は接続面5aを紙面左右方向に横断するA−A線に対して上下対照に配置されており、2つの切欠き16aの向かいあった長さLの壁面16bは平行である。
図3の左側面図に示すように、切欠き16aは矩形断面を呈し、壁面16bの接続面5a側のエッジはテーパ面16dとなり、壁面16bと平面16cの間も、これらの面を連結するテーパ面16eとなっている。
2つの切欠き16aの間の接続面5aは、幅Wの凸部16となっている。
図4は、図2のA−A線に沿った横断面図であり、紙面右側端部に光ファイバ(テープ)を挿入するための中空部7が開口している。
樹脂充実部である中間部1aには、紙面垂直方向に向かって横一列で配列され、しかも接続面5aと平行な複数の光ファイバ穴8が開口し、中空部の上に嵌合ピン15が立っている。
図5は、この光コネクタを光電気複合基板(基板という場合がある)3に設置した状態の中央断面図である。
本図に示すようにこの光コネクタ1は、少なくとも1つの光素子2を搭載した基板3に取り付けられる。
ここで基板とは、基板上に光素子や電子素子が配置されて電気回路パターンにて接続された構成を一般に指しているが、光素子が、基板上に適宜位置に搭載された台(光モジュール)に搭載される場合も含むものとする。
光コネクタ本体5は、基板3と平行に導入される光ファイバ6の被覆を挿入する中空部7を有している。
中空部7の前方(図5の紙面左方向)の中間部1aに形成された光ファイバ穴8に光ファイバ6の先端を挿入する。
光ファイバ穴8の出口と向かい合う凹所11の側面は、光ファイバの光軸方向に対して45°傾斜している。
この傾斜面の樹脂表面を金属メッキしての反射面9とする。
反射面9は光ファイバ穴8の開口に沿って紙面垂直方向に延在する。
光ファイバ6を構成する光ファイバ6aの被覆を除去した裸ファイバ6a’を光ファイバ穴8に挿入する。
接着剤挿入窓10から充填した接着剤で光ファイバ6を固定する。
光ファイバ6の先端は凹所11から多少突出する。
反射面9のある凹所11に透明接着剤を充填し、特に図示しないが、凹所11は透明なガラスで封止する。
12は光ファイバテープの根元を保護するゴムブーツである。
ここで用いられる光ファイバの種類としては、全石英製の標準SM型光ファイバ、あるいはGI型光ファイバを好適に採用することができる。
あるいは、標準の125μm径よりも細径の80μm径の光ファイバを用いることができる。あるいは、全プラスチック製の光ファイバを用いることもできる。
この嵌合ピン15は基板3に形成された嵌合穴21に嵌合する。
嵌合ピン15は、光コネクタ本体5との樹脂一体成形品であることが好ましいが、光コネクタ本体を樹脂成形した後に、別体としての樹脂製あるいは金属製の嵌合ピンを光コネクタ本体の接続面の所定位置に接着、あるいは埋め込み等の手段で取り付けて構成することも可能である。
これらの図に示すように、光コネクタ1が位置決めされる基板3は、光コネクタ1の嵌合ピン15に対応する位置に円形のピン穴21を有し、光コネクタ1の2つの切欠き16aに対応する位置に、図7の紙面方向に平行な2つの突条22aを有する。
突条22aの両側面は基板面から垂直に立ち上がり、一方の突条の内側の側面と他方の突条の内側の側面の間隔は突部16の幅とほぼ同じである。
つまり、突条22a間に溝部22幅は、突条22aの幅とほぼ同じである。
上述のように、光素子は基板上の回路パターンに直接配置されず、基板上に配置されている台(モジュール台、光モジュール等の種々の呼称がある)上に搭載されており、実施例の基板3は前記モジュール台に相当する。前記ピン穴は基板上に直接加工するのでなく、実施例のような基板3すなわちモジュール台に加工するのが好ましい。ただし、ピン穴が形成される箇所は限定されない。
円形のピン穴21の内径D’の精度は、2つのピン穴を持つ標準MT光コネクタのピン穴の公差と同程度とすることができる。
このピン穴径は、光コネクタ1の嵌合ピン15の外径Dに対して極めて小さなクリアランスで高精度に形成される。
接続面5a上の嵌合ピン15の外径をD、コネクタの幅方向(紙面上下方向)に形成された矩形断面切欠き16a間の凸部16の幅をW、長さをLで示す。
コネクタ幅方向両側の突条22aの内側の垂直壁面22b間の内法寸法W’の精度は、光コネクタ本体5の幅方向両側の垂直壁面切欠き16aの垂直壁面16b間の幅寸法Wに対して充分小さなクリアランスで高精度に形成される。
しかし、突部16は、貫通溝である溝部22内でその長さ方向の位置の制約をほとんど受けない(図6に示した隙間寸法dが充分大きい)。
つまり、WとW’の差(溝幅の差)は非常に小さくなるように精密成形されるが、これと直交する方向の寸法(図6のL及びL’)は、前記隙間寸法dが充分大きければ、精密位置決めにはあまり関与しないのでラフな成型精度で十分である。
すなわち、嵌合ピン15とピン穴21との嵌合による位置決め箇所と、光コネクの突部16と、2つの突条22aによりその間に形成される溝部22との嵌合による位置決め箇所による精密位置決めされる。
嵌合ピン15とピン穴21との嵌合による位置決め箇所では、嵌合する両者(嵌合ピン15とピン穴21)間のクリアランスは極めて小さく、その1箇所(1点)においての精度よい位置決めがなされる。
この1箇所だけでは光コネクタが嵌合ピン回りに回転してしまうが、突部16と溝部22との嵌合による位置決め箇所で光コネクタの回転が規制されて、回転方向の位置決めがなされる。
すなわち、嵌合ピン15による1点の位置決めと突部16による回転方向の位置決めとで、光コネクタ1の基板3上の光素子2に対する精度よい位置決めがなされる。
その位置決め作業において、1箇所での嵌合ピン15とピン穴21との嵌合には、嵌合ピンが相手側のピン穴に入らないという問題は生じにくい。
突部16と溝部22との嵌合については、突部16と溝部22とのクリアランスは、光コネクタの嵌合ピン15回りの回転を規制する面についてのみ充分小さくしているので、すなわち、突部16の幅寸法Wと溝部22の幅寸法W’とを充分小さなクリアランスで高精度に形成しているので、光コネクタの嵌合ピン15回りの位置決め精度は高く、したがって、光コネクタ1は基板3上の光素子2に対して精度よく位置決めされる。
したがって、2箇所における嵌合ピンとピン穴との嵌合により位置決めをする従来構造のように2つのピン穴間のピッチの精度が低いと嵌合ピンが相手側光部品のピン穴に入らないという問題が生じるものと異なり、位置決め作業に際して、嵌合させようとするものどうしを互いに嵌合させられない、あるいは位置決め精度が悪くなるという問題は生じない。
光コネクタ本体5の材質としては、PPS等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等を好適に用いることができる。
しかし、光コネクタに接続される光部品は、これらには限定されない。
例えば、光ファイバなどの光導波路の端面が、光コネクタとの接続面側に露出するものを光部品とすることもできるし、種々の変形例が存在する。
また、接続対象となる光部品は、本実施例の回路基板上の光学素子には限定されない。
2 光素子
3 光電気複合基板
4 光モジュール
5 光コネクタ本体
6 光ファイバテープ
6a 光ファイバ
6a’ 裸ファイバ
7 中空部
8 光ファイバ穴
9 反射面
10 接着剤充填窓
11 凹所
15、15’ 円形断面嵌合ピン(嵌合ピン)
16、16’ 突部
16a、16a’切欠き
16b、16b’ 壁面
17 光入出部
21 ピン穴(円形穴)
22 溝部
22a 突条
22b 壁面
D 円形断面嵌合ピンの外径
D’ピン穴の内径
W 突部の断面の幅
W’溝部の溝幅
L 突部の断面の長さ
L’溝部の長さ
Claims (1)
- 光コネクタと、この光コネクタに接続される光部品とを位置決めし、光コネクタと光部品の光路を合わせる手段として、光コネクタの接続面には、接続される光部品に向けて突出する1つの円形断面嵌合ピンと、接続面のコネクタ幅方向両側が落ち込んだ切欠きによりその間に形成される突部とを有し、前記円形断面嵌合ピンと突部とは、前記光コネクタの接続面における光入出部を挟んで設けられ、前記光部品の接続面には、円形断面嵌合ピンが嵌合する円形穴と、前記コネクタ幅方向両側の切欠きにそれぞれ嵌合する、2つの突条の間に形成される溝部とを有し、前記円形穴と溝部とは、前記光部品の接続面における光入出部を挟んで両側に設けられており、円形断面嵌合ピンと円形穴と、及び突部と溝部とが互いに嵌合することにより、光コネクタと光部品が位置決め接続されることを特徴とする光コネクタ。
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