JP4963093B2 - 光コネクタ - Google Patents
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Description
したがって、製造コストを下げるために金型精度を落としたり、製造工程を変更したりすると、光ファイバ穴列の左右両側の2つのピン穴のピッチの精度が低くなり、嵌合ピンを対向する光コネクタのピン穴に貫通させようとしても、容易に入らないことがある。
あるいは、嵌合ピンを架け渡すことができても光ファイバ穴の位置決め精度が悪い場合がある。
当該光コネクタを前記光素子に対して位置決めをする手段として、
当該光コネクタの接続端面に、基板に向けて突出する1つの円形断面嵌合ピンと1つの矩形断面突出部よりなる一対の嵌合突出部を有し、前記一対の嵌合突出部は、前記円形断面嵌合ピンが光ファイバ導入方向の後方側となる態様で前記光コネクタの接続端面の光入出部を挟んで両側に設けられ、
基板側には、前記円形断面嵌合ピンが嵌合する円形穴と前記矩形断面突出部が嵌合する矩形断面溝よりなる一対の嵌合受け部を有し、前記一対の嵌合受け部は、円形穴が光ファイバ導入方向の後方側となる態様で前記光素子を挟んで両側に設けられており、
前記嵌合突出部を前記嵌合受け部に嵌合することにより、光コネクタが基板上の光素子に対して位置決めされることを特徴とする。
嵌合ピンとピン穴との嵌合による位置決め箇所では、嵌合する両者(嵌合ピンとピン穴)間のクリアランスは極めて小さく、その1箇所(1点)においての精度よい位置決めがなされる。この1箇所だけでは光コネクタが嵌合ピン回りに回転してしまうが、矩形断面突出部と矩形断面溝との嵌合による位置決め箇所で光コネクタの回転が規制されて、回転方向の位置決めがなされる。すなわち、嵌合ピンによる1点の位置決めと矩形断面突出部による回転方向の位置決めとで、光コネクタの相手側光部品に対する精度よい位置決めがなされる。
矩形断面突出部と矩形断面溝との嵌合については、矩形断面突出部と矩形断面溝とのクリアランスは、光コネクタの回転を規制する面についてのみ充分小さくし、嵌合ピンとの間隔方向については充分大きなクリアランスを設定することで、矩形断面突出部が矩形断面溝に入らないという問題は生じない。
つまり、光学的な精度を確保するため高い成形精度が必要な部分は、矩形断面突出部と矩形断面溝が狭いクリアランスで向かい合う側面だけである。
この側面部分と直交する他の側面は、光学的な精度の確保には寄与しないから、高精度の成形は必要無い。
このように、光学的な精度を確保するため高い成形精度が必要な部分が、矩形断面突出部の4面の内の2面だけである。
しかも、これら側面は直線状であり成形精度を確保することは容易である。
したがって、2箇所における嵌合ピンとピン穴との嵌合により位置決めをする従来構造のように2つのピン穴間のピッチの精度が低いと嵌合ピンが相手側光部品のピン穴に入らないという問題が生じるものと異なり、位置決め精度の確保が容易である。
光電気複合基板(以下、場合により単に基板と呼ぶ)とは、基板上に光素子や電子素子が配置されて電気回路パターンにて接続された構成の基板を一般に指している。
光コネクタ本体5は、基板3と平行に導入される光ファイバテープ6を挿入する光ファイバテープ挿入用の中空部7を有している。
中空部7は、光ファイバテープを挿入するための開口部を側端部に有する。
中空部7の前方(図5、図7、紙面左方向)に紙面垂直方向に横1列に配列された光ファイバ穴8を有する。
光ファイバ穴8の出口の前方で、凹所11の側面には、光ファイバの光軸方向に対して45°傾斜した反射面9を有する。
反射面は金属メッキ等により形成されている。
図7において、光ファイバテープ6から分離させた光ファイバ6aの被覆を除去した裸ファイバ6a’が光ファイバ穴8に挿入され、接着剤挿入窓10から充填した接着剤で光ファイバ6が固定され、反射面9のある凹所11には透明接着剤が充填される。12はゴムブーツである。
ここで用いられる光ファイバの種類としては、全石英製の標準SM型光ファイバ、あるいはGI型光ファイバ採用することができる。
あるいは、標準の125μm径よりも細径の80μm径の光ファイバを用いることができる。
あるいは、全プラスチック製の光ファイバを用いることもできる。
この一対15、16を嵌合突出部と称する。前記一対の嵌合突出部15、16は、図示の通り前記円形断面嵌合ピン15が光ファイバ導入方向の後方側(図6等で右側)となる態様で前記光コネクタ1の接続端面の光入出部17を挟んで両側に設けられている。
この嵌合ピンは、光コネクタ本体5の成形時に一体成形することが好ましい。
つまり、光コネクタ本体5は樹脂一体成形品であることが好ましい。
なお、嵌合ピンは光コネクタ本体と樹脂一体成形する以外に、光コネクタ本体を樹脂成形した後に、別体としての嵌合ピンを光コネクタ本体の接続面の所定位置に接着、あるいは埋め込み等の手段で取り付けて構成することも可能である。
嵌合ピン15の外径をD、矩形断面突出部16の断面の幅をW、長さをLで示す(図2等)。
光入出部17とは、本実施例においては、反射面9から光素子2に向かう複数の光路が形成される部分であり、具体的には反射面9のある凹所11の部分を指す。
光入出部17を挟む両側とは、光ファイバ導入方向に沿って両側(図2、3、5、6で左右方向の両側)という意味である。
これらを嵌合凹部と称する。
一般に、光素子はいわゆる印刷配線基板上に直接配置されず、印刷配線基板上に配置されているモジュール台上に搭載されており、実施例の基板3は前記モジュール台に相当する。前記嵌合凹部はいわゆる印刷配線基板上に直接加工するのでなく、実施例のような基板3すなわちモジュール台に加工するのが好ましい。ただし、嵌合凹部が形成される箇所は限定されない。
円形のピン穴21の内径D’の精度は、2つのピン穴を持つ標準MT光コネクタのピン穴の公差と同程度とすることができる。
このピン穴径は、光コネクタ1の嵌合ピン15の外径Dに対して極めて小さなクリアランスで高精度に形成される。
矩形断面溝22の溝幅寸法W’の精度は、光コネクタ本体5の矩形断面突出部16の幅寸法Wに対して充分小さなクリアランスで高精度に形成される。しかし、矩形断面溝22の長さ寸法L’は、光コネクタ本体5の矩形断面突出部16の長さLに対して充分長く、かつ長さ方向両側に充分な余裕を持つ。
すなわち、嵌合ピン15とピン穴21との嵌合による位置決め箇所と、矩形断面突出部16と矩形断面溝22との嵌合による位置決め箇所との2箇所の位置決め箇所において行われる。
嵌合ピン15とピン穴21との嵌合による位置決め箇所では、嵌合する両者(嵌合ピン15とピン穴21)間のクリアランスは極めて小さく、その1箇所(1点)においての精度よい位置決めがなされる。この1箇所だけでは光コネクタが嵌合ピン回りに回転してしまうが、矩形断面突出部16と矩形断面溝22との嵌合による位置決め箇所で光コネクタの回転が規制されて、回転方向の位置決めがなされる。すなわち、嵌合ピン15による1点の位置決めと矩形断面突出部16による回転方向の位置決めとで、光コネクタ1の基板3上の光素子2に対する精度よい位置決めがなされる。
その位置決め作業において、1箇所での嵌合ピン15とピン穴21との嵌合には、嵌合ピンが相手側のピン穴に入らないという問題は生じない。
矩形断面突出部16と矩形断面溝22との嵌合については、矩形断面突出部16と矩形断面溝22とのクリアランスは、光コネクタの嵌合ピン15回りの回転を規制する面についてのみ充分小さくしているので、すなわち、矩形断面突出部16の幅寸法Wと矩形断面溝22の幅寸法W’とを充分小さなクリアランスで高精度に形成しているので、光コネクタの嵌合ピン15回りの位置決め精度は高く、したがって、光コネクタ1は基板3上の光素子2に対して精度よく位置決めされる。
したがって、2箇所における嵌合ピンとピン穴との嵌合により位置決めをする従来構造のように2つのピン穴間のピッチの精度が低いと嵌合ピンが相手側光部品のピン穴に入らないという問題が生じるものと異なり、位置決め作業に際して、嵌合させようとするものどうしを互いに嵌合させられない、あるいは位置決め精度が悪くなるという問題は生じない。
光コネクタ本体5の材質としては、PPS等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等を好適に用いることができる。
この実施例の光コネクタは、嵌合ピンとピン穴との嵌合による位置決め箇所を2箇所に持ついわゆるMT光コネクタにおいて、嵌合ピンとピン穴との嵌合による位置決め箇所は1箇所のみとし、反対側は矩形断面突出部と矩形断面溝との嵌合により位置決めする構成としたものである。
すなわち、図示のように、一方の光コネクタ31は、他方の光コネクタ41に対する位置決め手段として、当該一方の光コネクタ31の光コネクタ本体32における他方の光コネクタ41との光接続面に、他方の光コネクタ41に向けて突出する1つの円形断面嵌合ピン33と1つの矩形断面突出部34とを光コネクタ本体32の光ファイバ穴32aの列を挟む穴並び方向の両側に設けている。実施例の嵌合ピン33は、光コネクタ本体32とは別部材であり光コネクタ本体32にあけたピン穴32bに嵌合させたものである。しかし、光コネクタ本体32と一体の嵌合ピンとすることもできる。
他方の光コネクタ41の光コネクタ本体42には、前記一方の光コネクタ31の嵌合ピン33が嵌合するピン穴43と、前記一方の光コネクタ31の光コネクタ本体32に設けた矩形断面突出部34が嵌合する矩形断面溝44を形成している。42aは他方の光コネクタ本体42側の光ファイバ穴を示す。
したがって、図1〜図8の光コネクタ1における効果と同様の効果が得られる。すなわち、2箇所における嵌合ピンとピン穴との嵌合により位置決めをする従来のMT光コネクタのように2つのピン穴間のピッチの精度が低いと嵌合ピンが相手側光部品のピン穴に入らないという問題が生じるものと異なり、位置決め作業に際して、嵌合させようとするものどうしを互いに嵌合させられないという問題は生じない。
この実施例においても、図9の実施例と同じく、図1〜図8の光コネクタ1における効果と同様の効果が得られる。
なお、矩形断面突出部35が光コネクタ本体と別部材であるこの実施例では、矩形断面突出部35は、2つの光コネクタ31’、41のいずれ側の部材でもなく、独立した部材として扱うことができる。
しかし、光コネクタに接続される光部品は、これらには限定されない。
例えば、光ファイバなどの光導波路の端面が、光コネクタとの接続端面側に露出するものを光部品とすることもできるし、種々の変形例が存在する。
2 光素子
3 光電気複合基板
4 光モジュール
5 光コネクタ本体
6 光ファイバテープ
6a 光ファイバ
6a’ 裸ファイバ
7 中空部
8 光ファイバ穴
9 反射面
10 接着剤充填窓
11 凹所
15 円形断面嵌合ピン(嵌合ピン)
16 矩形断面突出部
17 光入出部
21 ピン穴
22 矩形断面溝
31、41 光コネクタ
32、42 光コネクタ本体
33 円形断面嵌合ピン(嵌合ピン)
34 矩形断面突出部
43 ピン穴
44 矩形断面溝
D 円形断面嵌合ピンの外径
D’ピン穴の内径
W 矩形断面突出部の断面の幅
W’矩形断面溝の溝幅
L 矩形断面突出部の断面の長さ
L’矩形断面溝の長さ
Claims (2)
- 複数の光素子を搭載した光電気複合基板上に光コネクタ本体の外周面を拘束する枠を有しない態様で取り付けられ、前記光電気複合基板と平行に導入される横並びの複数の光ファイバを伝送する光の光路を前記光電気複合基板上の光素子に向けて直角に変換する光コネクタであって、
当該光コネクタを前記光素子に対して位置決めをする手段として、
当該光コネクタの接続端面に、基板に向けて突出する1つの円形断面嵌合ピンと1つの矩形断面突出部よりなる一対の嵌合突出部を有し、前記一対の嵌合突出部は、前記円形断面嵌合ピンが光ファイバ導入方向の後方側となる態様で前記光コネクタの接続端面の光入出部を挟んで両側に設けられ、
基板側には、前記円形断面嵌合ピンが嵌合する円形穴と前記矩形断面突出部が嵌合する矩形断面溝よりなる一対の嵌合受け部を有し、前記一対の嵌合受け部は、円形穴が光ファイバ導入方向の後方側となる態様で前記光素子を挟んで両側に設けられており、
前記嵌合突出部を前記嵌合受け部に嵌合することにより、光コネクタが基板上の光素子に対して位置決めされることを特徴とする光コネクタ。 - 光コネクタ本体内のミラーにより、光コネクタ内の光ファイバ光路を基板に向けて変更する構成としたことを特徴とする請求項1記載の光コネクタ。
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