JP2013218119A - 光接続部材及び光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】受発光素子とマルチコアファイバなどの複数の光導波部とを接続する光接続部材であって、基板に対する接続構造を備えた光接続部材を提供する。
【解決手段】光接続部材3は、複数の受発光部10a〜10gを二次元状に配列した受発光素子10と、受発光素子10が前端面20aに搭載され、前端面20aにおいて受発光素子10の二次元状に配列された受発光部10a〜10gに対応するように複数のコア22a〜22gが配列されたマルチコアファイバ22を有する第1のコネクタ20と、第1のコネクタ20の後端面20bに露出するマルチコアファイバ22の複数のコア22a〜22gに対応する配列を有して一端が露出する複数のシングルコアファイバ32を有し、マルチコアファイバ22の各コア22a〜22gと複数のシングルコアファイバ32とが光接続されている第2のコネクタ30とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】光接続部材3は、複数の受発光部10a〜10gを二次元状に配列した受発光素子10と、受発光素子10が前端面20aに搭載され、前端面20aにおいて受発光素子10の二次元状に配列された受発光部10a〜10gに対応するように複数のコア22a〜22gが配列されたマルチコアファイバ22を有する第1のコネクタ20と、第1のコネクタ20の後端面20bに露出するマルチコアファイバ22の複数のコア22a〜22gに対応する配列を有して一端が露出する複数のシングルコアファイバ32を有し、マルチコアファイバ22の各コア22a〜22gと複数のシングルコアファイバ32とが光接続されている第2のコネクタ30とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、光接続部材及び当該光接続部材が基板に搭載された光モジュールに関する。
LSI間信号の高速化に伴い、電気による伝送ではノイズや消費電力の増加を解消することが困難になってきている。そこで、近年、LSI間を、電磁障害や周波数依存性損失が殆どない光通信で伝送する試みがなされている。一方、伝送容量の増加に伴い、同一のクラッド内に複数のコアを備えたマルチコアファイバなどを光導波体として用い、VCSELなどの受発光素子と光結合させる技術の開発も行われるようになってきた(例えば特許文献1,2参照)。
ところが、特許文献1,2には、受発光素子とマルチコアファイバなどの光導波体とを単に光結合させる技術が開示されているだけであり、マルチコアファイバなどの光導波体を受発光素子に光結合させる際にICなどが搭載された基板に対してどのような接続構造を用いるかといった構成については開示がなかった。特に、モジュール全体として小型化する点については開示がなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、受発光素子とマルチコアファイバなどの複数の光導波部とを接続する光接続部材であって、基板に対する接続構造を備えた光接続部材、及び当該光接続部材を備えた光モジュールを提供することを目的とする。
本発明に係る光接続部材は、複数の受発光部を二次元状に配列した受発光素子と、受発光素子が第1の端部に搭載され、第1の端部において受発光素子の二次元状に配列された複数の受発光部に対応するように複数のコアが配列されたマルチコア導波体を有する第1のコネクタと、第1のコネクタの第2の端部に露出するマルチコア導波体の複数のコアに対応する配列を有して一端が露出する複数の光導波部を有し、マルチコア導波体の各コアと複数の光導波部とが光接続されている第2のコネクタと、を備えることを特徴としている。
この光接続部材は、第1及び第2のコネクタを備えており、第1のコネクタの第1の端部に受発光素子を搭載させる構造になっている。この場合、受発光素子を直接基板に搭載する必要がなくなるため、第1のコネクタを基板に搭載するための接続構造の自由度を高めることが可能となる。
上記の光接続部材では、第1のコネクタのマルチコア導波体は、1つの光ファイバの中に複数のコアが配置されたマルチコアファイバであってもよい。また、第1のコネクタのマルチコア導波体では、第2の端部から第1の端部に向かって複数のコア間の距離が拡大されていてもよい。
上記の光接続部材では、第2のコネクタは、第1のコネクタのマルチコア導波体と複数の単一の光ファイバとを接続するコネクタ部材であり、第1のコネクタ側の第1の端部及び複数の単一の光ファイバ側の第2の端部を有する本体部と、本体部内に配置され、第1の端部と第2の端部とを結ぶように延在する複数の光導波部とを有し、複数の光導波部それぞれは、少なくとも第1の端部において互いに平行となるように本体部内に配置されているようにしてもよい。この場合、第2のコネクタの光導波部を通った光が少なくとも第1の端部から互いに平行な光軸を有する光として出射されるため、第1のコネクタと第2のコネクタとの接続部における光軸を容易に一致させることができ、接続部での光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。
上記の光接続部材では、第1のコネクタは、受発光素子の複数の受発光部と第2のコネクタの複数の光導波部とを接続するコネクタ部材であり、第1の端部及び第2の端部を有する本体部と、本体部内に配置され、第1の端部と第2の端部とを結ぶように延在する複数のコアとを有し、複数のコアそれぞれは、第1及び第2の端部において互いに平行となるように本体部内に配置されているようにしてもよい。この場合、第1のコネクタの複数のコアを通った光が第1及び第2の端部から互いに平行な光軸を有する光として出射されるため、第1のコネクタと受発光素子及び第2のコネクタとの両接続部における光軸を容易に一致させることができ、各接続部での光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。
本発明に係る光モジュールは、上述した何れかの光接続部材と、光接続部材が搭載される基板と、を備えており、光接続部材の第1のコネクタは、第2のコネクタ側に対して受発光素子側の厚さが薄くなる段差部を有し、段差部が基板の端部に搭載されることにより、光接続部材が基板に搭載されていることが好ましい。この場合、第1のコネクタにおいて厚さの薄くなる段差部を基板の端部に搭載させることで光接続部材を基板に搭載しているので、光モジュール全体として小型化(薄型化)を図ることが可能となる。また、第1のコネクタ内にマルチコア導波体(例えばマルチコアファイバ)を配置して固定させる際に接着剤を用いることがあるが、上述したように光受発光素子側の厚みを薄くすることで熱の伝導性をよくし、かかる接着剤を受発光素子側から硬化させ、これにより、受発光素子と第1のコネクタとの光結合のための位置合わせを精度よく行わせることもできる。
本発明によれば、受発光素子とマルチコアファイバなどの複数の光導波部とを接続する光接続部材であって、基板に対する接続構造を備えた光接続部材、及び当該光接続部材を備えた光モジュールを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る光モジュール1について、図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、光モジュール1は、受発光素子10と、第1のコネクタ20と、第2のコネクタ30と、IC14と、基板16とを含んで構成される。IC14は、受発光素子10を駆動させるための駆動ICであり、Au等のボンディングワイヤ18等を介して、受発光素子10に接続される。IC14は基板16に実装されており、IC14の端子が基板16上の回路パターン(不図示)に導通される。受発光素子10と第1及び第2のコネクタ20,30とから光接続部材3が構成される。
受発光素子10は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity SurfaceEmitting Laser)やフォトダイオード(Photo Diode)などの発光素子又は受光素子である。受発光素子10は、図2の(a)に示されるように、二次元状に配列された複数の受発光部10a〜10gを有する。各受発光部10a〜10gは、出射または入射する光の光軸が互いに平行になるように配置され、中心位置に1つ(受発光部10a)及びその周りに60度間隔で6つ(10b〜10g)の計7つの受発光部が互いに等間隔となるように配置される。
本明細書においては、特に区別する必要がない限り、発光素子及び受光素子をまとめて受発光素子と記載するが、受発光素子は発光素子及び受光素子の両方を含んだ素子のみを指すものではなく、両者を統括的に表現する用語として用いており、受発光素子10が発光素子のみから構成されることも、受光素子のみから構成されることもあり得る。受発光部においても同様である。
第1のコネクタ20は、図1〜図3に示されるように、前端面20a及び後端面20bを有し、第2のコネクタ30側に対して受発光素子10側の厚さが薄くなるように形成されたフェルールである。第1のコネクタ20は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)等を主成分とする熱可塑性樹脂などの各種樹脂によって一体成型される。ポリフェニレンサルファイドを主成分とする熱可塑性樹脂は、精密成形性に優れた樹脂であり、精密成形を要するフェルールに好適である。このポリフェニレンサルファイドを主成分とする熱可塑性樹脂は、線膨張係数が小さく、耐熱性にも優れている。第1のコネクタ20は、ポリエーテルイミド(PEI)等から形成されていてもよい。
第1のコネクタ20は、前端部26と後端部28とから構成され、上述したように後端部28に対して前端部26の厚さが薄く、且つ、幅寸法も小さい。これにより、後端部28寄りの前端部26に段差部26aが形成される。前端部26の厚さや幅寸法は、十分な機械的強度が確保可能な範囲で極力薄く形成されることが小型化の観点からは好ましい。第1のコネクタ20の前端部26における上下面は、第1のコネクタ20内に形成される光ファイバ挿入孔21の軸線と平行になるように形成される。
第1のコネクタ20には、前端面20aから後端面20bに向かって直線状に延びる1つの光ファイバ挿入孔21が形成され、光ファイバ挿入孔21の両端が、前端面20a及び後端面20bの略中央部にそれぞれ露出する。光ファイバ挿入孔21には、第1のコネクタ20の後端面20bから、マルチコアファイバ(以下「MCF」と記す)22(マルチコア導波体)が挿入され、例えば接着剤により光ファイバ挿入孔21内に固定される。これにより、MCF22の光軸の軸線と第1のコネクタ20の前端部26の上下面との平行が画定される。挿入した際に光ファイバ挿入孔21からはみ出したファイバ部分は適宜削除される。
MCF22は、図2の(b)及び図3等に示されるように、1つのクラッド内に複数(本実施形態では7つ)のコア22a〜22gが、互いのコアの光軸が平行になるように二次元状に配列された光ファイバである。各コア22a〜22gは、その露出端面20a,20bにおいて、中心位置に1つ(コア22a)及びその周りに60度間隔で6つ(コア22b〜22g)の計7つのコアが互いに等間隔となるように二次元状に配置される。MCF22のコア22a〜22gの間隔と受発光素子10の受発光部10a〜10gの間隔とは同じであり、受発光素子10は、各受発光部10a〜10gの光軸がMCF22の対応する各コア22a〜22gの光軸と一致するように前端面20aに対向して第1のコネクタに搭載される。
MCF22の各コア22a〜22gは、その先端部が略平滑な面に形成され、受発光素子10に過剰な圧力を加えない範囲であれば受発光素子10に接触してもよいが、好ましくは、第1のコネクタ20の前端面20aと同一面上または光ファイバ挿入孔21内へ少し引き込んだ位置に配置される。MCF22は、その先端を斜めに切断したものでもよい。MCF22の先端が斜め(例えば前端面20aに対して8度傾斜)に切断されていると、受発光素子10との光伝送時における光の反射を極力少なくすることができる。また、実装トレランスが拡大されるため、多少の軸ずれを許容することができる。
第1のコネクタ20の前端部26には、その前端面20aに、厚さ方向へ延在する電極(リードフレーム)24が複数設けられる(図1参照)。これらの電極24は、例えば、インサート成型によって第1のコネクタ20の前端面20aに一体的に設けられている(図2及び図3等では省略)。つまり、第1のコネクタ20は、複数の電極24とともに一体成型される。この複数の電極24がAu等のバンプ12を介して受発光素子10(各受発光部10a〜10g)と電気的に接続されると共に、ボンディングワイヤ18を介してIC14に電気的に接続される。これにより、IC14からの駆動信号に応じて受発光素子10の各受発光部10a〜10gの駆動が制御される。
バンプ12による接続は、例えば超音波振動又は熱によってバンプ12を介して受発光素子10と電極24とを接続するフリップチップ実装で行うことが可能である。また、異方性導電フィルム(ACF)を用いて接着することもできる。このように第1のコネクタ20に取り付けられた受発光素子10は、受発光部10a〜10gが第1のコネクタ20のMCF22の露出端の対向位置に配置される。
第2のコネクタ30は、図1及び図4に示されるように、前端面30a及び後端面30bを有し、前端面30aから後端面30bに向かって徐々に幅が広がるように形成されたコネクタである。第2のコネクタ30は、第1のコネクタ20と同様、例えばポリフェニレンサルファイド等を主成分とする熱可塑性樹脂などの各種樹脂によって一体成型される。第2のコネクタ30は、第1のコネクタ20のMCF22と複数の単一の光ファイバ(不図示)等とを接続するものである。このような接続により、受発光素子10からの出射光を両コネクタ20,30を介して一般的な単一の光ファイバ等に入射したり、単一の光ファイバ等からの光を両コネクタ20,30を介して受発光素子10に入射させたりできる。
第2のコネクタ30は、前端面30a側に位置する前端部33と、後端面30b側に位置する後端部34と、前端部33及び後端部34の間に位置する中間部35とを有する。前端部33は、MCF22が挿入された第1のコネクタ20の後端面20bと同様な略矩形形状の端面を有し、その外形が略直方体形状を呈する。後端部34も幅方向に長い略直方体形状を呈し、略矩形形状の端面30bを有する。前端部33及び後端部34の長さはそれぞれ、例えばMCF22のコア径の5倍以上となっており、また、後端部34の幅は、前端部33の幅の5倍以上となっている。
中間部35は、前端部33と後端部34とを繋ぐように前端部33から後端部34にかけて裾広がりとなる形状を呈する。第2のコネクタ30には、前端面30aから後端面30bに向かって、前端部33では直線状に延び、中間部35では中間部35の裾広がり形状に沿って外側に広がり、後端部34で再び直線状となる7つの光ファイバ挿入孔31が形成される(図4では、そのうちの半分を表示)。7つの光ファイバ挿入孔31は厚さ方向において同じ位置に配置される。光ファイバ挿入孔31の一端は、前端面30aにおいてその中央部に露出し、他方、光ファイバ挿入孔31の他端は、後端面30bの厚み方向の略中央に幅方向に等間隔で広がるように露出する。上述した前端部33、後端部34及び中間部35から本体部が構成される。なお、光ファイバ挿入孔31を形成するには、本体部を成形する際に、光ファイバ挿入孔31に対応するピンを内部に含ませておけばよい。
光ファイバ挿入孔31には、第2のコネクタ30の後端面30bから、複数のシングルコアファイバ(以下「SCF」と記す)32(光導波部)がそれぞれ挿入されて、例えば接着剤等により光ファイバ挿入孔31内に固定される。複数のSCF32は、前端部33においてMCF22のコア間距離に等しくなるようにそれぞれクラッド径が細径化されている。また、複数のSCF32は、前端部33及び後端部34において互いの光軸が平行となるように本体部内に配置される。
複数のSCF32は、各光ファイバが第1のコネクタ20の後端面20bに露出するMCF22の各コア22a〜22gに対応するように、つまり互いの光軸が一致するように、その露出端面30aにおいて、中心位置に1つの光ファイバ及びその周りに60度間隔で6つの計7つの光ファイバが互いに等間隔となるように二次元状に(即ち、コアを結ぶ直線が多角形を形成するように)配置される(光ファイバの配置は、図2の(b)と略同じ)。SCF32のファイバ(コア)の間隔と第1のコネクタ20の各コア22a〜22gの間隔とは同じであり、第2のコネクタ30は、各光ファイバ32の光軸が第1のコネクタ20のMCF22の対応する各コア22a〜22gの光軸と一致するように後端面20bに対向して配置される。この第2のコネクタ30により、二次元状の配列となっているコア等の光軸を、一次元状(即ち、コアを結ぶ直線が一直線を形成するように)の配列に変換させることができる。
上述した構成を備えた光接続部材3は、図1に示されるように、基板16に実装されて光モジュール1が形成される。光モジュール1では、光モジュール1を構成する第1のコネクタ20の前端部26(段差部26a)が基板16の端部にボンディング材等によって固定される。このように前端部26を基板16に配置させることにより、光接続部材3が基板16へ実装される。
以上、説明したとおり、本実施形態に係る光接続部材3は、第1及び第2のコネクタ20,30を備えており、第1のコネクタ20の前端面20aに受発光素子10を搭載させる構造になっている。このため、受発光素子10を直接基板16に搭載する必要がなくなり、第1のコネクタ20を基板16に搭載するための接続構造の自由度を高めることが可能となる。
また、光モジュール1を構成する第1のコネクタ20の前端部26における上下面が、上述したように、光ファイバ挿入孔21の軸線(つまりMCF22の光軸)と平行な面にあるので、例えば、前端部26における下面を基板16に配置させることで、極めて容易且つ円滑に平行度を維持しながら第1のコネクタ20を基板16に取り付けることができる。
また、基板16に実装された光接続部材3は、その前端部26の高さが、基板16に実装されたIC14の高さと略同一とされている。これにより、IC14と第1のコネクタ20の電極24とをつなぐボンディングワイヤ18の長さを極力短くできる。これにより、ボンディングワイヤ18における高周波特性を向上させ、電気的ノイズの影響を極力抑えることができる。
また、光接続部材3では、第2のコネクタ30は、第1のコネクタ20のMCF22と複数の単一の光ファイバとを接続するコネクタ部材であり、第1のコネクタ20側の前端面30a及び複数の単一の光ファイバ側の後端面30bを有する本体部と、本体部内に配置され、前端面30aと後端面30bとを結ぶように延在する複数のSCF32とを有し、複数のSCF32それぞれは、前端部33及び後端部34において互いに平行となるように本体部内に配置されている。このため、第2のコネクタ30のSCF32を通った光が前端面30a及び後端面30bから互いに平行な光軸を有する光として出射されるため、第1のコネクタ20等と第2のコネクタ30との接続部における光軸を容易に一致させることができ、接続部での光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。
また、光モジュール1は、光接続部材3と、光接続部材3が搭載される基板16とを備えており、光接続部材3の第1のコネクタ20は、第2のコネクタ30側に対して受発光素子10側の厚さが薄くなる段差部26aを有しており、段差部26aが基板16の端部に搭載されることにより、光接続部材3が基板16に搭載されている。第1のコネクタ20において厚さの薄くなる段差部26aを基板16の端部に搭載させることで光接続部材3を基板16に搭載しているので、光モジュール1全体として小型化(薄型化)を図ることが可能となる。
また、第1のコネクタ30内にMCF22を配置して固定させる際に接着剤を用いた場合には、受発光素子10側の厚みが薄くなっているので外部からの熱の伝導性がよくなり、接着剤を受発光素子側から硬化させることもできる。そして、これにより、受発光素子10と第1のコネクタ20との光結合のための位置合わせを精度よく行うことができる。
また、上述した光接続部材3では、第1のコネクタ20のマルチコア導波体として、1つの光ファイバの中に複数のコアが配置されたMCF22を用いていたが、図5に示されるように、これに代えて、後端面40bから前端面40aに向かって複数のコア42a〜42g間の距離が徐々に拡大されるコネクタ40を用いてもよい。この場合、前端面40a側に受発光素子10が搭載され、後端面40b側に第2のコネクタ30が接続される。この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
(第2実施形態)
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る光モジュール1Aについて図6を参照しながら説明する。第2実施形態では、第1及び第2のコネクタの構成が第1実施形態と相違している。以下、第1実施形態と相違する点を中心として説明する。
図6に示すように、光モジュール1Aは、受発光素子10と、第1のコネクタ50と、第2のコネクタ60と、IC14と、基板16とを含んで構成される。
第1のコネクタ50は、図6〜図9に示されるように、前端面50a及び後端面50bを有し、前端面50aから後端面50bに向かって徐々に幅が広がるように形成されたフェルールである。第1のコネクタ50は、例えばポリフェニレンサルファイド等を主成分とする熱可塑性樹脂などの各種樹脂によって一体成型される。
第1のコネクタ50は、前端面50a側に位置する前端部53と後端面50b側に位置する後端部54とから構成され、後端部54に対して前端部53の厚さが薄く、且つ、幅寸法も小さく、これにより、後端部54寄りの前端部53に段差部53aが形成される。前端部53の厚さや幅寸法は、十分な機械的強度が確保可能な範囲で極力薄く形成されることが小型化の観点からは好ましい。第1のコネクタ50の前端部53における上下面は、第1実施形態と同様、第1のコネクタ50内に形成される光ファイバ挿入孔51の軸線と平行になるように形成され、第1実施形態と同様な手法で第1のコネクタ50が基板16に固定される。
前端部53は、略矩形形状の前端面50aを有し、その外形が略直方体形状を呈する。後端部54も幅方向に長い略直方体形状を呈し、略矩形形状の端面50bを有する。前端部53及び後端部54の長さはそれぞれ、例えば内蔵コア52のコア径の5倍以上となっており、また、後端部54の幅は、前端部53の幅の5倍以上となっている。
第1のコネクタ50は、さらに、図7に示されるように、前端部53及び後端部54の間に位置する中間部55を有する。中間部55は、前端部53と後端部54とを繋ぐように前端部53から後端部54にかけて裾広がりとなる形状を呈する。第1のコネクタ50には、前端面50aから後端面50bに向かって、前端部53では直線状に延び、中間部55では中間部55の裾広がり形状に沿って外側に広がり、後端部54で再び直線状となる7つの光ファイバ挿入孔51が形成される(図7では、そのうちの半分を表示)。7つの光ファイバ挿入孔51は厚さ方向において同じ位置に配置される。光ファイバ挿入孔51の一端は、図8に示されるように、前端面50aにおいてその中央部に露出し、他方、光ファイバ挿入孔51の他端は、図9に示されるように、後端面50bの厚み方向の略中央に幅方向に等間隔で広がるように露出する。上述した前端部53、後端部54及び中間部55から本体部が構成される。
光ファイバ挿入孔51には、第1のコネクタ50の後端面50bから、複数のシングルコアファイバ(以下「SCF」と記す)52がそれぞれ挿入されて、例えば接着剤により光ファイバ挿入孔51内に固定される。複数のSCF52は、前端部53において受発光素子10の各受発光部10a〜10g間の距離に等しくなるようにそれぞれクラッド径が細径化される。複数のSCF52は、前端部53及び後端部54において互いの光軸が平行となるように本体部内に配置される。SCF52が前端部53及び後端部54において互いの光軸が平行となるようにSCF52の端部それぞれを保持固定する部材を別途設け、本体部内に内包させてもよい。この場合には、より確実にSCF52の平行度が維持される。第1実施形態の第2のコネクタ30でも同様の構成を採用してもよい。
複数のSCF52は、各光ファイバが受発光素子10の各受発光部10a〜10gに対応するように、つまり互いの光軸が一致するように、その露出端面50aにおいて、中心位置に1つの光ファイバ及びその周りに60度間隔で6つの計7つの光ファイバが互いに等間隔となるように二次元状に配置される。SCF52のファイバ(コア)の間隔と各受発光部10a〜10gの間隔とは同じであり、第1のコネクタ50は、各光ファイバ52の光軸が対応する受発光部10a〜10gの光軸と一致するように、受発光素子10に対向して配置される。このような第1のコネクタ50により、二次元状の配列(即ち、コアを結ぶ直線が多角形を形成するような配列)となっている受発光素子10の受発光部10a〜10gの光軸を、一次元状の配列(即ち、コアを結ぶ直線が一直線を形成するような配列)に変換させることができる。受発光素子10は、第1実施形態と同様、第1のコネクタ50の前端面50aに搭載されてIC14等に接続される。
第2のコネクタ60は、図6に示されるように、MTコネクタと呼ばれるもので、複数のSCF63が一次元状に幅方向に配列されたコネクタである。複数のSCF63は、前端面64a側でその先端が露出しており、第1のコネクタ50の後端面50bに露出したSCF52にそれぞれ対応、すなわち光軸が一致するように配置される。これにより、第2のコネクタ60のSCF63は、第1のコネクタ50のSCF52と光接続される。第2のコネクタ60の前端面64aには、第1のコネクタ50を取り付けるためのガイドピン65が設けられており、ガイドピン65の間に、上述した7つのSCF63の先端が所定のピッチで横一列に露出する。SCF63もSCF52と同様に前端部64においては、互いに光軸が平行となるように配置される。
上述した構成を備えた光接続部材3Aは、第1実施形態と同様に、基板16に実装されて光モジュール1Aが形成される。光モジュール1Aでは、光モジュール1Aを構成する第1のコネクタ50の前端部53(段差部53a)が基板16の端部にボンディング材等によって固定される。このように前端部53を基板16に配置させることにより、光接続部材3Aが基板16へ実装される。
以上、説明したとおり、本実施形態に係る光接続部材3Aは、第1実施形態と同様に、第1及び第2のコネクタ50,60を備えており、第1のコネクタ50の前端面50aに受発光素子10を搭載させる構造になっている。このため、受発光素子10を直接基板16に搭載する必要がなくなるため、第1のコネクタ50を基板16に搭載するための接続構造の自由度を高めることが可能となる。第1実施形態のその他の効果も同様に奏することができる。
また、第1のコネクタ50は、受発光素子10の複数の受発光部10a〜10gと第2のコネクタ60のSCF63とを接続するコネクタ部材であり、前端面50a及び後端面50bを有する本体部と、本体部内に配置され、前端面50aと後端面50bとを結ぶように延在する複数のSCF52とを有し、複数のSCF52それぞれは、前端部53及び後端部54において互いに平行となるように本体部内に配置される。このため、第1のコネクタ50の複数のSCF52を通った光が両端部53,54から互いに平行な光軸を有する光として出射され、第1のコネクタ50と受発光素子10及び第2のコネクタ60との両接続部における光軸を容易に一致でき、各接続部での光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、種々の変形を適用できる。例えば、第1実施形態では、第2のコネクタとして二次元状に配列された光軸を一次元状に配列させる第2のコネクタ30を用いたが、これに代えて、単芯のマルチコアファイバが内蔵されたコネクタを用いて、第1のコネクタ20にそのまま光結合させるようにしてもよい。また、多芯のマルチコアファイバが内蔵されたコネクタを用いてもよい。また、上記実施形態で用いられるマルチコアファイバの外形に凸部や凹部や切欠き部を設けて、二次元状に配列されるマルチコアファイバの回転角を必要な角度に規定するようにしてもよい。更に、第1実施形態では、第2のコネクタのSCF32が後端面30bまでとなっているが、SCF32が後端面30bから十分な長さを持って延出するようにしてもよい。その他、本発明の範囲を逸脱しない範囲で各構成を適宜改良することができる。
1,1A…光モジュール、3,3A…光接続部材、10…受発光素子、10a〜10g…受発光部、16…基板、20,40,50…第1のコネクタ、22…マルチコアファイバ、26a,53a…段差部、30,60…第2のコネクタ、32,52,63…シングルコアファイバ。
Claims (6)
- 複数の受発光部を二次元状に配列した受発光素子と、
前記受発光素子が第1の端部に搭載され、前記第1の端部において前記受発光素子の二次元状に配列された前記複数の受発光部に対応するように複数のコアが配列されたマルチコア導波体を有する第1のコネクタと、
前記第1のコネクタの第2の端部に露出する前記マルチコア導波体の前記複数のコアに対応する配列を有して一端が露出する複数の光導波部を有し、前記マルチコア導波体の各コアと前記複数の光導波部とが光接続されている第2のコネクタと、
を備えることを特徴とする光接続部材。 - 前記第1のコネクタの前記マルチコア導波体は、1つの光ファイバの中に前記複数のコアが配置されたマルチコアファイバであることを特徴とする請求項1に記載の光接続部材。
- 前記第1のコネクタの前記マルチコア導波体では、前記第2の端部から前記第1の端部に向かって前記複数のコア間の距離が拡大されていることを特徴とする請求項1に記載の光接続部材。
- 前記第2のコネクタは、前記第1のコネクタの前記マルチコア導波体と複数の単一の光ファイバとを接続するコネクタ部材であり、
前記第1のコネクタ側の第1の端部及び前記複数の単一の光ファイバ側の第2の端部を有する本体部と、
前記本体部内に配置され、前記第1の端部と前記第2の端部とを結ぶように延在する前記複数の光導波部とを有し、
前記複数の光導波部それぞれは、少なくとも前記第1の端部において互いに平行となるように前記本体部内に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の光接続部材。 - 前記第1のコネクタは、前記受発光素子の前記複数の受発光部と前記第2のコネクタの前記複数の光導波部とを接続するコネクタ部材であり、
前記第1の端部及び前記第2の端部を有する本体部と、
前記本体部内に配置され、前記第1の端部と前記第2の端部とを結ぶように延在する前記複数のコアとを有し、
前記複数のコアそれぞれは、前記第1及び第2の端部において互いに平行となるように前記本体部内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の光接続部材。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の光接続部材と、
前記光接続部材が搭載される基板と、を備えており、
前記光接続部材の前記第1のコネクタは、前記第2のコネクタ側に対して前記受発光素子側の厚さが薄くなる段差部を有しており、前記段差部が前記基板の端部に搭載されることにより、前記光接続部材が前記基板に搭載されていることを特徴とする、光モジュール。
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JP2012088788A JP2013218119A (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | 光接続部材及び光モジュール |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014017451A (ja) * | 2012-07-11 | 2014-01-30 | Fuji Xerox Co Ltd | 光伝送システム及び面発光型半導体レーザ |
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2012
- 2012-04-09 JP JP2012088788A patent/JP2013218119A/ja active Pending
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