JP3929968B2 - 光コネクタ - Google Patents
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Description
ところで、近時、光電複合回路、光電気混載基板の要求が高まるにつれ、光素子の光軸が基板に沿った接続方式の光トランシーバは、光コネクタの取付位置に各種制約があるため、光接続回路や回路基板の設計自由度が制限されてしまい、さらに基板の小型化が困難という問題が生じている。
図5は、この光トランシーバに用いられる光コネクタの一例を示す概略構成図である。この光コネクタ110は、概略、接合面110aに臨んでコネクタ本体111に凹所111cに形成され、位置決め溝111aによって位置決めされた光ファイバ115aの端面115bが前記凹所111cに臨んで配置され、前記凹所111cに接着剤114が充填され、さらにコネクタ本体111の凹所111cおよび該凹所111cに臨む前記光ファイバ115の先端部を覆うように前記コネクタ本体111に接してカバー板112が取り付けられて構成されている。カバー板112は、ガラス板などであり、透光性を有する。さらに、凹所111cには、光ファイバ115aの端面115bに対向して反射面111dが形成されている。この光トランシーバは、光コネクタ110を、接合面110aが光素子などの光入出端(図示略)に対向させることにより、反射面111dを介して、光ファイバ115と前記光入出端との間に光路が形成されるようになっている。符号113は、位置決め用のピンである。
この光コネクタにおいては、接着剤溜め部は、光コネクタが前記光入出端と接合される接合面側に設けることができる。この場合、接着剤溜め部を、反射面を有する凹所と同じ側に形成することができるので、コネクタ本体の成形上、有利である。また、光コネクタの側面や裏面の設計の自由度を確保でき、光入出端を有する回路基板等に対して光コネクタを位置決めしたり固定したりするための各種構成を光コネクタの側面や裏面等に設ける場合に、接着剤溜め部の配置が障害となりにくい。
この場合、コネクタ本体は、前記カバー板を位置決めするためのカバー板位置決め手段を有することが好ましい。これにより、カバー板の位置がずれて接着剤溜め部の上を覆ってしまうことが防止され、接着剤溜め部に接着剤の界面を確保することができる。
図1は、本発明の光コネクタの一例を示す(a)平面図、および(b)正断面図である。図2は、図1の光コネクタの凹所近傍の部分拡大図であり、光コネクタを光素子と対向させた状態を示す断面図である。図3は、光コネクタが光電変換モジュールに接続される様子を示す正面図である。
図1〜図3において、符号1は回路基板、符号2は光電変換モジュール、符号3は光素子、符号10は光コネクタ、符号15は光ファイバである。光コネクタ10を光電変換モジュール2に接続したものは、例えば光トランシーバとして用いることができる。
光素子3の光軸は、回路基板1に対して垂直の方向となっており、光素子3の光入出端3aは、光電変換モジュール2の回路基板1と反対側の上方(図3の上方)に向けられている。ここで、光素子3の光入出端3aとは、例えば発光素子では発光面(出射端)であり、受光素子であれば受光面(入射端)である。なお、光入出端3aは、光素子3の発光面または受光面に限定されるものではない。一般に、光の入射端面または出射端面であればよく、例えば、回路基板1に垂直に配置された光ファイバの端面等でありうる。
なお、特に図示しないが、例えば、基板や光電変換モジュール2などから突設させて対向配置された一対のバネ(押さえ込み部材)を設け、該バネ同士が互いに近づいて閉じる方向に弾発するようにし、コネクタ接続の際に、光コネクタ10を前記一対のバネの間に挟み込むようにしてもよい。上記押さえ込み部材が光コネクタ10を押さえ込む位置は、例えば、光コネクタ10の接合面10aと反対側の背面10bや、あるいは側面10sなどの他の面(図1,図3参照)などにおくことが可能である。このように光コネクタ10を光電変換モジュール2に向けて押さえ込む機構を設けた場合、光コネクタ10の接合面10aと光電変換モジュール2の接合面2aとの当接が一層確実になり、光接続の状態を長期的に安定して維持することができる。
この他、光コネクタ10と光電変換モジュール2とを光接続状態に保持する機構は、各種構成が採用可能である。
本実施の形態例の光コネクタ10では、カバー板12の表面と、コネクタ本体11の上面(以下、これをコネクタ本体11の接合面11uということがある)とが同一面になっており、この面が光コネクタ10の接合面10aとなるようになっている。
なお、位置決め溝11aとしては、V溝、半円状の溝、U溝などである。位置決め溝11aは、光コネクタ10のコネクタ本体11に形成する構成に限定されず、カバー板12に形成する構成、コネクタ本体11とカバー板12との両方に向かい合わせの位置に形成する構成も採用可能である。
また、光ファイバ15としては、多心テープ光ファイバ心線に限定されず、例えば、単心の光ファイバ心線等、各種構成が採用可能である。
ここで、「光ファイバ15aの端面15bが凹所11cに臨んで配置されている」とは、光素子3の光入出端3aと光ファイバ15aの端面15bとの間の光路4が、凹所11cを通って形成され得るような配置であることをいう。図1には、光ファイバ15aの端面15bが位置決め溝11aから突出し、凹所11c内に進入しているように図示されているが、特にこれに限定するものではない。例えば、光ファイバ15aの端面15bの位置が、凹所11cと位置決め溝11aの境界部付近、または該境界部より位置決め溝11a側(図1での左側)の位置であっても構わない。
なお、反射面11dとしては、コネクタ本体11の凹所11cの内壁面に直接金属蒸着膜を形成した構成に限定されず、例えば成膜済みのチップを凹所11cに組み込む構成なども採用可能である。また、反射面11dの傾斜角度は、45°に限定されるものではなく、光ファイバ15aの光軸と光素子3の光軸の交差角度により、光ファイバ15aと光素子3とが光接続されるような角度であればよい。
なお、カバー板位置決め手段は、接着剤溜め部16に対してカバー板12を位置決めして、接着剤14が外気との界面14aを確保できるようにするものであれば、その構成は何ら限定されるものではない。他の例としては、例えば、図4に示すように、凹所11cの長手方向に延びる接着剤溜め部16の両端部に、カバー板位置決め手段17が形成されているような構成が例示される。
この場合、光ファイバ15aと光素子3との間を通る光、特に、反射面11dと光素子3との間をとおる光は、接着剤14およびカバー板12を透過する必要がある。このため、接着剤14およびカバー板12は、光が散乱や吸収等による損失が殆ど生じることなく透過できるような光学特性(透光性)を有する。
ここで、カバー板12や接着剤14の材質について、透光性を有するとは、少なくとも使用波長帯において光の減衰や損失の発生が実用的に問題のない程度に低い材料であることをいう。
接着剤14としては、例えばエポキシ系などの光学接着剤を用いることができ、その種類も、UV硬化型、熱硬化型など、種々のものが採用可能である。
接着剤溜め部16が、反射面11d付近に設けられているので、反射面11d付近に位置する接着剤14の気泡等の欠陥の発生を防止することができ、光路4の損失増大を抑制する点で効果が大きい。
例えば、接着剤溜め部は、コネクタ本体とカバー板との間に充填される接着剤をはみ出させて外気に触れるようにする構造であれば、その配置や形状などは、特に限定されるものではない。
本発明の光コネクタと光接合される光素子などの光入出端は、回路基板に実装されたものである必要はない。また、光コネクタが光入出端と光結合されたときの姿勢は、光コネクタの接合面を下向きにした姿勢に限定されることはなく、例えば接合面が鉛直方向の上向き、あるいは水平方向に向いた姿勢などであっても差し支えない。
Claims (3)
- 光入出端に対して光ファイバをコネクタ接続可能に成端する光コネクタであって、
前記光ファイバの先端部が固定されるコネクタ本体は、カバー板が取り付けられる取付面と、この取付面から窪んだ形状の凹所を有し、この凹所は、前記コネクタ本体に接着されたカバー板によって覆われており、
前記凹所は、前記光ファイバの端面と前記光入出端とを光学的に接続する光路を形成するための反射面を有し、前記反射面は、前記光ファイバの光軸の延長上にあって、かつ該光ファイバの光軸に対して傾斜しており、
前記カバー板の表面は、光コネクタが前記光入出端と接合される接合面となっており、前記光路は、前記反射面と前記光入出端との間の部分が、前記カバー板を通っており、
前記コネクタ本体の前記接合面側には、前記凹所から連通して、前記カバー板を避けたところに開口した接着剤溜め部が設けられ、前記コネクタ本体と前記カバー板とを接着する接着剤が、前記接着剤溜め部まで達して充填されて前記光コネクタ外部の外気に露出されていることを特徴とする光コネクタ。 - 前記光ファイバの光軸に対する前記反射面の傾斜角度が45°であることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
- 前記コネクタ本体は、前記カバー板を位置決めするためのカバー板位置決め手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタ。
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