JP3995966B2 - 塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂及び塗料・インク組成物 - Google Patents

塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂及び塗料・インク組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化防止剤を全く使用しなくてもポリビニルアセタール樹脂自身の着色を抑制することができる塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂、及び、色調や長期間保存したときの粘度安定性等に優れた塗料・インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗料及びインクは、バインダー樹脂により着色剤及びその他の用途に応じた添加剤が溶剤に添加されたものである。ポリビニルアセタール樹脂は、造膜性、顔料分散性、塗布面への接着性、アルコール可溶性等に優れた性質を有することから、塗料及びインク分野においてバインダー樹脂として用いられている。
【0003】
ポリビニルアセタール樹脂は、通常、ポリビニルアルコールに対して酸触媒を用い、アルデヒドを反応させることにより作製される。しかし、この方法によると、ポリビニルアセタール樹脂中にアルデヒドが残存するため、アルデヒドの酸化物やアルデヒド同士の反応物が生じてポリビニルアセタール樹脂が着色してしまい、得られる塗料・インク組成物の色調に変化を与えたり、長期間保存したときに粘度が大きくなったりする等の問題があった。
【0004】
また、ポリビニルアセタール樹脂は多くの顔料の分散性に優れるものの、一部の顔料、例えば赤色のカーミン系顔料等に対しては必ずしも分散性のよい樹脂とはいえず、顔料の分散が不充分だと光沢がでにくいため、使用できないことがあった。
【0005】
また、ポリビニルアルコールをアセタール化してポリビニルアセタールを作製する際には、通常、アルデヒドの酸化防止のため、また、得られるポリビニルアセタール樹脂の酸化防止及び耐熱性向上のため、反応系又は樹脂中に酸化防止剤が添加される。しかし、酸化防止剤は、得られる塗料・インク組成物の顔料の分散性を低下させるほか、食品や医薬品等の包装用のインクとして使用するためには安全性の点で問題があることから、酸化防止剤の使用量を極力抑える必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、酸化防止剤を全く使用しなくてもポリビニルアセタール樹脂自身の着色を抑制することができる塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂、及び、色調や長期間保存したときの粘度安定性等に優れた塗料・インク組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応により合成されたポリビニルアセタール樹脂であって、重合度が100〜3000、残存アセチル基の割合が25mol%以下、残存水酸基の割合が17〜35mol%であり、残存アルデヒドの含有量が100ppm以下、酪酸及び/又は酢酸の含有量が500ppm以上であり、かつ、酸化防止剤が全く残存していない塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂である。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂は、重合度が100〜3000、残存アセチル基の割合が25mol%以下、残存水酸基の割合が17〜35mol%である。
重合度が100〜3000であると、得られる塗料・インク組成物は、顔料が分散しやすく、塗膜強度が大きくなり、しかも塗工しやすくなる。好ましくは200〜1000である。
【0009】
残存アセチル基の割合が25mol%を超えると、得られる塗料・インク組成物は、長期間保存中に粘度が変化し、塗膜同士がブロッキングを起こしやすくなり画像が不鮮明になる。好ましくは15mol%以下である。
【0010】
残存水酸基の割合が17mol%未満であると、得られる塗料・インク組成物において顔料が分散しにくくなって沈降し、また、保存中に粘度も上昇してしまい、35mol%を超えると、得られる塗料・インク組成物の塗膜の耐水性及び溶剤への溶解性が不充分となる。好ましくは19〜35mol%である。
【0011】
なお、本明細書においては、上記残存アセチル基の割合及び残存水酸基の割合は、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が原料となるポリアルコール樹脂の2つの水酸基をアセタール化して形成されていることから、アセタール化された2つの水酸基を数える方法によりアセタール化度(mol%)を算出し、得られたアセタール化度をもとに計算して求めた。
【0012】
本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂は、下述のように、酸触媒を用いたポリビニルアルコールとアルデヒドのアセタール化反応により合成されることから、樹脂中に未反応のアルデヒド及び酸が残存する。この残存アルデヒドが酸化又はアルドール化されることによってカルボン酸又はアルドールを生成し、これが樹脂の着色の原因となり、また、塗料・インク組成物としたときに長期間の保存中の粘度上昇や悪臭の原因にもなると考えられる。したがって、本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂においては、残存アルデヒドの含有量を減らすことが樹脂の着色や悪臭の発生の問題を解決する有効な手段となる。
【0013】
本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂は、残存アルデヒドの含有量が100ppm以下である。100ppm以下であると、樹脂の着色や塗料・インク組成物としたときの保存中の粘度上昇や悪臭を効果的に抑制することができる。
【0014】
しかし、残存アルデヒドが酸化されてなる酪酸又は酢酸は、塗料・インク組成物としたときに、特に赤色のカーミン系の顔料等の分散性を向上させる役割を有することから、残存アルデヒドの含有量を抑える一方で、酪酸又は酢酸の含有量を一定以上にする必要がある。本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂は、酪酸及び/又は酢酸を500ppm以上含有する。上記酪酸及び酢酸は、上記アルデヒドが酸化して生じたものであってもよいし、別に添加してもよい。
【0015】
本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂は、酸化防止剤が全く残存していない。上述のように本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂は、残存アルデヒドの含有量が100ppm以下であるので、残存アルデヒドの酸化を防止するための酸化防止剤を添加しなくても、樹脂の着色等が起こることがない。
【0016】
本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応により作製する。また、ポリ酢酸ビニル溶液に酸触媒を添加し、ケン化反応によって得られたポリビニルアルコールに、更にアルデヒドを添加することにより作製してもよい。
上記アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド等の脂肪族飽和アルデヒド;ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等の芳香族アルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセタール化反応に優れるn−ブチルアルデヒド又はアセトアルデヒドが好適に用いられる。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0017】
本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂を作製する具体的な方法としては特に限定されず、例えば、水溶液中、アルコール溶液中、水/アルコール混合液中、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中等で、上記ポリビニルアルコールと上記アルデヒドとを酸触媒を用いて反応させることにより作製する方法等が挙げられる。
【0018】
上記酸触媒としては特に限定されず、有機酸又は無機酸の何れもが使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。
また、上記反応を停止させるために通常アルカリ中和を行うが、その際使用されるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
【0019】
上記反応により得られたポリビニルアセタール樹脂中の残存アルデヒドの含有量を低減するためには、得られたポリビニルアセタール樹脂の洗浄を多量の水で繰り返し行うことが好ましい。
【0020】
本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂は、分子内に多くの水酸基を含有し、この水酸基が顔料の吸着性を高めるとともに、充分量含有する酪酸及び/又は酢酸により赤色のカーミン系顔料の分散性も高いため、塗料・インク組成物としたときの保存安定性が非常に高くなる。更に、酸化防止剤を全く含有しないにも係わらず、樹脂が着色することがない。
【0021】
本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂を用いてなる塗料・インク組成物もまた、本発明の1つである。
本発明の塗料・インク組成物は、本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂に顔料及び溶剤、更に必要に応じて、接着促進剤、接着遅延剤、可塑剤、ワックス、相溶化剤、界面活性剤、分散剤、タック剤等を添加することにより作製することができる。
【0022】
上記顔料としては特に限定されず、例えば、カーボンブラック、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、酸化チタン顔料等が挙げられる。
上記溶剤としては特に限定されないが、環境問題の観点から、エタノール等のアルコールや酢酸エチル等のエステル等が好適である。
【0023】
本発明の塗料・インク組成物における本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂の配合量としては特に限定されないが、5〜25重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜20重量%である。また、上記顔料としては濃縮タイプの塗料・インク組成物の場合で20〜30重量%、最終の塗料・インク組成物では10〜15重量%含有することが好ましい。
【0024】
本発明の塗料・インク用組成物は、本発明の塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂からなることにより、色調や長期間保存したときの粘度安定性等に優れたものである。また、酸化防止剤を全く含有しないことから、食品や医薬品等の包装用のインクとしても使用することができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
5Lのセパラブルフラスコ中でポリビニルアルコール(重合度230、ケン化度99.0mol%)280gを3200gの蒸留水に加熱溶解させた後、この溶液を0℃に保ち、これに35重量%塩酸82gを添加し、更にn−ブチルアルデヒド150gを加えた。n−ブチルアルデヒドを加えてから1時間後に溶液の温度を25℃まで昇温して4時間反応させた。
反応終了後、得られた樹脂を蒸留水にて洗浄し、水洗後の樹脂を蒸留水に再分散させ、水酸化ナトリウムを添加して分散液のpHを7に調整した。この分散液を40℃に昇温し、5時間この状態に保持した後常温まで冷却した。
次に、得られた樹脂を固形分に対し500倍量の蒸留水で洗浄し、更に、水洗された樹脂を蒸留水に再分散させ、40℃で5時間保持した後、再度、500倍量の蒸留水で水洗し、脱水した後、乾燥して白色粉末状のポリビニルアセタール樹脂を得た。
【0027】
得られたポリビニルアセタール樹脂を1H−NMR測定(DMSO−d6中)した結果、ブチラール化度は70.3mol%、残存水酸基の割合は28.7mol%、残存アセチル基の割合は1.0mol%であった。
このポリビニルアセタール樹脂に、酪酸の含有量が700ppmとなるように酪酸を加えた。
【0028】
更に、40℃で2カ月間放置したポリビニルアセタール樹脂11gを255mLのガラス容器に秤取り、エタノール64gを加えて溶解した後、ローダミン(赤色顔料)25g及びガラスビーズ100gを加え、攪拌機で2時間攪拌してインクを作製した。
【0029】
(実施例2)
樹脂の洗浄を固形分に対して100倍量の蒸留水で2回行ったこと以外は、実施例1と同様にして白色粉末状のポリビニルアセタール樹脂を得、このポリビニルアセタール樹脂に、残存酪酸の含有量が700ppmとなるように酪酸を加えた。
更に実施例1と同様の方法により,インクを作製した。
【0030】
(実施例3)
実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂を得た後、残存酪酸の含有量が1000ppmとなるように酪酸を加えた。
更に実施例1と同様の方法により,インクを作製した。
【0031】
(比較例1)
樹脂の洗浄を固形分に対して20倍量の蒸留水で2回行ったこと、及び、酪酸を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂を得、更にインクを作製した。
【0032】
実施例1〜3及び比較例1で作製したポリビニルアセタール樹脂について、下記の方法により残存アルデヒド及び酪酸の含有量、臭気を評価し、また、実施例1〜3及び比較例1で作製したインクについて、経時変化及び光沢を評価した。結果を表1に示した。
【0033】
(ポリビニルアセタール樹脂中の残存アルデヒド及び酪酸の含有量の測定)
測定機器として島津製作所社製のヘッドスペースガスクロマトグラフ(GC SIMADZU GC−14A)及びHS GL SCIENCE Headspace Auto sampler 7000Hを用い、検出器をFID、カラムをTC−WXとして、HS条件を20℃、10分間、サンプル量0.50gの条件にて残存アルデヒド及び酪酸の含有量を測定した。
【0034】
(ポリビニルアセタール樹脂の臭気の評価)
官能試験により臭いの有無を確認した。
【0035】
(インクの経時変化の評価)
インク作製1日後及び7日後の粘度をB型回転粘度計で測定し、下記式より粘度の経時変化(%)を算出した。
経時変化(%)={(7日後の粘度−1日後の粘度)/1日後の粘度}×100
【0036】
(インクの光沢の評価)
インクをバーコーターによりPETフィルム上に厚さ4〜5μmとなるように塗布した後、70度反射率の測定を行い、対光沢基準面に対する光沢(%)を算出した。
【0037】
【表1】
Figure 0003995966
【0038】
表1より、実施例1〜3で作製したポリビニルアセタール樹脂は水洗により、残存アルデヒドの含有量が少なく、これにより得られたインクの粘度の経時変化も小さく保存安定性に優れていた。また、一方で酪酸を充分量加えたことにより、得られたインクはカーミン系の顔料の分散性が大幅に向上し、粘度の経時変化が少なく、高い光沢性を示した。
これに対して、比較例1で作製したポリビニルアセタール樹脂は、不充分な洗浄によって残存アルデヒドの含有量が多くなり、得られたインクの粘度の経時変化が大きく、安定性に劣り、また、酪酸の含有量が少ないことによりカーミン系顔料の分散性が低く、光沢性に劣った。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、酸化防止剤を全く使用しなくてもポリビニルアセタール樹脂自身の着色を抑制することができる塗料・インク用ポリビニルアセタール樹脂、及び、色調や長期間保存したときの粘度安定性等に優れた塗料・インク組成物を提供できる。

Claims (2)

  1. 赤色のカーミン系顔料、溶剤及びポリビニルアセタール樹脂組成物を含有する塗料であって、
    前記ポリビニルアセタール樹脂組成物は、重合度が100〜3000、残存アセチル基の割合が25mol%以下、残存水酸基の割合が17〜35mol%であり、残存アルデヒドの含有量が100ppm以下、酪酸及び/又は酢酸の含有量が500ppm以上であり、かつ、酸化防止剤が全く残存していないものである
    ことを特徴とする塗料。
  2. 赤色のカーミン系顔料、溶剤及びポリビニルアセタール樹脂組成物を含有するインクであって、
    前記ポリビニルアセタール樹脂組成物は、重合度が100〜3000、残存アセチル基の割合が25mol%以下、残存水酸基の割合が17〜35mol%であり、残存アルデヒドの含有量が100ppm以下、酪酸及び/又は酢酸の含有量が500ppm以上であり、かつ、酸化防止剤が全く残存していないものである
    ことを特徴とするインク。
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