JP3822295B2 - 自動取引装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、金融機関において、利用者の操作により入金取引や出金取引などの通貨の取引を自動的に行なう現金自動支払機や現金自動預出金機などの自動取引装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、たとえば、銀行などの金融機関において、現金自動支払機や現金自動預出金機などの自動取引装置の普及は目覚ましく、銀行営業店業務の70%近くを自動取引装置で処理するまでになっている。そのために、当初は単純な入金や出金取引だけであったものが、振込み、振替取引や、公共料金の収受取引など、より複雑な取引に業務が拡大されている。
【0003】
ところで、従来は窓口を利用していただいていた視覚障害などを持つ利用者も、土曜日、日曜日は、窓口は開いていないし、通常日であっても、自動取引装置を使いたい、銀行としても使って貰いたいというニ−ズが広がっている。
【0004】
最近の自動取引装置は、上記したように、複雑な取引業務をこなすために、通帳口、カ−ド口、紙幣口、硬貨口などの各媒体入口がそれぞれ操作面の各位置に配置されていて、それらがどこに配置されているか、視覚障害の利用者は記憶しなければならない。しかも、自動取引装置の製造メ−カごとに、各媒体入口の配置は異なるので、これをそれぞれ覚えることが困難であった。それに対応するために、最近、一部の金融機関では、各媒体入口の近傍に点字で表示することが始められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各媒体入口の位置をあらかじめ覚えている視覚障害者は、自分自身を自動取引装置の中心に置かないと、各媒体入口の位置を間違ってしまう恐れがあった。また、メーカごとに各媒体入口の配置が異なる場合は、他の人に媒体入口の位置を教えてもらう必要があった。さらに、点字による案内は、自動取引装置の操作面全体を手で撫でまわさないと、その点字のあり場所が分からないと言う問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、視覚障害者が容易に自分自信の位置を本装置の中心に置くことができ、かつ、操作面全体を手で撫でまわすことなく、各媒体入口の位置を正確かつ容易に探すことができ、晴眼者の操作性も損うことのない自動取引装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動取引装置は、取引媒体を受入れたり放出したりするための複数の媒体入口が設けられた第1の操作面と、取引に係るキー操作や操作案内などを行なうための操作部が設けられた第2の操作面とを有し、これら第1の操作面および第2の操作面において利用者が所定の操作を行なうことにより、前記取引媒体の受入れや放出を伴う所定の取引を自動的に行なう自動取引装置において、前記第2の操作面に設けられ、利用者が前記第2の操作面の中央部に位置していることを触覚により識別可能な凹凸状の第1の絵記号と、前記第2の操作面の前記第1の絵記号の両側部に前記複数の媒体入口とそれぞれ対応して設けられ、利用者が触覚により識別可能な凹凸状の複数の第2の絵記号とを具備している。
【0008】
また、本発明の自動取引装置は、取引媒体を受入れたり放出したりするための複数の媒体入口が設けられた第1の操作面と、取引に係るキー操作や操作案内などを行なうための操作部が設けられた第2の操作面とを有し、これら第1の操作面および第2の操作面において利用者が所定の操作を行なうことにより、前記取引媒体の受入れや放出を伴う所定の取引を自動的に行なう自動取引装置において、前記第2の操作面に設けられ、利用者が前記第2の操作面の中央部に位置していることを視覚により識別可能な第1の着色マークと、前記第2の操作面の前記第1の着色マークの両側部に前記複数の媒体入口とそれぞれ対応して設けられ、利用者が視覚により識別可能な複数の第2の着色マークとを具備している。
【0009】
さらに、本発明の自動取引装置は、取引媒体としての通帳を受入れる通帳口、カードを受入れるカード口、紙幣を受入れたり放出するための紙幣口、硬貨を受入れたり放出するための硬貨口が設けられた第1の操作面と、取引に係るキー操作や操作案内などを行なうための操作部が設けられた第2の操作面とを有し、これら第1の操作面および第2の操作面において利用者が所定の操作を行なうことにより、前記通帳、カード、紙幣、硬貨の受入れや放出を伴う通貨の取引を自動的に行なう自動取引装置において、前記第2の操作面に設けられ、利用者が前記第2の操作面の中央部に位置していることを触覚により識別可能な凹凸状の第1の絵記号と、前記第2の操作面の前記第1の絵記号の両側部に前記通帳口、カード口、紙幣口、硬貨口とそれぞれ対応して設けられ、利用者が触覚により識別可能な凹凸状の複数の第2の絵記号とを具備している。
【0013】
本発明の自動取引装置によれば、操作面に、利用者が操作面の中央部に位置していることを触覚により識別可能な凹凸状の第1の絵記号を設けるとともに、操作面の上記第1の絵記号の両側部に、取引媒体を受入れたり放出したりするための複数の媒体入口とそれぞれ対応して、利用者が触覚により識別可能な凹凸状の複数の第2の絵記号を設けることにより、視覚障害者が容易に自分自信の位置を本装置の中心に置くことができ、かつ、操作面全体を手で撫でまわすことなく、各媒体入口の位置を正確かつ容易に探すことができ、晴眼者の操作性も損うこともない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る自動取引装置(たとえば、銀行の営業店に設置され、入金、出金、振込、振替、残高照会、通帳記入などの取引が可能な現金自動預出金機)の外観を示すものである。図1において、筐体1の前面には、略L字形状の接客操作面2が形成されている。接客操作面2の垂直面2aには、複数の媒体入口、たとえば、紙幣を多数枚一括して投入し得るとともに、放出された紙幣を一括して受取る、開閉可能な蓋体を有する紙幣口3、および、硬貨を多数枚一括して投入し得るとともに、放出された硬貨を一括して受取る、開閉可能な蓋体を有する硬貨口4、取引媒体としての磁気通帳を受入れる通帳口5、暗証番号や口座番号などが記録されている取引媒体としての磁気カード、あるいは、振込取引時の振込券を受入れるとともに、取引内容を印字したレシート(明細票)を排出するカード口6、および、利用者に対する音声案内のためのスピーカ7などが設けられている。
【0015】
接客操作面2の水平面2bには、表面に指を接触することにより所定の情報が入力できる矩形状の透明な面状マトリクススイッチパネル8が設けられているとともに、その下面に相対向して表示手段としてのカラーCRT表示装置9が設けられていてる。
【0016】
CRT表示装置9は、操作案内手順、その他の情報を文字、文言、イラストあるいは画像情報によって画面にカラーで表示し、利用者の操作を誘導するとともに、取引に必要な各種取引情報を入力するための数字、片仮名文字、英文字などの各種操作キーを表示し、この表示された操作キーに対応するスイッチパネル8のセグメント部位を指で触れることにより、所望のキー入力(各種取引情報の入力など)を行なうことができるようになっている。
【0017】
ここに、上記スイッチパネル8およびCRT表示装置9は、取引に係るキー操作や操作案内などを行なうための操作部としてのタッチパネル式の情報入力装置10を構成している。
【0018】
一方、筐体1の内部には、通帳口5と対応して通帳プリンタユニット11が、カード口6と対応してカードリーダ・レシートプリンタユニット12が、紙幣口3と対応して紙幣入出金ユニット13が、硬貨口4と対応して硬貨入出金ユニット14が、それぞれ設けられている。また、筐体1内の下部には、本装置の制御を司る制御ユニット15が設けられている。
【0019】
図2は、本実施の形態に係る自動取引装置を上面および前面から見た模式図である。接客操作面2の水平面2bにおいて、スイッチパネル8の手前には、凹凸状、たとえば、凸形に浮き出た絵記号31〜35が設けられている。絵記号31は、水平面2bの左右方向に対する中央部にあり、視覚に障害を持つ利用者(視覚障害者)は、触覚によりこの絵記号31を確認し、自分自身を筐体1の中央部(接客操作面2の中央部)に置くことができるようになっている。
【0020】
そして、各媒体入口の位置を記憶している視覚障害者は、この位置から手を伸ばすことで、目的とする媒体入口を、操作面全体を撫でまわすことなく探すことができるようになっている。すなわち、たとえば、絵記号32,33は、絵記号31の左側で、それぞれの絵記号32,33から奥行き方向に手を伸ばすことで、紙幣口3および通帳口5にたどり着くように配置されている。また、絵記号34,35は、絵記号31の右側で、それぞれの絵記号34,35から奥行き方向に手を伸ばすことで、硬貨口4およびカード口6にたどり着くように配置されている。この場合、絵記号32は紙幣口3と、絵記号33は通帳口5と、絵記号34は硬貨口4と、絵記号35はカード口6と、それぞれ対応している。
【0021】
なお、各媒体入口を記憶していない視覚障害者は、これらの絵記号31〜35を触覚により認識することで、どこにどの媒体入口があるかを、操作面全体を撫でまわすことなく探すことができる。
【0022】
また、接客操作面2の各絵記号31〜35には、それらに人間の指が触れると、それに反応する(検知する)検知手段としての赤外線検知器(あるいは、温度検知器)が設けられていて、各絵記号31〜35に所定時間触れると、それを検知して視覚障害者取引モードに切換えるよう制御するようになっている。
【0023】
ここで、本例で用いる絵記号について説明する。視覚障害者が触覚を用いて絵記号を識別し、各種機器を操作するためには、確実に絵記号の識別ができ、かつ、短時間に絵記号を触認識できなくてはならない。そこで、本発明者らは各種実験を行なった結果、触覚による凹凸状絵記号の識別に関し、以下のような知見が得られた。
【0024】
・辺の長さの違いは区別しにくい。
・矢印の向きの違いは区別しにくい。
・凸線の間隔の短いものは、その内側全体が凸面に判断される。
【0025】
・凸面の面積はより大きく感じられる。
・線の重なり、立体表現はわかりにくい。
・複雑な図形は触認識に時間を要する。
【0026】
このようなことから、本実施の形態で用いる絵記号は、その絵記号のイメージと、媒体入口の種類などとの対応がつきやすいものを選択している。図2から明らかなように、たとえば、[紙幣口]を意味する絵記号32は紙幣を表わす絵記号を用い、[通帳口]を意味する絵記号33は通帳を表わす絵記号を用い、[硬貨口]を意味する絵記号34は硬貨を表わす絵記号を用い、[カード口]を意味する絵記号35はカードを表わす絵記号を用いている。
【0027】
なお、図2に示した絵記号以外にも、たとえば、図3に示すような凹凸状の絵記号も考えられる。図3(a)の各絵記号は[紙幣口]を意味する絵記号で、紙幣を表わした絵記号である。図3(b)の絵記号は[通帳口]を意味する絵記号で、通帳を表わした絵記号である。図3(c)の各絵記号は[硬貨口]を意味する絵記号で、硬貨を表わした絵記号である。図3(d)の各絵記号は[カード口]を意味する絵記号で、カードを表わした絵記号である。
【0028】
図4および図5は、情報入力装置10の構成を概略的に示すものである。この情報入力装置10は、たとえば、特開昭61−77918号公報に開示されているものとほぼ同様なものである。すなわち、CRT表示装置9の画面上に近接してスイッチパネル8が設けられている。スイッチパネル8は、たとえば、図5に示すように、それぞれの内側にマトリクス回路を形成する透明な導電体を塗布した透明シート41,42と、これらの間に間隔を形成するための電気絶縁性のセパレータ43とから構成されており、その表面を図6に示すように指で押圧し、シート41と42とが接触すると、その押圧されたセグメントに対応するマトリクス回路が閉じて(図6の例ではX4−Y3)、この閉回路に対応する信号名の情報が後述する主制御部25へ送られるようになっている。
【0029】
また、スイッチパネル8の上側のシート41には、点状突起マーク44がエンポッシング形成されており、これは図7に示すように、それぞれのスイッチセグメントに対応して固定の意味を持つよう点状突起の組合わせ、つまり、点字によって表現されている。図7の例では、たとえば、数字の「0〜9」および漢字の「万,千,円」をそれぞれ点字によって表現しているが、取引種目も同様に点字で表現し得る。
【0030】
一方、CRT表示装置9は、たとえば、図8に示すように、操作ステップに応じてそれぞれ異なった画面を出力するよう制御されるようになっている。
図9は、上記した自動取引装置の全体的な構成を概略的に示すもので、情報入力装置10、通帳プリンタユニット11、カードリーダ・レシートプリンタユニット12、紙幣入出金ユニット13、硬貨入出金ユニット14、音声案内ユニット16、赤外線検知器17、スイッチパネル制御部21、表示制御部22、記憶部23、伝送制御部24、および、これら全体の制御を司る主制御部25などによって構成される。
【0031】
通帳プリンタユニット11は、通帳口5から受入れた通帳の磁気ストライプに対してデータの読取りあるいは書込みを行なうとともに、必要に応じて該通帳への印字を行なう。
【0032】
カードリーダ・レシートプリンタユニット12は、カード口6から受入れた磁気カードあるいは振込券の磁気ストライプに対してデータの読取りあるいは書込みを行なう。また、取引内容を印字したレシートを発行し、カード口6から排出する。
【0033】
紙幣入出金ユニット13は、紙幣口3に一括して投入された紙幣を受入れて判別・計数して収納するとともに、必要に応じて、あらかじめ金庫に収納された紙幣を所定枚数だけ取出して紙幣口3から一括して払出す。
【0034】
硬貨入出金ユニット14は、硬貨口4に一括して投入された硬貨を受入れて判別・計数して収納するとともに、必要に応じて、あらかじめ金庫に収納された硬貨を所定枚数だけ取出して硬貨口4から一括して払出す。
【0035】
音声案内ユニット16は、前記スピーカ7から音声により利用者の操作を誘導する案内を行なう。赤外線検知器17は、接客操作面2の各絵記号31〜35に人間の指が触れたことを検知するもので、各絵記号31〜35ごとに設けられている。
【0036】
スイッチパネル制御部21は、前記スイッチパネル8を制御する。表示制御部22は、前記CRT表示装置9を制御する。
記憶部23は、各種データの記憶に用いられるとともに、本装置の運用に係る処理手順のプログラムの格納、取引に供する各種の情報や取引の記録、本装置の稼働状況の記録などを行なう。
【0037】
伝送制御部24は、通信回線26を介してセンタの預金元帳としてのホストコンピュータ27とオンライン接続されていて、必要に応じてホストコンピュータ27とオンライン交信するようになっている。
【0038】
主制御部25は、記憶部23内のプログラム情報を参照しつつ、情報入力装置10、各ユニット11〜14,16、および、伝送制御部24を制御して、入金あるいは出金など、所定の取引動作を行なわしめる。
【0039】
次に、上記のような構成にいおて動作を説明する。なお、一般晴眼者の場合は、その操作手順は公知のものであり、したがって、視覚障害者が操作する場合について、出金取引を例にとって図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0040】
まず、赤外線検知器17の出力により、接客操作面2の各絵記号31〜35のうち少なくとも1つの絵記号に人間の指が所定時間触れたか否かを判断し、絵記号に所定時間触れなかった場合は、通常の晴眼者取引モードに進行するが、これは既に公知の技術であるので、その説明は省略する。
【0041】
各絵記号31〜35のうち少なくとも1つの絵記号に所定時間触れた場合、視覚障害者取引モードに設定される。この視覚障害者取引モードの特徴は、晴眼者取引モード時には表示装置9によって図8のように操作案内するのに対し、音声案内ユニット16によって操作案内するところにある。勿論、表示装置9による操作案内をも同時に行なうようにしてもよい。
【0042】
また、情報入力装置10の入力制御方式も、晴眼者取引モードの場合は、1つのセグメントが所定時間(たとえば、0.2秒間)オンすることによって信号を出力するが、視覚障害者は触覚にたよらざるを得ないので、常にスイッチパネル8上を指でなぞらなければならず、そのため、どのセグメント部が押圧されているかを判別するのが困難である。
【0043】
そこで、視覚障害者取引モードの場合は、次々に指でなぞらえていく各セグメントのうち、押圧時間が所定時間(たとえば、2秒間)よりも長いとビープ音を発生して、入力受付けを報知ように制御している。このように、順次音声により案内され、その音声案内に応じてスイッチパネル8上の点状突起マーク44を選択的に押圧することにより、暗証番号の入力や金額の入力を行ない、最後に磁気カード、伝票、現金などを取出して出金取引を終了するものである。
【0044】
なお、説明は省略したが、取引種目の選択も同様に点字で行なうようにすることができる。
以上説明したような自動取引装置によれば、接客操作面2の水平面2bの中央部に、利用者が接客操作面2の中央部に位置していることを触覚により識別可能な絵記号31を設けるとともに、接客操作面2の絵記号31の両側部に、接客操作面2の垂直面2aに設けられた紙幣口3、通帳口5、硬貨口4、カード口6とそれぞれ対応して、利用者が触覚により識別可能な複数の絵記号32〜35を設けることにより、視覚障害者が容易に自分自信の位置を本装置の中心に置くことができ、かつ、接客操作面2全体を手で撫でまわすことなく、各媒体入口の位置を正確かつ容易に探すことができ、視覚障害者であっても容易に操作でき、しかも、晴眼者の操作性も損うことがない。
【0045】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
たとえば、絵記号31〜35は凸形のものとしたが、凹型の絵記号であってもよい。また、絵記号は31は、利用者を本装置の中央部に置くためであれば、接客操作面2の中央部ではなく、左右の端部などに配設してもよい。
【0046】
また、図11に示すように、各絵記号51(前記絵記号31〜35に相当)に対して、圧電素子52などで駆動されることにより、絵記号51を振動させる振動子53を設け、これら各振動子53を操作ステップに応じて選択的に振動させることにより、どの絵記号が振動しているか触覚により認識させるようにしてもよい。これにより、視覚障害者の操作箇所を絵記号の振動によって案内することができる。
【0047】
また、視覚障害者取引モードへの設定移行は、絵記号を所定時間触り続けることによらず、あらかじめ視覚障害者であることを利用者に登録してもらって、登録済みであるという符号を取引媒体としての磁気カードと通帳の磁気ストライプに記録しておき、利用者が登録済みの取引媒体を挿入すると、上記符号を読取って認識することにより、自動的に視覚障害者取引モードへ移行するようにしてもよい。
【0048】
また、視覚障害者取引モードへの設定移行は、絵記号を所定時間触り続けることによらず、通帳口やカード口などの媒体入口を所定時間触り続けることで、視覚障害者取引モードへ移行するようにしてもよい。その場合、たとえば、媒体入口の内部に、人間が触れると反応する赤外線検知器や温度検知器などが設けられていて、それらに所定時間触れると視覚障害者取引モードに変わるようにプログラムされる。
【0049】
さらに、絵記号31〜35を赤色、青色、緑色、黄色、橙色などにそれぞれ着色したり、あるいは、絵記号31〜35を、絵記号ではなく、これらの色の着色シール(着色マーク)などとしてもよい。その場合、各色と各媒体入口とを対応させるため、各媒体入口を同一の色で着色する。これは、視覚障害者のうち、わずかではあるが視機能を有している弱視の利用者を考慮したものである。弱視者は、色と媒体入口との対応関係をあらかじめ記憶しておき、色により媒体入口を探すことが可能となる。また、着色された絵記号31〜35を触覚で認識することにより、色と媒体入口との対応関係を記憶しなくても、上記と同様に各媒体入口を探すことも可能である。
また、絵記号や着色シールなどが自動取引装置の接客操作面上にあることで、視覚障害者は、その自動取引装置が視覚障害者対応であることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、視覚障害者が容易に自分自信の位置を本装置の中心に置くことができ、かつ、操作面全体を手で撫でまわすことなく、各媒体入口の位置を正確かつ容易に探すことができ、晴眼者の操作性も損うことのない自動取引装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動取引装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】絵記号の配設状態を説明するためのもので、(a)図は自動取引装置を上面から見た模式図、(b)図は自動取引装置を前面から見た模式図。
【図3】絵記号の他の例を示す図。
【図4】情報入力装置の構成を概略的に示す縦断側面図。
【図5】スイッチパネルの構成を概略的に示す縦断側面図。
【図6】スイッチパネルの平面図。
【図7】スイッチパネルに対する点状突起マークの形成例を示す平面図。
【図8】表示装置の表示画面例を示す平面図。
【図9】自動取引装置の全体的な構成を概略的に示すブロック図。
【図10】要部の動作を説明するためのフローチャート。
【図11】絵記号を振動させる振動子の構成例を示す縦断側面図。
【符号の説明】
1……筐体、2……接客操作面、3……紙幣口、4……硬貨口、5……通帳口、6……カード口、7……音声案内用のスピーカ、8……スイッチパネル、9……カラーCRT表示装置、10……情報入力装置、9……カード口、10……通帳口、11……音声案内用のスピーカ、11……通帳プリンタユニット、12……カードリーダ・レシートプリンタユニット、13……紙幣入出金ユニット、14……硬貨入出金ユニット、15……制御ユニット、16……音声案内ユニット、17……赤外線検知器(検知手段)、21……スイッチパネル制御部、22……表示制御部、23……記憶部、25……主制御部、31〜35……絵記号、44……点状突起マーク(点字)、51……絵記号、53……振動子。

Claims (12)

  1. 取引媒体を受入れたり放出したりするための複数の媒体入口が設けられた第1の操作面と、取引に係るキー操作や操作案内などを行なうための操作部が設けられた第2の操作面とを有し、これら第1の操作面および第2の操作面において利用者が所定の操作を行なうことにより、前記取引媒体の受入れや放出を伴う所定の取引を自動的に行なう自動取引装置において、
    前記第2の操作面に設けられ、利用者が前記第2の操作面の中央部に位置していることを触覚により識別可能な凹凸状の第1の絵記号と、
    前記第2の操作面の前記第1の絵記号の両側部に前記複数の媒体入口とそれぞれ対応して設けられ、利用者が触覚により識別可能な凹凸状の複数の第2の絵記号と、
    を具備したことを特徴とする自動取引装置。
  2. 前記第1の絵記号は前記第2の操作面の中央部に設けられ、前記第2の絵記号は前記第2の操作面の両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
  3. 前記第1,第2の絵記号をそれぞれ異なる色に着色することを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
  4. 操作者が視覚障害者か晴眼者かを判別する判別手段と、この判別手段の判別結果に応じて視覚障害者の操作するモードあるいは晴眼者の操作するモードに切換えるモード切換手段とを更に具備したことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
  5. 前記第1,第2の絵記号に操作者が触れたことを検知する検知手段と、この検知手段が絵記号に操作者が触れたことを検知したとき、晴眼者の操作するモードから視覚障害者の操作するモードに切換えるモード切換手段とを更に具備したことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
  6. 前記媒体入口に操作者が触れたことを検知する検知手段と、この検知手段が媒体入口に操作者が触れたことを検知したとき、晴眼者の操作するモードから視覚障害者の操作するモードに切換えるモード切換手段とを更に具備したことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
  7. 取引媒体を受入れたり放出したりするための複数の媒体入口が設けられた第1の操作面と、取引に係るキー操作や操作案内などを行なうための操作部が設けられた第2の操作面とを有し、これら第1の操作面および第2の操作面において利用者が所定の操作を行なうことにより、前記取引媒体の受入れや放出を伴う所定の取引を自動的に行なう自動取引装置において、
    前記第2の操作面に設けられ、利用者が前記第2の操作面の中央部に位置していることを視覚により識別可能な第1の着色マークと、
    前記第2の操作面の前記第1の着色マークの両側部に前記複数の媒体入口とそれぞれ対応して設けられ、利用者が視覚により識別可能な複数の第2の着色マークと、
    を具備したことを特徴とする自動取引装置。
  8. 前記第1の着色マークは前記第2の操作面の中央部に設けられていることを特徴とする請求項7記載の自動取引装置。
  9. 取引媒体としての通帳を受入れる通帳口、カードを受入れるカード口、紙幣を受入れたり放出するための紙幣口、硬貨を受入れたり放出するための硬貨口が設けられた第1の操作面と、取引に係るキー操作や操作案内などを行なうための操作部が設けられた第2の操作面とを有し、これら第1の操作面および第2の操作面において利用者が所定の操作を行なうことにより、前記通帳、カード、紙幣、硬貨の受入れや放出を伴う通貨の取引を自動的に行なう自動取引装置において、
    前記第2の操作面に設けられ、利用者が前記第2の操作面の中央部に位置していることを触覚により識別可能な凹凸状の第1の絵記号と、
    前記第2の操作面の前記第1の絵記号の両側部に前記通帳口、カード口、紙幣口、硬貨口とそれぞれ対応して設けられ、利用者が触覚により識別可能な凹凸状の複数の第2の絵記号と、
    を具備したことを特徴とする自動取引装置。
  10. 操作者が視覚障害者か晴眼者かを判別する判別手段と、この判別手段の判別結果に応じて視覚障害者の操作するモードあるいは晴眼者の操作するモードに切換えるモード切換手段とを更に具備したことを特徴とする請求項9記載の自動取引装置。
  11. 前記第1,第2の絵記号に操作者が触れたことを検知する検知手段と、この検知手段が絵記号に操作者が触れたことを検知したとき、晴眼者の操作するモードから視覚障害者の操作するモードに切換えるモード切換手段とを更に具備したことを特徴とする請求項9記載の自動取引装置。
  12. 前記通帳口、カード口、紙幣口、硬貨口に操作者が触れたことを検知する検知手段と、この検知手段が通帳口、カード口、紙幣口、硬貨口に操作者が触れたことを検知したとき、晴眼者の操作するモードから視覚障害者の操作するモードに切換えるモード切換手段とを更に具備したことを特徴とする請求項9記載の自動取引装置。
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