JP3842328B2 - タッチパネル式入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばATM(自動取引装置)のような装置において、振り込み先等を手書き入力することができるタッチパネル式入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、利用者の差出す口座情報が記録された磁気カードを受入れ、ホストコンピュータ(センタ)とオンライン交信することにより、利用者の要求する現金を自動的に支払う現金自動支払機、あるいは、口座情報が記録された磁気ストライプ付きの磁気通帳を受入れ、ホストコンピュータとオンライン交信することにより、利用者の要求する現金を自動的に支払う現金自動支払機、あるいは、口座情報が記録された磁気ストライプ付きの磁気通帳を用いて、現金を自動的に受入れる現金自動預金機、さらには、これら両方の機能を1台の機能にまとめた現金自動預出金機などの自動取引装置が、銀行窓口の自動化機器として急速に発達し、各銀行に導入されて、利用者に迅速なサービスを展開している。
【0003】
また、最近では、現金を受入れ、その受入れた現金を他の銀行口座に振込んだり、磁気カードを用いた取引により、自分の口座から所定金額を他の銀行口座に振込んだりする振込取引を自動的に行なう現金自動預出金機が開発され、実用化されている。
【0004】
このような不特定多数の利用者が使う自動取引装置においては、使い方が直ぐにわかり、しかも、簡単かつ迅速に使えることが必要である。たとえば、振込を行なう際、振込先の銀行名(金融機関)を入力する必要があるが、従来の銀行名の入力方法は、銀行の種別を最初に選択した後、銀行名の最初の1文字を入力することにより、該当する複数の銀行名を表示し、その中から所望の銀行名を選択するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
文字の入力方法としては、タッチパネル入力装置を用いたものとなっている。しかし、このようなタッチパネル入力装置では、爪が長い利用者の場合、爪と指先の間に隙間ができてしまう。その為、操作者の指の軌跡を正しく抽出することができなかった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的はタッチパネル入力手段上で、操作された操作者の指の軌跡を正しく抽出することができるタッチパネル式入力装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るタッチパネル式入力装置は、操作者の指により文字などの筆跡を示す情報を入力させるタッチパネル式入力装置であって、
矩形状の操作表示器と、
この操作表示器の横方向の一端に複数設けられ、赤外線を発光する複数の発行器からなる第1の赤外線発光器群と、
上記操作表示器の縦方向の一端に複数設けられ、赤外線を発光する複数の発行器からなる第2の赤外線発光器群と、
上記操作表示器の横方向の他端に複数設けられ、それぞれが上記第1の赤外線発光器群からの赤外線を受光する第1の受光器群と、
上記操作表示器の縦方向の他端に複数設けられ、それぞれが上記第2の赤外線発光器群からの赤外線を受光する第2の受光器群と、
上記第1の赤外線発光器群と第2の赤外線発光器群をそれぞれ順次点灯し、この点灯タイミングに同期して対応する第1の受光器群と第2の受光器群の受光により指先の位置を検知する検知手段と、
この検知手段により同一のタイミングで2つの影が検知された際に、これら2つの影を連結し、1つの影としての連結影信号に変更する変更手段と、
上記検知手段による指先の位置の検知と上記変更手段による連結影信号の中心点の軌跡により、指の軌跡を抽出する抽出手段と、
この抽出された指の軌跡により入力された文字を認識する認識手段と、
を具備する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図3は、本実施の形態に係る対面式自動操作装置、たとえば、自動取引装置(たとえば、銀行の営業店に設置され、入金、出金、振込、振替、残高照会、通帳記入などの取引が可能な現金自動預出金機)の外観を示すものである。図において、筐体1の前面には、操作面として略L字形状の接客操作部2が形成されている。接客操作部2の水平面には、紙幣を多数枚一括して投入し得るとともに、放出された紙幣を一括して受取る、開閉可能な蓋体を有する紙幣口3、および、硬貨を多数枚一括して投入し得るとともに、放出された硬貨を一括して受取る、開閉可能な蓋体を有する硬貨口4が設けられている。
【0028】
また、接客操作部2の水平面には、表面に指を接触することにより所定の情報が入力できる矩形状の透明なタッチパネル5が設けられているとともに、その下面に相対向して表示手段としての矩形の表示画面を有するカラー液晶表示装置6が設けられている。
【0029】
また、接客操作部2の水平面には、表面に指を接触することにより所定の情報が入力できる矩形状の透明なタッチパネル5が設けられているとともに、その下面に相対向して表示手段としての矩形状の表示画面を有するカラー液晶表示装置6が設けられている。
【0030】
液晶表示装置6は、操作案内手順、その他の情報を文字、文言、イラストあるいは画像情報によって画面にカラーで表示し、利用者の操作を誘導するとともに、取引に必要な各種取引情報を入力するための数字、片仮名文字、英文字などの各種操作キーを表示し、この表示された操作キーに対応するタッチパネル5のセグメント部位を指で触れることにより、所望のキー入力(各種取引情報の入力など)を行うことができるようになっている。
【0031】
ここに、上記タッチパネル5、液晶表示装置6は、タッチパネル入力装置8を構成している。
【0032】
接客操作部2の垂直面には、暗証番号や口座番号などが記録されている取引媒体としての磁気カ−ド、あるいは、振込取引時の振込券を受入れるとともに、取引内容を印字したレシ−ト(明細書)を排出するカ−ド口11、同じく取引媒体としての磁気通帳を受入れる通帳口12、利用者に対する音声案内のためのスピ−カ13、および、係員呼出しボタン14が設けられている。
【0033】
一方、筐体1の内部には、カード口11と対応してカードリーダ・レシードプリンタユニット15が、通帳口12に対応して通帳プリンタユニット16が、紙幣口3と対応して紙幣入出金ユニット17が、硬貨口4と対応して硬貨入出金ユニット18が、それぞれ設けられている。また、筐体1内の下部には、本装置の制御を司る制御ユニット19が設けられている。
【0034】
まず、タッチパネル5に3文字分の入力エリアがある場合について図1乃至図13を参照して説明する。ここでは、銀行のATM(現金自動預払機)で、振込先を指定する方法の例を説明する。まず、支店名を入力する手順の例を説明する。このATMは操作手順や入力内容を表示する画面と、その表面にタッチセンサパネルを装備し画面を触れることで入力を検知できるものとする。
【0035】
図1は、顧客操作部のタッチパネル入力装置8(CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等)の画面上に表示された操作案内画面を示す。その画面には『振込先の支店名を指で書いてください」等と表示し、顧客に対し入力を誘導する。
【0036】
また、画面上には、第1文字入力エリア101、第2文字入力エリア102、第3文字入力エリア103が設けられている。これらの第1〜3文字入力エリア101〜103はそれぞれ同様の形式で表示されており、ここでは、第1文字入力エリア101を代表して説明する。
【0037】
第1文字エリア101には、その上部に「第1文字」と表示したり、色や大きさを変えたりして、顧客に支店名の第1文字目を入力するエリアであることを知らせるようにしている。
【0038】
第1文字エリア101には、カタカナ入力を指定するためのカタカナキー104、アルファベット入力を指定するための英字キー105、数字入力を指定するための数字キー106、文字入力中にその入力を訂正するための訂正キー107が表示されている。
【0039】
このとき、カタカナキー104には点滅または反転表示し、現在カタカナの受付中であることを知らせるようにしている。通常支店名は、カナ・アルファベット・数字のうち、カナによる表示が一般的であるので顧客が特別に指定しなければカタカナによる入力となる。もし、支店名をアルファベットや数字で入力する必要がある場合には英字キー105あるいは数字キー106を押下することで入力文字の指定を切り換える。
【0040】
例えばアルファベットで入力をする場合、英字キー105を押下するとカタカナキー104の点滅や反転は元に戻り、英字キー105が点滅や反転をしアルファベットの入力中であることを知らしめる。(入力文字を限定し、画面上に「カタカナで書いてください」等と表示をしている場合はカタカナキー104〜数字キー106は不要である。)
ここでは、トウキョウ支店を指定する場合について具体的に説明する。
【0041】
まず顧客は、第1文字エリア101のカタカナキー104が点滅または反転していることを確認したうえで、第1文字エリア101の中に指先で『ト』と書く。このとき、第1文字エリア101には図2(A)のように、指先の移動にあわせて軌跡108が表示される。
【0042】
この軌跡108に従い、入力文字の認識が行われる。文字認識が完了すると、第1文字エリア101の中央部には軌跡108にかわり、図2(B)に示すように、認識結果の文字が表示される。この例では正しく認識され『ト』が入力された。
【0043】
ところで、第1文字エリア101,第2文字エリア108の文字の認識方法について説明する。
【0044】
まず、図4を参照して入力を検出するための位置検出部の構造について説明する。図4に示すように、操作表示器110の周辺には赤外線発光器とそれに対する受信器が設置されている。すなわち、操作表示器110の例えば右辺には赤外線発光器LPY1−LPYNが配置され、向かい側の左辺にはそれぞれに対する受光器PDY1〜PDYNが配置されている。
【0045】
これらにより、縦方向の指先の位置が検出される。同様に、操作表示器110の例えば下辺には発光器LPX1−LPXNが配置され、向かい側の上辺にはそれぞれに対する受光器PDX1〜PDXNが配置されており、横方向の指先の位置が検出される。
【0046】
これらの発光器は順次点灯し、その点灯タイミングに同期して対応する受光機が指先の位置を検知する。つまり、LPY1が点灯したとき、PDY1により受光有無で位置検知を行い、精度よく検知することができる。
【0047】
ところで、指先で書くためにいくつかの問題が発生する。その一つは、爪の問題である。
【0048】
例えば、爪が長い利用者の場合、図5のように爪112と指先111の間に隙間ができてしまう。すると、赤外線で位置検知しているため、その結果は影信号113のように隙間が入った二つの影となってしまう。そこで、爪と指先を一体の指先とみなすため連結処理を行う。つまり同一のタイミングで二つの影が検出された場合、二つの影を連結し一つの影とした連結影信号114とする。
【0049】
二つ目は、指の太さの問題である。文字認識のためには、指先の軌跡を線で示す必要がある。指は太く、その指の傾き方や押圧が変化するため、直線をかいても直線にならない場合がある。そこで指の影の移動信号である連結信号114からさらに画像処理を行い、指の軌跡を抽出する。
【0050】
図6に指先の検出結果を2次元的に示しておく。図6(a)は爪の影115と指先の影116が分離した状態を示しておく。これを前述の連結処理により図6(b)のように連結し連結信号117aとする。
【0051】
次にこの117aからその中心点の軌跡を抽出する。その結果を図6(c)に示す。図6(c)では太線118aが中心点の軌跡であり、指が上から下に移動したことを示している。この中心点の軌跡検出により、指の押圧力が変化し単に指の太さが変動した場合でも、正しく指の軌跡を抽出することができる。
【0052】
ところが、指の傾きが変化した場合は図6(d)のような連結信号117bとなる。このときの中心点の軌跡は太線118bで、指をまっすぐ移動したのに下側が左に曲がった結果になっている。そこで、中心点の軌跡とは別に、連結信号117bの外周点の軌跡を抽出する。この場合は図6(d)の太線119bと120bで、外周に沿って抽出している。この図からわかるように指の傾きが変化した場合でも直線を書いた場合は、その軌跡の外周点の軌跡の少なくとも一方は直線となる。
【0053】
図6(d)では119bが直線で、指の動きを正しく表している。
【0054】
一方、指の真の中心は連結信号117bのもっとも太い部分121bの中央点122がその位置に相当する。そこで真の軌跡は指の中央点122と直線上の軌跡を示す外周の軌跡119bから太破線123として判定し文字認識部に送出する。もちろん、中心点の軌跡も外周点の軌跡も曲線となった場合は曲線であると判定する。
【0055】
以上のように、指先の軌跡は、その影の中心、外周の軌跡と最も太い部分の中央とから判定し、文字認識部に送出される。
【0056】
次に、文字認識処理について図7のブロック図を参照して説明する。
【0057】
赤外線発光器LPX1〜LPXN、LPY1−LPYNは、発光器ドライバ130により点滅制御を行う。
【0058】
一方、その受光の有無は赤外線受光器PDX1〜PDXN、PDY1〜PDYNの受光検知部131に入力され量子化処理を行う。これらの発光器ドライバ130の点滅制御と受光検知部の量子化処理は検出タイミング132により発生するタイミング信号により同期して制御される。
【0059】
更に、受光検知部131で量子化した影信号は前述のように連結処理部133と軌跡抽出部134で処理され、指の軌跡とし文字認識部135とエリア判別部136に入力される。
【0060】
エリア判別部136では、軌跡抽出部134の指の軌跡座標にしたがって、その軌跡は第1文字入力エリア101か、第2文字入力102エリアか、第3文字入力エリア103か判別する。通常は第1文字を書いた後、第2文字、第3文字を書くようにしている。
【0061】
そこで、軌跡抽出部134の軌跡座標が、第1文字入力エリア101にあり、次にその軌跡座標が第2文字入力エリア102に移動したとき、エリア判別部136は文字認識部135に対し、第1文字入力完了を通知する。
【0062】
文字認識部135では、この第1文字入力完了通知に従い、それまでに軌跡抽出部134から入力された軌跡情報に従い文字認識を行う。
【0063】
一方、文字認識部226は、現在入力中の文字種指定により認識を行う。文字種指定は「ひらがなのみ」「ひらがな、カタカナのみ」「ひらがな、数字、英字の3種のみ」といった予め設定された情報を制御部に記録し、制御部からの指示に従い指定している。
【0064】
このようにして第1文字が認識されると、第1文字記憶部138に結果を記憶し、文字入力エリア201の軌跡を消し、同時に認識文字表示エリア204に認識結果を表示し、第2文字の入力待ちとなる。
【0065】
同様にして、第2文字、第3文字、…を第2文字記憶部228、第3文字記憶部229に記憶する。
【0066】
一方、認識した第1文字、第2文字、…をもとに、銀行名の検索を行う。
【0067】
ATMの制御部に記憶されている銀行名データの中から、一文字入力毎に該当する文字(第1文字名入力時は認識結果「さ」、第2文字名入力時は認識結果「さく」)で検索を行う。検索結果は予め設定した1頁に表示する個数以下、例えば10個以下に候補が絞れたとき、画面が切り替わり、図18のように検索結果を表示する。操作表示器210には、「銀行名を押してください」等と表示し、この例では「さくら銀行」等がキーの形で表示される。
【0068】
そこで、操作者は希望する「さくら銀行」キーを押し、銀行名の指定を完了する。
【0069】
該当する銀行がないときは、「前に戻る」キーを押す。同時に、最終文字の情報は消去され再入力となる。このとき、認識文字表示エリア204には最終文字を消去した残りの文字が表示される。(この例では「さ」が表示される。)
次に、認識結果が違った場合について図19で説明する。
【0070】
例えば第1文字「さ」が「ら′」のように抽出されたとする。第1文字目抽出結果は該当する文字がないため、操作表示器210に「申し訳ございません もう一度お願いします」等を表示すると同時に文字入力エリア201の軌跡と抽出情報を消去する。一定時間表示したら、元の画面に戻り、再入力待ちとなる。
【0071】
次に、該当する候補がなかった場合について第2−7図で説明する。
【0072】
例えば第1文字「さ」が「を」と認識されたとする。第1文字目認識結果に従い、「を」で始まる銀行名の検索が始まる。ところが、該当する銀行がないため、操作表示器210に「「を」で始まる銀行はありません。もう一度お願いします」「該当する銀行はありません もう一度お願いします」等を表示すると同時に文字入力エリア201の軌跡と文字情報を消去する。一定時間表示したら、元の画面に戻り、再入力待ちとなる。
【0073】
次に、振込先の氏名を入力する手順の例を説明する。
【0074】
操作表示器210に、図21のように「受取人名を書いてください」等を表示するとともに、文字入力エリア101を表示する。さらに、余白を入力する「間隔」キー230、記号選択するとための「記号」キー231、会社略称を選択するための「会社法人」キー232等の固定キーと、入力の訂正を行う「訂正」キー202、入力の完了を行う「確認」キー233を表示する。
【0075】
たとえば、「会社法人」を押下すると、図24のように選択画面に切り替わり、該当するキー240のいずれかを押下すると、その略称が指定されたことになり、受取人名入力画面に切り替わる。受取人名入力画面では、認識文字表示エリア204に指定した略称を表示する。該当するキーがなかったときは「前に戻る」キー241を押下すると、何も指定しなかったことになり、受取人名入力画面に切り替わる。
【0076】
受取人名入力画面では、前述の銀行名入力と同様に一文字ずつ書き込み、書く度にその軌跡が表示され、認識を行う。書き始めると、表示文言が、「書き終わったら確認を押してください」等に替わる(図22)。ただし、始めの文言にその旨含まれているときはこの限りではない。
【0077】
図22のように、認識結果の第1候補は認識文字表示エリア204に205のように表示される。同時に第2候補、第3候補を、キーの形でそれぞれ、234,235のように」表示する。このキー234あるいは235が押されたとき、認識文字表示エリア204の文字205を234あるいは235の文字と入れ替える。この場合、例えば、「し」キー234が押下されると、認識文字表示エリア204には「し」236が表示され、「し」キー234は、「と」キー237に置き替わる(図23)。
【0078】
次の文字を書き始めると、第1文字目の第2候補、第3候補のキーを消去する。以下、入力を続け、「確認」キーが押下されると、受取人名入力を完了する。
【0079】
もしも、第2候補、第3候補も該当する文字ではなかったときは、「訂正」キー202を押す。すると、認識文字表示エリア204の最終文字、第2候補キー234、第3候補キー235と、その文字の記憶部の記憶を消去して、再入力待ちとなる。続けて「訂正」キー202を押下すると、その都度、同様にする。
【0080】
次に、複数の入力エリアがある場合を第3の実施の形態として説明する。
【0081】
ここでは、銀行のATMで、振込先を指定する方法の例を説明する。まず、銀行名を入力する手順の例を説明する。第1の実施の形態と同様な条件の画面とタッチセンサパネルを装備しているものとする。
【0082】
図25は、顧客操作部の操作表示器310(CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等)の画面上に表示された操作案内画面である。画面には「振込先の銀行名を指で書いてください」等と表示し、顧客に対し入力を誘導する。
【0083】
ひらがな入力に限定する場合はその旨を表示したり、表示の「かいてください」の「か」を手書きのひらがな文字のように表したり、音声による案内文言を流したり、といった付加を行う。
【0084】
画面上には、ホワイトボードをイメージした枠等、一目でここに文字を書くことを知らしめるように工夫した第1文字入力エリア301、第2文字入力エリア302、第3文字入力エリア303を表示する。
【0085】
ここでは、東京銀行を指定する場合について具体的に説明する。
【0086】
顧客は、第1文字入力エリア301に指先で「と」と書く。このとき、301には図26のように、指先の移動にあわせて軌跡304が表示される。この304に従い入力文字の認識が行われる。文字認識が完了すると、文字入力エリア301の軌跡304を消し、画面上の認識文字表示エリア305に認識文字306を表示する。(図27)。この例では正しく認識され「と」が入力された。入力完了検知は(第2の実施の形態)と同様に行う。同様に第2文字、第3文字を入力する。
【0087】
もしも、正しく認識されなかったときは、該当する文字入力エリアに再度、文字を書き、前述同様に処理する。
【0088】
一方、認識した第1文字〜第3文字をもとに、銀行名の検索を行う。(第2の実施の形態)と同様に行う。但し、このとき、候補の個数にはこだわらない。図28のように、認識した結果301と、銀行名キー311を表示する。そこで、操作者は希望する「東京銀行」キーを押し、銀行名の指定を完了する。
【0089】
1頁以上の候補があるときは、次の候補を表示するための「次へ」キー314を表示する。このキーの押下により、前の候補があるときは、前の候補を表示するための「前へ」キー313を表示する。
【0090】
当該頁に該当する銀行がないときは、「前へ」あるいは「次へ」キーを押して他の候補を表示する。該当する銀行名を見つけたら、そのキーを押して銀行名の指定を」完了する。
【0091】
当該候補に該当する銀行がないときは、「前に戻る」キーを押す。同時に、最終入力文字の情報は消去され再入力となる。このとき、認識文字表示エリア305には最終入力文字を消去した残りの文字が表示される。(この例では「とう」が表示される。)
次に、認識結果が違った場合について図29で説明する。
【0092】
例えば、第1文字「と」が「さ」と認識されたとする。顧客は認識文字表示エリア305を見て第1文字目が違っていることを認識し、もう一度第1文字入力エリア301に文字を書く。文字が入力されたら最初の情報を消去し入力情報に従い、再度文字認識を行い、その認識結果を認識文字表示エリア305に表示する。該当する候補がなかったときは、操作表示器210に「該当する銀行はありませんもう一度お願いします」等を表示すると同時に第1文字〜第3文字の文字情報を消去する。一定時間表示したら、元の画面に戻り、再入力待ちとなる。このとき、認識文字表示エリアは消去されている。
【0093】
次に、振込先の氏名を入力する手順の例を説明する。
【0094】
操作表示器210に、図30のように「受取人名を書いてください」等を表示するとともに、第1文字入力エリア301、第2文字入力エリア302、第3文字入力エリア303を表示する。さらに、余白を入力する「間隔」キー320、記号選択するための「記号」キー321、会社略称を選択するための「会社法人」キー322等の固定キーと、入力の訂正を行う「訂正」キー323、入力の完了を行う「確認」キー324を表示する。
【0095】
受取人名入力画面では、前述の銀行名入力と同様に第1文字〜第3文字を書き込み、書く度にその軌跡が表示され、認識を行う。書き始めると表示文言が、「書き終わったら確認を押してください」等に替わる。ただし、始めの文言にその旨含まれているときはこの限りではない。
【0096】
図31のように、認識結果の第1候補は認識文字表示エリア325に326のように表示される。次の文字を書き始めると、第1文字目が確定される。以下、入力を続け、「確認」キーが押下されると、受取人名入力を完了する。
【0097】
もしも、第1候補が該当する文字ではなかったときは、「訂正」キー323を押す。すると、認識文字表示エリア325の最終文字の記憶部の記憶を消去して、再入力待ちとなる。続けて「訂正」キー323を押下すると、その都度、同様にする。
【0098】
次に、視聴覚障害者の取引で、しかも1文字入力する場合について説明する。
ここでは、銀行のATMで、画面の案内文言を読まずとも、音声案内に従って操作を行い、取引を行う方法の例を説明する。前述の例と同様の条件の画面とがタッチセンサパネルと音声を発声するスピーカなどを装備していることとする。
取引名などを画面いっぱいに指書きで入力するため複雑なキー入力作業がなくなる。音声案内を伴うことで、不慣れなく、目が不自由な人、画面を読むのが面倒な人でも円滑に操作できるようにする。
【0099】
画面を工夫して耳が不自由な人にも使える。
【0100】
A.通常の初期画面(いらっしゃい画面、取引種目キーが並んでいる)を表示しているとき、画面上、例えば右上角に指入力キーを表示する。さらに、カスタマセンサで顧客検知したときや一定時間毎に「いらっしゃいませ。ご希望のお取引をボタンで押すか、画面の右上を触ってください。音声案内をご希望のときは、正面左の電話をお取りください。」などの音声案内を行い、受話器を取ったら続けて視覚障害者案内を発声する。このとき、取引種目キーが押下されたら通常の取引を行う。
【0101】
右上に触れたら指書き入力モードとなる。画面に触れたときに電子音や音声案内を行い、入力がなされた事を利用者に知らせる。
【0102】
B.指書き入力モードとなると、図34のような画面を表示し、
「指書き取引です。ご希望のお取引名の最初の一文字を、ひらがなで、画面に指で書いてください。取引をやめるときは“と”と指で書いてください。」「支払のときは“と”、預け入れのときは“あ”、残高照会は“ざ”、通帳記入のときは“つ”、定額定期のときは“て”、(キャッシングのときは“き”)と書いてください。」と音声案内を行う。書き始めたら画面を消し軌跡を表示する。但し上部に[取消のときは“と”と書いてください]の表示は残す。(以下同様)“と”と認識したら取消、“し”と認識したら支払い、“あ”と認識したら預入、“ざ”と認識したら残高照会、“つ”と認識したら通帳記入、“て”と認識したら定額定期、(“き”と認識したらキャッシング)に移行する。
【0103】
前述の文字以外が入力された場合、(1)他の言葉は認めない場合は「支払のときは“し”、預け入れのときは“あ”、残高照会は“ざ”、通帳記入のときは“つ”、(キャッシングのときは“き”)と書いてください。取引をやめるときは“と”と指で書いてください。」を発声する、または、(2)他の言葉も認める場合、例えば[“し”支払・出金・“ひ”引き出し][“あ”預け入れ・“よ”預金・預入・“に”入金・“ち”貯金][“ざ”残高照会・“あ”残高照会・“し”照会][“つ”通帳記入・“き”記帳・記入・“い”印字・印刷][“て”定額・定期][“き”キャッシング]などを認める場合、重複する文字が入力されたら、[“し”は支払、“き”は通帳記入、“あ”は預け入れ]を優先し、取引の前で確認を行い、他の取引に移行できるようにする。
【0104】
[支払の場合]
支払い−C.支払であると判断したら図35に示すような画面を表示し、表示する。
【0105】
「お支払です。カードをお入れください。通帳をお待ちのときは、通帳を開いてお入れください。お取り消しの場合は“と”と書いてください。」と発声する。“と”と認識したら取消、カード(と通帳)が入れられたら暗証入力に移行する。一定時間以上経過したら取消とする。
【0106】
他の言葉も認めているときは、「お支払です。残高照会のときは、ざ、とかいてください。お支払の方はカードをお入れください。通帳をお待ちのときは、通帳を開いてお入れください。お取り消しの場合は“と”と書いてください。」と発声し、残高照会を「しょうかい」と考えて“し”と書いたら人がいることを考慮して残高照会に移れるようにする。“と”と認識したら取消、“ざ”と認識したら残高照会、カード(と通帳)が入れられたら支払いと判断して暗証入力に移行する。一定時間以上経過したら取消とする。
【0107】
支払い−D.暗証入力では図36の画面を表示する。
【0108】
「暗証番号を数字で一文字ずつ画面に指で書いてください。取り消すときは“と”と書いてください。訂正するときは、“て”と書いてください。」と発声する。このとき、書いた軌跡は表示せず、数字の認識ができたら通常の場合と同様に画面下部に入力桁数の●を表示し、「次の文字をどうぞ」または「ピッという電子音」を発声し、次文字の入力を誘導する(以下同様)。また、電話を取っている場合は、書いた文字の認識結果を発声する(以下同様)。訂正した場合は「訂正しました。暗証番号を最初から書いてください。」と発声する。入力が完了したら金額入力に移行する。
【0109】
支払−E.金額入力では図37の画面を表示している。
【0110】
「お取引金額を数字で一文字ずつ画面に指で書いて、最後に“え”と書いてください。取り消すときは、“と”と書いてください。」と発声する。このとき、書いた軌跡を表示し、認識結果を画面上に順に表示する(この場合、1,234,567円)と同時に軌跡を消し、次文字の入力を可能にする。入力が完了したら金額確認に移行する。
【0111】
支払い−F.金額確認では図38の画面を表示している。
【0112】
「お取引金額を確認の上、よろしければ“まる”、ちがうときは“ばつ”、を画面に指で書いてください。取り消すときは、“と”と書いてください。」と発声する。以下は通常の場合と同様で、媒体排出時に音声案内を追加する。
【0113】
[預入]
預入−C.預入であると判断したら図39の画面を表示している。
【0114】
「お預け入れです。通帳を開いてお入れください。通帳をお持ちでないときはカードをお入れください。お取り消しの場合は“と”と書いてください。」と発声する。“と”と認識したら取消、通帳(またはカード)が入れられたら現金投入に移行する。一定時間以上経過したら取消とする。
【0115】
他の言葉も認めているときは、「お預け入れです。残高照会のときは“ざ”とかいてください。お預け入れの方は通帳を開いてお入れください。通帳をお持ちでないときはカードをお入れください。お取り消しの場合は“と”と書いてください。」と発声し、残高照会を「ありだかしょうかい」と考えて“し”と書いた人がいることを考慮して残高照会に移れるようにする。“と”と認識したら取消、“ざ”と認識したら残高照会、通帳(あるいはカード)が入れられたら預入と判断して現金投入に移行する。一定時間以上経過したら取消とする。
【0116】
預入−D.現金投入ではの図40の画面を表示する。
【0117】
「操作部奥の紙幣口に、横長の方向に揃えて紙幣をお入れください。操作部奥、右側の硬貨口に硬貨をお入れください。お取り消しの場合は“と”と書いてください。」と発声する。“と”と認識したら取消、現金が投入されたら現金計数に移行する。
【0118】
預入−E.現金計数が完了したら、金額確認に移行し図41の画面を表示する。
【0119】
「お取引金額を確認の上、よろしければ“まる”、ちがうときは“ばつ”を画面に指で書いてください。お取り消しの場合は、“と”と書いてください。」と発声する。以下は通常の場合と同様で、媒体排出時に音声案内を追加する。
【0120】
[残高照会]
残高−C.残高照会と判断したら図42の画面を表示する。
【0121】
「残高照会です。カードをお入れください。取り消すときは“と”と書いてください。」と発声する。
【0122】
残照−D.暗証入力では、暗証入力画面と同じ。
【0123】
[通帳記入]
記帳−C.通帳記入と判断したら図43の画面を表示する。
【0124】
第1,第2の実施の形態によれば、タッチパネル入力手段により手書き入力した文字を認識する認識手段を設けたので、操作者はペン等を意識することなく、情報を入力することができる。
【0125】
第1,第2の実施の形態によれば、操作者が複数の文字を入力することができる。
【0126】
第1,第2の実施の形態によれば、入力された文字を訂正する訂正キーを備えているので、入力した文字を訂正させることができる。
【0127】
第1,第2の実施の形態によれば、複数の文字を表示することができる。
【0128】
第1,第2の実施の形態によれば、どの文字入力エリアに属するかを判定しているので、文字入力エリアの指の軌跡を認識することができる。
【0129】
第1,第2の実施の形態によれば、タッチパネル入力手段上で操作された操作者の指の動きを抽出することができる。
【0130】
第1,第2の実施の形態によれば、複数の単語をタッチパネル入力手段の所定領域に表示することができる。
【0131】
第1,第2の実施の形態によれば、操作者に対して再入力を案内指示するための案内画面をタッチパネル入力手段に表示するようにしたので、再入力の案内指示を操作者に対して、視認させることができる。
【0132】
第1,第2の実施の形態によれば、タイマー手段を設けることにより、再入力画面から初期画面に変更することができる。
【0133】
第1,第2の実施の形態によれば、認識対象となる複数文字の組合わせからなる複数の単語を記憶手段に記憶しておくようにしたので、操作者が手書入力された複数文字を認識し易くすることができる。
【0134】
第3の実施の形態によれば、タッチパネルから入力された操作者の指の動きの軌跡から操作者が手書き入力した文字を認識するようにしたので、振込み処理を簡単に行うことができる。
【0135】
第3の実施の形態によれば、認識手段にて認識された複数の文字をタッチパネル入力手段の所定領域に順次表示することができる。
【0136】
第3の実施の形態によれば、手書き入力した文字で振り込み処理を行うことができる。
【0137】
第3の実施の形態によれば、複数の金融機関名、支店名をタッチパネル入力手段の所定領域に表示することができる。
【0138】
第3の実施の形態によれば、タッチパネル手段から操作者が手書入力した金融機関名、支店名がない場合には、操作者に対して再入力を指示するための案内画面をタッチパネル入力手段に表示するようにしたので、操作者はその内容を確認することができる。
【0139】
第3の実施の形態によれば、手書き入力した文字を認識し、その認識結果に応じて複数の取引種目を選択することができる。
【0140】
第3の実施の形態によれば、操作者により入力された暗証番号を照合することができる。
【0141】
第3の実施の形態によれば、認識された文字に基づいて、操作者に選択指示された処理内容を判別できることができる。
【0142】
【発明の効果】
本発明によれば、タッチパネル入力手段上で、操作された操作者の指の軌跡を正しく抽出するタッチパネル式入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振込先支店名入力の初期画面イメージ図。
【図2】(A)は文字入力エリアに指書きした文字の軌跡の表示イメージ図、(B)は文字入力エリアに指書きした文字の認識結果の表示イメージ図。
【図3】ATMの斜視図。
【図4】指先による入力を検出するための位置検出部の構造図。
【図5】爪と指先の隙間による位置検知のイメージと連結影信号図。
【図6】指先の2次元の検出結果を示す図。
【図7】文字認識処理の概念のブロック図。
【図8】振込先支店名入力の候補名表示画面イメージ図。
【図9】振込先支店名入力の該当候補なし表示画面イメージ図。
【図10】振込先支店名入力の50音表画面イメージ図。
【図11】振込先氏名入力の初期画面イメージ図。
【図12】振込先氏名入力の第4文字入力画面イメージ図。
【図13】振込先氏名確認画面イメージ図。
【図14】振込先銀行名入力の初期画面イメージ図。
【図15】文字入力エリアに指書きした文字の軌跡の表示イメージ図。
【図16】認識文字表示エリアに表示した認識結果のイメージ図。
【図17】文字認識処理の概念のブロック図。
【図18】振込先銀行名入力の候補名表示画面イメージ図。
【図19】振込先銀行名入力の該当文字なし表示画面イメージ図。
【図20】振込先銀行名入力の該当候補なし表示画面イメージ図。
【図21】振込先氏名入力の初期画面イメージ図。
【図22】振込先氏名入力の認識文字と次候補表示画面イメージ図。
【図23】振込先氏名入力の次候補キー押下後の画面イメージ図。
【図24】振込先氏名入力の会社法人キー選択画面イメージ図。
【図25】振込先銀行名入力の初期画面イメージ図。
【図26】文字入力エリアに指書きした文字の軌跡の表示イメージ図。
【図27】認識文字表示エリアに表示した認識結果のイメージ図。
【図28】振込先銀行名入力の候補名表示画面イメージ図。
【図29】誤認識文字再入力の画面イメージ図。
【図30】振込先氏名入力の初期画面イメージ図。
【図31】振込先氏名入力の2文字目入力画面イメージ図。
【図32】振込先銀行名入力の機関別候補名表示画面イメージ図。
【図33】振込先銀行名入力の金融機関別候補数表示画面イメージ図。
【図34】振込先銀行名入力の銀行名表示画面イメージ図。
【図35】指書き入力の表示画面を示す図。
【図36】支払の表示画面を示す図。
【図37】暗証入力の表示画面を示す図。
【図38】金額入力の表示画面を示す図。
【図39】金額確認の表示画面を示す図。
【図40】預入の表示画面を示す図。
【図41】金額投入の表示画面を示す図。
【図42】金額確認の表示画面を示す図。
【図43】残額照会の表示画面を示す図。
【図44】通帳記入の表示画面を示す図。
【符号の説明】
110…操作表示器、101…第1文字入力エリア、102…第2文字入力エリア、103…第3文字入力エリア。
Claims (1)
- 操作者の指により文字などの筆跡を示す情報を入力させるタッチパネル式入力装置であって、
矩形状の操作表示器と、
この操作表示器の横方向の一端に複数設けられ、赤外線を発光する複数の発行器からなる第1の赤外線発光器群と、
上記操作表示器の縦方向の一端に複数設けられ、赤外線を発光する複数の発行器からなる第2の赤外線発光器群と、
上記操作表示器の横方向の他端に複数設けられ、それぞれが上記第1の赤外線発光器群からの赤外線を受光する第1の受光器群と、
上記操作表示器の縦方向の他端に複数設けられ、それぞれが上記第2の赤外線発光器群からの赤外線を受光する第2の受光器群と、
上記第1の赤外線発光器群と第2の赤外線発光器群をそれぞれ順次点灯し、この点灯タイミングに同期して対応する第1の受光器群と第2の受光器群の受光により指先の位置を検知する検知手段と、
この検知手段により同一のタイミングで2つの影が検知された際に、これら2つの影を連結し、1つの影としての連結影信号に変更する変更手段と、
上記検知手段による指先の位置の検知と上記変更手段による連結影信号の中心点の軌跡により、指の軌跡を抽出する抽出手段と、
この抽出された指の軌跡により入力された文字を認識する認識手段と、
を具備したことを特徴とするタッチパネル式入力装置。
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