JP3804542B2 - 異方導電性コネクターおよびその製造方法、プローブ部材並びにウエハ検査装置およびウエハ検査方法 - Google Patents

異方導電性コネクターおよびその製造方法、プローブ部材並びにウエハ検査装置およびウエハ検査方法 Download PDF

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    • H01R43/007Apparatus or processes specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining, or repairing of line connectors or current collectors or for joining electric conductors for elastomeric connecting elements

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハに形成された複数の集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられる異方導電性コネクターおよびその製造方法並びにこの異方導電性コネクターを具えたプローブ部材に関し、更に詳しくは、例えば直径が8インチ以上のウエハであって、これに形成された集積回路における被検査電極の総数が5000点以上であるものについて、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために好適に用いられる異方導電性コネクターおよびその製造方法並びにこの異方導電性コネクターを具えたプローブ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体集積回路装置の製造工程においては、ウエハに多数の集積回路を形成した後、これらの集積回路の各々について、基礎的な電気特性を検査することによって欠陥を有する集積回路を選別するプローブ試験が行われる。次いで、このウエハを切断することによって半導体チップが形成され、この半導体チップが適宜のパッケージ内に収納されて封止される。更に、パッケージ化された半導体集積回路装置の各々について、高温環境下において電気特性を検査することによって、潜在的欠陥を有する半導体集積回路装置を選別するバーンイン試験が行われる。
このようなプローブ試験またはバーイン試験などの集積回路の電気的検査においては、検査対象であるウエハまたは集積回路装置における被検査電極の各々をテスターに電気的に接続するためにプローブ部材が用いられている。このようなプローブ部材としては、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極が形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板上に配置された異方導電性エラストマーシートとよりなるものが知られている。
【0003】
かかる異方導電性エラストマーシートとしては、従来、種々の構造のものが知られており、例えば特開昭51−93393号公報等には、金属粒子をエラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「分散型異方導電性エラストマーシート」という。)が開示され、また、特開昭53−147772号公報等には、導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「偏在型異方導電性エラストマーシート」という。)が開示され、更に、特開昭61−250906号公報等には、導電部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性エラストマーシートが開示されている。
そして、偏在型異方導電性エラストマーシートは、検査すべき集積回路の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って導電部が形成されているため、分散型異方導電性エラストマーシートに比較して、被検査電極の配列ピッチすなわち隣接する被検査電極の中心間距離が小さい集積回路などに対しても電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することができる点で、有利である。
【0004】
このような偏在型異方導電性エラストマーシートにおいては、検査用回路基板および検査対象物との電気的接続作業において、それらに対して特定の位置関係をもって保持固定することが必要である。
然るに、異方導電性エラストマーシートは柔軟で容易に変形しやすいものであって、その取扱い性が低いものである。しかも、近年、電気製品の小型化あるいは高密度配線化に伴い、これに使用される集積回路装置は、電極数が増加し、電極の配列ピッチが一層小さくなって高密度化する傾向にあるため、検査対象物の被検査電極に対する電気的接続を行う際に、偏在型異方導電性エラストマーシートの位置合わせおよび保持固定が困難になりつつある。
また、バーンイン試験においては、一旦は集積回路装置と偏在型異方導電性エラストマーシートとの所要の位置合わせおよび保持固定が実現された場合であっても、温度変化による熱履歴を受けると、熱膨張率が、検査対象である集積回路装置を構成する材料(例えばシリコン)と偏在型異方導電性エラストマーシートを構成する材料(例えばシリコーンゴム)との間で大きく異なるため、偏在型異方導電性エラストマーシートの導電部と集積回路装置の被検査電極との間に位置ずれが生じる結果、電気的接続状態が変化して安定な接続状態が維持されない、という問題がある。
【0005】
このような問題を解決するため、開口を有する金属製のフレーム板と、このフレーム板の開口に配置され、その周縁部が当該フレーム板の開口縁部に支持された異方導電性シートとよりなる異方導電性コネクターが提案されている(特開平11−40224号公報参照)。
【0006】
この異方導電性コネクターは、一般に、以下のようにして製造される。
図20に示すように、上型80およびこれと対となる下型85よりなる異方導電性エラストマーシート成形用の金型を用意し、この金型内に、開口91を有するフレーム板90を位置合わせして配置すると共に、硬化処理によって弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、フレーム板90の開口91およびその開口縁部を含む領域に供給して成形材料層95を形成する。ここで、成形材料層95に含有されている導電性粒子Pは、当該成形材料層95中に分散された状態である。
上記の金型における上型80および下型85の各々は、成形すべき異方導電性エラストマーシートの導電部のパターンに対応するパターンに従って形成された複数の強磁性体層81,86と、これらの強磁性体層81,86が形成された個所以外の個所に形成された非磁性体層82,87とからなる成形面を有し、対応する強磁性体層81,86が互いに対向するよう配置されている。
【0007】
そして、上型80の上面およひ下型85の下面に例えば一対の電磁石を配置してこれを作動させることにより、成形材料層95には、上型80の強磁性体層81とこれに対応する下型85の強磁性体層86との間の部分すなわち導電部となる部分において、それ以外の部分より大きい強度の磁場が当該成形材料層95の厚み方向に作用される。その結果、成形材料層95中に分散されている導電性粒子Pは、当該成形材料層95における大きい強度の磁場が作用されている部分、すなわち上型80の強磁性体層81とこれに対応する下型85の強磁性体層86との間の部分に集合し、更には厚み方向に並ぶよう配向する。そして、この状態で、成形材料層95の硬化処理を行うことにより、導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有された複数の導電部と、これらの導電部を相互に絶縁する絶縁部とよりなる異方導電性エラストマーシートが、その周縁部がフレーム板の開口縁部に支持された状態で成形され、以て異方導電性コネクターが製造される。
【0008】
このような異方導電性コネクターによれば、異方導電性エラストマーシートが金属製のフレーム板に支持されているため、変形しにくくて取扱いやすく、また、予めフレーム板に位置決め用マーク(例えば孔)を形成することにより、集積回路装置の電気的接続作業において、当該集積回路装置に対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができ、しかも、フレーム板を構成する材料として熱膨張率の小さいものを用いることにより、異方導電性シートの熱膨張がフレーム板によって規制されるため、温度変化による熱履歴を受けた場合にも、偏在型異方導電性エラストマーシートの導電部と集積回路装置の被検査電極との位置ずれが防止される結果、良好な電気的接続状態が安定に維持される。
【0009】
ところで、ウエハに形成された集積回路に対して行われるプローブ試験においては、従来、ウエハに形成された多数の集積回路のうち例えば16個または32個の集積回路からなる集積回路群について一括してプローブ試験を行い、順次、その他の集積回路群についてプローブ試験を行う方法が採用されている。
そして、近年、検査効率を向上させ、検査コストの低減化を図るために、ウエハに形成された多数の集積回路のうち例えば64個若しくは124個または全部の集積回路について一括してプローブ試験を行うことが要請されている。
【0010】
一方、バーンイン試験においては、検査対象である集積回路装置は微小なものであってその取扱いが不便なものであるため、多数の集積回路装置の電気的検査を個別的に行うためには,長い時間を要し、これにより、検査コストが相当に高いものとなる。このような理由から、ウエハ上に形成された多数の集積回路について、それらのバーンイン試験をウエハの状態で一括して行うWLBI(Wafer Lebel Burn−in)試験が提案されている。
【0011】
しかしながら、検査対象であるウエハが、例えば直径が8インチ以上の大型のものであって、その被検査電極の数が例えば5000以上、特に10000以上のものである場合には、各集積回路における被検査電極のピッチが極めて小さいものであるため、以下のような理由により、プローブ試験またはWLBI試験のためのプローブ部材として上記の異方導電性コネクターを適用することは困難であることが判明した。
【0012】
異方導電性エラストマーシートの成形工程において、成形材料層95の厚み方向に磁場を作用させた際には、当該成形材料層95における導電部となる部分のうち内側に位置する部分、例えば図20において符号Xで示す部分(以下、「導電部形成部分X」という。)には、当該導電部形成部分Xおよびその周囲に存在する導電性粒子Pが集合する。然るに、導電部となる部分のうち最も外側に位置する部分、例えば図20において符号Yで示す部分(以下、「導電部形成部分Y」という。)には、当該導電部形成部分Yおよびその周囲に存在する導電性粒子Pが集合するだけでなく、フレーム板90の上方および下方に存在する導電性粒子Pも集合する。その結果、導電部形成部分Yにおいて形成される導電部は、導電性粒子Pが過剰に含有された状態となるため、隣接する導電部またはフレーム板との絶縁性が得られず、これらの導電部を有効に利用することができない。また、導電部形成部分Yにおいて形成される導電部の導電性粒子Pの量が過剰となることを抑制するため、成形材料中における導電性粒子の含有量を少なくする手段も考えられるが、その他の導電部例えば導電部形成部分Xにおいて形成される導電部における導電性粒子の含有量が過小となるため、当該導電部において良好な導電性が得られない。
【0013】
また、直径が例えば8インチ(約20cm)のウエハを検査するためには、異方導電性コネクターとして、その異方導電性エラストマーシートの直径が8インチ程度のものを用いることが必要となる。然るに、このような異方導電性エラストマーシートは、全体の面積が大きいものであるが、各導電部は微細で、当該異方導電性エラストマーシート表面に占める導電部表面の面積の割合が小さいものであるため、当該異方導電性エラストマーシートを確実に製造することは極めて困難である。従って、異方導電性エラストマーシートの製造においては、歩留りが極端に低下する結果、異方導電性エラストマーシートの製造コストが増大し、延いては検査コストが増大する。
【0014】
また、ウエハを構成する材料例えばシリコンの線熱膨張係数は3.3×10-6/K程度であり、一方、異方導電性エラストマーシートを構成する材料例えばシリコーンゴムの線熱膨張係数は2.2×10-4/K程度である。従って、例えば25℃において、それぞれ直径が20cmのウエハおよび異方導電性エラストマーシートの各々を、20℃から120℃までに加熱した場合には、理論上、ウエハの直径の変化は0.0066cmにすぎないが、異方導電性エラストマーシートの直径の変化は0.44cmに達する。
このように、ウエハと異方導電性エラストマーシートとの間で、面方向における熱膨張の絶対量に大きな差が生じると、異方導電性エラストマーシートの周辺部を、ウエハの線熱膨張係数と同等の線熱膨張係数を有するフレーム板によって固定しても、WLBI試験を行う場合において、ウエハにおける被検査電極と異方導電性エラストマーシートにおける導電部との位置ずれを防止することは極めて困難である。
【0015】
また、WLBI試験のためのプローブ部材としては、例えばウエハの線熱膨張係数と同等の線熱膨張係数を有するセラミックスよりなる検査用回路基板上に、異方導電性エラストマーシートが固定されてなるものが知られている(例えば特開平7−231019号公報,特開平8−5666号公報等参照)。このようなプローブ部材において、検査用回路基板に異方導電性エラストマーシートを固定する手段としては、例えば螺子等によって異方導電性エラストマーシートにおける周辺部を機械的に固定する手段、接着剤等によって固定する手段などが考えられる。
しかしながら、螺子等によって異方導電性エラストマーシートにおける周辺部を固定する手段では、前述のフレーム板に固定する手段と同様の理由により、ウエハにおける被検査電極と異方導電性エラストマーシートにおける導電部との間の位置ずれを防止することは極めて困難である。
一方、接着剤によって固定する手段においては、検査用回路基板に対する電気的接続を確実に達成するためには、異方導電性エラストマーシートにおける絶縁部のみに接着剤を塗布することが必要となるが、WLBI試験に用いられる異方導電性エラストマーシートは、導電部の配置ピッチが小さく、隣接する導電部間の離間距離が小さいものであるため、そのようなことは実際上極めて困難である。また、接着剤によって固定する手段においては、異方導電性エラストマーシートが故障した場合には、当該異方導電性エラストマーシートのみを新たなものに交換することができず、検査用回路基板を含むプローブ部材全体を交換することが必要となり、その結果、検査コストの増大を招く。
【0016】
更に、プローブ試験またはバーンイン試験において、プローブ部材を検査対象物に押圧する手段として、従来、適宜の加圧機構によってプローブ部材に荷重を加えて加圧する荷重方式による手段が利用されている。而して、プローブ部材を検査対象物に対して安定にかつ確実に電気的に接続するためには、被検査電極1個当たり例えば5g程度の荷重を加えることが必要とされる。
然るに、検査対象物が例えば10000個以上の被検査電極を有するウエハである場合には、プローブ部材全体に50kg以上の荷重を加えなければならないため、加圧機構として大型のものが必要となって、検査装置全体が相当に大型のものとなる。
また、直径が8インチ以上の大面積のウエハの検査を行う場合には、当該ウエハ全体に均一に荷重を加えることが困難であるため、被検査電極の各々に加わる荷重にばらつきが生じる結果、全ての被検査電極に対して安定な電気的接続を達成することが困難である。
【0017】
このような問題を解決するため、プローブ部材を検査対象物に押圧する手段として、減圧方式によるものが提案されている(特開平8−5666号公報等参照)。この減圧方式による押圧手段は、上面が開口した箱型のチャンバー内に検査対象であるウエハを配置すると共に、当該チャンバー上に弾性を有するO−リングを介して当該チャンバーの開口を気密に塞ぐようプローブ部材を配置し、チャンバー内の空気を排気して当該チャンバー内を減圧することにより、プローブ部材を大気圧によって加圧するものである。
このような減圧方式による押圧手段によれば、大型の加圧機構が不要であるため、検査装置の小型化を図ることができると共に、ウエハ全体を均一な力で押圧することができる。
【0018】
しかしながら、このような減圧方式による押圧手段を用いる場合においては、チャンバー内の空気を排気したときに、プローブ部材における異方導電性エラストマーシートと検査用回路基板との間に空気が残存すると、両者が十分に密着しないため、安定な電気的接続が得られない、という問題がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、ウエハに形成された複数の集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられる異方導電性コネクターにおいて、検査対象であるウエハが、例えば直径が8インチ以上の大面積のものであって、形成された集積回路における被検査電極のピッチが小さいものであっても、当該ウエハに対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができ、しかも、全ての接続用導電部について、良好な導電性が確実に得られると共に隣接する接続用導電部との絶縁性が確実に得られる異方導電性コネクターおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記の目的に加えて、更に、温度変化による熱履歴などの環境の変化に対しても良好な電気的接続状態が安定に維持される異方導電性コネクターを提供することにある。
本発明の第3の目的は、検査対象である回路装置の被検査電極のピッチが小さいものであっても、当該回路装置に対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができ、しかも、各被検査電極に対する接続信頼性の高いプローブ部材を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の異方導電性コネクターは、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられる異方導電性コネクターであって、
検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成された磁性体よりなるフレーム板と、このフレーム板の各異方導電膜配置用孔内に配置され、当該異方導電膜配置用孔の周辺部に支持された複数の弾性異方導電膜とよりなり、
前記弾性異方導電膜の各々は、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極に対応して配置された、磁性を示す導電性粒子が磁場により集合して密に含有されてなる厚み方向に伸びる複数の接続用導電部、およびこれらの接続用導電部を相互に絶縁する絶縁部よりなる機能部と、この機能部の周縁に一体に形成され、前記フレーム板における異方導電膜配置用孔の周辺部に固定された被支持部とよりなり、当該被支持部には、前記磁場が作用する磁性を示す導電性粒子がフレーム板の上方および下方に保持されて含有されており、機能部において最も外側に位置する接続用導電部とフレーム板との間に絶縁部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明の異方導電性コネクターにおいては、フレーム板は、少なくとも異方導電膜配置用孔の周辺部における飽和磁化が0.1Wb/m2 以上であることが好ましい。
このような異方導電性コネクターにおいては、フレーム板全体が飽和磁化が0.1Wb/m2 以上の磁性体により構成されてもよい。
本発明において、「飽和磁化」とは、20℃の環境下において測定されるものをいう。
【0022】
また、本発明の異方導電性コネクターにおいては、フレーム板には、厚み方向に貫通して伸びる位置決め孔が形成されていることが好ましい。
また、本発明の異方導電性コネクターにおいては、フレーム板には、厚み方向に貫通して伸びる空気流通孔が形成されていることが好ましい。
【0023】
また、本発明の異方導電性コネクターにおいては、フレーム板の線熱膨張係数が3×10-5/K以下であることが好ましい。
このような異方導電性コネクターは、バーンイン試験に用いられる異方導電性コネクターとして好適である。
【0024】
また、本発明の異方導電性コネクターにおいては、弾性異方導電膜における機能部には、接続用導電部以外に、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極に電気的に接続されない厚み方向に伸びる非接続用導電部が形成され、当該非接続用導電部は、磁性を示す導電性粒子が密に含有されてなり、絶縁部によって前記接続用導電部の各々と相互に絶縁されていることが好ましい。
【0025】
本発明の異方導電性コネクターの製造方法は、上記の異方導電性コネクターを製造する方法であって、
検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成されたフレーム板を用意し、
このフレーム板の異方導電膜配置用孔の各々およびそれらの周辺部に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる弾性異方導電膜用の成形材料層を形成し、
この成形材料層に対して、その接続用導電部となる部分および被支持部となる部分においてそれら以外の部分よりも大きい強度の磁場を作用させることにより、少なくとも成形材料層における被支持部となる部分に存在する導電性粒子を当該部分に保持させた状態で、当該成形材料層中の導電性粒子を接続用導電部となる部分に集合させて厚み方向に配向させ、この状態で前記成形材料層を硬化処理することにより、弾性異方導電膜を形成する工程を有することを特徴とする。
【0026】
このような異方導電性コネクターの製造方法においては、それぞれ形成すべき弾性異方導電膜における接続用導電部のパターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成された上型および下型よりなる金型を用意し、
この金型における上型および下型の一方または両方の成形面に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、スクリーン印刷によって塗布し、当該上型および当該下型をフレーム板を介して重ね合わせることにより、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔の各々およびそれらの周辺部に成形材料層を形成することが好ましい。
【0027】
また、本発明の異方導電性コネクターの製造方法は、上記の異方導電性コネクターを製造する方法であって、
検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成されたフレーム板を用意し、
このフレーム板の一面または両面に、形成すべき弾性異方導電膜に対応して当該弾性異方導電膜の平面形状に適合する形状を有する厚み方向に伸びる貫通孔が形成されたスペーサーを配置し、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔および当該スペーサーの貫通孔に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる弾性異方導電膜用の成形材料層を形成し、
この成形材料層に対して、その接続用導電部となる部分および被支持部となる部分においてそれら以外の部分よりも大きい強度の磁場を作用させることにより、少なくとも成形材料層における被支持部となる部分に存在する導電性粒子を当該部分に保持させた状態で、当該成形材料層中の導電性粒子を接続用導電部となる部分に集合させて厚み方向に配向させ、この状態で前記成形材料層を硬化処理することにより、弾性異方導電膜を形成する工程を有することを特徴とする。
【0028】
このような異方導電性コネクターの製造方法においては、それぞれ形成すべき弾性異方導電膜における接続用導電部のパターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成された上型および下型よりなる金型を用意し、
この金型における上型および下型の一方または両方の成形面に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、スクリーン印刷によって塗布し、当該上型および当該下型を、フレーム板およびこのフレーム板の一面若しくは両面に配置されたスペーサーを介して重ね合わせることにより、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔および当該スペーサーの貫通孔に成形材料層を形成することが好ましい。
【0029】
また、本発明の異方導電性コネクターの製造方法は、上記の非接続用導電部を有する異方導電性コネクターを製造する方法であって、
検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成されたフレーム板を用意し、
このフレーム板の異方導電膜配置用孔の各々およびそれらの周辺部に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる弾性異方導電膜用の成形材料層を形成し、
この成形材料層に対して、その接続用導電部となる部分、非接続用導電部となる部分および被支持部となる部分においてそれら以外の部分よりも大きい強度の磁場を作用させることにより、少なくとも成形材料層における被支持部となる部分に存在する導電性粒子を当該部分に保持させた状態で、当該成形材料層中の導電性粒子を接続用導電部となる部分および非接続用導電部となる部分に集合させて厚み方向に配向させ、この状態で前記成形材料層を硬化処理することにより、弾性異方導電膜を形成する工程を有することを特徴とする。
【0030】
このような異方導電性コネクターの製造方法においては、それぞれ形成すべき弾性異方導電膜における接続用導電部および非接続用導電部のパターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成された上型および下型よりなる金型を用意し、
この金型における上型および下型の一方または両方の成形面に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、スクリーン印刷によって塗布し、当該上型および当該下型をフレーム板を介して重ね合わせることにより、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔の各々およびそれらの周辺部に成形材料層を形成することが好ましい。
【0031】
また、本発明の異方導電性コネクターの製造方法は、上記の非接続用導電部を有する異方導電性コネクターを製造する方法であって、
検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成されたフレーム板を用意し、
このフレーム板の一面または両面に、形成すべき弾性異方導電膜に対応して当該弾性異方導電膜の平面形状に適合する形状を有する厚み方向に伸びる貫通孔が形成されたスペーサーを配置し、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔および当該スペーサーの貫通孔に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる弾性異方導電膜用の成形材料層を形成し、
この成形材料層に対して、その接続用導電部となる部分、非接続用導電部となる部分および被支持部となる部分においてそれら以外の部分よりも大きい強度の磁場を作用させることにより、少なくとも成形材料層における被支持部となる部分に存在する導電性粒子を当該部分に保持させた状態で、当該成形材料層中の導電性粒子を接続用導電部となる部分および非接続用導電部となる部分に集合させて厚み方向に配向させ、この状態で前記成形材料層を硬化処理することにより、弾性異方導電膜を形成する工程を有することを特徴とする。
【0032】
このような異方導電性コネクターの製造方法においては、それぞれ形成すべき弾性異方導電膜における接続用導電部および非接続用導電部のパターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成された上型および下型よりなる金型を用意し、
この金型における上型および下型の一方または両方の成形面に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、スクリーン印刷によって塗布し、当該上型および当該下型を、フレーム板およびこのフレーム板の一面若しくは両面に配置されたスペーサーを介して重ね合わせることにより、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔および当該スペーサーの貫通孔に成形材料層を形成することが好ましい。
【0033】
本発明のプローブ部材は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられるプローブ部材であって、
検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極が表面に形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板の表面に配置された、上記の異方導電性コネクターとを具えてなることを特徴とする。
【0034】
本発明のプローブ部材においては、フレーム板の線熱膨張係数が3×10-5/K以下であり、検査用回路基板を構成する基板材料の線熱膨張係数が3×10-5/K以下であることが好ましい。
また、本発明のプローブ部材においては、異方導電性コネクター上に、絶縁性シートと、この絶縁性シートをその厚み方向に貫通して伸び、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された複数の電極構造体とよりなるシート状コネクターが配置されていてもよい。
本発明のウエハ検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うウエハ検査装置において、
上記のプローブ部材を具えてなり、当該プローブ部材を介して、検査対象であるウエハに形成された集積回路に対する電気的接続が達成されることを特徴とする。
本発明のウエハ検査方法は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々を、上記のプローブ部材を介してテスターに電気的に接続し、当該ウエハに形成された集積回路の電気的検査を実行することを特徴とする。
【0035】
【作用】
上記の異方導電性コネクターは、その弾性異方導電膜の形成において、成形材料層における被支持部となる部分に磁場を作用させることによって当該部分に導電性粒子が存在したままの状態で、当該成形材料層の硬化処理を行うことにより得られるものであるため、成形材料層における被支持部となる部分すなわちフレーム板における異方導電膜配置用孔の周辺部の上方および下方に位置する部分に存在する導電性粒子が、接続用導電部となる部分に集合することがなく、その結果、得られる弾性異方導電膜における接続用導電部、特に最も外側に位置する接続用導電部に、過剰な量の導電性粒子が含有されることが防止される。従って、成形材料層中の導電性粒子の含有量を少なくする必要もないので、弾性異方導電膜の全ての接続用導電部において、良好な導電性が確実に得られると共に、隣接する接続用導電部間の十分な絶縁性およびフレーム板とこれに隣接する接続用導電部との間の十分な絶縁性が確実に得られる。
【0036】
また、フレーム板の異方導電膜配置用孔の各々は、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応して形成されており、当該異方導電膜配置用孔の各々に配置される弾性異方導電膜は面積が小さいものでよいため、個々の弾性異方導電膜の形成が容易である。しかも、面積の小さい弾性異方導電膜は、熱履歴を受けた場合でも、当該弾性異方導電膜の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、フレーム板を構成する材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、弾性異方導電膜の面方向における熱膨張がフレーム板によって確実に規制される。従って、大面積のウエハに対してWLBI試験を行う場合においても、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【0037】
また、フレーム板に位置決め孔を形成することにより、検査対象であるウエハまたは検査用回路基板に対する位置合わせを容易に行うことができる。
また、フレーム板に空気流通孔を形成することにより、ウエハ検査装置において、プローブ部材を押圧する手段として減圧方式によるものを利用した場合には、チャンバー内を減圧したときに、異方導電性コネクターと検査用回路基板との間に存在する空気がフレーム板の空気流通孔を介して排出され、これにより、異方導電性コネクターと検査用回路基板とを確実に密着させることができるので、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔異方導電性コネクター〕
図1は、本発明に係る異方導電性コネクターの一例を示す平面図、図2は、図1に示す異方導電性コネクターの一部を拡大して示す平面図、図3は、図1に示す異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜を拡大して示す平面図、図4は、図1に示す異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜を拡大して示す説明用断面図である。
【0039】
図1に示す異方導電性コネクターは、例えば複数の集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられるものであって、図2に示すように、それぞれ厚み方向に貫通して伸びる複数の異方導電膜配置用孔11(破線で示す)が形成されたフレーム板10を有する。このフレーム板10の異方導電膜配置用孔11は、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して形成されている。フレーム板10の各異方導電膜配置用孔11内には、厚み方向に導電性を有する弾性異方導電膜20が、当該フレーム板10の当該異方導電膜配置用孔11の周辺部に支持された状態で、かつ、隣接する弾性異方導電膜20と互いに独立した状態で配置されている。また、この例におけるフレーム板10には、後述するウエハ検査装置において、減圧方式の加圧手段を用いる場合に、当該異方導電性コネクターとこれに隣接する部材との間の空気を流通させるための空気流通孔15が形成され、更に、検査対象であるウエハおよび検査用回路基板との位置決めを行うための位置決め孔16が形成されている。
【0040】
弾性異方導電膜20は、その基材が弾性高分子物質よりなり、図3に示すように、厚み方向(図3において紙面と垂直な方向)に伸びる複数の接続用導電部22と、この接続用導電部22の各々の周囲に形成され、当該接続用導電部22の各々を相互に絶縁する絶縁部23とよりなる機能部21を有し、当該機能部21は、フレーム板10の異方導電膜配置用孔11に位置するよう配置されている。この機能部21における接続用導電部22は、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置され、当該ウエハの検査において、その被検査電極に電気的に接続されるものである。
機能部21の周縁には、フレーム板10における異方導電膜配置用孔11の周辺部に固定支持された被支持部25が、当該機能部21に一体に連続して形成されている。具体的には、この例における被支持部25は、二股状に形成されており、フレーム板10における異方導電膜配置用孔11の周辺部を把持するよう密着した状態で固定支持されている。
弾性異方導電膜20の機能部21における接続用導電部22には、図4に示すように、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されている。これに対して、絶縁部23は、導電性粒子Pが全く或いは殆ど含有されていないものである。そして、弾性異方導電膜20における被支持部25には、導電性粒子Pが含有されている。
また、図示の例では、弾性異方導電膜20における機能部21の両面には、接続用導電部22およびその周辺部分が位置する個所に、それ以外の表面から突出する突出部24が形成されている。
【0041】
フレーム板10の厚みは、その材質によって異なるが、20〜600μmであることが好ましく、より好ましくは40〜400μmである。
この厚みが20μm未満である場合には、異方導電性コネクターを使用する際に必要な強度が得られず、耐久性が低いものとなりやすく、また、当該フレーム板10の形状が維持される程度の剛性が得られず、異方導電性コネクターの取扱い性が低いものとなる。一方、厚みが600μmを超える場合には、異方導電膜配置用孔11に形成される弾性異方導電膜20は、その厚みが過大なものとなって、接続用導電部22における良好な導電性および隣接する接続用導電部22間における絶縁性を得ることが困難となることがある。
フレーム板10の異方導電膜配置用孔11における面方向の形状および寸法は、検査対象であるウエハの被検査電極の寸法、ピッチおよびパターンに応じて設計される。
【0042】
フレーム板10を構成する材料としては、当該フレーム板10が容易に変形せず、その形状が安定に維持される程度の剛性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料などの種々の材料を用いることができ、フレーム板10を例えば金属材料により構成する場合には、当該フレーム板10の表面に絶縁性被膜が形成されていてもよい。
フレーム板10を構成する金属材料の具体例としては、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト、マグネシウム、マンガン、モリブデン、インジウム、鉛、パラジウム、チタン、タングステン、アルミニウム、金、白金、銀などの金属またはこれらを2種以上組み合わせた合金若しくは合金鋼などが挙げられる。
フレーム板10を構成する樹脂材料の具体例としては、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
【0043】
また、フレーム板10は、後述する方法により、弾性異方導電膜20における被支持部25に導電性粒子Pを容易に含有させることができる点で、少なくとも異方導電膜配置用孔11の周辺部すなわち弾性異方導電膜20を支持する部分が磁性を示すもの、具体的にはその飽和磁化が0.1Wb/m2 以上のものであることが好ましく、特に、当該フレーム板10の作製が容易な点で、フレーム板10全体が磁性体により構成されていることが好ましい。
このようなフレーム板10を構成する磁性体の具体例としては、鉄、ニッケル、コバルト若しくはこれらの磁性金属の合金またはこれらの磁性金属と他の金属との合金若しくは合金鋼などが挙げられる。
【0044】
また、異方導電性コネクターをWLBI試験に用いる場合には、フレーム板10を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kである。
このような材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの磁性金属の合金または合金鋼などが挙げられる。
【0045】
弾性異方導電膜20の全厚(図示の例では接続用導電部22における厚み)は、50〜3000μmであることが好ましく、より好ましくは70〜2500μm、特に好ましくは100〜2000μmである。この厚みが50μm以上であれば、十分な強度を有する弾性異方導電膜20が確実に得られる。一方、この厚みが3000μm以下であれば、所要の導電性特性を有する接続用導電部22が確実に得られる。
突出部24の突出高さは、その合計が当該突出部24における厚みの10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。このような突出高さを有する突出部24を形成することにより、小さい加圧力で接続用導電部22が十分に圧縮されるため、良好な導電性が確実に得られる。
また、突出部24の突出高さは、当該突出部24の最短幅または直径の100%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下である。このような突出高さを有する突出部24を形成することにより、当該突出部24が加圧されたときに座屈することがないため、所期の導電性が確実に得られる。
また、被支持部25の厚み(図示の例では二股部分の一方の厚み)は、5〜600μmであることが好ましく、より好ましくは10〜500μm、特に好ましくは20〜400μmである。
また、被支持部25は二股状に形成されることは必須のことではなく、フレーム板10の一面のみに固定されていてもよい。
【0046】
弾性異方導電膜20を構成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有する耐熱性の高分子物質が好ましい。かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムなどが挙げられる。
これらの中では、シリコーンゴムが、成形加工性および電気特性の点で好ましい。
【0047】
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0048】
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる弾性異方導電膜20の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0049】
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
【0050】
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる弾性異方導電膜20の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
【0051】
高分子物質形成材料中には、当該高分子物質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0052】
弾性異方導電膜20における接続用導電部22および被支持部25に含有される導電性粒子Pとしては、後述する方法によって、当該弾性異方導電膜20を形成するための成形材料中において当該導電性粒子Pを容易に移動させることができる観点から、磁性を示すものを用いることが好ましい。このような磁性を示す導電性粒子Pの具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキにより行うことができる。
【0053】
導電性粒子Pとして、芯粒子の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45重量%、さらに好ましくは3.5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
【0054】
また、導電性粒子Pの粒子径は、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2〜400μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μmである。
また、導電性粒子Pの粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、得られる弾性異方導電膜20は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該弾性異方導電膜20における接続用導電部22において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子Pの形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
【0055】
また、導電性粒子Pの含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、後述する製造方法において、成形材料層を硬化処理する際に、当該成形材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0056】
また、導電性粒子Pの表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性粒子Pの表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子Pと弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる弾性異方導電膜20は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子Pの導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子Pの表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
【0057】
機能部21の接続用導電部22における導電性粒子Pの含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%となる割合で用いられることが好ましい。この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい接続用導電部22が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる接続用導電部22は脆弱なものとなりやすく、接続用導電部22として必要な弾性が得られないことがある。
また、被支持部25における導電性粒子Pの含有割合は、弾性異方導電膜20を形成するための成形材料中の導電性粒子の含有割合によって異なるが、弾性異方導電膜20における接続用導電部22のうち最も外側に位置する接続用導電部22に、過剰な量の導電性粒子Pが含有されることが確実に防止される点で、成形材料中の導電性粒子の含有割合と同等若しくはそれ以上であることが好ましく、また、十分な強度を有する被支持部25が得られる点で、体積分率で30%以下であることが好ましい。
【0058】
高分子物質形成材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、得られる成形材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子Pの分散安定性が向上すると共に、硬化処理されて得られる弾性異方導電膜20の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後述する製造方法において、磁場による導電性粒子Pの移動が大きく阻害されるため、好ましくない。
【0059】
上記の異方導電性コネクターは、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して異方導電膜配置用孔11が形成された磁性金属よりなるフレーム板10を作製する。ここで、フレーム板10の異方導電膜配置用孔11を形成する方法としては、例えばエッチング法などを利用することができる。
【0060】
次いで、硬化処理によって弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製する。そして、図5に示すように、弾性異方導電性膜成形用の金型60を用意し、この金型60における上型61および下型65の各々の成形面に、所要のパターンすなわち形成すべき弾性異方導電膜の配置パターンに従って成形材料を塗布することによって成形材料層20Aを形成する。
【0061】
ここで、金型60について具体的に説明すると、この金型60は、上型61およびこれと対となる下型65が互いに対向するよう配置されて構成されている。上型61においては、図6に拡大して示すように、基板62の下面に、成形すべき弾性異方導電性膜20の接続用導電部22の配置パターンに対掌なパターンに従って強磁性体層63が形成され、この強磁性体層63以外の個所には、非磁性体層64が形成されており、これらの強磁性体層63および非磁性体層64によって成形面が形成されている。また、上型61の成形面には、成形すべき弾性異方導電膜20における突出部24に対応して凹所64aが形成されている。
一方、下型65においては、基板66の上面に、成形すべき弾性異方導電膜20の接続用導電部22の配置パターンと同一のパターンに従って強磁性体層67が形成され、この強磁性体層67以外の個所には、非磁性体層68が形成されており、これらの強磁性体層67および非磁性体層68によって成形面が形成されている。また、下型65の成形面には、成形すべき弾性異方導電膜20における突出部24に対応して凹所68aが形成されている。
【0062】
上型61および下型65の各々における基板62,66は、強磁性体により構成されていることが好ましく、このような強磁性体の具体例としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属が挙げられる。この基板62,66は、その厚みが0.1〜50mmであることが好ましく、表面が平滑で、化学的に脱脂処理され、また、機械的に研磨処理されたものであることが好ましい。
【0063】
また、上型61および下型65の各々における強磁性体層63,67を構成する材料としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属を用いることができる。この強磁性体層63,67は、その厚みが10μm以上であることが好ましい。この厚みが10μm以上であれば、成形材料層20Aに対して、十分な強度分布を有する磁場を作用させることができ、この結果、当該成形材料層20Aにおける接続用導電部22となる部分に導電性粒子を高密度に集合させることができ、良好な導電性を有する接続用導電部22が得られる。
【0064】
また、上型61および下型65の各々における非磁性体層64,68を構成する材料としては、銅などの非磁性金属、耐熱性を有する高分子物質などを用いることができるが、フォトリソグラフィーの手法により容易に非磁性体層64,68を形成することができる点で、放射線によって硬化された高分子物質を好ましく用いることができ、その材料としては、例えばアクリル系のドライフィルムレジスト、エポキシ系の液状レジスト、ポリイミド系の液状レジストなどのフォトレジストを用いることができる。
【0065】
上型61および下型65の成形面に成形材料を塗布する方法としては、スクリーン印刷法を用いることが好ましい。このような方法によれば、成形材料を所要のパターンに従って塗布することが容易で、しかも、適量の成形材料を塗布することができる。
【0066】
次いで、図7に示すように、成形材料層20Aが形成された下型65の成形面上に、スペーサー69aを介して、フレーム板10を位置合わせして配置すると共に、このフレーム板10上に、スペーサー69bを介して、成形材料層20Aが形成された上型61を位置合わせして配置し、更に、これらを重ね合わせることにより、図8に示すように、上型61と下型65との間に、目的とする形態(形成すべき弾性異方導電膜20の形態)の成形材料層20Aが形成される。この成形材料層20Aにおいては、図9に示すように、導電性粒子Pは成形材料層20A全体に分散された状態で含有されている。
このようにフレーム板10と上型61および下型65との間にスペーサー69a,69bを配置することにより、目的とする形態の弾性異方導電膜を形成することができると共に、隣接する弾性異方導電膜同士が連結することが防止されるため、互いに独立した多数の弾性異方導電膜を確実に形成することができる。
【0067】
その後、上型61における基板62の上面および下型65における基板66の下面に例えば一対の電磁石を配置してこれを作動させることにより、上型61および下型65が強磁性体層63,67を有するため、上型61の強磁性体層63とこれに対応する下型65の強磁性体層67との間においてその周辺領域より大きい強度を有する磁場が形成される。その結果、成形材料層20Aにおいては、当該成形材料層20A中に分散されていた導電性粒子Pが、図10に示すように、上型61の強磁性体層63とこれに対応する下型65の強磁性体層67との間に位置する接続用導電部22となる部分に集合して厚み方向に並ぶよう配向する。以上において、フレーム板10が磁性金属よりなるため、上型61および下型65の各々とフレーム板10との間においてその付近より大きい強度の磁場が形成される結果、成形材料層20Aにおけるフレーム板10の上方および下方にある導電性粒子Pは、上型61の強磁性体層63と下型65の強磁性体層67との間に集合せず、フレーム板10の上方および下方に保持されたままとなる。
【0068】
そして、この状態において、成形材料層20Aを硬化処理することにより、弾性高分子物質中に導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる複数の接続用導電部22が、導電性粒子Pが全く或いは殆ど存在しない高分子弾性物質よりなる絶縁部23によって相互に絶縁された状態で配置されてなる機能部21と、この機能部21の周辺に連続して一体に形成された、弾性高分子物質中に導電性粒子Pが含有されてなる被支持部25とよりなる弾性異方導電膜20が、フレーム板10の異方導電膜配置用孔11の周辺部に当該被支持部25が固定された状態で形成され、以て異方導電性コネクターが製造される。
【0069】
以上において、成形材料層20Aにおける接続用導電部22となる部分および被支持部25となる部分に作用させる外部磁場の強度は、平均で0.1〜2.5テスラとなる大きさが好ましい。
成形材料層20Aの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。加熱により成形材料層20Aの硬化処理を行う場合には、電磁石にヒーターを設ければよい。具体的な加熱温度および加熱時間は、成形材料層20Aを構成する高分子物質形成材料などの種類、導電性粒子Pの移動に要する時間などを考慮して適宜選定される。
【0070】
上記の異方導電性コネクターによれば、弾性異方導電膜20には、接続用導電部22を有する機能部21の周縁に被支持部25が形成されており、この被支持部25がフレーム板10の異方導電膜配置用孔11の周辺部に固定されているため、変形しにくくて取扱いやすく、検査対象であるウエハとの電気的接続作業において、当該ウエハに対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができる。
【0071】
そして、上記の異方導電性コネクターは、その弾性異方導電膜20の形成において、成形材料層20Aにおける被支持部25となる部分に例えば磁場を作用させることによって当該部分に導電性粒子Pが存在したままの状態で、当該成形材料層20Aの硬化処理を行うことにより得られるため、成形材料層20Aにおける被支持部25となる部分すなわちフレーム板10における異方導電膜配置用孔11の周辺部の上方および下方に位置する部分に存在する導電性粒子Pが、接続用導電部22となる部分に集合することがなく、その結果、得られる弾性異方導電膜20における接続用導電部22のうち最も外側に位置する接続用導電部22に、過剰な量の導電性粒子Pが含有されることが防止される。従って、成形材料層20A中の導電性粒子Pの含有量を少なくする必要もないので、弾性異方導電膜20の全ての接続用導電部22について、良好な導電性が確実に得られると共に隣接する接続用導電部22との絶縁性が確実に得られる。
【0072】
また、フレーム板10の異方導電膜配置用孔11の各々は、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応して形成されており、当該異方導電膜配置用孔11の各々に配置される弾性異方導電膜20は面積が小さいものでよいため、個々の弾性異方導電膜20の形成が容易である。しかも、面積の小さい弾性異方導電膜20は、熱履歴を受けた場合でも、当該弾性異方導電膜20の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、フレーム板10を構成する材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、弾性異方導電膜20の面方向における熱膨張がフレーム板によって確実に規制される。従って、大面積のウエハに対してWLBI試験を行う場合においても、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【0073】
また、フレーム板10に位置決め孔16が形成されているため、検査対象であるウエハまたは検査用回路基板に対する位置合わせを容易に行うことができる。また、フレーム板10に空気流通孔15が形成されているため、後述するウエハ検査装置において、プローブ部材を押圧する手段として減圧方式によるものを利用した場合には、チャンバー内を減圧したときに、異方導電性コネクターと検査用回路基板との間に存在する空気がフレーム板10の空気流通孔15を介して排出され、これにより、異方導電性コネクターと検査用回路基板とを確実に密着させることができるので、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
【0074】
〔ウエハ検査装置〕
図11は、本発明に係る異方導電性コネクターを用いたウエハ検査装置の一例における構成の概略を示す説明用断面図であり、このウエハ検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うためのものである。
【0075】
図11に示すウエハ検査装置は、検査対象であるウエハ6の被検査電極7の各々とテスターとの電気的接続を行うプローブ部材1を有する。このプローブ部材1においては、図12にも拡大して示すように、検査対象であるウエハ6の被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って複数の検査電極31が表面(図において下面)形成された検査用回路基板30を有し、この検査用回路基板30の表面には、図1〜図4に示す構成の異方導電性コネクター2が、その弾性異方導電膜20における接続用導電部22の各々が検査用回路基板30の検査電極31の各々に対接するよう設けられ、この異方導電性コネクター2の表面(図において下面)には、絶縁性シート41に検査対象であるウエハ6の被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って複数の電極構造体42が配置されてなるシート状コネクター40が、当該電極構造体42の各々が異方導電性コネクター2の弾性異方導電膜20における接続用導電部22の各々に対接するよう設けられている。
また、プローブ部材1における検査用回路基板30の裏面(図において上面)には、当該プローブ部材1を下方に加圧する加圧板3が設けられ、プローブ部材1の下方には、検査対象であるウエハ6が載置されるウエハ載置台4が設けられており、加圧板3およびウエハ載置台4の各々には、加熱器5が接続されている。
【0076】
検査用回路基板30を構成する基板材料としては、従来公知の種々の基板材料を用いることができ、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型フェノール樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂等の複合樹脂材料、ガラス、二酸化珪素、アルミナ等のセラミックス材料などが挙げられる。
また、WLBI試験を行うためのウエハ検査装置を構成する場合には、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜6×10-6/Kである。
このような基板材料の具体例としては、パイレックスガラス、石英ガラス、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素など挙げられる。
【0077】
プローブ部材1におけるシート状コネクター40について具体的に説明すると、このシート状コネクター40は、柔軟な絶縁性シート41を有し、この絶縁性シート41には、当該絶縁性シート41の厚み方向に伸びる複数の金属よりなる電極構造体42が、検査対象であるウエハ6の被検査電極7のパターンに対応するパターンに従って、当該絶縁性シート41の面方向に互いに離間して配置されている。
電極構造体42の各々は、絶縁性シート41の表面(図において下面)に露出する突起状の表面電極部43と、絶縁性シート41の裏面に露出する板状の裏面電極部44とが、絶縁性シート41の厚み方向に貫通して伸びる短絡部45によって互いに一体に連結されて構成されている。
【0078】
絶縁性シート41としては、絶縁性を有する柔軟なものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエステル、フッ素系樹脂などよりなる樹脂シート、繊維を編んだクロスに上記の樹脂を含浸したシートなどを用いることができる。
また、絶縁性シート41の厚みは、当該絶縁性シート41が柔軟なものであれば特に限定されないが、10〜50μmであることが好ましく、より好ましくは10〜25μmである。
【0079】
電極構造体42を構成する金属としては、ニッケル、銅、金、銀、パラジウム、鉄などを用いることができ、電極構造体42としては、全体が単一の金属よりなるものであっても、2種以上の金属の合金よりなるものまたは2種以上の金属が積層されてなるものであってもよい。
また、電極構造体42における表面電極部43および裏面電極部44の表面には、当該電極部の酸化が防止されると共に、接触抵抗の小さい電極部が得られる点で、金、銀、パラジウムなどの化学的に安定で高導電性を有する金属被膜が形成されていることが好ましい。
【0080】
電極構造体42における表面電極部43の突出高さは、ウエハ6の被検査電極7に対して安定な電気的接続を達成することができる点で、15〜50μmであることが好ましく、より好ましくは15〜30μmである。また、表面電極部43の径は、ウエハ6の被検査電極の寸法およびピッチに応じて設定されるが、例えば30〜80μmであり、好ましくは30〜50μmである。
電極構造体42における裏面電極部44の径は、短絡部45の径より大きく、かつ、電極構造体42の配置ピッチより小さいものであればよいが、可能な限り大きいものであることが好ましく、これにより、異方導電性コネクター2の弾性異方導電膜20における接続用導電部22に対しても安定な電気的接続を確実に達成することができる。また、裏面電極部44の厚みは、強度が十分に高くて優れた繰り返し耐久性が得られる点で、20〜50μmであることが好ましく、より好ましくは35〜50μmである。
電極構造体42における短絡部45の径は、十分に高い強度が得られる点で、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜50μmである。
【0081】
シート状コネクター40は、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、絶縁性シート41上に金属層が積層されてなる積層材料を用意し、この積層材料における絶縁性シート41に対して、レーザ加工、ドライエッチング加工等によって、当該絶縁性シート41の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を、形成すべき電極構造体42のパターンに対応するパターンに従って形成する。次いで、この積層材料に対してフォトリソグラフィーおよびメッキ処理を施すことによって、絶縁性シート41の貫通孔内に金属層に一体に連結された短絡部45を形成すると共に、当該絶縁性シート41の表面に、短絡部45に一体に連結された突起状の表面電極部43を形成する。その後、積層材料における金属層に対してフォトエッチング処理を施してその一部を除去することにより、裏面電極部44を形成して電極構造体42を形成し、以てシート状コネクター40が得られる。
【0082】
このような電気的検査装置においては、ウエハ載置台4上に検査対象であるウエハ6が載置され、次いで、加圧板3によってプローブ部材1が下方に加圧されることにより、そのシート状コネクター40の電極構造体42における表面電極部43の各々が、ウエハ6の被検査電極7の各々に接触し、更に、当該表面電極部43の各々によって、ウエハ6の被検査電極7の各々が加圧される。この状態においては、異方導電性コネクター2の弾性異方導電膜20における接続用導電部22の各々は、検査用回路基板30の検査電極31とシート状コネクター40の電極構造体42の表面電極部43とによって挟圧されて厚み方向に圧縮されており、これにより、当該接続用導電部22にはその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハ6の被検査電極7と検査用回路基板30の検査電極31との電気的接続が達成される。その後、加熱器5によって、ウエハ載置台4および加圧板3を介してウエハ6が所定の温度に加熱され、この状態で、当該ウエハ6における複数の集積回路の各々について所要の電気的検査が実行される。
【0083】
このようなウエハ検査装置によれば、前述の異方導電性コネクター2を有するプローブ部材1を介して、検査対象であるウエハ6の被検査電極7に対する電気的接続が達成されるため、被検査電極7のピッチが小さいものであっても、当該ウエハに対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができ、しかも、各被検査電極に対する高い接続信頼性が得られる。
また、異方導電性コネクター2における弾性異方導電膜20は、それ自体の面積が小さいものであり、熱履歴を受けた場合でも、当該弾性異方導電膜20の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、フレーム板10を構成する材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、弾性異方導電膜20の面方向における熱膨張がフレーム板によって確実に規制される。従って、大面積のウエハに対してWLBI試験を行う場合においても、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【0084】
図13は、本発明に係る異方導電性コネクターを用いたウエハ検査装置の他の例における構成の概略を示す説明用断面図である。
このウエハ検査装置は、検査対象であるウエハ6が収納される、上面が開口した箱型のチャンバー50を有する。このチャンバー50の側壁には、当該チャンバー50の内部の空気を排気するための排気管51が設けられており、この排気管51には、例えば真空ポンプ等の排気装置(図示省略)が接続されている。
チャンバー50上には、図11に示すウエハ検査装置におけるプローブ部材1と同様の構成のプローブ部材1が、当該チャンバー50の開口を気密に塞ぐよう配置されている。具体的には、チャンバー50における側壁の上端面上には、弾性を有するO−リング55が密着して配置され、プローブ部材1は、その異方導電性コネクター2およびシート状コネクター40がチャンバー50内に収容され、かつ、その検査用回路基板30における周辺部がO−リング55に密着した状態で配置されており、更に、検査用回路基板30が、その裏面(図において上面)には設けられた加圧板3によって下方に加圧された状態とされている。
また、チャンバー50および加圧板3には、加熱器5が接続されている。
【0085】
このようなウエハ検査装置においては、チャンバー50の排気管51に接続された排気装置を駆動させることにより、チャンバー50内が例えば1000Pa以下に減圧される結果、大気圧によって、プローブ部材1が下方に加圧される。これにより、O−リング55が弾性変形するため、プローブ部材1が下方に移動する結果、シート状コネクター40の電極構造体42における表面電極部43の各々によって、ウエハ6の被検査電極7の各々が加圧される。この状態においては、異方導電性コネクター2の弾性異方導電膜20における接続用導電部22の各々は、検査用回路基板30の検査電極31とシート状コネクター40の電極構造体42の表面電極部43とによって挟圧されて厚み方向に圧縮されており、これにより、当該接続用導電部22にはその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハ6の被検査電極7と検査用回路基板30の検査電極31との電気的接続が達成される。その後、加熱器5によって、チャンバー50および加圧板3を介してウエハ6が所定の温度に加熱され、この状態で、当該ウエハ6における複数の集積回路の各々について所要の電気的検査が実行される。
【0086】
このようなウエハ検査装置によれば、図11に示すウエハ検査装置と同様の効果が得られ、更に、大型の加圧機構が不要であるため、検査装置全体の小型化を図ることができると共に、検査対象であるウエハ6が例えば直径が8インチ以上の大面積のものであっても、当該ウエハ6全体を均一な力で押圧することができる。しかも、異方導電性コネクター2におけるフレーム板10には、空気流通孔15が形成されているため、チャンバー50内を減圧したときに、異方導電性コネクター2と検査用回路基板30との間に存在する空気が、異方導電性コネクター2におけるフレーム板10の空気流通孔15を介して排出され、これにより、異方導電性コネクター2と検査用回路基板30とを確実に密着させることができるので、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
【0087】
〔他の実施の形態〕
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、次のような種々の変更を加えることが可能である。
(1)異方導電性コネクターにおいては、弾性異方導電膜20には、接続用導電部22以外に、ウエハにおける被検査電極に電気的に接続されない非接続用導電部が形成されていてもよい。以下、非接続用導電部が形成された弾性異方導電膜を有する異方導電性コネクターについて説明する。
【0088】
図14は、本発明に係る異方導電性コネクターの他の例における弾性異方導電膜を拡大して示す平面図である。この異方導電性コネクターの弾性異方導電膜20においては、その機能部21に、検査対象であるウエハの被検査電極に電気的に接続される厚み方向(図14において紙面と垂直な方向)に伸びる複数の接続用導電部22が、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って2列に並ぶよう配置され、これらの接続用導電部22の各々は、磁性を示す導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されてなり、導電性粒子が全く或いは殆ど含有されていない絶縁部23によって相互に絶縁されている。
そして、接続用導電部22が並ぶ方向において、最も外側に位置する接続用導電部22とフレーム板10との間には、検査対象であるウエハの被検査電極に電気的に接続されない厚み方向に伸びる非接続用導電部26が形成されている、この非接続用導電部26は、磁性を示す導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されてなり、導電性粒子が全く或いは殆ど含有されていない絶縁部23によって、接続用導電部22と相互に絶縁されている。
また、図示の例では、弾性異方導電膜20における機能部21の両面には、接続用導電部22およびその周辺部分が位置する個所並びに非接続用導電部26およびその周辺部分が位置する個所に、それら以外の表面から突出する突出部24および突出部27が形成されている。
機能部21の周縁には、フレーム板10における異方導電膜配置用孔11の周辺部に固定支持された被支持部25が、当該機能部21に一体に連続して形成されており、この被支持部25には、導電性粒子が含有されている。
その他の構成は、基本的に図1〜図4に示す異方導電性コネクターの構成と同様である。
【0089】
図15は、本発明に係る異方導電性コネクターの更に他の例における弾性異方導電膜を拡大して示す平面図である。この異方導電性コネクターの弾性異方導電膜20においては、その機能部21に、検査対象であるウエハの被検査電極に電気的に接続される厚み方向(図15において紙面と垂直な方向)に伸びる複数の接続用導電部22が、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って並ぶよう配置され、これらの接続用導電部22の各々は、磁性を示す導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されてなり、導電性粒子が全く或いは殆ど含有されていない絶縁部23によって相互に絶縁されている。
これらの接続用導電部22のうち中央に位置する互いに隣接する2つの接続用導電部22は、その他の互いに隣接する接続用導電部22間における離間距離より大きい離間距離で配置されている。そして、中央に位置する互いに隣接する2つの接続用導電部22の間には、検査対象であるウエハの被検査電極に電気的に接続されない厚み方向に伸びる非接続用導電部26が形成されている、この非接続用導電部26は、磁性を示す導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されてなり、導電性粒子が全く或いは殆ど含有されていない絶縁部23によって、接続用導電部22と相互に絶縁されている。
また、図示の例では、弾性異方導電膜20における機能部21の両面には、接続用導電部22およびその周辺部分が位置する個所並びに非接続用導電部26およびその周辺部分が位置する個所に、それら以外の表面から突出する突出部24および突出部27が形成されている。
機能部21の周縁には、フレーム板10における異方導電膜配置用孔11の周辺部に固定支持された被支持部25が、当該機能部21に一体に連続して形成されており、この被支持部25には、導電性粒子が含有されている。
その他の具体的な構成は、基本的に図1〜図4に示す異方導電性コネクターの構成と同様である。
【0090】
図14に示す異方導電性コネクターおよび図15に示す異方導電性コネクターは、図6に示す金型の代わりに、成形すべき弾性異方導電性膜20の接続用導電部22および非接続用導電部26の配置パターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成され、この強磁性体層以外の個所には、非磁性体層が形成された上型および下型からなる金型を用いることにより、前述の図1〜図4に示す異方導電性コネクターを製造する方法と同様にして製造することができる。
【0091】
すなわち、このような金型によれば、上型における基板の上面および下型における基板の下面に例えば一対の電磁石を配置してこれを作動させることにより、当該上型および当該下型の間に形成された成形材料層においては、当該成形材料層における機能部21となる部分に分散されていた導電性粒子が、接続用導電部22となる部分および非接続用導電部26となる部分に集合して厚み方向に並ぶよう配向し、一方、成形材料層におけるフレーム板10の上方および下方にある導電性粒子は、フレーム板10の上方および下方に保持されたままとなる。
そして、この状態において、成形材料層を硬化処理することにより、弾性高分子物質中に導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる複数の接続用導電部22および被接続用導電部26が、導電性粒子が全く或いは殆ど存在しない高分子弾性物質よりなる絶縁部23によって相互に絶縁された状態で配置されてなる機能部21と、この機能部21の周辺に連続して一体に形成された、弾性高分子物質中に導電性粒子が含有されてなる被支持部25とよりなる弾性異方導電膜20が、フレーム板10の異方導電膜配置用孔11の周辺部に当該被支持部25が固定された状態で形成され、以て異方導電性コネクターが製造される。
【0092】
図14に示す異方導電性コネクターにおける非接続用導電部26は、弾性異方導電膜20の形成において、成形材料層における非接続用導電部26となる部分に磁場を作用させることにより、成形材料層における最も外側に位置する接続用導電部22となる部分とフレーム板10との間に存在する導電性粒子を、非接続用導電部26となる部分に集合させ、この状態で、当該成形材料層の硬化処理を行うことにより得られる。そのため、当該弾性異方導電膜20の形成において、導電性粒子が、成形材料層における最も外側に位置する接続用導電部22となる部分に過剰に集合することがない。従って、形成すべき弾性異方導電膜20が、比較的多数の接続用導電部22を有するものであっても、当該弾性異方導電膜20における最も外側に位置する接続用導電部22に、過剰な量の導電性粒子が含有されることが確実に防止される。
【0093】
また、図15に示す異方導電性コネクターにおける非接続用導電部26は、弾性異方導電膜20の形成において、成形材料層における非接続用導電部26となる部分に磁場を作用させることにより、成形材料層における大きい離間距離で配置された隣接する2つの接続用導電部22となる部分の間に存在する導電性粒子を、非接続用導電部26となる部分に集合させ、この状態で、当該成形材料層の硬化処理を行うことにより得られる。そのため、当該弾性異方導電膜20の形成において、導電性粒子が、成形材料層における大きい離間距離で配置された隣接する2つの接続用導電部22となる部分に過剰に集合することがない。従って、形成すべき弾性異方導電膜20が、それぞれ大きい離間距離で配置された2つ以上の接続用導電部22を有するものであっても、それらの接続用導電部22に、過剰な量の導電性粒子が含有されることが確実に防止される。
【0094】
(2)異方導電性コネクターにおいては、弾性異方導電膜20における突出部24は必須のものではなく、一面または両面が平坦面のもの、或いは凹所が形成されたものであってもよい。
(3)弾性異方導電膜20における接続用導電部22の表面には、金属層が形成されていてもよい。
(4)異方導電性コネクターの製造において、フレーム板10の基材として非磁性のものを用いる場合には、成形材料層20Aにおける被支持部25となる部分に磁場を作用させる方法として、当該フレーム板10における異方導電膜配置用孔11の周辺部に磁性体をメッキしてまたは磁性塗料を塗布して磁場を作用させる手段、金型60に、弾性異方導電膜20の被支持部25に対応して強磁性体層を形成して磁場を作用させる手段を利用することができる。
(5)成形材料層の形成において、スペーサーを用いることは必須のことではなく、他の手段によって、上型および下型とフレーム板との間に弾性異方導電膜成形用の空間を確保してもよい。
(6)プローブ部材においては、シート状コネクター40は、必須のものではなく、異方導電性コネクター2における弾性異方導電膜20が検査対象であるウエハに接触して電気的接続を達成する構成であってもよい。
【0095】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0096】
〔試験用ウエハの作製〕
図16に示すように、直径が8インチのシリコン(線熱膨張係数3.3×10-6/K)製のウエハ6上に、それぞれ寸法が20mm×20mmの正方形の集積回路Lを合計で40個形成した。ウエハ6に形成された集積回路Lの各々は、図17に示すように、合計で19の被検査電極領域A1〜A19を有し、被検査電極領域A1〜A7およびA9〜A19の各々には、それぞれ縦方向(図17において上下方向)の寸法が80μmで横方向(図17において左右方向)が200μmの矩形の13個の被検査電極(図示省略)が120μmのピッチで縦方向に一列に配列されており、被検査電極領域A8には、それぞれ縦方向の寸法が80μmで横方向の寸法が200μmの矩形の26個の被検査電極(図示省略)が120μmのピッチで縦方向に一列に配列されている。集積回路Lの各々における被検査電極の総数は260個であり、ウエハ全体では10400個である。以下、このウエハを「試験用ウエハW」という。
【0097】
〈実施例1〉
(1)フレーム板:
図18および図19に示す構成に従い、下記の条件により、上記の試験用ウエハWにおける被検査電極領域に対応して形成された複数の異方導電膜配置孔を有する直径が8インチのフレーム板を作製した。
このフレーム板の材質はコバール(飽和磁化1.4Wb/m2 ,線熱膨張係数5×10-6/K)で、その厚みは、60μmである。
被検査電極領域A1〜A7およびA9〜A19に対応する異方導電膜配置用孔(図19において符号B1〜B7およびB9〜B19で示す。)は、その縦方向(図19において上下方向)の寸法が1700μmで横方向(図19において左右方向)の寸法が600μmであり、被検査電極領域A8に対応する異方導電膜配置用孔(図19において符号B8で示す。)は、その縦方向の寸法が3260μmで横方向の寸法が600μmである。
矩形の空気流入孔の寸法は1500μm×7500μmである。
また、図19において示すd1〜d10の寸法は、d1が2550μm、d2が2400μm、d3が3620μm、d4が2600μm、d5が2867μm、d6が18500μm、d7が250μm、d8が18500μm、d9が1000μm、d10が1000μmである。
【0098】
(2)スペーサー:
下記の条件により、試験用ウエハWにおける被検査電極領域に対応して形成された複数の貫通孔を有する弾性異方導電膜成形用のスペーサーを2枚作製した。これらのスペーサーの材質はステンレス(SUS304)で、その厚みは20μmである。
被検査電極領域A1〜A7およびA9〜A19に対応する貫通孔は、その縦方向の寸法が2500μmで横方向の寸法が1400μmであり、被検査電極領域A8に対応する貫通孔は、その縦方向の寸法が4060μmで横方向の寸法が1400μmである。また、横方向に隣接する貫通孔間の離間距離は1800μmであり、縦方向に隣接する貫通孔間の離間距離は1500μmである。
【0099】
(3)金型:
図6に示す構成に従い、下記の条件により、弾性異方導電膜成形用の金型を作製した。
この金型における上型および下型は、それぞれ厚みが6mmの鉄よりなる基板を有し、この基板上には、試験用ウエハWにおける被検査電極のパターンに対応するパターンに従ってニッケルよりなる強磁性体層が配置されている。具体的には、強磁性体層の各々の寸法は60μm(縦方向)×200μm(横方向)×100μm(厚み)で、13個の強磁性体層が120μmのピッチで縦方向に一列に配列された領域(被検査電極領域A1〜A7およびA9〜A19に対応する領域)の数が18で、26個の強磁性体層が120μmのピッチで縦方向に一列に配列された領域(被検査電極領域A8に対応する領域)の数が1であり、基板全体で10400個の強磁性体層が形成されている。
また、非磁性体層は、ドライフィルムレジストを硬化処理することによって形成され、凹所の各々の寸法は、70μm(縦方向)×210μm(横方向)×25μm(深さ)で、凹所以外の部分の厚みは75μm(凹所部分の厚み50μm)である。
【0100】
(4)弾性異方導電膜:
上記のフレーム板、スペーサーおよび金型を用い、以下のようにしてフレーム板に弾性異方導電膜を形成した。
付加型液状シリコーンゴム100重量部に、平均粒子径が12μmの導電性粒子35重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製した。以上において、導電性粒子としては、ニッケルよりなる芯粒子に金メッキが施されてなるもの(平均被覆量:芯粒子の重量の20重量%)を用いた。
上記の金型の上型および下型の表面に、調製した成形材料をスクリーン印刷によって塗布することにより、形成すべき弾性異方導電膜のパターンに従って成形材料層を形成し、下型の成形面上に、下型側のスペーサーを介してフレーム板を位置合わせして重ね、更に、このフレーム板上に、上型側のスペーサーを介して上型を位置合わせして重ねた。
そして、上型および下型の間に形成された成形材料層に対し、強磁性体層の間に位置する部分に、電磁石によって厚み方向に2Tの磁場を作用させながら、100℃、1時間の条件で硬化処理を施すことにより、フレーム板の異方導電膜配置用孔の各々に弾性異方導電膜を形成し、以て、異方導電性コネクターを製造した。以下、この異方導電性コネクターを「異方導電性コネクターC1」という。
【0101】
得られた弾性異方導電膜について具体的に説明すると、試験用ウエハWにおける被検査電極領域A1〜A7およびA9〜A19に対応する弾性異方導電膜の各々は、縦方向の寸法が2500μm、横方向の寸法が1400μmである。弾性異方導電膜の各々における機能部には、13個の接続用導電部が120μmのピッチで縦方向に一列に配列されており、接続用導電部の各々は、縦方向の寸法が60μm、横方向の寸法が200μm、厚みが150μmであり、機能部における絶縁部の厚みが100μmである。また、弾性異方導電膜の各々における被支持部の厚み(二股部分の一方の厚み)は20μmである。
一方、試験用ウエハWにおける被検査電極領域A8に対応する弾性異方導電膜は、縦方向の寸法が4060μm、横方向の寸法が1400μmである。弾性異方導電膜の各々における機能部には、26個の接続用導電部が120μmのピッチで縦方向に一列に配列されており、接続用導電部の各々は、縦方向の寸法が60μm、横方向の寸法が200μm、厚みが150μmであり、機能部における絶縁部の厚みが100μmである。また、弾性異方導電膜の各々における被支持部の厚み(二股部分の一方の厚み)は20μmである。
【0102】
得られた異方導電性コネクターC1の弾性異方導電膜の各々における接続用導電部中の導電性粒子の含有割合を調べたところ、全ての接続用導電部について体積分率で約30%であった。
また、弾性異方導電膜の被支持部および機能部における絶縁部を観察したところ、被支持部には導電性粒子が存在していることが確認され、機能部における絶縁部には導電性粒子がほとんど存在していないことが確認された。
【0103】
(5)検査用回路基板:
基板材料としてアルミナセラミックス(線熱膨張係数4.8×10-6/K)を用い、試験用ウエハWにおける被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極が形成された検査用回路基板を作製した。この検査用回路基板は、全体の寸法が30cm×30cmの矩形であり、その検査電極は、縦方向の寸法が60μmで横方向の寸法が200μmである。以下、この検査用回路基板を「検査用回路基板T」という。
【0104】
(6)シート状コネクター:
厚みが20μmのポリイミドよりなる絶縁性シートの一面に厚みが15μmの銅層が積層されてなる積層材料を用意し、この積層材料における絶縁性シートに対してレーザ加工を施すことによって、当該絶縁性シートの厚み方向に貫通する、それぞれ直径が30μmの10400個の貫通孔を、試験用ウエハWにおける被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成した。次いで、この積層材料に対してフォトリソグラフィーおよびニッケルメッキ処理を施すことによって、絶縁性シートの貫通孔内に銅層に一体に連結された短絡部を形成すると共に、当該絶縁性シートの表面に、短絡部に一体に連結された突起状の表面電極部を形成した。この表面電極部の径は40μmであり、絶縁性シートの表面からの高さは20μmであった。その後、積層材料における銅層に対してフォトエッチング処理を施してその一部を除去することにより、70μm×210μmの矩形の裏面電極部を形成し、更に、表面電極部および裏面電極部に金メッキ処理を施すことによって電極構造体を形成し、以てシート状コネクターを製造した。以下、このシート状コネクターを「シート状コネクターM」という。
【0105】
(7)試験1:
厚みが2mmで直径が8インチの円形の銅よりなる電極板を、電熱ヒーターを具えた試験台に配置し、この電極板上に異方導電性コネクターC1を配置した。次いで、この異方導電製コネクター上に、検査用回路基板Tをその検査電極の各々が当該異方導電性コネクターC1の接続用導電部上に位置するよう位置合わせして固定し、更に、検査用回路基板Tを下方に100kgの荷重で加圧した。
そして、室温(25℃)下において、検査用回路基板Tにおける10400個の検査電極の中から1個の検査電極を選択し、当該選択された検査電極と他の検査電極との間の電気抵抗を順次測定し、測定された電気抵抗値の2分の1の値を異方導電性コネクターC1における接続用導電部の電気抵抗(以下、「導通抵抗」という。)として記録し、導通抵抗が2Ω以上である接続用導電部の数を求めた。ここで、接続用導電部の導通抵抗が2Ω以上のものについては、ウエハに形成された集積回路の電気的検査において、これを実際上使用することが困難である。
また、試験台を120℃に加熱し、この状態で1時間放置した後、上記と同様にして異方導電性コネクターC1における接続用導電部の導通抵抗を測定し、導通抵抗が2Ω以上である接続用導電部の数を求めた。
以上の結果を下記表1に示す。
【0106】
(8)試験2:
試験用ウエハWを、電熱ヒーターを具えた試験台に配置し、この試験用ウエハW上に、異方導電性コネクターC1をその接続用導電部の各々が試験用ウエハWの被検査電極上に位置するよう位置合わせして配置した。次いで、この異方導電製コネクター上に、検査用回路基板Tをその検査電極の各々が当該異方導電性コネクターC1の接続用導電部上に位置するよう位置合わせして固定し、更に、検査用回路基板を下方に100kgの荷重で加圧した。
そして、室温(25℃)下において、検査用回路基板における検査電極の各々に順次電圧を印加すると共に、電圧が印加された検査電極と他の検査電極との間の電気抵抗を、異方導電性コネクターC1における接続用導電部間の電気抵抗(以下、「絶縁抵抗」という。)として測定し、絶縁抵抗が10MΩ以下である接続用導電部の数を求めた。ここで、接続用導電部間の絶縁抵抗が10MΩ以下のものについては、ウエハに形成された集積回路の電気的検査において、これを実際上使用することが困難である。
また、試験台を120℃に加熱し、この状態で1時間放置した後、上記と同様にして異方導電性コネクターC1における接続用導電部間の絶縁抵抗を測定し、絶縁抵抗が10MΩ以下である接続用導電部の数を求めた。
以上、結果を下記表1に示す。
【0107】
(9)試験3:
厚みが2mmで直径が8インチの円形の銅よりなる電極板を、電熱ヒーターを具えた試験台に配置した。この電極板上に、シート状コネクターMをその表面電極部が電極板に接するよう配置し、このシート状コネクター上に異方導電性コネクターC1をその接続用導電部がシート状コネクターMにおける裏面電極部上に位置するよう位置合わせして配置し、この異方導電製コネクター上に、検査用回路基板Tをその検査電極の各々が当該異方導電性コネクターC1の接続用導電部上に位置するよう位置合わせして固定し、更に、検査用回路基板Tを下方に100kgの荷重で加圧した。
そして、室温(25℃)および試験台を120℃に加熱した状態において、上記(7)試験1と同様にして、異方導電性コネクターC1における接続用導電部の導通抵抗を測定し、導通抵抗が2Ω以上である接続用導電部の数を求めた。
以上の結果を下記表1に示す。
【0108】
(10)試験4:
厚みが2mmで直径が8インチの円形の銅よりなる電極板を、電熱ヒーターを具えた試験台に配置した。この電極板上に、シート状コネクターMをその表面電極部が電極板に接するよう配置し、このシート状コネクター上に異方導電性コネクターC1をその接続用導電部がシート状コネクターMにおける裏面電極部上に位置するよう位置合わせして配置し、この異方導電製コネクター上に、検査用回路基板Tをその検査電極の各々が当該異方導電性コネクターC1の接続用導電部上に位置するよう位置合わせして固定し、更に、検査用回路基板Tを下方に100kgの荷重で加圧した。
そして、室温(25℃)および試験台を120℃した状態において、上記(8)試験2と同様にして、異方導電性コネクターC1における接続用導電部間の絶縁抵抗を測定し、絶縁抵抗が10MΩ以下である接続用導電部の数を求めた。
以上、結果を下記表1に示す。
【0109】
(11)試験5:
上面が開口した内部の直径が230mmで深さが2.2mmの円形の箱型のチャンバーを作製した。このチャンバーには、その側壁に排気管が設けられており、側壁の上端面に弾性を有するO−リングが配置されている。
このチャンバー内に、厚みが2mmで直径が8インチの円形の銅よりなる電極板を配置した。次いで、この電極板上に、シート状コネクターMをその表面電極部が電極板に接するよう配置し、このシート状コネクター上に異方導電性コネクターC1をその接続用導電部がシート状コネクターMにおける裏面電極部上に位置するよう位置合わせして配置し、この異方導電製コネクター上に、検査用回路基板Tをその検査電極の各々が当該異方導電性コネクターC1の接続用導電部上に位置するよう位置合わせして配置し、更に、検査用回路基板T上に加圧板を配置して固定した。この状態においては、チャンバー内に電極板、シート状コネクターMおよび異方導電性コネクターC1が収容され、チャンバーの開口はO−リングを介して検査用回路基板Tに塞がれており、電極板およびシート状コネクターM、シート状コネクターMおよび異方導電性コネクターC1、並びに異方導電性コネクターC1および検査用回路基板が、互いに接触または僅かな圧力で圧接するよう、加圧板によって調整されている。
【0110】
そして、室温(25℃)下において、真空ポンプによってチャンバーの排気管から内部の空気を排気することにより、チャンバー内の圧力を1000Paとした。次いで、検査用回路基板Tにおける10400個の検査電極の中から1個の検査電極を選択し、当該選択された検査電極と他の検査電極との間の電気抵抗を順次測定し、測定された電気抵抗値の2分の1の値を異方導電性コネクターC1における接続用導電部の導通抵抗として記録し、導通抵抗が2Ω以上である接続用導電部の数を求めた。
以上の操作が終了した後、チャンバーから、検査用回路基板T、異方導電性コネクターC1およびシート状コネクターMを取外し、上記の操作を再度行い、導通抵抗が2Ω以上である接続用導電部の数を求めた。
以上、結果を下記表1に示す。
【0111】
〈比較例1〉
フレーム板の材質を、コバールからステンレス(SUS304,飽和磁化0.01Wb/m2 ,線熱膨張係数1.7×10-5/K)に変更したこと以外は実施例1と同様にして異方導電性コネクターを製造した。以下、この異方導電性コネクターを「異方導電性コネクターC2」という。
この異方導電性コネクターC2における弾性異方導電膜(20)の被支持部(25)および機能部(21)の絶縁部(23)を観察したところ、被支持部(25)には導電性粒子が殆ど存在しておらず、機能部(21)の絶縁部(23)には導電性粒子が存在していることが確認された。
異方導電性コネクターC1の代わりに異方導電性コネクターC2を用いたこと以外は同様にして実施例1における試験1および試験2を行った。
以上、結果を下記表1に示す。
【0112】
〈比較例2〉
下型における非磁性体層に凹所が形成されていないこと以外は、実施例1で作製した金型と同様の構成の金型を作製すること共に、厚みが100μmで直径8インチの円形の貫通孔を有するステンレス(SUS304)よりなるスペーサーを作製した。
また、付加型液状シリコーンゴム100重量部に、平均粒子径が12μmの導電性粒子35重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製した。以上において、導電性粒子としては、ニッケルよりなる芯粒子に金メッキが施されてなるもの(平均被覆量:芯粒子の重量の20重量%)を用いた。
上記の金型における下型の成形面に上記のスペーサーを配置し、当該スペーサーの貫通孔内に、上記の成形材料を充填して成形材料層を形成し、更に、成形材料層およびスペーサー上に上型を位置合わせして重ねた。
そして、上型および下型の間に形成された成形材料層に対し、強磁性体層の間に位置する部分に、電磁石によって厚み方向に2Tの磁場を作用させながら、100℃、1時間の条件で硬化処理を施すことにより、異方導電性シートをを製造した。以下、この異方導電性シートを「異方導電性シートS」とする。
【0113】
異方導電性シートSについて具体的に説明すると、試験用ウエハWにおける被検査電極領域A1〜A7およびA9〜A19に対応する領域には、13個の接続用導電部が120μmのピッチで縦方向に一列に配列されており、接続用導電部の各々は、縦方向の寸法が60μm、横方向の寸法が200μm、厚みが150μmである。一方、試験用ウエハWにおける被検査電極領域A8に対応する領域には、26個の接続用導電部が120μmのピッチで縦方向に一列に配列されており、接続用導電部の各々は、縦方向の寸法が60μm、横方向の寸法が200μm、厚みが150μmである。また、絶縁部の厚みは100μmである。
得られた異方導電性シートSを観察したところ、絶縁部に導電性粒子が存在していることが確認された。
【0114】
次いで、検査用回路基板Tの表面における検査電極以外の領域に、耐熱性接着剤を塗布し、この検査用回路基板T上に、異方導電性シートSをその接続用導電部が当該検査用回路基板Tの検査電極上に位置するよう位置合わせして配置し、異方導電性シートSを検査用回路基板Tに一体的に接着させることにより、プローブ部材を製造した。
そして、異方導電性コネクターC1および検査用回路基板Tの代わりに、上記のプローブ部材を用いたこと以外は同様にして実施例1における試験1および試験2を行った。
以上、結果を下記表1に示す。
【0115】
〈比較例3〉
厚みが60μmで、直径8インチの円形の異方導電膜配置孔を有するコバールよりなるフレーム板を作製すると共に、厚みが20μmで直径8.5インチの円形の貫通孔を有するステンレス(SUS304)よりなるスペーサーを2枚作製した。
次いで、付加型液状シリコーンゴム100重量部に、平均粒子径が12μmの導電性粒子35重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製した。以上において、導電性粒子としては、ニッケルよりなる芯粒子に金メッキが施されてなるもの(平均被覆量:芯粒子の重量の20重量%)を用いた。
実施例1で使用した金型の上型および下型の表面に、調製した成形材料を塗布することにより、成形材料層を形成し、下型の成形面上に、下型側のスペーサーを介してフレーム板を位置合わせして重ね、更に、このフレーム板上に、上型側のスペーサーを介して上型を位置合わせして重ねた。
そして、上型および下型の間に形成された成形材料層に対し、強磁性体層の間に位置する部分に、電磁石によって厚み方向に2Tの磁場を作用させながら、100℃、1時間の条件で硬化処理を施すことにより、フレーム板の異方導電膜配置用孔に弾性異方導電膜を形成し、以て、異方導電性コネクターを製造した。以下、この異方導電性コネクターを「異方導電性コネクターC3」という。
【0116】
得られた弾性異方導電膜について具体的に説明すると、試験用ウエハWにおける被検査電極領域A1〜A7およびA9〜A19に対応する領域には、13個の接続用導電部が120μmのピッチで縦方向に一列に配列されており、接続用導電部の各々は、縦方向の寸法が60μm、横方向の寸法が200μm、厚みが150μmである。一方、試験用ウエハWにおける被検査電極領域A8に対応する領域には、26個の接続用導電部が120μmのピッチで縦方向に一列に配列されており、接続用導電部の各々は、縦方向の寸法が60μm、横方向の寸法が200μm、厚みが150μmである。また、機能部における絶縁部の厚みは100μmであり、被支持部の厚み(二股部分の一方の厚み)は20μmである。
得られた異方導電性コネクターC3における弾性異方導電膜を観察したところ、機能部における絶縁部に導電性粒子が存在していることが確認された。
異方導電性コネクターC1の代わりに異方導電性コネクターC3を用いたこと以外は同様にして実施例1における試験1、試験2および試験5を行った。
以上、結果を下記表1に示す。
【0117】
【表1】
Figure 0003804542
【0118】
表1の結果から明らかなように、実施例1に係る異方導電性コネクターによれば、弾性異方導電膜における接続用導電部のピッチが小さいものであっても、当該接続用導電部には良好な導電性が得られると共に、隣接する接続用導電部間には所要の絶縁性が得られ、しかも、温度変化による熱履歴などの環境の変化に対しても良好な電気的接続状態が安定に維持されることが確認された。
【0119】
【発明の効果】
本発明の異方導電性コネクターは、その弾性異方導電膜の形成において、成形材料層における被支持部となる部分に磁場を作用させることによって当該部分に導電性粒子が存在したままの状態で、当該成形材料層の硬化処理を行うことにより得られるものであるため、成形材料層における被支持部となる部分すなわちフレーム板における異方導電膜配置用孔の周辺部の上方および下方に位置する部分に存在する導電性粒子が、接続用導電部となる部分に集合することがなく、その結果、得られる弾性異方導電膜における接続用導電部、特に最も外側に位置する接続用導電部に、過剰な量の導電性粒子が含有されることが防止される。従って、成形材料層中の導電性粒子の含有量を少なくする必要もないので、弾性異方導電膜の全ての接続用導電部において、良好な導電性が確実に得られると共に、隣接する接続用導電部間の十分な絶縁性およびフレーム板とこれに隣接する接続用導電部との間の十分な絶縁性が確実に得られる。
【0120】
また、フレーム板の異方導電膜配置用孔の各々は、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応して形成されており、当該異方導電膜配置用孔の各々に配置される弾性異方導電膜は面積が小さいものでよいため、個々の弾性異方導電膜の形成が容易である。しかも、面積の小さい弾性異方導電膜は、熱履歴を受けた場合でも、当該弾性異方導電膜の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、フレーム板を構成する材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、弾性異方導電膜の面方向における熱膨張がフレーム板によって確実に規制される。従って、大面積のウエハに対してWLBI試験を行う場合においても、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【0121】
また、フレーム板に位置決め孔を形成することにより、検査対象であるウエハまたは検査用回路基板に対する位置合わせを容易に行うことができる。
また、フレーム板に空気流通孔を形成することにより、ウエハ検査装置において、プローブ部材を押圧する手段として減圧方式によるものを利用した場合には、チャンバー内を減圧したときに、異方導電性コネクターと検査用回路基板との間に存在する空気がフレーム板の空気流通孔を介して排出され、これにより、異方導電性コネクターと検査用回路基板とを確実に密着させることができるので、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
【0122】
また、弾性異方導電膜における機能部に、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極に電気的に接続されない厚み方向に伸びる非接続用導電部を形成することにより、弾性異方導電膜が、比較的多数の接続用導電部を有するものであっても、或いは、それぞれ大きい離間距離で配置された2つ以上の接続用導電部を有するものであっても、全ての接続用導電部について、過剰な量の導電性粒子が含有されることを確実に防止することができる。
【0123】
本発明の製造方法によれば、検査対象であるウエハが、大面積で被検査電極のピッチが小さいものであっても、当該ウエハに対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができ、しかも、全ての接続用導電部について、良好な導電性が確実に得られると共に隣接する接続用導電部との絶縁性が確実に得られる異方導電性コネクターを有利に製造することができる。
【0124】
本発明のプローブ部材によれば、上記の異方導電性コネクターを有するため、検査対象であるウエハが大面積で被検査電極のピッチが小さいものであっても、当該ウエハに対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができ、しかも、各被検査電極に対して高い接続信頼性が得られる。
本発明のウエハ検査装置およびウエハ検査方法によれば、上記の異方導電性コネクターを有するプローブ部材を介して、検査対象であるウエハの被検査電極に対する電気的接続が達成されるため、被検査電極のピッチが小さいものであっても、当該ウエハに対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができ、しかも、各被検査電極に対する高い接続信頼性が得られる。
また、異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜は、それ自体の面積が小さいものであり、熱履歴を受けた場合でも、当該弾性異方導電膜の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、フレーム板を構成する材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、弾性異方導電膜の面方向における熱膨張がフレーム板によって確実に規制される。従って、大面積のウエハに対してWLBI試験を行う場合においても、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異方導電性コネクターの一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す異方導電性コネクターの一部を拡大して示す平面図である。
【図3】図1に示す異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜を拡大して示す平面図である。
【図4】図1に示す異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜を拡大して示す説明用断面図である。
【図5】弾性異方導電膜成形用の金型に成形材料が塗布されて成形材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図6】弾性異方導電成形用の金型をその一部を拡大して示す説明用断面図である。
【図7】図5に示す金型の上型および下型の間にスペーサーを介してフレーム板が配置された状態を示す説明用断面図である。
【図8】金型の上型と下型の間に、目的とする形態の成形材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図9】図8に示す成形材料層を拡大して示す説明用断面図である。
【図10】図9に示す成形材料層にその厚み方向に強度分布を有する磁場が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図11】本発明に係る異方導電性コネクターを使用したウエハ検査装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図12】本発明に係るプローブ部材の一例における要部の構成を示す説明用断面図である。
【図13】本発明に係る異方導電性コネクターを使用したウエハ検査装置の他の例における構成を示す説明用断面図である。
【図14】本発明に係る異方導電性コネクターの他の例における弾性異方導電膜を拡大して示す平面図である。
【図15】本発明に係る異方導電性コネクターの更に他の例における弾性異方導電膜を拡大して示す平面図である。
【図16】実施例で使用した試験用ウエハの上面図である。
【図17】図16に示すウエハにおける被検査電極領域を示す説明図である。
【図18】実施例で作製したフレーム板の上面図である。
【図19】図18に示すフレーム板の一部を拡大して示す説明図である。
【図20】従来の異方導電性コネクターを製造する工程において、金型内にフレーム板が配置されると共に、成形材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
1 プローブ部材 2 異方導電性コネクター
3 加圧板 4 ウエハ載置台
5 加熱器 6 ウエハ
7 被検査電極 10 フレーム板
11 異方導電膜配置用孔
15 空気流通孔
16 位置決め孔 20 弾性異方導電膜
20A 成形材料層 21 機能部
22 接続用導電部 23 絶縁部
24 突出部 25 被支持部
26 非接続用導電部 27 突出部
30 検査用回路基板 31 検査電極
41 絶縁性シート 40 シート状コネクター
42 電極構造体 43 表面電極部
44 裏面電極部 45 短絡部
50 チャンバー 51 排気管
55 O−リング
60 金型 61 上型
62 基板 63 強磁性体層
64 非磁性体層 64a 凹所
65 下型 66 基板
67 強磁性体層 68 非磁性体層
68a 凹所
69a,69b スペーサー
80 上型 81 強磁性体層
82 非磁性体層 85 下型
86 強磁性体層 87 非磁性体層
90 フレーム板 91 開口
95 成形材料層 P 導電性粒子

Claims (21)

  1. ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられる異方導電性コネクターであって、
    検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成された磁性体よりなるフレーム板と、このフレーム板の各異方導電膜配置用孔内に配置され、当該異方導電膜配置用孔の周辺部に支持された複数の弾性異方導電膜とよりなり、
    前記弾性異方導電膜の各々は、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極に対応して配置された、磁性を示す導電性粒子が磁場により集合して密に含有されてなる厚み方向に伸びる複数の接続用導電部、およびこれらの接続用導電部を相互に絶縁する絶縁部よりなる機能部と、この機能部の周縁に一体に形成され、前記フレーム板における異方導電膜配置用孔の周辺部に固定された被支持部とよりなり、当該被支持部には、前記磁場が作用する磁性を示す導電性粒子がフレーム板の上方および下方に保持されて含有されており、機能部において最も外側に位置する接続用導電部とフレーム板との間に絶縁部が形成されていることを特徴とする異方導電性コネクター。
  2. フレーム板は、少なくとも異方導電膜配置用孔の周辺部における飽和磁化が0.1Wb/m2 以上であることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性コネクター。
  3. フレーム板全体が飽和磁化が0.1Wb/m2 以上の磁性体により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性コネクター。
  4. フレーム板には、厚み方向に貫通して伸びる位置決め孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の異方導電性コネクター。
  5. フレーム板には、厚み方向に貫通して伸びる空気流通孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の異方導電性コネクター。
  6. フレーム板の線熱膨張係数が3×10-5/K以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の異方導電性コネクター。
  7. バーンイン試験に用いられることを特徴とする請求項6に記載の異方導電性コネクター。
  8. 弾性異方導電膜における機能部には、接続用導電部以外に、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極に電気的に接続されない厚み方向に伸びる非接続用導電部が形成され、当該非接続用導電部は、磁性を示す導電性粒子が密に含有されてなり、絶縁部によって前記接続用導電部の各々と相互に絶縁されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の異方導電性コネクター。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の異方導電性コネクターを製造する方法であって、
    検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成されたフレーム板を用意し、 このフレーム板の異方導電膜配置用孔の各々およびそれらの周辺部に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる弾性異方導電膜用の成形材料層を形成し、
    この成形材料層に対して、その接続用導電部となる部分および被支持部となる部分においてそれら以外の部分よりも大きい強度の磁場を作用させることにより、少なくとも成形材料層における被支持部となる部分に存在する導電性粒子を当該部分に保持させた状態で、当該成形材料層中の導電性粒子を接続用導電部となる部分に集合させて厚み方向に配向させ、この状態で前記成形材料層を硬化処理することにより、弾性異方導電膜を形成する工程を有することを特徴とする異方導電性コネクターの製造方法。
  10. それぞれ形成すべき弾性異方導電膜における接続用導電部のパターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成された上型および下型よりなる金型を用意し、
    この金型における上型および下型の一方または両方の成形面に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、スクリーン印刷によって塗布し、当該上型および当該下型をフレーム板を介して重ね合わせることにより、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔の各々およびそれらの周辺部に成形材料層を形成することを特徴とする請求項9に記載の異方導電性コネクターの製造方法。
  11. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の異方導電性コネクターを製造する方法であって、
    検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成されたフレーム板を用意し、 このフレーム板の一面または両面に、形成すべき弾性異方導電膜に対応して当該弾性異方導電膜の平面形状に適合する形状を有する厚み方向に伸びる貫通孔が形成されたスペーサーを配置し、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔および当該スペーサーの貫通孔に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる弾性異方導電膜用の成形材料層を形成し、
    この成形材料層に対して、その接続用導電部となる部分および被支持部となる部分においてそれら以外の部分よりも大きい強度の磁場を作用させることにより、少なくとも成形材料層における被支持部となる部分に存在する導電性粒子を当該部分に保持させた状態で、当該成形材料層中の導電性粒子を接続用導電部となる部分に集合させて厚み方向に配向させ、この状態で前記成形材料層を硬化処理することにより、弾性異方導電膜を形成する工程を有することを特徴とする異方導電性コネクターの製造方法。
  12. それぞれ形成すべき弾性異方導電膜における接続用導電部のパターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成された上型および下型よりなる金型を用意し、
    この金型における上型および下型の一方または両方の成形面に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、スクリーン印刷によって塗布し、当該上型および当該下型を、フレーム板およびこのフレーム板の一面若しくは両面に配置されたスペーサーを介して重ね合わせることにより、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔および当該スペーサーの貫通孔に成形材料層を形成することを特徴とする請求項11に記載の異方導電性コネクターの製造方法。
  13. 請求項8に記載の異方導電性コネクターを製造する方法であって、 検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成されたフレーム板を用意し、 このフレーム板の異方導電膜配置用孔の各々およびそれらの周辺部に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる弾性異方導電膜用の成形材料層を形成し、
    この成形材料層に対して、その接続用導電部となる部分、非接続用導電部となる部分および被支持部となる部分においてそれら以外の部分よりも大きい強度の磁場を作用させることにより、少なくとも成形材料層における被支持部となる部分に存在する導電性粒子を当該部分に保持させた状態で、当該成形材料層中の導電性粒子を接続用導電部となる部分および非接続用導電部となる部分に集合させて厚み方向に配向させ、この状態で前記成形材料層を硬化処理することにより、弾性異方導電膜を形成する工程を有することを特徴とする異方導電性コネクターの製造方法。
  14. それぞれ形成すべき弾性異方導電膜における接続用導電部および非接続用導電部のパターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成された上型および下型よりなる金型を用意し、
    この金型における上型および下型の一方または両方の成形面に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、スクリーン印刷によって塗布し、当該上型および当該下型をフレーム板を介して重ね合わせることにより、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔の各々およびそれらの周辺部に成形材料層を形成することを特徴とする請求項13に記載の異方導電性コネクターの製造方法。
  15. 請求項8に記載の異方導電性コネクターを製造する方法であって、 検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の異方導電膜配置用孔が形成されたフレーム板を用意し、 このフレーム板の一面または両面に、形成すべき弾性異方導電膜に対応して当該弾性異方導電膜の平面形状に適合する形状を有する厚み方向に伸びる貫通孔が形成されたスペーサーを配置し、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔および当該スペーサーの貫通孔に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる弾性異方導電膜用の成形材料層を形成し、
    この成形材料層に対して、その接続用導電部となる部分、非接続用導電部となる部分および被支持部となる部分においてそれら以外の部分よりも大きい強度の磁場を作用させることにより、少なくとも成形材料層における被支持部となる部分に存在する導電性粒子を当該部分に保持させた状態で、当該成形材料層中の導電性粒子を接続用導電部となる部分および非接続用導電部となる部分に集合させて厚み方向に配向させ、この状態で前記成形材料層を硬化処理することにより、弾性異方導電膜を形成する工程を有することを特徴とする異方導電性コネクターの製造方法。
  16. それぞれ形成すべき弾性異方導電膜における接続用導電部および非接続用導電部のパターンに対応するパターンに従って強磁性体層が形成された上型および下型よりなる金型を用意し、
    この金型における上型および下型の一方または両方の成形面に、硬化処理によって弾性高分子物質となる液状の高分子形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を、スクリーン印刷によって塗布し、当該上型および当該下型を、フレーム板およびこのフレーム板の一面若しくは両面に配置されたスペーサーを介して重ね合わせることにより、当該フレーム板の異方導電膜配置用孔および当該スペーサーの貫通孔に成形材料層を形成することを特徴とする請求項15に記載の異方導電性コネクターの製造方法。
  17. ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられるプローブ部材であって、
    検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極が表面に形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板の表面に配置された、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の異方導電性コネクターとを具えてなることを特徴とするプローブ部材。
  18. フレーム板の線熱膨張係数が3×10-5/K以下であり、検査用回路基板を構成する基板材料の線熱膨張係数が3×10-5/K以下であることを特徴とする請求項17に記載のプローブ部材。
  19. 異方導電性コネクター上に、絶縁性シートと、この絶縁性シートをその厚み方向に貫通して伸び、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された複数の電極構造体とよりなるシート状コネクターが配置されていることを特徴とする請求項17または請求項18に記載のプローブ部材。
  20. ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うウエハ検査装置において、
    請求項17乃至請求項19のいずれかに記載のプローブ部材を具えてなり、当該プローブ部材を介して、検査対象であるウエハに形成された集積回路に対する電気的接続が達成されることを特徴とするウエハ検査装置。
  21. ウエハに形成された複数の集積回路の各々を、請求項17乃至請求項19のいずれかに記載のプローブ部材を介してテスターに電気的に接続し、当該ウエハに形成された集積回路の電気的検査を実行することを特徴とするウエハ検査方法。
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