JP3543765B2 - ウエハ検査用プローブ装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々の電気的検査を行うために用いられるウエハ検査用プローブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路装置の小型化の要請に伴って、半導体チップを実装する方法として、ワイヤーボンディングによる実装法に代わり、TAB実装法やフリップチップ実装法が広く利用されている。そして、このような実装法に供される半導体チップの表面には、平坦なパッド電極上に金または半田(鉛−錫合金)よりなる突起状電極(バンプ)が形成されている。かかる突起状電極は、通常、半導体チップとなる多数の集積回路が形成されたウエハの状態でパッド電極上に形成され、その後、このウエハを切断することによって、突起状電極を有する半導体チップが得られる。
【0003】
一方、半導体チップの電気的検査においては、当該半導体チップの潜在的欠陥を発現させるため、半導体チップを高温に加熱した状態でその電気的特性を検査するバーンイン(Burn−in)試験が行われている。然るに、半導体チップは微小なものであってその取扱いが不便なものであるため、当該半導体チップの電気的検査を個別的に行うためには、長い時間を要し、また、検査コストが相当に高くなる。このような理由から、複数の半導体チップの電気的特性の検査をウエハの状態で行うWLBI(Wafer Level Burn−in)試験が注目されている。
また、最近においては、超小型半導体集積回路装置であるCSP(Chip Scale Package)をウエハの状態で製造する技術が開発されており、このようなCSPについて、WLBI試験を行うことができれば、製造上非常に有利である。
【0004】
而して、このようなウエハの電気的検査においては、検査対象であるウエハにおける集積回路とテスターとの電気的接続を行うために、当該集積回路の被検査電極に対応して検査プローブが配列されたプローブ装置が用いられている。かかるプローブ装置としては、従来、ピンまたはブレードよりなる検査プローブが配列されてなるものが知られている。
そして、ウエハ検査用プローブ装置として、ウエハにおける全ての被検査電極に対応して検査プローブが配列されてなるものを用いれば、ウエハにおける全ての集積回路の電気的検査を1回の検査処理によって行うことが可能となるため、検査時間の短縮および検査コストの低減化を図ることができる。
【0005】
然るに、このようなウエハ検査用プローブ装置を作製するためには、非常に多数の検査プローブを配列することが必要となるので、当該ウエハ検査用プローブ装置は大型で極めて高価なものとなり、更に、被検査電極のピッチが小さい場合には、ウエハ検査用プローブ装置を作製すること自体が困難となる。
また、集積回路が形成されたウエハには、通常、大きな反りが生じており、特に、検査対象であるウエハの被検査電極が突起状電極である場合には、当該突起状電極の突出高さにバラツキがあるため、ウエハにおける多数の被検査電極に対して、プローブ装置の検査プローブの各々を安定にかつ確実に接触させることは実際上困難である。
更に、ウエハにおける突起状電極が半田により形成されている場合には、当該突起状電極は、高温に加熱された状態では硬度が相当に低いものとなるため、ピンまたはブレードよりなる検査プローブによって加圧された状態で高温に加熱されると、当該突起状電極が変形したり破壊したりする、という問題がある。
【0006】
このような問題を解決するため、集積回路が形成されたウエハの電気的検査を行うためのウエハ検査用プローブ装置として、一面に検査対象であるウエハの被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成された多数の検査電極を有する検査用回路基板と、フッ素系樹脂などよりなる樹脂シートに、その厚み方向に貫通して伸びる多数の金属導体が格子状に配置されてなるシート状コネクター(例えばゴアアンドアソシエーツ社製の商品名「GORE Mate」など)とを有するウエハ検査用プローブ装置が提案されている。
このような構成によれば、ピンまたはブレードよりなる多数の検査プローブが配列されてなるウエハ検査用プローブ装置に比較して、小型で製造コストが小さいウエハ検査用プローブ装置が得られ、ウエハにおける全ての集積回路の電気的検査を1回の検査処理によって行うことが可能であり、また、シート状コネクターにおける樹脂シートが柔軟性を有するため、多数の突起状電極に対して、当該突起状電極に損傷を与えることなしに、安定な電気的接続を達成することが可能となる。
【0007】
しかしながら、このようなウエハ検査用プローブ装置においては、ウエハにおける全ての被検査電極に対して安定な電気的接続を達成するためには、相当に大きな加圧力が必要であり、しかも、シート状コネクターの金属導体が弾性体ではないため、検査対象であるウエハの被検査電極によって加圧され、或いは加圧された状態で高温に加熱されると、当該金属導体が変形したり破壊したりする結果、当該シート状コネクターを繰り返して使用した場合には、良好な電気的接続状態が得られない。そのため、一つのウエハの検査を行う毎に、シート状コネクターを新たなものに交換しなければならず、結局、検査コストが高くなる、という問題がある。このような問題は、特に、被検査電極が突起状電極である場合に顕著である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々の電気的検査を行うためのウエハ検査用プローブ装置において、被検査電極に損傷を与えることがなく、多数の被検査電極が高密度に配置されたウエハについても、当該被検査電極の各々に対する電気的接続を確実に達成することができ、しかも、多数回にわたって繰り返して使用した場合にも、良好な電気的接続状態が安定に維持され、更に、小型で製造コストの小さいウエハ検査用プローブ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のウエハ検査用プローブ装置は、それぞれ多数の電極を有する複数の集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々の電気的検査を行うためのウエハ検査用プローブ装置であって、
検査対象であるウエハにおける集積回路の電極のパターンに対応するパターンに従って多数の検査電極が一面に形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板の一面上に配置された、前記ウエハにおける集積回路の電極に接触される接触部材とを具えてなり、
前記接触部材は、検査対象であるウエハにおける集積回路毎に形成された複数の開口を有するフレーム板と、このフレーム板の開口の各々に周縁部が当該フレーム板の開口縁部に固定された状態で配置された、絶縁性の弾性高分子物質中に導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる異方導電性シートとよりなり、当該異方導電性シートは、前記ウエハにおける集積回路の電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、導電性粒子が密に含有された厚み方向に伸びる多数の導電路形成部と、これらの導電路形成部の間に介在された絶縁部とよりなることを特徴とする。
【0010】
本発明のウエハ検査用プローブ装置は、検査対象であるウエハにおける電極が突起状電極である場合に、特に有用である。
また、本発明のウエハ検査用プローブ装置においては、前記異方導電性シートにおける導電路形成部の表面に導電性リジッド層が形成されていてもよく、このような導電性リジッド層は金属層または導電性有機材料層であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の異方導電性シートにおいては、前記接触部材におけるフレーム板の線熱膨張係数が1.5×10 -4 /K以下であることが好ましい。
【0012】
【作用】
上記の構成によれば、接触部材におけるウエハの被検査電極に接触する部分が、弾性を有する異方導電性シートにより構成されているため、当該被検査電極は、接触部材によって加圧され或いは加圧された状態で加熱されても損傷することがない。しかも、異方導電性シートは、ウエハに加圧された際に厚み方向に弾性変形するため、大きな反りが生じたウエハについても、或いは、被検査電極が突起状電極である場合において突出高さにバラツキのある多数の突起状電極が高密度で配置されたウエハについても、当該被検査電極の各々に対する電気的接続を安定にかつ確実に達成することができる。また、異方導電性シートは、被検査電極によって加圧され或いは加圧された状態で高温に加熱されても、容易に故障することがないため、多数回にわたって繰り返して使用した場合にも、良好な電気的接続状態が安定に維持される。また、ピンまたはブレードよりなる多数の検査プローブを配列することが不要となるので、製造コストの低減化を図ることができ、検査用回路基板および接触部材はそれぞれ厚みが小さいものであり、しかも、小さい加圧力で安定な電気的接続が得られるために加圧機構として大型のものが不要となるので、ウエハ検査装置全体の小型化を図ることができる。
また、フレーム板には、ウエハにおける集積回路毎に複数の開口が形成されており、当該開口の各々に異方導電性シートが配置されているため、当該異方導電性シートは面積の小さいものでよい。従って、熱履歴を受けた場合でも、異方導電性シートの各々の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、大面積のウエハに対しても良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のウエハ検査用プローブ装置について詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置の構成を示す説明用断面図である。このウエハ検査用プローブ装置は、一面(図において上面)に検査対象であるウエハにおける被検査電極である突起状電極のパターンに対応するパターンに従って多数の検査電極11が配置された検査用回路基板10と、この検査用回路基板10の一面上に配置された、検査対象であるウエハに接触される接触部材20とにより構成されている。
【0014】
検査用回路基板10の他面(図において下面)には、テスターに接続される多数の接続端子12が適宜のパターンに従って形成されており、これらの接続端子12の各々は、当該検査用回路基板10における内部配線13を介して検査電極11の各々に電気的に接続されている。
検査用回路基板10の基材としては、耐熱性を有するものであれば特に限定されず、プリント回路基板の基板材料として通常使用されている種々のものを用いることができ、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アラミッド不繊布補強型エポキシ樹脂、アラミッド不繊布補強型ポリイミド樹脂、アラミッド不繊布補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂等の樹脂材料、セラミックス材料、ガラス材料、金属コア材料などを挙げることができるが、その線熱膨張係数が、検査対象であるウエハを構成する材料の線熱膨張係数が同等若しくは近似したものを用いることが好ましい。具体的には、ウエハがシリコンよりなるものである場合には、線熱膨張係数が1.5×10-4/K以下、特に、1×10-7〜1×10-4/Kのものを用いることが好ましい。
【0015】
接触部材20は、周縁部を除く中央部に円形の開口41が形成されたリング状のフレーム板40と、厚み方向に導電性を有する平面円形の異方導電性シート30とにより構成されており、この異方導電性シート30は、フレーム板40の開口41に、当該異方導電性シート30の周縁部が当該フレーム板40の開口縁部に固定された状態で配置されている。
異方導電性シート30は、絶縁性の弾性高分子物質中に導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されて構成され、この例では、図2に拡大して示すように、絶縁性の弾性高分子物質よりなる基材中に、導電性粒子Pが当該異方導電性シート30の厚み方向に並ぶよう配向した状態でかつ面方向に分散した状態で含有されて構成されている。
【0016】
異方導電性シート30の厚みは、0.1〜1mmであることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.5mmである。このような厚みを有する異方導電性シート30を用いることにより、当該異方導電性シート30がウエハの突起状電極に加圧された状態において、当該突起状電極の突出高さのバラツキが吸収されて良好な電気的接続が一層確実に得られると共に、隣接する突起状電極間の所要の絶縁性が確実に達成される。
また、フレーム板40の厚みは、その形状が維持されると共に、異方導電性シート30を保持することが可能であれば、特に限定されないが、例えば0.03〜1mm、好ましくは0.1〜0.25mmである。
【0017】
異方導電性シート30を構成する弾性高分子物質は、架橋構造を有する耐熱性の高分子物質が好ましい。かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムなどが挙げられる。
これらの中では、シリコーンゴムが、成形加工性および電気特性の点で好ましい。
【0018】
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0019】
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる異方導電性シート30の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0020】
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
【0021】
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる異方導電性シート30の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
【0022】
高分子物質形成材料中には、当該高分子物質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0023】
異方導電性シート30を構成する導電性粒子Pとしては、後述する方法により当該粒子を容易に配向させることができる観点から、磁性を示すものを用いることが好ましい。このような磁性を示す導電性粒子の具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキにより行うことができる。
【0024】
導電性粒子Pとして、芯粒子の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは3.5〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3.5〜25重量%、さらに好ましくは4〜20重量%である。また、被覆される導電性金属が銀である場合には、その被覆量は、芯粒子の3〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは4〜40重量%である。
【0025】
また、導電性粒子Pの粒子径は、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2〜400μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μmである。
また、導電性粒子Pの粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、得られる異方導電性シート30は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該異方導電性シート30において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子Pの形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
【0026】
また、導電性粒子Pの含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、後述する製造方法において、成形材料層を硬化処理する際に、当該成形材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0027】
また、導電性粒子Pの表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性粒子の表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子Pと弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる異方導電性シート30は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子Pの導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子Pの表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
【0028】
このような導電性粒子Pは、高分子物質形成材料に対して体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%となる割合で用いられることが好ましい。この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい異方導電性シート30が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる異方導電性シート30は脆弱なものとなりやすく、異方導電性シート30として必要な弾性が得られないことがある。
【0029】
高分子物質形成材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、得られる成形材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子Pの分散安定性が向上すると共に、硬化処理されて得られる異方導電性シート30の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後述する製造方法において、磁場による導電性粒子の配向を十分に達成することができなくなるため、好ましくない。
【0030】
フレーム板40を構成する材料としては、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料などの種々の材料を用いることができ、その具体例としては、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト、マグネシウム、マンガン、モリブデン、インジウム、鉛、パラジウム、チタン、タングステン、アルミニウム、金、白金、銀などの金属またはこれらを2種以上組み合わせた合金若しくは合金鋼などの金属材料、窒化珪素、炭化珪素、アルミナなどのセラミックス材料、アラミッド不繊布補強型エポキシ樹脂、アラミッド不繊布補強型ポリイミド樹脂、アラミッド不繊布補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂などの樹脂材料が挙げられるが、線熱膨張係数が検査対象であるウエハを構成する材料の線熱膨張係数と同等若しくは近似したものを用いることが好ましい。具体的には、ウエハを構成する材料がシリコンである場合には、線熱膨張係数が1.5×10-4/K以下、特に、3×10-6〜8×10-6/Kのものを用いることが好ましく、その具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42アロイなどの金属材料、アラミッド不繊布補強型有機樹脂材料が挙げられる。
【0031】
上記のような接触部材20は、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、硬化処理によって弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を調製する。そして、図3に示すように、強磁性体よりなる板状の上型51と強磁性体よりなる板状の下型55とを有する異方導電性シート成形用の金型50を用意し、この金型50のキャビティ内に、フレーム板40を配置すると共に、このフレーム板40における開口41内および開口縁部を含む領域に、調製した成形材料を塗布して成形材料層30Aを形成する。ここで、金型50における上型51および下型55を構成する強磁性体としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属を用いることができる。
【0032】
その後、上型51の上面および下型55の下面に、例えば一対の電磁石(図示省略)を配置し、当該電磁石を作動させることにより、平行磁場を成形材料層30Aの厚み方向に作用させる。その結果、成形材料層30Aにおいては、当該成形材料層30A中に分散されていた導電性粒子Pが、図4に示すように、当該成形材料層30Aの厚み方向に並ぶよう配向する。
そして、この状態において、成形材料層30Aを硬化処理することにより、フレーム40の開口41内に、異方導電性シート30が当該フレーム40の開口縁部に固定された状態で形成され、以て接触部材20が製造される。
【0033】
以上において、成形材料層30Aに作用される平行磁場の強度は、平均で0.02〜2テスラとなる大きさが好ましい。
成形材料層30Aの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。加熱により成形材料層30Aの硬化処理を行う場合には、電磁石にヒーターを設ければよい。具体的な加熱温度および加熱時間は、成形材料層30Aを構成する高分子物質形成材料などの種類、導電性粒子Pの移動に要する時間などを考慮して適宜選定される。
また、成形材料層30Aの硬化処理は、平行磁場の作用を停止させた後に行うこともできるが、平行磁場を作用させたままの状態で行うことが好ましい。
【0034】
このようなウエハ検査用プローブ装置においては、以下のようにしてウエハの検査が実行される。
図5に示すように、ウエハ検査用プローブ装置が、ウエハ載置台5の上方に、当該ウエハ載置台5に接触部材20が対向するよう配置され、ウエハ載置台5上に、検査対象であるウエハ1が、その被検査電極である突起状電極2が上方を向いた状態でかつ突起状電極2の各々が検査用回路基板10の検査電極11の各々の直下に位置するよう配置される。次いで、例えば検査用回路装置10が適宜の加圧手段によって下方に加圧されることにより、接触部材20における異方導電性シート30が、ウエハ1の突起状電極2に接触し、更には突起状電極2によって加圧された状態となる。これにより、異方導電性シート30は、ウエハ1の突起状電極2の突出高さに応じて厚み方向に圧縮するよう弾性的に変形し、当該異方導電性シート30には、ウエハ1の突起状電極2と検査用回路基板10の検査電極11との間に、導電性粒子によって当該異方導電性シート30の厚み方向に伸びる導電路が形成され、その結果、ウエハ1の突起状電極2と検査用回路基板10の検査電極11との電気的接続が達成される。そして、ウエハ1が所定の温度に加熱され、この状態で、当該ウエハ1について所要の電気的検査が実行される。
【0035】
上記のウエハ検査用プローブ装置によれば、接触部材20におけるウエハ1の突起状電極2に接触する部分が、弾性を有する異方導電性シート30により構成されているため、当該突起状電極2は、接触部材20によって加圧され或いは加圧された状態で加熱されても損傷することがない。しかも、異方導電性シート30は、ウエハ1に加圧された際に厚み方向に弾性変形するため、大きな反りが生じたウエハ1についても、或いは、突出高さにバラツキのある多数の突起状電極2が高密度で配置されたウエハ1についても、当該突起状電極2に対する電気的接続を安定にかつ確実に達成することができる。更に、異方導電性シート30は、突起状電極2によって加圧され或いは加圧された状態で高温に加熱されても、容易に故障することがないため、多数回にわたって繰り返して使用した場合にも、良好な電気的接続状態が安定に維持される。また、ピンまたはブレードよりなる多数の検査プローブを配列することが不要となるので、製造コストの低減化を図ることができ、検査用回路基板10および接触部材20はそれぞれ厚みが小さいものであり、しかも、小さい加圧力で安定な電気的接続が得られるため加圧機構として大型のものが不要となるので、ウエハ検査装置全体の小型化を図ることができる。
また、異方導電性シート30は、フレーム板40の開口縁部に固定されているため、熱履歴を受けた場合でも、熱膨張による面方向の変形が当該フレーム板40によって抑制される。特に、フレーム板40を構成する材料として、線熱膨張係数が検査対象であるウエハ1を構成する材料の線熱膨張係数と同等若しくは近似したものを用いることにより、バーンイン試験においても良好な電気的接続状態を維持することができる。
【0036】
〔第2の実施の形態〕
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置の要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。このウエハ検査用プローブ装置においては、接触部材20における異方導電性シート30は、絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子Pが密に充填されてなる、厚み方向に伸びる複数の導電路形成部31を有し、これらの導電路形成部31の各々は、絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部32によって相互に絶縁された状態で、検査対象であるウエハの突起状電極のパターンに対応するパターンに従って配置されている。そして、接触部材20は、異方導電性シート30の導電路形成部31の各々が検査用回路基板10の検査電極11上に位置するよう配置されている。その他は、前述の第1の実施の形態と同様の構成である。
【0037】
導電路形成部31の径は、検査対象であるウエハの突起状電極の径に応じて適宜設定されるが、突起状電極に対する電気的接続が一層確実に達成される点で、突起状電極の径の50〜150%であることが好ましく、より好ましくは80〜110%である。
導電性粒子Pは、導電路形成部31中において体積分率で10〜60%となる割合で用いられることが好ましく、より好ましくは15〜50%である。この割合が10%未満である場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電路形成部31が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる導電路形成部31は脆弱なものとなりやすく、導電路形成部31として必要な弾性が得られないことがある。
【0038】
上記のような接触部材20は、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、硬化処理によって弾性高分子物質となる弾性体形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を調製する。そして、図7に示すように、異方導電性シート成形用の金型50のキャビティ内に、フレーム板40を配置すると共に、このフレーム板40における開口41内および開口縁部を含む領域に、調製した成形材料を塗布して成形材料層30Aを形成する。この成形材料層30Aにおいては、導電性粒子Pは、当該成形材料層30A中に分散された状態である。
ここで、金型50について具体的に説明すると、この金型50は、上型51およびこれと対となる下型55が互いに対向するよう配置されて構成され、上型51の下面と下型55の上面との間にキャビティが形成されている。
上型51においては、強磁性体基板52の下面に、製造すべき異方導電性シート30の導電路形成部31の配置パターンに対掌なパターンに従って強磁性体層53が形成され、この強磁性体層53以外の個所には、非磁性体層54が形成されている。
一方、下型55においては、強磁性体基板56の上面に、製造すべき異方導電性シート30の導電路形成部31の配置パターンと同一のパターンに従って強磁性体層57が形成され、この強磁性体層57以外の個所には、非磁性体層58が形成されている。
【0039】
上型51および下型55の各々における強磁性体基板52,56を構成する材料としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属を用いることができる。この強磁性体基板52,56は、その厚みが0.1〜50mmであることが好ましく、表面が平滑で、化学的に脱脂処理され、また、機械的に研磨処理されたものであることが好ましい。
また、上型51および下型55の各々における強磁性体層53,57を構成する材料としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属を用いることができる。この強磁性体層53,57は、その厚みが10μm以上であることが好ましい。この厚みが10μm以上であれば、成形材料層30Aに対して、十分な強度分布を有する磁場を作用させることができ、この結果、当該成形材料層30Aにおける導電路形成部31となるべき部分に導電性粒子Pを高密度に集合させることができ、良好な導電性を有する導電路形成部31が得られる。
【0040】
また、上型51および下型55の各々における非磁性体層54,58を構成する材料としては、銅などの非磁性金属、耐熱性を有する高分子物質などを用いることができるが、フォトリソグラフィーの手法により容易に非磁性体層54,58を形成することができる点で、放射線によって硬化された高分子物質を好ましく用いることができ、その材料としては、例えばアクリル系のドライフィルムレジスト、エポキシ系の液状レジスト、ポリイミド系の液状レジストなどのフォトレジストを用いることができる。
【0041】
その後、上型51における強磁性体基板52の上面および下型55における強磁性体基板56の下面に、例えば一対の電磁石または永久磁石を配置し、成形材料層30Aに対して、強度分布を有する磁場、すなわち上型51の強磁性体層53とこれに対応する下型55の強磁性体層57との間の部分においてそれ以外の部分より大きい強度を有する磁場を成形材料層30Aの厚み方向に作用させる。その結果、成形材料層30Aにおいては、当該成形材料層30A中に分散されていた導電性粒子Pが、図8に示すように、上型51の強磁性体層53とこれに対応する下型55の強磁性体層57との間に位置する導電路形成部31となるべき部分に集合すると共に、当該成形材料層30Aの厚み方向に並ぶよう配向する。そして、この状態において、成形材料層30Aを硬化処理することにより、上型51の強磁性体層53とこれに対応する下型55の強磁性体層57との間に配置された、弾性高分子物質中に導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる導電路形成部31と、これらの導電路形成部31の間に介在された高分子弾性物質よりなる絶縁部32とよりなる異方導電性シート30が、フレーム40の開口41内にその開口縁部に固定された状態で形成され、以て接触部材20が製造される。
以上において、成形材料層30A作用される磁場の強度は、上型51の強磁性体層53とこれに対応する下型55の強磁性体層57との間において、平均で0.02〜2テスラとなる大きさが好ましい。
【0042】
このようなウエハ検査用プローブ装置によれば、前述の第1の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置と同様の効果が得られると共に、ウエハの突起状電極に対応して配置された多数の導電路形成部31が、絶縁部32によって相互に絶縁された状態で形成されているため、隣接する突起状電極間の絶縁性が確実に維持され、その結果、所要の電気的接続状態が一層確実に得られる。
【0043】
〔第3の実施の形態〕
図9は、本発明の第3の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置の構成を示す説明用断面図である。このウエハ検査用プローブ装置において、接触部材20は、複数の開口41が形成されたフレーム板40を有し、これらの開口41の各々に、異方導電性シート30が配置されている。フレーム板40の開口41は、図10にも示すように、検査対象であるウエハにおける集積回路毎に形成されている。フレーム板40を構成する材料としては、前述の第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
接触部材20における異方導電性シート30は、図2に示す構成のもの、すなわち導電性粒子Pがシートの全面にわたって厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなるものであっても、図6に示す構成のもの、すなわち導電性粒子Pが密に含有された厚み方向に伸びる多数の導電路形成部と、これらの導電路形成部の間に介在された絶縁部とよりなるものであってもよい。
【0044】
このようなウエハ検査用プローブ装置によれば、前述の第1の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置と同様の効果が得られると共に、フレーム40には、ウエハにおける集積回路毎に複数の開口41が形成されており、当該開口41の各々に異方導電性シート30が配置されているため、当該異方導電性シート30は面積の小さいものでよい。従って、熱履歴を受けた場合でも、異方導電性シート30の各々の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、大面積のウエハに対しても良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【0045】
〔第4の実施の形態〕
図11は、本発明の第4の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置の要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。このウエハ検査用プローブ装置においては、接触部材20における異方導電性シート30の導電路形成部31の表面に導電性リジッド層35が一体的に設けられている。異方導電性シート30におけるその他の構成は、前述の第2の実施の形態と同様である。
また、フレーム板40としては、図1に示す構成のもの、すなわち周縁部を除く中央部に1つの開口41が形成されてなるものであっても、図9に示す構成のもの、すなわち検査対象であるウエハにおける集積回路毎に複数の開口41が形成されてなるものであってもよい。
【0046】
導電性リジッド層35としては、金属層または導電性有機材料層を用いることができる。
金属層を構成する材料としては、銅、金、ロジウム、白金、パラジウム、ニッケルまたはこれらの合金などを用いることができ、金属層としては、異なる金属の積層体により形成されていてもよい。
導電性有機材料層を構成する材料としては、エポキシ樹脂などの樹脂材料中に、金属粉末またはカーボンブラックなどの導電性付与物質が含有されてなるものを用いることができる。
導電性リジッド層35の厚みは、例えば5〜500μmであり、好ましくは20〜100μmである。
このような導電性リジッド層35の形成方法としては、当該導電性リジッド層35が金属層である場合には、フォトリソグラフィーおよびメッキ処理によって、導電路形成部31の表面に選択的に形成する方法、異方導電性シート30の表面全面に形成された金属層をフォトエッチング処理する方法などを利用することができる。また、当該導電性リジッド層35が導電性有機材料層である場合には、液状の硬化性樹脂材料中に導電性付与物質が含有されてなる材料を導電路形成部31の表面に塗布して硬化する方法を利用することができる。
【0047】
このようなウエハ検査用プローブ装置によれば、前述の第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の効果が得られると共に、異方導電性シート30における導電路形成部31の表面に導電性リジッド層35が形成されているため、検査対象であるウエハの突起状電極に対して一層安定した電気的接続が得られる。また、検査対象であるウエハの突起状電極の表面に酸化膜が形成されている場合にも、当該導電性リジッド層35によって当該酸化膜を突き破ることができるため、所要の電気的接続を確実に達成することができる。更に、検査対象であるウエハの突起状電極には、弾性高分子物質によって形成された導電路形成部31が直接接触することがないため、当該導電路形成部31を構成する弾性高分子物質中に含有される低分子量成分により、突起状電極が汚染されることがない。
【0048】
【発明の効果】
本発明のウエハ検査用プローブ装置によれば、接触部材におけるウエハの被検査電極に接触する部分が、弾性を有する異方導電性シートにより構成されているため、当該被検査電極は、接触部材によって加圧され或いは加圧された状態で加熱されても損傷することがない。しかも、異方導電性シートは、ウエハに加圧された際に厚み方向に弾性変形するため、大きな反りが生じたウエハについても、或いは、被検査電極が突起状電極である場合において突出高さにバラツキのある多数の突起状電極が高密度で配置されたウエハについても、当該突起状電極に対する電気的接続を安定にかつ確実に達成することができる。更に、異方導電性シートは、突起状電極によって加圧され或いは加圧された状態で高温に加熱されても、容易に故障することがないため、多数回にわたって繰り返して使用した場合にも、良好な電気的接続状態が安定に維持される。また、ピンまたはブレードよりなる多数の検査プローブを配列することが不要となるので、製造コストの低減化を図ることができ、検査用回路基板および接触部材はそれぞれ厚みが小さいものであり、しかも、小さい加圧力で安定な電気的接続が得られるため加圧機構として大型のものが不要となるので、ウエハ検査装置全体の小型化を図ることができる。
また、フレーム板には、ウエハにおける集積回路毎に複数の開口が形成されており、当該開口の各々に異方導電性シートが配置されているため、当該異方導電性シートは面積の小さいものでよい。従って、熱履歴を受けた場合でも、異方導電性シートの各々の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、大面積のウエハに対しても良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置の構成を示す説明用断面図である。
【図2】図1に示すウエハ検査用プローブ装置の要部を拡大して示す説明用断面図である。
【図3】第1の実施の形態における接触部材の製造において、異方導電性シート成形用の金型内に、フレーム板が配置されると共に当該フレーム板の開口内に成形材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図4】第1の実施の形態における接触部材の製造において、金型内の成形材料層にその厚み方向に磁場が作用された状態を示す説明用断面図ある。
【図5】図1に示すウエハ検査用プローブ装置によってウエハの電気的検査を行う状態を示す説明用断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置の要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。
【図7】第2の実施の形態における接触部材の製造において、異方導電性シート成形用の金型内に、フレーム板が配置されると共に当該フレーム板の開口内に成形材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図8】第2の実施の形態における接触部材の製造において、金型内の成形材料層にその厚み方向に強度分布を有する磁場が作用された状態を示す説明用断面図ある。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置の構成を示す説明用断面図である。
【図10】図9に示すウエハ検査用プローブ装置における接触部材の平面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係るウエハ検査用プローブ装置の要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。
【符号の説明】
1 ウエハ 2 突起状電極
5 ウエハ載置台 10 検査用回路基板
11 検査電極 12 接続端子
13 内部配線 20 接触部材
30 異方導電性シート 30A 成形材料層
31 導電路形成部 32 導電路形成部
35 導電性リジッド層 40 フレーム板
41 開口 50 金型
51 上型 52 強磁性体基板
53 強磁性体層 54 非磁性体層
55 下型 56 強磁性体基板
57 強磁性体層 58 非磁性体層
P 導電性粒子

Claims (5)

  1. それぞれ多数の電極を有する複数の集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々の電気的検査を行うためのウエハ検査用プローブ装置であって、
    検査対象であるウエハにおける集積回路の電極のパターンに対応するパターンに従って多数の検査電極が一面に形成された検査用回路基板と、
    この検査用回路基板の一面上に配置された、前記ウエハにおける集積回路の電極に接触される接触部材とを具えてなり、
    前記接触部材は、検査対象であるウエハにおける集積回路毎に形成された複数の開口を有するフレーム板と、このフレーム板の開口の各々に周縁部が当該フレーム板の開口縁部に固定された状態で配置された、絶縁性の弾性高分子物質中に導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる異方導電性シートとよりなり、当該異方導電性シートは、前記ウエハにおける集積回路の電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、導電性粒子が密に含有された厚み方向に伸びる多数の導電路形成部と、これらの導電路形成部の間に介在された絶縁部とよりなることを特徴とするウエハ検査用プローブ装置。
  2. 検査対象であるウエハにおける電極が突起状電極であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ検査用プローブ装置。
  3. 異方導電性シートにおける導電路形成部の表面に導電性リジッド層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエハ検査用プローブ装置。
  4. 導電性リジッド層が金属層または導電性有機材料層であることを特徴とする請求項3に記載のウエハ検査用プローブ装置。
  5. 接触部材におけるフレーム板の線熱膨張係数が1.5×10 -4 /K以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のウエハ検査用プローブ装置。
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