JP4470316B2 - 異方導電性シートおよび回路装置の電気的検査装置 - Google Patents

異方導電性シートおよび回路装置の電気的検査装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子部品などの回路装置相互間の電気的接続やプリント基板や半導体素子の検査装置におけるコネクターとして好ましく用いられる異方導電性シートおよびこの異方導電性シートを具えた回路装置の電気的検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
異方導電性エラストマーシートは、厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するものであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を達成することが可能であること、機械的な衝撃やひずみを吸収してソフトな接続が可能であることなどの特長を有するため、このような特長を利用して、例えば電子計算機、電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピューターキーボードなどの分野において、例えばプリント回路基板と、リードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間の電気的な接続を達成するためのコネクターとして広く用いられている。
【0003】
また、プリント基板等の回路基板、半導体チップやこれを具えた電子部品、表面に集積回路が形成されたウエハなどの回路装置の電気的検査においては、検査対象である回路装置の一面に形成された被検査電極と、検査用回路基板の表面に形成された接続用電極との電気的な接続を達成すると共に、被検査電極の損傷を防止するために、回路装置の被検査電極領域と、検査用回路基板の接続用電極領域との間に、異方導電性エラストマーシートを介在させることが行われている。
【0004】
従来、このような異方導電性エラストマーシートとしては、種々の構造のものが知られており、例えば特開昭51−93393号公報等には、金属粒子をエラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「分散型異方導電性エラストマーシート」という。)が開示され、また、特開昭53−147772号公報等には、導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電路形成部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「偏在型異方導電性エラストマーシート」という。)が開示され、更に、特開昭61−250906号公報等には、導電路形成部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性エラストマーシートが開示されている。
【0005】
一方、回路装置においては、半導体チップやこれを具えた電子部品の高機能化、高容量化に伴って電極数が増加し、電極の配列ピッチすなわち隣接する電極の中心間距離が小さくなって高密度化する傾向があり、また、このような電子部品を搭載するための回路基板においても同様である。
そして、かかる電子部品や回路基板の電気的検査を行うためには、偏在型異方導電性エラストマーシートが、回路装置の電極パターンに対応するパターンに従って導電路形成部が形成されているため、分散型異方導電性エラストマーシートに比較して、接続すべき電極が小さいピッチで配置されている回路装置に対しても電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することができる点で、有利である。
【0006】
しかしながら、このような従来の偏在型異方導電性エラストマーシートには、以下のような問題がある。
回路装置の電気的検査においては、異方導電性エラストマーシートの一面に、検査対象である回路装置(以下、「被検査回路装置」ともいう。)の電極(以下、「被検査電極」ともいう。)を接触させると共に、当該異方導電性エラストマーシートの他面に、検査用回路基板の検査用電極を接触させ、更に当該異方導電性エラストマーシートの厚み方向に加圧することにより、被検査回路装置の被検査電極と検査用回路基板の被検査電極との電気的接続が達成される。このとき、異方導電性エラストマーシートにおいては、被検査回路装置の被検査電極によって加圧されることにより、被検査電極の突出高さに応じて厚み方向に圧縮される結果、導電性粒子は基材の圧縮変形に追従して移動するため、当該導電性粒子の連鎖が例えば湾曲した状態となる。
また、半導体集積回路の電気的検査においては、当該半導体集積回路の潜在的欠陥を発現させるため、高温環境下における試験(バーンイン試験)が行われる。而して、異方導電性エラストマーシートは、基材を構成する弾性高分子物質の熱膨張係数が大きいものであるため、高温環境下に晒されると大きく膨張する。その結果、導電性粒子は基材の膨張に追従して移動するため、導電性粒子の連鎖の状態が変化する。
そして、このような高温環境下における試験が多数回にわたって繰り返し行われた場合には、導電性粒子の連鎖に乱れ或いは故障が生じるため、所要の導電性が維持されず、その結果、長い使用寿命が得られない。
【0007】
このような問題を解決する手段として、厚みの小さい異方導電性エラストマーシートを用いる手段が考えられる。厚みの小さい異方導電性エラストマーシートは、厚み方向に加圧されてもその絶対的な歪み量が小さいため、導電性粒子の連鎖に乱れ或いは故障が生じることが抑制されるからである。然るに、厚みの小さい異方導電性エラストマーシートは、それ自体の強度が小さいため、結局、長い使用寿命が得られない。
【0008】
更に、従来の偏在型異方導電性エラストマーシートには、以下のような問題がある。
偏在型異方導電性エラストマーシートを用いて回路装置の電気的検査を行う場合には、検査対象である回路装置との電気的接続作業において、当該偏在型異方導電性エラストマーシートの導電部と、これに接続すべき電極との位置合わせを行うことが必要である。
然るに、異方導電性エラストマーシートは、高い柔軟性を有するため、それ自体に大きな変形やたわみが生じやすくて取扱いが不便であり、また、シートの厚み方向のみならず面方向にも伸縮するため、導電部の各々の位置関係を維持した状態で電気的作業を行うことができず、従って、高い精度で位置合わせを行うことが困難である。
【0009】
また、バーンイン試験やヒートサイクル試験などにおいて偏在型異方導電性エラストマーシートを用いる場合には、一旦は所要の位置合わせが実現されたとしても、温度変化による熱履歴の影響、すなわち熱膨張および熱収縮などの影響を受けた場合には、エラストマーの本質的な性質である大きな熱膨張係数が災いして、温度変化による位置ずれが生じるため、安定な接続状態が得られない、という問題がある。
【0010】
ところで、最近において、電子部品をプリント回路基板に実装するためのコネクターとして、貫通孔が形成された樹脂シートと、この樹脂シートの貫通孔内に充填された金属電極と、この金属電極の両端面に形成された導電性粒子を分散させてなる導電性ゴム層とを有する異方導電性シートが提案されている(特開平6−104035号公報参照)。
然るに、この異方導電性シートにおいては、金属電極と導電性ゴム層との接着力が小さいため、温度変化による熱履歴の影響を受けたときには、金属電極と導電性ゴム層との熱膨張係数の差に起因して生ずる応力によって、金属電極と導電性ゴム層との剥離が生じやすい。従って、このような異方導電性シートは、回路装置のバーンイン試験用の異方導電性シートとしては不適なものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、高温環境下において繰り返し使用した場合であっても、長い使用寿命が得られる異方導電性シートを提供することにある。
本発明の第2の目的は、高温環境下において繰り返し使用した場合であっても、長い使用寿命が得られ、電気的接続作業において、接続すべき電極の配置ピッチが小さくても、当該電極に対する位置合わせが容易で、所要の電気的接続を確実に達成することができ、温度環境の変化に対しても良好な電気的接続が安定に維持される異方導電性シートを提供することにある。
本発明の第3の目的は、高温環境下における検査を高い効率で実行することができる回路装置の電気的検査装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の異方導電性シートは、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部が、これらの間に介在された絶縁部によって相互に絶縁されてなる異方導電性シートであって、
前記導電部は、導電性剛体層と、この導電性剛体層の両面の各々に積層された2つの導電性弾性体層とを有し、当該導電性弾性体層の各々は、弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなり、
前記絶縁部は、少なくともその両面の各々を形成する表層が弾性高分子物質よりなり、当該表層の各々に、前記導電部における導電性弾性体層が一体に連結されており、
絶縁部における表層以外の中間層が剛体材料よりなり、
絶縁部における表層の各々は、中間層をその厚み方向に貫通して伸びる弾性高分子物質よりなる連結層によって互いに連結されていることを特徴とする。
また、本発明の異方導電性シートは、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部が、これらの間に介在された絶縁部によって相互に絶縁されてなる異方導電性シートであって、
前記導電部は、導電性剛体層と、この導電性剛体層の両面の各々に積層された2つの導電性弾性体層とを有し、当該導電性弾性体層の各々は、弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなり、
前記絶縁部は、少なくともその両面の各々を形成する表層が弾性高分子物質よりなり、当該表層の各々に、前記導電部における導電性弾性体層が一体に連結されており、
絶縁部における表層以外の中間層が、弾性高分子物質よりなる弾性体層部分と、この弾性体層部分の両面に積層された2つの剛体層部分とを有してなり、
絶縁部における表層の各々は、中間層をその厚み方向に貫通して伸びる弾性高分子物質よりなる連結層によって互いに連結されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の異方導電性シートにおいては、前記導電部における導電性剛体層は、硬化性樹脂中に導電性物質が含有されてなるものであってもよく、金属よりなるものであってもよい。
また、前記導電部における導電性剛体層は、磁性体を含有してなることが好ましい。
【0015】
また、本発明の異方導電性シートにおいては、前記絶縁部における表層の各々と中間層との界面が粗面であることが好ましく、特に、前記絶縁部における表層の各々と中間層との界面における表面粗さが0.1〜10μmであることが好ましい
【0016】
本発明の回路装置の電気的検査装置は、上記の異方導電性シートを具えてなり、当該異方導電性シートを介して、被検査回路装置の被検査電極に対する電気的接続が達成されることを特徴とする。
【0017】
【作用】
上記の構成によれば、導電部は、導電性剛体層の両面に導電性弾性体層が積層されて構成されており、導電性弾性体層の厚みを小さくすることが可能であるため、導電性弾性体層が厚み方向に加圧されても絶対的な歪み量が小さく、また、高温環境下に晒されても絶対的な膨張量が小さく、その結果、当該導電性弾性体層中の導電性粒子の連鎖に乱れ或いは故障が生じることが抑制される。しかも、絶縁部における両面を形成する表層が弾性高分子物質よりなり、この表層に導電性弾性体層が一体に連結されているため、温度変化による熱履歴の影響を受けたときに、導電性剛体層と導電性弾性体層との間に、両者の熱膨張係数の差に起因して大きい応力が生じたとしても、導電性弾性体層が導電性剛体層から離脱することが防止または抑制される。
【0018】
また、絶縁部における中間層を剛体材料によって構成することにより、変形やたわみが極めて小さくて取扱いが良好となる。従って、電気的接続作業において、接続すべき電極と導電路素子との位置合わせを高い精度で容易に行うことができ、その結果、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
また、絶縁部における中間層を構成する材料として、熱膨張係数の小さいものを用いることにより、表層の熱膨張または熱収縮による変形が当該中間層によって規制されるため、当該異方導電性シート全体の温度変化に対する熱膨張または熱収縮が小さいものとなり、これにより、導電部の各々の位置関係が常に一定の状態に維持されるので、温度変化による熱履歴などの環境の変化に対しても良好な電気的接続状態を安定に維持することができ、その結果、高い接続信頼性が得られる。
【0019】
また、中間層を剛体材料によって構成する場合において、表層と中間層との界面が粗面とされることにより、表層と中間層とが高い強度で接着された絶縁部が得られるため、温度環境の変化によって表層を構成する弾性高分子物質と中間層を構成する剛体材料の熱膨張係数の差に起因してその界面に相当に大きい応力が生じたとしても、当該絶縁部における中間層から表層が剥離することが防止または抑制される。
また、中間層を剛体材料によって構成する場合において、弾性高分子物質よりなる表層の各々が弾性高分子物質よりなる連結層によって互いに連結されることにより、表層の各々は、中間層との界面における接着力のみならず連結層による連結力によって当該中間層上に支持されるため、温度環境の変化によって表層を構成する弾性高分子物質と中間層を構成する剛体材料の熱膨張係数の差に起因してその界面に相当に大きい応力が生じたとしても、当該絶縁部における中間層から表層が剥離することが防止または抑制される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〈異方導電性シート〉
(1)第1の実施の形態:
図1は、本発明に係る異方導電性シートの第1の実施の形態における要部の構成を示す説明用断面図である。この異方導電性シート10は、特定のパターンに従って配置された厚み方向に貫通して伸びる多数の導電部11と、これらの導電部11の間に介在された、当該導電部11の各々を相互に絶縁する絶縁部15とにより構成されている。この異方導電性シート10の導電部11における特定のパターンは、接続すべき電極のパターンに対応するパターンである。
【0021】
導電部11は、導電性の剛体材料からなる導電性剛体層12と、この導電性剛体層12の両面(図1において上面および下面)の各々に一体的に積層された導電性弾性層13,14とにより構成されている。この例においては、導電部11における導電性弾性体層13,14の各々は、その表面が絶縁部15の表面から突出した状態に形成されている。
絶縁部15は、その両面の各々を形成する表層16,17が絶縁性の弾性高分子物質により形成されており、表層16,17の各々に、導電部11における導電性弾性体層13,14の各々が一体に連結されている。また、図示の例では、表層16,17の各々の間の中間層18が、絶縁性の剛体材料により形成されている。
【0022】
導電部11における導電性剛体層12の厚みは、当該導電性剛体層12の材質によって異なるが、通常10〜200μm、好ましくは20〜150μm、特に好ましくは30〜100μmである。
導電部11における導電性弾性体層13,14の各々の厚みは、当該導電性弾性体層13,14の材質によって異なるが、通常10〜150μm、好ましくは20〜120μm、特に好ましくは30〜100μmであり、導電性弾性体層13,14のの合計の厚みは、通常30〜500μm、好ましくは60〜390μm、特に好ましくは90〜300μmである。
また、導電性弾性体層13,14は、それぞれ同等の厚みのものであっても異なる厚みのものであってもよい。
【0023】
絶縁部15における表層16,17の各々の厚みは、それらの材質などによって異なるが、通常5〜120μm、好ましくは10〜100μm、特に好ましくは15〜70μmであり、表層16,17の合計の厚みは、通常10〜240μm、好ましくは20〜200μm、特に好ましくは30〜140μmである。
また、表層16,17は、それぞれ同等の厚みのものであっても異なる厚みのものであってもよい。
中間層18の厚みは、当該中間層18の材質によって異なるが、通常10〜200μm、好ましくは20〜150μm、特に好ましくは30〜100μmである。
【0024】
図2にも示すように、導電部11における導電性弾性体層13,14は、弾性高分子物質よりなる基材中に導電性粒子Rが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されて構成されおり、導電性弾性体層13,14が厚み方向に加圧されたときに、導電性粒子Rにより、当該導電性弾性体層13,14の厚み方向に導電路が形成される。
また、導電性弾性体層13,14の導電路は、導電性弾性体層13,14の厚み方向と垂直な断面において、その全領域にわたって形成されてもよく、その一部の領域例えば中央領域のみに形成されてもよい。
【0025】
導電性弾性体層13,14における絶縁部15の表面からの突出高さh1,h2は、それぞれ当該異方導電性シート10の全厚Tの25%以下、特に5〜15%であることが好ましい。
また、異方導電性シート10の全厚Tは、隣接する導電部11の中心間距離である配置ピッチpの250%以下、好ましくは150〜100%であることが好ましい。
このような条件が充足されることにより、接続すべき電極と導電部11との電気的接続が確実に達成されると共に、当該導電部11に作用される加圧力が変化した場合にも、それによる導電部11の導電性の変化が十分に小さく抑制される。
【0026】
導電部11における導電性弾性体層13,14を構成する弾性高分子物質は、架橋構造を有する高分子物質が好ましい。かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムなどが挙げられる。
これらの中では、シリコーンゴムが、成形加工性および電気特性の点で好ましい。
【0027】
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0028】
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる導電路素子20の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0029】
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
【0030】
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる導電路素子20の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
【0031】
高分子物質形成材料中には、当該高分子物質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0032】
導電性弾性体層13,14に用いられる導電性粒子Rとしては、後述する方法により当該粒子を容易に配向させることができる観点から、磁性を示すものが用いられる。この磁性を示す導電性粒子の具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキにより行うことができる。
【0033】
導電性粒子Rとして、芯粒子の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは3.5〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3.5〜15重量%、さらに好ましくは4〜20重量%、特に好ましくは4.5〜10重量%である。また、被覆される導電性金属が銀である場合には、その被覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましくは5〜23重量%、特に好ましくは6〜20重量%である。
【0034】
また、導電性粒子Rの粒子径は、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2〜400μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μmである。
また、導電性粒子Rの粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子Rを用いることにより、得られる導電性弾性体層13,14は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該導電性弾性体層13,14において導電性粒子R間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子Rの形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
【0035】
また、導電性粒子Rの含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子Rを用いることにより、後述する製造方法において、成形材料層を硬化処理する際に、当該成形材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0036】
また、導電性粒子Rの表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性粒子の表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子Rと弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる導電性弾性体層13,14は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子Rの導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子Rの表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
【0037】
このような導電性粒子Rは、高分子物質形成材料に対して体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%となる割合で用いられることが好ましい。この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電性弾性体層13、14が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる導電性弾性体層13,14は脆弱なものとなりやすく、導電性弾性体層13,14として必要な弾性が得られないことがある。
【0038】
高分子物質形成材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、得られる成形材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子の分散安定性が向上すると共に、硬化処理されて得られる導電性弾性体層13,14の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後述する製造方法において、磁場による導電性粒子の配向を十分に達成することができなくなるため、好ましくない。
【0039】
導電部11における導電性剛体層12を形成する材料としては、容易に変形しない導電性材料であれば、特に限定されるものではないが、(イ)硬化性樹脂中に粒子状または粉末状の導電性物質が含有されてなる導電性材料(以下、「導電性樹脂材料」ともいう。)、(ロ)金属材料を好ましく用いることができる。
【0040】
導電性剛体層12を形成する材料として導電性樹脂材料を用いる場合において、導電性樹脂材料を構成するための硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。
導電性樹脂材料を構成するための導電性物質としては、金、銀、銅等の非磁性金属、鉄、ニッケル、コバルト若しくはこれらの合金などの磁性を示す金属などを用いることができる。これらの中では、得られる導電性剛体層12が、後述する製造方法において磁極として機能する結果、成形材料層における導電性剛体層12上に位置する部分に大きい強度の磁場を作用させることができ、当該部分に磁性を示す導電性粒子を確実に集合させて厚み方向に配向させることができる点で、磁性を示す金属を用いることが好ましい。
【0041】
導電性樹脂材料における導電性物質の割合は、当該導電性物質の種類等によって異なるが、体積分率で10〜45%であることが好ましく、より好ましくは15〜40%、特に好ましくは20〜35%である。
この割合が10%以上であれば、所要の導電性を有する導電性剛体層12が得られやすい。一方、この割合が45%以下であれば、所要の強度を有する導電性剛体層12が得られやすい。
【0042】
導電性剛体層12を形成する材料として金属材料を用いる場合において、当該金属材料としては、金、銀、銅等の非磁性金属、鉄、ニッケル、コバルト若しくはこれらの合金などの磁性を示す金属などを用いることができる。これらの中では、得られる導電性剛体層12が、後述する製造方法において磁極として機能する結果、成形材料層における導電性剛体層12上に位置する部分に大きい強度の磁場を作用させることができ、当該部分に磁性を示す導電性粒子を確実に集合させて厚み方向に配向させることができる点で、磁性を示す金属を用いることが好ましい。
【0043】
絶縁部15における表層16,17を構成する弾性高分子物質としては、前述の導電性弾性体層13,14を構成する弾性高分子物質として例示したものと同様のものを用いることができる。
絶縁部15における中間層18を構成する絶縁性の剛体材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリアミド樹脂等の機械的強度の高い樹脂材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリエステル樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂等の複合樹脂材料、エポキシ樹脂等にシリカ、アルミナ、ボロンナイトライド等の無機材料をフィラーとして混入した複合樹脂材料などを用いることができるが、熱膨張係数が小さい点で、ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂等の複合樹脂材料、ボロンナイトライドをフィラーとして混入したエポキシ樹脂等の複合樹脂材料が好ましい。
【0044】
この例の異方導電性シート10においては、図2に拡大して示すように、中間層18と表層16,17の各々との界面は粗面とされている。
具体的には、それそれ粗面とされた中間層18の表面に、表層16,17が密着した状態で一体的に形成されることにより、或いは粗面とされた表層16,17の表面に、中間層18が密着した状態で一体的に形成されることにより、中間層18と表層16,17の各々との界面が粗面とされている。
中間層18と表層16,17の各々との界面表面粗さが0.1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7.5μm、特に好ましくは1〜5μmである。
本発明において、「表面粗さ」とは、JIS B0601による中心線平均粗さRaをいう。
この表面粗さが0.1μm以上であれば、中間層18に対して表層16,17を高い強度で接着した状態で確実に形成することができる。一方、この表面粗さが10μm以下であれば、中間層18と表層16,17とを確実に密着させた状態で形成することができる。
【0045】
上記のような異方導電性シートは、例えば以下のようにして製造することができる。
図3は、本発明の異方導電性シート10を製造するために用いられる金型の構成を示す説明用断面図である。この金型は、上型30およびこれと対となる下型35が枠状のスペーサー34を介して互いに対向するよう配置されて構成され、上型30の下面と下型35の上面との間にキャビティが形成されている。
上型30においては、強磁性体基板31の下面に、製造すべき異方導電性シート10の導電部11の配置パターンに対掌なパターンに従って強磁性体層32が形成され、この強磁性体層32以外の個所には、当該強磁性体層32の厚みより大きい厚みを有する非磁性体層33が形成されている。
一方、下型35においては、強磁性体基板36の上面に、製造すべき異方導電性シート10の導電部11の配置パターンと同一のパターンに従って強磁性体層37が形成され、この強磁性体層37以外の個所には、当該強磁性体層37の厚みより大きい厚みを有する非磁性体層38が形成されている。
【0046】
上型30および下型35の各々における強磁性体基板31,36を構成する材料としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属を用いることができる。この強磁性体基板31,36は、その厚みが0.1〜50mmであることが好ましく、表面が平滑で、化学的に脱脂処理され、また、機械的に研磨処理されたものであることが好ましい。
また、上型30および下型35の各々における強磁性体層32,37を構成する材料としては、鉄、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属を用いることができる。この強磁性体層32,37は、その厚みが10μm以上であることが好ましい。この厚みが10μm以上であれば、後述する成形材料層に対して、十分な強度分布を有する磁場を作用させることができ、この結果、当該成形材料層における導電性弾性体層13,14を形成すべき部分に導電性粒子を高密度に集合させることができ、良好な導電性を有する導電性弾性体層13,14が得られる。
【0047】
また、上型30および下型35の各々における非磁性体層33,38を構成する材料としては、銅などの非磁性金属、耐熱性を有する高分子物質などを用いることができるが、フォトリソグラフィーの手法により容易に非磁性体層33,38を形成することができる点で、放射線によって硬化された高分子物質を用いることが好ましく、その材料としては、例えばアクリル系のドライフィルムレジスト、エポキシ系の液状レジスト、ポリイミド系の液状レジストなどのフォトレジストを用いることができる。
また、非磁性体層33,38の厚みは、強磁性体層32,37の厚み、製造すべき異方導電性シート10の導電部11における導電性弾性体層13,14の突出高さに応じて設定される。
【0048】
そして、上記の金型を用い、次のようにして異方導電性シートが製造される。
先ず、図4に示すように、形成すべき導電部11のパターンに対応するパターンに従って導電性剛体層用貫通孔12Hが形成された剛性材料よりなる中間層用シート18Aを用意する。
ここで、中間層用シート18Aとしては、上面および下面の各々が粗面化処理されているものであることが好ましい。中間層用シート18Aの上面および下面を粗面化処理する方法としては、サンドブラスト処理による方法、サンドペーパー処理による方法、エッチング処理による方法などを利用することができる。
中間層用シート18Aに導電性剛体層用貫通孔12Hを形成する方法としては、ドリル加工法、レーザー加工法などを利用することができる。
【0049】
次いで、図5に示すように、中間層用シート18Aの導電性剛体層用貫通孔12H内に、導電性剛体層12を形成する。
導電性剛体層12を形成する方法としては、導電性剛体層12を構成する材料として導電性樹脂材料を用いる場合には、液状の熱硬化性または光硬化性樹脂材料中に粒子状または粉末状の導電性物質が分散されてなる導電性ペースト組成物を調製し、この導電性ペースト組成物を中間層用シート18Aの導電性剛体層用貫通孔12H内に充填して硬化処理する方法を利用することができる。また、導電性剛体層12を構成する材料として金属材料を用いる場合には、電解メッキ法、無電解メッキ法などのメッキ法を利用することができる。
【0050】
そして、図6に示すように、導電性剛体層用貫通孔12H内に導電性剛体層12が形成された中間層用シート18Aを、上記の金型のキャビティ内に、当該導電性剛体層12が、上型30の強磁性体層32と下型35の強磁性体層37との間に位置するよう配置すると共に、当該金型のキャビティ内に、硬化処理によって弾性高分子物質となる弾性体形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を充填することにより、中間層用シート18Aの上面および下面の各々に、成形材料層13A,14Aを形成する。この成形材料層13A,14Aにおいては、導電性粒子Rは、当該成形材料層13A,14A中に分散された状態である。
【0051】
その後、上型30における強磁性体基板53の上面および下型35における強磁性体基板36の下面に、例えば一対の電磁石(図示省略)を配置し、当該電磁石を作動させることにより、強度分布を有する平行磁場、すなわち上型30の強磁性体層32とこれに対応する下型35の強磁性体層37との間において大きい強度を有する平行磁場を成形材料層13A,14Aの厚み方向に作用させる。その結果、成形材料層13A,14Aにおいては、当該成形材料層13A,14A中に分散されていた導電性粒子Rが、図7に示すように、上型30の強磁性体層32とこれに対応する下型35の強磁性体層37との間に位置する導電性弾性体層となるべき部分に集合すると共に、当該成形材料層13A,14Aの厚み方向に並ぶよう配向する。
そして、この状態において、成形材料層13A,14Aを硬化処理することにより、上型30の強磁性体層32とこれに対応する下型35の強磁性体層37との間に配置された、弾性高分子物質中に導電性粒子Rが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる導電性弾性体層13,14が導電性剛体層12の両面に形成されて導電部11が形成されると共に、導電性弾性体層13,14に一体に連結された高分子弾性物質よりなる表層16,17が中間層18の両面に形成されて絶縁部15が形成され、以て、図1に示す構成の異方導電性シート10が製造される。
【0052】
以上において、成形材料層13A,14Aに作用される平行磁場の強度は、上型30の強磁性体層32とこれに対応する下型35の強磁性体層37との間において、平均で0.02〜2ガウスとなる大きさが好ましい。
成形材料層13A,14Aの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。加熱により成形材料層13A,14Aの硬化処理を行う場合には、電磁石にヒーターを設ければよい。具体的な加熱温度および加熱時間は、成形材料層13A,14Aを構成する高分子物質形成材料などの種類、導電性粒子の移動に要する時間などを考慮して適宜選定される。
また、成形材料層13A,14Aの硬化処理は、平行磁場の作用を停止させた後に行うこともできるが、平行磁場を作用させたままの状態で行うことが好ましい。
【0053】
導電性剛体層12を磁性体を含有してなる材料により形成する場合、具体的には、導電性剛体層12を、磁性を示す金属を含有する導電性樹脂材料若しくは磁性を示す金属材料により形成する場合には、成形材料層13A,14Aに磁場を作用させたときに、導電性剛体層12が磁極として機能するため、成形材料層13A,14Aにおける導電性剛体層12上に位置する部分に大きい強度の磁場を作用させることができ、これにより、当該部分に磁性を示す導電性粒子を確実に集合させて厚み方向に配向させることができ、その結果、高い導電性を有する導電性弾性体層13,14が得られると共に、隣接する導電性弾性体層13,14間における所要の絶縁性が確実に得られる。
【0054】
このような構成の異方導電性シート10によれば、導電部11は、導電性剛体層12の両面に導電性弾性体層13,14が積層されて構成されており、導電性弾性体層13,14の厚みを小さくすることが可能であるため、導電性弾性体層13,14が厚み方向に加圧されてもその絶対的な歪み量が小さく、また、高温環境下に晒されてもその絶対的な膨張量が小さく、その結果、当該導電性弾性体層13,14中の導電性粒子Rの連鎖に乱れ或いは故障が生じることが抑制される。しかも、絶縁部15における両面を形成する表層16,17が弾性高分子物質よりなり、この表層16,17に導電性弾性体層13,14が一体に連結されているため、温度変化による熱履歴の影響を受けたときに、導電性剛体層12と導電性弾性体層13,14との間に、両者の熱膨張係数の差に起因して大きい応力が生じたとしても、導電性弾性体層13,14が導電性剛体層12から離脱することが防止または抑制される。従って、高温環境下において繰り返し使用した場合であっても、長い使用寿命が得られる。
【0055】
また、絶縁部15における中間層18が剛体材料により構成されているため、変形やたわみが極めて小さくて取扱いが良好となる。従って、電気的接続作業において、接続すべき電極と導電部11との位置合わせを高い精度で容易に行うことができ、その結果、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
さらに、絶縁部15における中間層18を構成する材料として、熱膨張係数の小さいものを用いることにより、弾性高分子物質よりなる表層16,17の熱膨張または熱収縮による変形が中間層18によって規制されるため、当該異方導電性シート全体の温度変化に対する熱膨張または熱収縮が小さいものとなり、これにより、導電部11の各々の位置関係が常に一定の状態に維持されるので、温度変化による熱履歴などの環境の変化に対しても良好な電気的接続状態を安定に維持することができ、その結果、高い接続信頼性が得られる。
【0056】
また、弾性高分子物質よりなる表層16,17と剛体材料よりなる中間層18との界面F1,F2が粗面とされることにより、表層16,17と中間層18とが高い強度で接着された絶縁部15が得られるため、温度環境の変化によって表層16,17を構成する弾性高分子物質と中間層18を構成する剛体材料の熱膨張係数の差に起因してその界面F1,F2に相当に大きい応力が生じたとしても、絶縁部15における中間層18から表層16,17が剥離することが防止または抑制される。従って、高温環境下において繰り返し使用した場合において、一層長い使用寿命が得られる。
【0057】
(2)第2の実施の形態:
図8は、本発明に係る異方導電性シートの第2の実施の形態における要部の構成を示す説明用断面図である。この異方導電性シート10は、特定のパターンに従って配置された厚み方向に貫通して伸びる多数の導電部11と、これらの導電部11の間に介在された、当該導電部11の各々を相互に絶縁する絶縁部15とにより構成されている。この異方導電性シート10の導電部11における特定のパターンは、接続すべき電極のパターンに対応するパターンである。
【0058】
導電部11は、導電性の剛体材料からなる導電性剛体層12と、この導電性剛体層12の両面の各々に一体的に積層された導電性弾性層13,14とにより構成され、導電部11における導電性弾性体層13,14の各々は、その表面が絶縁部15の表面から突出した状態に形成されている。
導電部11における導電性剛体層12を構成する材料および導電性弾性体層13,14を構成する弾性高分子物質としては、前述の第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
また、導電部11における導電性剛体層12および導電性弾性体層13,14の厚みは、前述の第1の実施の形態と同様である。
【0059】
絶縁部15は、その両面の各々を形成する表層16,17が絶縁性の弾性高分子物質により形成され、表層16,17の各々に、導電部11における導電性弾性体層13,14の各々が一体に連結されている。
表層16,17の各々の間の中間層18は、絶縁性の剛体材料により形成されており、表層16,17の各々は、中間層18を厚み方向に貫通して伸びる絶縁性の弾性高分子物質よりなる連結層19によって互いに連結されている。
表層16,17を構成する弾性高分子物質および中間層18を構成する剛体材料としては、前述の第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
連結層19を構成する弾性高分子物質の具体例としては、前述の第1の実施の形態において、導電性弾性体層13,14を構成する弾性高分子物質として例示したものを挙げることができる。
また、連結層19の材質は、表層16,17と同一のものであることが好ましい。
【0060】
絶縁部15における表層16,17と中間層18との界面の各々は、平坦面とされていてもよいが、表層16,17と中間層18との剥離を一層確実に防止することができる点で、前述の第1の実施の形態と同様にそれぞれ粗面であることが好ましく、それぞれの界面が粗面とされる場合には、それらの表面粗さは、前述の第1の形態と同様の範囲であることが好ましい。
また、絶縁部15における表層16,17および中間層18の厚みは、前述の第1の実施の形態と同様である。
【0061】
上記のような異方導電性シートは、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、図9に示すように、形成すべき導電部11に対応して形成された導電性剛体層用貫通孔12H内に導電性剛体層12が形成されていると共に、形成すべき連結層19に対応して連結層用貫通孔19Hが形成された中間層用シート18Aを用意する。
ここで、中間層用シート18Aとしては、上面および下面の各々が粗面化処理されているものであることが好ましい。
中間層用シート18Aに導電性剛体層用貫通孔12Hおよび連結層用貫通孔19Hを形成する方法としては、前述の第1の実施の形態における導電性剛体層用貫通孔12Hを形成する方法と同様である。
導電性剛体層12を形成する方法としては、前述の第1の実施の形態における導電性剛体層12を形成する方法と同様である。
連結層用貫通孔19Hは、導電性剛体層12を形成する前に形成されていてもよく、導電性剛体層12を形成した後に形成してもよい。
【0062】
そして、図10に示すように、導電性剛体層用貫通孔12H内に導電性剛体層12が形成された中間層用シート18Aを、異方導電性シート製造用の金型のキャビティ内に、当該導電性剛体層12が、上型30の強磁性体層32と下型35の強磁性体層37との間に位置するよう配置すると共に、当該金型のキャビティ内に、硬化処理によって弾性高分子物質となる弾性体形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなる成形材料を充填することにより、中間層用シート18Aの上面および下面並びに中間層用シート18Aの連結層用貫通孔19H内に、成形材料層13A,14A,19Aを形成する。この成形材料層13A,14A,19Aにおいては、導電性粒子Rは、当該成形材料層13A,14A,19A中に分散された状態である。
【0063】
その後、上型30における強磁性体基板53の上面および下型35における強磁性体基板36の下面に、例えば一対の電磁石(図示省略)を配置し、当該電磁石を作動させることにより、強度分布を有する平行磁場、すなわち上型30の強磁性体層32とこれに対応する下型35の強磁性体層37との間において大きい強度を有する平行磁場を成形材料層13A,14A,19Aの厚み方向に作用させる。その結果、成形材料層13A,14A,19Aにおいては、当該成形材料層13A,14A,19A中に分散されていた導電性粒子Rが、図11に示すように、上型30の強磁性体層32とこれに対応する下型35の強磁性体層37との間に位置する導電性弾性体層となるべき部分に集合すると共に、当該成形材料層13A,14Aの厚み方向に並ぶよう配向する。
そして、この状態において、成形材料層13A,14A,19Aを硬化処理することにより、上型30の強磁性体層32とこれに対応する下型35の強磁性体層37との間に配置された、弾性高分子物質中に導電性粒子Rが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる導電性弾性体層13,14が導電性剛体層12の両面に形成されて導電部11が形成されると共に、中間層18の両面に、導電性弾性体層13,14に一体に連結された高分子弾性物質よりなる表層16,17が、当該中間層18を厚み方向に貫通して伸びる弾性高分子物質よりなる連結層19によって互いに連結された状態で形成されて絶縁部15が形成され、以て、図8に示す構成の異方導電性シート10が製造される。
以上において、成形材料層13A,14A,19Aの硬化処理の条件および成形材料層13A,14A,19Aに作用される平行磁場の強度は、前述の第1の実施の形態における製造方法と同様である。
【0064】
このような構成の異方導電性シートによれば、導電部11は、導電性剛体層12の両面に導電性弾性体層13,14が積層されて構成されており、導電性弾性体層13,14の厚みを小さくすることが可能であるため、導電性弾性体層13,14が厚み方向に加圧されてもその絶対的な歪み量が小さく、また、高温環境下に晒されてもその絶対的な膨張量が小さく、その結果、当該導電性弾性体層13,14中の導電性粒子Rの連鎖に乱れ或いは故障が生じることが抑制される。しかも、絶縁部15における両面を形成する表層16,17が弾性高分子物質よりなり、この表層16,17に導電性弾性体層13,14が一体に連結されているため、温度変化による熱履歴の影響を受けたときに、導電性剛体層12と導電性弾性体層13,14との間に、両者の熱膨張係数の差に起因して大きい応力が生じたとしても、導電性弾性体層13,14が導電性剛体層12から離脱することが防止または抑制される。従って、高温環境下において繰り返し使用した場合であっても、長い使用寿命が得られる。
【0065】
また、絶縁部15における中間層18が剛体材料により構成されているため、変形やたわみが極めて小さくて取扱いが良好となる。従って、電気的接続作業において、接続すべき電極と導電部11との位置合わせを高い精度で容易に行うことができ、その結果、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
さらに、絶縁部15における中間層18を構成する材料として、熱膨張係数の小さいものを用いることにより、弾性高分子物質よりなる表層16,17の熱膨張または熱収縮による変形が中間層18によって規制されるため、当該異方導電性シート全体の温度変化に対する熱膨張または熱収縮が小さいものとなり、これにより、導電部11の各々の位置関係が常に一定の状態に維持されるので、温度変化による熱履歴などの環境の変化に対しても良好な電気的接続状態を安定に維持することができ、その結果、高い接続信頼性が得られる。
【0066】
また、弾性高分子物質よりなる表層16,17の各々が弾性高分子物質よりなる連結層19によって互いに連結されることにより、表層16,17の各々は、剛体材料よりなる中間層18との界面における接着力のみならず連結層19による連結力によって中間層18上に支持されるため、温度環境の変化によって表層16,17を構成する弾性高分子物質と中間層18を構成する剛体材料の熱膨張係数の差に起因してその界面に相当に大きい応力が生じたとしても、当該絶縁部15における中間層18から表層16,17が剥離することが防止または抑制される。従って、高温環境下において繰り返し使用した場合において、一層長い使用寿命が得られる。
【0067】
(3)その他の実施の形態:
以上、本発明の異方導電性シートは、上記の第1の実施の形態および第2の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることができる。
例えば、図12に示すように、絶縁部15における中間層18は、弾性高分子物質よりなる弾性体層部分18bと、この弾性体層部分18bの両面に積層された、剛体材料よりなる2つの剛体層部分18a,18cとにより構成されていてもよい。このような構成においては、剛体層部分18a,18cの各々と弾性体層部分18bとの間の界面は粗面とされていることが好ましい。
また、中間層18は、弾性高分子物質よりなり、表層16,17と一体に形成されていてもよい。
【0068】
〈回路装置の電気的検査装置〉
図13は、本発明に係る回路装置の電気的検査装置の一例における要部の構成を示す説明用断面図である。
この図において、10は、図8に示す構成の異方導電性シートであり、この異方導電性シート10における導電部11のパターンは、被検査回路装置2の被検査電極3のパターンに対応するパターンである。4は、検査用回路基板であって、その表面に被検査回路装置2の被検査電極3のパターンに対応するパターンに従って配置された検査用電極5を有する。この検査用回路基板4の表面上には、異方導電性シート10がその導電部11が検査用電極5上に位置されるよう配置されている。
このような電気的検査装置によって検査される被検査回路装置2としては、プリント基板等の回路基板、半導体チップやこれを具えた電子部品、表面に集積回路が形成されたウエハなどが挙げられる。
そして、上記の電気的検査装置においては、以下のようにして被検査回路装置の電気的検査が行われる。
【0069】
先ず、被検査回路装置2が異方導電性シート1上に被検査電極3が導電路素子20の被押圧部21上に位置するよう配置され、この状態で、例えば被検査回路装置2を検査用回路基板4に接近する方向(図において下方)に移動させることにより、異方導電性シート10の導電部11における導電性弾性体層13,14の各々が、被検査回路装置2の被検査電極3および検査用回路基板4の検査用電極5に押圧された状態となり、この押圧力によって、導電性弾性体層13,14にその厚み方向に伸びる導電路が形成され、その結果、被検査回路装置2の被検査電極3と検査用回路基板4の検査用電極5との間の電気的接続が達成され、所要の温度環境下において、当該被検査回路装置2の電気的検査が実行される。
【0070】
上記の電気的検査装置によれば、高温環境下において繰り返し使用した場合であっても、長い使用寿命が得られる異方導電性シート10が設けられているため、バーンイン試験やヒートサイクル試験などの高温環境下における検査に使用した場合でも、異方導電性シート10を頻繁に交換することが不要となり、従って、高い効率でかつ小さいコストで被検査回路装置の電気的検査を実行することができる。
また、異方導電性シート10は、温度変化に対する熱膨張または熱収縮が小さいものであるため、温度環境の変化に対しても良好な電気的接続が安定に維持され、被検査回路装置2に対する高い接続信頼性が得られる。
【0071】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0072】
〈実施例1〉
(1)導電性ペースト組成物の調製:
液状のエポキシ樹脂材料100重量部中に、粒子状のニッケル(数平均粒子径20μm)300重量部を添加して混合することにより、導電性樹脂材料を調製した。
【0073】
(2)成形材料の調製:
二液型の付加型液状シリコーンゴムのA液とB液とを等量となる割合で混合した。この混合物100重量部に平均粒子径が20μmの導電性粒子150重量部を添加して混合した後、減圧による脱泡処理を行うことにより、成形材料を調製した。
以上において、導電性粒子としては、ニッケル粒子を芯粒子とし、この芯粒子に無電解金メッキが施されてなるもの(平均被覆量:芯粒子の重量の10重量%となる量)を用いた。
【0074】
(3)異方導電性シート製造用金型の作製:
基本的に図3に示す構成に従って、下記の条件により、異方導電性シート製造用金型を作製した。
強磁性体基板:材質;鉄,厚み;5mm,
強磁性体層:材質;ニッケル,厚み;0.45mm,径;0.25mm,ピッチ(中心間距離);0.5mm,
非磁性体層:材質;感放射線性樹脂材料,厚み;0.5mm,
スペーサの厚み;0.1mm
【0075】
(4)異方導電性シートの製造:
厚みが40μmのポリアラミド樹脂製の中間層用シートを用意し、その両面にサンドペーパーによって粗面化処理を行った。この中間層用シートの両面における表面粗さ(JIS B0601による中心平均粗さRa,カットオフ値0.8mm,測定長さ0.25mm)は、1.5μmであった。
この中間層用シートに、CO2 パルスレーザー装置によってレーザーを照射することにより、当該中間層用シートに直径が0.25mmでピッチが0.5mmの断面円形の複数の導電性剛体層用貫通孔を形成した。
そして、中間層用シートの導電性剛体層用貫通孔内に、上記(1)で調製した導電性ペースト組成物を充填し、加熱温度125℃、加熱時間60分間の条件で硬化処理を行うことにより、導電性樹脂材料よりなる導電性剛体層を形成した。導電性剛体層中の導電性物質の割合は、体積分率で28%であった。
【0076】
上記(3)で作製した異方導電性シート金型のキャビティ内に、上記の導電性剛体層が形成された中間層用シートを、その導電性剛体層の各々が上型の強磁性体層と下型の強磁性体層との間に位置するよう配置すると共に、上記(2)で調製した成形材料を充填することにより、当該中間層用シートの両面に成形材料層を形成した。
次いで、成形材料層の各々に対し、上型の強磁性体層と下型の強磁性体層との間に位置する部分に、電磁石によって厚み方向に1.2Tの平行磁場を作用させながら、100℃、60分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚みが0.35mmの導電性弾性体層を形成して導電部を形成すると共に、この導電性弾性体層に一体に連結した厚みが0.3mmの表層を形成して絶縁部を形成し、以て、本発明の異方導電性シートを製造した。この異方導電性シートの導電部における導電性弾性体中の導電性粒子の割合は、体積分率で30%であった。
【0077】
〈実施例2〉
厚みが40μmのポリイミド樹脂製の中間層用シートを用意し、その両面にサンドペーパーによって粗面化処理を行った。この中間層用シートの両面における表面粗さ(JIS B0601による中心平均粗さRa,カットオフ値0.8mm,測定長さ0.25mm)は、2.0μmであった。
この中間層用シートに、CO2 パルスレーザー装置によってレーザーを照射することにより、当該中間層用シートに直径が0.25mmでピッチが0.5mmの断面円形の複数の導電性剛体層用貫通孔を形成すると共に、直径が0.08mmの断面円形の複数の連結層用貫通孔を形成した。
そして、中間層用シートの導電性剛体層用貫通孔内に、実施例1と同様にして調製した導電性ペースト組成物を充填し、加熱温度120℃、加熱時間60分間の条件で硬化処理を行うことにより、導電性樹脂材料よりなる導電性剛体層を形成した。
【0078】
次いで、実施例1で作製した異方導電性シート金型のキャビティ内に、上記の導電性剛体層が形成された中間層用シートを、その導電性剛体層の各々が上型の強磁性体層と下型の強磁性体層との間に位置するよう配置すると共に、実施例1と同様にして調製した成形材料を充填することにより、当該中間層用シートの両面および連結層用貫通孔内に成形材料層を形成した。
次いで、成形材料層に対し、上型の強磁性体層と下型の強磁性体層との間に位置する部分に、電磁石によって厚み方向に1.2Tの平行磁場を作用させながら、100℃、60分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚みが0.35mmの導電性弾性体層を形成して導電部を形成すると共に、この導電性弾性体層に一体に連結され、連結層によって互いに連結された厚みが0.3mmの表層を形成して絶縁部を形成し、以て、本発明の異方導電性シートを製造した。この異方導電性シートの導電部における導電性弾性体中の導電性粒子の割合は、体積分率で30%であった。
【0079】
〈実施例3〉
ニッケルメッキによって、中間層用シートの導電性剛体層用貫通孔内に導電性剛体層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の異方導電性シートを製造した。この異方導電性シートの導電部における導電性弾性体中の導電性粒子の割合は、体積分率で30%であった。
【0080】
〈比較例1〉
実施例1で作製した異方導電性シート製造用金型内に、実施例1と同様にして調製した成形材料を充填し、上型の強磁性体層と下型の強磁性体層との間に位置する部分に、電磁石によって厚み方向に1.2Tの平行磁場を作用させながら、100℃、60分間の条件で硬化処理を行うことにより、絶縁性の弾性高分子物質中に導電製粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる厚み方向に伸びる複数の導電部と、これらの導電部の間に介在された絶縁性の弾性高分子物質よりなる絶縁部とにより構成された、比較用の異方導電性シートを製造した。この異方導電性シートの導電部における導電性弾性体中の導電性粒子の割合は、体積分率で30%であった。
【0081】
〔異方導電性シートの評価〕
実施例1〜3および比較例1に係る異方導電性シートの各々について、その性能評価を以下のようにして行った。
一面に直径0.25mmの電極が10行10列(合計100個)の格子状に0.5mmピッチで配置された電極板装置(a)と、一面に共通の電極となる金メッキ層を有する電極板装置(b)とを用意し、電極板装置(a)の一面上に、異方導電性シートをその導電部の各々が当該電極板装置(a)の電極上に位置するよう位置合わせした状態で固定し、この異方導電性シート上に、電極板装置(b)をその金属メッキ層が当該異方導電性シートの全ての導電部に接するよう配置し、この電極板装置(b)によって、異方導電性シートをその導電部1個当たりに加わる荷重が10gfとなるよう加圧することにより、異方導電性シート評価用のシステムを構成した。
そして、室温(25℃)で異方導電性シートの導電部の各々の電気抵抗を測定し、次いで、異方導電性シートが加圧されたままの状態で、このシステムを125℃に設定された恒温槽中に4時間放置して当該異方導電性シートの導電部の各々の電気抵抗を測定し、更に4時間放置した後、システムを恒温槽から取り出して室温になるまで自然冷却した。以上の操作を1サイクルとするヒートサイクル試験を合計500サイクル行った。また、ヒートサイクル試験終了後、実施例1〜3に係る異方導電性シートを観察し、絶縁部における表層と中間層との剥離の有無を調べた。
以上、結果を表1に示す。なお、電気抵抗に関しては、室温および125℃の各々について、初期電気抵抗、50サイクル後における電気抵抗および100サイクル毎の電気抵抗を、各導電部の平均値で示した。
【0082】
【表1】
Figure 0004470316
【0083】
表1から明らかなように、実施例1〜3に係る異方導電性シートは、ヒートサイル試験に長時間使用された場合であっても、導電部の電気抵抗が増大することがなく、また、絶縁部における表層と中間層との剥離も認められず、従って、長い使用寿命を有するものであることが確認された。
【0084】
【発明の効果】
請求項1〜請求項9に記載の異方導電性シートによれば、導電部は、導電性剛体層の両面に導電性弾性体層が積層されて構成されており、導電性弾性体層の厚みを小さくすることが可能であるため、導電性弾性体層が厚み方向に加圧されてもその絶対的な歪み量が小さく、また、高温環境下に晒されてもその絶対的な膨張量が小さく、その結果、当該導電性弾性体層中の導電性粒子の連鎖に乱れ或いは故障が生じることが抑制される。しかも、絶縁部における両面を形成する表層が弾性高分子物質よりなり、この表層に導電性弾性体層が一体に連結されているため、温度変化による熱履歴の影響を受けたときに、導電性剛体層と導電性弾性体層との間に、両者の熱膨張係数の差に起因して大きい応力が生じたとしても、導電性弾性体層が導電性剛体層から離脱することが防止または抑制される。従って、高温環境下において繰り返し使用した場合であっても、長い使用寿命が得られる。
【0085】
請求項4に記載の異方導電性シートによれば、導電性剛体層が磁性体を含有してなるため、当該異方導電性シートの製造において、磁場の作用によって導電性弾性体層となるべき部分に導電性粒子を集合させて厚み方向に配向させることができるので、高い導電性を有する導電性弾性体層が得られると共に、隣接する導電性弾性体間における所要の絶縁性が確実に得られる。
【0086】
請求項5乃至請求項6に記載の異方導電性シートによれば、絶縁部における中間層の全部または一部が剛体材料によって構成されているため、変形やたわみが極めて小さくて取扱いが良好となる。従って、電気的接続作業において、接続すべき電極と導電路素子との位置合わせを高い精度で容易に行うことができ、その結果、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
また、絶縁部における中間層を構成する剛体材料として、熱膨張係数の小さいものを用いることにより、表層の熱膨張または熱収縮による変形が当該中間層によって規制されるため、当該異方導電性シート全体の温度変化に対する熱膨張または熱収縮が小さいものとなり、これにより、導電部の各々の位置関係が常に一定の状態に維持されるので、温度変化による熱履歴などの環境の変化に対しても良好な電気的接続状態を安定に維持することができ、その結果、高い接続信頼性が得られる。
【0087】
請求項7乃至請求項8に記載の異方導電性シートによれば、弾性高分子物質よりなる表層と剛体材料よりなる中間層との界面が粗面とされることにより、表層と中間層とが高い強度で接着された絶縁部が得られるため、温度環境の変化によって表層を構成する弾性高分子物質と中間層を構成する剛体材料の熱膨張係数の差に起因してその界面に相当に大きい応力が生じたとしても、当該絶縁部における中間層から表層が剥離することが防止または抑制される。従って、高温環境下において繰り返し使用した場合において、一層長い使用寿命が得られる。
【0088】
請求項9に記載の異方導電性シートによれば、弾性高分子物質よりなる表層の各々が弾性高分子物質よりなる連結層によって互いに連結されることにより、表層の各々は、中間層との界面における接着力のみならず連結層による連結力によって当該中間層上に支持されるため、温度環境の変化によって表層を構成する弾性高分子物質と中間層を構成する剛体材料の熱膨張係数の差に起因してその界面に相当に大きい応力が生じたとしても、当該絶縁部における中間層から表層が剥離することが防止または抑制される。従って、高温環境下において繰り返し使用した場合において、一層長い使用寿命が得られる。
【0089】
請求項10に記載の回路装置の電気的検査装置によれば、高温環境下において繰り返し使用した場合であっても、長い使用寿命が得られる異方導電性シートが設けられているため、バーンイン試験やヒートサイクル試験などの高温環境下における検査に使用した場合でも、異方導電性シートを頻繁に交換することが不要となり、従って、高い効率でかつ小さいコストで被検査回路装置の電気的検査を実行することができる。
また、異方導電性シートとして、温度変化に対する熱膨張または熱収縮が小さいものを用いることにより、温度環境の変化に対しても良好な電気的接続が安定に維持され、被検査回路装置に対する高い接続信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異方導電性シートの第1の実施の形態における構成を示す説明用断面図である。
【図2】図1の異方導電性シートの一部を拡大して示す説明用断面図である。
【図3】図1に示す異方導電性シートを製造するための金型を示す説明用断面図である。
【図4】導電性剛体層用貫通孔が形成された中間層用シートを示す説明用断面図である。
【図5】図4に示す中間層用シートの導電性剛体層用貫通孔内に導電性剛体層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図6】図5に示す金型のキャビティ内に、導電性剛体層が形成された中間層用シートが配置されると共に、成形材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図7】成形材料層に平行磁場を作用させた状態を示す説明用断面図である。
【図8】本発明に係る異方導電性シートの第2の実施の形態における構成を示す説明用断面図である。
【図9】導電性剛体層用貫通孔および連結用貫通孔が形成された中間層用シートにおけるの導電性剛体層用貫通孔内に、導電性剛体層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図10】金型のキャビティ内に、導電性剛体層が形成された中間層用シートが配置されると共に、成形材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図11】成形材料層に平行磁場を作用させた状態を示す説明用断面図である。
【図12】本発明に係る異方導電性シートの他の実施の形態における構成を示す説明用断面図である。
【図13】本発明に係る回路装置の電気的検査装置の一例における要部の構成を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
2 被検査回路装置 3 被検査電極
4 検査用回路基板 5 検査用電極
10 異方導電性シート 11 導電部
12 導電性剛体層 12H 導電性剛体層用貫通孔
13,14 導電性弾性体層
13A,14A 成形材料層
15 絶縁部 16,17 表層
18 中間層 18A 中間層用シート
18a,18c 剛体層部分
18b 弾性体層部分 19 連結層
19A 成形材料層 19H 連結層用貫通孔
30 上型 31 強磁性体基板
32 強磁性体層 33 非磁性体層
34 スペーサー 35 下型
36 強磁性体基板 37 強磁性体層
38 非磁性体層 F1,F2 界面
R 導電性粒子

Claims (8)

  1. それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部が、これらの間に介在された絶縁部によって相互に絶縁されてなる異方導電性シートであって、
    前記導電部は、導電性剛体層と、この導電性剛体層の両面の各々に積層された2つの導電性弾性体層とを有し、当該導電性弾性体層の各々は、弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなり、
    前記絶縁部は、少なくともその両面の各々を形成する表層が弾性高分子物質よりなり、当該表層の各々に、前記導電部における導電性弾性体層が一体に連結されており、
    絶縁部における表層以外の中間層が剛体材料よりなり、
    絶縁部における表層の各々は、中間層をその厚み方向に貫通して伸びる弾性高分子物質よりなる連結層によって互いに連結されていることを特徴とする異方導電性シート。
  2. それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部が、これらの間に介在された絶縁部によって相互に絶縁されてなる異方導電性シートであって、
    前記導電部は、導電性剛体層と、この導電性剛体層の両面の各々に積層された2つの導電性弾性体層とを有し、当該導電性弾性体層の各々は、弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなり、
    前記絶縁部は、少なくともその両面の各々を形成する表層が弾性高分子物質よりなり、当該表層の各々に、前記導電部における導電性弾性体層が一体に連結されており、
    絶縁部における表層以外の中間層が、弾性高分子物質よりなる弾性体層部分と、この弾性体層部分の両面に積層された2つの剛体層部分とを有してなり、
    絶縁部における表層の各々は、中間層をその厚み方向に貫通して伸びる弾性高分子物質よりなる連結層によって互いに連結されていることを特徴とする異方導電性シート。
  3. 導電部における導電性剛体層は、硬化性樹脂中に導電性物質が含有されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異方導電性シート。
  4. 導電部における導電性剛体層は、金属よりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異方導電性シート。
  5. 導電部における導電性剛体層は、磁性体を含有してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の異方導電性シート。
  6. 絶縁部における表層の各々と中間層との界面が粗面であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の異方導電性シート。
  7. 絶縁部における表層の各々と中間層との界面における表面粗さが0.1〜10μmであることを特徴とする請求項6に記載の異方導電性シート。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の異方導電性シートを具えてなり、当該異方導電性シートを介して、被検査回路装置の被検査電極に対する電気的接続が達成されることを特徴とする回路装置の電気的検査装置。
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