JP4085516B2 - 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法 - Google Patents

金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4085516B2
JP4085516B2 JP14122999A JP14122999A JP4085516B2 JP 4085516 B2 JP4085516 B2 JP 4085516B2 JP 14122999 A JP14122999 A JP 14122999A JP 14122999 A JP14122999 A JP 14122999A JP 4085516 B2 JP4085516 B2 JP 4085516B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
magnetic
magnetic member
recess
nonmagnetic substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP14122999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000326335A (ja
Inventor
和夫 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP14122999A priority Critical patent/JP4085516B2/ja
Publication of JP2000326335A publication Critical patent/JP2000326335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4085516B2 publication Critical patent/JP4085516B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子部品などの回路装置相互間の電気的接続や、プリント回路基板、半導体集積回路などの回路装置の電気的検査に用いられるコネクターとして好適な異方導電性シートを成形するために好ましく用いられる金型およびその製造方法、並びにこの金型を用いた異方導電性シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
異方導電性シートは、厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するものであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を達成することが可能であること、機械的な衝撃やひずみを吸収してソフトな接続が可能であることなどの特長を有するため、このような特長を利用して、例えば電子計算機、電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピューターキーボードなどの分野において、回路装置、例えばプリント回路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間の電気的な接続を達成するためのコネクターとして広く用いられている。
【0003】
また、プリント回路基板や半導体集積回路などの回路装置の電気的検査においては、検査対象である回路装置の一面に形成された被検査電極と、検査用回路基板の表面に形成された検査用電極との電気的な接続を達成するために、回路装置の被検査電極領域と検査用回路基板の検査用電極領域との間に異方導電性シートを介在させることが行われている。
【0004】
従来、このような異方導電性シートとしては、種々の構造のものが知られており、例えば特開昭51−93393号公報等には、金属粒子をエラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性シート(以下、これを「分散型異方導電性シート」という。)が開示され、また、特開昭53−147772号公報等には、導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性シート(以下、これを「偏在型異方導電性シート」という。)が開示され、更に、特開昭61−250906号公報等には、導電部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性シートが開示されている。
そして、偏在型異方導電性シートは、接続すべき回路装置の電極パターンと対掌のパターンに従って導電部が形成されているため、分散型異方導電性エラストマーシートに比較して、接続すべき電極が小さいピッチで配置されている回路装置などに対しても電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することができる点で、有利である。
【0005】
上記のような偏在型異方導電性シートを製造する方法としては、特殊な異方導電性シート成形金型を用い、この異方導電性シート成形金型の成形空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなるシート成形材料層を形成し、このシート成形材料層に対してその厚み方向に強度分布を有する磁場を作用させ、その磁力の作用によって導電性粒子を移動させて導電部となる部分に集合させ、更には導電性粒子を厚み方向に並ぶよう配向させ、その状態で当該シート成形材料層を硬化する方法が知られている。
【0006】
上記の異方導電性シートの製造方法に用いられる異方導電性シート成形金型は、それぞれ全体の形状が略平板状であって互いに対応する上型と下型とよりなり、上型および下型が電磁石に装着可能に構成されるか、若しくは電磁石と一体的に構成され、シート成形材料層に磁場を作用させながら当該シート成形材料層を加熱硬化することができる構造のものである。
また、シート成形材料層に磁場を作用させて適正な位置に導電部を形成するために、異方導電性シート成形金型における上型、あるいは上型および下型の両方は、鉄、ニッケル等の強磁性体からなる基板上に、金型内の磁場に強度分布を生じさせるための鉄、ニッケル等よりなる強磁性体部分と、銅等の非磁性金属若しくは樹脂よりなる非磁性体部分とをモザイク状に配列した層(以下、「モザイク層」という。)を有する構成のものであり、上型および下型の成形面は、平坦であるか若しくは形成すべき異方導電性シートの導電部に対応してわずかな凹凸を有するものである。
【0007】
上記の異方導電性シート成形金型によれば、シート成形材料層に対して電磁石によって強度分布を有する磁場を形成することができる。そして、このような異方導電性シート成形金型において、モザイク層における強磁性体部分と非磁性体部分との配置、形状等は、成形すべき異方導電性シートに基づいて決定される。すなわち、異方導電性シートの導電部に相当する箇所に強磁性体部分が配置され、その強磁性体部分の形状が導電部の断面形状に適合したものである。
【0008】
以上のような異方導電性シート成形用金型の製造において、モザイク層を形成する方法としては、以下のような方法が知られている。
(1)強磁性体よりなる板状体から非磁性体部分を構成すべき部分をエッチングによって除去し、形成された除去部分に樹脂を流し込むか若しくは銅等の非磁性金属をメッキすることによって非磁性体を充填してモザイク層を形成する方法。
(2)強磁性体よりなる板状体から非磁性体部分を構成すべき部分を切削によって除去し、形成された除去部分に樹脂を流し込むか若しくは銅等の非磁性金属をメッキすることによって非磁性体を充填してモザイク層を形成する方法。
(3)強磁性体よりなる板状体の表面に、フォトリソグラフィーの手法によって、放射線硬化性樹脂よりなる非磁性体部分を形成し、その後、非磁性体部分が形成された箇所以外の箇所に、強磁性体をメッキすることによって強磁性体を充填してモザイク層を形成する方法。
【0009】
しかしながら、上記の方法によって得られる異方導電性シート成形金型には、以下のような問題がある。
上記(1)の方法によりモザイク層を形成する場合には、サイドエッチングが生じるために、強磁性体部分のピッチ、すなわち隣接する強磁性体部分の中心間距離が小さいモザイク層を形成することは相当に困難であり、従って、ピッチが小さい導電部を有する異方導電性シートを成形することは困難である。
上記(2)の方法によりモザイク層を形成する場合には、上記(1)の方法に比較して強磁性体部分のピッチが小さいモザイク層を形成することが可能である。然るに、強磁性体部分の配列パターンが複雑なモザイク層を形成するためには、手間や時間がかかりすぎ、従って、得られる異方導電性シート成形金型は、製造コストの高いものとなる。
上記(3)の方法によりモザイク層を形成する場合には、強磁性体部分のピッチが小さくて配列パターンが複雑なモザイク層を容易に形成することが可能である。然るに、非磁性体部分が放射線硬化性樹脂により構成されているため、耐久性が低くて使用寿命が短いものであり。従って、異方導電性シートの製造コストが高いものとなる。
更に、上記(1)および(3)の方法によって形成される強磁性体部分は、その断面の寸法が厚み方向に一様なものに限定されるため、シート成形材料に対して高い磁束密度を有する磁場を集中して作用させることが可能な形状、具体的には成形面である表面から裏面に向かうに従って断面積が大きくなる錐台状の強磁性体部分を形成することはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、製造が容易であり、しかも、ピッチが小さくて複雑なパターンの導電部を有する異方導電性シートを成形することが可能な金型を提供することにある。
本発明の第2の目的は、耐久性が高く、製造が容易であり、しかも、ピッチが小さくて複雑なパターンの導電部を有する異方導電性シートを成形することが可能な金型を提供することにある。
本発明の第3の目的は、シート成形材料における導電部となる部分に、高い磁束密度を有する磁場を集中して作用させることができる金型を提供することにある。
本発明の第4の目的は、耐久性が高く、しかも、ピッチが小さくて複雑なパターンの導電部を有する異方導電性シートを成形することが可能な金型を容易に製造することができる方法を提供することにある。
本発明の第5の目的は、ピッチが小さくて複雑なパターンの導電部を有する異方導電性シートを小さいコストで製造することができる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の金型は、成形面を形成する表面を有し,表面および裏面の少なくとも一方に異方性エッチングによって複数の凹所が形成された非磁性基板と、
この非磁性基板の凹所に保持された強磁性体よりなる磁性部材と
を具えてなることを特徴とする。
【0012】
本発明の金型は、異方導電性シートを成形するための金型として好ましく用いることができる。
本発明の金型においては、前記非磁性基板は、単結晶シリコンよりなることが好ましく、特に、シリコンウエハを加工することによって得られるものであることが好ましい。
また、本発明の金型においては、前記非磁性基板における磁性部材を保持する凹所は、当該非磁性基板の裏面に形成されており、当該凹所の形状が、当該非磁性基板の表面側から裏面側に向かうに従って断面積が大きくなる逆錐台状であることが好ましい。
更に、前記非磁性基板の表面には、その裏面に形成された磁性部材を保持する凹所に対応して、成形体に突出部を形成するための凹所が形成されており、当該凹所の形状が、当該非磁性基板の裏面側から表面側に向かうに従って断面積が大きくなる逆錐台状であることが好ましい。
【0013】
本発明の金型の製造方法は、上記の金型を製造する方法であって、
異方性エッチングが可能な板状の非磁性基板材料を用意し、この非磁性基板材料の一面に異方性エッチング処理を行うことにより、磁性部材を保持するための複数の凹所を形成し、これらの凹所に強磁性体のメッキ処理を行うことにより、当該凹所の各々に保持された磁性部材を形成する工程を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の金型の製造方法においては、前記非磁性基板材料の一面に磁性部材を保持するための凹所を形成した後、この非磁性基板材料の一面に金属膜を形成し、この金属膜を共通の電極として強磁性体のメッキ処理を行うことにより、当該非磁性基板材料の凹所の各々に保持された磁性部材を形成することが好ましい。
【0015】
本発明の異方導電性シートの製造方法は、厚み方向に伸びる複数の導電部が絶縁部によって相互に絶縁された状態で配置されてなる異方導電性シートを製造する方法であって、
上記の金型を用い、
この異方導電性シート成形金型内に、硬化されて弾性高分子物質となる弾性高分子用材料中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなるシート成形材料を充填し、
このシート成形材料に前記異方導電性シート成形金型における磁性部材を介して磁場を作用させると共に、当該シート成形材料を硬化処理する工程を有することを特徴とする。
【0016】
【作用】
(1)非磁性基板における磁性部材が保持された凹所は、結晶方位に沿ってエッチングされる異方性エッチングによって形成されているため、その形成が容易で、かつ、高い寸法精度を有するものである。従って、成形すべき異方導電性シートの導電部のピッチが小さくて複雑なパターンのものであっても、当該導電部のパターンに対応するパターンに従って磁性部材を配列することができる。
(2)成形面を形成する非磁性基板として、単結晶シリコンよりなるものを用いることにより、高い耐久性が得られる。
(3)非磁性基板として、シリコンウエハを加工することによって得られるものを用いることにより、面精度の高い成形面が得られる。
(4)非磁性基板の裏面に磁性部材を保持するための凹所を形成し、その形状を逆錐台状とすることにより、当該凹所に適合する形状すなわち錐台状の形状を有する磁性部材を設けることができる。そして、このような磁性部材を設けることにより、シート成形材料層における導電部となる部分に対して、高い磁束密度を有する磁場を集中して作用させることができる。
(5)非磁性基板の表面に、裏面に形成された磁性部材を保持するための凹所に対応して、異方導電性シートの突出部を形成するための凹所を形成し、その形状を逆錐台状とすることにより、当該凹所に適合する形状すなわち錐台状の突出部を有する異方導電性シートを成形することができる。そして、このような突出部を有する異方導電性シートによれば、当該突出部が加圧されたときに当該突出部の周辺に作用する応力を緩和することができるので、高い耐久性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る異方導電性シート成形金型の一例における上型の具体的構成を示す説明用断面図である。この異方導電性シート成形金型における上型は、異方性エッチングが可能な材料よりなる非磁性基板10を有し、その表面(図1において下面)によって成形面が形成されている。この非磁性基板10における成形面である表面には、成形すべき異方導電性シートにおける突出部を形成するための突出部形成用凹所11が形成されている。この突出部形成用凹所11は、異方性エッチングによって形成されたものであり、当該突出部形成用凹所11の形状は、当該非磁性基板の裏面側から表面側に向かうに従って断面積が大きくなる逆四角錐台状である。
また、この例においては、非磁性基板10の表面における突出部形成用凹所11以外の領域には、保護膜12が形成されている。この保護膜12は、突出部形成用凹所11を異方性エッチングによって形成するためのレジストとして利用されたものである。
また、図示しないが、非磁性基板10の表面には、後述する保持部材40に位置決め部材を適正な位置に配置するためのアライメントマーク(窪み)が形成されている。
【0018】
非磁性基板10における裏面には、その表面に形成された突出部形成用凹所11に対応する位置に、後述する磁性部材20を保持するための磁性部材保持用凹所15が形成されている。この磁性部材保持用凹所15は、異方性エッチングによって形成されたものであり、当該磁性部材保持用凹所15の形状は、当該非磁性基板の表面側から裏面側に向かうに従って断面積が大きくなる逆四角錐台状である。
また、この例においては、非磁性基板10の裏面における磁性部材保持用凹所15以外の領域には、保護膜16が形成されており、この保護膜16および磁性部材保持用凹所15の内面を覆うよう、金属膜17が形成されている。この保護膜16は、磁性部材保持用凹所15を異方性エッチングによって形成するためのレジストとして利用されたものであり、金属膜17は、後述する磁性部材20をメッキ処理によって形成するための共通の電極として利用されたものである。
【0019】
金属膜17によって内面が覆われた磁性部材保持用凹所15には、強磁性体よりなる磁性部材20が保持されている。具体的には、磁性部材20は、磁性部材保持用凹所15に適合する形状すなわち四角錐台状の先端部21と、この先端部21に連続して形成された四角柱状の基端部22とにより構成されており、先端部21が磁性部材保持用凹所15に保持された状態で設けられている。
そして、磁性部材20を含む非磁性基板10は、強磁性体よりなる皿型の保持部材40に熱硬化性樹脂材料等よりなる接着層30を介して保持されている。この保持部材40には、下型(図示省略)に対する位置決めを行うための位置決め部材(図示省略)が設けられている。
【0020】
非磁性基板10を構成する材料としては、異方性エッチングが可能なものであれば特に限定されず、例えば単結晶シリコン、ゲルマニウムなどを用いることができるが、高い耐久性が得られる点で、単結晶シリコンを用いることが好ましい。また、単結晶シリコンとしては、異方性エッチングによって所期の寸法精度を有する突出部形成用凹所11および磁性部材保持用凹所15が得られ、かつ面精度の高い成形面が得られる点で、純度の高いものを用いることが好ましく、特に、非磁性基板10として、シリコンウエハを加工することによって得られるものを用いることが好ましい。
非磁性基板10の厚み(突出部形成用凹所11および磁性部材保持用凹所15が形成されていない部分の厚み)は、例えば0.2〜1.0mm、好ましくは0.25〜0.5mmである。
また、非磁性基板10における磁性部材保持用凹所15が形成された箇所の厚み(この例では、磁性部材保持用凹所15の底面と突出部形成用凹所11の底面との間の厚み)は、0.25mm以下、特に0.1mm以下であることが好ましい。この厚みが0.25mmを超える場合には、シート成形材料層における導電部となる高い磁束密度を有する磁場を作用させることが困難となることがある。
突出部形成用凹所11の深さは、形成すべき異方導電性シートの突出部の突出高さに応じて適宜設定され、例えば0.05〜0.25mm、好ましくは0.075〜0.15mmである。
磁性部材保持用凹所15の深さは、例えば0.05〜0.25mm、好ましくは0.1〜0.2mmである。
【0021】
非磁性基板10の表面に形成された保護膜12を構成する材料としては、成形時の耐久性、非磁性基板10との密着性および単結晶シリコンのエッチング処理に用いられるエッチング液に対する耐性の観点から、クロム、二酸化珪素などの非磁性無機材料を用いることが好ましい。また、保護膜12の厚みは、例えば0.1〜2μm、好ましくは0.2〜1μmである。
非磁性基板10の裏面に形成された保護膜16を構成する材料としては、非磁性基板10との密着性および単結晶シリコンのエッチング処理に用いられるエッチング液に対する耐性の観点から、二酸化珪素、クロムなどの非磁性無機材料を用いることが好ましい。また、保護膜16の厚みは、例えば0.1〜2μm、好ましくは0.2〜1μmである。
金属膜17としては、クロム/ニッケル/金、クロム/銅/金、アルミニウム/銅/金などの多層構造のもの、銅、ニッケルなどよりなる単層構造のものなどを用いることができる。また、金属膜17の厚みは、例えば1〜5μm、好ましくは0.05〜2μmである。
【0022】
磁性部材20を構成する強磁性体としては、ニッケル、鉄、コバルトまたはこれらの合金などを用いることができる。
磁性部材20の厚みは、例えば0.05〜0.25mm、好ましくは0.1〜0.2mmである。
また、磁性部材20の先端部21における端面の面積は、基端部22における端面の面積の20〜65%、特に25〜50%であることが好ましい。このような条件を満足することにより、シート成形材料における導電部となる部分に対して、高い磁束密度を有する磁場を確実に集中して作用させることができる。
【0023】
接着層30を構成する熱硬化性樹脂材料としては、高い耐熱性を有するものを用いることが好ましく、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂などが挙げられる。
保持部材40を構成する強磁性体としては、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金などを用いることができる。
【0024】
また、この実施の形態に係る異方導電性シート成形金型は、上記の上型と、これと対となる下型とによって構成される。この下型は、基本的に上型と同様の構成であるため図示しないが、この例においては、下型の非磁性基板の表面には凹所が形成されておらず、従って、当該下型の表面は平坦面とされている。
【0025】
上記の異方導電性シート成形金型によれば、成形面が単結晶シリコンよりなる非磁性基板10により形成されているため、高い耐久性が得られる。しかも、非磁性基板10における磁性部材保持用凹所15は、単結晶シリコンの結晶方位に沿ってエッチングされる異方性エッチングによって形成されているため、その形成が容易で、かつ、高い寸法精度を有するものとなり、これにより、磁性部材20を小さいピッチで複雑なパターンに配列することができる。従って、ピッチが小さくて複雑なパターンの導電部を有する異方導電性シートを成形することができる。
【0026】
また、磁性部材保持用凹所15の形状は、異方性エッチングによって形成されることにより逆四角錐台状とされており、この磁性部材保持用凹所15には、その形状に適合する形状すなわち四角錐台状の先端部21を有する磁性部材20が設けられているので、シート成形材料層における導電部となる部分に対して、高い磁束密度を有する磁場を集中して作用させることができる。
また、非磁性基板10における成形面である表面には、磁性部材保持用凹所15に対応する位置に、異方導電性シートの突出部を形成するための突出部形成用凹所11が形成されており、その形状は、異方性エッチングによって形成されることにより逆四角錐台状とされているため、当該突出部形成用凹所11に適合する形状すなわち四角錐台状の突出部を有する異方導電性シートを成形することができる。そして、このような突出部を有する異方導電性シートによれば、当該突出部が加圧されたときに当該突出部の周辺に作用する応力を緩和することができるので、高い耐久性が得られる。
【0027】
上記の異方導電性シート成形金型は、以下のようにして製造することができる。
先ず、図2に示すように、両面に二酸化珪素よりなる保護膜13,16が形成された、単結晶シリコンよりなる板状の非磁性基板材料10Aを用意し、図3に示すように、この非磁性基板材料10Aの両面に形成された保護膜13,16の各々の表面に、フォトリソグラフィーの手法により、当該保護膜13,16をエッチング処理するためのレジスト膜14,18を形成する。ここで、非磁性基板材料10Aの表面(図3において下面)側に形成されたレジスト膜14には、形成すべき非磁性基板10にアライメントマーク(窪み)を形成するための矩形の開口(図示省略)が形成されており、非磁性基板材料10Aの裏面側に形成されたレジスト膜18には、形成すべき磁性部材20の配置パターンに対応するパターンに従って複数の矩形の開口18Kが形成されている。
【0028】
次いで、図4に示すように、保護膜13,16に対して、レジスト膜14,18の各々の開口を介してエッチング処理を行うことにより、非磁性基板材料10Aの表面に形成された保護膜13にレジスト膜14の開口に連通する矩形の開口(図示省略)を形成すると共に、非磁性基板材料10Aの裏面に形成された保護膜16にレジスト膜18の開口18Kに連通する矩形の開口16Kを形成する。
そして、図5に示すように、レジスト膜14,18を除去した後、非磁性基板材料10Aの表面および裏面に対して、保護膜13,16をレジストとして利用し、当該保護膜13,16の各々の開口を介して異方性エッチング処理を行うことにより、非磁性基板材料10Aの表面に逆四角錐状のアライメントマーク形成用凹所(図示省略)を形成すると共に、非磁性基板材料10Aの裏面に、逆四角錐台状の磁性部材保持用凹所15を形成する。
【0029】
以上において、非磁性基板材料10Aとしては、シリコンウエハをそのままの状態で或いは適宜の形状に加工した状態で用いることが好ましい。
また、非磁性基板材料10Aとしては、形成すべき非磁性基板10と同等の厚みを有するものを用いるができるが、例えばアライメントマークを有する非磁性基板10を形成する場合には、形成すべき非磁性基板10の厚みより大きい厚みを有するものを用いることが好ましい。
保護膜13,16をエッチング処理するためのエッチング液としては、フッ酸などを用いることができる。
非磁性基板材料10Aを異方性エッチング処理するためのエッチング液としては、水酸化カリウム、エチレンジアミンなどを用いることができる。
また、非磁性基板材料10A異方性エッチング処理の条件、例えば処理温度、処理時間は、エッチング液の種類、形成すべき磁性部材保持用凹所15の深さなどに応じて適宜設定されるが、例えば処理温度は60〜85℃である。
【0030】
次いで、図6に示すように、例えばスパッタリング法によって、非磁性基板材料10Aにおける磁性部材保持用凹所15の内面および保護膜16の表面を覆うよう、金属膜17を形成する。その後、図7に示すように、フォトリソグラフィーの手法により、保護膜13の表面にレジスト膜26を形成すると共に、金属膜17の表面に、非磁性基板材料10Aにおける磁性部材保持用凹所15上に位置する箇所に孔25Hが形成されたレジスト膜25を形成する。
そして、金属膜17を共通の電極(陰極)として、強磁性体金属の電界メッキ処理を行うことにより、図8に示すように、非磁性基板材料10Aにおける磁性部材保持用凹所15内およびレジスト膜25の孔25H内に強磁性体金属が堆積されて磁性部材20が形成される。
【0031】
次いで、図9に示すように、レジスト膜25,26を除去することにより、磁性部材20の基端部22を露出させ、その後、図10に示すように、熱硬化性樹脂よりなる接着層30によって、磁性部材20が設けられた非磁性基板材料10Aを強磁性体よりなる皿型の保持部材40に保持させる。具体的には、保持部材40内に、接着層30を形成するための熱硬化性樹脂プリプレグシートを配置すると共に、この熱硬化性樹脂プリプレグシート上に、磁性部材20が設けられた非磁性基板10を、当該磁性部材20が当該熱硬化性樹脂プリプレグシートに接するよう配置し、この状態で熱圧着処理することにより、保持部材40に非磁性基板10を保持させることができる。
熱圧着処理の条件は、熱硬化性樹脂プリプレグシートの種類に応じて適宜設定されるが、例えば処理温度が130〜170℃、処理圧力が3〜10kg/cm2 である。
【0032】
次いで、図11に示すように、非磁性基板材料10Aの表面を、所要の厚みすなわち形成すべき非磁性基板10の厚みと同等の厚みとなるまで研磨処理する。この研磨処理によって、非磁性基板材料10Aの表面に形成されたアライメントマーク用凹所(図示省略)の深さが小さくなって、アライメントマーク(図示省略)が形成される。その後、図12に示すように、非磁性基板材料10Aの表面に非磁性金属よりなる保護膜12を形成すると共に、この保護膜12の表面にレジスト膜27を形成する。このレジスト膜27には、形成すべき突出部形成用凹所のパターンに対応するパターンに従って複数の矩形の開口27Kが形成されている。
以上において、非磁性基板材料10Aの表面を研磨処理する手段としては、ポリッシングあるいはCMP(Chemical Mechanical Polishing)などの手段を利用することができる。
また、保護膜12を形成する手段としては、スパッタリング法を利用することができる。
【0033】
その後、図13に示すように、保護膜12に対して、レジスト膜27の開口27Kを介してエッチング処理を行うことにより、当該保護膜12にレジスト膜27の開口27Kに連通する矩形の開口12Kを形成する。
そして、図14に示すように、レジスト膜27を除去した後、非磁性基板材料10Aの表面に対して、保護膜12をレジストとして利用して当該保護膜12の開口を介して異方性エッチング処理を行うことにより、表面に逆四角錐台状の突出部形成用凹所11が形成された非磁性基板10を形成する。
以上において、保護膜12をエッチング処理するためのエッチング液としては、フッ酸などを用いることができる。
非磁性基板10を異方性エッチング処理するためのエッチング液としては、水酸化カリウムなどを用いることができる。
【0034】
その後、非磁性基板10の表面に形成されたアライメントマークを基準として、保持部材40に位置決め部材を設けることにより、図1に示す構成の異方導電性シート成形金型における上型が得られる。
そして、上記の上型の製造と基本的に同様にして下型が製造され、以て、本発明の異方導電性シート成形金型が製造される。
【0035】
このような製造方法によれば、非磁性基板材料10Aとして単結晶シリコンよりなるものを用いるため、高い耐久性を有する異方導電性シート成形金型を製造することができる。しかも、非磁性基板材料10Aの裏面に対して、単結晶シリコンの結晶方位に沿ってエッチングされる異方性エッチング処理を行うことにより、高い寸法精度を有する磁性部材保持用凹所15を容易に形成することができ、この磁性部材保持用凹所15に対して強磁性体のメッキ処理を行うことにより、小さいピッチで複雑なパターンに配列された磁性部材20を形成することができる。
また、非磁性基板材料10Aの裏面に金属膜17を形成し、この金属膜17を共通の電極としてメッキ処理を行うことにより、単一のメッキ処理工程によって、複数の磁性部材20を形成することができる。
【0036】
本発明の異方導電性シート成形金型によれば、例えば以下のようにして異方導電性シートを製造することができる。
先ず、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなるシート成形材料を調製し、図14に示すように、シート成形材料を異方導電性シート成形金型内に注入してシート成形材料層1Aを形成する。
【0037】
シート成形材料の調製に用いられる硬化性の高分子物質用材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
以上において、得られる異方導電性シートに耐候性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0038】
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0039】
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる異方導電性シートの耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2.0以下のものが好ましい。
【0040】
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる導電路素子の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2.0以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
【0041】
シート成形材料の調製に用いられる導電性粒子としては、ニッケル、鉄、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば化学メッキまたは無電解メッキにより行うことができる。
【0042】
導電性粒子として、芯粒子の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の0.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の2.5〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは3.5〜15重量%である。また、被覆される導電性金属が銀である場合には、その被覆量は、芯粒子の3〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは4〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは6〜20重量%である。
【0043】
また、導電性粒子の粒子径は、1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは2〜500μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜200μmである。
また、導電性粒子の粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、得られる異方導電性シートの導電部は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該導電部において導電性粒子間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子の形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質用材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
【0044】
また、導電性粒子の含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、後述する製造方法において、高分子物質用材料層を硬化処理する際に、当該高分子物質用材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0045】
また、導電性粒子として、その表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性粒子の表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子と弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる異方導電性シートの導電部は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
【0046】
このような導電性粒子は、得られる異方導電性シートの導電部における導電性粒子の割合が体積分率で30〜60%、好ましくは35〜50%となる割合で用いられることが好ましい。この割合が30%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電部が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる異方導電性シートの導電部は脆弱なものとなりやすく、導電部として必要な弾性が得られないことがある。
【0047】
シート成形材料中には、高分子物質用材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。 硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質用材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質用材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0048】
また、シート成形材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、当該シート成形材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子の分散安定性が向上すると共に、得られる異方導電性シートの強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、多量に使用すると、磁場による導電性粒子の配向を十分に達成することができなくなるため、好ましくない。
また、シート成形材料の粘度は、温度25℃において10000〜1000000cpの範囲内であることが好ましい。
【0049】
そして、異方導電性シート成形金型の上型および下型に電磁石を配置してこれを作動させることにより、保持部材40およひ磁性部材20を介して、シート成形材料層1Aの厚み方向に平行磁場を作用させる。その結果、シート成形材料層1Aにおいては、当該シート成形材料層1A中に分散されていた導電性粒子が、異方導電性シート成形金型の磁性部材20の下方位置に集合し、更に好ましくは当該シート成形材料層1Aの厚み方向に配向する。
そして、この状態において、シート成形材料層1Aを硬化処理することにより、図15に示すように、異方導電性シート成形金型の磁性部材20の下方位置に配置された、導電性粒子が密に充填された導電部2と、導電性粒子が全くあるいは殆ど存在しない絶縁部3が形成される。そして、異方導電性シート成形金型から離型させることにより、図16に示す構成の異方導電性シート1が得られる。
【0050】
以上において、シート成形材料層1Aの硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行うこともできるが、平行磁場の作用を停止させた後に行うこともできる。
シート成形材料層1Aに作用される平行磁場の強度は、平均で200〜10000ガウスとなる大きさが好ましい。
また、平行磁場を作用させる手段としては、電磁石の代わりに永久磁石を用いることもできる。このような永久磁石としては、上記の範囲の平行磁場の強度が得られる点で、アルニコ(Fe−Al−Ni−Co系合金)、フェライトなどよりなるものが好ましい。
このようにして得られる導電部2は、導電性粒子が異方導電性シート1の厚み方向に並ぶよう配向しているため、導電性粒子の割合が小さくても良好な導電性が得られる。
【0051】
シート成形材料層1Aの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。加熱によりシート成形材料層1Aの硬化処理を行う場合において、具体的な加熱温度および加熱時間は、シート成形材料層1Aを構成する高分子物質用材料などの種類、導電性粒子の移動に要する時間などを考慮して適宜選定される。
【0052】
このような製造方法によれば、成形面を形成する非磁性基板10の耐久性が高く、しかも、小さいピッチで複雑なパターンに配列された磁性部材20を有する異方導電性シート成形金型を用い、この異方導電性シート成形金型の磁性部材20を介してシート成形材料層1Aに磁場を作用させるため、ピッチが小さくて複雑なパターンの導電部2を有する異方導電性シート1を小さいコストで製造することができる。
【0053】
また、四角錐台状の先端部21を有する磁性部材20が設けられているので、シート成形材料層における導電部となる部分に対して、高い磁束密度を有する磁場を集中して作用させることができ、その結果、シート成形材料層1Aにおける導電部となる部分に、導電性粒子を確実に集合させることができると共に、導電性粒子を確実に厚み方向に並ぶよう配向させることができる。従って、電気抵抗値が小さくて高い導電性を有する導電部を形成することができると共に、隣接する導電部間における所要の絶縁性を確実に達成することができる。
また、非磁性基板10における成形面である表面には、磁性部材保持用凹所15に対応する位置に、逆四角錐台状の突出部形成用凹所11が形成されているため、当該突出部形成用凹所11に適合する形状すなわち四角錐台状の突出部を有する異方導電性シートを成形することができる。そして、このような突出部を有する異方導電性シートによれば、当該突出部が加圧されたときに当該突出部の周辺に作用する応力を緩和することができるので、高い耐久性が得られる。
【0054】
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、磁性部材20は、非磁性基板10の表面に設けられていてもよく、また、非磁性基板10の表面および裏面の両方に設けられていてもよい。
また、非磁性基板10の表面は平坦面であってもよい。
また、保護膜12,16は、異方性エッチングによって突出部形成用凹所11および磁性部材保持用凹所15を形成するためのものであるので、最終的に得られる異方導電性シート成形金型において必須のものではなく、その製造工程において、突出部形成用凹所11および磁性部材保持用凹所15を形成した後、除去されてもよい。
また、金属膜17は、メッキ処理によって複数の磁性部材20を形成するための電極として用いられるものであるので、最終的に得られる異方導電性シート成形金型において必須のものではない。
【0055】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項2に記載の金型によれば、非磁性基板における磁性部材を保持するための凹所は、結晶方位に沿ってエッチングされる異方性エッチングによって形成されているため、その形成が容易で、かつ、高い寸法精度を有するものとなり、これにより、磁性部材を小さいピッチで複雑なパターンに配列することができる。従って、ピッチが小さくて複雑なパターンの導電部を有する異方導電性シートを成形することができる。
【0056】
請求項3に記載の金型によれば、成形面を形成する非磁性基板が単結晶シリコンにより構成されているため、高い耐久性が得られる。
【0057】
請求項4に記載の金型によれば、非磁性基板として、シリコンウエハを加工することによって得られるものを用いることにより、面精度の高い成形面が得られる。
【0058】
請求項5に記載の金型によれば、非磁性基板の裏面に磁性部材を保持するための凹所が形成されており、当該凹所の形状は、異方性エッチングによって形成されることにより逆錐台状とされているため、この凹所には、その形状に適合する形状すなわち錐台状の形状を有する磁性部材を設けることができるので、シート成形材料層における導電部となる部分に対して、高い磁束密度を有する磁場を集中して作用させることができる。
【0059】
請求項6に記載の金型によれば、非磁性基板における成形面である表面に、その裏面に形成された磁性部材を保持するための凹所に対応して、成形体例えば異方導電性シートに突出部を形成するための凹所が形成されており、当該凹所の形状は、異方性エッチングによって形成されることにより逆錐台状とされているため、この凹所に適合する形状すなわち錐台状の突出部を有する成形体例えば異方導電性シートを成形することができる。そして、このような突出部を有する異方導電性シートによれば、当該突出部が加圧されたときに当該突出部の周辺に作用する応力を緩和することができるので、高い耐久性が得られる。
【0060】
請求項7に記載の金型の製造方法によれば、非磁性基板材料の裏面に対して、結晶方位に沿ってエッチングされる異方性エッチング処理を行うことにより、高い寸法精度を有する凹所を容易に形成することができ、この凹所に対して強磁性体のメッキ処理を行うことにより、小さいピッチで複雑なパターンに配列された磁性部材を形成することができる。
また、非磁性基板材料として単結晶シリコンよりなるものを用いることにより、高い耐久性を有する異方導電性シート成形金型を製造することができる。
【0061】
請求項8に記載の金型の製造方法によれば、複数の凹所が形成された非磁性基板材料の一面に金属膜を形成し、この金属膜を共通の電極としてメッキ処理を行うため、単一のメッキ処理工程によって、複数の凹所の各々に磁性部材を形成することができる。
【0062】
請求項9の異方導電性シートの製造方法によれば、耐久性が高く、しかも、小さいピッチで複雑なパターンに配列された磁性部材を有する金型を用い、この金型の磁性部材を介してシート成形材料に磁場を作用させるため、ピッチが小さくて複雑なパターンの導電部を有する異方導電性シートを小さいコストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方導電性シート成形金型の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図2】両面に保護膜が形成された非磁性基板材料の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図3】保護膜上にレジスト膜が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図4】保護膜に開口が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図5】非磁性基板材料に磁性部材保持用凹所が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図6】保護膜の表面および磁性部材保持用凹所の内面に金属膜が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図7】金属膜上にレジスト膜が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図8】磁性部材保持用凹所およびレジスト膜の孔内に強磁性体金属が堆積されて磁性部材が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図9】保護膜上からレジスト膜が除去された状態を示す説明用断面図である。
【図10】非磁性基板材料が接着層を介して保持部材に保持された状態を示す説明用断面図である。
【図11】非磁性基板材料の表面が研磨された状態を示す説明用断面図である。
【図12】非磁性基板材料の表面に保護膜が形成され、更に保護膜上にレジスト膜が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図13】非磁性基板材料の表面に形成された保護膜に開口が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図14】図1に示す異方導電性シート成形金型内にシート成形材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図15】シート成形材料層に磁場が作用されて硬化されることにより、導電部および絶縁部が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図16】本発明の製造方法によって得られる異方導電性シートの一例における構成を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
1 異方導電性シート 1A シート成形材料層
2 導電部 2A 突出部
3 絶縁部 10 非磁性基板
10A 非磁性基板材料 11 突出部形成用凹所
12 保護膜 12K 開口
13 保護膜 14 レジスト膜
15 磁性部材保持用凹所
16 保護膜 16K 開口
17 金属膜 18 レジスト膜
18K 開口 20 磁性部材
21 先端部 22 基端部
25 レジスト膜 25H 孔
26 レジスト膜 27 レジスト膜
27K 開口 30 接着層
40 保持部材

Claims (9)

  1. 成形面を形成する表面を有し,表面および裏面の少なくとも一方に異方性エッチングによって複数の凹所が形成された非磁性基板と、
    この非磁性基板の凹所の各々に保持された強磁性体よりなる磁性部材と
    を具えてなることを特徴とする金型。
  2. 異方導電性シート成形用であることを特徴とする請求項1に記載の金型。
  3. 非磁性基板は、単結晶シリコンよりなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金型。
  4. 非磁性基板は、シリコンウエハを加工することによって得られるものであることを特徴とする請求項3に記載の金型。
  5. 非磁性基板における磁性部材を保持する凹所は、当該非磁性基板の裏面に形成されており、当該凹所の形状が、当該非磁性基板の表面側から裏面側に向かうに従って断面積が大きくなる逆錐台状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の金型。
  6. 非磁性基板の表面には、その裏面に形成された磁性部材を保持する凹所に対応して、成形体に突出部を形成するための凹所が形成されており、当該凹所の形状が、当該非磁性基板の裏面側から表面側に向かうに従って断面積が大きくなる逆錐台状であることを特徴とする請求項5に記載の金型。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の金型を製造する方法であって、
    異方性エッチングが可能な板状の非磁性基板材料を用意し、この非磁性基板材料の一面に異方性エッチング処理を行うことにより、磁性部材を保持するための複数の凹所を形成し、これらの凹所に強磁性体のメッキ処理を行うことにより、当該凹所の各々に保持された磁性部材を形成する工程を有することを特徴とする金型の製造方法。
  8. 非磁性基板材料の一面に磁性部材を保持するための凹所を形成した後、この非磁性基板材料の一面に金属膜を形成し、この金属膜を共通の電極として強磁性体のメッキ処理を行うことにより、当該非磁性基板材料の凹所の各々に保持された磁性部材を形成する工程を有することを特徴とする請求項7に記載の金型の製造方法。
  9. 厚み方向に伸びる複数の導電部が絶縁部によって相互に絶縁された状態で配置されてなる異方導電性シートを製造する方法であって、
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の金型を用い、
    金型内に、硬化されて弾性高分子物質となる弾性高分子用材料中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなるシート成形材料を充填し、
    このシート成形材料に前記金型における磁性部材を介して磁場を作用させると共に、当該シート成形材料を硬化処理する工程を有することを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
JP14122999A 1999-05-21 1999-05-21 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法 Expired - Lifetime JP4085516B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14122999A JP4085516B2 (ja) 1999-05-21 1999-05-21 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14122999A JP4085516B2 (ja) 1999-05-21 1999-05-21 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000326335A JP2000326335A (ja) 2000-11-28
JP4085516B2 true JP4085516B2 (ja) 2008-05-14

Family

ID=15287124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14122999A Expired - Lifetime JP4085516B2 (ja) 1999-05-21 1999-05-21 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4085516B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0487119U (ja) * 1990-12-05 1992-07-29

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006334795A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Victor Co Of Japan Ltd 成形金型

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0487119U (ja) * 1990-12-05 1992-07-29

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000326335A (ja) 2000-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3543765B2 (ja) ウエハ検査用プローブ装置
JP2002334732A (ja) 異方導電性コネクターおよびその製造方法並びにプローブ部材
JP2001210402A (ja) 異方導電性シートおよびコネクター
JP3788258B2 (ja) 異方導電性コネクターおよびその応用製品
JP4379949B2 (ja) 異方導電性シートおよびその製造方法並びに回路装置の電気的検査装置および電気的検査方法
JP3900732B2 (ja) 異方導電性シートおよびその製造方法
JP4288783B2 (ja) 異方導電性シートおよび回路装置の電気的検査装置
JP4085518B2 (ja) 金型およびその製造方法、金型製造用鋳型並びに異方導電性シートの製造方法
JP3865019B2 (ja) 異方導電性シートおよびその製造方法
JP2001050983A (ja) プローブカード
JP3945083B2 (ja) 異方導電性シートおよびその製造方法
JP4085516B2 (ja) 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法
JP4470316B2 (ja) 異方導電性シートおよび回路装置の電気的検査装置
JP4099905B2 (ja) 異方導電性シート用支持体および支持体付異方導電性シート
JP4161475B2 (ja) 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法
JP4479477B2 (ja) 異方導電性シートおよびその製造方法並びにその応用製品
JP2000243486A (ja) 異方導電性シート
JP4161476B2 (ja) 金型およびその製造方法並びに異方導電性シートの製造方法
JP3873503B2 (ja) 異方導電性シートおよびその製造方法
JP4336908B2 (ja) 異方導電性シートの製造方法
JP2004111378A (ja) 異方導電性シート、その製造方法およびその応用
JP2002184821A (ja) シート状コネクターおよびその製造方法並びにプローブ装置
JP2001283954A (ja) 異方導電性コネクターおよびそれを有する検査装置並びに異方導電性コネクターの製造方法
JP4374651B2 (ja) 異方導電性シートの製造方法
JP2001030262A (ja) 金型の製造方法および異方導電性シートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080211

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140228

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term