JP4379949B2 - 異方導電性シートおよびその製造方法並びに回路装置の電気的検査装置および電気的検査方法 - Google Patents

異方導電性シートおよびその製造方法並びに回路装置の電気的検査装置および電気的検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子部品などの回路装置相互間の電気的接続や、プリント回路基板、半導体集積回路などの回路装置の電気的検査に用いられるコネクターとして好適な異方導電性シートおよびその製造方法並びにこの異方導電性シートを用いた回路装置の電気的検査装置および電気的検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
異方導電性エラストマーシートは、厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するものであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を達成することが可能であること、機械的な衝撃やひずみを吸収してソフトな接続が可能であることなどの特長を有するため、このような特長を利用して、例えば電子計算機、電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピューターキーボードなどの分野において、回路装置、例えばプリント回路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間の電気的な接続を達成するためのコネクターとして広く用いられている。
【0003】
また、プリント回路基板や半導体集積回路などの回路装置の電気的検査においては、検査対象である回路装置の一面に形成された被検査電極と、検査用回路基板の表面に形成された検査用電極との電気的な接続を達成するために、回路装置の被検査電極領域と検査用回路基板の検査用電極領域との間に異方導電性エラストマーシートを介在させることが行われている。
【0004】
従来、このような異方導電性エラストマーシートとしては、種々の構造のものが知られており、例えば特開昭51−93393号公報等には、金属粒子をエラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「分散型異方導電性エラストマーシート」という。)が開示され、また、特開昭53−147772号公報等には、導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「偏在型異方導電性エラストマーシート」という。)が開示され、更に、特開昭61−250906号公報等には、導電部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性エラストマーシートが開示されている。
【0005】
そして、偏在型異方導電性エラストマーシートは、回路基板等の電極パターンと対掌のパターンに従って導電部が形成されているため、分散型異方導電性エラストマーシートに比較して、接続すべき電極が小さいピッチで配置されている回路装置などに対しても電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することができる点で、有利であり、特に、導電部が絶縁部から突出する状態に形成されてなるものは、被検査電極に対する接触が確実に行われるため、より好ましい。
【0006】
而して、例えばBGA(Ball Glid Array)などの半導体集積回路には、半田バンプと称される突起状電極が形成されており、このような突起状電極を有する回路装置の電気的検査において、高い接続信頼性を得るためには、大きい厚みを有する異方導電性シートを用いることが肝要である。
しかしながら、上記の異方導電性シートにおいては、導電部に形成される導電路は、多数の導電性粒子によるものであって、連続した一体の導体によるものではないため、シートの厚みが大きい場合には、導電部の電気抵抗が大きくなる結果、所要の導電性が得られない、という問題があった。
【0007】
一方、異方導電性シートとしては、弾性高分子材料よりなるシート体中に厚み方向に貫通して伸びる金属線が設けられてなるものが知られている。このような異方導電性シートによれば、導電路が連続した一体の導体である金属線により形成されているため、厚みが大きくても高い導電性が得られる。
然るに、このような異方導電性シートにおいては、導電路を形成する金属線が剛性を有するものであるため、シート体の弾性が損なわれる結果、高い接続信頼性を得ることが困難となる。また、厚み方向に大きい押圧力が加わると、金属線が破損して断線するため、所要の導電性を維持することができない、という問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、本発明の第1の目的は、厚みが大きくても高い導電性を有し、しかも、高い接続信頼性が得られる異方導電性シートを提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記の異方導電性シートを有利にかつ確実に製造することができる方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、検査対象である回路装置が突起状電極を有するものであっても、接続信頼性が高くて所要の電気的検査を確実に実行することができる回路装置の電気的検査装置を提供することにある。
本発明の第4の目的は、検査対象である回路装置が突起状電極を有するものであっても、接続信頼性が高くて所要の電気的検査を確実に実行することができる回路装置の電気的検査方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の異方導電性シートは、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部が、絶縁部によって相互に絶縁された状態で配置されてなる異方導電性シートであって、
前記導電部の各々は、弾性高分子材料よりなる基材と、この基材中に厚み方向に離間して並ぶよう設けられたリング状の金属部材とを有してなることを特徴とする。
この異方導電性シートにおいては、隣接する金属部材間の離間距離が0.03〜5mmであることが好ましい。
【0011】
本発明の異方導電性シートにおいては、前記導電部における基材の中央部分には、導電性粒子が含有されていることが好ましい。
【0012】
本発明の異方導電性シートの製造方法は、外周面に螺旋状の溝が形成された複数の金属部材形成用パイプを用意し、
金型内に、形成すべき導電部に対応して並ぶよう、前記金属部材形成用パイプを配置し、当該金型内に硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料を注入して当該高分子物質用材料を硬化処理し、
その後、前記金属部材形成用パイプの内面をエッチング処理することにより、螺旋状の金属部材を形成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、外周面に周方向に沿って複数の溝が形成された複数の金属部材形成用パイプを用意し、
金型内に、形成すべき導電部に対応して並ぶよう、前記金属部材形成用パイプを配置し、当該金型内に硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料を注入して当該高分子物質用材料を硬化処理し、
その後、前記金属部材形成用パイプの内面をエッチング処理することにより、厚み方向に離間して並ぶ複数のリング状の金属部材を形成することを特徴とする。
【0014】
本発明の回路装置の電気的検査装置は、一面に検査対象である回路装置の被検査電極に対応するパターンに従って配置された多数の検査電極を有する検査用回路基板と、
この検査用回路基板の一面上に配置された上記の異方導電性シートとを具えてなることを特徴とする。
【0015】
本発明の回路装置の電気的検査方法は、一面に検査対象である回路装置の被検査電極に対応するパターンに従って配置された多数の検査電極を有する検査用回路基板を用い、
検査対象である回路装置の被検査電極と、前記検査用回路基板の検査電極とを、上記の異方導電性シートを介して電気的に接続させ、この状態で前記回路装置の電気的検査を行うことを特徴とする。
【0016】
【作用】
(1)導電部における弾性高分子材料よりなる基材中に、厚み方向に離間して並ぶ複数のリング状の金属部材を設けることにより、当該導電部が厚み方向に加圧されたときには、隣接する金属部材間に存在する弾性高分子材料が圧縮されて当該金属部材間の離間距離が小さくなるため、厚みが大きくても高い導電性が確実に得られると共に、十分な弾性を有する導電部が得られ、その結果、高い接続信頼性が得られる。
(2)導電部の中央部分に導電性粒子を含有させることにより、仮に金属部材に破損などの故障が生じたとしても、当該芯材における導電性粒子による導電路を介して電気的接続が維持されるので、長い使用寿命が得られる。
(3)このように、厚みが大きくても高い導電性を有し、しかも、十分な弾性を有する導電部が形成された異方導電性シートを、回路装置の電気的検査に用いることにより、検査対象である回路装置が突起状電極を有するものであっても、接続信頼性が高くて所要の電気的検査を確実に実行することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〈異方導電性シート〉
(1)第1の実施の形態:
図1は、本発明の異方導電性シートに係る第1の実施の形態における構成を示す説明用断面図であり、図2は、この異方導電性シートの要部を拡大して示す説明用断面図である。この異方導電性シート10は、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部11と、これらの導電部11を相互に絶縁する絶縁部16とにより構成されている。
【0018】
導電部11の各々においては、絶縁性の弾性高分子材料よりなる基材12中に、その厚み方向に伸びるよう、螺旋状の金属部材13が設けられている。図示の例における導電部11の各々は、その上面および下面が絶縁部16の上面および下面から突出した状態に形成されており、当該異方導電性シート10の面方向に沿って、接続すべき電極のパターンに対応するパターンに従って配置されている。
【0019】
金属部材13における螺旋のピッチpは、例えば10〜500μm、好ましくは30〜200μmである。
また、金属部材13における螺旋の旋回径dは、導電部11の径に応じて適宜選定されるが、通常0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1mmである。
このような条件を満足することにより、厚み方向に容易に伸縮するよう変形する金属部材13が確実に得られる。
【0020】
導電部11の厚みは、0.1mm以上、特に0.3〜5mmであることが好ましく、これにより、当該導電部11に接続される電極が突起状のものであっても、高い接続信頼性が確実に得られる。
また、図示の例のように、導電部11を絶縁部16から突出した状態に形成する場合には、その突出高さは導電部11の厚みの25%以下、特に5〜15%であることが好ましい。
また、導電部11の径は、例えば0.02〜2mmであり、好ましくは0.05〜1mmである。
【0021】
導電部11における基材12を構成する絶縁性の弾性高分子材料としては、架橋構造を有する高分子物質からなるものを用いることが好ましい。架橋高分子物質を得るための硬化性の高分子物質用材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
以上において、得られる異方導電性シートに耐候性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0022】
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0023】
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる導電路素子の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2.0以下のものが好ましい。
【0024】
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる導電路素子の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2.0以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
【0025】
導電部11における金属部材13を構成する材料としては、真鍮、銅、ステンレス(SUS)、アルミニウム、燐青銅、ニッケル、金、銀、パラジウムなどを用いることができる。また、金属部材13は、異なる種類の金属層が螺旋の旋回径方向に積層されてなるものであってもよい。
【0026】
絶縁部16は、絶縁性の弾性高分子材料により構成されており、図示の例では、導電部11における基材12に一体に形成されている。
絶縁部16の厚みは、例えば0.05〜10mm、好ましくは0.1〜4mmである。
絶縁部16を構成する絶縁性の弾性高分子材料としては、前述の導電部11における基材12および芯材14を構成する弾性高分子材料として例示したものと同様のものを用いることができる。
【0027】
上記の異方導電性シート10は、例えば以下のようにして製造することができる。
図3は、本発明の異方導電性シートを製造するために用いられる金型の一例を示す説明用断面図である。
この金型20においては、それぞれ形成すべき導電部11に対応して開口21H,22Hが形成された一方の型板21および他方の型板22が、互いに対向するよう配置され、一方の型板21と他方の型板22との間には、成形空間を形成するための枠状のスペーサー23が、一方の型板21および他方の型板22の周辺部に沿って配置されている。このスペーサー23には、金型20内に高分子物質用材料を注入するための注入孔(図示省略)が形成されている。
【0028】
そして、図4に示すように、外周面に螺旋状の溝Gが形成された複数の金属部材形成用パイプ13Aを用意し、これらの金属部材用パイプ13Aの各々を一方の型板21および他方の型板22の開口21H,22Hに挿通させることにより、金型20内に、形成すべき導電部11に対応して並ぶよう、金属部材形成用パイプ13Aを配置する。
次いで、スペーサ23の注入孔から金型20内に高分子物質用材料を注入することにより、図5に示すように、金型20内に高分子物質用材料層10Aを形成する。そして、高分子物質用材料層10Aの硬化処理を行うことにより、図6に示すように、導電部の基材における周辺部分12Aおよび絶縁部16が一体に形成される。
【0029】
以上において、金属部材形成用パイプ13Aとしては、エッチング可能な材料、例えば真鍮、銅、ステンレス(SUS)、アルミニウム、燐青銅などよりなる筒状体の外周面に、エッチングされにくい材料、例えば金、銀、パラジウムなどがメッキされてなるものを用いることが好ましい。このような金属部材形成用パイプ13Aを用いることにより、後述するエッチング処理によって所要の肉厚を有する金属部材13を確実に形成することができる。
また、金属部材形成用パイプ13Aは、その外周面がプライマーによって処理されていることが好ましく、これにより、基材12に対して密着性の高い金属部材13が得られる。
【0030】
金属部材形成用パイプ13Aの肉厚は、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜200μm、特に好ましくは30〜150μmである。この肉厚が5μm未満である場合には、当該金属部材形成用パイプ13Aは、変形しやすくて取扱性の低いものとなるため、金属部材形成用パイプ13Aを金型20に配置する作業が煩雑となり、好ましくない。一方、この肉厚が300μmを超える場合には、後述する金属部材13を形成するためのエッチング処理に要する時間が長くなるため、好ましくない。
【0031】
高分子物質用材料中には、必要に応じて硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質用材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0032】
高分子物質用材料の粘度は、温度25℃において100000〜1000000cpの範囲内であることが好ましい。
また、高分子物質用材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、当該高分子物質用材料のチクソトロピー性が確保されると共に、その粘度を上記の範囲に調整することができ、更に、無機充填材が補強材として作用するため、強度の高い異方導電性シートが得られる。
【0033】
高分子物質用材料層10Aの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、高分子物質用材料層10Aに用いられる高分子物質用材料などの種類などを考慮して適宜選定される。
【0034】
次いで、図7に示すように、金属部材形成用パイプ13Aの両端面を研磨することにより、当該金属部材形成用パイプ13Aにおける型板の開口から突出する部分を除去し、更に金属部材形成用パイプ13Aの内面をエッチング処理することにより、図8に示すように、螺旋状の金属部材13が形成される。
そして、金属部材13の内面をプライマーによって処理した後、図9に示すように、周辺部分12Aよって形成された孔内に高分子物質用材料を充填して高分子物質用材料層10Bを形成し、当該高分子物質用材料層10Bの硬化処理を行うことにより、図10に示すように、基材12における中央部分12Bが形成されて導電部11が形成される。この高分子物質用材料層10Bの硬化処理の条件は、前述の高分子物質用材料層10Aの硬化処理の条件と同様である。
その後、金型20を離型させることにより、図1に示す構成の異方導電性シートが得られる。
【0035】
上記の異方導電性シート10においては、接続すべき電極に、当該異方導電性シート10における導電部11を接触させ、あるいは更に押圧して当該導電部11を変形させることにより、当該導電部11における金属部材13を介して、所要の電気的接続が達成される。このとき、導電部11における金属部材13は、基材12に追従して厚み方向に縮むよう変形する。
而して、このような異方導電性シート10によれば、導電部11における基材12中に、厚み方向に伸びる螺旋状の金属部材13が設けられているため、導電路が連続した一体の導体により形成される結果、厚みが大きくても高い導電性が確実に得られる。しかも、金属部材13は螺旋状であるため、弾性高分子材料よりなる基材12に追従して厚み方向に伸縮するよう変形するので、十分な弾性を有する導電部11が得られ、その結果、高い接続信頼性が得られる。
【0036】
(2)第2の実施の形態:
図11は、本発明の異方導電性シートに係る第2の実施の形態における要部の構成を示す説明用断面図である。この異方導電性シート10においては、導電部11における基材12の中央部分12Cに導電性粒子が含有されている。この例においては、導電性粒子は、基材12の厚み方向に並ぶよう配向した状態で中央部分12Cに含有されている。その他の具体的構成は、前述の第1の実施の形態に係る異方導電性シート10と同様である。
【0037】
導電性粒子としては、後述する方法により当該粒子を適宜の方向に容易に配向させることができる観点から、導電性磁性体粒子を用いることが好ましい。この導電性磁性体粒子の具体例としては、ニッケル、鉄、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば化学メッキまたは無電解メッキにより行うことができる。
【0038】
導電性粒子として、芯粒子の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の0.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の2.5〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは3.5〜15重量%、特に好ましくは4〜10重量%である。また、被覆される導電性金属が銀である場合には、その被覆量は、芯粒子の3〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは4〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは6〜20重量%である。
【0039】
また、導電性粒子の粒子径は、1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは2〜500μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜200μmである。
また、導電性粒子の粒子径分布(重量平均粒子径Dw/数平均粒子径Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、得られる導電性芯材15は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該導電性芯材15において導電性粒子間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子の形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質用材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
【0040】
また、導電性粒子の含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、後述する製造方法において、高分子物質用材料を硬化処理する際に、当該高分子物質用材料内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0041】
また、導電性粒子として、その表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性粒子の表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子と弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる導電性芯材15は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
【0042】
このような導電性粒子は、導電性芯材15中に体積分率で30〜60%、特に35〜50%となる割合で含有されていることが好ましい。この割合が30%未満である場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電性基材15が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる導電性基材15は脆弱なものとなりやすく、必要な弾性が得られないことがある。
【0043】
上記の異方導電性シート10は、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、図3に示す金型20を用い、前述の第1の実施の形態と同様にして基材12の周辺部分12A、金属部材13および絶縁部16を形成し(図4〜図8参照)、更に金属部材13の内面をプライマーによって処理した後、図12に示すように、金属部材13における螺旋内に導電性粒子を含有してなる高分子物質用材料層(以下、「導電性高分子物質用材料層」という。)10Cを形成する。この導電性高分子物質用材料層10Cを形成する方法としては、導電性粒子を含有してなる高分子物質用材料を金属部材13の螺旋内に充填する方法、金属部材13の螺旋内に導電性粒子を充填した後、更に当該金属部材13の螺旋内に高分子物質用材料を充填する方法などを利用することができる。
【0044】
次いで、図13に示すように、金型20の一方の型板21の上面に一方の磁極板30を配置すると共に、他方の型板22の下面に他方の磁極板35を配置し、更に、一方の磁極板30の上面および他方の磁極板35の下面に一対の電磁石31,36を配置する。
ここで、一方の磁極板30は、目的とする導電部11の配置パターンに対掌なパターンに従って強磁性体部分Mが形成され、この強磁性体部分M以外の部分には非磁性体部分Nが形成されており、当該強磁性体部分Mが金属部材13の上方に位置するよう配置される。
また、他方の磁極板35は、目的とする導電部11の配置パターンと同一のパターンに従って強磁性体部分Mが形成され、この強磁性体部分M以外の部分には非磁性体部分Nが形成されており、当該強磁性体部分Mが金属部材13の下方に位置するよう配置される。
【0045】
一方の磁極板30および他方の磁極板35の各々における強磁性体部分Mを構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金などを用いることができる。
また、一方の磁極板30および他方の磁極板35の各々における非磁性体部分Nを構成する材料としては、銅などの非磁性金属、ポリイミドなどの耐熱性樹脂などを用いることができる。
【0046】
そして、電磁石31,36を作動させることにより、一方の磁極板30の強磁性体部分Mからこれに対応する他方の磁極板35の強磁性体部分Mに向かう方向に平行磁場が作用する。その結果、導電性高分子物質用材料10Cにおいては、導電性磁性体粒子が、磁力によって移動して厚み方向に並ぶよう配向する。
そして、この状態において、導電性高分子物質用材料10Cの硬化処理を行うことにより、図14に示すように、弾性高分子材料中に導電性磁性体粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる基材12の中央部分12Cが形成され、以て導電部11が形成される。
そして、金型20を離型させることにより、図11に示す構成の異方導電性シート10が得られる。
【0047】
以上において、導電性高分子物質用材料10Cの硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行うこともできるが、平行磁場の作用を停止させた後に行うこともできる。
導電性高分子物質用材料10Cに作用される平行磁場の強度は、平均で200〜10000ガウスとなる大きさが好ましい。
また、平行磁場を作用させる手段としては、電磁石の代わりに永久磁石を用いることもできる。このような永久磁石としては、上記の範囲の平行磁場の強度が得られる点で、アルニコ(Fe−Al−Ni−Co系合金)、フェライトなどよりなるものが好ましい。
【0048】
導電性高分子物質用材料10Cの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。加熱により導電性高分子物質用材料15Aの硬化処理を行う場合には、電磁石31,36にヒーターを設ければよい。具体的な加熱温度および加熱時間は、導電性高分子物質用材料層10Cに用いられる高分子物質用材料などの種類、導電性磁性体粒子の移動に要する時間などを考慮して適宜選定される。
【0049】
このような異方導電性シートによれば、前述の第1の実施の形態に係る異方導電性シートと同様の効果が得られると共に、更に、以下のような効果が得られる。
すなわち、基材12の中央部分12Cに導電性粒子が含有されているため、仮に長時間の使用によって金属部材13に破損などの故障が生じたとしても、基材12の中央部分12C中の導電性粒子による導電路を介して電気的接続を維持することができ、その結果、長い使用寿命が得られる。
【0050】
(3)第3の実施の形態:
図15は、本発明の異方導電性シートに係る第3の実施の形態における構成を示す説明用断面図であり、図16は、この異方導電性シートの要部を拡大して示す説明用断面図である。
この異方導電性シート10においては、導電部11の各々における基材12中に、複数のリング状の金属部材14が、当該基材12の厚み方向に離間して並ぶよう設けられている。その他の具体的構成は、前述の第1の実施の形態に係る異方導電性シート10と同様である。
【0051】
隣接する金属部材13間の離間距離eは、30〜5000μm、特に50〜500μmであることが好ましい。この離間距離eが30μm未満である場合には、十分な弾性を有する導電部11を得ることが困難となることがある。一方、この離間距離eが5000μmを超える場合には、高い導電性を有する導電部11を得ることが困難となることがある。
金属部材13の外径Dは、導電部11の径に応じて適宜選定されるが、通常0.02〜4mm、好ましくは0.1〜1mmである。
また、金属部材13の厚みは、例えば5〜300μm、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは30〜150μmである。
【0052】
上記の異方導電性シート10は、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、図17に示すように、外周面に周方向に沿って複数の溝Gが形成された複数の金属部材形成用パイプ14Aを用意し、これらの金属部材用パイプ13Aの各々を一方の型板21および他方の型板22の開口21H,22Hに挿通させることにより、金型20内に、形成すべき導電部11に対応して並ぶよう、金属部材形成用パイプ14Aを配置する。
次いで、前述の第1の実施の形態と同様にして、金型内に高分子物質用材料層を形成して硬化処理することにより、基材12の周辺部分および絶縁部16が形成され、金属部材形成用パイプ14Aの両端面を研磨した後、金属部材形成用パイプ14Aの内面をエッチング処理することにより、当該金属部材形成用パイプ14Aが切断される結果、厚み方向に離間して並ぶ複数のリング状の金属部材14が形成される。その後、周辺部分12Aによって形成された孔内に高分子物質用材料層を形成して硬化処理することにより、基材12の中央部分が形成されて導電部11が形成される。
そして、金型20を離型させることにより、図16に示す構成の異方導電性シート10が得られる。
【0053】
上記の異方導電性シート10によれば、導電部11における弾性高分子材料よりなる基材12中に、厚み方向に離間して並ぶ複数のリング状の金属部材14が設けられているため、当該導電部11が厚み方向に加圧されたときには、隣接する金属部材14間に存在する弾性高分子材料が圧縮されて当該金属部材14間の離間距離が小さくなるため、厚みが大きくても高い導電性が確実に得られると共に、十分な弾性を有する導電部11が得られ、その結果、高い接続信頼性が得られる。
【0054】
(4)第4の実施の形態:
図18は、本発明の異方導電性シートに係る第4の実施の形態における要部の構成を示す説明用断面図である。この異方導電性シート10においては、導電部11における基材12の中央部分12Cに導電性粒子が含有されている。この例においては、導電性粒子は、基材12の厚み方向に並ぶよう配向した状態で中央部分12Cに含有されている。その他の具体的構成は、前述の第3の実施の形態に係る異方導電性シート10と同様である。
【0055】
上記の異方導電性シート10は、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、図3に示す金型20を用い、前述の第2の実施の形態と同様にして基材12の周辺部分12A、複数の金属部材14および絶縁部16を形成し、更に金属部材14の各々の内面をプライマーによって処理した後、前述の第2の実施の形態と同様にして、金属部材14の各々の開口によって形成された孔内に導電性高分子物質用材料層を形成し、この導電性高分子物質用材料層に厚み方向に平行磁場を作用させると共に、当該導電性高分子物質用材料層を硬化処理することにより、弾性高分子材料中に導電性磁性体粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる基材12の中央部分12Cが形成され、以て導電部11が形成される。
そして、金型20を離型させることにより、図18に示す構成の異方導電性シート10が得られる。
【0056】
このような異方導電性シート10によれば、前述の第1の実施の形態に係る異方導電性シートと同様の効果が得られると共に、更に、基材12の中央部分12Cに導電性粒子が含有されているため、当該導電性粒子による導電路によって、金属部材14の各々が電気的に接続された状態となる結果、一層高い導電性を有する導電部を形成することができる。
【0057】
〈回路装置の電気的検査装置〉
図19は、本発明に係る回路装置の電気的検査装置の一例における要部の構成を、検査対象である回路装置と共に示す説明図である。
この図において、1は検査対象である回路装置であって、その表面には、被検査電極である多数の突起状電極2が形成されている。
40は検査用回路基板であって、その上面には、検査対象である回路装置1の突起状電極2と対掌なパターンに従って配置された多数の検査電極41が形成され、その下面には、例えばピッチが2.54mm、1.80mm若しくは1.27mmの格子点配列に従って配置された多数の端子電極42が形成されており、検査電極41は、内部配線43を介して端子電極42に電気的に接続されている。
50は、それぞれ格子点位置に配置された複数の検査ピン51を有する検査ヘッドであって、検査用回路基板40の下方に、異方導電性シート45を介して配置されている。この異方導電性シート45としては、従来公知の種々の構成のものを用いることができる。
そして、検査用回路基板40の上面には、図10に示す構成の異方導電性シート10が配置されている。
【0058】
上記の回路装置の電気的検査装置においては、異方導電性シート10上に、回路装置1が、その被検査電極2が検査用回路基板40の検査電極41の上方に位置されるよう配置され、その後、検査ヘッド50を接近する方向(図示の例では上方)に移動させることにより、異方導電性シート10が回路装置1に圧接される。その結果、検査用回路基板40の検査電極41の各々が、異方導電性シート10の導電部11を介して、対応する回路装置1の突起状電極2の各々に電気的に接続され、この状態で回路装置1について所要の電気的検査が行われる。
【0059】
このような回路装置の電気的検査装置によれば、厚みが大きくても高い導電性を有し、しかも、十分な弾性を有する導電部11が形成された異方導電性シート10を使用しているため、検査対象である回路装置1が突起状電極2を有するものであっても、接続信頼性が高くて所要の電気的検査を確実に実行することができる。
【0060】
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
(1)絶縁部16は、導電部11における基材12と別体のものであってもよい。この場合には、絶縁部16を構成する弾性高分子材料は、基材12を構成する弾性高分子材料と同一の種類のものであっても異なる種類のものであってもよい。
(2)第2の実施の形態および第3の実施の形態において、基材12の中央部分12C中の導電性粒子は、弾性高分子材料中に不規則に分散された状態で含有されていてもよく、或いは、当該異方導電性シート10の面方向に並ぶよう配向した状態で含有されていてもよい。
(3)本発明の異方導電性シートの用途は、回路装置の電気的検査装置に限定されず、電子部品などの回路装置相互間の電気的接続、例えばプリント回路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間の電気的な接続を達成するためのコネクターとして利用することができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の異方導電性シートによれば、導電部における弾性高分子材料よりなる基材中に、厚み方向に離間して並ぶ複数のリング状の金属部材が設けられているため、当該導電部が厚み方向に加圧されたときには、隣接する金属部材間に存在する弾性高分子材料が圧縮されて当該金属部材間の離間距離が小さくなるため、厚みが大きくても高い導電性が確実に得られると共に、十分な弾性を有する導電部が得られ、その結果、高い接続信頼性が得られる。
また、上記の異方導電性シートにおいては、隣接するリング状の金属部材間の離間距離が特定の範囲にあるため、高い導電性を有すると共に、十分な弾性を有する導電部を一層確実に形成することができる。
【0063】
本発明の複数のリング状の金属部材を有する異方導電性シートにおいては、基材の中央部分に導電性粒子が含有されているため、当該導電性粒子による導電路によって、金属部材の各々が電気的に接続された状態となる結果、一層高い導電性を有する導電部を形成することができる。
【0064】
本発明の異方導電性シートの製造方法によれば、上記のような異方導電性シートを有利にかつ確実に形成することができる。
【0065】
本発明の回路装置の電気的検査装置によれば、厚みが大きくても高い導電性を有し、しかも、十分な弾性を有する導電部が形成された異方導電性シートが設けられているため、検査対象である回路装置が突起状電極を有するものであっても、接続信頼性が高くて所要の電気的検査を確実に実行することができる。
【0066】
本発明の回路装置の電気的検査方法によれば、厚みが大きくても高い導電性を有し、しかも、十分な弾性を有する導電部が形成された異方導電性シートを用いるため、検査対象である回路装置が突起状電極を有するものであっても、接続信頼性が高くて所要の電気的検査を確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る異方導電性シートにおける構成を示す説明用断面図である。
【図2】図1に示す異方導電性シートの要部を拡大して示す説明用断面図である。
【図3】本発明の異方導電性シートの製造方法に用いられる金型の一例を示す説明用断面図である。
【図4】外周面に螺旋状に溝が形成された金属部材形成用パイプが、金型内に配置された状態を示す説明用断面図である。
【図5】金型内に高分子物質用材料が注入された状態を示す説明用断面図である。
【図6】高分子物質用材料が硬化処理されて絶縁部および導電部における基材の周辺部分が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図7】金属部材形成用パイプの両端が研磨されて金型から突出する部分が除去された状態を示す説明用断面図である。
【図8】金属部材形成用パイプの内面がエッチング処理されて金属部材が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図9】金属部材の螺旋内に高分子物質用材料が充填された状態を示す説明用断面図である。
【図10】高分子物質用材料が硬化処理されて導電部における基材の中央部分が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図11】第2の実施の形態に係る異方導電性シートの要部の構成を示す説明用断面図である。
【図12】金属部材の螺旋内に導電性高分子物質用材料が充填された状態を示す説明用断面図である。
【図13】導電性高分子物質用材料に平行磁場を作用させた状態を示す説明用断面図である。
【図14】導電性高分子物質用材料が硬化処理されて導電部における基材の中央部分が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図15】第3の実施の形態に係る異方導電性シートにおける構成を示す説明用断面図である。
【図16】図15に示す異方導電性シートの要部を拡大して示す説明用断面図である。
【図17】外周面に周方向に沿って複数の溝が形成された金属部材形成用パイプが、金型内に配置された状態を示す説明用断面図である。
【図18】第4の実施の形態に係る異方導電性シートの要部の構成を示す説明用断面図である。
【図19】本発明に係る回路装置の電気的検査装置の一例における要部の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 回路装置 2 突起状電極
10 異方導電性シート
10A,10B 高分子物質用材料層
10C 導電性高分子物質用材料層
11 導電部 12 基材
12A 周辺部分 12B,12C 中央部分
13 金属部材
13A 金属部材形成用パイプ
14 金属部材
14A 金属部材形成用パイプ
16 絶縁部 20 金型
21 一方の型板 21H 開口
22 他方の型板 22H 開口
23 スペーサー 30 一方の磁極板
31 電磁石 35 他方の磁極板
35 電磁石 M 強磁性体部分
N 非磁性体部分 40 検査用回路基板
41 検査電極 42 端子電極
43 内部配線 45 異方導電性シート
50 検査ヘッド 51 検査ピン

Claims (7)

  1. それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部が、絶縁部によって相互に絶縁された状態で配置されてなる異方導電性シートであって、
    前記導電部の各々は、弾性高分子材料よりなる基材と、この基材中に厚み方向に離間して並ぶよう設けられた複数のリング状の金属部材とを有してなることを特徴とする異方導電性シート。
  2. 隣接する金属部材間の離間距離が0.03〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性シート。
  3. 導電部の中央部分には、導電性粒子が含有されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異方導電性シート。
  4. それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部が、絶縁部によって相互に絶縁された状態で配置されてなり、前記導電部の各々は、厚み方向に伸びるよう設けられた螺旋状の金属部材を有してなる異方導電性シートを製造する方法であって、
    外周面に螺旋状の溝が形成された複数の金属部材形成用パイプを用意し、
    金型内に、形成すべき導電部に対応して並ぶよう、前記金属部材形成用パイプを配置し、当該金型内に硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料を注入して当該高分子物質用材料を硬化処理し、
    その後、前記金属部材形成用パイプの内面をエッチング処理することにより、螺旋状の金属部材を形成する工程を有することを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
  5. 請求項1に記載の異方導電性シートを製造する方法であって、
    外周面に周方向に沿って複数の溝が形成された複数の金属部材形成用パイプを用意し、
    金型内に、形成すべき導電部に対応して並ぶよう、前記金属部材形成用パイプを配置し、当該金型内に硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料を注入して当該高分子物質用材料を硬化処理し、
    その後、前記金属部材形成用パイプの内面をエッチング処理することにより、厚み方向に離間して並ぶ複数のリング状の金属部材を形成する工程を有することを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
  6. 一面に検査対象である回路装置の被検査電極に対応するパターンに従って配置された多数の検査電極を有する検査用回路基板と、
    この検査用回路基板の一面上に配置された請求項1または請求項2に記載の異方導電性シートとを具えてなることを特徴とする回路装置の電気的検査装置。
  7. 一面に検査対象である回路装置の被検査電極に対応するパターンに従って配置された多数の検査電極を有する検査用回路基板を用い、
    検査対象である回路装置の被検査電極と、前記検査用回路基板の検査電極とを、請求項1または請求項2に記載の異方導電性シートを介して電気的に接続させ、この状態で前記回路装置の電気的検査を行うことを特徴とする回路装置の電気的検査方法。
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