JP2000100495A - アダプタ装置、その製造方法、回路基板検査装置および回路基板の検査方法 - Google Patents

アダプタ装置、その製造方法、回路基板検査装置および回路基板の検査方法

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JP2000100495A
JP2000100495A JP10283538A JP28353898A JP2000100495A JP 2000100495 A JP2000100495 A JP 2000100495A JP 10283538 A JP10283538 A JP 10283538A JP 28353898 A JP28353898 A JP 28353898A JP 2000100495 A JP2000100495 A JP 2000100495A
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conductive
forming
adapter device
adapter
connector
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JP10283538A
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Mutsuhiko Yoshioka
睦彦 吉岡
Sugiro Shimoda
杉郎 下田
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検査部が微細で高密度に形成された検査対
象回路基板に対しても良好な電気的接続が可能なアダプ
タ装置およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 アダプタ装置100は、アダプタ本体1
0と、該アダプタ本体10に一体的に設けられた異方導
電性コネクタ30とを有する。アダプタ本体10は、絶
縁性基板12と、絶縁性基板12の一方の面上に所定パ
ターンで形成された端子電極14と、絶縁性基板12の
他方の面上において少なくとも検査対象回路基板の被検
査部に対応する位置に形成され、端子電極14と電気的
に接続され、かつ、強磁性および導電性を有するコネク
タ電極16と、を有する。異方導電性コネクタ30は、
アダプタ本体10のコネクタ電極16が形成された側の
面上に形成された絶縁性の弾性体層32と、弾性体層3
2に形成され、コネクタ電極16と連続する空間領域3
4と、空間領域34内に充填された導電部40と、を有
する。導電部40は、弾性高分子物質中に導電性磁性体
粒子が含まれ、かつ、導電性磁性体粒子は弾性体層34
の厚さ方向に配向している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方導電性コネク
タを有するアダプタ装置およびその製造方法、ならびに
前記アダプタ装置を有する回路基板検査装置および前記
アダプタ装置を用いた回路基板の検査方法に関する。
【0002】
【背景技術】プリント基板などの回路基板の電気的検査
においては、検査対象である回路基板の一方の面に形成
された被検査電極と、電気的検査装置との間にアダプタ
装置を介在させて、検査対象回路基板の被検査電極と検
査装置との電気的接続を行う技術が知られている。この
種のアダプタ装置は、例えば特開平8−327704号
公報に開示され、ピッチ変換機能を有するアダプタ本体
と、該アダプタ本体に一体的に設けられた異方導電性コ
ネクタとを有する。そして、アダプタ本体は、絶縁性基
板の一方の面上に所定パターンで形成された端子電極を
有し、絶縁性基板の他方の面上には、検査対象回路基板
の被検査電極に対応する位置にコネクタ電極が設けられ
ている。また、異方導電性コネクタは、絶縁性の弾性体
層に、アダプタ本体のコネクタ電極と電気的に接続され
る導電部が形成されている。
【0003】異方導電性コネクタを構成するエラストマ
ーシートは、例えば、次のようにして製造される。
【0004】すなわち、図10に示すように、例えば検
査対象である回路基板の被検査電極と同一のパターンに
従って強磁性体部分81が配置されると共に、該強磁性
体部分81以外の部分に非磁性体部分82が配置されて
なる一方の型(以下、「上型」という。)80と、検査
対象である回路基板の被検査電極と対掌のパターンに従
って強磁性体部分86が配置されると共に、該強磁性体
部分86以外の部分に非磁性体部分87が配置されてな
る他方の型(以下、「下型」という。)85とを用い
る。そして、上型80と下型85との間に、硬化されて
弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性磁
性体粒子が分散されてなる異方導電性エラストマー形成
材料層90Aを形成する。
【0005】次いで、図11に示すように、上型80の
上面および下型85の下面に一対の電磁石83,88を
配置して該電磁石83,88を作動させることにより、
上型80の強磁性体部分81からこれに対応する下型8
5の強磁性体部分86に向かう方向に平行磁場を作用さ
せる。その結果、異方導電性エラストマー形成材料層9
0Aにおいては、該異方導電性エラストマー形成材料層
90A中に分散されていた導電性磁性体粒子が、上型8
0の強磁性体部分81と下型85の強磁性体部分86と
の間に位置する部分に集合し、更に厚さ方向に並ぶよう
配向する。 そして、この状態で、異方導電性エラスト
マー形成材料層90Aに対して例えば加熱による硬化処
理を行うことにより、図12に示すように、厚さ方向に
伸びる多数の導電路形成部91と、これらを相互に絶縁
する絶縁部92とが形成されてなる偏在型異方導電性エ
ラストマーシート90が製造される。
【0006】ところで、極めて小さい電極間隔(ピッ
チ)例えば100μm以下のピッチで被検査電極が配置
された検査対象回路基板に対応する偏在型異方導電性エ
ラストマーシートを例えば300μmの厚さで製造する
場合には、当然のことながら強磁性体部分81,86が
極めて小さいピッチで配置された上型80および下型8
5を用いることが必要である。
【0007】しかし、このような上型80および下型8
5を用い、上述のようにして例えば厚みが300μmの
偏在型異方導電性エラストマーシートを製造する場合に
は、図13に示すように、上型80および下型85の各
々において、ある強磁性体部分81a,86aとこれに
隣接する強磁性体部分81b,86bとの離間距離が小
さく、しかも、上型80および下型85の間隔が大きい
ために、上型80の強磁性体部分81aからこれに対応
する下型85の強磁性体部分86aに向かう方向(矢印
Xで示す)のみならず、例えば上型80の強磁性体部分
81aからこれに対応する下型85の強磁性体部分86
aに隣接する強磁性体部分86bに向かう方向(矢印Y
で示す)にも磁場が作用することとなる。そのため、異
方導電性エラストマー形成材料層90Aにおいて、導電
性磁性体粒子を、上型80の強磁性体部分81aとこれ
に対応する下型85の強磁性体部分86aとの間に位置
する部分に集合させることが困難となる。そして、上型
80の強磁性体部分81aと下型85の強磁性体部分8
6bとの間に位置する部分にも導電性磁性体粒子が集合
してしまい、その結果、所期の偏在型異方導電性エラス
トマーシートが得られない。
【0008】また、上述の製造方法によれば、上下一組
の金型が必要であり、これがコストを上げる一因となっ
ていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被検
査部が微細で高密度に形成された検査対象回路基板に対
しても良好な電気的接続が可能なアダプタ装置を提供す
ることにある。
【0010】本発明の他の目的は、磁場配向時に磁場を
制御するための型を必要とせず、上述のアダプタ装置を
簡易な方法で製造することができる製造方法を提供する
ことにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、本発明に係る
アダプタ装置を用いた回路基板検査装置ならびに回路基
板の検査方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアダプタ装
置は、アダプタ本体と、該アダプタ本体に一体的に設け
られた異方導電性コネクタとを含むアダプタ装置であっ
て、前記アダプタ本体は、絶縁性基板と、前記絶縁性基
板の面上に所定パターンで形成された端子電極と、前記
絶縁性基板の面上に形成され、前記端子電極と電気的に
接続され、かつ、強磁性および導電性を有するコネクタ
電極と、を含み、前記異方導電性コネクタは、前記アダ
プタ本体の前記コネクタ電極が形成された面に接触する
絶縁性の弾性体層と、前記弾性体層に形成され、前記コ
ネクタ電極と電気的に接続される導電部と、を含み、前
記導電部は、弾性高分子物質中に導電性磁性体粒子が含
まれ、かつ、該導電性磁性体粒子は前記弾性体層の厚さ
方向に配向している。
【0013】このアダプタ装置によれば、アダプタ本体
の表面に異方導電性コネクタが一体的に形成されてお
り、しかもアダプタ本体のコネクタ電極上に異方導電性
コネクタの導電部が形成されていることから、アダプタ
本体と異方導電性コネクタとの電気的接続を確実に行う
ことができる。
【0014】さらに、異方導電性コネクタの導電部は、
絶縁性の弾性体層に形成された空間領域内に導電部形成
材料を充填して形成されることが望ましい。このように
して空間領域内に形成された導電部は、空間領域の相互
の間隔を狭めることにより、極めて小さなピッチの導電
路を形成することができる。従って、検査対象回路基板
の被検査部(電極)のピッチが極めて小さいときにも、
この被検査部のピッチに対応させた導電部を形成するこ
とができる。そして、各導電部の相互は、絶縁性の弾性
体層によって電気的に確実に分離される。
【0015】さらに、アダプタ本体のコネクタ電極を磁
性体によって形成することにより、導電性磁性体粒子を
磁場で配向させる場合に、コネクタ電極が磁極(磁石)
になるため、導電性磁性体粒子の配向をより確実に行う
ことができる。
【0016】前記コネクタ電極は、検査対象回路基板の
電気的検査を行うために、少なくとも検査対象回路基板
の電極に対応する位置に形成されていることが望まし
い。また、前記導電部は、検査対象回路基板の被検査部
と電気的に接続が可能な状態で前記弾性体層の表面に露
出していることが望ましい。
【0017】さらに、前記コネクタ電極は、その相互が
前記絶縁性基板の面上に形成された非磁性絶縁層によっ
て絶縁されることが望ましい。この構成によれば、コネ
クタ電極と非磁性絶縁層とから構成される層が、異方導
電性コネクタの形成において磁場配向の際の型として機
能し、より確実な磁場配向を可能とする。
【0018】請求項1ないし5に記載のアダプタ装置
は、回路基板検査装置に好適に用いられる。このアダプ
タ装置は、検査対象回路基板と電気的検査装置との間に
介在されて、前記検査対象回路基板の被検査部と前記電
気的検査装置との電気的接続を行い、前記検査対象回路
基板の電気的検査を行うことができる。
【0019】本発明に係る回路基板検査装置は、請求項
1ないし5に記載のアダプタ装置と、検査対象回路基板
と、電気的検査装置とを含み、前記アダプタ装置は前記
検査対象回路基板と前記電気的検査装置との間に介在さ
れる。
【0020】本発明のアダプタ装置は、以下の工程
(a)および(b)を含む製造方法によって得ることが
できる。
【0021】(a) 前記アダプタ本体を形成する工程
であって、 (a)−1; 絶縁性基板の面上に所定パターンで端子
電極を形成する工程、 (a)−2; 前記絶縁性基板の面上において、前記端
子電極と電気的に接続され、かつ、強磁性および導電性
を有するコネクタ電極を形成する工程、(b) 前記異
方導電性コネクタを形成する工程であって、 (b)−1; 前記アダプタ本体の前記コネクタ電極が
形成された側の面上に、絶縁性の弾性体層を形成する工
程、 (b)−2; 前記弾性体層に前記コネクタ電極と連続
する空間領域を形成する工程、 (b)−3; 硬化されて弾性高分子物質となる流動性
物質中に導電性磁性体粒子が分散された導電部形成用材
料を、前記空間領域中に充填する工程、および (b)−4; 前記弾性体層の厚さ方向に磁場を形成す
ることにより、前記空間領域内に充填された導電部形成
用材料中の導電性磁性体粒子を前記厚さ方向に配向させ
る工程。
【0022】本発明の製造方法によれば、弾性体層にあ
らかじめ空間領域を形成し、これに導電部形成用材料を
充填するため、磁場配向によって導電性磁性体粒子を導
電部を形成するための所定領域に集める必要がなく、単
に磁場配向によって導電性磁性体粒子の配向が達成でき
ればよい。したがって、磁力線を集中させるための型を
要せず、この点で製造装置のコストを大幅に低減でき
る。さらに、磁力線を集中させるための型を要しないこ
とにより、この型の精度から規定される導電部のピッチ
の制約がないので、高密度で微細なパターンの導電部を
形成することができる。なお、前記工程(a)−1およ
び(a)−2の順序は、特に限定されない。
【0023】さらに、前記工程(b)−3において、導
電部形成用材料を磁力によって前記空間領域中に充填す
ることが望ましい。磁力により導電部形成用材料を空間
領域内に引き込むことにより、アスペクト比の大きい空
間領域内への導電部形成用材料の充填が可能であり、こ
の点からも高密度で微細なパターンの導電部を形成する
ことができる。
【0024】前記工程(b)−3は、減圧状態で行われ
ることが望ましい。この工程を減圧状態で行うことによ
り、空間領域への導電部形成用材料の充填がより確実に
行われる。
【0025】前記工程(b)−2において、前記空間領
域はレーザー加工あるいはフォトリソグラフィー加工に
よって形成されることが望ましく、工程数が少ない点で
レーザ加工がより望ましい。
【0026】前記工程(a)−2において、さらに、前
記コネクタ電極の相互を絶縁する非磁性絶縁層を形成す
る工程が含まれることが望ましい。非磁性絶縁層を形成
することの利点は既に述べたので、記載を省略する。
【0027】本発明に係るアダプタ装置は、以下の工程
(A)ないし(F)を含む製造方法によって得られる。
【0028】(A)絶縁性基板の面上に所定パターンで
端子電極を形成する工程、(B)前記絶縁性基板の前記
端子電極が形成されていない側の面上に、絶縁性の弾性
体層を形成する工程、(C)前記弾性体層に前記絶縁性
基板の面と連続する空間領域を形成する工程、(D)前
記絶縁性基板の前記空間領域での露出面上において、前
記端子電極と電気的に接続され、かつ、強磁性および導
電性を有するコネクタ電極を形成する工程、(E)硬化
されて弾性高分子物質となる流動性物質中に導電性磁性
体粒子が分散された導電部形成用材料を、前記空間領域
中に充填する工程、および(F)前記弾性体層の厚さ方
向に磁場を形成することにより、前記空間領域内に充填
された導電部形成用材料中の導電性磁性体粒子を前記厚
さ方向に配向させる工程。
【0029】この製造方法においても、上述の製造方法
と同様の作用効果を達成することができる。
【0030】本発明に係るアダプタ装置は、例えば、フ
リップチップ等のベアチップLSI,BGA等のパッケ
ージLSI,MCM等の複数の半導体素子が搭載された
モジュール基板、回路基板などの被検査体の電気的検査
に好ましく使用される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】[第1の実施の形態] (アダプタ装置の構造)図1は、本発明の第1の実施の
形態に係るアダプタ装置の一例を模式的に示す断面図で
ある。
【0033】このアダプタ装置100は、アダプタ本体
10と、このアダプタ本体10に一体的に設けられた異
方導電性コネクタ30とを有する。
【0034】アダプタ本体10は、絶縁性基板12の一
方の面上に、所定パターンでマトリックス状に形成され
た複数の端子電極14を有し、絶縁性基板12の他方の
面上には複数のコネクタ電極16が形成されている。コ
ネクタ電極16は、少なくとも検査対象回路基板の被検
査部(図示せず)に対応する位置に形成され、かつ、強
磁性および導電性を有する材料から構成されている。そ
して、コネクタ電極16と端子電極14とは、配線部2
0によって電気的に接続されている。
【0035】この例では、配線部20は、絶縁性基板1
2の一方の面上においてパターニングされた第1配線部
22と、他方の面上においてパターニングされた第2配
線部24と、第1配線部22と第2配線部24とを接続
する、絶縁性基板12の厚さ方向の第3配線部26とか
ら構成されている。
【0036】また、コネクタ電極16は、その相互間が
絶縁性基板12上に形成された非磁性絶縁層18によっ
て絶縁されている。つまり、コネクタ電極16は、非磁
性絶縁層18に、所定のパターンで露出するように形成
されている。このコネクタ電極16と非磁性絶縁層18
とから構成される層19は、後に詳述するように、異方
導電性コネクタ30の形成において磁場配向の際の型と
して機能する。以下、この層19を「型層」という。コ
ネクタ電極16は、これを磁極として機能させるために
は、その厚さが所定の値以上であることが望ましい。コ
ネクタ電極16の厚さはその材質によって必要な値が異
なるが、例えばニッケルの場合、好ましくは10μm以
上、より好ましくは50μm以上である。非磁性絶縁層
18を設けることにより、このように厚みのあるコネク
タ電極16を保護することができる。
【0037】異方導電性コネクタ30は、アダプタ本体
10の型層19の表面に形成された弾性体層32と、こ
の弾性体層32に形成された導電部40とを有する。こ
の導電部40は、弾性体層32に形成された、アダプタ
本体10のコネクタ電極16と連続する空間領域34内
に充填されている。そして、導電部40は、弾性高分子
層42と、この弾性高分子層42内に分散された導電性
磁性体粒子44とを有する。導電性磁性体粒子44は、
弾性体層32の厚さ方向に配向する状態で充填されてい
る。これらの導電性磁性体粒子44により、弾性体層3
2の厚さ方向に導電路が形成される。
【0038】この導電部40は、弾性体層32の厚さ方
向に加圧されて圧縮されたときに抵抗値が減少して導電
路が形成される、加圧導電素子とすることもできる。
【0039】このような構成を有するアダプタ装置10
0によれば、アダプタ本体10の表面に異方導電性コネ
クタ30が一体的に形成されており、しかもアダプタ本
体10のコネクタ電極16上に異方導電性コネクタ30
の導電部40が形成されていることから、アダプタ本体
10と異方導電性コネクタ30との電気的接続を確実に
行うことができる。
【0040】また、アダプタ本体10の絶縁性基板12
の材料として熱膨張係数が小さく寸法安定性の優れた材
料、例えば後に例示する硬質の樹脂、好ましくはポリイ
ミド樹脂などの熱硬化性樹脂を用いると、異方導電性コ
ネクタ30の熱膨張係数を小さく抑えることができる。
その結果、温度変化による熱履歴などの環境の変化に対
して影響を受けにくくなり、良好な電気的接続を安定に
維持することができ、高い接続信頼性を得ることができ
る。
【0041】さらに、異方導電性コネクタ30の導電部
40は、絶縁性の弾性体層32に形成された空間領域3
4内に形成されることから、空間領域34の相互の間隔
を狭めることにより、極めて小さなピッチの導電路を形
成することができる。従って、検査対象回路基板の被検
査部(電極)のピッチが極めて小さいときにも、この被
検査部のピッチに対応させた導電部40を形成すること
ができる。そして、各導電部40の相互は、絶縁性の弾
性体層32によって電気的に確実に分離される。
【0042】さらに、アダプタ本体10のコネクタ電極
16を磁性体によって形成することにより、後に詳述す
るように、導電性磁性体粒子44を磁場で配向させる場
合に、コネクタ電極16が磁極(磁石)になるため、導
電性磁性体粒子44の配向をより確実に行うことができ
る。
【0043】(各部材の材料)アダプタ本体10を構成
する絶縁性基板12の材料としては、例えばポリイミド
樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、例えばポリエ
チレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂などのポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリブタ
ジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレン
サルファイド、ポリアミド、ポリオキシメチレン等の熱
可塑性樹脂などが用いられる。
【0044】これらの中では、さらに耐熱性、寸法安定
性の点で熱硬化性樹脂が好ましく、特にポリイミド樹脂
が好ましい。
【0045】異方導電性コネクタ30を構成する弾性体
層32は、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質
形成材料を用いて形成される。
【0046】この高分子物質形成材料としては、種々の
ものを用いることができ、その具体例としては、ポリブ
タジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれ
らの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロッ
ク共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合
体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加
物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレ
ン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0047】以上において、得られるアダプタ装置に耐
候性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム以外のも
のを用いることが好ましく、特に、成形加工性および電
気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ま
しい。
【0048】シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコ
ーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105
アズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のも
の、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのい
ずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン
生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニ
ルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0049】これらの中で、ビニル基を含有する液状シ
リコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたは
ジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加
水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の
繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
【0050】また、ビニル基を両末端に含有する液状シ
リコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサン
のような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオ
ン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシ
ロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロ
キサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択すること
により得られる。ここで、アニオン重合の触媒として
は、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−
ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラ
ノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例
えば80〜130℃である。
【0051】このようなビニル基含有ポリジメチルシロ
キサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量
平均分子量をいう。以下同じ。)が10,000〜4
0,000のものであることが好ましい。また、得られ
る導電部の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポ
リスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン
換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以
下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0052】一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリ
コーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサ
ン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチル
ジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下におい
て、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−
沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
【0053】また、環状シロキサンを触媒の存在下にお
いてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチ
ルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その
他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合
停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。
ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメ
チルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウム
などのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを
用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃
である。
【0054】このようなヒドロキシル基含有ポリジメチ
ルシロキサンは、その分子量Mwが10,000〜4
0,000のものであることが好ましい。また、得られ
る導電路素子の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2
以下のものが好ましい。
【0055】本発明においては、上記のビニル基含有ポ
リジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジ
メチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、
両者を併用することもできる。
【0056】高分子物質形成材料には、これを硬化させ
るための硬化触媒を含有させることができる。このよう
な硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合
物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
【0057】硬化触媒として用いられる有機過酸化物の
具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシク
ロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリー
ブチルなどが挙げられる。
【0058】硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合
物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなど
が挙げられる。
【0059】ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得
るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白
金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシ
ロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジ
ビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、
トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金と
のコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、
環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のもの
が挙げられる。
【0060】硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料
の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮
して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料10
0重量部に対して3〜15重量部である。
【0061】また、異方導電性コネクタ30の空間領域
34内に充填された導電部40は、硬化されて弾性高分
子物質となる高分子物質形成材料中に導電性磁性体粒子
が分散された導電部形成用材料が硬化処理されて形成さ
れる。高分子物質形成材料としては、上述した弾性体層
32を形成するための高分子物質形成材料と同様のもの
を例示することができ、両者の材料は同質であることが
望ましい。
【0062】導電部形成用材料に用いられる導電性磁性
体粒子の具体例としては、鉄、コバルト、ニッケルなど
の磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子ま
たはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子
を芯粒子とし、該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、
ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したも
の、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなど
の無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、該芯
粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体
のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性
体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなど
が挙げられる。
【0063】これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子と
し、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッ
キを施したものを用いることが好ましく、特に、金およ
び銀の両方が被覆されているものが好ましい。
【0064】芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段
としては、特に限定されるものではないが、例えば化学
メッキまたは無電解メッキにより行うことができる。
【0065】導電性磁性体粒子として、芯粒子の表面に
導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良
好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電
性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の
被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、
さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜9
5%である。
【0066】また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の
2.5〜50重量%であることが好ましく、より好まし
くは3〜30重量%、さらに好ましくは3.5〜25重
量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆され
る導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒
子の3〜30重量%であることが好ましく、より好まし
くは3.5〜15重量%、さらに好ましくは3〜20重
量%、特に好ましくは4.5〜10重量%である。ま
た、被覆される導電性金属が銀である場合には、その被
覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好まし
く、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましくは
5〜23重量%、特に好ましくは6〜20重量%であ
る。更に、被覆される導電性金属として金と銀の両方を
用いる場合には、金の被覆量は、芯粒子の0.1〜5重
量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜4
重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%であり、銀
の被覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好ま
しく、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましく
は5〜20重量%である。
【0067】また、導電性磁性体粒子の粒子径は、1〜
1000μmであることが好ましく、より好ましくは2
〜500μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に
好ましくは10〜200μmである。
【0068】また、導電性磁性体粒子の粒子径分布(D
w/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好
ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜
5、特に好ましくは1.1〜4である。
【0069】このような条件を満足する導電部形成用材
料を用いることにより、得られる導電部40は、加圧変
形が容易なものとなり、また、該導電部40において導
電性磁性体粒子間に十分な電気的接触が得られる。
【0070】また、導電性磁性体粒子の形状は、特に限
定されるものではないが、高分子物質用材料中に容易に
分散させることができる点で、球状のもの、星形状のも
のあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のもの
であることが好ましい。
【0071】また、導電性磁性体粒子の含水率は、5%
以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、
さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下で
ある。このような条件を満足する導電性磁性体粒子を用
いることにより、後述する製造方法において、導電部形
成用材料層を硬化処理する際に、該導電部形成用材料層
内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0072】また、導電性磁性体粒子の表面がシランカ
ップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを
適宜用いることができる。導電性磁性体粒子の表面がカ
ップリング剤で処理されることにより、該導電性磁性体
粒子と弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結
果、得られる導電部40は、繰り返しの使用における耐
久性が高いものとなる。
【0073】カップリング剤の使用量は、導電性磁性体
粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選択される
が、導電性磁性体粒子表面におけるカップリング剤の被
覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の
被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ま
しく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さら
に好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜1
00%となる量である。
【0074】このような導電性磁性体粒子は、高分子物
質用材料に対して体積分率で30〜60%、好ましくは
35〜50%となる割合で用いられることが好ましい。
この割合が30%未満の場合には、十分に電気抵抗値の
小さい導電部が得られないことがある。一方、この割合
が60%を超える場合には、得られる導電部は脆弱なも
のとなりやすく、導電部として必要な弾性が得られない
ことがある。
【0075】導電部形成用材料中には、必要に応じて、
通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリ
カ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができ
る。このような無機充填材を含有させることにより、該
導電部形成用材料のチクソトロピー性が確保され、その
粘度が高くなり、しかも、導電性磁性体粒子の分散安定
性が向上すると共に、硬化処理されて得られる導電部の
強度が高くなる。
【0076】このような無機充填材の使用量は、特に限
定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後
述する製造方法において、磁場による導電性磁性体粒子
の配向を十分に達成することができなくなる。
【0077】また、導電部形成用材料の粘度は、温度2
5℃において100,000〜1000,000cpの
範囲内であることが好ましい。
【0078】そして、以上のような導電部形成用材料が
硬化処理されることにより、導電部40が形成される。
【0079】(アダプタ装置の製造方法)つぎに、本発
明のアダプタ装置の製造方法について、図2から図8を
参照しながら説明する。
【0080】(a)アダプタ本体10の形成 まず、図2に示すように、アダプタ本体10を形成す
る。この工程では、少なくとも、絶縁性基板12の一方
の面上に所定のパターンで端子電極14を形成する工程
((a)−1)、および、絶縁性基板12の他方の面上
において、少なくとも検査対象回路基板の被検査部に対
応する位置に、端子電極14と電気的に接続され、か
つ、強磁性および導電性を有するコネクタ電極16を形
成する工程((a)−2)、を含む。
【0081】さらに、この工程においては、絶縁性基板
12の他方の面上において、コネクタ電極16の相互を
絶縁するための非磁性絶縁層18が形成される。コネク
タ電極16および非磁性絶縁層18の製造方法は、特に
限定されないが、例えば、第1に、コネクタ電極16を
公知のフォトリソグラフィーおよびエッチングによって
形成したのちに、コネクタ電極16相互の空隙部に絶縁
性の材料、例えば樹脂を埋込み、これを硬化する方法、
第2に、コネクタ電極16を形成した後に、レジスト材
料を用いてフォトリソグラフィーによって形成する方
法、第3に、コネクタ電極16を形成した後にこれを覆
うように樹脂層を形成し、その後機械的研磨によってコ
ネクタ電極16の上面が露出するまで樹脂層を研磨して
除去する方法、などを用いることができる。コネクタ電
極16と、非磁性絶縁層18とによって構成される型層
19は、後の磁場配向において、磁場を制御する機能を
有する。
【0082】そして、端子電極14とコネクタ電極16
とは、図示しない配線部によって電気的に接続される。
この配線部は、公知の方法によって形成することができ
る。例えば図1に示すような両面タイプのアダプタ本体
10の場合には、絶縁性基板12の両面にそれぞれパタ
ーニングされた第1および第2配線部を形成するととも
に、これらの第1および第2配線部の所定部分を絶縁性
基板12の厚さ方向に接続する第3配線部(例えば、ス
ルーホールの内壁に形成された導電部)を形成する。こ
のような配線部は、端子電極とコネクタ電極とのパター
ンあるいはピッチなどの条件により種々の態様およびそ
れに対応した製造方法を取りうる。
【0083】(b)異方導電性コネクタ30の形成 (b)−1; 図3に示すように、アダプタ本体10の
型層19上に絶縁性の弾性体層32を形成する。この工
程では、アダプタ本体10の型層19の表面に、硬化さ
れて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料を塗布
し、これを硬化することにより形成することができる。
あるいは、弾性体層32は、弾性高分子材料を塗布,硬
化する代わりに、弾性高分子物質からなる絶縁性シート
を圧着,接着あるいは熱圧着等により型層19の表面に
一体化させて形成してもよい。
【0084】(b)−2; ついで、図4に示すよう
に、弾性体層32において、型層19のコネクタ電極1
6に対応する位置に空間領域34を形成する。
【0085】空間領域34は、その全体あるいは部分が
コネクタ電極16と連続し、好ましくはコネクタ電極1
6上に位置するように形成される。空間領域34を形成
する手段としては、レーザー加工による手段、ドリルに
よる機械的手段、フォトリソグラフィーおよびエッチン
グによるフォトリソグラフィー加工などを利用すること
ができ、特に簡易な方法で微細、高密度かつ高アスペク
トの空間領域を形成できるレーザ加工による手段が好ま
しい。
【0086】(b)−3; ついで、図5および図6に
示すように、硬化されて弾性高分子物質となる流動性物
質中に導電性磁性体粒子が分散されたペースト状の導電
部形成用材料36を、上記工程で形成された空間領域3
4内に充填する。
【0087】この導電部形成用材料36を空間領域34
に充填するには、まず図5に示すように、導電部形成用
材料36を弾性体層32上に塗布する。導電部形成用材
料を塗布する手段としては、ロール塗布、ブレード塗布
などの手段を用いることができる。
【0088】次いで、塗布された導電部形成用材料36
を磁力によって空間領域34内に充填する。具体的に
は、図6に示すように、導電部形成用材料36が塗布さ
れた弾性体層32と反対側の、アダプタ本体10を構成
する絶縁性基板12の表面側に磁石50を設置すること
により、この磁石50の磁力により導電性磁性体粒子を
含む導電部形成用材料を空間領域34内に引き込む。磁
石50は、その磁力により導電部形成用材料を空間領域
内に導入できればよく、その形状や配置は特に限定され
ない。例えば、磁石50は、図6に示すように、一方の
磁極面が絶縁性基板12の面に対向する状態で設置され
てもよいし、あるいは磁極が線状の棒状磁石を絶縁性基
板に対して走査させてもよい。
【0089】また、この工程においては、例えば1×1
-3atm以下、好ましくは1×10-4〜1×10-5
tmに減圧された雰囲気下において、弾性体層32の表
面に導電部形成用材料36を塗布した後、雰囲気圧を上
昇させて例えば常圧にすることにより、空間領域34内
により確実に導電部形成用材料を充填でき、さらに充填
された導電部形成用材料に気泡が生ずることを防止する
ことができる。
【0090】この工程においては、磁力によって空間領
域34内に導電性磁性体粒子を引き込むことにより、空
間領域34内に確実に導電部形成用材料を充填すること
ができる。そして、磁力によって強制的に導電部形成用
材料を空間領域34内に引き込むことにより、アスペク
ト比の大きな空間領域であっても導電部形成用材料の充
填を達成することができる。
【0091】次いで、弾性体層32の表面に残留した導
電部形成用材料をスキージ等により除去することができ
る。
【0092】これらの工程によって、図7に示すよう
に、弾性体層32に形成された空間領域34内に導電部
形成用材料の充填部38が形成される。
【0093】(b)−4; ついで、弾性体層32の厚
さ方向に磁場を形成することにより、空間領域34内に
充填された導電部形成用材料中の導電性磁性体粒子を前
記厚さ方向に配向させる。
【0094】具体的には、図8に示すように、弾性体層
32の表面に上型54を設置する。この上型54は、空
間領域34に対応した位置に磁性体部56が配置され、
磁性体部56以外の部分に絶縁性の非磁性体部58が配
置されている。この上型54は、電磁石62と一体的に
形成されていても、あるいは、別体に形成されていても
よい。
【0095】そして、アダプタ本体10,充填部38を
有する弾性体層32,および上型54を一対の電磁石6
2および64の間に配置する。そして、電磁石62,6
4を作動させることにより、導電部形成用材料が充填さ
れた充填部38の厚さ方向に平行磁場が作用し、特に、
下型として機能する型層19および上型54の磁性体部
16および56に磁力線が集中する。その結果、充填部
38中に分散されていた導電性磁性体粒子が弾性体層3
2の厚さ方向に配向し、導電部40を形成する。
【0096】このとき、導電部形成用材料の充填部38
に作用される平行磁場の強度は、平均で200〜20,
000ガウスとなる大きさが好ましい。
【0097】またこの工程において、前記導電性磁性体
粒子の磁場配向とともにあるいはそれに引き続いて、導
電部形成用材料の流動性物質を硬化させることにより弾
性高分子層を形成する。導電部形成用材料の硬化処理
は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、
加熱処理によって行われる。加熱により導電部形成用材
料の硬化処理を行う場合には、電磁石62,64にヒー
ターを設ければよい。具体的な加熱温度および加熱時間
は、導電部形成用材料を構成する高分子物質形成材料な
どの種類、導電性磁性体粒子の移動に要する時間などを
考慮して適宜選定される。
【0098】なお、この例の工程では、上型54を使用
したが、これを使用しなくともよい。
【0099】本実施の形態の製造方法では、弾性体層3
2にあらかじめ空間領域34を形成し、これに導電部形
成用材料を充填するため、磁場配向によって導電性磁性
体粒子を導電部を形成するための所定領域に集める必要
がなく、単に磁場配向によって導電性磁性体粒子の配向
が達成できればよい。したがって、磁力線を集中させる
ための型を要せず、この点で製造装置のコストを大幅に
低減できる。さらに、磁力線を集中させるための型を要
しないことは、この型の精度から規定される導電部のピ
ッチの制約がないので、高密度で微細なパターンの導電
部を形成することができる。
【0100】そして、以上の工程が終了した後、積層体
を取り出すことにより、例えば図1に示す構成のアダプ
タ装置100が製造される。
【0101】[第2の実施の形態] (アダプタ装置の構造)図14は、本発明の第2の実施
の形態に係るアダプタ装置300の一例を模式的に示す
断面図である。
【0102】このアダプタ装置300は、アダプタ本体
10と、このアダプタ本体10に一体的に設けられた異
方導電性コネクタ30とを有する。この実施の形態に係
るアダプタ装置300は、コネクタ電極の相互間に非磁
性絶縁層が形成されていない点で、第1の実施の形態と
異なる。第1の実施の形態に係る部材と実質的に同一の
機能を有する部材には同一の符号を付して説明する。
【0103】アダプタ本体10は、絶縁性基板12の一
方の面上に、所定パターンでマトリックス状に形成され
た複数の端子電極14を有し、絶縁性基板12の他方の
面上には複数のコネクタ電極16が形成されている。コ
ネクタ電極16は、少なくとも検査対象回路基板の被検
査部(図示せず)に対応する位置に形成され、かつ、強
磁性および導電性を有する材料から構成されている。そ
して、コネクタ電極16と端子電極14とは、配線部
(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0104】この例でも、配線部は、第1の実施の形態
のアダプタ装置100と同様の構成を採用できる。
【0105】異方導電性コネクタ30は、アダプタ本体
10の他方の表面側に形成された弾性体層32と、この
弾性体層32に形成された導電部40とを有する。この
導電部40は、弾性体層32に形成された、アダプタ本
体10のコネクタ電極16と連続する空間領域34内に
充填されている。そして、導電部40は、弾性高分子層
42と、この弾性高分子層42内に分散された導電性磁
性体粒子44とを有する。導電性磁性体粒子44は、弾
性体層32の厚さ方向に配向する状態で充填されてい
る。これらの導電性磁性体粒子44により、弾性体層3
2の厚さ方向に導電路が形成される。
【0106】この導電部40は、弾性体層32の厚さ方
向に加圧されて圧縮されたときに抵抗値が減少して導電
路が形成される、加圧導電素子とすることもできる。
【0107】このような構成を有するアダプタ装置30
0によれば、アダプタ本体10の表面に異方導電性コネ
クタ30が一体的に形成されており、しかもアダプタ本
体10のコネクタ電極16上に異方導電性コネクタ30
の導電部40が形成されていることから、アダプタ本体
10と異方導電性コネクタ30との電気的接続を確実に
行うことができる。
【0108】さらに、異方導電性コネクタ30の導電部
40は、絶縁性の弾性体層32に形成された空間領域3
4内に形成されることから、空間領域34の相互の間隔
を狭めることにより、極めて小さなピッチの導電路を形
成することができる。従って、検査対象回路基板の被検
査部(電極)のピッチが極めて小さいときにも、この被
検査部のピッチに対応させた導電部40を形成すること
ができる。そして、各導電部40の相互は、絶縁性の弾
性体層32によって電気的に確実に分離される。
【0109】さらに、アダプタ本体10のコネクタ電極
16を磁性体によって形成することにより、後に詳述す
るように、導電性磁性体粒子44を磁場で配向させる場
合に、コネクタ電極16が磁極(磁石)になるため、導
電性磁性体粒子44の配向をより確実に行うことができ
る。
【0110】この実施の形態に係るアダプタ装置300
の各部材を形成する材料としては、第1の実施の形態に
おいて例示したものと同様のものを用いることができ
る。
【0111】(アダプタ装置の製造方法)つぎに、アダ
プタ装置300の製造方法について、図15から図20
を参照しながら説明する。
【0112】(A)まず、図15に示すように、アダプ
タ本体10の一部を形成する。この工程では、少なくと
も、絶縁性基板12の一方の面上に所定のパターンで端
子電極14を形成する工程を含む。そして、絶縁性基板
12には、後に形成されるコネクタ電極16と端子電極
14と電気的に接続するための、図示しない配線部が形
成されている。この配線部は、公知の方法によって形成
することができる。例えば図14に示すような両面タイ
プのアダプタ本体10の場合には、絶縁性基板12の両
面にそれぞれパターニングされた第1および第2配線部
を形成するとともに、これらの第1および第2配線部の
所定部分を絶縁性基板12の厚さ方向に接続する第3配
線部(例えば、スルーホールの内壁に形成された導電
部)を形成する。このような配線部は、端子電極とコネ
クタ電極とのパターンあるいはピッチなどの条件により
種々の態様およびそれに対応した製造方法を取りうる。
【0113】(B)ついで、図15に示すように、アダ
プタ本体10の絶縁性基板12上に絶縁性の弾性体層3
2を形成する。この工程では、弾性体層32は、絶縁性
基板12の表面に、硬化されて弾性高分子物質となる高
分子物質形成材料を塗布し、これを硬化することにより
形成することができる。あるいは、弾性体層32は、弾
性高分子材料を塗布,硬化する代わりに、弾性高分子物
質からなる絶縁性シートを圧着,接着あるいは熱圧着等
により絶縁性基板12の表面に一体化させて形成しても
よい。
【0114】(C)ついで、図15に示すように、弾性
体層32において、次の工程で形成されるコネクタ電極
16のための領域に対応する位置に空間領域34を形成
する。
【0115】空間領域34を形成する手段としては、レ
ーザー加工による手段、ドリルによる機械的手段、フォ
トリソグラフィーおよびエッチングによるフォトリソグ
ラフィー加工などを利用することができ、特に簡易な方
法で微細、高密度かつ高アスペクトの空間領域を形成で
きるレーザ加工による手段が好ましい。
【0116】(D)ついで、図16に示すように、絶縁
性基板12の空間領域34の露出面上において、メッキ
などの手段により、強磁性および導電性を有するコネク
タ電極16を形成する。
【0117】(E)ついで、図17および図18に示す
ように、硬化されて弾性高分子物質となる流動性物質中
に導電性磁性体粒子が分散されたペースト状の導電部形
成用材料36を、上記工程で形成された空間領域34内
に充填する。
【0118】この導電部形成用材料36を空間領域34
に充填するには、まず図17に示すように、導電部形成
用材料36を弾性体層32上に塗布する。導電部形成用
材料を塗布する手段としては、ロール塗布、ブレード塗
布などの手段を用いることができる。
【0119】次いで、塗布された導電部形成用材料36
を磁力によって空間領域34内に充填する。具体的に
は、図18に示すように、導電部形成用材料36が塗布
された弾性体層32と反対側の、アダプタ本体10を構
成する絶縁性基板12の表面側に磁石50を設置するこ
とにより、この磁石50の磁力により導電性磁性体粒子
を含む導電部形成用材料を空間領域34内に引き込む。
磁石50は、その磁力により導電部形成用材料を空間領
域内に導入できればよく、その形状や配置は特に限定さ
れない。例えば、磁石50は、図18に示すように、一
方の磁石面が絶縁性基板12の面に対向する状態で設置
されてもよいし、あるいは磁極が線状の棒状磁石を絶縁
性基板に対して走査させてもよい。
【0120】また、この工程においては、第1の実施の
形態における工程(b)−3と同様に、雰囲気の圧力を
設定することが望ましい。
【0121】この工程においては、磁力によって空間領
域34内に導電性磁性体粒子を引き込むことにより、空
間領域34内に確実に導電部形成用材料を充填すること
ができる。そして、磁力によって強制的に導電部形成用
材料を空間領域34内に引き込むことにより、アスペク
ト比の大きな空間領域であっても導電部形成用材料の充
填を達成することができる。
【0122】次いで、弾性体層32の表面に残留した導
電部形成用材料をスキージ等により除去することができ
る。
【0123】これらの工程によって、図19に示すよう
に、弾性体層32に形成された空間領域34内に導電部
形成用材料の充填部38が形成される。
【0124】(F)ついで、弾性体層32の厚さ方向に
磁場を形成することにより、空間領域34内に充填され
た導電部形成用材料中の導電性磁性体粒子を前記厚さ方
向に配向させる。
【0125】具体的には、図20に示すように、弾性体
層32の表面に上型54を設置する。この上型54は、
空間領域34に対応した位置に磁性体部56が配置さ
れ、磁性体部56以外の部分に絶縁性の非磁性体部58
が配置されている。この上型54は、電磁石62と一体
的に形成されていても、あるいは、別体に形成されてい
てもよい。
【0126】そして、アダプタ本体10,充填部38を
有する弾性体層32,および上型54を一対の電磁石6
2および64の間に配置する。そして、電磁石62,6
4を作動させることにより、導電部形成用材料が充填さ
れた充填部38の厚さ方向に平行磁場が作用し、特に、
強磁性を有するコネクタ電極16および磁性体部56に
磁力線が集中する。その結果、充填部38中に分散され
ていた導電性磁性体粒子が弾性体層32の厚さ方向に配
向し、導電部40を形成する。
【0127】このとき、導電部形成用材料の充填部38
に作用される平行磁場の強度は、平均で200〜20,
000ガウスとなる大きさが好ましい。
【0128】またこの工程において、前記導電性磁性体
粒子の磁場配向とともにあるいはそれに引き続いて、導
電部形成用材料の流動性物質を硬化させることにより弾
性高分子層を形成する。導電部形成用材料の硬化処理
は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、
加熱処理によって行われる。加熱により導電部形成用材
料の硬化処理を行う場合には、電磁石62,64にヒー
ターを設ければよい。具体的な加熱温度および加熱時間
は、導電部形成用材料を構成する高分子物質形成材料な
どの種類、導電性磁性体粒子の移動に要する時間などを
考慮して適宜選定される。
【0129】なお、この例の工程では、上型54を使用
したが、これを使用しなくともよい。
【0130】本実施の形態の製造方法では、第1の実施
の形態と同様に、弾性体層32にあらかじめ空間領域3
4を形成し、これに導電部形成用材料を充填するため、
磁場配向によって導電性磁性体粒子を導電部を形成する
ための所定領域に集める必要がなく、単に磁場配向によ
って導電性磁性体粒子の配向が達成できればよい。した
がって、磁力線を集中させるための型を用せず、この点
で製造装置のコストを大幅に低減できる。さらに、磁力
線を集中させるための型を要しないことは、この型の精
度から規定される導電部のピッチの制約がないので、高
密度で微細なパターンの導電部を形成することができ
る。
【0131】そして、以上の工程が終了した後、積層体
を取り出すことにより、例えば図14に示す構成のアダ
プタ装置300が製造される。
【0132】[アダプタ装置の変形例]以上、本発明の
実施の形態を説明したが、本発明においては、上記の実
施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能
である。
【0133】例えば、図9に示すアダプタ装置200に
おいては、異方導電性コネクタ30の導電部40を弾性
体層32の表面より突出した状態で形成している。ま
た、図示しないが、導電部を弾性体層の表面より窪まし
た状態で形成することもできる。また、アダプタ装置2
00のアダプタ本体10は、絶縁性基板12が多層構造
を有し、配線部70は、絶縁性基板12の面方向に延び
る配線部分を有していてもよい。このような配線部70
は公知の方法によって形成することができる。なお、図
9において、図1に示す部材と実質的に同様の機能を有
する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0134】[回路基板の検査方法および回路基板検査
装置]図21は、本発明に係るアダプタ装置3000を
用いた回路基板の検査方法を示す図である。本発明に係
るアダプタ装置3000は、検査対象回路基板1000
と電気的検査装置2000との間に介在される。そし
て、検査対象回路基板1000の被検査部1100とア
ダプタ装置3000の導電部40とが電気的に接続さ
れ、電気的検査装置2000の電極2100とアダプタ
装置3000の端子電極14とが電気的に接続されるこ
とにより、検査対象回路基板1000の被検査部110
0の導通状態を検査することができる。
【0135】また、本発明に係るアダプタ装置3000
と、検査対象回路基板1000と、電気的検査装置20
00とは、一体的に形成されていてもよい。
【0136】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るアダプタ装置を模
式的に示す断面図である。
【図2】図1に示すアダプタ装置の製造方法の一工程を
模式的に示す断面図である。
【図3】図1に示すアダプタ装置の製造方法の一工程を
模式的に示す断面図である。
【図4】図1に示すアダプタ装置の製造方法の一工程を
模式的に示す断面図である。
【図5】図1に示すアダプタ装置の製造方法の一工程を
模式的に示す断面図である。
【図6】図1に示すアダプタ装置の製造方法の一工程を
模式的に示す断面図である。
【図7】図1に示すアダプタ装置の製造方法の一工程を
模式的に示す断面図である。
【図8】図1に示すアダプタ装置の製造方法の一工程を
模式的に示す断面図である。
【図9】本発明のアダプタ装置の変形例を模式的に示す
断面図である。
【図10】従来の異方導電性エラストマーシートを製造
するために用いられる一方の型と他方の型との間に、異
方導電性エラストマー形成材料層が形成された状態を模
式的に示す断面図である。
【図11】異方導電性エラストマー形成材料層に平行磁
場を作用させた状態を模式的に示す断面図である。
【図12】従来の異方導電性エラストマーシートの一例
における構成を模式的に示す断面図である。
【図13】従来の異方導電性エラストマーシートの形成
材料層に作用される磁場の方向を示す断面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るアダプタ装
置を模式的に示す断面図である。
【図15】図14に示すアダプタ装置の製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図16】図14に示すアダプタ装置の製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図17】図14に示すアダプタ装置の製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図18】図14に示すアダプタ装置の製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図19】図14に示すアダプタ装置の製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図20】図14に示すアダプタ装置の製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図21】本発明のアダプタ装置を用いた回路基板の検
査方法を示す図である。
【符号の説明】
10 アダプタ本体 12 絶縁性基板 14 端子電極 16 コネクタ電極 18 非磁性絶縁層 20 配線部 22 第1配線部 24 第2配線部 26 第3配線部 30 異方導電性コネクタ 32 弾性体層 36 空間領域 38 充填部 40 導電部 42 弾性高分子層 44 導電性磁性体粒子 50 磁石 54 上型 56 磁性体部 58 非磁性体部 62,64 電磁石 70 配線部 100,200,300,3000 アダプタ装置 1000 検査対象回路基板 2000 電気的検査装置

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アダプタ本体と、該アダプタ本体に一体
    的に設けられた異方導電性コネクタとを含むアダプタ装
    置であって、 前記アダプタ本体は、 絶縁性基板と、 前記絶縁性基板の面上に所定パターンで形成された端子
    電極と、 前記絶縁性基板の面上に形成され、前記端子電極と電気
    的に接続され、かつ、強磁性および導電性を有するコネ
    クタ電極と、を含み、 前記異方導電性コネクタは、 前記アダプタ本体の前記コネクタ電極が形成された面に
    接触する絶縁性の弾性体層と、 前記弾性体層に形成され、前記コネクタ電極と電気的に
    接続される導電部と、を含み、 前記導電部は、弾性高分子物質中に導電性磁性体粒子が
    含まれ、かつ、該導電性磁性体粒子は前記弾性体層の厚
    さ方向に配向している、アダプタ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記導電部は、前記弾性体層に形成された空間領域内に
    充填された、アダプタ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記コネクタ電極は、少なくとも検査対象回路基板の電
    極に対応する位置に形成されている、アダプタ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、 前記導電部は、前記弾性体層の表面に露出している、ア
    ダプタ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、 前記コネクタ電極は、その相互が前記絶縁性基板の面上
    に形成された非磁性絶縁層によって絶縁された、アダプ
    タ装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5に記載のアダプタ装置
    は、検査対象回路基板と電気的検査装置との間に介在さ
    れて、前記検査対象回路基板の被検査部と前記電気的検
    査装置との電気的接続を行う、アダプタ装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし5に記載のアダプタ装置
    と、検査対象回路基板と、電気的検査装置とを含み、前
    記アダプタ装置は前記検査対象回路基板と前記電気的検
    査装置との間に介在される、回路基板検査装置。
  8. 【請求項8】 アダプタ本体と、該アダプタ本体に一体
    的に設けられた異方導電性コネクタとを含むアダプタ装
    置の製造方法であって、以下の工程(a)および(b)
    を含む製造方法。(a) 前記アダプタ本体を形成する
    工程であって、 (a)−1; 絶縁性基板の面上に所定パターンで端子
    電極を形成する工程、 (a)−2; 前記絶縁性基板の面上において、前記端
    子電極と電気的に接続され、かつ、強磁性および導電性
    を有するコネクタ電極を形成する工程、(b) 前記異
    方導電性コネクタを形成する工程であって、 (b)−1; 前記アダプタ本体の前記コネクタ電極が
    形成された側の面上に、絶縁性の弾性体層を形成する工
    程、 (b)−2; 前記弾性体層に前記コネクタ電極と連続
    する空間領域を形成する工程、 (b)−3; 硬化されて弾性高分子物質となる流動性
    物質中に導電性磁性体粒子が分散された導電部形成用材
    料を、前記空間領域中に充填する工程、および (b)−4; 前記弾性体層の厚さ方向に磁場を形成す
    ることにより、前記空間領域内に充填された導電部形成
    用材料中の導電性磁性体粒子を前記厚さ方向に配向させ
    る工程。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記工程(b)−3において、導電部形成用材料を磁力
    によって前記空間領域中に充填する、アダプタ装置の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9において、 前記工程(b)−3は減圧状態で行われる、アダプタ装
    置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8ないし10のいずれかにおい
    て、 前記工程(b)−2において、前記空間領域はレーザー
    加工によって形成される、アダプタ装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項8ないし10のいずれかにおい
    て、 前記工程(b)−2において、前記空間領域はフォトリ
    ソグラフィー加工によって形成される、アダプタ装置の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8ないし12のいずれかにおい
    て、 前記工程(a)−2において、前記コネクタ電極は、磁
    性体金属層のメッキあるいは磁性体金属層のエッチング
    で形成される、アダプタ装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8ないし13のいずれかにおい
    て、 前記工程(a)−2において、さらに、前記コネクタ電
    極の相互を絶縁する非磁性絶縁層を形成する工程が含ま
    れる、アダプタ装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 アダプタ本体と、該アダプタ本体に一
    体的に設けられた異方導電性コネクタとを含むアダプタ
    装置の製造方法であって、以下の工程(A)ないし
    (F)を含む製造方法。 (A)絶縁性基板の面上に所定パターンで端子電極を形
    成する工程、 (B)前記絶縁性基板の前記端子電極が形成されていな
    い側の面上に、絶縁性の弾性体層を形成する工程、 (C)前記弾性体層に前記絶縁性基板の面と連続する空
    間領域を形成する工程、 (D)前記絶縁性基板の前記空間領域での露出面上にお
    いて、前記端子電極と電気的に接続され、かつ、強磁性
    および導電性を有するコネクタ電極を形成する工程、 (E)硬化されて弾性高分子物質となる流動性物質中に
    導電性磁性体粒子が分散された導電部形成用材料を、前
    記空間領域中に充填する工程、および (F)前記弾性体層の厚さ方向に磁場を形成することに
    より、前記空間領域内に充填された導電部形成用材料中
    の導電性磁性体粒子を前記厚さ方向に配向させる工程。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記工程(E)において、導電部形成用材料を磁力によ
    って前記空間領域中に充填する、アダプタ装置の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項15または16において、 前記工程(E)は減圧状態で行われる、アダプタ装置の
    製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項15ないし17のいずれかにお
    いて、 前記工程(C)において、前記空間領域はレーザー加工
    によって形成される、アダプタ装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項15ないし17のいずれかにお
    いて、 前記工程(C)において、前記空間領域はフォトリソグ
    ラフィー加工によって形成される、アダプタ装置の製造
    方法。
  20. 【請求項20】 請求項15ないし19のいずれかにお
    いて、 前記工程(D)において、前記コネクタ電極は、磁性体
    金属層のメッキで形成される、アダプタ装置の製造方
    法。
  21. 【請求項21】請求項1ないし5のいずれかに記載のア
    ダプタ装置を、検査対象回路基板と電気的検査装置との
    間に介在させて、前記検査対象回路基板の被検査部と前
    記電気的検査装置との電気的接続を行う、回路基板の検
    査方法。
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