JP3978905B2 - 異方導電性積層体およびその製法 - Google Patents

異方導電性積層体およびその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子部品などの回路素子相互間の電気的接続やプリント基板の検査装置におけるコネクターとして好ましく用いられる異方導電性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
異方導電性シートとして、例えば厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するものが知られている。これらはハンダ付けあるいは機械的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を達成することが可能であること、シート材料がエラストマーなどの弾性体である場合は機械的な衝撃やひずみを吸収してソフトな接続が可能であることなどの特長を有する。このため、このような特長を利用して、例えば電子計算機、電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピューターキーボードなどの分野において、回路素子、例えばプリント回路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間の電気的な接続を達成するためのコネクターとして広く用いられている。
【0003】
また、プリント基板などの回路基板の電気的検査においては、検査対象である回路基板の一面に形成された被検査電極と、検査用回路基板の表面に形成された接続用電極との電気的な接続を達成するために、回路基板の被検査電極領域と検査用回路基板の接続用電極領域との間に異方導電性エラストマーシートを介在させることが行われている。
【0004】
従来、このような異方導電性エラストマーシートとしては、種々の構造のものが知られており、例えば特開昭51−93393号公報等には、金属粒子をエラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「分散型異方導電性エラストマーシート」という。)が開示され、また、特開昭53−147772号公報等には、導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電路形成部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性エラストマーシート(以下、これを「偏在型異方導電性エラストマーシート」という。)が開示され、更に、特開昭61−250906号公報等には、導電路形成部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型異方導電性エラストマーシートが開示されている。
【0005】
そして、偏在型異方導電性エラストマーシートは、回路基板等の電極パターンと対掌のパターンに従って導電路形成部が形成されているため、分散型異方導電性エラストマーシートに比較して、接続すべき電極が小さいピッチで配置されている回路基板などに対しても電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することができる点で、有利である。
【0006】
しかしながら、従来の偏在型異方導電性エラストマーシートは、以下のような問題があることが判明した。
すなわち、従来の偏在型異方導電性エラストマーシートは、シリコーンゴムなどを基材とするものであるが、これと接続される回路基板や半導体素子等は、ガラス繊維含有エポキシ樹脂や銅などの金属板やシリコンなどであり、両者の熱膨張係数が異なるため、温度変化により両者の電極位置にずれが生じ、電気的導通が得られないことがある。このような問題は、電極間隔が狭く、微細な電極パターンになるほど顕著になる。
【0007】
また、従来の異方導電性エラストマーシートにおいては、下記のような問題があった。
従来、偏在型異方導電性エラストマーシートは、例えば、次のようにして製造される。
すなわち、図20に示すように、例えば検査対象である回路基板の被検査電極と同一のパターンに従って強磁性体部分81が配置されると共に、当該強磁性体部分81以外の部分に非磁性体部分82が配置されてなる一方の型(以下、「上型」という。)80と、検査対象である回路基板の被検査電極と対掌のパターンに従って強磁性体部分86が配置されると共に、当該強磁性体部分86以外の部分に非磁性体部分87が配置されてなる他方の型(以下、「下型」という。)85とを用い、上型80と下型85との間に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性磁性体粒子が分散されてなる異方導電性エラストマー形成材料層90Aを形成する。
【0008】
次いで、図21に示すように、上型80の上面および下型85の下面に一対の電磁石83,88を配置して当該電磁石83,88を作動させることにより、上型80の強磁性体部分81からこれに対応する下型85の強磁性体部分86に向かう方向に平行磁場を作用させる。その結果、異方導電性エラストマー形成材料層90Aにおいては、当該異方導電性エラストマー形成材料層90A中に分散されていた導電性磁性体粒子が、上型80の強磁性体部分81と下型85の強磁性体部分86との間に位置する部分に集合し、更に厚み方向に並ぶよう配向する。
そして、この状態で、異方導電性エラストマー形成材料層90Aに対して例えば加熱による硬化処理を行うことにより、図22に示すように、厚み方向に伸びる多数の導電路形成部91と、これらを相互に絶縁する絶縁部92とが形成されてなる偏在型異方導電性エラストマーシート90が製造される。
【0009】
而して、極めて小さい電極間隔(ピッチ)例えば100μm以下のピッチで被検査電極が配置された検査対象回路基板に対応する偏在型異方導電性エラストマーシートを例えば300μmの厚さで製造する場合には、強磁性体部分81,86が極めて小さいピッチで配置された上型80および下型85を用いることが必要である。
然るに、このような上型80および下型85を用い、上述のようにして例えば厚みが300μmの偏在型異方導電性エラストマーシートを製造する場合には、図23に示すように、上型80および下型85の各々において、或る強磁性体部分81a,86aとこれに隣接する強磁性体部分81b,86bとの離間距離が小さく、しかも、上型80および下型85の間隔が大きいために、上型80の強磁性体部分81aからこれに対応する下型85の強磁性体部分86aに向かう方向(矢印Xで示す)のみならず、例えば上型80の強磁性体部分81aからこれに対応する下型85の強磁性体部分86aに隣接する強磁性体部分86bに向かう方向(矢印Yで示す)にも磁場が作用することとなる。そのため、異方導電性エラストマー形成材料層90Aにおいて、導電性磁性体粒子を、上型80の強磁性体部分81aとこれに対応する下型85の強磁性体部分86aとの間に位置する部分に集合させることが困難となり、上型80の強磁性体部分81aと下型85の強磁性体部分86bとの間に位置する部分にも導電性磁性体粒子が集合してしまい、その結果、所期の偏在型異方導電性エラストマーシートが得られない。
【0010】
また、上記異方導電性エラストマーシートの熱膨張率を改善するために、これに熱膨張率の小さい樹脂シートからなるシート状コネクターを積層することも考えられる。
しかしながら、この場合においては、以下のような問題がある。
【0011】
(1)上記のように、近年半導体素子の高機能化、高容量化に伴って電極数が増加し、電極の配列ピッチすなわち隣接する電極の中心間距離が小さくなって高密度化する傾向があるので、シート状コネクターにおいては、サイズの小さい表面電極部分91および裏面電極部分9を有する導電部90が、小さい配置ピッチで形成されることが要求される。
【0012】
(2)シート状コネクターの導電部90の表面電極部分91を、回路装置の被検査電極に対して確実に接触させて良好な接続状態を得るためには、当該シート状コネクター全体が柔軟なものであることが肝要である。
然るに、導電部90の配置ピッチが小さいシート状コネクターにおいては、隣接する表面電極部分91同士および隣接する裏面電極部分9同士が相互に干渉するため、十分な柔軟性が得られ難く、その結果、回路装置に対する良好な電気的接続状態が得られない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、本発明の第1の目的は、温度変化に対して、回路基板の電極位置と異方導電性積層体の導電部との位置ずれがなく、確実な電気的導通がとれる異方導電性積層体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、接続すべき電極の配置ピッチが極めて小さく、しかも、当該シートの厚みが大きいものであるときにも、所要の電気的接続を確実に達成することのできる異方導電性積層体を提供することにある。さらに、簡単な工程により製造することができて高い生産性が得られる異方導電性積層体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明の異方導電性積層体は厚さ方向に磁性体材料を含有した短絡路を有する柔軟性多孔質材料よりなる絶縁層と、
前記絶縁層の一方の面に配置されるとともに、厚み方向に配向された導電性磁性体材料よりなる導電路が形成された絶縁体層と、
前記絶縁層の他方の面に配置されるとともに、厚み方向に配向された導電性磁性体材料からなる導電路が形成された絶縁体層と、から構成され、
前記絶縁層の短絡路と、前記一方の面に配置された絶縁体層と、前記他方の面に配置された絶縁体層の導電路とが電気的に導通していることを特徴としている
ここで、本発明は、前記絶縁体層中の前記導電路が弾性体であることが好ましい
また、本発明に係る異方導電性積層体の製法は、厚さ方向に短絡路を有する柔軟性多孔質材料よりなる絶縁層の一方の面および他方の面に、それぞれ厚み方向に導電性磁性体材料が配向されてなる導電路を有する絶縁体層を積層することを特徴としている。
さらに、本発明は、厚さ方向に磁性体材料を含有した短絡路を有する柔軟性多孔質材料 よりなる絶縁層の厚さ方向の両面に、それぞれ導電性磁性体材料を含有した絶縁体層形成用材料を塗布することにより、前記絶縁性の両面に導電性磁性体材料を備えた予備積層体を形成するとともに、
前記予備成形体を、導電路となる部分が磁性体で形成され、かつ導電路以外の部分が非磁性体で形成された一対の金型内に収容し、さらにこの一対の金型を一対の電磁石間に配置して、厚み方向に平行磁場を作用させることにより、前記絶縁体層形成用材料中に分散されていた前記導電性磁性体材料を磁力線の集中する部分に集合させ、これにより導電路を形成することを特徴としている。
【0015】
【作用】
絶縁体層の表面電極部分および裏面電極部分は、この絶縁体層を構成する多孔質材料中の導電性磁性体材料の軸状部分で連結されているため、表面電極部分および裏面電極部分の外径が大きくなくても、この導電部が、絶縁体層を構成する絶縁性シートから脱落することがなく、その結果、絶縁体層に、微小な表面電極部分および裏面電極部分を有する導電部を小さい配置ピッチで具備させることができる。
絶縁層あるいは絶縁体層を構成する多孔質材料は、柔軟性が極めて高いものであるため、小さい配置ピッチで導電部が形成されていても、隣接する表面電極部分同士および隣接する裏面電極部分同士が相互に干渉することが少なく、その結果、小さい配置ピッチで電極が形成された回路装置に対しても良好な電気的接続状態が確実に達成される。
短絡分の形成において、絶縁性シートに貫通孔を形成することが不要となり、表面電極部分、裏面電極部分および短絡部分は、基本的にメッキ処理工程のみによって形成することができるので、簡単な工程により製造することができて高い生産性が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の異方導電性積層体は、厚さ方向に電気的に導通する金属材料からなる短絡を設け絶縁層と、該絶縁層の両面に配置され、厚さ方向に電気的に導通する導電部を設けた第1、第2の絶縁体層と、の3層構造の異方導電性積層体である。
【0017】
図1は、本発明の異方導電性積層体の一例における要部の構成を示す説明用断面図である。
この異方導電性積層体10は、柔軟性多孔質材料よりなる絶縁層20と、該絶縁層20の一方の面および他方の面に配された絶縁体層40、40との3層構造の積層体であり、
両面の各絶縁体層40、40には、厚み方向に磁性体材料が配向してなる導電路が形成されている。
この異方導電性積層体10の絶縁層には、特定のパターンに従って厚み方向に貫通して伸びる多数の短絡路21が形成されている。この絶縁層20は、多孔質材料からなっており、上記短絡路21は接続すべき電極のパターン、例えば被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って、当該絶縁層20の厚み方向複数個形成されている。
短絡路21の各々は、必要に応じて絶縁層20の表面に露出する表面電極部分22と、絶縁層20の裏面に露出する裏面電極部分23とを有していてもよい。これら表面電極部分22および裏面電極部分23は、絶縁層20を構成する多孔質材料の多数の孔を介して形成された軸状部分と一体に連結されている。
【0018】
短絡路21は、金属などの磁性体材料により構成されており、短絡路形成材料の全部が磁性体材料であってもよく、またその一部が磁性体材料であってもよい。例えば図2に示されるように、短絡路の一部が金、銀、銅などの良導体の柱や、配線であってもよい。一方の磁性体材料は、短絡路の全部を形成していてもよく、一部を形成していてもよいが、絶縁層20の弾性体層(図1における符合40に相当)側の表面付近に配置されていることが好ましい。
【0019】
短絡路21を構成する材料としては、ニッケル、銅、金、銀、パラジウムなどの金属材料を用いることができるが、強度の高い電極が得られる点で、ニッケルを用いることが好ましい。
また、電極部分の酸化が防止されると共に、接触抵抗の小さい電極部分が得られる点で、短絡路21の電極に当たる部分の表面に、金、銀、パラジウムなどの金属被膜が形成されていることが好ましい。
また、図6および図7に示したように、表面電極部分22および裏面電極部分23の厚みは、電極径や配置ピッチによって異なるが、通常、表面電極部分2の厚みは10〜100μmであり、裏面電極部分2の厚みは5〜40μmである。表面電極部分22および裏面電極部分23を設ける場合、絶縁層の表面と同一表面でもよく、窪んでいてもよく、また突出していてもよい。突出している場合、その突出高さは、上記電極部分の厚み程度が好ましい。
【0020】
絶縁層20は、多孔性でかつ絶縁性を有する弾性高分子物質あるいは硬質の高分子物質(樹脂)により構成されている。かかる弾性高分子物質を得るために用いることのできる高分子物質形成材料としては、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
また、硬質の高分子物質(樹脂)としては、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド就中芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリオキシメチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の熱可塑性樹脂などが用いられる。
これらの中では、硬質の高分子物質(樹脂)が好ましく、さらに耐熱性、寸法安定性の点で熱硬化性樹脂が好ましく、特にポリイミド樹脂が好ましい。
【0021】
絶縁層20を形成するための基材は、多数の連続気孔等を有する多孔質材料であり、材料の一方の面から他方の面に延びる経路を有することが好ましい。
多孔質材料の形状としては、高分子等のシート中に多数の連続気泡を有するものやメッシュ状のものでもよく、また繊維状物質の織布、編地や不織布状のものなどが挙げられる。例えば、ナイロン、アラミド、ガラス繊維、ポリエステル布帛、ポリエステルなどの繊維状物質の織物又は不織布などが挙げられる。また、この部材は、多孔質ポリオレフィンのような可撓性のある多孔質ポリマー材料又は膜でもよく、例えば、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、延伸膨張ポリプロピレン、多孔質フルオロポリマー、又は開放連続気孔の多孔質ポリウレタンが挙げられる。
【0022】
多孔質フルオロポリマーには、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、多孔質延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリテトラフルオロエチレンとポリエステル又はポリスチレンの多孔質コポリマー、テトラフルオロエチレンのコポリマーとフッ化エチレンプロピレンのコポリマー(FEP)又はC1 〜C4 のアルコキシ基を有するペルフルオロアルコキシ- テトラフルオロエチレンのコポリマー(PFA)が挙げられる。
なお、絶縁層の一部には金属やセラミックスなどの無機材料を使用してもよい。
【0023】
異方導電性積層体10の厚さは、実用的に好ましくは0.001〜5mm、より好ましくは0.01〜3mm、さらに好ましくは0.02〜2mm、特に好ましくは0.05〜1mm程度の厚みで用いられる。
異方導電性積層体10の絶縁層20として合成繊維よりなるメッシュを用いる場合には、繊維径が15〜100μm、メッシュ開口径が20〜200μmのものが好ましく、絶縁性シート10としてメンブレンフィルターを用いる場合には、メッシュ開口径が1〜5μmのものを用いることが好ましい。
【0024】
図1に示すように、本発明の異方導電性積層体は、上記絶縁層20の両面に、上記短絡路21に対応した位置に厚さ方向に電気的に導通した導電路41を有する絶縁体層40が設けられている。
導電41は、弾性高分子物質E中に導電性材料Pが含有されて構成され、好ましくは弾性高分子物質E中に導電性材料Pが厚み方向に並んだ状態に配向されており、この導電性材料Pにより、当該絶縁体層40の厚み方向に電気的に導通する導電路41が形成される。
この導電路41は、厚み方向に加圧されて圧縮されたときに抵抗値が減少して電気的に導通した導電路が形成される加圧導電路素子とすることもできる。また、絶縁体層40の導電路41は、絶縁体層40の上記短絡路21に対応する部分の全領域にわたって形成されていることが好ましいが、その一部の領域例えば中央領域のみに形成されてもよい。
【0025】
導電路41を除く絶縁体層40は、種々の材料で製造することができる。例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性高分子物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のほか、金属やセラミックスなどの無機材料を用いることもできる。
導電路41を含む絶縁体層40は、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性材料が分散されてなる流動性の導電部成形用材料が硬化処理されることにより形成されるのが好ましい。かかる高分子物質形成材料は、導電路41が形成された部分と、導電路41が形成されていない部分とが同質のものであることが好ましい。
導電路41が形成された部分、および導電路41が形成されていない部分の絶縁体層40の成形用材料に用いられる高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
以上において、得られる異方導電性シートに耐候性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0026】
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0027】
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
【0028】
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる導電部の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0029】
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる導電路の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基
含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
【0030】
導電路41が形成される部分の導電路形成用材料中には、上記のような高分子物質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0031】
導電路41が形成される部分の導電路形成用材料に用いられる導電性材料としては、後述する方法により当該粒子を容易に配向させることができる観点から、導電性磁性体材料を用いることが好ましい。この導電性磁性体材料の具体例としては、鉄、コバルト、ニッケルなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する材料、またはこれらの材料を芯物質とし、当該芯物質の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属をメッキなどの方法によって被覆したもの、あるいは非磁性金属材料若しくはガラスビーズなどの無機物質材料またはポリマー粒子などを芯物質とし、当該芯物質の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体をメッキなどの方法により被覆したもの、あるいは芯物質に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケルもしくは鉄を芯物質とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属をメッキなどの方法により被覆したものを用いることが好ましく、特に、金が被覆されているものが好ましい。
芯物質の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば化学メッキまたは無電解メッキにより行うことができる。
【0032】
導電性物質として、芯物質の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、芯物質表面における導電性金属の被覆率(芯物質の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯物質の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは3.5〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯物質の3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3.5〜15重量%、さらに好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは4.5〜10重量%である。また、被覆される導電性金属が銀である場合には、その被覆量は、芯物質の3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましくは5〜23重量%、特に好ましくは6〜20重量%である。更に、被覆される導電性金属として金と銀の両方を用いる場合には、金の被覆量は、芯物質の0.1〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%であり、銀の被覆量は、芯物質の3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
【0033】
また、導電性粒子の形状は、特に限定されるものではないが、その長径に対する短径の比(アスペクト比)が、1〜1000であることが好ましく、さらに好ましくは1〜500、特に好ましくは1〜300である。その形状としては、粒子状、球状、ウイスカー状、棒状、繊維状などが挙げられる。これらの中では粒子状、球状、ウイスカー状、棒状が好ましい。特に、高分子物質用材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、粒子状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
また、導電性物質の大きさは、その短径が1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは2〜500μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜200μmである。
また、導電性物質の大きさの分布は、その長径を基準にして、長さ平均径に対する重量平均径の比(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。
このような条件を満足する導電性物質を用いることにより、得られる導電路41は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該導電路41において導電性物質間に十分な電気的接触が得られる。
【0034】
また、導電性物質の含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性物質を用いることにより、後述する製造方法において、導電路形成用材料層を硬化処理する際に、当該導電路形成用材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0035】
また、導電性物質の表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性物質の表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性物質と弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる導電路41は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性物質の導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性物質表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯物質の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
【0036】
このような導電性物質は、高分子物質用材料に対して体積分率で30〜60%、好ましくは35〜50%となる割合で用いられることが好ましい。この割合が30%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電路が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる導電路は脆弱なものとなりやすく、導電路として必要な弾性が得られないことがある。
【0037】
導電路形成用材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、当該導電路形成用材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性物質の分散安定性が向上すると共に、硬化処理されて得られる導電路の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後述する製造方法において、磁場による導電性物質の配向を十分に達成することができなくなる。
また、導電路形成用材料の粘度は、温度25℃において100000〜1000000cpの範囲内であることが好ましい。
そして、以上のような導電路形成用材料が硬化処理されることにより、導電路41が形成される。
【0038】
このような異方導電性積層体10は、例えば次のようにして回路基板の検査に使用される。
回路基板の検査においては、図3に示すように、被検査回路基板1の被検査電極2と対掌なパターンに従って配置された接続用電極4を表面に有し、接続用電極4に電気的に接続された、例えば格子点配列に従って配置された端子電極5を裏面に有する検査用回路基板3が用いられる。そして、この検査用回路基板3の表面上に、異方導電性積層体10導電路41の他端が接続用電極4上配置され、この異方導電性積層体10上に、被検査回路基板1が、その被検査電極2が当該異方導電性積層体10の導電路41上配置される。
被検査回路基板1としては、フリップチップ等のベアチップLSI,BGA等のパッケージLSI,MCM等の複数の半導体素子が搭載されたモジュール基板、回路基板等が好ましく使用される。
【0039】
そして、例えば検査用回路基板3を被検査回路基板1に接近する方向に移動させることにより、異方導電性積層体10が被検査回路基板1と検査用回路基板3とにより加圧された状態となり、この加圧力により、異方導電性積層体10の導電路41にその厚み方向に伸びる導電路が形成され、その結果、被検査回路基板1の被検査電極2と検査用回路基板3の接続用電極4との間の電気的接続が達成され、この状態で所要の検査が行われる。
【0040】
上記の構成の異方導電性積層体10によれば、絶縁層20に形成された多数の短絡21に対応して絶縁体層40の導電路41が一体的に形成されているので、異方導電性積層体10の熱膨張係数は、絶縁層20もしくは絶縁体層40の材質に依存している。
従って、例えば絶縁層20もしくは絶縁体層40の構成材料として熱膨張係数の小さい材料、特に硬質の樹脂、就中ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂を用いると異方導電性積層体10の熱膨張係数を小さく抑えることができ、これと接続される被検査回路基板や半導体素子等、ガラス繊維含有エポキシ樹脂や銅などの金属板やシリコンなどとの熱膨張係数が近づき、温度変化により両者の電極位置にずれがなく、確実な電気的導通が確保できる。
【0041】
また、上記の構成の異方導電性積層体10によれば、絶縁層20に形成された多数の短絡21に対応して絶縁体層40の導電路41が一体的に形成されるため、当該絶縁層20の短絡路21を、被検査基板1の被検査電極パターンに対応して形成すれば、それに応じて絶縁体層40の導電路41の配置パターンが決定される。そして、絶縁層20の短絡路21の形成は、そのピッチが極めて小さくても容易に行うことができる。
従って、被検査基板1の被検査電極2の配置ピッチが極めて小さいときにも、絶縁層20に被検査基板1の被検査電極2の配置パターンに対応するパターンの短絡路21を形成することにより、当該被検査基板1の被検査電極2の配置パターンに対応するパターンに従って導電路41が形成され、しかも、導電路41の各々は、絶縁層20の短絡路21に配置された磁性体に直結もしくは近接した状態で、磁性体からなる導電性粒子を磁場で配向させる場合、短絡路21自体が磁極(磁石)になるため、強力な磁力線が短絡路21部分に集中して形成され、その磁力線に沿って導電粒子が集中的に配向し、短絡21と電気的に導通した導電路41が絶縁体層40中に形成される。このため、配置ピッチが極めて小さい被検査電極2を有する被検査基板1に対しても、所要の電気的接続を確実に達成することができる。
【0042】
なお、絶縁体層40の導電路41には、被検査基板1に接触する一面を覆うように、金、銀、銅等の金属などの導電性材料が被覆もしくは配置されていてもよい。このようにすることにより、絶縁体層40および導電路41を構成する弾性高分子物質中に含有される低分子量成分により、被検査基板1および被検査電極2の表面が汚染されることを防止することができる。
【0043】
次に、本発明の異方導電性積層体の製造方法について説明する。本発明の異方導電性積層体は、例えば次のような方法で製造することができる。
(1) 厚さ方向に短絡路を有する柔軟性多孔質材料よりなる絶縁層と、厚み方向に磁性体物質が配列してなる導電路を有する絶縁体層とを別々に製造し、これらを熱圧着や接着剤等で積層する
(2) 厚さ方向に短絡路を有する柔軟性多孔質材料よりなる絶縁層に、厚み方向に磁性体物質が配列してなる導電路を有する絶縁体層を一体的に製造する
上記の方法の中では、(2)の方法が、短絡路と導電路のズレや導電路と電極とのズレが無く、また電極間隔が微細なものに対しても導電路を正確に形成でき、積層体を効率よく製造できる点で好ましい。
【0044】
その好ましい製造方法としては、例えば次のような程で上記のような異方導電性積層体を製造することができる。
(1)それぞれ厚み方向に電気的に導通し、かつ磁性体材料を含有した多数の短絡が形成された、柔軟性多孔質材料からなる絶縁性シー(絶縁層)を作製する第1工程。
(2)この絶縁性シーの一面に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性物質が分散されてなる流動性の絶縁体層形成用材料を塗布する第2程。
(3)当該絶縁性シーに塗布した絶縁層形成用材料において、その中に充填された導電性物質で導電路を形成する第3程。
(4)絶縁体層形成用材料層および導電路の硬化処理を行うことにより、当該絶縁性シートと一体的に設けられ、かつ厚さ方向に電気的に導通した導電路を有する絶縁体層を形成する第4工程。なお、第3工程と第4工程は、同時に並行して実施してもよい。
【0045】
以下、図1に示す構成の異方導電性積層体10を製造する場合について説明する。
〔第1工程〕
この第1工程は、図4〜図6に示すように、絶縁性樹脂シートから、それぞれ厚み方向に電気的に導通し、かつ磁性体材料を含有する多数の短絡路21が形成された、柔軟性多孔質材料からなる絶縁層20を作製する工程である。厚み方向に短絡路21を有する絶縁層20を作製する方法としては、例えば次のような(a)〜(d)の方法が挙げられる。
【0046】
(a)
たとえば図4に示すように、柔軟性多孔質材料からなる絶縁性樹脂シート20を用意し、この絶縁性樹脂シート20の上に、電極パターンに穴の開いたマスクシート50を重ね合わせ、その上から磁性体材料もしくは磁性体材料と導電性材料を、マスクシート50の開口部51を通して縁性樹脂シート20中に押し込む。
この押し込む方法としては、機械的な圧入もしくは吸引、磁力による圧入もしくは引込みなどの方法が挙げられる。
あるいは、上記マスクシート50を重ね合わせた上から、スパッタリングなどの方法で押し込んでもよい。なお、絶縁性樹脂シート20中の短絡路21を構成する磁性体材料は、短絡路21の全域に配置してもよく、その一部に配置してもよいが、少なくとも絶縁体層40が形成される側の表面付近に配置することが好ましい。かかる形態としては、例えば図2に示されるように、短絡路21の一部に金、銀、銅などの良導体で導電経路を設けたり、短絡路21の内面を良導体で被覆してもよい。また、短絡の一部を良導体の配線(図2における右から2番目の符合7)で繋ぎ電気的導通をとってもよい。
【0047】
(b)
多孔質の絶縁性シートを用意し、該絶縁性シートにおける導電路を形成すべき部分(以下、「導電路形成部分」という)に、無電解ニッケルメッキ処理のためのパラジウム等によるアクセレーター処理を行う。
次いで、図5に示すように、絶縁性シート20の表面および裏面の各々に、フォトリソグラフィーの手法により、短絡形成部分11の位置に例えば円形のパターン孔14,15を有するレジスト層12,13を形成する。
そして、レジスト層12,13のパターン孔14,15によって露出された絶縁性シート20の短絡形成部分21に対して、メッキ処理を施すことにより、図6に示すように、レジスト層12のパターン孔14内にニッケルが堆積されて、例えば円板状の表面電極部分22が形成されると共に、レジスト層13のパターン孔15内にニッケルが堆積されて円板状の裏面電極部分23が形成され、一方、絶縁20の短絡形成部分1には、その多孔質材料の多数の孔内にニッケルが充填されて、表面電極部分22および裏面電極部分23の各々に一体に連結された短絡路21が形成される。
【0048】
なお、メッキ処理としては、無電解ニッケルメッキ、無電解鉄メッキ、コバルトや鉄やニッケルなどの磁性体金属によるメッキ、またはこれらの組み合わせ、あるいはこれらと金、銀、銅などの良導体金属のメッキ等との組み合わせなどが挙げられる。
更に、必要に応じて、絶縁性シート20の表面に形成された表面電極部分22に対して電解メッキ処理などにより金、銀、銅などの金属を堆積させることにより、突出した表面電極部分22を形成することもできる。さらに、メッキ処理などにより、表面電極部分22および裏面電極部分23上に、金、銀、パラジウムなどの金属被膜を形成することもできる。
そして、絶縁性シート20の表面および裏面からレジスト層12,13を剥離し、更に、塩化鉄溶液等の処理液によって、アクセレーター処理に使用したパラジウム等の除去処理を行い、例えば、図7、8に示す構成のシート状の絶20が得られる。
【0049】
(c)
また、上記シート状の絶縁層20の製造において、アクセレーター処理および無電解ニッケルメッキ処理を行わずに、絶縁性シートの表面に、例えばスパッタ法によりニッケル等よりなる金属薄膜を形成し、フォトリソグラフィーおよびニッケルなどの電解メッキ処理もしくは無電解メッキを行うことにより、絶縁層20の短絡形成部分21に、表面電極部分22、裏面電極部分23を備えた短絡21を形成し、その後、エッチング処理によって、不要な金属薄膜を除去する
【0050】
(d)
柔軟性多孔質材料に、紫外線等の放射線で金属を析出する感放射線材料を塗布もしくは含浸し、導電路形成部分に放射線を照射し、金属を析出させる。
この感放射線材料は、放射線の照射により導電性の金属を析出するものでもよいし、磁性体を析出するものでもよく、また非導電性の金属核に転化され、これが無電解金属堆積溶液から導電性金属の堆積を促進させる作用をするものでもよい。放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線、近紫外線、近赤外線、レーザー光線、X線などが挙げられ、なかでも紫外線やレーザー光線が好ましい。
導電路形成部分に放射線を照射する方法としては、パターン化された画像を投影する方法、パターン化されたマスクの上から放射線を照射する方法、放射線ビームをスキャンする方法などが挙げられる。
【0051】
感放射線材料としては、酸化や還元で金属を析出する金属塩などの金属化合物、感光性還元剤などの感放射線化合物、さらに必要に応じてハロゲン化物イオン源や第2還元剤や界面活性剤を含む。金属化合物としては、例えば酢酸銅、ギ酸銅、臭化銅、硫酸銅、塩化銅、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、臭化ニッケル、第1鉄含有化合物の例えば硫酸第1鉄、塩化第1鉄、貴金属の例えばパラジウム、白金、銀、金、及びロジウムなどが挙げられる。
感放射線化合物として、感光性還元剤としては、例えば芳香族ジアゾ化合物、鉄塩の例えばシュウ酸第1又は第2鉄、硫酸アンモニウム第2鉄、二クロム酸塩の例えば二クロム酸アンモニウム、アントラキノンジスルホン酸又はその塩、グリシン(特に湿り表面条件下で活性なもの)、L-アスコルビン酸、アジ化物など、及び金属促進剤の例えば塩化第1錫のような錫化合物、又は銀、パラジウム、金、水銀、コバルト、ニッケル、亜鉛、鉄などの化合物が挙げられる。放射線により析出した金属が磁性体の場合には、必要に応じてさらに良導体金属あるいは磁性体金属もしくは良導体金属と磁性体金属を、メッキ処理などの方法により短絡路形成部に付着させてもよい。また、放射線により析出した金属が良導体金属の場合には、必要に応じてさらに磁性体金属もしくは良導体金属と磁性体金属を、メッキなどにより短絡路形成部に付着させてもよい。
また、放射線により非導電性の金属核に転化され、これが無電解金属メッキ溶液から導電性金属の堆積を促進させる作用をするものである場合は、磁性体金属もしくは良導体金属と磁性体金属を、メッキなどにより短絡路形成部に付着させることができる。
【0052】
以上の第工程において、多孔質材料は伸縮や歪みや波打ちなどにより寸法安定性や平滑性が劣る場合があるので、これを改善するためには図25に示したように、開口を有する剛性のフレーム25を用意し、このフレーム25の開口に、多孔質材料よりなる絶縁体20の周縁部を固定する方法が好ましい。このようなフレーム25を設けることにより、電気的接続作業において、良好な取扱い性が得られる。また、フレーム25の材質を選択することにより、異方導電性積層体10の熱膨張率を制御することができる。
また、絶縁20の周縁に固定されたフレーム25には、当該フレーム25に、位置決め用のガイド孔26を形成することができ、これにより微細なパターンの電極配置に対しても、正確な位置合わせができる。
ここで、フレーム25を構成する材料としては、ステンレス、銅合金、コバール、インバールなどの金属材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、アラミド繊維補強型樹脂、ポリイミドなどの樹脂材料やセラミックスを用いることができ、このような材料よりなる板状体に開口を形成することにより、フレームが得られる。
【0053】
また、フレーム25ガイド孔26を形成する手段としては、フレーム25を構成する材料として金属材料を用いる場合には、エッチング加工、レーザー加工、打抜き装置やルーター等による機械加工などの手段を利用することができ、フレーム25を構成する材料として樹脂材料を用いる場合には、ドリル装置や打抜き装置等による機械加工、レーザー加工などの手段を利用することができる。また、絶縁層20の周縁部を、フレーム25に固定する手段としては、エポキシ樹脂系接着剤、アルファシアノアクリレート系接着剤などの接着剤によって固定する手段を利用することができる。
【0054】
〔第2工程〕
この第2工程は、図9に示すように、上記絶縁性シート20の少なくとも一面に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性材料が分散されてなる流動性の導電路形成用材料を塗布し、絶縁体層形成用材料層40Aを積層する程である。
具体的には、図9に示すように、絶縁性シート(絶縁層)20の面に、前述の絶縁体層形成用材料40Aを塗布することにより、絶縁体層および導電路を構成する層を積層する。その後、必要に応じて、絶縁性シート20の他面や周辺部に付着した導電路成形用材料をスキージなどにより除去してもよい。なお、絶縁性の表面への導電路形成用材料の塗布は、絶縁性シート20の全面でもよく、部分的でもよい。例えば、絶縁性シート20の短絡路が存在する周辺のみ塗布してもよい。
以上において、導電路形成用材料を塗布する手段としては、ロール塗布、ブレード塗布、スクリーン印刷などの印刷による手段などを用いることができる。
【0055】
また、この第2工程においては、例えば1×10-3atm以下、好ましくは1×10-4〜1×10-5atmに減圧された雰囲気下において、絶縁性シー20の表面に導電路形成用材料を塗布した後、雰囲気圧を上昇させて例えば常圧にすることにより、弾性体層および導電路に気泡が生ずることを防止することができる。
【0056】
〔第3工程〕
この第3工程は、図10に示すように、上記絶縁層20を得るための絶縁性シート20に塗布した導電路形成用材料において、その中に充填された導電性材料で導電路41を形成する行程である。
具体的には、図10に示すように、上記絶縁性シート20に導電路形成用材料を塗布した積層体を、導電路の位置が磁性体47で、導電路以外の部分(絶縁体部分)を非磁性体48で構成された金型内に入れ。次に、これらを一対の電磁石45,46の間に配置し、この電磁石45,46を作動させることにより、絶縁体層形成用材料層40Aの厚み方向に平行磁場が作用し、特に導電路形成部分に磁力線が集中し、その結果、絶縁体層成形用材料層40A中に分散されていた導電性材料が当該磁力線が集中した部分に集合し、かつ絶縁体層成形用材料層40Aの厚み方向に配向し、導電路41を形成する。
絶縁体層形成用材料層40Aに作用される平行磁場の強度は、平均で200〜10000ガウスとなる大きさが好ましい。
【0057】
〔第4工程〕
この第4工程は、図10に示すように、上記第3行程で絶縁性シーに塗布した導電路形成用材料中に導電性材料で導電路を形成した積層体において、導電路形成用材料層の硬化処理を行うことにより、当該絶縁性シーと一体的に設けられ、かつ厚さ方向に電気的に導通した導電路を有する絶縁体層を形成する工程である。
【0058】
以上の第4工程において、絶縁体層形成用材料層40Aの硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で第3工程と同時に行うこともできるが、平行磁場の作用を停止させた後に行うこともできる。絶縁体層形成用材料層40Aの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。加熱により絶縁体層形成用材料層40Aの硬化処理を行う場合には、電磁石45,46にヒーターを設ければよい。具体的な加熱温度および加熱時間は、絶縁体層形成用材料層40Aを構成する高分子物質形成材料などの種類、導電性材料の移動に要する時間などを考慮して適宜選定される。
そして、以上の第4工程が終了した後、金型から積層体を取り出すことにより、図1に示す構成の異方導電性積層体10が製造される。
【0059】
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明においては、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。例えば、他の製造方法として、前記第2工程以降を次のようにして積層体を製造することができる。
【0060】
まず、図11に示すように、第1工程で製造した絶縁層20の上に、絶縁体層30を形成する。この工程では、絶縁体層30は、例えば絶縁層20の表面に、高分子物質形成材料を塗布し、これを硬化することにより形成することができる。あるいは、高分子材料を塗布する代わりに、高分子物質などからなる絶縁体シートを接着あるいは熱圧着などにより、絶縁層の表面に一体化させて形成してもよい。 かかる絶縁体シートは、ゴムやエラストマーなどの弾性体が好ましいが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂材料でもよく、また一部が金属やセラミックスなどの無機材料で形成されていてもよい。また、弾性体や樹脂材料の中には、フィラーやガラス繊維、その他有機や無機の強化材料などが入ったものでもよい。
さらに、必要に応じて絶縁体層の上に、図11に示されるように剥離層70を設けてもよい。剥離層としては銅などが挙げられる。
【0061】
ついで、図12に示すように、絶縁体層30において、前記第1工程で形成した短絡路に対応する位置に貫通孔34を形成する。貫通孔34を形成する手段としては、レーザー加工、ドリルによる機械的加工、フォトリソグラフィーおよびエッチングによるフォトリソグラフィー加工などを利用することができる。これらの中では、簡易な方法で微細、高密度かつ高アスペクトの貫通孔を形成できる点で、レーザー加工による手段が好ましい。
ついで、図13〜15に示すように硬化されて弾性高分子物質になる流動性物質中に、導電性磁性体材料を分散したペースト状の導電路形成用材料を、上記工程で形成された貫通孔内に充填する。
【0062】
導電路形成用材料を貫通孔に充填するには、まず導電路形成用材料を絶縁体層の上に塗布する。導電路形成用材料を塗布する手段としては、ロール塗布、ブレード塗布などの手段を用いることができる。
塗布された導電路形成用材料を貫通孔に確実に充填するためには、塗布を真空もしくは減圧状態で行いしかる後に常圧にするか、貫通孔に充填された導電路形成用材料には磁性体材料が含有されているので、図14に示すように磁石を用いて磁気引力により貫通孔内に引き込む方法、あるいはこれらの組み合わせが好ましい。上記減圧もしくは真空にすることにより、充填された導電路形成用材料中に気泡が生ずることを防止することもできる。ついで、弾性体層の表面に残留した導電路形成材料をスキージなどにより除去することができる。
【0063】
これらの工程により、図15に示されるように、積層体の絶縁体層に形成された貫通孔に導電路形成用材料の充填部が形成される。ついで、絶縁体層の厚さ方向に磁場を形成することにより、貫通孔内に充填された導電路形成用材料中の導電性磁性体材料を前記厚さ方向に配向させる。具体的には、図16に示すように上記工程で製造した貫通孔に導電路形成用材料が充填された積層体を、一対の磁石(電磁石)の間に配置し、磁石を作動させて積層体の厚さ方向に平行な磁場を形成する。このとき、導電部形成用材料の充填部に作用させる平行磁場の強度は、平均で200〜20,000ガウスとなる大きさが好ましい。前記工程において、前記導電性磁性体材料の磁場配向とともに、あるいはそれに引き続いて、導電路形成用材料の流動性物質を硬化させることにより絶縁体層を形成することができる。導電路形成用材料の硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常加熱処理によって行われる。加熱によって導電路形成材料の硬化を行う場合には、例えば磁石にヒーターを設ければよい。
以上の工程により、例えば図1に示す構成の異方導電性積層体を製造することができる。
【0064】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明においては、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図17に示すように、導電路41を絶縁体層40の表面より突出したり、窪ましたりすることもできる。
【0065】
また、図18に示すように、導電路41上に好ましくは良導体の金属よりなる突出部42を設けることができる。このような突出部42を設ける場合には、突出部42の厚みは、特に制限はないが10〜500μmであることが好ましく、さらに好ましくは20〜300μmである。
このような構成によれば、導電路41の一端面上に金属層42が設けられているので、被検査回路基板1の被検査電極2と導電部41との電気的接続を更に確実に達成することができる。
また、導電路41を構成する弾性高分子物質中に含有される低分子量成分などによって検査用回路基板3の接続用電極4の表面が汚染されることを防止することができる。
また、図19に示すように、絶縁20の短絡路21の上に、良導体金属などの金属層43を設けることができる。このような構成によれば、短絡路と導電路との電気的導通性をさらに良好にできる。
【0066】
本発明の異方導電性積層体は、回路基板等の電極同士を接続したり、回路基板や電子装置などの回路装置の電気的特性検査のコネクターなどに好適に使用できる。また、ICやウエハーなどの電子装置の回路のコネクターなどにも使用できる。
例えば回路装置の電気的検査においては、検査治具の表面に、導電路41もしくはその表面に設けた電極部分が当該検査治具の接続電極上に位置するよう固定配置され、異方導電性積層体10の反対側の導電路41もしくはその表面に設けた電極部分を検査対象である回路装置の被検査電極に接触させることにより、回路装置の被検査電極と検査治具の接続電極との電気的接続が達成され、この状態で、回路装置の所要の電気的検査が行われる。
また、図18に示すように弾性高分子の絶縁層40が片側のみに形成された場合は、弾性高分子の絶縁層40の面、もしくは絶縁シート20の面のいずれの面を検査対象物の被検査電極に接触させてもよく、被検査電極の形状、材質によって電気的接触が安定する方向を選択することができる。
【0067】
上記の異方導電性積層体10によれば、短絡21は、絶縁層20を構成する多孔質材料の多数の孔を介して形成されているため、当該短絡21が絶縁層(絶縁性シート)20から脱落することがなく、さらに絶縁層20に微小な短絡路21を小さい配置ピッチで形成することができる。
しかも、メッシュまたはメンブレンフィルターなどの多孔質材料は、柔軟性が極めて高いものであるため、小さい配置ピッチで短絡路21が形成されていても、短絡21同士が相互に干渉することが少ない。従って、小さい配置ピッチで被検査電極が形成された回路装置に対しても良好な電気的接続状態が確実に達成される。
【0068】
また、絶縁層20における短絡路21は、絶縁層20を構成する多孔質材料の多数の孔を利用して形成されるため、当該絶縁層20に、短絡路21を配置するための貫通孔を形成することが不要となり、短絡路21は、例えば基本的にメッキ処理工程のみによって形成することができるので、簡単な工程により製造することができて高い生産性が得られる。
【0069】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
図1に示す構成に従い、多数の被検査電極が形成された回路基板を検査するための異方導電性積層体10を下記のようにして製造した。
〔絶縁体層形成用材料の調製〕
付加型シリコーンゴム「1206RTV(信越化学(株)製)」に、下記の導電性材料を体積分率で33%となる割合で添加して混合することにより、絶縁体層形成用材料を調製した。
導電性材料(導電性粒子):平均粒子径10μmのニッケル粒子を芯粒子として用い、この芯粒子に、その重量の4重量%の金を化学メッキにより被覆したもの。
また、上記の絶縁体層形成用材料の調製においては、硬化触媒として「Cat−RQ(信越化学(株)製)を、付加型シリコーンゴムの4重量%となる割合で使用した。
【0070】
〔第1工程〕
(b)ポリイミド繊維のメッシュシートからなる絶縁性シートを用い、絶縁性シートにおける短絡路を形成すべき部分(以下、「短絡路形成部分」という)に、無電解ニッケルメッキ処理のためのパラジウムによるアクセレーター処理を行う。
次いで、図5に示すように、絶縁性シート20の表面および裏面の各々に、フォトリソグラフィーの手法により、短絡路形成部分11の位置にパターン孔14,15を有するレジスト層12,13を形成する。
そして、レジスト層12,13のパターン孔14,15によって露出された絶縁性シート20の短絡路形成部分11に対して、ニッケルメッキ処理を施すことにより、図6に示すように、レジスト層12のパターン孔14内にニッケルが堆積されて円板状の表面電極基部分22が形成されると共に、レジスト層13のパターン孔15内にニッケルが堆積されて円板状の裏面電極部分23が形成された。一方、絶縁性シート20の短絡路形成部分21には、その多孔質材料の多数の孔内にニッケルが充填されて、表面電極部分22および裏面電極部分23の各々に一体に連結された短絡路21が形成された。
【0071】
そして、絶縁性シート20の表面および裏面からレジスト層12,13を剥離し、更に、塩化鉄溶液等の処理液によって、アクセレーター処理に使用したパラジウム等の除去処理を行い、図7に示す構成の絶縁性シー(絶縁層)20が得られた。
【0072】
〔第2工程〕
上記絶縁性シー20の両面に、調製した絶縁体層形成用材料をスクリーン印刷により塗布することにより、絶縁性シーの短絡路21の各々を覆うように絶縁体層形成用材料層40Aを形成した積層体を得た。(図9参照)。
【0073】
〔第3工程〕〔第4工程〕
図9および図10に示すように、上記絶縁性シー20に絶縁体層形成用材料40Aを塗布した積層体を、導電路の位置が磁性体47で、導電路以外の部分(絶縁体部分)を非磁性体48で構成された金型内に入れた。
次に、この金型をヒーターを具えた一対の電磁石45,46の間に配置し、この電磁石45,46を作動させることにより、絶縁体層形成用材料層40Aの厚み方向に平均で5000ガウスの平行磁場が作用ながら、100℃で1時間の加熱処理を行うことにより、絶縁体層形成用材料層中に導電性粒子が絶縁体層成形用材料層40Aの厚み方向に配向し、かつ上記絶縁性シーの各短絡に対応した位置に導電路41が形成された(第3程)。
【0074】
また、この磁場による導電性粒子の配向の程において、同時に加熱処理することにより、絶縁体層形成用材料層および導電路を構成するシリコーンゴムを硬化し、絶縁体層40を形成した(第4程)。この結果、厚さ方向に電気的に導通した多数の導電路41を所定の位置に有する絶縁体層40が、上記絶縁性シー20と一体的に形成された積層体からなる図1に示す構成の異方導電性積層体10が製造された。
なお、得られた異方導電性積層体10の厚さは、300μmであった。
【0075】
〔回路基板の電気的特性検査〕
図3に示すように、以上の異方導電性積層体10を、被検査回路基板1と検査用回路基板3との間に介在させ、被検査回路基板1の被検査電極2と検査用回路基板3の接続用電極4との間の電気的接続状態を調べたところ、すべての被検査電極2および接続用電極4の間の電気的な接続が十分に達成されていることが確認された。
また、被検査回路基板1の検査を125℃の雰囲気中で行った結果、線膨張係数が2×10ー4/Kのシリコーンゴムの膨張が、線膨張係数が1.4×10ー5/Kのポリイミドフイルムの膨張に規制された。この結果、線膨張係数が1.5×10ー5/Kの被検査回路基板の検査電極2ならびに線膨張係数が1.5×10ー5/Kの検査用回路基板3の検査電極4に対する異方導電性シート10の導電部41との位置ずれが小さくなり、125℃の雰囲気中での導通検査が確実にできた。
【0076】
【発明の効果】
本発明の異方導電性積層体によれば、絶縁層に形成された多数の短絡路と、その短絡路のパターンに応じて絶縁体層の導電路の配置パターンが決定される。そして、絶縁層に短絡路を配置するための貫通孔を形成することが不要となり、短絡路は、例えば基本的にメッキ処理工程のみによって形成することができるので、簡単な工程により製造することができて高い生産性が得られる。
しかも、その短絡路の形成は、そのピッチが極めて小さくても容易に行うことができる。従って、接続すべき電極の配置ピッチが極めて小さいときにも、絶縁層に、接続すべき電極の配置パターンに対応するパターンの短絡路を形成することにより、当該電極の配置パターンに対応するパターンに従って絶縁体層の導電部が配置できる。しかも、短絡路および導電路の各々は、絶縁層および絶縁体層を構成する絶縁性材料(シリコーンゴム等)によって互いに絶縁された状態で設けられているので、配置ピッチが極めて小さい電極に対しても、所要の電気的接続を確実に達成することができ、コネクターとして極めて有用である。
【0077】
また、本発明の製造方法によれば、短絡路を有する絶縁層と、その短絡路に対応して厚さ方向に電気的に導通性の導電路を有する絶縁体層が形成でき、該導電路は絶縁層の短絡路と一体的に確実に形成されるので、本発明の異方導電性積層体を有利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の異方導電性積層体の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図2】 本発明の異方導電性積層体の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図3】 図1に示す異方導電性積層体が検査対象回路基板と検査用回路基板との間に介在された状態を示す説明用断面図である。
【図4】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図5】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図6】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図7】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である(絶縁層)。
【図8】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である(絶縁層)。
【図9】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図10】 図9の積層体の絶縁体層形成部分に平行磁場を作用させた状態を示す説明図である。
【図11】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図12】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図13】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図14】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図15】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図16】 異方導電性積層体を製造するための製造工程の説明図である。
【図17】 本発明の異方導電性積層体の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図18】 本発明の異方導電性積層体の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図19】 本発明の異方導電性積層体の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図20】 従来の異方導電性エラストマーシートを製造するため、金型の間に異方導電性エラストマーシート形成材料が配置された説明図である。
【図21】 異方導電性エラストマーシート形成材料層に平行磁場を作用させた状態を示す説明用断面図である。
【図22】 従来の異方導電性エラストマーシートの一例を示す説明図である。
【図23】 従来の異方導電性エラストマーシートの成形材料に作用される磁場の方向を示す説明用断面図である。
【図24】 本発明の異方導電性積層体の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図25】 本発明の異方導電性積層体の一例における構成を示す説明用断面図である。
【図26】 本発明の異方導電性積層体の一例における構成を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
1 被検査回路基板 2 被検査電極
3 検査用回路基板 4 接続用電極
5 端子電極 6 磁性体
7 良導体(金属) 8 磁性体材料(粒子)
10 異方導電性積層体 11 短絡路形成部分
12、13 レジスト層 14、15 パターン孔
20 絶縁層
21 短絡路
22 表面電極部分 23 裏面電極部分
25 フレーム 26 位置決め用ガイド孔
30 絶縁性シー 34 貫通孔
40 絶縁体層 40A 絶縁体層形成用材料層
41 導電路 42 金属層
43 金属層 44 スペーサー
45,46 電磁石
47 磁性体部 48 非磁性体部
50 マスクシート 51 マスクシートの開口部
70 剥離層
80 一方の型(上型) 83、88 電磁石
85 他方の型(下型) 81,81a,81b 強磁性部分
82 非磁性体部分 86,86a,86b 強磁性部分
87 非磁性体部分 90 異方導電性エラストマーシート
90A、38 異方導電性エラストマー
91 導電部 92 絶縁部
93 裏面電極部分
E 弾性高分子物質 P、36 導電性材料(導電性粒子)

Claims (4)

  1. 厚さ方向に一部あるいは全体に磁性体材料を含有した短絡路を有する柔軟性多孔質材料よりなる絶縁層と、
    前記絶縁層の一方の面に配置されるとともに、厚み方向に配向された柔軟性磁性体材料よりなる導電路が形成された絶縁体層と、
    前記絶縁層の他方の面に配置されるとともに、厚み方向に配向された柔軟性磁性体材料からなる導電路が形成された絶縁体層と、から構成され、
    前記一方の面に配置された絶縁体層の導電路は、前記絶縁層の前記短絡路に対応した位置に形成されたものであり、かつ、前記他方の面に配置された絶縁体層の導電路は、前記絶縁層の前記短絡路に対応した位置に形成されたものであり、
    前記絶縁層の磁性体材料を含有した短絡路と、前記一方の面に配置された絶縁体層の柔軟性磁性体材料からなる導電路と、前記他方の面に配置された絶縁体層の柔軟性磁性体材料からなる導電路とが電気的に導通していることを特徴とする異方導電性積層体。
  2. 前記絶縁体層中の前記導電路を含む部分が弾性体であることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性積層体。
  3. 厚さ方向に磁性体材料を含有した短絡路を有する柔軟性多孔質材料よりなる絶縁層の一方の面および他方の面に、それぞれ厚み方向に導電性磁性体材料が配向され、かつ前記短絡路に対応した位置に形成されてなる導電路を有する絶縁体層を積層することを特徴とする異方導電性積層体の製法。
  4. 厚さ方向に磁性体材料を含有した短絡路を有する柔軟性多孔質材料よりなる絶縁層の厚さ方向の両面に、それぞれ導電性磁性体材料を含有した絶縁体層形成用材料を塗布することにより、
    前記絶縁性の両面に導電性磁性体材料を備えた予備積層体を形成するとともに、
    前記予備成形体を、前記短絡路と対応して導電路となる部分が磁性体で形成され、かつ導電部以外の部分が非磁性体で形成された一対の金型内に収容し、さらにこの一対の金型を一対の電磁石間に配置して、厚み方向に平行磁場を作用させることにより、前記絶縁体層形成用材料中に分散されていた前記導電性磁性体材料を磁力線の集中する部分に集合させ、これにより前記短絡路に対応する位置に導電路を形成することを特徴とする異方導電性積層体の製法。
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