JP2006133084A - プローブカードおよびウエハ検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大面積で被検査電極のピッチが極めて小さいウエハでも、良好な電気的接続状態が確実に達成され、温度変化による被検査電極に対する位置ずれが確実に防止されて良好な電気的接続状態が安定に維持されるプローブカードおよびウエハ検査装置の提供。
【解決手段】 複数の開口を有する金属製のフレーム板の表面に、柔軟な絶縁膜に複数の電極構造体が配置されてなる複数の接点膜が開口を塞ぐよう配置されてなるシート状プローブと、複数の検査電極が表面に形成された検査用回路基板と、シート状プローブの周縁部を支持する支持ピンを有する複数の支持部材と、検査用回路基板とシート状プローブとの間に配置された、複数の開口を有するフレーム板に、複数の弾性異方導電膜がそれぞれ一の開口を塞ぐよう配置されてなる異方導電性コネクターとを具え、支持部材の各々における支持ピンが、シート状フローブの厚み方向に弾性的に変位可能に設けられている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ウエハに形成された複数の集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられるプローブカードおよびこのプローブカードを具えたウエハ検査装置に関する。
一般に、半導体集積回路装置の製造工程においては、例えばシリコンよりなるウエハに多数の集積回路を形成し、その後、これらの集積回路の各々について、基礎的な電気特性を検査することによって、欠陥を有する集積回路を選別するプローブ試験が行われる。次いで、このウエハをダイシングすることによって半導体チップが形成され、この半導体チップが適宜のパッケージ内に収納されて封止される。更に、パッケージ化された半導体集積回路装置の各々について、高温環境下において電気特性を検査することによって、潜在的欠陥を有する半導体集積回路装置を選別するバーンイン試験が行われる。
このようなプローブ試験またはバーンイン試験などの集積回路の電気的検査においては、検査対象物における被検査電極の各々をテスターに電気的に接続するために、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された検査用電極を有するプローブカードが用いられている。かかるプローブカードとしては、従来、ピンまたはブレードよりなる検査用電極(検査プローブ)が配列されてなるものが使用されている。
而して、ウエハに形成された集積回路に対して行われるプローブ試験においては、従来、ウエハを複数例えば16個の集積回路が形成された複数のエリアに分割し、このエリアに形成された全ての集積回路について一括してプローブ試験を行い、順次、その他のエリアに形成された集積回路について一括してプローブ試験を行う方法が採用されている。そして、近年、検査効率を向上させ、検査コストの低減化を図るために、より多数の集積回路について一括してプローブ試験を行うことが要請されている。
一方、バーンイン試験においては、検査対象である集積回路装置は微小なものであってその取扱いが不便なものであるため、多数の集積回路装置についてのバーンイン試験を個別的に行うためには、長い時間を要し、これにより、検査コストが相当に高いものとなる。そのため、近年、ウエハ上に形成された多数の集積回路について、それらのバーンイン試験を一括して行うWLBI(Wafer Level Burn−in)試験が提案されている。
然るに、このようなプローブ試験やWLBI試験に用いられるプローブカードを作製するためには、非常に多数の検査プローブを配列することが必要となるので、当該プローブカードは極めて高価なものとなり、また、被検査電極が多数でそのピッチが小さいものである場合には、プローブカードを作製すること自体が困難となる。
以上のような理由から、最近においては、一面に被検査電極のパターンに対応するパターンに従って複数の検査用電極が形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板の一面上に配置された、被検査電極のパターンに対応するパターンに従ってそれぞれ厚み方向に伸びる複数の導電部が形成された異方導電性エラストマーシートと、この異方導電性エラストマーシート上に配置された、シート状プローブとを具えてなるプローブカードが提案されている(例えば特許文献1)。このプローブカードにおけるシート状プローブは、絶縁性シートと、この絶縁性シートに被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、それぞれ絶縁性シートの厚み方向に貫通して伸びる複数の電極構造体と、絶縁性シートの周縁部に設けられた、例えばセラミックスよりなるリング状の保持部材とにより構成されている。
しかしながら、検査対象であるウエハが、例えば直径が8インチ以上の大型のものであって、その被検査電極の数が例えば5000以上、特に10000以上のものである場合には、各集積回路における被検査電極のピッチが極めて小さいものであるため、上記のプローブカードにおける異方導電性エラストマーシートには、以下のような問題がある。
(1)直径が例えば8インチ(約20cm)のウエハについて一括してまたは複数の集積回路が形成されたエリアに分割して検査するためには、異方導電性エラストマーシートとしては、その面積が相当に大きいものを用いることが必要となる。然るに、このような異方導電性エラストマーシートは、面積が相当に大きいものであるが、各導電部は微細で、当該異方導電性エラストマーシート表面に占める導電部表面の面積の割合が小さいものであるため、当該異方導電性エラストマーシートを確実に製造することは極めて困難である。従って、異方導電性エラストマーシートの製造においては、歩留りが極端に低下する結果、異方導電性エラストマーシートの製造コストが増大し、延いては検査コストが増大する。
(2)ウエハを構成する材料例えばシリコンの線熱膨張係数は3.3×10-6/K程度であり、一方、異方導電性エラストマーシートを構成する材料例えばシリコーンゴムの線熱膨張係数は2.2×10-4/K程度である。このように、検査対象である集積回路装置を構成する材料(例えばシリコン)と異方導電性エラストマーシートを構成する材料(例えばシリコーンゴム)との間で、線熱膨張係数が大きく異なると、温度変化による熱履歴を受けたときに、異方導電性エラストマーシートの導電部と集積回路装置の被検査電極との間に位置ずれが生じる結果、電気的接続状態が変化して安定な接続状態を維持することが困難である。
そして、上記の問題を解決するため、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、このフレーム板の開口の各々を塞ぐよう配置された複数の弾性異方導電膜とよりなる異方導電性コネクターが提案されている(例えば特許文献2参照。)。
一方、上記のプローブカードにおけるシート状プローブには、以下のような問題がある。
上記のプローブカードのシート状プローブにおいては、絶縁性シートの熱膨張を防止または抑制するために、当該絶縁性シートはそれに張力を作用させた状態で保持部材に固定されている。
然るに、絶縁性シートに対してその面方向における全ての方向について均一に張力を作用させることは極めて困難であり、また、電極構造体を形成することによって絶縁性シートに作用する張力のバランスが変化し、その結果、当該絶縁性シートは熱膨張について異方性を有するものとなるため、面方向における−方向の熱膨張を抑制することが可能であっても、当該一方向と交差する他の方向の熱膨張を抑制することができない。従って、温度変化による熱履歴を受けたときに、電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止することができない。
また、絶縁性シートをこれに張力を作用させた状態で保持部材に固定するためには、加熱下において絶縁性シートを保持部材に接着する、という煩雑な工程が必要となるため、製造コストの増大を招く、という問題がある。
本件出願人は、上記の問題を解決するため、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、このフレーム板の一面にその開口の各々を塞ぐよう配置されて支持された、絶縁膜に電極構造体が配置されてなる複数の接点膜とよりなるシート状プローブおよびこのシート状プローブと上記の異方導電性コネクターとを具えたプローブカードを提案した(特願2004−131764号明細書参照。)。
しかしながら、このようなプローブカードにおいては、以下のような問題があることが判明した。
シート状プローブの絶縁性シートは柔軟性を有するものであるため、電極構造体の各々を互いに独立して厚み方向に変位させることができ、これにより、ウエハにおける被検査電極の高さばらつきや電極構造体の表面電極部の高さばらつきが吸収される。然るに、上記のシート状プローブにおいては、面積の小さい絶縁膜の各々が剛性のフレーム板に支持されているため、電極構造体の変位量が著しく低下する。その結果、ウエハとプローブカードとの電気的接続を行う際に、被検査電極の高さばらつきや電極構造体の表面電極部の高さばらつきが十分に吸収されず、従って、被検査電極に対する良好な電気的接続を確実に達成することが困難となる。
特開2001−15565号公報 特開2002−184821号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、検査対象であるウエハが、直径が8インチ以上の大面積で被検査電極のピッチが極めて小さいものであっても、当該ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、温度変化による被検査電極に対する位置ずれが確実に防止され、ウエハに対する良好な電気的接続状態が安定に維持されるプローブカードおよびウエハ検査装置を提供することにある。
本発明のプローブカードは、検査対象であるウエハに形成された全てのまたは一部の集積回路における被検査電極が形成された電極領域に対応して複数の開口が形成された金属よりなるフレーム板、およびこのフレーム板の表面に、それぞれ開口を塞ぐよう配置されて支持された複数の接点膜よりなり、当該接点膜の各々は、柔軟な樹脂よりなる絶縁膜に、当該絶縁膜の表面に露出する表面電極部および裏面に露出する裏面電極部が絶縁膜の厚み方向に伸びる短絡部によって連結されてなる複数の電極構造体が、前記被検査電極に対応するパターンに従って配置されてなるシート状プローブと、
このシート状プローブの裏面側に配置された、前記被検査電極に対応するパターンに従って検査電極が表面に形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板の表面から突出するよう設けられた、前記シート状プローブの周縁部を支持する支持ピンを有する複数の支持部材と、
前記電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板、およびこのフレーム板に、それぞれ一の開口を塞ぐよう配置されて支持された複数の弾性異方導電膜よりなり、前記検査用回路基板と前記シート状プローブとの間に配置された異方導電性コネクターとを具えてなり、
前記支持部材の各々における支持ピンが、前記シート状プローブの厚み方向に弾性的に変位可能に設けられていることを特徴とする。
本発明のプローブカードにおいては、異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜は、被検査電極に対応するパターンに従って配置された、弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなる接続用導電部と、これらを相互に絶縁する弾性高分子物質よりなる絶縁部とを有してなることが好ましい。
また、シート状プローブにおけるフレーム板の厚みが5〜200μmであることが好ましい。
また、シート状プローブにおけるフレーム板および異方導電性コネクターにおけるフレーム板は、それぞれ線熱膨張係数が3×10-5/K以下の材料によって形成されていることが好ましい。
また、先端面がシート状プローブのフレーム板に当接するよう配置された補助支持ピンを有する複数の補助支持部材を具えてなり、当該補助支持部材の各々における補助支持ピンが、前記シート状プローブの厚み方向に弾性的に変位可能に設けられていることが好ましい。
また、シート状プローブにおけるフレーム板の裏面には、その周縁部に沿ってリング状の保持部材が設けられており、当該保持部材に支持部材の支持ピンの先端部が固定されていることが好ましい。
本発明のウエハ検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うウエハ検査装置であって、
上記のプローブカードを具えてなることを特徴とする。
本発明のプローブカードによれば、シート状プローブは、その厚み方向に弾性的に変位する支持ピンによって支持されているため、当該支持ピンが変位することによって、当該シート状プローブにおける電極構造体の変位量が補償され、その結果、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができる。
そして、本発明のプローブカードによれば、シート状プローブは、フレーム板に形成された複数の開口の各々に電極構造体を有する接点膜が配置されて支持されてなることにより、接点膜の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい接点膜は、その絶縁膜の面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、検査対象であるウエハが、直径が8インチ以上の大面積であって被検査電極のピッチが極めて小さいものであっても、温度変化による位置ずれを確実に防止することができる。また、異方導電性コネクターは、フレーム板に形成された複数の開口の各々に弾性異方導電膜が配置されて支持されてなることにより、弾性異方導電膜の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい弾性異方導電膜は、その面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、検査対象であるウエハが、直径が8インチ以上の大面積であって被検査電極のピッチが極めて小さいものであっても、温度変化による位置ずれを確実に防止することができる。従って、ウエハの検査において、当該ウエハに対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
このようなプローブカードは、直径が8インチ以上の大面積のウエハの電気的検査を行うためのウエハ検査装置に用いられるプローブカードとして極めて好適である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〈プローブカード〉
図1は、本発明に係るプローブカードの第1の例の構成を示す説明用断面図であり、図2は、図1に示すプローブカードにおけるシート状プローブおよび異方導電性コネクターを拡大して示す説明用断面図、図3は、図2に示すシート状プローブの接点膜および異方導電性コネクターの弾性異方導電膜を更に拡大して示す説明用断面図、図4は、図1に示すプローブカードにおける支持ピン部材を拡大して示す説明用断面図である。
この第1の例のプローブカード30は、例えば複数の集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々のバーンイン試験をウエハの状態で一括して行うために用いられるものであって、シート状プローブ10と、このシート状プローブ10の裏面側に設けられた検査用回路基板31と、この検査用回路基板31に設けられた、シート状プローブ10の周縁部を支持する複数の支持部材20と、この検査用回路基板31上に配置された検査用回路基板31とシート状プローブ10との間に配置された異方導電性コネクター40とにより構成されている。
図5は、第1の例のプローブカード30におけるシート状プローブ10を示す平面図であり、図6および図7は、シート状プローブ10における接点膜を拡大して示す平面図および説明用断面図である。
シート状プローブ10は、図8にも示すように、複数の開口12が形成された金属よりなる円形のフレーム板11を有する。このフレーム板11の開口12は、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して形成されている。
フレーム板11を構成する金属としては、鉄、銅、ニッケル、チタン、またはこれらの合金若しくは合金鋼を用いることができるが、後述する製造方法において、エッチング処理によって容易に開口12を形成することができる点で、42合金、インバー、コバールなどの鉄−ニッケル合金鋼が好ましい。
また、フレーム板11としては、その線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは−1×10-6〜8×10-6/Kである。
このようなフレーム板11を構成する材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの合金または合金鋼が挙げられる。
また、フレーム板11の厚みは、5〜200μmであることが好ましく、より好ましくは10〜150μmである。
この厚みが過小である場合には、接点膜15を支持するフレーム板として必要な強度が得られないことがある。一方、この厚みが過大である場合には、後述する製造方法において、エッチング処理によって開口12を高い寸法精度で形成することが困難となることがある。
フレーム板11の表面(図1〜図3において上面)には、接着層19を介して金属膜18が一体的に形成され、この金属膜18上には、複数の接点膜15が、当該フレーム板11の一の開口12を塞ぐよう配置されて固定され、これにより、接点膜15の各々は、接着層19および金属膜18を介してフレーム板11に支持されている。
また、フレーム板11の裏面には、円形のリング状の保持部材14が当該フレーム板11の周縁部に沿って配置され、当該保持部材14によってフレーム板11が保持されている。この保持部材14には、後述する支持部材20の支持ピン21が挿入される複数(図示の例では8つ)凹所14Hが周方向に沿って等間隔で離間して形成されている。
金属膜18は、後述する電極構造体17における裏面電極部17bと同一の材料によって構成されている。
また、接着層19を構成する材料としては、シリコーンゴム系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤などを用いることができる。
また、保持部材14を構成する材料としては、インバー、スーパーインバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、コバール、42アロイなどの低熱膨張金属材料、またはアルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料などを用いることができる。
接点膜15の各々は、柔軟な絶縁膜16を有し、この絶縁膜16には、当該絶縁膜16の厚み方向に伸びる金属よりなる複数の電極構造体17が、検査対象であるウエハに形成された集積回路の電極領域における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って、当該絶縁膜16の面方向に互いに離間して配置されており、当該接点膜15は、電極構造体17の各々が、フレーム板11の開口12内に位置するよう配置されている。
電極構造体17の各々は、絶縁膜16の表面に露出する突起状の表面電極部17aと、絶縁膜16の裏面に露出する板状の裏面電極部17bとが、絶縁膜16の厚み方向に貫通して伸びる短絡部17cによって互いに一体に連結されて構成されている。
絶縁膜16を構成する材料としては、絶縁性を有する柔軟なものであれば特に限定されるものではなく、ポリイミド、液晶ポリマーなどの樹脂材料やこれらの複合材料を用いることができるが、後述する製造方法において、電極構造体用の貫通孔をエッチングによって容易に形成することができる点で、ポリイミドを用いることが好ましい。
絶縁膜16を構成するその他の材料としては、メッシュ若しくは不織布、またはこれらに樹脂若しくは弾性高分子物質が含浸されてなるものを用いることができる。かかるメッシュまたは不織布を形成する繊維としては、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維、テフロン(登録商標)繊維等のフッ素樹脂繊維、ポリエステル繊維などの有機繊維を用いることができる。このような材料を絶縁膜16を構成する材料として用いることにより、電極構造体17が小さいピッチで配置されても、接点膜15全体の柔軟性が大きく低下することがないため、電極構造体17の突出高さや被検査電極の突出高さにバラツキがあっても、接点膜15の有する柔軟性により十分に吸収されるので、被検査電極の各々に対して安定した電気的接続を確実に達成することができる。
また、絶縁膜16の厚みは、当該絶縁膜16の柔軟性が損なわれなければ特に限定されないが、5〜150μmであることが好ましく、より好ましくは7〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。
電極構造体17を構成する材料としては、ニッケル、鉄、銅、金、銀、パラジウム、鉄、コバルト、タングステン、ロジウム、またはこれらの合金若しくは合金鋼等を用いることができ、電極構造体17としては、全体が単一の金属よりなるものであっても、2種以上の金属の合金または合金鋼よりなるものまたは2種以上の金属が積層されてなるものであってもよい。
また、表面に酸化膜が形成された被検査電極について電気的検査を行う場合には、シート状プローブの電極構造体17と被検査電極を接触させ、電極構造体17の表面電極部17aにより被検査電極の表面の酸化膜を破壊して、当該電極構造体17と被検査電極との電気的接続を達成することが必要である。そのため、電極構造体17の表面電極部17aは、酸化膜を容易に破壊することかできる程度の硬度を有するものであることが好ましい。このような表面電極部17aを得るために、表面電極部17aを構成する金属中に、硬度の高い粉末物質を含有させることができる。
このような粉末物質としては、ダイヤモンド粉末、窒化シリコン、炭化シリコン、セラミックス、ガラスなどを用いることができ、これらの非導電性の粉末物質の適量を含有させることにより、電極構造体17の導電性を損なうことなしに、電極構造体17の表面電極部17aによって、被検査電極の表面に形成された酸化膜を破壊することができる。
また、被検査電極の表面の酸化膜を容易に破壊するために、電極構造体17における表面電極部17aの形状を鋭利な突起状のものとしたり、表面電極部17aの表面に微細な凹凸を形成したりすることができる。
接点膜15における電極構造体17のピッチpは、検査対象であるウエハの被検査電極のピッチに応じて設定され、例えば40〜250μmであることが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。
ここで、「電極構造体のピッチ」とは、隣接する電極構造体の間の中心間距離であって最も短いものをいう。
電極構造体17において、表面電極部17aにおける径Rに対する突出高さの比は、0.2〜3であることが好ましく、より好ましくは0.25〜2.5である。このような条件を満足することにより、被検査電極がピッチが小さくて微小なものであっても、当該被検査電極のパターンに対応するパターンの電極構造体17を容易に形成することができ、当該ウエハに対して安定な電気的接続状態が確実に得られる。
また、表面電極部17aの径Rは、短絡部17cの径rの1〜3倍であることが好ましく、より好ましくは1〜2倍である。
また、表面電極部17aの径Rは、当該電極構造体17のピッチpの30〜75%であることが好ましく、より好ましくは40〜60%である。
また、裏面電極部17bの外径Lは、短絡部17cの径rより大きく、かつ、電極構造体17のピッチpより小さいものであればよいが、可能な限り大きいものであることが好ましく、これにより、例えば異方導電性シートに対しても安定な電気的接続を確実に達成することができる。
また、短絡部17cの径rは、当該電極構造体17のピッチpの15〜75%であることが好ましく、より好ましくは20〜65%である。
電極構造体17の具体的な寸法について説明すると、表面電極部17aの突出高さは、被検査電極に対して安定な電気的接続を達成することができる点で、15〜50μmであることが好ましく、より好ましくは15〜30μmである。
表面電極部17aの径Rは、上記の条件や被検査電極の直径などを勘案して設定されるが、例えば30〜200μmであり、好ましくは35〜150μmである。
短絡部17cの径rは、十分に高い強度が得られる点で、10〜120μmであることが好ましく、より好ましくは15〜100μmである。
裏面電極部17bの厚みは、強度が十分に高くて優れた繰り返し耐久性が得られる点で、15〜150μmであることが好ましく、より好ましくは20〜100μmである。
電極構造体17における表面電極部17aおよび裏面電極部17bには、必要に応じて、被覆膜が形成されていてもよい。例えは被検査電極が半田材料により構成されている場合には、当該半田材料が拡散することを防止する観点から、表面電極部17aに、銀、パラジウム、ロジウムなどの耐拡散性金属よりなる被覆膜を形成することが好ましい。
このようなシート状プローブ10は、以下のようにして製造される。
先ず、図9に示すように、形成すべき電極構造体17における裏面電極部17bと同一の材料よりなる裏面電極部用金属箔18Aの一面に、絶縁膜用樹脂シート16Aが一体的に積層されてなる円形の積層体15Aを用意する。
一方、図10に示すように、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して複数の開口12が形成された円形のフレーム板11を作製し、このフレーム板11の表面に、その周縁部に沿って保護テープTを配置する。ここで、フレーム板11の開口12を形成する方法としては、エッチング法などを利用することができる。
次いで、図11に示すように、積層体15Aにおける裏面電極部用金属箔18Aの他面に、例えば接着性樹脂よりなる接着層19を形成し、図12に示すように、保護テープTが設けられたフレーム板を接着する。その後、図13に示すように、積層体15Aにおける絶縁膜用樹脂シート16Aに、形成すべき電極構造体のパターンに対応するパターンに従ってそれぞれ厚み方向に貫通する複数の貫通孔17Hを形成する。ここで、絶縁膜用樹脂シート16Aに貫通孔17Hを形成する方法としては、レーザー加工、エッチング加工などを利用することができる。
次いで、保護テープ(図示省略)によって積層体15Aにおけるフレーム板11の裏面および開口12を覆い、積層体15Aにおける裏面電極部用金属箔18Aに対してメッキ処理を施すことにより、図14に示すように、絶縁膜用樹脂シート16Aに形成された各貫通孔17H内に当該裏面電極部用金属箔18Aに一体に連結された短絡部17cが形成されると共に、当該短絡部17cに一体に連結された絶縁膜用樹脂シート16Aの表面から突出する表面電極部17aが形成される。その後、フレーム板11の裏面から保護テープを除去し、図15に示すように、接着層19におけるフレーム板11の開口12から露出した部分を除去することにより、裏面電極部用金属箔18Aの一部を露出させ、当該裏面電極部用金属箔18Aにおける露出部分に対してエッチング処理を施すことにより、図16に示すように、それぞれ短絡部17cに一体に連結された複数の裏面電極部17bが形成され、以て電極構造体17が形成される。次いで、絶縁膜用樹脂シート16Aに対してエッチング処理を施してその一部を除去することにより、図17に示すように、互いに独立した複数の絶縁膜16が形成され、これにより、それぞれ絶縁膜16にその厚み方向に貫通して伸びる複数の電極構造体17が配置されてなる複数の接点膜15が形成される。
そして、フレーム板11の周縁部から保護テープT(図10参照)を除去し、その後、フレーム板11の裏面における周縁部に保持部材を配置して固定することにより、図5〜図7に示すシート状プローブ10が得られる。
検査用回路基板31は、図18にも示すように、円板状の第1の基板素子32を有し、この第1の基板素子32の表面(図1〜図3において上面)における中央部には、正八角形の板状の第2の基板素子35が配置され、この第2の基板素子35は、第1の基板素子32の表面に固定されたホルダー34に保持されている。また、第1の基板素子32の裏面における中央部には、補強部材37が設けられている。
第1の基板素子32の表面における中央部には、複数の接続用電極(図示省略)が適宜のパターンに従って形成されている。一方、第1の基板素子32の裏面における周縁部には、図19に示すように、複数のリード電極33が当該第1の基板素子32の周方向に沿って並ぶよう配置されたリード電極部33Rが形成されている。リード電極33のパターンは、後述するウエハ検査装置におけるコントローラーの入試出力端子のパターンに対応するパターンである。そして、リード電極33の各々は内部配線(図示省略)を介して接続用電極に電気的に接続されている。
第2の基板素子35の表面(図1〜図3において上面)には、複数の検査用電極36が、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された検査用電極部36Rが形成されている。一方、第2の基板素子35の裏面には、複数の端子電極(図示省略)が適宜のパターンに従って配置されており、端子電極の各々は内部配線(図示省略)を介して検査用電極36に電気的に接続されている。
そして、第1の基板素子32の接続用電極と第2の基板素子35の端子電極とは適宜の手段によって電気的に接続されている。
検査用回路基板31における第1の基板素子32を構成する基板材料としては、従来公知の種々の材料を用いることができ、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型フェノール樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂等の複合樹脂基板材料などが挙げられる。
検査用回路基板31における第2の基板素子35を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜6×10-6/Kである。このような基板材料の具体例としては、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等よりなる無機系基板材料、42合金、コバール、インバー等の鉄−ニッケル合金鋼よりなる金属板をコア材としてエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂等の樹脂を積層した積層基板材料などが挙げられる。
ホルダー34は、第2の基板素子35の外形に適合する正八角形状の開口34Kを有し、この開口34K内に第2の基板素子35が収容されている。また、ホルダー34の外縁は円形であり、当該ホルダー34の外縁には、周方向に沿って段部34Sが形成されている。
検査用回路基板31におけるホルダー34の段部34Sには、当該検査用回路基板31の表面から突出する複数(図示の例では8つ)の支持部材20が、当該ホルダー34の周方向に沿って等間隔で離間して配置されて固定されている。
支持部材20の各々は、シート状プローブ10におけるフレーム板11に対して垂直な方向に伸びる円柱状の支持ピン21と、この支持ピン21の基端部分を収容する有底円筒状のケース22と、ケース22の底部と支持ピン21の基端面との間に配置されたバネ部材23と、支持ピン21の先端部に取り付けられたナット24とにより構成されており、支持ピン21は、バネ部材23によって、当該支持ピン21の長さ方向すなわちシート状プローブ10の厚み方向に弾性的に変位可能とされている。
そして、支持ヒン11に先端部に設けられたナット24が、シート状プローブ10の保持部材14に形成された凹所14Hに嵌入されて固定されることにより、シート状プローブ10が支持部材20の支持ピン21に支持されている。
異方導電性コネクター40は、図20に示すように、それぞれ厚み方向に貫通して伸びる複数の開口42が形成された円板状のフレーム板41を有する。このフレーム板41の開口42は、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して形成されている。フレーム板41には、厚み方向に導電性を有する複数の弾性異方導電膜50が、それぞれ一の開口42を塞ぐよう、当該フレーム板41の開口縁部に支持された状態で配置されている。
弾性異方導電膜50の各々は、その基材が弾性高分子物質よりなり、図2および図3に示すように、厚み方向に伸びる複数の接続用導電部52と、この接続用導電部52の各々の周囲に形成され、当該接続用導電部52の各々を相互に絶縁する絶縁部53とよりなる機能部51を有し、当該機能部51は、フレーム板41の開口42内に位置するよう配置されている。この機能部51における接続用導電部52は、検査対象であるウエハに形成された集積回路における電極領域の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置されている。
機能部51の周縁には、フレーム板41の開口縁部に固定支持された被支持部55が、当該機能部51に一体に連続して形成されている。具体的には、この例における被支持部55は、二股状に形成されており、フレーム板41の開口縁部を把持するよう密着した状態で固定支持されている。
弾性異方導電膜50の機能部51における接続用導電部52には、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されている。これに対して、絶縁部53は、導電性粒子Pが全く或いは殆ど含有されていないものである。
また、図示の例では、弾性異方導電膜50における機能部51の両面には、接続用導電部52およびその周辺部分が位置する個所に、それ以外の表面から突出する突出部54が形成されている。
フレーム板41の厚みは、その材質によって異なるが、20〜600μmであることが好ましく、より好ましくは40〜400μmである。
この厚みが20μm未満である場合には、異方導電性コネクター40を使用する際に必要な強度が得られず、耐久性が低いものとなりやすく、また、当該フレーム板41の形状が維持される程度の剛性が得られず、異方導電性コネクター40の取扱い性が低いものとなる。一方、厚みが600μmを超える場合には、開口42に形成される弾性異方導電膜50は、その厚みが過大なものとなって、接続用導電部52における良好な導電性および隣接する接続用導電部52間における絶縁性を得ることが困難となることがある。
フレーム板41の開口42における面方向の形状および寸法は、検査対象であるウエハの被検査電極の寸法、ピッチおよびパターンに応じて設計される。
フレーム板41を構成する材料としては、当該フレーム板41が容易に変形せず、その形状が安定に維持される程度の剛性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料などの種々の材料を用いることができ、フレーム板41を例えば金属材料により構成する場合には、当該フレーム板41の表面に絶縁性被膜が形成されていてもよい。
フレーム板41を構成する金属材料の具体例としては、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウムなどの金属またはこれらを2種以上組み合わせた合金若しくは合金鋼などが挙げられる。
また、フレーム板41を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kである。
このような材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの磁性金属の合金または合金鋼などが挙げられる。
弾性異方導電膜50の全厚(図示の例では接続用導電部52における厚み)は、50〜3000μmであることが好ましく、より好ましくは70〜2500μm、特に好ましくは100〜2000μmである。この厚みが50μm以上であれば、十分な強度を有する弾性異方導電膜50が確実に得られる。一方、この厚みが3000μm以下であれば、所要の導電性特性を有する接続用導電部52が確実に得られる。
突出部54の突出高さは、その合計が当該突出部54における厚みの10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。このような突出高さを有する突出部54を形成することにより、小さい加圧力で接続用導電部52が十分に圧縮されるため、良好な導電性が確実に得られる。
また、突出部54の突出高さは、当該突出部54の最短幅または直径の100%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下である。このような突出高さを有する突出部54を形成することにより、当該突出部54が加圧されたときに座屈することがないため、所期の導電性が確実に得られる。
また、被支持部55の厚み(図示の例では二股部分の一方の厚み)は、5〜600μmであることが好ましく、より好ましくは10〜500μm、特に好ましくは20〜400μmである。
また、被支持部55は二股状に形成されることは必須のことではなく、フレーム板41の一面のみに固定されていてもよい。
弾性異方導電膜50を構成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有する耐熱性の高分子物質が好ましい。かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムなどが挙げられる。
これらの中では、シリコーンゴムが、成形加工性および電気特性の点で好ましい。
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる弾性異方導電膜50の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる弾性異方導電膜50の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
高分子物質形成材料中には、当該高分子物質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
弾性異方導電膜50における接続用導電部52に含有される導電性粒子Pとしては、当該弾性異方導電膜50の形成において、当該弾性異方導電膜50を形成するための成形材料中において当該導電性粒子Pを容易に移動させることができる観点から、磁性を示すものを用いることが好ましい。このような磁性を示す導電性粒子Pの具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキにより行うことができる。
導電性粒子Pとして、芯粒子の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45重量%、さらに好ましくは3.5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
また、導電性粒子Pの粒子径は、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2〜400μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μmである。
また、導電性粒子Pの粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、得られる弾性異方導電膜50は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該弾性異方導電膜50における接続用導電部52において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
このような平均粒子径を有する導電性粒子Pは、空気分級装置、音波ふるい装置などの分級装置によって、導電性粒子および/または当該導電性粒子を形成する芯粒子を分級処理することによって調製することができる。分級処理の具体的な条件は、目的とする導電性粒子の平均粒子径および粒子径分布、並びに分級装置の種類などに応じて適宜設定される。
また、導電性粒子Pの形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
また、導電性粒子Pの含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、成形材料層を硬化処理する際に、当該成形材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
また、導電性粒子Pの表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性粒子Pの表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子Pと弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる弾性異方導電膜50は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子Pの導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子Pの表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
機能部51の接続用導電部52における導電性粒子Pの含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%となる割合で用いられることが好ましい。この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい接続用導電部52が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる接続用導電部52は脆弱なものとなりやすく、接続用導電部52として必要な弾性が得られないことがある。
高分子物質形成材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、得られる成形材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子Pの分散安定性が向上すると共に、硬化処理されて得られる弾性異方導電膜50の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後述する製造方法において、磁場による導電性粒子Pの移動が大きく阻害されるため、好ましくない。
このような異方導電性コネクター40は、例えば特開2002−334732号公報に記載されている方法によって製造することができる。
この第1の例のプローブカード30においては、シート状プローブ10におけるフレーム板11の開口12の各々は、異方導電性コネクター40の弾性異方導電膜50における面方向の外形を受容し得る大きさであることが好ましい。図示の例では、シート状プローブ10におけるフレーム板11の開口12は矩形であり、弾性異方導電膜50における面方向の外形が矩形であることから、シート状プローブ10におけるフレーム板11の開口12の縦横の寸法が弾性異方導電膜50の縦横の寸法より大きいものである。
このような構成を採用することにより、シート状プローブ10の電極構造体17が加圧されたときに、シート状プローブ10のフレーム板11が異方導電性コネクター40の弾性異方導電膜50に接触することが回避されるため、当該弾性異方導電膜50の接続用導電部52を厚み方向に十分に圧縮させることができ、その結果、ウエハに対する良好な電気的接続状態を一層確実に達成することができる。
また、異方導電性コネクター40におけるフレーム板41の表面(図3において上面)のレベルと弾性異方導電膜50の接続用導電部52の表面側端面(図3において上面)のレベルとのギャップをhとし、シート状プローブ10におけるフレーム板11の裏面(図3において下面)のレベルと裏面電極部の電極面(図3において下面)のレベルとのギャップをdとしたとき、比h/dの値が1.2以上であることが好ましく、より好ましくは1.4以上である。
この比h/dの値を1.2以上とすることにより、シート状プローブ10の電極構造体17が加圧されたときに、弾性異方導電膜50の接続用導電部52を厚み方向に十分に圧縮させることができるので、ウエハに対する良好な電気的接続状態を更に一層確実に達成することができる。
上記比h/dの値が過小である場合には、裏面電極部17bによって接続用導電部52が厚み方向に押圧されたときに、シート状プローブ10のフレーム板11が異方導電性コネクター40のフレーム板41に接触してしまうため、接続用導電部52が十分に圧縮されず、その結果、当該接続用導電部52に所要の導電性が得られないことがある。
上記の第1の例のプローブカード30によれば、シート状プローブ10は、その厚み方向に弾性的に変位する支持ピン21によって支持されているため、電極構造体17によって被検査電極を加圧したときには、当該支持ピン21が変位することにより、シート状プローブ10における電極構造体17の変位量が補償され、その結果、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができる。
そして、第1の例のプローブカード30によれば、シート状プローブ10は、フレーム板11に形成された複数の開口12の各々に電極構造体17を有する接点膜15が配置されて支持されてなることにより、接点膜15の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい接点膜15は、その絶縁膜16の面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、検査対象であるウエハが、直径が8インチ以上の大面積であって被検査電極のピッチが極めて小さいものであっても、温度変化による電極構造体17と被検査電極との位置ずれを確実に防止することができる。また、異方導電性コネクター40は、フレーム板41に形成された複数の開口12の各々に弾性異方導電膜50が配置されて支持されてなることにより、弾性異方導電膜50の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい弾性異方導電膜50は、その面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、検査対象であるウエハが、直径が8インチ以上の大面積であって被検査電極のピッチが極めて小さいものであっても、温度変化による接続用導電部と電極構造体との位置ずれを確実に防止することができる。従って、バーンイン試験において、ウエハに対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
図21は、本発明に係るプローブカードの第2の例の構成を示す説明用断面図であり、図22は、図21に示すプローブカードにおけるシート状プローブおよび異方導電性コネクターを拡大して示す説明用断面図である。
この第1の例のプローブカード30は、例えば複数の集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々のプローブ試験をウエハの状態で行うために用いられるものであって、シート状プローブ10と、このシート状プローブ10の裏面側に設けられた検査用回路基板31と、この検査用回路基板31に設けられた、シート状プローブ10の周縁部を支持する複数の支持部材20と、この検査用回路基板31上に配置された検査用回路基板31とシート状プローブ10との間に配置された異方導電性コネクター40とにより構成されている。
図23は、第2の例のプローブカード30におけるシート状プローブ10の平面図である。このシート状プローブ10は、図24にも示すように、複数の開口が形成された金属よりなるフレーム板11を有する。このフレーム板11の開口12は、検査対象であるウエハに形成された集積回路のうち例えば32個(8個×4個)の集積回路における被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して形成されている。このシート状プローブ10におけるその他の構成は、第1の例のプローブカード30のシート状プローブ10と同様である(図6および図7参照)。
また、第2の例のプローブカード30におけるシート状プローブ10は、第1の例のプローブカード30におけるシート状プローブ10と同様にして製造することができる。
検査用回路基板31においては、図25に示すように、第2の基板素子35の表面に、検査対象であるウエハに形成された集積回路のうち例えは32個(8個×4個)の集積回路における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って複数の検査用電極36が配置された検査用電極部36Rが形成されている。検査用回路基板31におけるその他の構成は、第1の例のプローブカード30における検査用回路基板31と基本的に同様である。
検査用回路基板31におけるホルダー34の段部34Sには、当該検査用回路基板31の表面から突出する複数(図示の例では8つ)の支持部材20が、当該ホルダー34の周方向に沿って等間隔で離間して配置されて固定されている。支持部材20の各々は、第1の例のプローブカード30における支持部材20と基本的に同様の構成である(図4参照)。
異方導電性コネクター40は、図26に示すように、それぞれ厚み方向に貫通して伸びる複数の開口42が形成された矩形の板状のフレーム板41を有する。このフレーム板41の開口42は、検査対象であるウエハに形成された集積回路のうち例えば32個(8個×4個)の集積回路における被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して形成されている。フレーム板41には、厚み方向に導電性を有する複数の弾性異方導電膜50が、それぞれ一の開口42を塞ぐよう、当該フレーム板41の開口縁部に支持された状態で配置されている。異方導電性コネクター40におけるその他の構成は、第1の例のプローブカード30における異方導電性コネクター40と同様である。
上記の第2の例のプローブカード30によれば、シート状プローブ10は、その厚み方向に弾性的に変位する支持ピン21によって支持されているため、電極構造体17によって被検査電極を加圧したときには、当該支持ピン21が変位することにより、シート状プローブ10における電極構造体17の変位量が補償され、その結果、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができる。
そして、第2の例のプローブカード30によれば、シート状プローブ10は、フレーム板11に形成された複数の開口12の各々に電極構造体17を有する接点膜15が配置されて支持されてなることにより、接点膜15の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい接点膜15は、その絶縁膜16の面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、検査対象であるウエハが、直径が8インチ以上の大面積であって被検査電極のピッチが極めて小さいものであっても、温度変化による電極構造体17と被検査電極との位置ずれを確実に防止することができる。また、異方導電性コネクター40は、フレーム板41に形成された複数の開口12の各々に弾性異方導電膜50が配置されて支持されてなることにより、弾性異方導電膜50の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい弾性異方導電膜50は、その面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、検査対象であるウエハが、直径が8インチ以上の大面積であって被検査電極のピッチが極めて小さいものであっても、温度変化による接続用導電部と電極構造体との位置ずれを確実に防止することができる。従って、プローブ試験において、ウエハに対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
〔ウエハ検査装置〕
図27は、本発明に係るウエハ検査装置の第1の例における構成の概略を示す説明用断面図であり、図28は、第1の例のウエハ検査装置の要部を拡大して示す説明用断面図である。この第1のウエハ検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路のバーンイン試験をウエハの状態で一括して行うためのものである。
第1の例のウエハ検査装置は、検査対象であるウエハ6の温度制御、ウエハ6の検査を行うための電源供給、信号の入出力制御およびウエハ6からの出力信号を検出して当該ウエハ6における集積回路の良否の判定を行うためのコントローラー2を有する。図29に示すように、コントローラー2は、その下面に、多数の入出力端子3が円周方向に沿って配置された入出力端子部3Rを有する。
コントローラー2の下方には、第1の例のプローブカード30が、その検査用回路基板31のリード電極33の各々が、当該コントローラー2の入出力端子3aに対向するよう、適宜の保持手段によって保持された状態で配置されている。
コントローラー2の入出力端子部3Rとプローブカード30における検査用回路基板31のリード電極部33Rとの間には、図29にも拡大して示すように、コネクター4が配置され、当該コネクター4によって、検査用回路基板31のリード電極33の各々がコントローラー2の入出力端子3の各々に電気的に接続されている。図示の例のコネクター4は、長さ方向に弾性的に圧縮可能な複数の導電ピン4Aと、これらの導電ピン4Aを支持する支持部材4Bとにより構成され、導電ピン4Aは、コントローラー2の入出力端子3と第1の基板素子32に形成されたリード電極33との間に位置するよう配列されている。
プローブカード30の下方には、検査対象であるウエハ6が載置されるウエハ載置台5が設けられている。
このようなウエハ検査装置においては、ウエハ載置台5上に検査対象であるウエハ6が載置され、次いで、プローブカード30が下方に加圧されることにより、そのシート状プローブ10の電極構造体17における表面電極部17aの各々が、ウエハ6の被検査電極7の各々に接触し、更に、当該表面電極部17aの各々によって、ウエハ6の被検査電極7の各々が加圧される。この状態においては、異方導電性コネクター40の弾性異方導電膜50における接続用導電部52の各々は、検査用回路基板31の検査用電極36とシート状プローブ10の電極構造体17の裏面電極部17bとによって挟圧されて厚み方向に圧縮されており、これにより、当該接続用導電部52にはその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハ6の被検査電極7と検査用回路基板31の検査用電極36との電気的接続が達成される。その後、ウエハ載置台6を介してウエハ6が所定の温度に加熱され、この状態で、当該ウエハ6における複数の集積回路の各々について所要の電気的検査が実行される。
このような第1の例のウエハ検査装置によれば、第1の例のプローブカード30を介して、検査対象であるウエハ6の被検査電極7に対する電気的接続が達成されるため、ウエハ6が、直径が8インチ以上の大面積であって被検査電極7のピッチが極めて小さいものであっても、バーンイン試験において、当該ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、温度変化による被検査電極7に対する位置ずれを確実に防止することができ、これにより、ウエハ6に対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。従って、ウエハのパーンイン試験において、当該ウエハに対する所要の電気的検査を確実に実行することができる。
図30は、本発明に係るウエハ検査装置の第2の例における構成の概略を示す説明用断面図、図31は、第2の例のウエハ検査装置の要部を拡大して示す説明用断面図である。 このウエハ検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路のプローブ試験をウエハの状態で行うためのものである。
この第2の例のウエハ検査装置は、第1の例のプローブカード30の代わりに第2の例のプローブカード30を用いたこと以外は、第1の例のウエハ検査装置と基本的に同様の構成である。
この第2の例のウエハ検査装置においては、ウエハ6に形成された全ての集積回路の中から選択された例えば32個の集積回路の被検査電極7に、プローブカード30を電気的に接続して検査を行い、その後、他の集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に、プローブカード30を電気的に接続して検査を行う工程を繰り返すことにより、ウエハ6に形成された全ての集積回路のプローブ試験が行われる。
このような第2の例のウエハ検査装置によれば、第2の例のプローブカード30を介して、検査対象であるウエハ6の被検査電極7に対する電気的接続が達成されるため、ウエハ6が、直径が8インチ以上の大面積であって被検査電極7のピッチが極めて小さいものであっても、バーンイン試験において、当該ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、温度変化による被検査電極7に対する位置ずれを確実に防止することができ、これにより、ウエハ6に対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。従って、ウエハのプローブ試験において、当該ウエハに対する所要の電気的検査を確実に実行することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下のように、種々の変更を加えることが可能である。
(1)シート状プローブ10における保持部材14は、本発明において必須のものではない。
(2)異方導電性コネクター40における弾性異方導電膜50には、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成された接続用導電部52の他に、被検査電極に電気的に接続されない非接続用の導電部が形成されていてもよい。
(3)ウエハ検査装置におけるコントローラー2と検査用回路基板31を電気的に接続するコネクター4は、図29に示すものに限定されず、種々の構造のものを用いることにができる。
(4)図32および図33に示すように、検査用回路基板31におけるホルダー34の段部34Sに、先端面がシート状プローブ10のフレーム板11に当接するよう配置された補助支持ピン26を有する複数の補助支持部材25が設けられていてもよい。補助支持部材25の各々は、補助支持ピン26の基端部分を収容する有底円筒状のケース27と、ケース27の底部と補助支持ピン26の基端面との間に配置されたバネ部材28とを有し、補助支持ピン26は、バネ部材28によって、当該補助支持ピン26の長さ方向すなわちシート状プローブ10の厚み方向に弾性的に変位可能とされている。
このような構成によれば、検査対象であるウエハが直径が8インチ以上の大面積のものである場合において、互いに対角に位置する支持部材20間の離間距離が相当に大きいときにも、シート状プローブ10のフレーム板11は補助支持ピン26によって支持されているため、シート状プローブ10の電極構造体17によってウエハの被検査電極を加圧して当該シート状プローブ10が厚み方向に変位する際に、フレーム板11に撓みが生じることを防止することができる。
また、シート状プローブ10の裏面電極部17bと異方導電性コネクター40の接続用導電部52とが圧接したときに、両者の張り付きが生じても、補助支持ピン26のバネ部材28の弾性力によって、裏面電極部17bが接続用導電部52から容易に剥離するので、フレーム板11に撓みが生じることを防止することができる。
このように、シート状プローブ10のフレーム板11に撓みが生じることが防止されるので、当該フレーム板11が破損したり、当該フレーム板11から絶縁膜16が剥離したりすることを防止することができる。
(5)シート状プローブ10における電極構造体17は、図34に示すように、先端から基端に向かうに従って小径となる錐台状の表面電極部17aと、裏面電極部17bと、表面電極部17aの基端から連続して絶縁膜16をその厚み方向に貫通して伸び、裏面電極部17bに連結された短絡部17cと、表面電極部17aの基端部分から連続して絶縁膜の表面に沿って外方に伸びる保持部17dとよりなるものであってもよい。
また、シート状プローブ10における電極構造体17は、図35に示すように、先端から基端に向かうに従って小径となる錐状の表面電極部17aと、裏面電極部17bと、表面電極部17aの基端から連続して絶縁膜16をその厚み方向に貫通して伸び、裏面電極部17bに連結された短絡部17cと、表面電極部17aの基端部分から連続して絶縁膜の表面に沿って外方に伸びる保持部17dとよりなるものであってもよい。
このような電極構造体17を有するシート状プローブ10は、例えば特開2004−172589号公報、特願2004−131763号明細書および特願2004−149558号明細書に記載された方法に準じて製造することができる。
本発明に係るプローブカードの第1の例の構成を示す説明用断面図である。 図1に示すプローブカードにおけるシート状プローブおよび異方導電性コネクターを拡大して示す説明用断面図である。 図2に示すシート状プローブの接点膜および異方導電性コネクターの弾性異方導電膜を更に拡大して示す説明用断面図である。 図1に示すプローブカードにおける支持ピン部材を拡大して示す説明用断面図である。 第1の例のプローブカードにおけるシート状プローブの平面図である。 第1の例のプローブカードにおけるシート状プローブの接点膜を拡大して示す平面図である。 第1の例のプローブカードにおけるシート状プローブの接点膜の構成を拡大して示す説明用断面図である。 第1の例のプローブカードにおけるシート状プローブのフレーム板を示す平面図である。 シート状プローブを製造するために用いられる積層体の構成を示す説明用断面図である。 フレーム板の周縁部に保護テープか配置された状態を示す説明用断面図である。 図9に示す積層体における裏面電極部用金属箔に接着層が形成された状態を示す説明用断面図である。 積層体における裏面電極部用金属箔にフレーム板が接着された状態を示す説明用断面図である。 積層体における絶縁膜用樹脂シートに貫通孔が形成された状態を示す説明用断面図である。 絶縁膜用樹脂シートに短絡部および表面電極部が形成された状態を示す説明用断面図である。 接着層の一部が除去されて裏面電極部用金属箔が露出した状態を示す説明用断面図である。 裏面電極部が形成された状態を示す説明用断面図である。 絶縁膜が形成された状態を示す説明用断面図である。 第1の例のプローブカードにおける検査用回路基板を示す平面図である。 検査用回路基板におけるリード電極部を拡大して示す説明図である。 第1の例のプローブカードにおける異方導電性コネクターを示す平面図である。 本発明に係るプローブカードの第2の例の構成を示す説明用断面図である。 図21に示すプローブカードにおけるシート状プローブおよび異方導電性コネクターを拡大して示す説明用断面図である。 第2の例のプローブカードにおけるシート状プローブを示す平面図である。 第2の例のプローブカードにおけるシート状プローブのフレーム板を示す平面図である。 第2の例のプローブカードにおける検査用回路基板を示す平面図である。 第2の例のプローブカードにおける異方導電性コネクターを示す平面図である。 本発明に係るウエハ検査装置の第1の例の構成を示す説明用断面図である。 第1の例のウエハ検査装置の要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。 第1の例のウエハ検査装置におけるコネクターを拡大して示す説明用断面図である。 本発明に係るウエハ検査装置の第2の例の構成を示す説明用断面図である。 第2の例のウエハ検査装置の要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。 補助支持部材が設けられたプローブカードの構成を示す説明用断面図である。 図32に示すプローブカードにおける補助支持部材を拡大して示す説明用断面図である。 本発明に係るプローブカードにおけるシート状プローブの他の例の構成を示す説明用断面図である。 本発明に係るプローブカードにおけるシート状プローブの更に他の例の構成を示す説明用断面図である。
符号の説明
2 コントローラー
3 入出力端子
3R 入出力端子部
4 コネクター
4A 導電ピン
4B 支持部材
5 ウエハ載置台
6 ウエハ
7 被検査電極
10 シート状プローブ
11 フレーム板
12 開口
14 保持部材
14H 凹所
15 接点膜
15A 積層体
16 絶縁膜
16A 絶縁膜用樹脂シート
17 電極構造体
17H 貫通孔
17a 表面電極部
17b 裏面電極部
17c 短絡部
17d 保持部
18 金属膜
18A 裏面電極部用金属箔
19 接着層
20 支持部材
21 支持ピン
22 ケース
23 バネ部材
24 ナット
25 補助支持部材
26 補助支持ピン
27 ケース
28 バネ部材
30 プローブカード
31 検査用回路基板
32 第1の基板素子
33 リード電極
33R リード電極部
34 ホルダー
34K 開口
34S 段部
35 第2の基板素子
36 検査用電極
36R 検査用電極部
37 補強部材
40 異方導電性コネクター
41 フレーム板
42 開口
50 弾性異方導電膜
51 機能部
52 接続用導電部
53 絶縁部
54 突出部
55 被支持部
P 導電性粒子
T 保護テープ

Claims (7)

  1. 検査対象であるウエハに形成された全てのまたは一部の集積回路における被検査電極が形成された電極領域に対応して複数の開口が形成された金属よりなるフレーム板、およびこのフレーム板の表面に、それぞれ開口を塞ぐよう配置されて支持された複数の接点膜よりなり、当該接点膜の各々は、柔軟な樹脂よりなる絶縁膜に、当該絶縁膜の表面に露出する表面電極部および裏面に露出する裏面電極部が絶縁膜の厚み方向に伸びる短絡部によって連結されてなる複数の電極構造体が、前記被検査電極に対応するパターンに従って配置されてなるシート状プローブと、
    このシート状プローブの裏面側に配置された、前記被検査電極に対応するパターンに従って検査電極が表面に形成された検査用回路基板と、
    この検査用回路基板の表面から突出するよう設けられた、前記シート状プローブの周縁部を支持する支持ピンを有する複数の支持部材と、
    前記電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板、およびこのフレーム板に、それぞれ一の開口を塞ぐよう配置されて支持された複数の弾性異方導電膜よりなり、前記検査用回路基板と前記シート状プローブとの間に配置された異方導電性コネクターとを具えてなり、
    前記支持部材の各々における支持ピンが、前記シート状プローブの厚み方向に弾性的に変位可能に設けられていることを特徴とするプローブカード。
  2. 異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜は、被検査電極に対応するパターンに従って配置された、弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなる接続用導電部と、これらを相互に絶縁する弾性高分子物質よりなる絶縁部とを有してなることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
  3. シート状プローブにおけるフレーム板の厚みが5〜200μmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプローブカード。
  4. シート状プローブにおけるフレーム板および異方導電性コネクターにおけるフレーム板は、それぞれ線熱膨張係数が3×10-5/K以下の材料によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプローブカード。
  5. 先端面がシート状プローブのフレーム板に当接するよう配置された補助支持ピンを有する複数の補助支持部材を具えてなり、当該補助支持部材の各々における補助支持ピンが、前記シート状プローブの厚み方向に弾性的に変位可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のプローブカード。
  6. シート状プローブにおけるフレーム板の裏面には、その周縁部に沿ってリング状の保持部材が設けられており、当該保持部材に支持部材の支持ピンの先端部が固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプローブカード。
  7. ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うウエハ検査装置であって、
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプローブカードを具えてなることを特徴とするウエハ検査装置。
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