JP4273982B2 - 異方導電性シートの製造方法および異方導電性コネクターの製造方法 - Google Patents
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そして、偏在型異方導電性エラストマーシートは、接続すべき回路装置の電極パターンと対掌のパターンに従って導電路形成部が形成されているため、分散型異方導電性エラストマーシートに比較して、接続すべき電極の配列ピッチすなわち隣接する電極の中心間距離が小さい回路装置などに対しても電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することができる点で、有利である。
図29に示されているように、上型80およびこれと対となる下型85が、枠状のスペーサー84を介して互いに対向するよう配置されて、上型80の下面と下型85の上面との間にキャビティを形成する金型を用意し、この金型内に、硬化処理によって弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に磁性を示す導電性粒子が分散されてなるシート成形材料を供給してシート成形材料層90を形成する。ここで、シート成形材料層90に含有されている導電性粒子Pは、当該シート成形材料層90中に分散された状態である。
上記の金型における上型80および下型85の各々は、例えば強磁性体よりなる基板81,86上に、成形すべき異方導電性エラストマーシートの導電路形成部のパターンに対応するパターンに従って複数の強磁性体層82,87が形成され、これらの強磁性体層82,87が形成された個所以外の個所に非磁性体層83,88が形成されており、強磁性体層82,87および非磁性体層83,88によって成形面が形成されている。また、上型80および下型85の成形面における強磁性体層82,87が位置する個所には、異方導電性エラストマーシートに突出部を形成するための凹所82A,87Aが形成されている。そして、上型81および下型85は、対応する強磁性体層82,87が互いに対向するよう配置されている。
露光用マスクは、例えば、異方導電性エラストマーシートを製造する一連の工程において、作業用ステージ上にマスク基材を配置して、このマスク基材の一面上に所定のパターンに従ってパターン孔が形成されたレジスト層を形成し、このマスク基材をエッチング処理することにより透光用貫通孔を形成した後、レジスト層を剥離することにより、得られるものであり、作業の容易性および作業効率の向上の観点から、得られた露光用マスクを作業用ステージから平行移動させ、透光用貫通孔を形成するに際してレジスト層が形成された面である露光用マスクにおける一面がレーザー光照射面として使用される(例えば図32参照。)。
また、露光用マスクの透光用貫通孔を形成する方法として、例えばドリル加工等を行う方法があるが、透光用貫通孔を微細ピッチで形成することが困難であるなどの理由から、上記のようなエッチング処理によって透光用貫通孔を形成する方法が好適に利用されている。
すなわち、図32に示されているように、エッチング法により形成された露光用マスク95の透光用貫通孔96は、マスク基材がその表面部分が内部に比して長くエッチング液に曝されることになるため、不可避的に、一面95A(レジスト層形成面)から他面95Bに向かうに従って小径となる形状、例えばテーパー状となってしまい、レーザー光 (図32において一点鎖線で示す。)の一部が透光用貫通孔96におけるテーパー状の内壁面96Aにより乱反射されることによって、絶縁性シート基材97には、その一面97Aから他面97Bに向かうに従って大径となる形状の導電路形成用貫通孔98が形成され、その結果、得られる異方導電性シートは、各々の導電路素子が、例えば絶縁性シート体の他面側部分において互いに連結して形成されたものとなり、回路装置の電気的検査に用いられた場合には、導電路素子同士が短絡してしまい、結局、所要の電気的接続を確実に達成することができない、という問題がある。
また、図33に示されているように、絶縁性シート基材97の厚みが大きい場合においては、透光用貫通孔96におけるテーパー状の内壁面96Aによって乱反射された一部のレーザー光により形成された絶縁性シート基材97の肉厚中において径の大きさが最大となる極大部98Aを有する形状の導電路形成用貫通孔98が形成され、その結果、得られる異方導電性シートは、その一面および他面においては、各々の導電路素子が相互に絶縁された状態で形成されているが、絶縁性シート体の肉厚中において、各々の極大部が互いに連結して形成されたものとなり、結局、所要の電気的接続を確実に達成することができない。
本発明の第2の目的は、上記方法により得られる異方導電性シートを備え、接続すべき回路装置の電極のピッチが小さいものであっても、当該回路装置について所要の電気的接続を確実に達成することのできる異方導電性コネクターを有利にかつ確実に製造することができる方法を提供することにある。
各々、一面から他面に向かうに従って小径となる厚み方向に伸びる複数の透光用貫通孔が、形成すべき導電路素子のパターンに対応するパターンに従って形成された露光用マスクを用意し、
弾性高分子物質よりなる絶縁性シート基材の少なくとも他面に、突出部分形成用樹脂層が形成された積層体を作製し、この積層体の一面上に、前記露光用マスクを当該露光用マスクの一面が当該積層体の一面に接するよう配置し、当該露光用マスクの他面側より当該露光用マスクの透光用貫通孔を介してレーザー光を照射することにより、積層体における絶縁性シート基材に、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成用貫通孔を形成すると共に、積層体における突出部分形成用樹脂層に、それぞれ導電路形成用貫通孔の各々に連続して厚み方向に伸びる複数の突出部分形成用貫通孔を形成し、これにより、絶縁性シート体の少なくとも他面に突出部分形成用樹脂層が設けられてなる一次複合体を形成する工程と、
一次複合体における絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性粒子が分散されてなる導電路素子用材料を充填することにより、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層を形成し、当該導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、これにより、複数の導電路素子が一次複合体の導電路素子成形用空間内に一体的に設けられてなる二次複合体を形成する工程と、
二次複合体における突出部分形成用樹脂層を溶解して除去することにより導電路素子における他端部を露出させて他面側突出部分を形成する工程と
を有することを特徴とする。
また、突出部分形成用樹脂層を5〜100μmの厚みで形成することが好ましい。
絶縁性シート体に形成された導電路素子材料層の厚み方向に磁場を作用させることにより導電路素子用材料層中に分散されていた導電性粒子を当該導電路素子用材料層の厚み方向に配向させ、この状態において、導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成することが好ましい。
さらに、レーザー光を露光用マスクにおける複数の透光用貫通孔を介して照射することにより、複数の導電路形成用貫通孔を一括して形成することが好ましい。
また、露光用マスクを一次複合体における絶縁性シート体の一面上に配置したままの状態において、前記導電路素子用材料を、露光用マスクの透光用貫通孔の内部空間、絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に充填して導電路素子用材料層を形成し、当該導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、露光用マスクを除去することにより導電路素子の一端部を露出させて、基端から先端に向かうに従って小径となる形状の一面側突出部分を形成することが好ましい。
さらに、本発明の異方導電性シートの製造方法においては、露光用マスクとして、厚みが5〜100μmであるものが用いられることが好ましく、また、一面における開口径r2と、他面における開口径r1との開口径比r1/r2が0.2〜0.98であるもの、好ましくは開口径比r1/r2が0.2〜0.95であるもの、さらに好ましくは開口径比r1/r2が0.3〜0.9であるものを用いることが好ましく、さらに、金属よりなるものを用いることが好ましい。
本明細書において、「透光用貫通孔の開口径」とは、開口の断面形状が円形である場合には、その直径の大きさを示し、開口の断面形状がその他の形状である場合には、互いに隣接する透光用貫通孔が並ぶ方向の幅の大きさを示す。
開口が形成されたフレーム板を用意し、このフレーム板の開口およびそれらの開口縁部に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料層を形成し、当該高分子物質形成材料層の硬化処理を行うことにより、フレーム板の開口およびその開口縁部に弾性高分子物質よりなる絶縁性シート基材を形成し、この絶縁性シート基材の少なくとも他面に突出部分形成用樹脂層が形成された積層体を作製し、当該積層体の一面上に、各々一面から他面に向かって小径となる厚み方向に伸びる複数の透光用貫通孔が形成すべき導電路素子のパターンに対応するパターンに従って形成された露光用マスクを当該露光用マスクの一面が当該積層体の一面に接するよう配置し、当該露光用マスクの他面側より当該露光用マスクの透光用貫通孔を介してレーザー光を照射することにより、積層体における絶縁性シート基材に、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成用貫通孔を形成すると共に、積層体における突出部分形成用樹脂層に、それぞれ、導電路形成用貫通孔の各々に連続して厚み方向に伸びる複数の突出部分形成用貫通孔を形成し、これにより、フレーム板の開口およびその開口縁部に設けられた絶縁性シート体の少なくとも他面に突出部分形成用樹脂層が設けられてなる一次複合体を形成する工程と、
一次複合体における絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性粒子が分散されてなる導電路素子用材料を充填することにより、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層を形成し、当該導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、これにより、複数の導電路素子が一次複合体の導電路素子成形用空間内に一体的に設けられてなる二次複合体を形成する工程と、
二次複合体における突出部分形成用樹脂層を溶解して除去することにより導電路素子における他端部を露出させて他面側突出部分を形成する工程と
を有することを特徴とする。
一次複合体における絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性粒子が分散されてなる導電路素子用材料を充填することにより、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層を形成し、当該導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、これにより、複数の導電路素子が一次複合体の導電路素子成形用空間内に一体的に設けられてなる二次複合体を形成する工程と、
二次複合体における突出部分形成用樹脂層を溶解して除去することにより導電路素子における他端部を露出させて他面側突出部分を形成する工程と
を有することを特徴とする。
また、突出部分形成用樹脂層を5〜100μmの厚みで形成することが好ましい。
絶縁性シート体に形成された導電路素子材料層の厚み方向に磁場を作用させることにより導電路素子用材料層中に分散されていた導電性粒子を当該導電路素子用材料層の厚み方向に配向させ、この状態において、導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより、絶縁性シート体の導電路素子形成用貫通孔に一体的に設けられた導電路素子を形成することが好ましい。
また、露光用マスクとして、厚みが5〜100μmであるものが用いられることが好ましく、また、一面における開口径r2と、他面における開口径r1との開口径比r1/r2が0.2〜0.98であるもの、好ましくは開口径比r1/r2が0.2〜0.95であるもの、さらに好ましくは開口径比r1/r2が0.3〜0.9であるものを用いることが好ましく、さらに、金属よりなるものを用いることが好ましい。
図1は、本発明の方法によって得られる異方導電性シートの一例における構成の概略を示す説明用断面図である。
この異方導電性シート10は、各々厚み方向に伸びる複数の導電路形成用貫通孔17が接続対象体例えば被検査回路装置の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成された、弾性高分子物質よりなる絶縁性シート体15と、この絶縁性シート体15の各々の導電路形成用貫通孔17内に一体的に設けられた導電路素子11とを有し、導電路素子11が絶縁性シート体15の両面より突出する突出部分12A,12Bを有する構成とされている。
絶縁性シート体15における導電路形成用貫通孔21の各々は、当該絶縁性シート体15の一面および他面に対して垂直に伸びる略柱状の内部空間を形成する形状を有し、導電路素子用貫通孔21内に形成される導電路素子11同士に十分な絶縁性が確保されるよう離間した状態、すなわち、互いに独立した状態とされている。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる異方導電性シート10の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
ここで、シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪みは、JIS K 6249に準拠した方法によって測定することができる。
また、シリコーンゴム硬化物として、デュロメーターA硬度が上記の範囲外のものを用いる場合には、得られる異方導電性シートを多数回にわたって繰り返し使用したときには、導電路素子11に永久歪みが発生しやすく、これにより、導電路素子11における導電性粒子の連鎖に乱れが生じる結果、所要の導電性特性を維持することが困難となることがある。
更に、異方導電性シートをバーンイン試験に用いる場合には、シリコーンゴム硬化物は、その23℃におけるデュロメーターA硬度が25〜40のものであることが好ましい。シリコーンゴム硬化物として、デュロメーターA硬度が上記の範囲外のものを用いる場合には、得られる異方導電性シートをバーンイン試験に繰り返し使用したときには、導電路素子11に永久歪みが発生しやすく、これにより、導電路素子11における導電性粒子の連鎖に乱れが生じる結果、所要の導電性を維持することが困難となることがある。
ここで、シリコーンゴム硬化物のデュロメーターA硬度は、JIS K 6249に準拠した方法によって測定することができる。
ここで、シリコーンゴム硬化物の引き裂き強度は、JIS K 6249に準拠した方法によって測定することができる。
このような付加型液状シリコーンゴムの粘度は、B型粘度計によって測定することができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
この導電路素子11は、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性粒子Pが分散されてなる流動性の導電路素子用材料が硬化処理されることにより形成される。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキにより行うことができる。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45重量%、さらに好ましくは3.5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
また、導電性粒子Pの粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、得られる異方導電性シート10は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該異方導電性シート10における導電路素子11において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
また、導電性粒子Pの形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子Pの導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子Pの表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後述する製造方法において、磁場による導電性粒子Pの移動が大きく阻害されるため、好ましくない。
導電路素子11における一面側突出部分12Aおよび他面側突出部分12Bの突出高さh1,h2は、いずれも、導電路素子11が形成された部分の異方導電性シート10の厚みの10%以上の大きさであることが好ましく、より好ましくは20%以上の大きさである。このような突出高さh1,h2を有する一面側突出部分12Aおよび他面側突出部分12Bを形成することにより、小さい加圧力で導電路素子11が十分に圧縮されるため、良好な導電性特性が確実に得られる。
また、一面側突出部分12Aの突出高さh1は、その最短幅(例えば一面側突出部分12Aについては先端面における幅)の100%以下の大きさであることが好ましく、より好ましくは70%以下の大きさである。他面側突出部分12Bの突出高さh2についても同様である。
このような突出高さh1,h2を有する一面側突出部分12Aおよび他面側突出部分12Bを形成することにより、当該一面側突出部分12Aおよび他面側突出部分12Bが加圧されたときに座屈することがないため、所期の導電性特性が確実に得られる。
〔第1の工程〕
この第1工程においては、先ず、弾性高分子物質よりなる絶縁性シート基材16の少なくとも他面に、突出部分形成用樹脂層18が一体的に設けられた積層体19を作製する(図3参照)。この例においては、突出部分形成用樹脂層18が絶縁性シート基材16の他面のみに設けられている。
突出部分形成用樹脂層18を形成する手段としては、樹脂層形成材料を絶縁性シート基材16上に塗布して加熱により塗膜を乾燥することにより、あるいはフィルム状に形成された樹脂層形成材料層を絶縁性シート基材16上に転写して貼り付けることにより、形成することができる。
ポリビニルアルコールとしては、例えば重量平均重合度が100〜5000、より好ましくは1000〜2000であるものが好ましい。これにより、後述する樹脂層除去工程において、溶剤である水によって確実に溶解して除去することができる。
(1)レーザ光による穴あけ加工が可能であること。
(2)高分子物質形成材料の硬化を阻害しないものであること。
(3)耐熱性を有するものであること。
(4)水または溶媒に対して5%以上の割合で溶解するものであること。
(5)水または溶媒により膨潤するものであること。
さらに、露光用マスク20としては、厚みが例えば5〜100μmであるものが用いられることが好ましい。
以上のような露光用マスク20が用いられることにより、露光用マスク20における透光用貫通孔21を利用して導電路素子11における一面側突出部分12Aを形成するに際して、一面側突出部分12Aを確実に所期の導電性特性を有するものとして構成することができる。
この第1の工程においては、当該露光用マスク20の他面20Bの平面領域において分割された複数の処理単位領域の各々について、一つの処理単位領域における複数の透光用貫通孔21を介してレーザー光を照射することにより複数の導電路形成用貫通孔17および突出部分形成用貫通孔18Aを形成する処理を、順次に繰り返して行うことにより、一次複合体10Aを形成するようにしても、露光用マスク20におけるすべての透光用貫通孔21を介してレーザー光を照射して、すべての導電路形成用貫通孔17および突出部分形成用貫通孔18Aを一括して形成することにより、一次複合体10Aを形成するようにしてもよい。
導電路形成用貫通孔17および突出部分形成用貫通孔18Aを形成するに際しての具体的なレーザー光の照射条件は、絶縁性シート基材16を構成する高分子物質形成材料の種類、厚み、および、突出部分形成用樹脂層18を構成する樹脂層形成材料の種類、厚み等を考慮して適宜に設定することができる。
この第2の工程においては、先ず、図5に示されているように、導電路形成用貫通孔17および突出部分形成用貫通孔18Aが形成された一次複合体10Aの一面上に露光用マスク20を配置したままの状態において、前述の導電路素子用材料を塗布することにより、露光用マスク20における透光用貫通孔21の内部空間、絶縁性シート体15における導電路形成用貫通孔17の内部空間および突出部分形成用樹脂層18における突出部分形成用貫通孔18Aの内部空間を含む導電路素子成形用空間の各々に導電路素子用材料を充填し、これにより、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層11Bを形成する。
また、この第2の工程においては、図6に示されているように、内部空間が例えば1×10-3atm以下、好ましくは1×10-4〜1×10-5atmの減圧雰囲気に調整されたチャンバ23内において、一次複合体10Aにおける導電路形成用貫通孔17および突出部分形成用貫通孔18Aの他面側を塞いだ状態で、一次複合体10Aの一面に導電路素子用材料11Aを印刷用マスク24を用いて塗布し、その後、図7に示されているように、チャンバ23内の雰囲気圧を上昇させて例えば常圧にすることにより、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料11Aを充填して導電路素子用材料層11Bを形成することが好ましい。
このような方法によれば、チャンバ23内の雰囲気圧を上昇させることによって、当該雰囲気圧と一次複合体10Aにおける導電路素子成形用空間内の圧力との圧力差により、導電路素子用材料11Aを導電路素子成形用空間内に高密度に充填することができるので、得られる導電路素子用材料層11B中に気泡が生ずることを防止することができる。
導電路素子用材料層11Bに作用される平行磁場の強度は、例えば平均で0.1〜2.5Tとなる大きさが好ましい。
この第3の工程においては、露光用マスク20を二次複合体10Bの一面より剥離して除去することにより導電路素子11の一端部を露出させて一面側突出部分12Aを形成し、この状態において、図9に示されているように、二次複合体10Bの全体を適宜の溶剤S中に浸漬させて突出部分形成用樹脂層18を溶解して除去することにより導電路素子11の他端部を露出させて他面側突出部分12Bを形成し、以って、図1に示す構成の異方導電性シート10が得られる。
具体的な処理条件例えば溶剤の温度および浸漬時間等は、突出部分形成用樹脂層18を構成する材料の種類、厚み、用いられる溶剤の種類などを考慮して適宜に設定することができ、例えば、溶剤の温度が60〜90℃、浸漬時間が0.5〜24時間である。
従って、上記方法により得られる異方導電性シート10によれば、接続すべき電極の配置ピッチが極めて小さい被接続体に対しても、所期の電気的接続を高い信頼性をもって確実に達成することができる。
以上において、一面側突出部分12Aを形成するに際して露光用マスク20を剥離して除去しているが、露光用マスク20がその透光用貫通孔21のテーパー状の内面に沿って剥離されるので、実質的に一面側突出部分12Aを欠損させることがない。
さらに、厚み方向に対して実質的に均一な開口径を有する導電路形成用貫通孔17を形成することができるので、形成すべき導電路素子11の配置ピッチが小さい場合において、導電路素子11が連結して形成されてしまうことを防止するための異方導電性シートの厚みに関する制限がなくなり、設計の自由度が高くなる。
例えば、上記の例においては、露光用マスクを配置したままの状態で、当該露光用マスクの透光用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に導電路素子材料層を形成して硬化処理を行い、露光用マスクを除去することにより一面側突出部分を形成する方法について説明したが、絶縁性シート基材の両面に突出部分形成用樹脂層が一体的に設けられた積層体を作製し、この積層体の一面上に露光用マスクをその一面が接するよう配置してレーザ光を露光用マスクの他面側から照射することにより突出部分形成用樹脂層に突出部分形成用貫通孔を形成すると共に絶縁性シート基材に導電路形成用貫通孔を形成し、露光用マスクを除去した状態で、あるいは露光用マスクを配置したままの状態で、導電路素子成形用空間内に導電路素子材料層を形成して硬化処理を行い、一面側突出部分形成用樹脂層を溶解して除去することにより一面側突出部分を形成してもよい。
先ず、本発明の方法により得られる異方導電性コネクターの構成について説明する。
図10は、本発明の方法により得られる異方導電性コネクターの一例における構成の概略を示す平面図、図11は、図10に示す異方導電性コネクターの要部を拡大して示す説明用断面図である。
この異方導電性コネクター30は、例えば、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられるものであって、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極が配置された領域に対応して、それぞれ厚み方向に貫通して伸びる複数の開口31Aが形成されたフレーム板31を有する。フレーム板31の開口31Aの各々には、当該開口31Aを塞ぐよう異方導電性シート10が配置され、これらの異方導電性シート10の周縁部が当該フレーム板31の開口縁部に支持されて一体に固定されている。
この例における異方導電性シート10は、図1に示されている構成のもの、すなわち絶縁性シート体15の両面から導電路素子11が突出して形成されてなる構成のものである。
また、異方導電性コネクター30をバーンイン試験に使用する場合には、フレーム板31を構成する材料としては、線熱膨張係数が検査対象であるウエハを構成する材料の線熱膨張係数と同等若しくは近似したものを用いることが好ましい。具体的には、ウエハを構成する材料がシリコンである場合には、線熱膨張係数が1.5×10-4/K以下、特に、3×10-6〜8×10-6/Kのものを用いることが好ましく、その具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42アロイなどの金属材料、アラミッド不繊布補強型有機樹脂材料が挙げられる。
また、フレーム板31の厚みは、その形状が維持されると共に、異方導電性シート10を保持することが可能であれば、特に限定されないが、例えば0.03〜1mm、好ましくは0.05〜0.25mmである。
〔第1の工程〕
この第1の工程においては、先ず、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口31Aが形成されたフレーム板31を作製する。ここで、フレーム板31の開口31Aを形成する方法としては、例えばエッチング法などを利用することができる。
また、各々、一面20Aから他面20Bに向かうに従って小径となる厚み方向に伸びる複数の透光用貫通孔21が、形成すべき導電路素子11の配置パターンに対応するパターンに従って形成された露光用マスク20を用意する。
さらに、例えばフレーム板31と同じ材質のものよりなる平板状の支持板32の一面上に所定の厚みの突出部分形成用樹脂層18を形成して積層材料32Aを形成する。具体的には、例えば、樹脂層形成材料を支持板上に塗布して加熱により塗膜を乾燥することにより、あるいはフィルム状に形成された樹脂層形成材料層を支持板32の一面上に転写して貼り付けることにより、形成することができる。
また、シート状の離型フィルム37の他面上に、露光用マスク20をその他面20Bが接するよう配置した状態において、露光用マスク20の一面20Aに、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料を検査対象であるウエハに係る電極領域のパターンに対応するパターンに従って塗布し、これにより、露光用マスク20の一面20A上における所要の位置に高分子物質形成材料層16Bを露光用マスク20における透光用貫通孔21内に充填した状態で形成する。ここに、高分子物質形成材料層16Bは、積層材料32Aおよび露光用マスク20の両方に形成することは必要ではなく、積層材料32Aおよび露光用マスク20のいずれか一方のみに形成されていてもよい。
積層材料32Aおよび露光用マスク20に高分子物質形成材料を塗布する方法としては、例えばスクリーン印刷法を用いることが好ましい。このような方法によれば、高分子物質形成材料を所要のパターンに従って塗布することが容易で、しかも、適量の高分子物質形成材料を塗布することができる。
このようにフレーム板31と2つのスペーサー33,34とを配置して異方導電性シート成形用空間を形成することにより、目的とする形態の異方導電性シート10を確実に形成することができると共に、隣接する異方導電性シート10同士が連結することが防止されて、互いに独立した多数の異方導電性シート10を確実に形成することができる。
この第2の工程においては、図16に示されているように、第1の工程により得られた一次複合体30Aの一面に、前述の導電路素子用材料を塗布することにより、一次複合体30Aにおける導電路形成用貫通孔17の内部空間および突出部分形成用貫通孔18Aの内部空間を含む導電路素子成形用空間の各々に導電路素子用材料を充填し、これにより、一次複合体30Aにおける導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層11Bを形成する。
そして、図17に示されているように、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層11Bが形成された一次複合体30Aを、一対の電磁石25,26の間に配置し、この電磁石25,26を作動させることにより導電路素子用材料層11Bの厚み方向に平行磁場を作用させ、これにより、導電路素子用材料層11B中に分散されていた導電性粒子Pを当該導電路素子用材料層11Bの厚み方向に配向させる。そして、この状態において、導電路素子用材料層11Bの硬化処理を行うことにより導電路素子11を形成し、これにより、フレーム板31の開口およびその周縁部に形成された絶縁性シート体15の導電路形成用貫通孔17内に複数の導電路素子11が一体的に設けられてなり、一面側に露光用マスク20が設けられると共に、他面側に突出部分形成用樹脂層18が設けられてなる二次複合体30Bを形成する。
この第3の工程においては、露光用マスク20を二次複合体30Bの一面より剥離して除去することにより導電路素子11における一端部を露出させて一面側突出部分12を形成し、この状態において、図18に示されているように、二次複合体30Bの全体を適宜の溶剤S中に浸漬させて突出部分形成用樹脂層18を溶解して除去することにより導電路素子11における他端部を露出させて他面側突出部分12を形成し、これにより、図10および図11に示す異方導電性コネクター30が得られる。
すなわち、上記の異方導電性コネクター30によれば、異方導電性シート10がフレーム板31に固定されているため、変形しにくくて取扱いやすく、検査対象であるウエハとの電気的接続作業において、当該ウエハに対する位置合わせおよび保持固定を容易に行うことができる。
また、フレーム板31の開口31Aの各々は、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路の被検査電極が配置された電極領域に対応して形成されており、当該開口31Aの各々に配置される異方導電性シート10は面積が小さいものでよいため、個々の異方導電性シート10の形成が容易である。しかも、面積の小さい異方導電性シート10は、熱履歴を受けた場合でも、当該異方導電性シート10の面方向における熱膨張の絶対量が少ないため、フレーム板31を構成する材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、異方導電性シート10の面方向における熱膨張がフレーム板31によって確実に規制される。従って、検査対象が大面積のウエハに形成された多数の集積回路であり、これらの集積回路について一括してバーンイン試験を行う場合においても、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
例えば、上記の例においては、露光用マスクの透光用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に導電路素子材料層を形成して硬化処理を行い、露光用マスクを除去することにより一面側突出部分を形成する方法について説明したが、上面側スペーサーと露光用マスクとの間に、例えば突出部分形成用樹脂層を構成する材料と同じ材質の樹脂フィルムを介在させて配置し、これらを重ね合わせて加圧することにより、フレーム板の開口の内部空間、下面側スペーサーおよび上面側スペーサーの開口の内部空間を含む異方導電性シート成形用空間内に、目的とする形態の高分子物質形成材料層を形成して硬化処理を行い、露光用マスクの他面側よりレーザ光を透光用貫通孔を介して照射することにより、樹脂フィルムおよび突出部分形成用樹脂層に突出部分形成用貫通孔を形成すると共に絶縁性シート基材に導電路素子形成用貫通孔を形成し、露光用マスクを除去した状態で、あるいは露光用マスクを配置したままの状態で、導電路素子成形用空間内に導電路素子材料層を形成して硬化処理を行い、樹脂フィルムを溶解して除去することにより一面側突出部分を形成してもよい。
例えばフレーム板に、検査対象であるウエハに形成された集積回路の中から選択された複数の集積回路における被検査電極が配置された領域に対応して複数の開口が形成され、これらの開口の各々を塞ぐよう複数の異方導電性シートが配置された構成のもの、あるいは、フレーム板に単一の開口が形成され、当該開口を塞ぐよう単一の異方導電性シートが配置された構成のものとすることができる。ここで、選択される集積回路の数は、ウエハのサイズ、ウエハに形成された集積回路の数、各集積回路における被検査電極の数などを考慮して適宜選択され、例えば16個、32個、64個、128個である。
このウエハ検査装置は、図20にも拡大して示すように、一面(図19および図20において下面)に検査対象であるウエハにおける突起状の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って多数の検査電極51が配置された検査用回路基板50と、この検査用回路基板50の一面上に配置された、検査対象であるウエハに接触される異方導電性コネクター30とよりなる回路検査用プローブ40を有し、この回路検査用プローブ40の下方位置には、検査対象であるウエハ60が載置されるウエハ載置台65が設けられている。 異方導電性コネクター30は、図10および図11に示す構成、すなわち異方導電性シート10における導電路素子11が絶縁性シート体15の両面の各々から突出した状態に形成された構成のものである。
検査用回路基板50の基材としては、耐熱性を有するものであれば特に限定されず、プリント回路基板の基板材料として通常使用されている種々のものを用いることができ、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アラミッド不繊布補強型エポキシ樹脂、アラミッド不繊布補強型ポリイミド樹脂、アラミッド不繊布補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂等の樹脂材料、セラミックス材料、ガラス材料、金属コア材料などを挙げることができるが、バーンイン試験に適用する場合には、その線熱膨張係数が、検査対象であるウエハを構成する材料の線熱膨張係数が同等若しくは近似したものを用いることが好ましい。具体的には、ウエハがシリコンよりなるものである場合には、線熱膨張係数が1.5×10-4/K以下、特に、3×10-6〜8×10-6/Kのものを用いることが好ましい。
先ず、ウエハ載置台65上に、検査対象であるウエハ60が、その被検査電極62が上方を向いた状態でかつ被検査電極62の各々が検査用回路基板50の検査電極51の各々の直下に位置するよう配置される。次いで、例えば検査用回路基板50が適宜の加圧手段によって下方に加圧されることにより、異方導電性コネクター30における異方導電性シート10が、ウエハ60の被検査電極62に接触し、更には被検査電極62によって加圧された状態となる。これにより、異方導電性シート10における導電路素子11は、ウエハ60の被検査電極62の突出高さに応じて厚み方向に圧縮するよう弾性的に変形し、当該異方導電性シート10の導電路素子11には、ウエハ60の被検査電極62と検査用回路基板50の検査電極51との間に、導電性粒子Pによって当該異方導電性シート10の厚み方向に伸びる導電路が形成され、その結果、ウエハ60の被検査極極62と検査用回路基板50の検査電極51との電気的接続が達成される。その後、バーンイン試験を行う場合には、ウエハ60が所定の温度に加熱され、この状態で、当該ウエハ60について所要の電気的検査が実行される。
このウエハ検査装置は、図22にも拡大して示すように、一面(図21および図22において下面)に検査対象であるウエハにおける被検査電極のパターンに対応するパターンに従って多数の検査電極51が配置された検査用回路基板50と、この検査用回路基板50の一面に配置された異方導電性コネクター30と、この異方導電性コネクター30の一面(図21および図22において下面)に配置されたシート状コネクター70とにより構成された回路検査用プローブ40を有し、この回路検査用プローブ40の下方位置には、検査対象であるウエハ60が載置されるウエハ載置台65が設けられている。
検査用回路基板50および異方導電性コネクター30は、図19および図20に示すウエハ検査装置における検査用回路基板および異方導電性コネクター30と同様の構成である。
そして、シート状コネクター70は、その電極構造体72の各々が異方導電性コネクター30の異方導電性シート10における導電路素子11上に位置するよう配置されている。
また、絶縁性シート71の厚みは、当該絶縁性シート71が柔軟なものであれば特に限定されないが、10〜50μmであることが好ましく、より好ましくは10〜25μmである。
また、電極構造体72における表面電極部73および裏面電極部74の表面には、当該電極部の酸化が防止されると共に、接触抵抗の小さい電極部が得られる点で、金、銀、パラジウムなどの化学的に安定で高導電性を有する金属被膜が形成されていることが好ましい。
電極構造体72における裏面電極部74の径は、短絡部75の径より大きく、かつ、電極構造体72の配置ピッチより小さいものであればよいが、可能な限り大きいものであることが好ましく、これにより、異方導電性コネクター30における異方導電性シート10の導電路素子11に対しても安定な電気的接続を確実に達成することができる。また、裏面電極部74の厚みは、強度が十分に高くて優れた繰り返し耐久性が得られる点で、20〜50μmであることが好ましく、より好ましくは35〜50μmである。
電極構造体72における短絡部75の径は、十分に高い強度が得られる点で、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜65μmである。
すなわち、絶縁性シート71上に金属層が積層されてなる積層材料を用意し、この積層材料における絶縁性シート71に対して、例えばレーザー加工、ドライエッチング加工等によって、当該絶縁性シート71の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を、形成すべき電極構造体72のパターンに対応するパターンに従って形成する。次いで、この積層材料に対してフォトリソグラフィーおよびメッキ処理を施すことによって、絶縁性シート71の貫通孔内に金属層に一体に連結された短絡部75を形成すると共に、当該絶縁性シート71の表面に、短絡部75に一体に連結された突起状の表面電極部73を形成する。その後、積層材料における金属層に対してフォトエッチング処理を施してその一部を除去することにより、裏面電極部74を形成して電極構造体72を形成し、以てシート状コネクター70が得られる。
例えば、検査対象である回路装置は、多数の集積回路が形成されたウエハに限定されるものではなく、半導体チップや、BGA、CSPなどのパッケージICMCMなどの半導体集積回路装置、プリント回路基板などに形成された回路の検査装置に適用することができる。
このような回路検査用プローブ40を有するウエハ検査装置においては、ウエハ60に形成された各集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極62に、回路検査用プローブ40を電気的に接続して検査を行い、その後、他の集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極62に、回路検査用プローブ40を電気的に接続して検査を行う工程を繰り返すことにより、ウエハ60に形成された全ての集積回路の電気的検査を行うことができる。
〔導電路素子用材料の調製〕
高分子物質形成用材料である付加型液状シリコーンゴム10gに対して、下記の導電性粒子を体積分率で30%となる割合で添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、導電路素子用材料を調製した。
導電性粒子としては、平均粒子径10μmのニッケル粒子を芯粒子とし、この芯粒子に、その重量の30重量%となる被覆量で金を化学メッキにより被覆したものを用いた。
精製水285gに対して、重量平均重合度が2000であるポリビニルアルコール粉末を15g添加し、80℃で撹拌することにより、ポリビニルアルコールの濃度が5重量%であるポリビニルアルコール水溶液よりなる樹脂層形成材料を調製した。
厚みが0.018mmの銅よりなるマスク基材(縦方向の寸法が230mm、横方向の寸法が230mm)の一面にレジスト層を形成し、縦方向の寸法が220μm、横方向の寸法が75μmの開口が、横方向に100μmのピッチで、縦方向に6.34mmの離間距離で並ぶよう形成されたポジフィルムマスクを、このマスク基材の一面に配置して露光処理を行った後、現像処理を行うことにより、レジスト層にパターン孔を形成し、その後、当該マスク基材の他面側から、塩化第二鉄を主成分とする45℃のエッチング液でスプレーエッチング処理を施すことにより、多数の透光用貫通孔を形成し、その後、レジスト層を除去することにより、露光用マスクを得た。
この露光用マスクにおける透光用貫通孔は、一面における開口が縦方向の寸法が220μm、横方向の寸法が75μmであり、他面における開口が縦方向の寸法が200μm、横方向の寸法が60μm(開口径比が0.8)の略四角錐台状の内部空間を形成する形状を有する。また、透光用貫通孔の総数は19650個であり、横方向に100μmのピッチで、縦方向に6.34mmの離間距離で並ぶ状態とされている。
厚みが0.1mmである付加型液状シリコーンゴムの硬化物よりなる絶縁性シート基材の他面に、調製した樹脂層形成材料を塗布し、塗膜を40℃で乾燥することにより厚みが0.025mmである突出部分形成用樹脂層を形成し、絶縁性シート基材と突出部分形成用樹脂層とが一体に設けられてなる積層体を作製した。
そして、上記のようにして得られた露光用マスクを、その一面が複合体の一面(絶縁性シート基材の一面)に接するよう配置し、レーザー加工機「Impact L−500」(住友重機械工業(株)製)によって、当該露光用マスクの他面側より複数の透光用貫通孔を介してレーザー光を下記の条件で照射することにより、各々厚み方向に貫通して伸びる複数の導電路形成用貫通孔を絶縁性シート基材に形成すると共に、それぞれ導電路形成用貫通孔に連続して厚み方向に貫通して伸びる複数の突出部分形成用貫通孔を突出部分形成用樹脂層に形成し、これにより、絶縁性シート体の他面に突出部分形成用樹脂層が設けられてなる一次複合体を形成した。
導電路形成用貫通孔の各々および突出部分形成用貫通孔の各々は、いずれも、一面から他面に向かうに従って小径となる略四角錐台状であり、絶縁性シート体の一面における開口径の大きさaが最大であり、絶縁性シート体の一面における開口径の大きさaと突出部分形成用樹脂層の他面における開口径の大きさbとの開口径比a/bが1.2であった。
・レーザー種:TEA−CO2
・周波数(1秒あたりのパルス数):50Hz
・パターン(ビーム幅):0.5×1.92mm
・走査速度(レーザー加工機におけるステージ移動速度):1192mm/min
・電圧(励起電圧):20kV
・エネルギー密度(単位面積当たりのレーザー照射エネルギー):12J/cm2
・スキャン回数:4回
その後、導電路素子用材料層が導電路素子成形用空間の各々に形成された一次複合体を、その一面および他面に配置された、各々、厚さが6mmの鉄よりなる上側加圧板および下側加圧板によって支持した状態において、ヒーターを具えた一対の電磁石の間に配置し、この電磁石を作動させることにより、導電路素子用材料層の厚み方向に平均で2.2Tの平行磁場を作用させながら、100℃で1時間の加熱処理を行うことにより、導電路素子用材料層を硬化させて、導電路素子成形用空間内に導電路素子が形成された、露光用マスク、絶縁性シート体および突出部分形成用樹脂層の積層体よりなる二次複合体を形成した。
また、異方導電性シート(A)を、導電路素子1個当たりの荷重が5gとなるよう厚み方向に加圧し、この状態で、当該導電路素子の電気抵抗を測定したところ、60mΩであり、良好な加圧導電性が得られることが確認された。
実施例1において、露光用マスクをその他面が絶縁性シート基材の一面に接するよう配置し、露光用マスクにおける複数の透光用貫通孔を介してレーザー光を照射することにより絶縁性シート基材に導電路素子形成用貫通孔を形成して絶縁性シート体を形成し、絶縁性シート体の両面に、形成すべき導電路素子のパターンに従って開口が形成された印刷用マスクを配置し、印刷用マスクの開口の内部空間および絶縁性シート基材の導電路形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に導電路素子材料層を形成し、当該導電路素子材料層の硬化処理を行うことにより絶縁性シート体に一体に設けられた導電路素子を形成し、印刷用マスクを剥離して除去することにより一面側突出部分および他面側突出部分を形成することの他は実施例1と同様にして、比較用の異方導電性シートを製造した。
絶縁性シート体の導電路素子形成用貫通孔は、その一面における開口径の大きさが縦0.2mm、横0.06mm、他面における開口径の大きさが縦0.24mm、横0.1mmである開口径が一面から他面に向かって拡がるテーパー状(四角錐台状)のものであり、一面側に配置される印刷用マスクが、厚みが0.018mm、開口径の大きさが縦0.2mm、横0.06mmのものであり、他面側に配置される印刷用マスクが、厚みが0.025mm、開口径の大きさが縦0.24mm、横0.1mmのものである。
また、隣接する導電路素子間の絶縁性シート体部分を観察したところ、導電路素子同士が連結して形成されている個所が存在しており、各々の導電路素子を互いに独立して構成することができず、また、全体の約0.5%程度の導電路素子が、一面側突出部分および他面側突出部分の一方または両方が欠損しているものであることが確認された。
〔評価用ウエハの作製〕
図24に示すように、直径が8インチのシリコン(線熱膨張係数3.3×10-6/K)製のウエハ(W)上に、それぞれ寸法が8mm×8mmの正方形の集積回路を合計で393個形成した。ウエハ(W)に形成された集積回路(L)の各々は、図25に示すように、その中央に被検査電極領域(A)を有し、この被検査電極領域(A)には、図26に示すように、それぞれ縦方向(図26において上下方向)の寸法が200μmで横方向(図26において左右方向)の寸法が50μmの矩形の50個の被検査電極(62)が100μmのピッチで横方向に一列に配列されている。また、このウエハ(W)全体の被検査電極(62)の総数は19650個であり、全ての被検査電極は、当該ウエハ(W)の周縁部に形成された共通の引出し電極(図示省略)に電気的に接続されている。以下、このウエハを「評価用ウエハW1」という。
また、集積回路(L)における50個の被検査電極(62)について、引き出し電極を形成せず、被検査電極の各々が互いに電気的に絶縁されていること以外は、評価用ウエハW1と同様の構成の393個の集積回路(L)をウエハ(W)上に形成した。このウエハ全体の被検査電極の総数は19650個である。以下、このウエハを「評価用ウエハW2」という。
(1)フレーム板の作製:
図27および図28に示す構成に従い、下記の条件により、評価用ウエハW1における各被検査電極領域に対応して形成された393個の異方導電性シート形成用の開口(31A)を有する直径が8インチのフレーム板(31)を合計で20枚作製した。
このフレーム板の材質は、42アロイ(飽和磁化1.7Wb/m2 ,線熱膨張係数6.2×10-6/K)で、その厚みは60μmである。
異方導電性シート形成用の開口の各々は、その横方向(図27および図28において左右方向)の寸法が5000μmで縦方向(図27および図28において上下方向)の寸法が320μmである。
縦方向に隣接する異方導電性シート形成用の開口の間の中央位置には、直径が1000μmの円形の空気流入孔(31B)が形成されている。
下記の条件により、各々、評価用ウエハW1における被検査電極領域に対応して形成された複数の貫通孔を有する異方導電性シート成形用の上側スペーサーおよび下側スペーサーを作製した。これらのスペーサーの材質はステンレス(SUS304)で、その厚みは20μmである。
各被検査電極領域に対応する貫通孔は、その横方向の寸法が6000μmで縦方向の寸法が1400μmである。
厚みが18μmの銅よりなるマスク基材(縦方向の寸法が230mm、横方向の寸法が230mm)の一面にレジスト層を形成し、縦方向の寸法が220μm、横方向の寸法が75μmの開口が、横方向に100μmのピッチで、縦方向に6.34mmの離間距離で並ぶよう形成されたポジフィルムマスクを、このマスク基材の一面に配置して露光処理を行った後、現像処理を行うことにより、レジスト層にパターン孔を形成し、その後、当該マスク基材の一面側から、塩化第二鉄を主成分とする45℃のエッチング液でスプレーエッチング処理を施すことにより、多数の透光用貫通孔を形成し、その後、レジスト層を除去することにより、露光用マスクを得た。
この露光用マスクにおける透光用貫通孔は、一面における開口が縦方向の寸法が220μm、横方向の寸法が75μmであり、他面における開口が縦方向の寸法が200μm、横方向の寸法が60μmの四角錐台状の内部空間を形成する形状を有する。また、透光用貫通孔の総数は19650個であり、横方向に100μmのピッチで、縦方向に6.34mmの離間距離で並ぶ状態とされている。
〔異方導電性コネクター(A1)〜(A10)の作製〕
上記のフレーム板、スペーサー、露光用マスクを用い、以下のようにしてフレーム板に異方導電シートを形成した。
付加型液状シリコーンゴム100重量部に、導電性粒子375重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより導電路素子用材料を調製した。ここで、導電性粒子としては、平均粒子径10μmのニッケル粒子を芯粒子とし、この芯粒子に、その重量の30重量%となる被覆量で金を化学メッキにより被覆したものを用いた。
また、付加型液状シリコーンゴムとしては、A液の粘度が250Pa・sで、B液の粘度が250Pa・sである二液型のものであって、硬化物の150℃における永久圧縮歪みが5%、硬化物のデュロメーターA硬度が32、硬化物の引裂強度が25kN/mのものを用いた。
(イ)付加型液状シリコーンゴムの粘度:
B型粘度計により、23±2℃における粘度を測定した。
(ロ)シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪み:
二液型の付加型液状シリコーンゴムにおけるA液とB液とを等量となる割合で攪拌混合した。次いで、この混合物を金型に流し込み、当該混合物に対して減圧による脱泡処理を行った後、120℃、30分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚みが12.7mm、直径が29mmのシリコーンゴム硬化物よりなる円柱体を作製し、この円柱体に対して、200℃、4時間の条件でポストキュアを行った。このようにして得られた円柱体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して150±2℃における圧縮永久歪みを測定した。
(ハ)シリコーンゴム硬化物の引裂強度:
上記(ロ)と同様の条件で付加型液状シリコーンゴムの硬化処理およびポストキュアを行うことにより、厚みが2.5mmのシートを作製した。このシートから打ち抜きによってクレセント形の試験片を作製し、JIS K 6249に準拠して23±2℃における引裂強度を測定した。
(ニ)デュロメーターA硬度:
上記(ハ)と同様にして作製されたシートを5枚重ね合わせ、得られた積重体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して23±2℃におけるデュロメーターA硬度を測定した。
先ず、厚みが250μmの42アロイよりなる支持板(縦方向の寸法が230mm、横方向の寸法が230mm)上に、調製した樹脂層形成材料を塗布し、塗膜を40℃で乾燥することにより厚みが0.025mmである突出部分形成用樹脂層を形成して積層体を形成し、積層体における突出部分形成用樹脂層の一面上に印刷用マスクを配置し、上記付加型液状シリコーンゴムよりなる高分子物質形成材料を印刷法によって塗布することにより、フレーム板の異方導電性シート形成用の開口に対応する位置に、高分子物質形成材料層を形成した。高分子物質材料層形成用の印刷マスクとしては、厚みが150μmの鉄よりなるマスク基板(縦方向の寸法が230mm、横方向の寸法が230mm)の、フレーム板の異方導電性シート形成用の開口に対応する位置に、複数の貫通孔が形成されてなるものであって、各々の貫通孔は、その横方向の寸法が5800μmで、縦方向の寸法が600μmのものである。
また、厚みが50μmで、縦方向の寸法が230mm、横方向の寸法が230mmのテフロン(登録商標)フィルムよりなる離型フィルムの他面上に、露光用マスクをその他面が接するよう配置した状態において、露光用マスクの一面に、上記付加型液状シリコーンゴムよりなる高分子物質形成材料を印刷法によって塗布することにより、フレーム板の異方導電性シート形成用の開口に対応する位置に、高分子物質形成材料層を露光用マスクの透光用貫通孔内に充填された状態で形成した。
次いで、高分子物質形成材料層が形成された積層体を、厚みが6mmの鉄よりなる平板状の下側加圧板上に配置し、この積層体の一面上に、フレーム板を下側スペーサーを介して位置合わせして配置すると共に上側スペーサーをフレーム板上に位置合わせして配置し、さらに、上面側スペーサーの一面上に、高分子物質形成材料層が形成された露光用マスクおよび離型フィルムの積層体を、露光用マスクの透光用貫通孔における開口径が大きい一面、すなわち、透光用貫通孔を形成するに際してレジスト層を形成した面が上側スペーサーの一面に対向するよう配置し、離型フィルムの一面上に平板状の上側加圧板を配置し、これらを積層方向に加圧することにより、異方導電性シートの成形用空間に高分子物質材料を充填して目的とする形態の高分子物質形成材料層を形成する。
この状態において、100℃の温度で90分間の加熱処理を行うことにより、高分子物質形成材料層を硬化させてフレーム板の開口部の各々に絶縁性シート基材を形成し、上側加圧板、下側加圧板および離型フィルムを除去した状態において、CO2 レーザー加工機「Impact L−500」(住友重機械工業(株)製)の加工ステージ上に配置し、露光用マスクの他面側からレーザー光を下記の条件で照射することにより、フレーム板の開口部の各々に設けられた絶縁性シート基材に、各々厚み方向に貫通して伸びる複数の導電路素子形成用貫通孔を形成すると共に、突出部分形成用樹脂層に、それぞれの導電路形成用貫通孔に連続して厚み方向に貫通して伸びる突出部分形成用貫通孔を形成し、その後、支持板を剥離することにより、一次複合体を得た。
上記のようにして得られた一次複合体を、真空印刷機のチャンバ内における印刷加工台上にフッ素ゴムよりなるシール用ゴムシートを介して配置し、さらに、一次複合体上に、上記の印刷用マスクを位置あわせして配置した後、真空印刷機のチャンバ内を1×10-4atmに減圧し、この状態において、導電路素子用材料をスクリーン印刷により塗布した後、チャンバ内の雰囲気圧を上昇させて常圧にすることにより、導電路素子材料を、露光用マスクの透光用貫通孔の内部空間、導電路素子形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に充填し、その後、印刷用マスクを除去し、露光用マスク上に余剰に残留している導電路素子用材料スキージを用いて除去することにより、導電路素子用材料層を形成した。
その後、導電路素子成形用空間に導電路素子用材料層が形成された一次複合体を、その一面および他面に配置された、各々、厚さが6mmの鉄よりなる上側加圧板および下側加圧板によって支持した状態において、ヒーターを具えた一対の電磁石の間に配置し、この電磁石を作動させることにより、導電路素子用材料層の厚み方向に平均で2.2Tの平行磁場を作用させながら、2.3kg/cm2 の押圧力で加圧すると共に100℃で1時間の加熱処理を行うことにより、導電性粒子を厚さ方向に並ぶよう配向させると共に導電路素子用材料層を硬化させて導電路素子を形成し、これにより、二次複合体を得た。
そして、露光用マスクを二次複合体より剥離して除去することにより導電路素子の一面側突出部分を形成し、この状態において、二次複合体の全体を80℃の温水中に浸漬させて3時間の間放置することにより突出部分形成用樹脂層を溶解して除去し、これにより、導電路素子の他面側突出部分を形成し、導電路素子が絶縁性シート体の両面から突出する状態で設けられてなる異方導電性シートを形成し、以って、本発明に係る異方導電性コネクターを製造した。
異方導電性シートの各々には、評価用ウエハW1における被検査電極に対応する50個の導電路素子が100μmのピッチで横方向に一列に配列されており、導電路素子の各々は、厚みが0.143mmであり、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μmの断面四角形の四角柱状である。また、導電路素子の各々を相互に絶縁する絶縁性シート体部分の厚みは0.1mmであり、導電路素子の厚みに対する絶縁性シート体部分の厚みの比(T2/T1)が1.43である。また、異方導電性シートの各々におけるフレーム板に支持された部分の厚み(二股部分の一方の厚み)は0.02mmである。
上記の異方導電性コネクター(A1)〜(A10)の作製工程において、支持板の一面上に突出部分形成用樹脂層を形成せず、露光用マスクを配置しない状態で、異方導電性シートの成形用空間に高分子物質材料を充填して目的とする形態の高分子物質形成材料層を形成して硬化処理を行うことにより絶縁性シート基材を形成し、その後、露光用マスクをその透光用貫通孔における開口径が小さい他面、すなわち、透光用貫通孔を形成するに際してレジスト層を形成した面の反対側の面が絶縁性シート基材の一面に接するよう配置して露光用マスクの一面側からレーザー光を照射することにより導電路形成用貫通孔を形成し、絶縁性シート体の両面に導電路形成用貫通孔のパターンに対応するパターンに従って開口が形成された印刷用マスクを配置し、印刷用マスクの開口の内部空間および絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層を形成して硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、印刷用マスクを剥離して除去することにより一面側突出部分および他面側突出部分を形成し、これにより、導電路素子が絶縁性シート体の両面から突出する状態で設けられてなる異方導電性シートを形成したことの他は、異方導電性コネクター(A1)〜(A10)の作製工程と同様にして合計で10枚の比較用の異方導電性コネクターを作製した。以下、これらの異方導電性コネクターを異方導電性コネクター(B1)〜異方導電性コネクター(B10)とする。
得られた比較用の異方導電性コネクターにおける異方導電性シートについて具体的に説明すると、異方導電性シートの各々は、横方向の寸法が6000μm、縦方向の寸法が1200μmのものであり、評価用ウエハW1における被検査電極に対応する50個の導電路素子が100μmのピッチで横方向に一列に配列されている。また、異方導電性シートにおける導電路素子が形成された部分の厚みが133〜143μmの範囲内であり、絶縁性シート体の肉厚中における横方向の寸法が約70〜80μmの範囲内、縦方向の寸法が210〜220μmの範囲内にある断面形状を有するものである。
また、導電路素子の各々を相互に絶縁する絶縁性シート体部分の厚みは100μmであり、導電路素子の厚みに対する絶縁性シート体部分の厚みの比(T2/T1)が1.18である。また、異方導電性シートの各々におけるフレーム板に支持された部分の厚み(二股部分の一方の厚み)は20μmである。
基板材料としてアルミナセラミックス(線熱膨張係数4.8×10-6/K)を用い、評価用ウエハW1における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極が形成された検査用回路基板を作製した。この検査用回路基板は、全体の寸法が30cm×30cmの矩形であり、その検査電極は、横方向の寸法が60μmで縦方向の寸法が200μmである。以下、この検査用回路基板を「検査用回路基板T」という。
以下のようにして、異方導電性コネクター(A1)〜異方導電性コネクター(A10)および比較用の異方導電性コネクター(B1)〜異方導電性コネクター(B10)について、初期導電特性の評価を行った。
すなわち、評価用ウエハW1を試験台に配置し、この評価用ウエハW1上に異方導電性コネクターをその接続用導電部の各々が当該評価用ウエハW1の被検査電極上に位置するよう位置合わせして配置し、この異方導電製コネクター上に、検査用回路基板Tをその検査電極の各々が当該異方導電性コネクターの接続用導電部上に位置するよう位置合わせして配置し、更に、検査用回路基板Tを下方に58.95kgの荷重(接続用導電部1個当たりに加わる荷重が平均で3g)で加圧した。そして、室温(25℃)下において、検査用回路基板Tにおける19650個の検査電極と評価用ウエハW1の引出し電極との間の電気抵抗を、接続用導電部における電気抵抗(以下、「導通抵抗」という。)として順次測定し、導通抵抗が1Ω未満である接続用導電部の割合を算出した。
また、評価用ウエハW2を試験台に配置し、この評価用ウエハW2上に異方導電性コネクターをその接続用導電部の各々が当該評価用ウエハW2の被検査電極上に位置するよう位置合わせして配置し、この異方導電製コネクター上に、検査用回路基板Tをその検査電極の各々が当該異方導電性コネクターの接続用導電部上に位置するよう位置合わせして配置し、更に、検査用回路基板Tを下方に158kgの荷重(接続用導電部1個当たりに加わる荷重が平均で約8g)で加圧した。そして、室温(25℃)下において、検査用回路基板Tにおける隣接する2つの検査電極の間の電気抵抗を、隣接する2つの接続用導電部(以下、「導電部対」という。)の間の電気抵抗(以下、「絶縁抵抗」という。)として順次測定し、絶縁抵抗が10MΩ以上である導電部対の割合を算出した。
以上、結果を表1に示す。
これに対して、比較例に係る異方導電性コネクター(B1)〜(B10)においては、隣接する導電路素子間に十分な絶縁性が得られないものであることが確認された。また、隣接する導電路素子間の絶縁性シート体部分を観察したところ、導電路素子同士が連結して形成されている個所が存在しており、各々の導電路素子を互いに独立して構成することができず、また、全体の約0.5%程度の導電路素子が、一面側突出部分および他面側突出部分の一方または両方が欠損しているものであることが確認された。
10A 一次複合体 10B 二次複合体
11 導電路素子 11A 導電路素子用材料
11B 導電路素子用材料層 12A 一面側突出部分
12B 他面側突出部分
15 絶縁性シート体 16 絶縁性シート基材
16A 高分子物質形成材料層 16B 高分子物質形成材料層
17 導電路形成用貫通孔
18 突出部分形成用樹脂層 18A 突出部分形成用貫通孔
19 積層体
20 露光用マスク
20A 一面 20B 他面
21 透光用貫通孔
23 チャンバ 24 印刷用マスク
25,26 電磁石 S 溶剤
30 異方導電性コネクター
30A 一次複合体 30B 二次複合体
31 フレーム板
31A 開口 31B 空気流入孔
32 支持板 32A 積層材料
33 上面側スペーサー 33A 開口
34 下面側スペーサー 34A 開口
35 上面側加圧板 36 下面側加圧板
37 離型フィルム
40 回路検査用プローブ
50 検査用回路基板
51 検査電極 52 接続端子
53 内部配線 60 ウエハ
62 被検査電極 65 ウエハ載置台
70 シート状コネクター
71 絶縁性シート 72 電極構造体
73 表面電極部 74 裏面電極部
75 短絡部
W ウエハ
L 集積回路 A 被検査電極領域
80 上型 85 下型
81,86 基板 82,87 強磁性体層
82A,87A 凹所 83,88 非磁性体層
84 スペーサー 90 シート成形材料層
91 導電路形成部 92 絶縁部
93 偏在型異方導電性エラストマーシート
P 導電性粒子
95 露光用マスク
95A 一面(レジスト層形成面) 95B 他面
96 透光用貫通孔 96A 内壁面
97 絶縁性シート基材
97A 一面 97B 他面
98 導電路形成用貫通孔 98A 極大部
Claims (23)
- 各々厚み方向に伸びる複数の導電路形成用貫通孔が形成された、弾性高分子物質よりなる絶縁性シート体と、この絶縁性シート体の各々の導電路形成用貫通孔内に、当該絶縁性シート体の両面から突出する状態で一体的に設けられた導電路素子とを有する異方導電性シートを製造する方法であって、
各々、一面から他面に向かうに従って小径となる厚み方向に伸びる複数の透光用貫通孔が、形成すべき導電路素子のパターンに対応するパターンに従って形成された露光用マスクを用意し、
弾性高分子物質よりなる絶縁性シート基材の少なくとも他面に、突出部分形成用樹脂層が形成された積層体を作製し、この積層体の一面上に、前記露光用マスクを当該露光用マスクの一面が当該積層体の一面に接するよう配置し、当該露光用マスクの他面側より当該露光用マスクの透光用貫通孔を介してレーザー光を照射することにより、積層体における絶縁性シート基材に、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成用貫通孔を形成すると共に、積層体における突出部分形成用樹脂層に、それぞれ導電路形成用貫通孔の各々に連続して厚み方向に伸びる複数の突出部分形成用貫通孔を形成し、これにより、絶縁性シート体の少なくとも他面に突出部分形成用樹脂層が設けられてなる一次複合体を形成する工程と、
一次複合体における絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性粒子が分散されてなる導電路素子用材料を充填することにより、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層を形成し、当該導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、これにより、複数の導電路素子が一次複合体の導電路素子成形用空間内に一体的に設けられてなる二次複合体を形成する工程と、
二次複合体における突出部分形成用樹脂層を溶解して除去することにより導電路素子における他端部を露出させて他面側突出部分を形成する工程と
を有することを特徴とする異方導電性シートの製造方法。 - 絶縁性シート体を構成する弾性高分子物質としてシリコーンゴムが用いられ、突出部分形成用樹脂層を構成する樹脂層形成材料としてポリビニルアルコールが用いられることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性シートの製造方法。
- 平均重合度が100〜5000であるポリビニルアルコールが用いられることを特徴とする請求項2に記載の異方導電性シートの製造方法。
- 突出部分形成用樹脂層を5〜100μmの厚みで形成することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の異方導電性シートの製造方法。
- 導電路素子用材料における導電性粒子として磁性を示すものが用いられ、
絶縁性シート体に形成された導電路素子材料層の厚み方向に磁場を作用させることにより導電路素子用材料層中に分散されていた導電性粒子を当該導電路素子用材料層の厚み方向に配向させ、この状態において、導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の異方導電性シートの製造方法。 - レーザー光を露光用マスクにおける複数の透光用貫通孔を介して照射することにより、複数の導電路形成用貫通孔を一括して形成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の異方導電性シートの製造方法。
- 露光用マスクを一次複合体における絶縁性シート体の一面上に配置したままの状態において、前記導電路素子用材料を、露光用マスクの透光用貫通孔の内部空間、絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に充填して導電路素子用材料層を形成し、当該導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、露光用マスクを除去することにより導電路素子の一端部を露出させて、基端から先端に向かうに従って小径となる形状の一面側突出部分を形成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の異方導電性シートの製造方法。
- レーザー光が炭酸ガスパルスレーザー装置によるものであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の異方導電性シートの製造方法。
- 露光用マスクとして、厚みが5〜100μmであるものが用いられることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の異方導電性シートの製造方法。
- 露光用マスクとして、一面における開口径r2と、他面における開口径r1との開口径比r1/r2が0.2〜0.98であるものが用いられることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の異方導電性シートの製造方法。
- 露光用マスクとして金属よりなるものが用いられることを特徴とする請求項6〜請求項10のいずれかに記載の異方導電性シートの製造方法。
- 開口を有するフレーム板と、このフレーム板の開口を塞ぐよう配置され、当該フレーム板の開口縁部によって支持された異方導電性シートとを具えてなり、当該異方導電性シートが、各々、厚み方向に伸びる複数の導電路素子が弾性高分子物質よりなる絶縁性シート基材の両面から突出する状態で形成されてなるものである異方導電性コネクターを製造する方法であって、
開口が形成されたフレーム板を用意し、このフレーム板の開口およびそれらの開口縁部に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料層を形成し、当該高分子物質形成材料層の硬化処理を行うことにより、フレーム板の開口およびその開口縁部に弾性高分子物質よりなる絶縁性シート基材を形成し、この絶縁性シート基材の少なくとも他面に突出部分形成用樹脂層が形成された積層体を作製し、当該積層体の一面上に、各々一面から他面に向かって小径となる厚み方向に伸びる複数の透光用貫通孔が形成すべき導電路素子のパターンに対応するパターンに従って形成された露光用マスクを当該露光用マスクの一面が当該積層体の一面に接するよう配置し、当該露光用マスクの他面側より当該露光用マスクの透光用貫通孔を介してレーザー光を照射することにより、積層体における絶縁性シート基材に、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成用貫通孔を形成すると共に、積層体における突出部分形成用樹脂層に、それぞれ、導電路形成用貫通孔の各々に連続して厚み方向に伸びる複数の突出部分形成用貫通孔を形成し、これにより、フレーム板の開口およびその開口縁部に設けられた絶縁性シート体の少なくとも他面に突出部分形成用樹脂層が設けられてなる一次複合体を形成する工程と、
一次複合体における絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性粒子が分散されてなる導電路素子用材料を充填することにより、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層を形成し、当該導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、これにより、複数の導電路素子が一次複合体の導電路素子成形用空間内に一体的に設けられてなる二次複合体を形成する工程と、
二次複合体における突出部分形成用樹脂層を溶解して除去することにより導電路素子における他端部を露出させて他面側突出部分を形成する工程と
を有することを特徴とする異方導電性コネクターの製造方法。 - 検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極が配置された領域、あるいはウエハに形成された集積回路の中から選択された複数の集積回路における被検査電極が配置された領域に対応してそれぞれ厚み方向に伸びる複数の開口が形成されたフレーム板を用意し、このフレーム板の開口の各々およびそれらの開口縁部に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料層を形成し、当該高分子物質形成材料層の硬化処理を行うことにより弾性高分子物質よりなる複数の絶縁性シート基材を形成し、この絶縁性シート基材の少なくとも他面に、突出部分形成用樹脂層が形成された積層体を作製し、各々一面から他面に向かって小径となる厚み方向に伸びる複数の透光用貫通孔が形成すべき導電路素子のパターンに対応するパターンに従って形成された露光用マスクを当該露光用マスクの一面が当該積層体の一面に接するよう配置し、当該露光用マスクの他面側より当該露光用マスクの透光用貫通孔を介してレーザー光を照射することにより、積層体における絶縁性シート基材に、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成用貫通孔を形成すると共に、積層体における突出部分形成用樹脂層に、それぞれ、導電路形成用貫通孔の各々に連続して厚み方向に伸びる複数の突出部分形成用貫通孔を形成し、これにより、フレーム板の開口およびその開口縁部に設けられた絶縁性シート体の少なくとも他面に突出部分形成用樹脂層が設けられてなる一次複合体を形成する工程と、
一次複合体における絶縁性シート体の導電路形成用貫通孔の内部空間および突出部分形成用樹脂層の突出部分形成用貫通孔の内部空間を含む導電路素子成形用空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性粒子が分散されてなる導電路素子用材料を充填することにより、導電路素子成形用空間内に導電路素子用材料層を形成し、当該導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより導電路素子を形成し、これにより、複数の導電路素子が一次複合体の導電路素子成形用空間内に一体的に設けられてなる二次複合体を形成する工程と、
二次複合体における突出部分形成用樹脂層を溶解して除去することにより導電路素子における他端部を露出させて他面側突出部分を形成する工程と
を有することを特徴とする異方導電性コネクターの製造方法。 - 絶縁性シート体を構成する弾性高分子物質としてシリコーンゴムが用いられ、突出部分形成用樹脂層を構成する樹脂層形成材料としてポリビニルアルコールが用いられることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の異方導電性コネクターの製造方法。
- 平均重合度が100〜5000であるポリビニルアルコールが用いられることを特徴とする請求項14に記載の異方導電性コネクターの製造方法。
- 突出部分形成用樹脂層を5〜100μmの厚みで形成することを特徴とする請求項12〜請求項15のいずれかに記載の異方導電性コネクターの製造方法。
- 導電路素子用材料における導電性粒子として磁性を示すものが用いられ、
絶縁性シート体に形成された導電路素子材料層の厚み方向に磁場を作用させることにより導電路素子用材料層中に分散されていた導電性粒子を当該導電路素子用材料層の厚み方向に配向させ、この状態において、導電路素子用材料層の硬化処理を行うことにより、絶縁性シート体の導電路素子形成用貫通孔に一体的に設けられた導電路素子を形成することを特徴とする請求項12〜請求項16のいずれかに記載の異方導電性コネクターの製造方法。 - 平板状の支持板の一面上に突出部分形成用樹脂層が形成された積層材料を作製し、この積層材料の一面上および露光用マスクの一面上の一方または両方に高分子物質形成材料を塗布して高分子物質形成材料層を形成し、フレーム板をその他面が前記積層材料の一面に離間して対向するよう配置すると共に露光用マスクをその一面が当該フレーム板の一面に離間して対向するよう配置し、これらを重ね合わせて加圧することにより、フレーム板の開口の内部空間、フレーム板と露光用マスクとの間の空間および露光用マスクの透光用貫通孔の内部空間を含む成形用空間内に、目的とする形態の高分子物質形成材料層を形成し、当該高分子物質材料層の硬化処理を行うことにより絶縁性シート基材を形成し、当該露光用マスクの他面側より当該露光用マスクの透光用貫通孔を介してレーザー光を照射することにより、絶縁性シート基材に、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成用貫通孔を形成すると共に、突出部分形成用樹脂層に、それぞれ導電路形成用貫通孔の各々に連続して厚み方向に伸びる複数の突出部分形成用貫通孔を形成し、これにより、フレーム板の開口およびその開口縁部に設けられた絶縁性シート体の少なくとも他面に突出部分形成用樹脂層が設けられてなる一次複合体を形成することを特徴とする請求項12〜請求項17のいずれかに記載の異方導電性コネクターの製造方法。
- 支持板としてフレーム板と同じ材質のものが用いられることを特徴とする請求項18に記載の異方導電性コネクターの製造方法。
- レーザー光が炭酸ガスパルスレーザー装置によるものであることを特徴とする請求項12〜請求項19のいずれかに記載の異方導電性コネクターの製造方法。
- 露光用マスクとして、厚みが5〜100μmであるものが用いられることを特徴とする請求項12〜請求項20のいずれかに記載の異方導電性コネクターの製造方法。
- 露光用マスクとして、一面における開口径r2と、他面における開口径r1との開口径比r1/r2が0.2〜0.98であるものが用いられることを特徴とする請求項12〜請求項21のいずれかに記載の異方導電性コネクターの製造方法。
- 露光用マスクとして、金属よりなるものが用いられることを特徴とする請求項12〜請求項22のいずれかに記載の異方導電性コネクターの製造方法。
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