JP2005026672A - 異方導電性コネクターおよびウエハ検査装置 - Google Patents

異方導電性コネクターおよびウエハ検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型で、検査用回路基板の使用寿命が短くならず、多数の被検査電極の検査を一括して行うことができ、良好な電気特性を有し、高機能集積回路の電気的検査が可能なウエハ検査装置およびこれに用いる異方導電性コネクターの提供。
【解決手段】 異方導電性コネクターは、互いに離間して配置された厚み方向に伸びる複数の接続用導電部およびこれらの間に形成された絶縁部よりなる弾性異方導電膜と、これを支持するフレーム板とよりなり、フレーム板は線熱膨張係数が3×10-6〜3×10-5-1の金属材料よりなり、接続用導電部は、弾性高分子物質中に数平均粒子径が20〜80μmの磁性を示す導電性粒子が密に充填されてなり、導電性粒子は、表面に厚みが20nm以上の貴金属よりなる被覆層が形成されてなり、接続用導電部のデュロメーター硬さが10〜35であり、接続用導電部間における電気抵抗が10MΩ以上である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ウエハ検査装置およびこのウエハ検査装置に好適に用いることができる異方導電性コネクターに関し、更に詳しくは、ウエハに形成された多数の集積回路の一部若しくは全部について一括してプローブ試験を行うためのウエハ検査装置、またはウエハに形成された多数の集積回路の一部若しくは全部について一括してバーンイン試験を行うためのウエハ検査装置、およびこれらのウエハ検査装置に好適に用いることができる異方導電性コネクターに関するものである。
一般に、半導体集積回路装置の製造工程においては、ウエハ上に多数の集積回路を形成した後、これらの集積回路の各々についてプローブ試験が行われる。次いで、このウエハを切断することによって半導体チップが形成され、この半導体チップが適宜のパッケージ内に収納されて封止され、更に、パッケージ化された半導体集積回路装置の各々について、バーンイン試験が行われる。而して、半導体集積回路装置の品質保証を行うためには、バーンイン試験によって、当該半導体集積回路装置の電気的特性の検査を行うことのみならず、半導体チップ自体の電気的特性の検査を行うことが極めて重要である。また、近年、半導体チップ自体を集積回路装置として用い、当該半導体チップよりなる回路装置を例えばプリント回路基板上に直接実装する実装法が開発されており、そのため、半導体チップ自体の品質保証を行うことが要請されている。
然るに、半導体チップは微小なものであってその取扱いが不便なものであるため、半導体チップよりなる回路装置の検査は、煩雑で長い時間を要し、従って、検査コストが相当に高くなる。
このような理由から、最近において、半導体チップよりなる回路装置の電気的特性の検査をウエハの状態で行うWLBI(Wafer Level Burn−in)試験が注目されている。
一方、ウエハ上に形成された集積回路に対して行われるプローブ試験においては、一般に、ウエハ上に形成された多数の集積回路のうち例えば16個または32個の集積回路について一括してプローブ試験を行い、順次、その他の集積回路についてプローブ試験を行う方法が採用されている。
而して、近年、検査効率を向上させ、検査コストの低減化を図るために、ウエハ上に形成された多数の集積回路のうち例えば64個、124個または全部の集積回路について一括してプローブ試験を行うことが要請されている。
図18は、多数の集積回路が形成されたウエハについてWLBI試験またはプローブ試験を行うための従来のウエハ検査装置の一例における構成の概略を示す説明用断面図である。このようなウエハ検査装置は、例えば特許文献1および特許文献2に記載されている。
このウエハ検査装置は、表面(図において下面)に多数の検査用電極81が形成された検査用回路基板80を有し、この検査用回路基板80の表面には、コネクター85を介してプローブカード90が配置されている。このプローブカード90は、接続用回路基板91と、この接続用回路基板90の表面(図において下面)に設けられた、検査対象であるウエハ1における集積回路の被検査電極(図示省略)に接触される多数の接触子(図示省略)を有する接触部材95とにより構成されている。接触部材95の下方には、検査対象であるウエハ1が載置される、加熱板を兼ねたウエハトレイ96が配置されている。また、97は、検査用回路基板80を下方に加圧する加圧機構である。
プローブカード90における接続用回路基板91の裏面には、検査用回路基板80の検査用電極81のパターンに対応するパターンに従って多数の端子電極92が形成され、当該接続用回路基板91は、ガイドピン93によって、端子電極92の各々が検査用回路基板80の検査用電極81に対向するよう配置されている。
コネクター85においては、「ポゴピン」と称される長さ方向に弾性的に圧縮し得る多数の接続ピン86が、検査用回路基板80の検査用電極81のパターンに対応するパターンに従って配列されている。そして、コネクター85は、接続ピン86の各々が、検査用回路基板80の検査用電極81と接続用回路基板91の端子電極92との間に位置された状態で配置されている。
図18に示すウエハ検査装置においては、検査対象であるウエハ1がウエハトレイ96上に載置され、検査用回路基板80が加圧機構97によって下方に加圧されることにより、コネクター85の接続ピン86の各々が長さ方向に弾性的に圧縮され、これにより、検査用回路基板80の検査用電極81の各々と接続用回路基板91の端子電極92の各々とが電気的に接続されると共に、ウエハ1に形成された一部の集積回路の被検査電極の各々に、接触部材95の接触子の各々が接触し、これにより、所要の電気的接続が達成される。そして、ウエハトレイ96によってウエハ1が所定の温度に加熱され、この状態で、ウエハ1についての所要の電気的検査(WLBI試験またはプローブ試験)が行われる。
しかしながら、図18に示す従来のウエハ検査装置においては、以下のような問題がある。
すなわち、このウエハ検査装置においては、検査用回路基板80の検査用電極81と接続用回路基板91の端子電極92との安定な電気的接続を達成するために、接続ピン86の各々を例えば1個当たり0.8N(約0.08kgf)程度の加圧力で加圧することが必要であり、従って、例えば検査用回路基板80の検査用電極81の数が例えば5000個である場合には、全体で4000N程度の加圧力が必要となる。そのため、このような加圧力を作用させるための加圧機構97は必然的に大型のものとなって、ウエハ検査装置全体が相当に大型のものとなる、という問題がある。
また、検査用回路基板80の検査用電極81の各々が接続ピン86によって大きい加圧力で加圧されることによって、当該検査用電極81の各々が損傷しやすくなるため、検査用回路基板80の使用寿命が短くなり、延いては、検査コストが増大する、という問題がある。
また、機構上の制約から、接続ピン86の長さを小さくすることには限界があり、実際上接続ピンには3cm程度の長さが必要とされる。そのため、検査用回路基板80と接続用回路基板91との離間距離が相当に長いものとなる結果、ウエハ検査装置の高さ方向の寸法を小さくすることが困難であり、この点からも、ウエハ検査装置全体の小型化を図ることができない、という問題がある。特に、最近においては、複数のウエハの検査を小さい作業スペースで並行して行うために、例えば図18に示す各構成部品からなる検査ユニットの複数が積み重ねられてなるウエハ検査装置が提案されており、このようなウエハ検査装置においては、各検査ユニットの高さ方向の寸法が大きいと、ウエハ検査装置全体が相当に巨大なものとなるため、各検査ユニットの高さ方向の寸法を小さくすることは、装置の小型化を図るうえで極めて重要である。
また、接続ピン86として、その長さが相当に大きいものが必要であることから、信号伝送系の距離が相当に長くなるため、高速処理が必要とされる高機能の集積回路の電気的検査に対応することが困難である、という問題がある。
特開2000−147063号公報 特開2000−323535号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、ウエハに形成された多数の集積回路の電気的検査を行うウエハ検査装置において、装置全体の小型化が可能で、検査用回路基板の使用寿命が短くなることがなく、多数の被検査電極についての検査を一括して行うことができ、良好な電気特性を有し、高機能の集積回路の電気的検査を行うことができるウエハ検査装置、およびこのウエハ検査装置に好適に用いることができる異方導電性コネクターを提供することにある。
本発明の異方導電性コネクターは、面方向に沿って互いに離間して配置された厚み方向に伸びる複数の接続用導電部およびこれらの接続用導電部の間に形成された絶縁部よりなる弾性異方導電膜と、この弾性異方導電膜を支持するフレーム板とよりなり、
前記フレーム板は、線熱膨張係数が3×10-6〜2×10-5-1の金属材料よりなり、 前記弾性異方導電膜における接続用導電部は、弾性高分子物質中に数平均粒子径が20〜80μmの磁性を示す導電性粒子が密に充填されてなり、当該導電性粒子は、表面に厚みが20nm以上の貴金属よりなる被覆層が形成されてなり、当該接続用導電部のデュロメーター硬さが10〜35であり、互いに隣接する接続用導電部間における電気抵抗が10MΩ以上であることを特徴とする。
本発明の異方導電性コネクターにおいては、前記フレーム板は、少なくとも一つの厚み方向に伸びる貫通孔を有し、前記弾性異方導電膜は、その接続用導電部が前記フレーム板の貫通孔内に位置するよう配置されていることが好ましい。
また、前記フレーム板は、それぞれ厚み方向に伸びる複数の貫通孔を有し、前記弾性異方導電膜は、その接続用導電部が前記フレーム板の各貫通孔内に位置するよう配置されていることが好ましい。
また、本発明の異方導電性コネクターにおいては、前記接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に加圧した場合における当該接続用導電部の許容電流値が1A以上であることが好ましい。
また、前記接続用導電部をその歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した場合における当該接続用導電部の許容電流値が1A以上であることが好ましい。
また,本発明の異方導電性コネクターにおいては、前記接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗が0.1Ω以下であり、温度80℃の環境下で、接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に15分間加圧し、次いで、加圧を解除した状態で5分間保持するサイクルを3000回繰り返した後において、当該接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗が0.1Ω以下であることが好ましい。
また、本発明の異方導電性コネクターにおいては、前記接続用導電部を歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗が0.1Ω以下であり、温度80℃の環境下で、接続用導電部を歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した状態で当該接続用導電部に1Aの電流を3000時間印加させた後に測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗が0.1Ω以下であることが好ましい。
本発明のウエハ検査装置は、ウエハに形成された多数の集積回路の電気的検査を行うためのウエハ検査装置であって、
表面に多数の検査用電極を有する検査用回路基板と、
裏面に前記検査用回路基板の検査用電極のパターンに対応するパターンに従って複数の端子電極が形成された接続用回路基板、およびこの接続用回路基板の表面に設けられた、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極に接触される多数の接触子が配置されてなる接触部材を有し、当該接続用回路基板の端子電極の各々が前記検査用回路基板の検査用電極に対向するよう配置されたプローブカードと、
前記検査用回路基板と前記プローブカードにおける接続用回路基板との間に配置され、当該検査用電極の各々と当該端子電極の各々とを電気的に接続する、上記の構成の異方導電性コネクターと
を具えてなることを特徴とする。
本発明のウエハ検査装置においては、異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜が検査用回路基板と接続用回路基板とよって挟圧された状態で、当該検査用回路基板、当該異方導電性コネクターおよび当該接続用回路基板の三者が固定されており、これにより、当該検査用回路基板における検査用電極の各々と当該接続用回路基板における端子電極の各々とが当該異方導電性コネクターにおける接続用導電部を介して電気的に接続されていてもよい。
また、本発明のウエハ検査装置においては、検査用回路基板を加圧することによって、プローブカードにおける接触部材の接触子の各々を検査対象であるウエハにおける被検査電極の各々に電気的に接続するための加圧機構を具えてなり、
当該加圧機構によって検査用回路基板が加圧されることにより、当該検査用回路基板と接続用回路基板とによって異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜が挟圧され、これにより、当該検査用回路基板における検査用電極の各々と当該接続用回路基板における端子電極の各々とが当該異方導電性コネクターにおける接続用導電部を介して電気的に接続されるものであってもよい。
本発明の異方導電性コネクターによれば、弾性異方導電膜が金属材料よりなるフレーム板によって支持されているため、当該フレーム板を保持したときには異方導電性コネクター全体が大きく変形することがなく、これにより、当該異方導電性コネクターの接続対象電極に対する位置合わせ作業を容易に行うことができる。
また、フレーム板を構成する金属材料は線熱膨張係数が小さいものであるため、温度環境の変化に対しても優れた寸法安定性を有し、これにより、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
また、弾性異方導電膜における接続用導電部には、デュロメーター硬さが特定の範囲にある弾性高分子物質中に特定の導電性粒子が充填されてなるため、高い導電性が得られると共に、接続対象電極に対する安定な電気的接続状態が得られる。
また、接続用導電部間における電気抵抗が10MΩ以上であるため、接続対象電極に対して高い接続信頼性が得られる。
従って、本発明の異方導電性コネクターは、ウエハ検査装置に好適に用いることができる。
本発明のウエハ検査装置によれば、検査用回路基板と接続用回路基板とを電気的に接続するためのコネクターが、上記の異方導電性コネクターであることにより、検査用回路基板の検査用電極と接続用回路基板の端子電極との電気的接続が小さい加圧力で確実に達成されるため、加圧機構として大型のものを用いることが不要となる。また、検査用回路基板と接続用回路基板との離間距離が短いため、当該ウエハ検査装置の高さ方向の寸法を小さくすることができる。従って、ウエハ検査装置全体の小型化を図ることができる。
また、検査用回路基板の検査用電極に作用される加圧力が小さいため、当該検査用電極が損傷することがなく、当該検査用回路基板の使用寿命が短くなることがない。
また、検査用回路基板の検査用電極は、特定の異方導電性コネクターによって電気的に接続されることにより、当該検査用電極を高密度で配置することができ、従って、多数の検査用電極を形成することができるので、多数の被検査電極についての検査を一括して行うことができる。
また、特定の異方導電性コネクターによる電気的接続は接触抵抗が小さく、しかも、安定した接続状態を達成することができるため、良好な電気特性が得られる。
また、検査用回路基板の検査用電極と接続用回路基板の端子電極とが特定の異方導電性コネクターを介して電気的に接続されているため、信号伝送系の距離が短く、従って、高速処理が必要とされる高機能の集積回路の電気的検査についても対応することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔異方導電性コネクター〕
図1は、本発明に係る異方導電性コネクターの一例を示す平面図であり、図2は、図1に示す異方導電性コネクターのX−X断面図である。
この異方導電性コネクター10は、厚み方向に導電性を示す弾性異方導電膜15と、この弾性異方導電膜15を支持する金属材料よりなる矩形のフレーム板20とにより構成されている。
図3に示すように、フレーム板20には、それぞれ厚み方向に伸びる断面が矩形の複数の貫通孔21が縦横に並ぶよう形成されている。また、図示の例では、フレーム板20の周縁部には、当該異方導電性コネクター10を位置合わせして配置するための複数の位置決め用孔Kが形成されている。
弾性異方導電膜15においては、それぞれ厚み方向に伸びる複数の接続用導電部16が、接続対象電極のパターンに対応するパターンに従って面方向に互いに離間して配置されている。具体的には、それぞれ同一のパターンの格子点位置に従って複数の接続用導電部16が配置されてなる複数の接続用導電部群が縦横に並ぶよう配置されている。また、この例では、各接続用導電部群が配置された位置以外の位置に、それぞれ厚み方向に伸びる複数の非接続用導電部18が、接続用導電部群の各々を取り囲むよう、接続用導電部16と同一のピッチで面方向に互いに離間して配置されている。これらの接続用導電部16および非接続用導電部18の各々は、それらの間に介在された絶縁部17によって相互に絶縁されている。図4に拡大して示すように、接続用導電部16および非接続用導電部18の各々は、絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に配向した状態で密に含有されて構成され、絶縁部17は、絶縁性の弾性高分子物質により構成されている。図示の例では、接続用導電部16の各々には、絶縁部17の両面の各々から突出する突出部分16A,16Bが形成されている。
そして、弾性異方導電膜15は、フレーム板20の各貫通孔21内に各接続用導電部群が位置され、かつ、フレーム板20上に非接続用導電部18の各々が位置されるよう、当該フレーム板20に一体的に固定されて支持されている。
フレーム板20を構成する金属材料は、線熱膨張係数が3×10-6〜2×10-5-1のものとされ、好ましくは3.5×10-6〜1.5×10-5-1のものとされる。
この線熱膨張係数が2×10-5-1を超える場合には、後述するウエハ検査装置におけるコネクターとして使用した際に、ウエハを加熱することによって異方導電性コネクター10の周辺の温度が上昇したときに、当該異方導電性コネクター10の熱膨張によって接続用導電部16と接続対象電極との位置ずれが生じるため、良好な電気的接続状態を安定に維持することが困難となる。
フレーム板20を構成する金属材料の具体例としては、インバー、スーパーインバー、エリンバー、コバール、42合金、ステンレスなどが挙げられる。
また、フレーム板20の厚みは、0.05〜1mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.8mmである。この厚みが0.05mm未満である場合には、十分に高い強度を有するフレーム板20が得られない。一方、この厚みが1mmを超える場合には、弾性異方導電膜15における接続用導電部16の厚みが相当に大きいものとなって、良好な導電性を有する接続用導電部16を得ることが困難となる。
弾性異方導電膜15における接続用導電部16、非接続用導電部18および絶縁部17を構成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有するものが好ましい。かかる架橋弾性高分子物質を得るための硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムなどが挙げられる。
これらの中では、シリコーンゴムが、成形加工性および電気特性の点で好ましい。
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる弾性異方導電膜15の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる弾性異方導電膜15の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
上記の高分子物質形成材料中には、当該高分子物質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100質量部に対して3〜15質量部である。
また、高分子物質形成材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、後述する成形材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子の分散安定性が向上すると共に、硬化処理されて得られる弾性異方導電膜15の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後述する製造方法において、磁場による導電性粒子Pの配向を十分に達成することができなくなるため、好ましくない。
接続用導電部16および非接続用導電部18を構成する磁性を示す導電性粒子Pは、磁性を示す芯粒子の表面に貴金属よりなる被覆層が形成されてなるものである。
ここで、芯粒子を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金などの強磁性体金属よりなるもの、非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子の表面に強磁性体金属のメッキを施したものなどを用いることができる。また、被覆層を構成する貴金属としては、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムおよびこれらの合金などを用いることができる。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキ、置換メッキ、電気メッキ等の湿式法、スパッタリング等の乾式法などにより行うことができる。
導電性粒子Pにおける被覆層の厚みは20nm以上とされ、好ましくは30nm以上、より好ましくは50nm以上である。この被覆層の厚みが20nm以上であれば、当該導電性粒子はその導電性が十分に高いものとなるため、厚み方向に高い導電性を有する接続用導電部が確実に得られる。ここで、導電性粒子の被覆層の厚みは、下記式(I)によって算出されるものをいう。
式(I):t=〔1/(Sw・ρ)〕×〔N/(1−N)〕
〔但し、tは被覆層の厚み(m)、Swは芯粒子のBET比表面積(m2 /kg)、ρは被覆層を形成する貴金属の比重(kg/m3 )、Nは被覆層による被覆率(被覆層の重量/導電性粒子の重量)を示す。〕
上記の式(I)は、次のようにして導かれたものである。
(a)芯粒子の重量をMp(kg)とすると、芯粒子の表面積S(m2 )は、
S=Sw・Mp ………式(1)
によって求められる。
(b)被覆層の重量をm(kg)とすると、当該被覆層の体積V(m3 )は、
V=m/ρ ………式(2)
によって求められる。
(c)ここで、被覆層の厚みが導電性粒子の表面全体にわたって均一なものであると仮定すると、t=V/Sであり、これに上記式(1)および式(2)を代入すると、被覆層の厚みtは、
t=(m/ρ)/(Sw・Mp)=m/(Sw・ρ・Mp) ………式(3)によって求められる。
(d)また、被覆層による被覆率Nは、導電性粒子の重量に対する被覆層の重量の比であるから、この被覆率Nは、
N=m/(Mp+m) ………式(4)
によって求められる。
(e)この式(4)の右辺における分子・分母をMpで割ると、
N=(m/Mp)/(1+m/Mp)となり、両辺に(1+m/Mp)をかけると、
N(1+m/Mp)=m/Mp、更には、
N+N(m/Mp)=m/Mpとなり、N(m/Mp)を右辺に移行すると、
N=m/Mp−N(m/Mp)=(m/Mp)(1−N)となり、両辺を(1−N)で割ると、
N/(1−N)=m/Mpとなり、
従って、芯粒子の重量Mpは、
Mp=m/〔N/(1−N)〕=m(1−N)/N ………式(5)
によって求められる。
(f)そして、式(3)に式(5)を代入すると、
t=1/〔Sw・ρ・(1−N)/N〕
=〔1/(Sw・ρ)〕×〔N/(1−N)〕
が導かれる。
また、被覆層の被覆率Nは、2.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜30質量%、さらに好ましくは3.5〜25質量%、特に好ましくは4〜20質量%である。被覆される貴金属が金である場合には、その被覆率は、3〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは3.5〜25質量%、さらに好ましくは4〜20質量%、特に好ましくは4.5〜10質量%である。
また、導電性粒子Pの数平均粒子径は、20〜80μmとされ、好ましくは30〜60μm、より好ましくは35〜50μmとされる。
導電性粒子Pの数平均粒子径が20μm未満である場合には、接続用導電部に形成される導電路において、導電性粒子同士の接点数が多いため、導電性粒子間の接触抵抗の総和が相当に大きくなる結果、厚み方向に高い導電性が得られない。一方、導電性粒子Pの数平均粒子径が80μmを超える場合には、接続用導電部に含有される導電性粒子の数が少ないため、接続用導電部間において導電性のバラツキが生じやすく、また、接続用導電部の硬度が高くなりやすく、接続対象電極に対する安定な電気的接続が得られない。
また、導電性粒子Pの含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、後述する製造方法において、成形材料層を硬化処理する際に、当該成形材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
また、導電性粒子Pの表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性粒子の表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子Pと弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる接続用導電部16は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子Pの導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子Pの表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
このような導電性粒子Pは、接続用導電部16において体積分率で15〜50%、好ましくは20〜40%となる割合で含有されていることが好ましい。この割合が15%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい接続用導電部16が得られないことがある。一方、この割合が50%を超える場合には、得られる接続用導電部は脆弱なものとなりやすく、接続用導電部として必要な弾性が得られないことがある。
接続用導電部16の各々は、そのデュロメーター硬さが10〜35とされ、好ましくは20〜30とされる。このデュロメーター硬さが10未満である場合には、接続用導電部16を加圧した状態で高温環境下に長時間保持すると、当該接続用導電部16に大きな永久歪みが生じるため、良好な電気的接続状態を維持することが困難となる。一方、このデュロメーター硬さが35を超える場合には、小さい加圧力では、接続用導電部16が十分に変形しないため、当該接続用導電部に電気抵抗の小さい導電路が形成されず、その結果、安定な電気的接続状態を達成することが困難となる。
本発明において、「デュロメーター硬さ」とは、JIS K6253のデュロメーター硬さ試験に基づいて、タイプAデュロメーターによって測定されたものをいう。
また、互いに隣接する接続用導電部16間における電気抵抗が10MΩ以上とされ、好ましくは20MΩ以上とされる。この電気抵抗が10MΩ未満である場合には、接続対象電極に対する接続信頼性が低いものとなる。
また、接続用導電部16を20gの荷重で厚み方向に加圧した場合における当該接続用導電部16の許容電流値が1A以上であることが好ましい。
また、接続用導電部16をその歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した場合における当該接続用導電部16の許容電流値が1A以上であることが好ましい。
ここで、接続用導電部の許容電流値とは、室温環境下に、接続用導電部を厚み方向に加圧した状態において、当該接続用導電部に20秒間電流を印加した後に、当該接続用導電部における電気抵抗が0.1Ωを超えない最大の電流値をいう。
上記の許容電流値が過小である場合には、当該異方導電性コネクター10を例えばウエハの電気的検査に用いる場合において、当該検査に必要な値の電流を印加させたときに、接続用導電部16が発熱して早期に故障しやすくなり、長い使用寿命が得られない。そのため、故障した異方導電性コネクター10を新たなものに交換する作業を頻繁に行わなければならず、検査効率の低下を招く。
本発明の異方導電性コネクターにおいては、接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗(以下、「電気抵抗Ra 」ともいう。)が0.1Ω以下であることが好ましく、より好ましくは0.08Ω以下である。
この電気抵抗Ra が0.1Ωを超える場合には、当該異方導電性コネクター10を例えばウエハの電気的検査に用いる場合において、当該検査に必要な値の電流を印加させたときに、接続用導電部16が発熱して損傷しやすくなり、長い使用寿命が得られない。そのため、故障した異方導電性コネクター10を新たなものに交換する作業を頻繁に行わなければならず、検査効率の低下を招く。
また、温度80℃の環境下で、接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に15分間加圧し、次いで、加圧を解除した状態で5分間保持するサイクルを3000回繰り返した後において、当該接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗(以下、「電気抵抗Rb 」ともいう。)が0.1Ω以下であることが好ましく、より好ましくは0.08Ω以下である。
この電気抵抗Rb が0.1Ωを超える場合には、当該異方導電性コネクター10を例えばウエハの電気的検査に用いる場合において、当該検査に必要な値の電流を印加させたときに、接続用導電部16が発熱して損傷しやすくなり、長い使用寿命が得られない。そのため、故障した異方導電性コネクター10を新たなものに交換する作業を頻繁に行わなければならず、検査効率の低下を招く。
また、接続用導電部を歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗(以下、「電気抵抗Rc 」ともいう。)が0.1Ω以下であることが好ましく、より好ましくは0.08Ω以下である。
この電気抵抗Rc が0.1Ωを超える場合には、当該異方導電性コネクター10を例えばウエハの電気的検査に用いる場合において、当該検査に必要な値の電流を印加させたときに、接続用導電部16が発熱して損傷しやすくなり、長い使用寿命が得られない。そのため、故障した異方導電性コネクター10を新たなものに交換する作業を頻繁に行わなければならず、検査効率の低下を招く。
また、温度80℃の環境下で、接続用導電部を歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した状態で当該接続用導電部に1Aの電流を3000時間印加させた後に測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗(以下、「電気抵抗Rd 」ともいう。)が0.1Ω以下であることが好ましく、より好ましくは0.08Ω以下である。
この電気抵抗Rd が0.1Ωを超える場合には、当該異方導電性コネクター10を例えばウエハの電気的検査に用いる場合において、当該検査に必要な値の電流を印加させたときに、接続用導電部16が発熱して損傷しやすくなり、長い使用寿命が得られない。そのため、故障した異方導電性コネクター10を新たなものに交換する作業を頻繁に行わなければならず、検査効率の低下を招く。
また、上記の電気抵抗Ra 、電気抵抗Rb 、電気抵抗Rc および電気抵抗Rd の各々は、当該異方導電性コネクター10の全ての接続用導電部についての変動係数が50%以下であることが好ましい。この変動係数が50%を超える場合には、当該異方導電性コネクターは、接続用導電部間における導電性のバラツキが大きいものとなるため、高い接続信頼性が得られないことがある。
弾性異方導電膜15の全厚(図示の例では接続用導電部16における厚み)は、0.2〜1.5mmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0mmである。この厚みが0.2mm以上であれば、十分な強度を有する弾性異方導電膜15が確実に得られる。一方、この厚みが1.5mm以下であれば、所要の導電性を有する接続用導電部16が確実に得られる。
接続用導電部16における突出部分16A,16Bの突出高さは、その合計が当該接続用導電部16の厚みの20%以上であることが好ましく、より好ましくは25%以上である。このような突出高さを有する突出部分16A,16Bを形成することより、当該接続用導電部16が小さい圧力で十分に圧縮されるため、良好な導電性が確実に得られる。
このような異方導電性コネクター10は、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、図3に示すフレーム板20を作製する。ここで、フレーム板20の貫通孔21を形成する方法としては、打ち抜き型を用いる方法、パンチング加工法、ドリル加工法、ルーター加工法、レーザー加工法等の物理的な加工方法、化学エッチング法などの化学的な加工方法などを利用することができる。
次いで、硬化処理によって絶縁性の弾性高分子物質となる液状の高分子物質形成材料中に、磁性を示す導電性粒子が分散されてなる流動性の成形材料を調製する。そして、図5に示すように、弾性異方導電膜成形用の金型50を用意し、この金型50における下型56の上面にスペーサー(図示省略)を介してフレーム板20を位置合わせして配置し、このフレーム板20上にスペーサー(図示省略)を介して上型51を位置合わせして配置すると共に、上型51、下型56、スペーサーおよびフレーム板20によって形成される成形空間内に、調製した成形材料を充填して成形材料層15Aを形成する。
ここで、金型50について説明すると、上型51においては、強磁性体基板52の下面に、非磁性体基板53が例えばネジ機構(図示省略)によって固定されて配置されている。この非磁性体基板53の上面には、形成すべき弾性異方導電膜15の接続用導電部16および非接続用導電部18の配置パターンに対掌なパターンに従って、後述する磁性部材54Aが収容される多数の磁性部材収容用凹所53Aが形成され、非磁性体基板53の下面には、形成すべき弾性異方導電膜15の接続用導電部16の配置パターンに対掌なパターンに従って、当該接続用導電部16の突出部分16Aを形成するための突出部分形成用凹所53Bが形成されている。そして、非磁性体基板53の磁性部材収容用凹所53A内には、当該磁性部材収容用凹所53Aの径に適合する径を有する球状の磁性部材54Aが収容され、更に、磁性部材54Aを磁性部材収容用凹所53A内に固定するための柱状の蓋材54Bが、当該磁性部材収容用凹所53Aの開口を塞ぐよう設けられている。
一方、下型56においては、強磁性体基板57の上面に、非磁性体基板58が例えばネジ機構(図示省略)によって固定されて配置されている。この非磁性体基板58の下面には、形成すべき弾性異方導電膜15の接続用導電部16および非接続用導電部18の配置パターンと同一のパターンに従って、磁性部材59Aが収容される多数の磁性部材収容用凹所58Aが形成され、非磁性体基板58の上面には、形成すべき弾性異方導電膜15の接続用導電部16の配置パターンと同一のパターンに従って、当該接続用導電部16の突出部分16Bを形成するための突出部分形成用凹所58Bが形成されている。そして、非磁性体基板58の磁性部材収容用凹所58A内には、当該磁性部材収容用凹所58Aの径に適合する径を有する球状の磁性部材59Aが収容され、更に、磁性部材59Aを磁性部材収容用凹所58A内に固定するための柱状の蓋材59Bが、当該磁性部材収容用凹所58Aの開口を塞ぐよう設けられている。
上型51および下型56の各々における強磁性体基板52,57および磁性部材54A,59Aを構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金などを用いることができる。
また、上型51および下型56の各々における非磁性体基板53,58を構成する材料としては、銅、真鍮等の銅合金、アルミニウム、ジュラルミン等のアルミウニム合金などを用いることができる。
また、蓋材54B,59Bを構成する材料としては、強磁性体材料を用いることが好ましく、その具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金などを挙げることができる。
次いで、上型51における強磁性体基板52の上面および下型56における強磁性体基板57の下面に、電磁石または永久磁石を配置し、強度分布を有する平行磁場、すなわち上型51の磁性部材54Aとこれに対応する下型56の磁性部材59Aとの間において大きい強度を有する平行磁場を成形材料層15Aの厚み方向に作用させる。その結果、成形材料層15Aにおいては、図6に示すように、当該成形材料層15A中に分散されている導電性粒子Pが、上型51の磁性部材54Aとこれに対応する下型56の磁性部材59Aとの間に位置する部分に集合すると共に、厚み方向に並ぶよう配向する。
そして、この状態において、成形材料層15Aを硬化処理することにより、上型51の磁性部材54Aとこれに対応する下型56の磁性部材59Aとの間に配置された導電性粒子Pが密に含有された接続用導電部16および非接続用導電部18と、これらの接続用導電部16および非接続用導電部18の間に介在された、導電性粒子Pが全くあるいは殆ど存在しない絶縁部17とよりなる異方導電膜15が、フレーム板20に固定支持された状態で形成され、以て、異方導電性コネクター10が製造される。
以上において、成形材料層15Aに作用される平行磁場の強度は、上型51の磁性部材54Aとこれに対応する下型56の磁性部材59Aとの間において平均で0.02〜2.0Tとなる大きさが好ましい。
成形材料層15Aの硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行うこともできるが、平行磁場の作用を停止させた後に行うこともできる。
成形材料層15Aの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、成形材料層15Aを構成する高分子物質用材料などの種類、導電性粒子Pの移動に要する時間などを考慮して適宜設定される。
弾性異方導電膜15を成形するための金型としては、図5に示す金型50の代わりに図7に示す金型60を用いることができる。
この金型60について具体的に説明すると、この金型60は、上型61および下型66が互いに対向するよう配置されて構成されている。
上型61においては、強磁性体基板62の下面に、目的とする弾性異方導電膜15の接続用導電部16および非接続用導電部18の配置パターンに対掌なパターンに従って強磁性体層63が形成され、この強磁性体層63以外の個所には、当該強磁性体層63の厚みより大きい厚みを有する非磁性体層64が形成されている。
一方、下型66においては、強磁性体基板67の上面に、目的とする弾性異方導電膜15の接続用導電部16および非接続用導電部18の配置パターンと同一のパターンに従って強磁性体層68が形成され、この強磁性体層68以外の個所には、当該強磁性体層68の厚みより大きい厚みを有する非磁性体層69が形成されている。
上型61および下型66の各々における強磁性体基板62,67および強磁性体層63,68を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金などを用いることができる。
また、上型61および下型66の各々における非磁性体部分64,69を構成する材料としては、銅などの非磁性金属、ポリイミドなどの耐熱性樹脂、放射線硬化性樹脂などを用いることができる。
上記のような異方導電性コネクター10によれば、弾性異方導電膜15が金属材料よりなるフレーム板20によって支持されているため、当該フレーム板20を保持したときには異方導電性コネクター10全体が大きく変形することがなく、これにより、当該異方導電性コネクター10の接続対象電極例えば検査用回路基板の検査用電極や接続用回路基板の端子電極に対する位置合わせ作業を容易に行うことができる。
また、フレーム板20を構成する金属材料は線熱膨張係数が小さいものであるため、温度環境の変化に対しても優れた寸法安定性を有し、これにより、良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
また、弾性異方導電膜15における接続用導電部16には、特定の導電性粒子Pが充填されており、しかも、当該接続用導電部16を構成する弾性高分子物質のデュロメーター硬さが特定の範囲にあるため、高い導電性が得られると共に、接続対象電極に対する安定な電気的接続状態が得られる。
また、接続用導電部16間における電気抵抗が10MΩ以上であるため、接続対象電極に対して高い接続信頼性が得られる。
〔ウエハ検査装置〕
図8は、本発明に係るウエハ検査装置の一例における構成を示す説明用断面図であって、このウエハ検査装置は、多数の集積回路が形成されたウエハについてWLBI試験またはプローブ試験を行うためのものである。
このウエハ検査装置は、表面(図において下面)に多数の検査用電極31が形成された検査用回路基板30を有し、この検査用回路基板30の表面には、図1および図2に示す異方導電性コネクター10を介してプローブカード40が配置されている。また、検査用回路基板30の上方には、当該検査用回路基板を下方に加圧する加圧機構35が設けられている。
プローブカード40は、接続用回路基板41と、この接続用回路基板41の表面(図において下面)に設けられた、検査対象であるウエハ1における集積回路の被検査電極(図示省略)に接触される多数の接触子(図示省略)を有する接触部材45とにより構成されている。接触部材45の下方には、検査対象であるウエハ1が載置される、加熱板を兼ねたウエハトレイ36が配置されている。
図9にも拡大して示すように、プローブカード40における接続用回路基板41の裏面には、検査用回路基板30の検査用電極31のパターンに対応するパターンに従って多数の端子電極42が形成されており、当該接続用回路基板41は、ガイドピン43によって、端子電極42の各々が検査用回路基板30の検査用電極31に対向するよう位置決めされた状態で配置されている。
異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15には、検査用回路基板30の検査用電極31のパターンに対応するパターンに従って複数の接続用導電部16が形成されている。そして、異方導電性コネクター10は、ガイドピン43によって、弾性異方導電膜15における接続用導電部16の各々が、検査用回路基板30の検査用電極31と接続用回路基板41の端子電極42との間に位置するよう位置決めされた状態で配置されている。
そして、この例のウエハ検査装置においては、異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15が検査用回路基板30と接続用回路基板41とよって挟圧された状態で、当該検査用回路基板30、当該異方導電性コネクター10および当該接続用回路基板41の三者が固定されており、これにより、当該検査用回路基板30における検査用電極31の各々と当該接続用回路基板41における端子電極42の各々とが当該異方導電性コネクター10における接続用導電部16を介して電気的に接続されている。
ここで、異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15は、当該弾性異方導電膜15の接続用導電部16の電気抵抗値が0.1Ω以下となる状態に挟圧されることが好ましく、具体的には、検査用回路基板30と接続用回路基板41とよる弾性異方導電膜15に対する挟圧力が、接続用導電部16の1個当たり0.03〜0.4Nとなる力であることが好ましい。この値が過小である場合には、接続用導電部16の電気抵抗値にばらつきが生じやすくなり、また、接続用導電部16の電気抵抗値が高くなって所要の電気的検査を行うことが困難となることがある。一方、この値が過大である場合には、検査用回路基板30および接続用回路基板41が変形するため、安定な電気的接続が困難となることがある。
また、弾性異方導電膜15に対する挟圧力を調整するため、検査用回路基板30と接続用回路基板41との間にスペーサーを設けることができる。
また、検査用回路基板30、異方導電性コネクター10および接続用回路基板41を固定する手段としては、螺子による手段、ガイドピン43としてボルトを用いてナットにより固定する手段などが挙げられる。
検査用回路基板30における検査用電極31のピッチは、0.5〜5mmであることが好ましく、より好ましくは1〜2mmである。このようなピッチで検査用電極31が形成されることにより、当該検査用電極31と接続用回路基板41の端子電極42との所要の電気的接続を確実に達成することができると共に、検査用電極31を高い密度で配置することが可能であるため、検査対象であるウエハ1の被検査電極数に応じた多数の検査用電極31を形成することができる。
プローブカード40における接触部材45の接触子の各々は、接続用回路基板41における回路を介して検査用回路基板30の検査用電極31の各々に電気的に接続されている。
接触部材45としては、特に限定されるものではなく、種々の構成のものを採用することができ、例えばブレードまたはピンおよびマイクロスプリングピンよりなる接触子が配列されてなるもの、接触子が異方導電性シートよりなるもの、絶縁性シートにその厚み方向に貫通して伸びる金属体よりなる接触子が配置されてなるシート状コネクターよりなるもの、異方導電性シートとシート状コネクターとが積層されてなるものなどを用いることができる。
以下に、本発明のウエハ検査装置に好適に用いることができるプローブカードの具体例について説明する。
図10は、プローブカードの一例における要部の構成を示す説明用断面図である。このプローブカードにおいては、接続用回路基板41の表面に突起状の複数の接続用電極44が適宜のパターンに従って形成され、これらの接続用電極44の各々の先端に接触部材45が設けられている。接触部材45の各々は、板バネよりなる梁部46aと、この梁部46aの一端に形成された接触子46bとにより構成されている。図示の例では、接触子46bは、円錐台状または角錐台状に形成されているが、この形状に限定されず、例えば円錐状または角錐状に形成されていてもよい。そして、接触部材45における梁部46aの一端に形成された接触子46bは、検査対象であるウエハの被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置され、梁部46aの他端は、接続用電極44の先端に固定されている。
このようなプローブカードおよびその製造方法は、例えば特開2003−215161号公報に記載されている。
図11は、プローブカードの一例における要部の構成を示す説明用断面図である。このプローブカードにおいては、接続用回路基板41の表面に平板状の複数の接続用電極44が検査対象であるウエハの被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成され、当該接続用回路基板41の表面上には、異方導電性シート47とシート状コネクター48とが積層されてなる接触部材45が配置されている。
接触部材45における異方導電性シート47は、検査対象であるウエハの被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、それぞれ弾性高分子物質中に導電性粒子Pが密に含有されてなる複数の接続用導電部47aと、これらの接続用導電部47aを相互に絶縁する弾性高分子物質よりなる絶縁部47bとにより構成されている。
また、接触部材45におけるシート状コネクター48は、絶縁性シート48aにその厚み方向に貫通して伸びる金属体よりなる接触子49が配置されて構成されている。シート状コネクター48における接触子49は、絶縁性シート48aの表面に露出する半球状の表面電極49aと、絶縁性シート48aの裏面に露出する平板状の裏面電極49bと、表面電極49aおよひ裏面電極48bを互いに連結する、絶縁性シート48aの厚み方向に貫通して伸びる短絡部49cとにより構成されている。
そして、接触部材45における異方導電性シート47は、接続用回路基板41の表面に各接続用導電部47aが各接続用電極44上に位置するよう配置され、シート状コネクター48は、異方導電性シート47の表面に各接触子49が各接続用導電部47a上に位置するよう配置されている。
このようなプローブカードおよびその製造方法は、例えば特開2002−324600号公報に記載されている。
上記のウエハ検査装置においては、検査対象であるウエハ1がウエハトレイ36上に載置され、当該検査用回路基板30が加圧機構36によって下方に加圧されることにより、ウエハ1に形成された一部の集積回路の被検査電極の各々に、接触部材45の接触子の各々が接触し、これにより、所要の電気的接続が達成される。そして、ウエハトレイ36によってウエハ1が所定の温度に加熱され、この状態で、ウエハ1についての所要の電気的検査(WLBI試験またはプローブ試験)が行われる。
以上において、加圧機構36による加圧力は、ウエハ1に対する接触部材45の安定な電気的接続が得られる範囲で選択される。
このようなウエハ検査装置によれば、検査用回路基板30と接続用回路基板41とを電気的に接続するためのコネクターが、図1および図2に示す異方導電性コネクター10であることにより、検査用回路基板30の検査用電極31と接続用回路基板41の端子電極42との電気的接続が小さい加圧力で確実に達成されるため、これらの加圧手段として大型のものを用いることが不要となる。また、検査用回路基板30と接続用回路基板41との離間距離が短いため、当該ウエハ検査装置の高さ方向の寸法を小さくすることができる。従って、ウエハ検査装置全体の小型化を図ることができる。
また、検査用回路基板30の検査用電極31に作用される加圧力が小さいため、当該検査用電極31が損傷することがなく、当該検査用回路基板30の使用寿命が短くなることがない。
また、検査用回路基板30の検査用電極31は、特定の異方導電性コネクター10によって電気的に接続されることにより、当該検査用電極31を高密度で配置することができ、従って、多数の検査用電極31を形成することができるので、多数の被検査電極についての検査を一括して行うことができる。
また、異方導電性コネクター10による電気的接続は接触抵抗が小さく、しかも、安定した接続状態を達成することができるため、良好な電気特性が得られる。
また、検査用回路基板30の検査用電極31と接続用回路基板41の端子電極42とが異方導電性コネクター10を介して電気的に接続されているため、信号伝送系の距離が短く、従って、高速処理が必要とされる高機能の集積回路の電気的検査についても対応することができる。
また、異方導電性コネクター10におけるフレーム板20は線熱膨張係数が小さい材料よりなるため、温度環境の変化に対しても検査用回路基板30と接続用回路基板41との良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
また、異方導電性コネクター10の弾性異方導電膜15における接続用導電部16には、特定の導電性粒子Pが充填されており、しかも、当該接続用導電部16のデュロメーター硬さが特定の範囲にあるため、高い導電性が得られると共に、検査用回路基板30および接続用回路基板41に対する安定な電気的接続状態が得られる。
また、接続用導電部16間における電気抵抗が10MΩ以上であるため、検査用回路基板30および接続用回路基板41に対して高い接続信頼性が得られる。
本発明においては、上記の例に限定されず種々の変更を加えることが可能である。
例えば異方導電性コネクター10において、弾性異方導電膜15における非接続用導電部18は必須のものではない。
また、フレーム板20として複数の貫通孔21を有するものを用いる場合には、貫通孔21毎に互いに独立した弾性異方導電膜が形成されていてもよい。
また、異方導電性コネクター10は、図12および図13に示すように、フレーム板20の貫通孔21が、弾性異方導電膜15における接続用導電部16のパターンに対応するパターンに従って形成され、当該貫通孔21の各々に1つの接続用導電部16が配置された構成であってもよい。
また、フレーム板20は、単一の貫通孔が形成されてなる枠状のものであってもよい。 また、検査用回路基板30または接続用回路基板41にチップコンデンサなどの電子部品が搭載される場合には、図14および図15に示すように、フレーム板20には、接続導電部配置用の貫通孔21の他に、電子部品収容用の貫通孔22を形成することができる。
また、ウエハ検査装置においては、異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15を形成する弾性高分子物質として粘着性を有するものを用いることにより、当該弾性異方導電性膜15が検査用回路基板30または接続用回路基板41に着脱自在に接着されていてもよい。
また、検査用回路基板30、異方導電性コネクター10および接続用回路基板41の三者を固定することは必須ではない。具体的には、非検査状態においては、異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15を無加圧状態とし、加圧機構36によって検査用回路基板30が加圧されることにより、当該検査用回路基板30と接続用回路基板41とによって異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15が挟圧され、これにより、当該検査用回路基板30における検査用電極31の各々と当該接続用回路基板41における端子電極42の各々とが当該異方導電性コネクター10における接続用導電部16を介して電気的に接続される構成であってもよい。
このようなウエハ検査装置においては、検査用回路基板30が加圧機構36によって下方に加圧されることにより、異方導電性コネクター10における接続用導電部16の各々が厚み方向に加圧され、これにより、検査用回路基板30の検査用電極31の各々と接続用回路基板41の端子電極42の各々とが電気的に接続されると共に、ウエハ1に形成された一部の集積回路の被検査電極の各々に、接触部材45の接触子の各々が接触し、これにより、所要の電気的接続が達成される。そして、ウエハトレイ36によってウエハ1が所定の温度に加熱され、この状態で、ウエハ1についての所要の電気的検査(WLBI試験またはプローブ試験)が行われる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔金型の作製例1〕
厚みが3.0mmの真鍮板を用意し、ドリリング装置によって、非磁性体基板の一面に、径が0.3mmで深さ;2.7mmの断面円形の複数の磁性部材収容用凹所をX−X方向(図1に示すX−X方向に対応する方向を意味する。以下同じ。)において0.8mm、Y−Y方向(X−X方向に直交する方向を意味する。以下同じ。)において0.8mmのピッチで形成すると共に、非磁性体基板の他面に、径が0.3mmで深さが0.05mmの断面円形の複数の突出部分形成用凹所をX−X方向において0.8mm、Y−Y方向において0.8mmのピッチで形成することにより、非磁性体基板を作製した。この非磁性体基板における各磁性部材収容用凹所内に、鉄よりなる直径が0.3mmの球状の磁性部材を配置し、更に、厚み:2.4mmで径が0.3mmの円柱状の蓋材を、磁性部材収容用凹所の各々における開口を塞ぐよう配置した。
そして、この非磁性体基板を、厚みが6mmの鉄よりなる強磁性体基板上に配置し、ネジ機構によって固定することにより、上型を作製すると共に、この上型と同様にして下型を作製し、以て図5に示す構成の金型を製造した。この金型を「金型a」とする。
〔金型の作製例2〕
厚みが6mmの鉄板を用意し、この鉄板の一面に対して、ドライフィルムレジストおよび塩化第二鉄を用いてフォトエッチング処理を施すことにより、厚みが5.9mmの鉄よりなる強磁性体基板上に厚みが0.1mmで径が0.25mmの円板状の複数の強磁性体層がX−X方向において0.65mm、Y−Y方向に0.65mmのピッチで一体に形成されてなる中間体を作製した。
この中間体の一面における強磁性体層以外の領域に、レジストによって厚みが0.15mmの非磁性体層を形成することにより、上型を作製すると共に、この上型と同様にして下型を作製し、以て図7に示す構成の金型を製造した。この金型を「金型b」とする。
〔金型の作製例3〕
厚みが6mmの鉄板を用意し、この鉄板の一面に対して、ドライフィルムレジストおよび塩化第二鉄を用いてフォトエッチング処理を施すことにより、厚みが5.9mmの鉄よりなる強磁性体基板上に厚みが0.1mmで径が0.40mmの円板状の複数の強磁性体層がX−X方向において1.00mm、Y−Y方向に1.00mmのピッチで一体に形成されてなる中間体を作製した。
この中間体の一面における強磁性体層以外の領域に、レジストによって厚みが0.2mmの非磁性体層を形成することにより、上型を作製すると共に、この上型と同様にして下型を作製し、以て図7に示す構成の金型を製造した。この金型を「金型c」とする。
〈実施例1〉
厚みが0.15mmのステンレス(SUS−304、線熱膨張係数:1.73×10-5-1)よりなり、12.5mm×11.5mmの矩形の貫通孔の16個が縦横(4個×4個)に並ぶよう形成されてなるフレーム板を作製すると共に、厚みが0.1mmのステンレス(SUS−304)よりなり、57mm×53mmの矩形の貫通孔が1個形成されてなるスペーサー2枚を作製した。
一方、付加型液状シリコーンゴム「X−34−1632」(信越化学工業株式会社製)12gに数平均粒子径が30μmの導電性粒子4.5gを添加して混合することにより、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製した。ここで、導電性粒子としては、ニッケルよりなる芯粒子の表面に厚みが75nmの金よりなる被覆層が形成されてなるものを用いた。
次いで、金型aにおける下型の上面にスペーサーを介してフレーム板を位置合わせして配置し、このフレーム板上にスペーサーを介して上型を位置合わせして配置すると共に、上型、下型、2枚のスペーサーおよびフレーム板によって形成される成形空間内に、調製した成形材料を充填して成形材料層を形成した。
そして、上型における強磁性体基板の上面および下型における強磁性体基板の下面に、電磁石を配置して作動させることにより、成形材料層に対して、上型の磁性部材とこれに対応する下型の磁性部材との間に1テスラの平行磁場を作用させながら、100℃、1.5時間の条件で硬化処理を行うことにより、フレーム板に弾性異方導電膜を形成し、以て図1に示す構成の異方導電性コネクターを製造した。
〈実施例2〉
厚みが0.1mmの42アロイ(線熱膨張係数:5×10-6-1)よりなり、8.5mm×8.5mmの矩形の貫通孔の64個が縦横(縦8個×横8個)に並ぶよう形成されてなるフレーム板を作製すると共に、厚みが0.1mmのリン青銅よりなり、83mm×83mmの矩形の貫通孔が1個形成されてなるスペーサー2枚を作製した。
一方、付加型液状シリコーンゴム「KE−2000−20」(信越化学工業株式会社製)16gに数平均粒子径が40μmの導電性粒子8.8gを添加して混合することにより、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製した。ここで、導電性粒子としては、ニッケルよりなる芯粒子の表面に厚みが84nmの金よりなる被覆層が形成されてなるものを用いた。
次いで、金型bにおける下型の上面にスペーサーを介してフレーム板を位置合わせして配置し、このフレーム板上にスペーサーを介して上型を位置合わせして配置すると共に、上型、下型、2枚のスペーサーおよびフレーム板によって形成される成形空間内に、調製した成形材料を充填して成形材料層を形成した。
そして、上型における強磁性体基板の上面および下型における強磁性体基板の下面に、電磁石を配置して作動させることにより、成形材料層に対して、上型の磁性部材とこれに対応する下型の磁性部材との間に1テスラの平行磁場を作用させながら、100℃、1.5時間の条件で硬化処理を行うことにより、フレーム板に弾性異方導電膜を形成し、以て図1に示す構成の異方導電性コネクターを製造した。
〈実施例3〉
厚みが0.10mmのステンレス(SUS−304、線熱膨張係数:1.73×10-5-1)よりなり、それぞれ直径が0.5mmの円形の複数の貫通孔が0.8mmのピッチで縦横に並ぶよう形成されてなるフレーム板を作製し、このフレーム板に、実施例1と同様にして弾性異方導電膜を形成し、以て図12に示す構成の異方導電性コネクターを製造した。
〈実施例4〉
厚みが0.15mmのステンレス(SUS−304、線熱膨張係数:1.73×10-5-1)よりなり、互いに離間して配置されたそれぞれ縦横の寸法が6.0mm×4.0mmの矩形の2つの接続用導電部配置用の貫通孔と、縦横の寸法が6.0mm×1.7mmの矩形の電子部品収容用の1つの貫通孔とが横方向に交互に並ぶよう配置されてなる3つの貫通孔を1組とし(以下、これらの3つの貫通孔からなる組を「貫通孔組」という。)、この貫通孔組の144組が縦横に(12組×12組)に並ぶよう形成されてなるフレーム板を作製すると共に、厚みが0.1mmのステンレス(SUS−304)よりなり、144mm×84mmの矩形の貫通孔が1個形成されてなるスペーサー2枚を作製した。以上において、フレーム板における一の貫通孔組における貫通孔間の離間距離は0.5mm、貫通孔組のピッチ(隣接する貫通孔組の電子部品収納用の貫通孔の中心点間距離)は横方向が11.9mm、縦方向が6.9mmである。
一方、付加型液状シリコーンゴム「KE−2000−20」(信越化学工業株式会社製)16gに数平均粒子径が40μmの導電性粒子10.0gを添加して混合することにより、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製した。ここで、導電性粒子としては、ニッケルよりなる芯粒子の表面に厚みが84nmの金よりなる被覆層が形成されてなるものを用いた。
次いで、金型cにおける下型の上面にスペーサーを介してフレーム板を位置合わせして配置し、このフレーム板上にスペーサーを介して上型を位置合わせして配置すると共に、上型、下型、2枚のスペーサーおよびフレーム板によって形成される成形空間内に、調製した成形材料を充填して成形材料層を形成した。
そして、上型における強磁性体基板の上面および下型における強磁性体基板の下面に、電磁石を配置して作動させることにより、成形材料層に対して、上型の磁性部材とこれに対応する下型の磁性部材との間に1テスラの平行磁場を作用させながら、100℃、1.5時間の条件で硬化処理を行うことにより、フレーム板に弾性異方導電膜を形成した。
その後、形成された弾性異方導電膜に対してレーザー加工を施すことにより、当該弾性異方導電膜に、フレーム板の電子部品収納用の貫通孔に連通する、縦横の寸法が6.0mm×1.7mmの矩形の貫通孔を形成し、以て図14に示す構成の異方導電性コネクターを製造した。
以上において、弾性異方導電膜に対するレーザー加工は、三菱電機社製の炭酸ガスレーザー装置を用い、出力が10A、周波数が100Hz、走査速度が2400mm/min、ビーム径が150μmの条件で行った。
〈比較例1〉
フレーム板として、厚みが0.15mmのPET〔ポリエチレンテレフタート(線熱膨張係数:6×10-5-1)〕よりなり、12.5mm×11.5mmの矩形の貫通孔の16個が縦横(縦4個×横4個)に並ぶよう形成されてなるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして異方導電性コネクターを製造した。
得られた異方導電性コネクターは、成形材料層の硬化処理におけるシリコーンゴムの硬化収縮によって弾性異方導電膜に歪みが生じた結果、当該異方導電性コネクターに反りが生じてその表面の平面性が保たれておらず、更に弾性異方導電膜の接続用導電部が、所期の位置から位置ずれしており、ウエハ検査装置における検査用回路基板と接続用回路基板との電気的接続を達成することが困難なものであった。
〈比較例2〉
付加型液状シリコーンゴム「X−34−1632」(信越化学工業株式会社製)12gに、数平均粒子径が120μmの導電性粒子4.5gを添加して混合することにより、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製した。ここで、導電性粒子としては、ニッケルよりなる芯粒子の表面に厚みが125nmの金よりなる被覆層が形成されてなるものを用いた。
この成形材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方導電性コネクターを製造した。
〈比較例3〉
付加型液状シリコーンゴム「KE−2000−60」(信越化学工業株式会社製)12gに数平均粒子径が30μmの導電性粒子4.5gを添加して混合することにより、弾性異方導電膜成形用の成形材料を調製した。ここで、導電性粒子としては、ニッケルよりなる芯粒子の表面に厚みが75nmの金よりなる被覆層が形成されてなるものを用いた。
この成形材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方導電性コネクターを製造した。
実施例1〜4および比較例1〜3に係る異方導電性コネクターにおける各部の寸法、接続用導電部における導電性粒子の割合および接続用導電部のデュロメーター硬さを下記表1に示す。
Figure 2005026672
〔異方導電性コネクターの評価〕
実施例1〜4および比較例2〜3に係る異方導電性コネクターに対して、200℃、2時間の条件で後硬化処理を行った後、これらの異方導電性コネクターについて、下記の試験1および試験2を行った。また、実施例1〜4および比較例2に係る異方導電性コネクターについては、更に、下記の試験3および試験4を行った。
試験1:
一面に、それぞれ表面に金メッキを施した複数のパターン電極が弾性異方導電膜の接続用導電部のパターンと同一のパターンに従って形成された一方の試験用電極板と、一面に、それぞれ表面に金メッキを施した複数のパターン電極が弾性異方導電膜の接続用導電部のパターンと対掌なパターンに従って形成された他方の試験用電極板とを用意し、一方の試験用電極板上に異方導電性コネクターをその弾性異方導電膜の接続用導電部の各々が当該一方の試験用電極板のパターン電極上に位置するよう位置合わせした状態で配置し、この異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜上に、他方の試験用電極板をそのパターン電極の各々が接続用導電部上に位置するよう位置合わせして配置した。
次いで、80℃の環境下において、他方の試験用電極板によって異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜をその厚み方向に接続用導電部1個当たりの荷重が20gとなるよう加圧し、この状態で15分間保持した後に、当該接続用導電部における厚み方向の電気抵抗(以下、「導通抵抗」という。)および隣接する接続用導電部間の電気抵抗(以下、「絶縁抵抗」という。)を測定した。この測定が終了した後、他方の試験用電極板による弾性異方導電膜の加圧を解除し、この状態で5分間保持した。この操作を1サイクルとして合計で3000サイクル繰り返した。
1サイクル目における導通抵抗の平均値、最大値、最小値および絶縁抵抗の最小値、並びに3000サイクル目の導通抵抗の平均値、最大値、最小値および絶縁抵抗の最小値を下記表2に示す。
試験2:
図16に示すように、一面における中央領域に、それぞれ金メッキを施した複数のパターン電極101が弾性異方導電膜15の接続用導電部16のパターンと同一のパターンに従って形成され、当該一面における周縁領域に、当該パターン電極101の各々にプリント配線(図示省略)によって電気的に接続された複数のリード電極102が形成された一方の試験用電極板100と、一面全面に金メッキよりなる共通電極106が形成された他方の試験用電極板105とを用意し、一方の試験用電極板100上に異方導電性コネクター10をその弾性異方導電膜15の接続用導電部16の各々が当該一方の試験用電極板100のパターン電極101上に位置するよう位置合わせした状態で配置し、この異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15上に、他方の試験用電極板105を配置し、一方の試験用電極板100における各リード電極102および他方の試験用電極板105における共通電極106を、電圧計110に電気的に接続すると共に、この電圧計110とは並列に、定電流制御装置116を介して直流電源115に電気的に接続した。
次いで、室温環境下において、他方の試験用電極板105によって異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15をその厚み方向に接続用導電部16の1個当たりの荷重が20gとなるよう加圧し、この状態で、直流電源115および定電流制御装置116によって弾性異方導電膜15の接続用導電部16の一つに1Aの直流電流を20秒間印加した後、当該接続用導電部16における電圧を電圧計110によって測定した。この電圧の測定を全ての接続用導電部16に対して順次行った。そして、接続用導電部16に印加した直流電流をI1 (=1A)とし、測定した接続用導電部16の電圧の値(V)をV1 として、下記式(II)により、導通抵抗R1 を求めた。また、上記試験1と同様にして弾性異方導電膜15の接続用導電部16を3000回押圧した後、当該弾性異方導電膜15の接続用導電部16の導通抵抗R1 を上記と同様にして求めた。この導通抵抗R1 の値が100mΩ以下のとき、当該接続用導電部16の許容電流値が1A以上である。導通抵抗R1 の平均値を下記表2に示す。
式(II):R1 =V1 /I1
Figure 2005026672
試験3:
一面に、それぞれ表面に金メッキを施した複数のパターン電極が弾性異方導電膜の接続用導電部のパターンと同一のパターンに従って形成された一方の試験用電極板と、一面に、それぞれ表面に金メッキを施した複数のパターン電極が弾性異方導電膜の接続用導電部のパターンと対掌なパターンに従って形成された他方の試験用電極板とを用意し、一方の試験用電極板上に異方導電性コネクターをその弾性異方導電膜の接続用導電部の各々が当該一方の試験用電極板のパターン電極上に位置するよう位置合わせした状態で配置し、この異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜上に、他方の試験用電極板をそのパターン電極の各々が接続用導電部上に位置するよう位置合わせして配置した。
次いで、80℃の環境下において、他方の試験用電極板によって異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜をその厚み方向に接続用導電部の歪み率が20%となるよう加圧し、当該接続用導電部における導通抵抗および絶縁抵抗を測定した。更に、異方導電性コネクターに対する加圧を3000時間保持した後、当該接続用導電部における導通抵抗および絶縁抵抗を測定した。
初期の導通抵抗の平均値、最大値、最小値および絶縁抵抗の最小値、並びに3000時間経過後の導通抵抗の平均値、最大値、最小値および絶縁抵抗の最小値を下記表3に示す。
試験4:
図17に示すように、一面における中央領域に、それぞれ表面に金メッキを施した複数のパターン電極101が弾性異方導電膜15の接続用導電部16のパターンと同一のパターンに従って形成され、当該一面における周縁領域に、当該パターン電極101の各々にプリント配線(図示省略)によって電気的に接続された複数のリード電極102が形成された、異方導電性コネクター10より大きい寸法の一方の試験用電極板100と、一面全面に金メッキよりなる共通電極106が形成された、異方導電性コネクター10より大きい寸法の他方の試験用電極板105とを用意し、一方の試験用電極板100上に異方導電性コネクター10をその接続用導電部16の各々が当該一方の試験用電極板100のパターン電極101上に位置するよう位置合わせした状態で配置し、この異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15上に、他方の試験用電極板105を配置し、一方の試験用電極板100における各リード電極102および他方の試験用電極板105における共通電極106を、電圧計110に電気的に接続すると共に、この電圧計110とは並列に、定電流制御装置116を介して直流電源115に電気的に接続し、更に、一方の試験用電極100と他方の試験用電極105との間に、異方導電性コネクター10における弾性異方導電膜15の全厚の80%の厚みを有する電気的に絶縁性の枠状のスペーサー120を配置した。
次いで、室温環境下において、他方の試験用電極板105の他面におけるスペーサー120の外側の位置において、当該他方の試験用電極板105をその厚み方向に加圧して当該異方導電性コネクター10を圧縮変形させることにより、当該他方の試験用電極板105の共通電極106をスペーサー120に接触させた。この状態において、異方導電性コネクター10における接続用導電部16の歪み率は20%である。
次いで、直流電源115および定電流制御装置116によって異方導電性コネクター10の接続用導電部16の一つに1Aの直流電流を20秒間印加した後、当該接続用導電部16における電圧を電圧計110によって測定した。この電圧の測定を全ての接続用導電部16に対して順次行った。そして、接続用導電部16に印加した直流電流をI2 (=1A)とし、測定した接続用導電部16における電圧の値(V)をV2 として、下記式(III)により、導通抵抗R2 を求めた。また、上記試験3と同様にして異方導電性コネクター10の接続用導電部16を3000時間加圧した後、当該異方導電性コネクター10の導通抵抗R2 を上記と同様にして求めた。この導通抵抗R2 の値が100mΩ以下のとき、当該接続用導電部16の許容電流値が1A以上である。導通抵抗R2 の平均値を下記表3に示す。
試験3および試験4において、異方導電性コネクター10の接続用導電部16を歪み率20%となるよう他方の試験用電極板を加圧した場合に、当該他方の試験用電極板の加圧による変形が大きいときには、当該他方の試験用電極板が破損する恐れがあるため、加圧による試験用電極板の変形(反り)が0.1mm以上生じたときには、試験の続行を中止した。
式(III):R2 =V2 /I2
Figure 2005026672
表2および表3から明らかなように、実施例1〜4に係る異方導電性コネクターによれば、良好な電気的接続状態が得られると共に、高温環境下において長時間使用した場合でも、良好な電気的接続状態が安定に維持されることが理解される。
これに対し、比較例1に係る異方導電性コネクターは、弾性異方導電膜を支持するフレームがポリエチレンテレフタートよりなるため、弾性異方導電膜を形成工程において、シリコーンゴムの硬化収縮によってフレーム板が大きく変形しており、試験用電極板の電極の位置合わせ、固定が困難であった。
また、比較例2に係る異方導電性コネクターは、接続用導電部中に含有される導電性粒子の粒子径が大きいものであるため、各接続用導電部間において厚み方向の導電性がバラツキが大きく、また長時間使用した場合には、接続用導電部の電気抵抗値が増加し、安定な電気的接続が維持されなかった。
また、比較例3に係る異方導電性コネクターは、接続用導電部のデュロメータ硬度が高いため、加圧によって試験用電極板を変形させることなしに、異方導電性コネクターの接続用導電部をその歪み率が20%となるよう加圧することが困難であった。このような異方導電性コネクターは、ウエハ検査装置に使用した場合において、検査用回路基板および接続用回路基板を変形または破損させることなしに、ウエハに対する電気的接続を達成させることが困難であり、従って、実際の使用において問題がある。
本発明に係る異方導電性コネクターの一例を示す平面図である。 図1に示す異方導電性コネクターのX−X断面図である。 図1に示す異方導電性コネクターにおけるフレーム板の平面図である。 図1に示す異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜を拡大して示す説明用断面図である。 弾性異方導電膜成形用の金型の一例における構成を示す説明用断面図である。 金型内に形成された成形材料層に強度分布を有する平行磁場が作用された状態を示す説明用断面図である。 弾性異方導電膜成形用の金型の他の例における構成を示す説明用断面図である。 本発明に係るウエハ検査装置の一例における構成を示す説明用断面図である。 図8に示すウエハ検査装置における検査用回路基板と接続用回路基板との接続状態を示す説明用断面図である。 本発明のウエハ検査装置に用いられるプローブカードの一例における要部の構成を示す説明用断面図である。 本発明のウエハ検査装置に用いられるプローブカードの他の例における要部の構成を示す説明用断面図である。 本発明に係る異方導電性コネクターの他の例を示す平面図である。 図12に示す異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜を拡大して示す説明用断面図である。 本発明に係る異方導電性コネクターの更に他の例を示す平面図である。 図14に示す異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜を拡大して示す説明用断面図である。 実施例において、試験2を行うために使用した装置の構成を示す説明図である。 実施例において、試験4を行うために使用した装置の構成を示す説明図である。 従来のウエハ検査装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
符号の説明
1 ウエハ 10 異方導電性コネクター
15 弾性異方導電膜 15A 成形材料層
16 接続用導電部 16A,16B 突出部分
17 絶縁部 18 非接続用導電部
20 フレーム板 21 貫通孔
22 貫通孔
30 検査用回路基板 31 検査用電極
35 加圧機構 36 ウエハトレイ
40 プローブカード 41 接続用回路基板
42 端子電極 43 ガイドピン
44 接続用電極
45 接触部材
46a 梁部 46b 接触子
47 異方導電性シート 47a 接続用導電部
47b 絶縁部
48 シート状コネクター
48a 絶縁性シート
49 接触子 49a 表面電極
49b 裏面電極 49c 短絡部
50 金型 51 上型
52 強磁性体基板 53 非磁性体基板
53A 磁性部材収容用凹所
53B 突出部分形成用凹所
54A 球状の磁性部材 54B 蓋材
56 下型
57 強磁性体基板 58 非磁性体基板
58A 磁性部材収容用凹所
58B 突出部分形成用凹所
59A 球状の磁性部材 59B 蓋材
60 金型 61 上型
62 強磁性体基板 63 強磁性体層
64 非磁性体層
66 下型 67 強磁性体基板
68 強磁性体層 69 非磁性体層
80 検査用回路基板 81 検査用電極
85 コネクター 86 接続ピン
90 プローブカード 91 接続用回路基板
92 端子電極 93 ガイドピン
95 接触部材 96 ウエハトレイ
97 加圧機構 K 位置決め用孔
P 導電性粒子
100 一方の試験用電極板
101 パターン電極 102 リード電極
105 他方の試験用電極板
106 共通電極 110 電圧計
115 直流電流 116 定電流制御装置
120 スペーサー

Claims (10)

  1. 面方向に沿って互いに離間して配置された厚み方向に伸びる複数の接続用導電部およびこれらの接続用導電部の間に形成された絶縁部よりなる弾性異方導電膜と、この弾性異方導電膜を支持するフレーム板とよりなり、
    前記フレーム板は、線熱膨張係数が3×10-6〜2×10-5-1の金属材料よりなり、 前記弾性異方導電膜における接続用導電部は、弾性高分子物質中に数平均粒子径が20〜80μmの磁性を示す導電性粒子が密に充填されてなり、当該導電性粒子は、表面に厚みが20nm以上の貴金属よりなる被覆層が形成されてなり、当該接続用導電部のデュロメーター硬さが10〜35であり、互いに隣接する接続用導電部間における電気抵抗が10MΩ以上であることを特徴とする異方導電性コネクター。
  2. フレーム板は、少なくとも一つの厚み方向に伸びる貫通孔を有し、弾性異方導電膜は、その接続用導電部が前記フレーム板の貫通孔内に位置するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性コネクター。
  3. フレーム板は、それぞれ厚み方向に伸びる複数の貫通孔を有し、弾性異方導電膜は、その接続用導電部が前記フレーム板の各貫通孔内に位置するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性コネクター。
  4. 接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に加圧した場合における当該接続用導電部の許容電流値が1A以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の異方導電性コネクター。
  5. 接続用導電部をその歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した場合における当該接続用導電部の許容電流値が1A以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の異方導電性コネクター。
  6. 接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗が0.1Ω以下であり、温度80℃の環境下で、接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に15分間加圧し、次いで、加圧を解除した状態で5分間保持するサイクルを3000回繰り返した後において、当該接続用導電部を20gの荷重で厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗が0.1Ω以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の異方導電性コネクター。
  7. 接続用導電部を歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した状態で測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗が0.1Ω以下であり、温度80℃の環境下で、接続用導電部を歪み率が20%となるよう厚み方向に加圧した状態で当該接続用導電部に1Aの電流を3000時間印加させた後に測定される当該接続用導電部の厚み方向における電気抵抗が0.1Ω以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の異方導電性コネクター。
  8. ウエハに形成された多数の集積回路の電気的検査を行うためのウエハ検査装置であって、
    表面に多数の検査用電極を有する検査用回路基板と、
    裏面に前記検査用回路基板の検査用電極のパターンに対応するパターンに従って複数の端子電極が形成された接続用回路基板、およびこの接続用回路基板の表面に設けられた、検査対象であるウエハにおける集積回路の被検査電極に接触される多数の接触子が配置されてなる接触部材を有し、当該接続用回路基板の端子電極の各々が前記検査用回路基板の検査用電極に対向するよう配置されたプローブカードと、
    前記検査用回路基板と前記プローブカードにおける接続用回路基板との間に配置され、当該検査用電極の各々と当該端子電極の各々とを電気的に接続する、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の異方導電性コネクターと
    を具えてなることを特徴とするウエハ検査装置。
  9. 異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜が検査用回路基板と接続用回路基板とよって挟圧された状態で、当該検査用回路基板、当該異方導電性コネクターおよび当該接続用回路基板の三者が固定されており、これにより、当該検査用回路基板における検査用電極の各々と当該接続用回路基板における端子電極の各々とが当該異方導電性コネクターにおける接続用導電部を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項8に記載のウエハ検査装置。
  10. 検査用回路基板を加圧することによって、プローブカードにおける接触部材の接触子の各々を検査対象であるウエハにおける被検査電極の各々に電気的に接続するための加圧機構を具えてなり、
    当該加圧機構によって検査用回路基板が加圧されることにより、当該検査用回路基板と接続用回路基板とによって異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜が挟圧され、これにより、当該検査用回路基板における検査用電極の各々と当該接続用回路基板における端子電極の各々とが当該異方導電性コネクターにおける接続用導電部を介して電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載のウエハ検査装置。
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