JP3731001B2 - 姿勢変換装置および姿勢変換方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、身体不自由者、特に自力で立ち上がることが困難な患者に適用される姿勢変換装置および姿勢変換方法に関し、より詳しくは、座位姿勢の患者を立位姿勢にさせ、また、立位姿勢から座位姿勢に戻すことに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時の老人医療問題において、寝たきり老人を自立させることの重要性が認識され始めている。このことは、例えば交通事故等で脊椎等を損傷して身体不自由者になってしまった患者にとっても同じことである。立位姿勢をとることが一生できないと考えている寝たきりの患者にとって、例え補助機器を用いたにしても、介護者に多大な介護負担をかけずに立位姿勢をとることができたときの喜び或いはトイレに行って排泄行為をすることの喜び、ベッドから車椅子に移乗して移動できることの喜びは、健康な者には想像もできない程のものがある。
【0003】
このような要請に応じるための装置として、デンマーク国のエルゴエイドデンマーク(Ergo Aid Denmark)社の「Patient Mover 」(商品名)が知られている。この「Patient Mover 」は、キャスタ付きフレームに取付けられて水平軸を中心に垂直平面内で回動可能なアームと、アームを動かすための駆動手段と、フレームに取付けられた膝パッドとを有している。また、アームの自由端には、患者の両脇を通って患者の背部を後方から支えるスリング部材が取付けられており、座位姿勢の患者にスリング部材を装着した後、シリンダを作動させてアームを立ち上げることにより、座位姿勢の患者を起立させる構成となっている。
【0004】
この装置によれば、自力で立ち上がることが困難な患者に立位姿勢をとらせることができる。また、介護者は、姿勢変換装置に患者を乗せた状態でそのままトイレ等まで移動させ、便器の前で立位姿勢から座位姿勢に戻して、患者を便器に座らせることができる。このことから、寝たきりの患者にとって、この装置は福音と呼べる待望の装置であり、また、立ち上がることによって下肢の機能低下を防止できるというリハビリ機能を併せ持つ装置であるといえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の装置による患者の立ち上がり動作を観察すると、従来の装置は、患者の背中に回したサポート部材で患者を吊り上げるという考えに基づくものと言える。すなわち、従来の装置は、膝パッドで患者の膝を支えながら、上半身を引き上げることによって、患者を立たせる構成となっており、したがって、患者は、背中を支えるサポート部材に身を預け、後方に重心を残しながら起立する動作が強要されていた。
【0006】
しかしながら、このような立ち上がり動作は極めて不自然であり、このため患者は最終的な立位姿勢をとるまでの移行過程で違和感あるいは不安感を覚えるものとなっていた。すなわち、この移行過程では、人間にとって極めて不自然な姿勢である、後ろに傾いた仰向けの姿勢が強要されていた。このようなことから、従来の装置の適用対象は、主に、少なくとも下半身のかなりしっかりした患者を制限されており、例えば膝関節が硬化した患者は適用対象外とせざるを得ないのと考えられていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、適用できる患者の範囲を拡大することのできる姿勢変換装置および姿勢変換方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、患者に違和感を覚えさせることなく、極力自然な動作で患者を立たせることのできる姿勢変換装置および姿勢変換方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、例えば膝関節の硬化など患者の身体の具合に応じた立位姿勢をとらせることのできる姿勢変換装置および姿勢変換方法を提供することにある。
【0008】
【本発明の概要】
人間の自然な立ち上がり動作を見てみると、上半身を若干前傾させた状態を維持し且つ膝を若干前方にスライド移動させながら立ち上がり動作を行っている。このような自然な立ち上がり動作を約束する上で何が必要かについて本願発明者は鋭意研究した結果、次の点を見い出した。すなわち、従来の装置では患者の背中を支える構成となっているため、これに支えられる患者としては前傾姿勢をとることが基本的に不可能である。逆に、患者の胸を支えるようにすれば、これに身体を預ける患者の姿勢は、必然的に、前傾姿勢になる。
【0009】
このような認識に基づき、上述した技術的課題を達成すべく、本発明の姿勢変換装置にあっては、基本的には、患者の膝を軸点として、健常人と実質的に同じ重心移動で直立した立位姿勢にするようにしてある。具体的には、
患者の姿勢を座位姿勢から直立した立位姿勢に変換させるための姿勢変換装置であって、
水平軸を中心に垂直平面内で揺動して、横方向に延びる第1位置と、上方向に延びる第2位置とをとり、横方向に延びる第1位置のときに患者を座位姿勢にさせ、上方向に延びる第2位置のときに患者を直立した立位姿勢にさせることのできる長さ寸法を備えたアームと、
患者の膝を支える膝パッドと、
前記アームの先端に設けられ、前記アームの前記第1位置と第2位置との間で実質的に同じ向きを維持する胸パッドと、
前記アームの先端に設けられ、患者の両脇から背中にわたって延びて前記胸パッドと協働して患者を包囲し且つ患者を胸パッドに預けた状態で固定するための支持部材とを有することを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、胸パッドで患者を支えるようにしてあるため、これに身体を預ける患者は必然的に前傾姿勢をとることになる。この前傾姿勢を更に確実なものにしたければ、胸パッドを前傾させてアームに取付ければよい。また、患者が立ち上がる際の膝の前後動は、膝パッドを弾性で吸収することも可能であるが、膝の前後動を一層積極的に吸収するのであれば、膝パッドを水平軸を中心に揺動可能にすればよい。この場合、患者の膝のピボット点が、膝バッドの揺動中心よりも若干上方に位置するように位置決めすることが必要である。この膝の高さ位置を調整するために、高さ調整可能な患者の足を乗せるための足台を設けるのが好ましい。これによれば、患者の立ち上がり動作に伴う膝の前後移動を、膝パッドの揺動で吸収することができる。
【0011】
アームの水平軸の高さ位置は、座位姿勢の患者の胸の高さ位置に設定してもよいが、これよりも低い高さ位置に設定して、アームの初期立ち上がり動作から患者の胸を下方から押し上げるようにするのが好ましい。これにより、初期動作段階での患者の前傾姿勢の維持を確かなものにすることができるという利点がある。アームの回動中心の具体的な高さ位置としては、座位姿勢の患者の腹部の高さ位置であってもよく、あるいは、患者の膝部分の高さ位置であってもよい。また、例えば、フレームに含まれる支柱にアームを取付けるようにしたときには、この支柱を高さ調整可能に構成して、アームの回動中心の高さ位置を患者の身長に応じて調整するようにしてもよい。
【0012】
患者を立ち上がらせる手法として、1段階の工程つまり患者の膝の前後移動を許容しながら膝を支えると共に患者の胸を支えながら、患者の胸を上方に押し上げることで、座位姿勢の患者を立ち上がらせるようにしてもよく、あるいは、2つの工程つまり、患者の膝を支えると共に患者の胸を支えながら、患者の下半身を伸ばす工程と、患者の胸を押し上げて、患者の上半身を起こす工程とで患者を起立させてもよい。この2つの工程は、1段階で行ってもよく、時系列的に分けて2段階で行ってもよい。
【0013】
本発明に従う装置および方法によれば、患者に違和感を与えることなく、座位姿勢と立位姿勢との間で患者の姿勢を変えることができるだけでなく、胸パッドに胸を預ける形の直立姿勢をとらせることができる。加えて、患者は胸を胸パッドに預けているため、装置を途中で止めることができ、従来の装置では対象外とされていた患者に対しても適用することができる。したがって、従来対象外として寝たきりにされていた患者にとって、仮に自分の能力に見合った立ち上がり姿勢であったとしても、立つこと等の喜びを味わうことができるだけでなく、生活のなかで下肢機能の維持及びその回復ができるというリハビリ機器としての意義を提供することができる。この他、本発明の利点および他の目的は、以下の好ましい実施例の説明から明らかになろう。
【0014】
【実施の形態】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に基づいて説明する。
第1の実施の形態(図1ないし図11)
図1は第1実施例の姿勢変換装置Aを斜め前方側から見た斜視図であり、図2は姿勢変換装置Aの側面図である。この姿勢変換装置Aは、典型的には、自力で立ち上がることのできない或いは困難な身体不自由者に適用されるものであり、例えばベッド、ポータブル便器、車椅子等に着座した患者あるいはベッドサイドに端座した患者を立せて立位姿勢をとらせ、また、立位姿勢の患者を座位姿勢に戻すのに用いられる。
【0015】
姿勢変換装置Aはフレーム2を有し、フレーム2は、基本的には、前後方向に延びる左右一対の基部4、4と、これら基部4、4の前部同士を連結する下側横メンバー6と、基部4、4の中央部分同士を部分的に連結するベースプレート8と、下側横メンバー6の中央部分から上方に延びる左右一対の支柱10、10と、これら支柱10、10の上端部同士を連結する上側横メンバー12とで構成されている。装置Aは、これを介護者が前後左右に自在に移動させることができるようにするために、各基部4の前端および後端に、夫々、キャスタ14を有し、また、上側横メンバー12の中央部に、前方且つ上方に延びる介護者用把手16を有している。なお、基部4の前端つまり介護者側端のキャスタ14はストッパ付きのキャスタを採用するのが好ましく、これにより介護者は、装置Aを適当な場所に移動させた後に、例えば足でストッパ付きキャスタを操作して装置Aを不動にすることができる。
【0016】
支柱10は、その上端が座位姿勢の患者の腹部の高さに位置する程度の長さ寸法を有し、上側横メンバー12の上面には、その中央部に第1のブラケット18が上方に向けて突設されている。この第1ブラケット18には、アーム20の基端が回動自在に取り付けられており、アーム20の自由端は第2のブラケット22を有している。より詳しく説明すると、図2に示すように、アーム20は、垂直平面で上下に離置されて互いに平行に延びる一対のロッド24、26で構成され、これら上下のロッド24、26は、その基端が、夫々、第1水平軸24a、26aを介して第1ブラケット18に取付けられ、また各自由端が第2水平軸24b、26bを介して第2ブラケット22に取付けられて、これら要素によって平行リンクが構成されている。アーム20には、後に詳しく説明するスライド機構27が付設されている。
【0017】
第2ブラケット22には、鉛直線に対して約10°ないし15°前傾させた状態で胸パッド28が取付けられている。この胸パッド28は、第2ブラケット22に対して垂直に取付けられていてもよいが、好ましくは、前傾した状態で第2ブラケット22に固定されるのがよく、最も好ましくは、胸パッド28の前傾角度が調整可能であるのがよい。
【0018】
胸パッド28は、ボルト等の締結手段を介して第2ブラケット22に固定された支持プレート30と、これに添設されて胸当てを構成する弾性部材32とからなる。支持プレート30は前方に向けて突出する一対のフック34を有し、これらフック34は、各々、支持プレート30の各側部に固設されている。この左右一対のフック(第1のフック)34の役割については後に詳しく説明するが、フック34は単一であってもよく、また、配置位置として、第2ブラケット22あるいはアーム20を選択してもよい。
【0019】
第2のブラケット22には、上ロッド24の上方且つ近傍で水平に延びるテーブル36と、胸パッド28の前方域に位置して垂直に起立する患者用把手38とが固設されている。第2ブラケット22に取付けられたテーブル36および患者用把手38は、平行リンクを構成するアーム20によって、アーム20の動きとは関係なく、常に、同じ向きを保ち続ける。
【0020】
姿勢変換装置Aは、患者の膝部分に対応する高さ位置に配設された膝パッド40と、患者が足を乗せる足台手段42とを有している。膝パッド40は、上下方向に延びる左右一対の平らな支持プレート44、44と、各プレート44に添設されて膝当てを構成する弾性部材46とからなり、各支持プレート44は、その高さ方向中間部において、前後方向に延びる膝パッド用ロッド48の後端に水平軸50を介して回動自在に取付けられている。左右一対のロッド48の前半部は、夫々、前後方向に延びる左右一対の外筒52の中に嵌挿されており、各外筒52は、夫々、対応する左右の支柱10の外側面に固設されている。
【0021】
平均身長から極端に離れた身長を有する患者のために、膝パッド40の高さ位置を上下に調整できるようにしてもよく、このための具体的な構成としては、例えば、支柱10に対し、外筒52を上下方向に平行移動可能に取付けるようにすればよい。
【0022】
膝パッド用ロッド48は、無段階あるいは段階的に長さ調整可能であるのが好ましい。ロッド48の長さ調整を段階的に行うための具体的な構成としては次のようなものがある。すなわち、ロッド48側に、例えば、軸線方向に間隔を隔てて形成された複数の凹部48aを設け、また、外筒52側に、単一の孔(図示せず)を形成し、この孔に対して抜き差し自在にストッパ54を挿入するように構成すればよい。ストッパ54は、例えばヘッド付きピンあるいはボルトで構成することができる。このような構成を採用したときには、ロッド48の複数の凹部48aと共にロッド48の実質的な前後長さを調整するための手段を構成し、ストッパ54と係合する凹部48aを選択することによって、膝パッド40の前後位置を段階的に調整することができる。
【0023】
足台手段42は水平面で延びる足乗せプレート54を有し、このプレート54の各側部とフレームのベースプレート8とは左右一対のクロスリンク56を介して連結されている。各クロスリンク56は、互いにクロスして配置された第1リンク58と第2リンク60との交差部分を枢軸62で連結した構成を有し、ベースプレート8から斜め前方に延びる第1リンク58は、その下端が軸58aを介してベースプレート8に取付けられ、上端が軸58bを介して足乗せプレート54の前部に取付けられている。他方、ベースプレート8から斜め後方に延びる第2リンク60の下端60aおよび上端60bは、夫々、ベースプレート8および足乗せプレート54に対して前後方向に移動可能に取付けられている。
【0024】
この点について詳しく説明すると、ベースプレート8には第1のガイド部材64が固設され、足乗せプレート54の後端部には第2のガイド部材66が固設され、これら第1、第2のガイド部材64、66には、夫々、水平に延びる第1、第2の長孔64a、66aが形成されている。ベースプレート8側の第1の長孔64aには、第2リンク60の下端に取付られた軸60aが移動可能に嵌挿され、足乗せプレート54側の第2の長孔66aには、第2リンク60の上端に取付けられた軸60bが移動可能に嵌挿されている。また、この第2リンク60は、その下端部が引張バネ70によって後方に向けて付勢されている。すなわち、引張バネ70は、第2リンク60の下端部と、ベースプレート8の後方位置との間に張設され、このバネ力によって、第2リンク60は起立方向に付勢されている。
【0025】
左右一対の第2リンク60の下端に取付けられた軸60aは、この実施例では、横方向に延びる一本の共通軸68で構成されており、共通軸68の中間部は、前方に向けて延びる操作ロッド71の後端に連結されている。操作ロッド71はネジ棒で構成され、操作ロッド71に螺合されたナット72は、ベースプレート8の左右方向中央部における前端に取付けられている。
【0026】
操作ロッド71は、前端に円形ハンドル74を有し、このハンドル74を介護者が時計方向あるいは反時計方向に回すことによって、足乗せプレート54の高さ位置を調整することができる。また、足乗せプレート54の高さ位置を上昇させる際のハンドル74を回転させるのに要する操作力は、バネ70の付勢力によって軽減される。更に、ベースプレート8から斜め後方に延びる第2リンク60の下端および上端が夫々ガイド部材64、66に案内されて移動可能になっているため、足乗せプレート54が上昇するのに従ってこのプレート54は、後方に移動することになる。
【0027】
左右一対の支柱10と10とで挟まれた領域には、ねじ駆動(screw-driven)ユニット80が配設されている。ユニット80は、ねじ駆動機構82と、制御機構84とを備える。この種のユニットは、従来から既知であるので、これ以上の詳しい説明は省略する。装置Aは、家庭用電源のコンセントから電力の供給を受けてもよく、あるいは、装置Aにバッテリ(図示せず)を搭載し、このバッテリを電力源としてもよい。
【0028】
ねじ駆動機構82の基端はフレーム2に回動自在に取付けられ、このねじ駆動機構82から上方に延出する作動ロッド82aの先端がアーム20(詳しくは、下ロッド26)の第3ブラケット84に水平軸86を介して取付けられている。ねじ駆動機構82の作動によって、作動ロッド82aが伸長すると、アーム20は軸24a、26aを中心にして立ち上がり動作を行い、逆に、ロッド82aが短縮すると、アーム20は軸24a、26aを中心にして下降動作を行う。ねじ駆動機構82の動作は、手元スイッチ90の「上昇ボタン」および「下降ボタン」を選択的に押すことによって制御される。この手元スイッチ90は移動可能であり、介護者が操作してもよく、あるいは、スイッチ90をテーブル36の上に置いて患者自身が操作してもよい。
【0029】
アーム20の下降動作は、手元スイッチ90とは別に、アーム20の後端部に取付けられた揺動スイッチ92によっても停止される。揺動スイッチ92は、アーム20の第2ブラケット22に回動自在に取付られたレバー部材94と、このレバー部材94の揺動に連動して作動するスイッチ(図示せず)とで構成されている。レバー部材94は、自重で下ロッド26の下方に突出する位置をとる。レバー部材94に関連したスイッチは、図2で実線で示す位置から僅かに矢印Cの方向に揺動しただけでOFFになる。レバー部材94は、スイッチがOFFになった後も矢印Cの方向に大きく揺動することができるように設定されている。
【0030】
姿勢変換装置Aは、患者の上半身と臀部とを支持するサポート部材である図3に示すスリング100を用いて患者の姿勢変換を行う。スリング100は、患者の腰および背中を支持するサポート部101と、サポート部101の左右の上角部から夫々斜め上方に延びる左右一対の上側アーム部102と、サポート部101の左右の下角部から夫々下方に延びて患者Bの臀部を支持する下側アーム部103とを有し、各アーム部102、103には、その長手方向に並んだ複数の孔102a、103aが形成されている。
【0031】
スリング100の装着は、図4に示す(A)ないし(D)の工程に従って行われる。図4の(A)は第1工程を示すものであり、同図(A)から明らかなようにサポート部101を患者Bの腰および背中に当てがった後、同図(B)から(D)の工程を経て、一対の上側アーム部102を患者Bの脇の下を通して前方に引き出し、また一対の下側アーム部103を内股へ通して患者Bの前方に引き出す。後に詳しく説明するように、左右の上側アーム部102、102は、夫々、胸パッド28の左右の第1フック34に係止される。また、左右の下側アーム部103、103は、スライド機構27に係止される。なお、図4の(A)および(B)では、患者Bを中腰の姿勢にしてスリング100を装着するように図示してあるが、これらの図面は、スリング100の装着工程を図面上明確にするために描いた単なる説明図であり、患者Bを椅子等に着座させたままでスリング100を装着してもよいことは言うまでもない。
【0032】
図1および図2を参照してスライド機構27を説明すると、スライド機構27は、アーム20の上ロッド24の前半部分の上方に配設されたガイドロッド110を有する。ガイドロッド110は、上ロッド24と同一の垂直平面で上方に若干離置されて平行に延びており、ガイドロッド110の前端および後端は止め具112、114によって上ロッド24に固定されている。スライド機構27は、また、スライダ116を有し、スライダ116はガイドロッド110および上ロッド24に案内されて移動自在である。止め具112、114、特に、後側の止め具114は、スライダ116に対するストッパとして機能する。スライダ116には、上方に向けて突出する1本のフック(第2フック)118が固設されており、この第2フック118を利用して前述したスリング100の取付けが行われる。
【0033】
図5は装置Aに対するスリング100の取付けを示す部分斜視図である。患者Bに装着したスリング100の取付けは、患者Bの左右の脇の下から前方に延び出た一対の上側アーム102、102を、夫々、胸パッド28の左右の第1フック34に係止し、また患者Bの内股から前方に延び出た下側アーム103をスライダ116の第2フック118に係止することによって行われる。このようにしてスリング100を第1フック34および第2フック118に係止させることによって患者Bは装置Aと一体になる。
【0034】
スリング100の形態として、患者の保有している機能に応じた種々の形態を考えることができる。例えば、患者の背中を支持する部分と、臀部を支持する部分とを分割した個々のスリングを用意し、患者のリハビリの進行具合に応じて、使い分けるようにしてもよい。
【0035】
例えば、患者の上半身だけを支えるだけで立ち上がることのできる患者の場合には、患者Bの背中から腋の下を通るスリングを用意し、このスリングで患者Bの胸部を胸パッド28に固定するようにしてもよい。その一例を図6に示す。同図のスリング104は、ベルト105とエアークッション106とで構成され、エアークッション106は、ベルト105の内面に着脱自在に取付けられている。また、エアークッション106には、バルブ(図示せず)が付設され、このバルブを操作することによって内部エアー圧を調整できるようになっている。
【0036】
エアークッション106の外側面には、長手方向に延びるループテープ107が縫い付けられている。ループテープ107は、ベルクロファスナ(登録商標)またはマジックテープ(登録商標)という名称で知られている簡易な止め具を構成するものであり、対応するフックテープ108は、ベルト105の内面に取付けられている。エアクッション106は、ベルト105に内蔵してもよい。この場合、ベルト105を袋状に形成し、このベルト105の中にエアクッション106を収容すればよい。
【0037】
ベルト105の両端部には、長手方向に並んだ複数の孔105aが形成されている。患者Bを胸パッド28と一体化させるときには、患者Bと胸パッド28との間に極端な遊びがないように、適当に選択された孔105aが第1フック34に係合される。
【0038】
図7ないし図9は、姿勢変換装置Aの一連の動作およびこれに伴う患者Bの姿勢変化を示すものであり、図7は座位状態を示し、図8は中腰状態を示し、図9は立位状態を示す。これら図面を参照して、以下に、姿勢変換装置Aの初期セットから一連の動きを説明する。
【0039】
まず、椅子120等に着座している患者Bに姿勢変換装置Aをセットする。装置Aのセットは、先ず、装置Aを患者Bに対して位置決めする工程を有する。装置Aの位置決めは、介護者が把手16を持って装置Aを移動させて、胸パッド28を患者Bの胸に当てることによって行う。この初期セットの状態では、アーム20は、図7等から分かるように、ほぼ水平に延びる位置にある。次に、介護者は患者Bの両足を足乗せプレート54の上に乗せた後、足乗せプレート54の高さ位置および膝パッド40の前後位置の調整を行う。膝パッド40の前後位置の調整は、膝パッド40が座位姿勢の患者Bの膝に軽く当たるようにロッド48の実質的な長さを調整することによって行い、また、この膝パッド40の調整に合わせて足乗せプレート54の高さ位置の調整を行う。
【0040】
足乗せプレート54の高さ位置の調整は介護者がハンドル74を回すことによって行われるが、その際に注意すべきことは、患者Bの膝関節が膝パッド40の揺動中心つまり水平軸50よりも若干高い位置に存在するようにする点である。背が低い患者Bの場合には下腿部が短いので、足乗せプレート54を上昇させる必要があるが、これに要するハンドル操作力は、前述したバネ70の付勢力によって低減されるため、介護者の負担を軽減することができる。
【0041】
このような患者Bの膝関節の高さ位置の調整を簡便に行うようにするために、例えば、図2で符号130で示す身長指示針を足乗せプレート54に設け、これに対面した目盛り(図示せず)を支柱10に設けてもよい。この目盛りは、種々の身長に対応した平均的な膝関節の高さを考慮に入れて、この者の膝関節が膝パッド40の水平軸50よりも若干高い位置に位置決めされるように設定されている。このような手段を講じることにより、例えば患者Bの身長が150cmであれば、身長指示針130が支柱10の目盛り「150cm」に一致するように足乗せプレート54の高さを調整するだけで、自動的に、身長150cmの患者Bに対し、この患者Bの膝関節が、膝パッド40の水平軸50よりも若干高い位置に位置決めされることになる。
【0042】
また、背の低い患者Bは、背の高い患者に比べて、大腿部が短いので、膝パッド40のロッド48を患者B側に大きく引き出す必要があるが、足乗せプレート54は上昇するに従って後方に移動するため、プレート54の上昇に伴って足乗せプレート54の上に乗せた両足が後方に移動することになる。この両足の後方移動によって、膝パッド40で支えられた患者Bの膝は適度に折れ曲がり、下腿部が膝よりも若干後方に位置する状態になる。これにより、例えば介護者の見落とし等によって患者Bの下腿部が前に突き出た状態(膝関節の折り曲げ角度が90度よりも小さい状態)のままで患者Bを立たせてしまい、これに伴って患者Bの膝が過度に伸長して膝関節を損傷させてしまう可能性を的確に回避することができる。
【0043】
上述のような装置Aの調整と共にスリング100を患者Bに装着する。介護者は、前述したように、患者Bに装着したスリング100の上側アーム部102を胸パッド28の第1フック34に係止させ、下側アーム部103をスライダ116の第2フック118に係止させることによって、患者Bを装置Aに一体化させる。この際、患者Bの胸と胸パッド28との間に極端な遊びがないようにするのが肝要であり、その調整は、第1フック34に係止させる上側アーム部102の孔102aを選択することによって行えばよい。
【0044】
他方、下側アーム部103をスライダ116の第2フック118に係止させる際には、スライダ116を後側ストッパ(止め具)114側に引き寄せた状態にし、下側アーム部103に弛みを与えるようにして第2フック118に係止させるのが望ましい。下側アーム部103を緊張させた状態で下側アーム部103を第2フック118に係止させると、立ち上がり過程で、患者Bの膝が膝パッド40にきつく当たりすぎる場合がある。好ましい態様としては、下側アーム部103の各孔103aに印を付けておくのが好ましい。
【0045】
介護者は、患者Bの身長を見て、例えば患者Bの身長が160cmであれば、160cmの印のついた孔103aを第2フック118に係止させることで、簡単に、装着時の下側アーム部103に適当な弛みを与えることができる。この印は、160cm、165cm、170cmというように段階的に表示するもので足りる。これにより、患者Bの立ち上がり動作の過程で、患者Bの膝が膝パッド40によって適度に支持されると共に、スリング100の適当な装着作業を簡便にすることができる。
【0046】
以上の初期セットが完了した後、患者Bを手を把手38に掴まらせ、その後、介護者あるいは患者自身が手元スイッチ90を操作して、ねじ駆動機構82を伸長動作させる。ねじ駆動機構の作動ロッド82aの伸長動作に伴うアーム20の立ち上がり動作によって、健康な者が自力で立ち上がるのと同じ自然な動作で図8の中腰姿勢を経て図9の完全な立位姿勢まで患者Bを立たせることができる。
【0047】
この点について詳しく説明すると、人間は、本来的に、上半身を前傾させながら膝を若干前方にスライド移動させて立ち上がる。これに対して、胸パッド28は、前述したように若干前傾した状態で、平行リンクを構成するアーム20に取付けられているため、アーム20の動きとは関係なく、所定の前傾状態を保つ。患者Bは、このような胸パッド28に身体を預けた状態でスリング100によって胸パッド28と一体化されているため、患者Bの上半身はやや前傾した状態を維持し続けることになる。加えて、本実施例にあっては、アーム20の回動中心(水平軸24a、26a)の高さ位置が座位姿勢の患者Bの胸のよりも低い位置に設置されているため、アーム20の立ち上がり動作に伴い、前傾した胸パッド28で患者Bの上半身を下方から持ち上げるようにして患者Bを起立させることになり、患者Bは前傾姿勢を維持を確実なものにすることができる。
【0048】
また、患者Bの起立動作に伴う膝の前方移動は、膝の動きに連動した膝パッド40の揺動動作によって吸収される。すなわち、前述したように、座位姿勢の患者Bに対し、足乗せプレート54の高さ調整によって、膝が膝パッド40のピボット点(水平軸50)よりも実質的に高い位置に当たるようにしてあるため、患者Bが立ち上がる際の膝の前方移動に追従して膝パッド40が前傾して、膝の前方移動を吸収する。
【0049】
患者Bは、足乗せプレート54に足を乗せ、膝パッド40および胸パッド28で支えられながら立ち上がることになるが、その際に患者Bの臀部はスリング100の下側アーム部103によって持ち上げられるため患者Bがヘッピリ腰の状態で立ち上がるのを確実に防止することができる。
【0050】
スリング100による患者Bの臀部の支持に関し、スリング100の下側アーム部103を支持するスライド機構27がアーム20の動きに連動するものであるため、アーム20の作動に伴う患者Bの姿勢変化に追従する形態でスリング100の下側アーム部103が患者Bの臀部を支持し続けることになる。すなわち、図7ないし図9から理解できるように、患者Bの起立動作に伴って臀部は、その高さ位置が高くなり且つフレーム2の支柱10に接近する。他方、下側アーム部103の患者Bに接触する部分の実質的な長さは、患者Bの立ち上がり動作に伴って長くなり、したがって、患者Bが座位から中腰を経て立位姿勢に移行する過程で、下側アーム部103の患者Bから延び出た部分の実質的な長さは短縮する。
【0051】
一方、スリング100の下側アーム部103が取付けられたスライダ116には、アーム20の立ち上がり動作に伴って、スライダ116を前方側に移動させる分力が発生し、この分力によってスライダ116は前方移動し始める。また、スライダ116は、アーム20の立ち上がり動作と一緒になって前方に移動する。このようなアーム20の動きに連動したスライダ116の動きによって、このアーム20の動作に伴う患者Bの姿勢変化に応じた下側アーム部103(スリング100)の動きを与えることができる。
【0052】
患者Bが図9に示す立位姿勢になったら、手元スイッチ90を操作して、ねじ駆動機構82の作動を停止させる。ねじ駆動機構82の作動を止めた後は、患者Bは胸パッド28、膝パッド40およびスリング100で支えられて、やや前傾姿勢で足乗せプレート54の上に両足で立った状態になる。この若干前傾した立位姿勢においても、患者Bの臀部はスリング100によって支持されているので、患者Bは尻落ちしにくい立位姿勢をとることになる。
【0053】
例えば、膝関節が硬化した患者、足首が変形してしまった患者の場合には、足の状況に応じた無理のない範囲で立たせればよい。すなわち、例えば膝関節が45°以上伸びない患者の場合には、無理のない姿勢まで立ち上がった段階でねじ駆動機構82の作動を停止させればよい。図8の中腰姿勢の状態を見て理解できるように、完全な立位姿勢(図9)に移行する途中段階にあっても極めて自然な中腰姿勢であるため、この段階で作動ロッド82aの動きを止めたとしても、患者Bが後倒する恐れはなく、患者自身にとっても違和感の無いその人なりの立位姿勢にすることができる。
【0054】
ちなみに、従来にあっては、下肢の状況によって直立姿勢をとることのできない或いは困難な患者は対象外であるとみなされていたのに対して、本発明の装置によれば、座位姿勢と立位姿勢との間の移行過程の動作が極めて自然であるため、途中段階で作動を停止したとしても何らの問題もなく、したがって、従来にあっては適用対象外として寝たきりにされていた患者に対しても本発明の装置Aを適用することができる。
【0055】
患者Bの足の状況に応じたその人なりの立位姿勢をとらせた後、介護者は把手16を持って所望の場所、例えばベッドから車椅子まで或いはトイレまで患者ごと装置Aを移動させる。例えば、トイレまで移動させたら、便器の前に装置Aを位置決めした上で、装置Aを逆動作(ねじ駆動機構のロッド82aの短縮動作)させて、患者Bを立位姿勢から座位姿勢に戻す。患者Bが例えば便器に着座する座位姿勢になったら適当なタイミングで手元スイッチ90を操作してねじ駆動機構8218の動きを停止させるものであるが、仮に、スイッチ90の操作タイミングが遅れた場合には、アーム20に設けられた揺動スイッチ92のレバー部材94が患者Bの大腿部と当接した瞬間に揺動スイッチ92によってねじ駆動機構82の短縮動作が止まる。患者Bが便器に着座した後、或いは、その直前にスリング100の下側アーム部103を第2フック118から外してもよい。これにより、患者Bの下着を取り除くのが容易になる。
【0056】
なお、前述したようにスイッチをOFFした後のレバー部材92の遊びを大きくとってあるため、仮にアーム20が慣性により下降動作したとしても、患者Bの大腿部との干渉によってレバー部材94は退避動作を行うことから、アーム20から下方に突出したレバー部材94の存在によって患者Bを傷付けることはない。また、患者Bを着座させた後に、装置Aだけを移動させて患者から引き抜く際に、仮にレバー部材94が患者Bの身体に触れたとしても、レバー部材94の揺動動作によって、患者Bを傷つけるのを防止することができる。
【0057】
レバー部材92に代えて、図10、図11に示すように、ゴム製クッション材96をテーブル36の下面に取付け、このクッション材96の中に感圧センサ(図示せず)を配置させて、患者の大腿部がクッション材96と当接したときに装置Aの動きを停止させるようにしてもよい。この感圧センサを内蔵したゴム製クッション材96は、胸パッド28の下端面に取付けるようにしてもよい。また、揺動スイッチ92あるいは感圧センサのように患者の身体と接触したときに、装置Aの動作を停止するのではなく、例えば赤外線センサのように非接触でアーム20の位置を検出して、アーム20が所定の位置よりも下降したときに装置Aの作動を停止するようにしてもよい。
【0058】
患者Bの体型によっては、レバー部材92が不適切に作動してしまい患者Bが中吊りの状態で装置Aが作動停止してしまうことが考えられる。このような問題を解消するために、レバー部材92のような装置Aを強制的に作動停止させるための機構をキャンセルするためのマニュアルスイッチ(図示せず)を設けるのが好ましい。介護者は、患者Bの体型を見て、必要ならば上記マニュアルスイッチを操作して、レバー部材92のような作動停止機構を強制的にキャンセルし、適当なタイミングで手元スイッチ90を操作して装置Aの動きを停止させればよい。
【0059】
以下に、本発明の他の実施の形態を説明するが、上述した実施の形態に含まれる要素と同一の要素には同一の参照符号を付すことにより、その詳しい説明を省略し、以下に、各実施の形態の特徴部分について説明する。
【0060】
第2の実施の形態(図12、図13)
この第2の実施例の姿勢変換装置Eは、概略的には、上記第1実施例の装置Aに対して駆動輪150及び簡易腰掛け152が付加されている。この自走式姿勢変換装置Eによって、患者Bは、簡易腰掛け152に着座した姿勢あるいは立位姿勢で、介護者の手を借りずに、自由に目的地まで移動することが可能になる。以下に、この自走式姿勢変換装置Eの特徴部分について詳しく説明する。
【0061】
装置Eの基部2は、左右一対の前側フット部材156と、左右一対の後側フット部材158とで構成され、これらフット部材156、158は共に前後方向に延びている。左右一対の前側フット部材156は、夫々、下側横メンバー6の各端に配置され、各前側フット部材156は、その長手方向中間部分がピン159を介して横メンバー6に回動可能に取付けられている。前側フット部材156には、夫々、その前端にキャスタ14が取付けられ、後端に駆動輪150が取付けられている。駆動輪150は、キャスタ14に比べて大きな直径(22.5mm) を有し且つ減速機付き電動モータを内蔵した車輪で構成されている。駆動輪150の好ましい配置位置については後に説明する。また、減速機付き電動モータを内蔵した車輪については従来から既知であるので、その詳しい説明は省略する。
【0062】
左右一対の後側フット部材158は、夫々、下側横メンバー6から後方に向けて延び且つ断面略矩形の中空管で作られた主フット部材160と、この主フット部材160の後端開口に挿入された延長フット部材162とで構成されている。各延長フット部材162は、その後端部に取付けられた2つのキャスタ14を有する。この2つのキャスタ14は、前後方向に間隔を隔てて配置され、延長フット部材162には、これらキャスタ14の中間部分に簡易腰掛け152が着脱自在に取付られている。
【0063】
簡易腰掛け152は、板状細長い座部164と、座部164の左右両端部から下方に向けて延びる左右一対の脚166と、各脚166の下端に設けられた取付部168とを有し、この取付部168を延長フット部材162に係合させ且つロックすることによって簡易腰掛け152が延長フット部材162に固定される。逆に、取付部168のロックを解除し且つ延長フット部材162との係合を解除することによって簡易腰掛け152を延長フット部材162つまり装置Eから取り外すことができる。
【0064】
簡易腰掛け152は、その高さ調整が可能であるのが実用上好ましく、このため、図13から理解できるように、左右一対の脚166が内外2重筒で構成され、その構成要素である内筒を外筒から出し入れすることによって、脚166の実質的な有効長さ寸法を可変にするように作られている。この場合、長手方向に間隔を隔てて配置した複数の孔を内筒に形成し、選択した孔に対して、外筒の上端に配置したネジ付きロックピンを差し込むことによって、脚166の長さ寸法を固定するようにすればよい。これによれば、脚166の長さ寸法を段階的に調節することができる。図13の参照符号170は、ネジ付きロックピンの操作ノブを示す。
【0065】
テーブル36の右脇には、装置Eの動きを制御するコントローラ172が設置され、駆動輪150の動作は、コントローラ172の本体から上方に延びる操作ステック172aをマニュアル操作することによって制御される。すなわち、直立したニュートラル位置から操作ステック172aを前に倒すと、装置Eは前方へ直進し初め、ステック172aを大きく前方に倒すと増速する。逆に、操作ステック172aを後ろに倒すと、装置Eは後方に直進し初め、ステック172aを大きく後方に倒すと増速する。また、操作ステック172aを右に倒すと、左右の駆動輪150のうち、右側の駆動輪が減速されて装置Eは右旋回し、ステック172aを大きく右に倒すと、右側駆動輪が大きく減速されて小回りする。逆に、操作ステック172aを左に倒すと、左右の駆動輪150のうち、左側の駆動輪が減速されて装置Eは左旋回し、ステック172aを大きく左に倒すと、左側駆動輪が大きく減速されて小回りする。
【0066】
装置Eに含まれる膝パッド40は、その支持プレート44が、図12などから分かるように、患者B側に向けて凹をなす横断面で湾曲した形状を有する。このような湾曲形状の膝パッド40によって、患者Bの膝の左右方向の動きを防止することができ、膝パッド40による膝の支持を確実にすることができる。
【0067】
さて、駆動輪150の配置位置であるが、図13に示すように、患者Bが立位姿勢をとったときに、患者Bの重心位置Gを通る真下にできるだけ近い位置に駆動輪150を配置するのが好ましい。このように立位姿勢の患者Bの重心位置Gに駆動輪150の配置位置を設定することによって、患者Bが装置Eに乗って移動するとき、旋回時の違和感を無くすることができると共に旋回半径を小さくすることができ、小回り性が必要となる家屋内での使用に適する。
【0068】
患者Bが立位姿勢をとったときと、簡易腰掛け152に着座したときとでは、患者Bの重心位置が異なり、座位姿勢の患者Bの重心位置は相対的に後方に位置する。このように患者Bの重心位置Gが変化したとしても装置Eの安定性を一定に保持するために、延長フット部材162の実質的な長さ寸法を可変にする機構を設けるのが好ましい。具体的な手法として、アーム20の立ち上げ動作に連動して延長フット部材162が短縮動作を行うようにすればよい。
【0069】
また、この装置Eによれば、前後に間隔を隔ててキャスタ14および大径の駆動輪150を取付けた前側フット部材156が、ピン159を中心に揺動可能であるため、床に多少の段差があったとしても、この段差を滑らかに乗り越えることができる。
【0070】
第3の実施の形態(図14ないし図16)
この第3の実施例の姿勢変換装置Fにあっては、図15から分かるように、下側横メンバー6から1本の支柱10が上方に向けて延び、この支柱10の上端に、直接、第1ブラケット18が取付けられている。また、膝パッド40は膝パッド用ロッド48の後端に固定され、膝パッド40に含まれる弾性部材は、プラスチック発泡体で構成されている。
【0071】
姿勢変換装置Fは、胸パッド28の左右両側に腋パッド200が設けられ、脇パッド200は、胸パッド28の側面に垂直軸201を中心に回動自在に取付けられている。腋パッド200の後端には、一方の腋パッドにバックル202が取付けられ、他方の腋パッドの後端にベルト203が取付けられている。図16の参照符号204はエアークッションを示し、このエアークッションには、バルブ(図示せず)が付設され、このバルブを操作することによって内部エアー圧を調整できるようになっている。エアークッション204は、患者Bの胸回りを一周する程度の長さ寸法を有する細長い形状を有している。エアークッション204の外側面には、長手方向に間隔を隔てた3箇所に、ループテープ205が縫い付けられている。対応するフックテープ206は、胸パッド28および腋パッド200の内面に取付けられている。
【0072】
使用時には、先ず、椅子等に着座している患者Bの胸回りに、エアークッション204を装着する。次に、介護者は、ベルト203をバックル202から外し且つ腋パッド200を外側に開いた状態にした後に、把手16を持って装置Fを移動させて、胸パッド28を患者Bの胸に当てる。次いで、患者Bの両腕を上げて、腋パッド200を内方に移動させて、胸パッド200を患者Bの腋の下に位置決めした後に、ベルト203とバックル202とを利用して締め込む。これにより、患者Bは装置Fと一体になる。その後の装置Fの動作は、第1実施例の装置Aと同じであり、この装置Fの動作に導かれて、患者Bは、胸を胸パッド28に預けた状態で自然な起立動作を行う。
【0073】
第4の実施の形態(図17ないし図22)
上述した第1実施例ないし第3実施例にあっては着座姿勢の患者Bを自然な動作で起立姿勢まで導くようにしてある。これに対して、この第4の実施例の姿勢変換装置Gにあっては、2段階の動作で着座姿勢の患者Bを起立姿勢まで導くようにしてある。この装置Gの2段階動作を概略的に説明する。図21は装置Gの第1段階の動作を示し、図22は、装置Gの第2段階の動作を示す。これら図面から理解できるように、装置Gの第1段階の動作によって患者Bの下半身だけが伸ばされ(図21)、次の装置Gの第2動作によって、患者Bの上半身が起こされる(図22)。この2段階の動作によって患者Bは起立姿勢になる。
【0074】
姿勢変換装置Gについて詳しく説明すると、装置Gは、支柱10の側方に配置された主ねじ駆動機構300を有している。主ねじ駆動機構300は、ベースプレート8の一側部に固設され、ベースプレート8から上方に若干前傾して延びている。主ねじ駆動機構300の作動ロッド302の先端部には、水平軸304を介して、アーム306が取付けられている。この主ねじ駆動機構300は、後に明らかになるように、アーム306の実質的な有効長さを拡大するためのエクステンション手段を構成する。主ねじ駆動機構300には、その上端部にブラケット308を介して第2のねじ駆動機構310が取付けられている。
【0075】
第2ねじ駆動機構310は、主ねじ駆動機構300と略平行に延び、このねじ駆動機構310から上方の延びる作動ロッド312には、ピン314を介してリンク316が回動自在に取付けられている。リンク316は、上述した水平軸304を介してアーム306と一体化されている。これにより、第2ねじ駆動機構310の作動ロッド312が伸縮すると、この動作はリンク316を通じてアーム306に伝達され、アーム306が水平軸304を中心に図17の矢印αの方向に揺動する。
【0076】
アーム306の先端には、第2の水平軸320を介してテーブル322が取付けられ、テーブル322には、図20に示すように、胸パッド324、腋パッド326が固設されている。これら胸パッド324、腋パッド326は、実質的に、図16で説明したものと同じであるが、この実施例にあっては、図17及び図18から明らかなように、胸パッド324は、下方に拡大した大きさを有している。装置Gの使用時には、図16と同様に、患者Bは、エアークッション328およびベルト330を用いて装置Gと一体化される。また、患者Bは、下方に拡大した胸パッド324によって、胸部から腹部にかけて全体的に支持される。
【0077】
アーム306の先端部には、第3のねじ駆動機構340がピン342を介して揺動自在に取付けられ、この第3のねじ駆動機構340の作動ロッド344は、テーブル322に対してピン346を介して回動自在に連結されている。このピン346の配置位置は、前述したアーム306の取付け位置つまり第2の水平軸320よりも前方に設定され、これにより、第3のねじ駆動機構340の作動ロッド344が伸縮すると、テーブル322および胸パッド324は、図18に矢印βで示す方向に揺動する。
【0078】
装置Gは、例えばマイクロコンピュータで構成されたコントローラ(図示せず)を有し、このコントローラに組み込まれた作動プログラムに従って、3つのねじ駆動機構300、310、340が制御される。装置Gを使用するに当たって、介護者は患者Bのデータを図外の入力手段によってコントローラに入力する。この患者Bのデータに基づいて、コントローラは患者Bの個体差に応じた制御を行う。
【0079】
次に、着座姿勢の患者Bを起立姿勢まで姿勢変換させる際の装置Gの動作を説明する。先ず、第2ねじ駆動機構310の作動ロッド312が短縮動作する。これにより、アーム306は、図17の実線位置から仮想線で示す位置まで移動し、このアーム306の動きによって、患者Bは、膝パッド40で支えられながら、下半身が伸びた姿勢まで導かれる(図21参照)。この患者Bの下半身の伸び程度つまり第2ねじ駆動機構310の作動ロッド312の短縮ストローク量は、前記第1実施例でも説明したように、患者Bの下半身の状況に応じて調整すればよい。したがって、この第1段階の作動によって、患者Bの下半身は、無理のない範囲で、その人なりの伸び状態になる。
【0080】
次に、主ねじ駆動機構300および第2ねじ駆動機構310が共に伸長動作する(このストローク量を図18の参照符号uで示してある)。これによりアーム306の実質的な有効長さが拡大され、患者Bの胸が上方に向けて押し上げられる。これに加えて、第3ねじ駆動機構340が伸長動作して、胸パッド324を水平位置(図17参照)から垂直位置(図18参照)まで起立させる。この3つのねじ駆動機構の動作に伴って、患者Bの上半身が起こされる。この2段階の動作により、患者Bは着座姿勢から図18に示す起立姿勢に姿勢変換され、逆の動作によって、患者Bは起立姿勢から着座姿勢に変換される。以上、下半身を伸ばす工程と、上半身を起こす工程とを時系列的に順番に行うことを説明したが、これに代えて、上記2つの工程を一緒に行うようにしてもよい。
【0081】
以上、本発明に従った幾つかの具体例を説明したが、これら具体例に含まれる要素を様々に組合せて姿勢変換装置を作ることができる。また、上述した装置は、患者の状況およびリハビリの進行具合に応じて使い分けることが可能である。また、例えば、図14で説明した装置Fなどは、患者Bが把手38を持って歩行訓練にも用いることができる。また、歩行訓練が可能な患者のように、相当にしっかりした患者に限定して姿勢変換装置を設計するのであれば、足乗せプレート54を削除し、左右一対の基部4と4との間の幅寸法をできるだけ大きくして、歩行に邪魔にならないようにすればよい。この場合、膝パッド40の高さ調整の手段として、支柱10の長さ寸法を可変にする手段を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の姿勢変換装置を斜め前方から見た斜視図。
【図2】図1に示した姿勢変換装置の側面図。
【図3】実施例の姿勢変換装置と一緒に用いられるスリングの全体平面図。
【図4】図3に示したスリングの装着工程を段階的に示す説明図であり、図中、(A)はスリングを患者の背中および腰に当てがう第1工程を示し、(B)は患者に当てがったスリングの上側アーム部と下側アーム部とを患者の前方に引き出す第2工程を示し、(C)は第2工程で引き出した上側アーム部および下側アーム部をしっかりと引き出してスリングを患者に密着させる第3工程を示し、(D)は姿勢変換装置にスリングを係止する最終工程を示す。
【図5】胸パッドおよびスライダに夫々設けたフックと、これらフックに係止させたスリングとの関係を明らかにするための装置の部分詳細斜視図。
【図6】装置に取付けられるスリングの他の例を示す図。
【図7】姿勢変換装置による患者の起立動作を示す説明図であって、患者が座位姿勢にある状態を示す側面図。
【図8】姿勢変換装置による患者の起立動作を示す説明図であって、患者が中腰姿勢にある状態を示す側面図。
【図9】姿勢変換装置による患者の起立動作を示す説明図であって、患者が立位姿勢にある状態を示す側面図。
【図10】装置を強制的に停止させるための変形例の安全手段を取付けた姿勢変換装置の部分拡大斜視図。
【図11】図10のX11−X11線に沿った断面図。
【図12】第2実施例の姿勢変換装置を斜め前方から見た図。
【図13】第2実施例の装置の側面図であって、患者を起立姿勢にした後の状態を示す図。
【図14】第3実施例の姿勢変換装置の側面図。
【図15】第3実施例の姿勢変換装置の正面図。
【図16】第3実施例の姿勢変換装置に組み込まれた胸パッドおよび患者支持部材の部分を拡大して示す部分斜視図。
【図17】第4実施例の姿勢変換装置の側面図であって、座位姿勢の患者の下半身を伸ばす工程を示す図。
【図18】第4実施例の姿勢変換装置の側面図であって、患者の上半身を起こす工程を示す図。
【図19】第4実施例の姿勢変換装置の平面図。
【図20】第4実施例に含まれるテーブル、胸パッドおよび腋パッドの部分を拡大して示す部分平面図。
【図21】第4実施例の装置の作動のうち座位姿勢の患者の下半身を伸ばす第1工程を説明するための図。
【図22】第4実施例の装置の作動のうち、図21の第1工程の後に、患者の上半身を起こす第2工程を説明するための図。
【符号の説明】
A 姿勢変換装置
B 患者
2 フレーム
14 キャスタ
20 アーム
24a 第1水平軸
26a 第1水平軸
28 胸パッド
40 膝パッド
42 足台手段
54 足乗せプレート
80 ねじ駆動ユニット
92 レバー部材
100 スリング
103 スリングの下側アーム部
116 スライダ
150 駆動輪
300 第1ねじ駆動機構
304 第1水平軸
310 第2ねじ駆動機構
320 第2水平軸
324 胸パッド
340 第3ねじ駆動機構

Claims (9)

  1. 患者の姿勢を座位姿勢から直立した立位姿勢に変換させるための姿勢変換装置であって、
    水平軸を中心に垂直平面内で揺動して、横方向に延びる第1位置と、上方向に延びる第2位置とをとり、横方向に延びる第1位置のときに患者を座位姿勢にさせ、上方向に延びる第2位置のときに患者を直立した立位姿勢にさせることのできる長さ寸法を備えたアームと、
    患者の膝を支える膝パッドと、
    前記アームの先端に設けられ、前記アームの前記第1位置と第2位置との間で実質的に同じ向きを維持する胸パッドと、
    前記アームの先端に設けられ、患者の両脇から背中にわたって延びて前記胸パッドと協働して患者を包囲し且つ患者を胸パッドに預けた状態で固定するための支持部材とを有することを特徴とする姿勢変換装置。
  2. 前記支持部材が、前記アームの先端に脱着可能に設けられ、該支持部材が前記胸パッドと協働して患者を包囲する有効長さを調整するための手段を備えている、請求項1に記載の姿勢変換装置。
  3. 前記アームが、垂直面内に上下に離間して配置され且つ平行リンクを構成する上下のロッドで構成され、これにより前記アームの第1位置と第2位置との間で前記胸パッドが同じ向きを維持する、請求項1又は2に記載の姿勢変換装置。
  4. 前記アームを揺動させる駆動源を更に有する、請求項1〜3に記載の姿勢変換装置。
  5. 患者が足を乗せるための高さ調整可能な足台手段とを更に有し、
    該足台手段が、患者の足を受けるための足乗せプレートと、該足乗せプレートの高さ位置を変化させたときに、該足乗せプレートが高くなるほど、該足乗せプレートを患者側に変位させる手段とを有する、請求項1又は2に記載の姿勢変換装置。
  6. 前記膝パッドが水平軸を中心に揺動可能であり、該膝パッドの水平軸よりも高い位置で患者の膝が前記膝パッドに当たる、請求項5に記載の姿勢変換装置。
  7. 前記姿勢変換装置が、前後の方向転換可能な従動車輪の中間であって、立位姿勢の患者の重心の真下又はその近傍に配置された左右一対の駆動輪を更に有し、
    該駆動輪は減速機構を備えると共に前記従動輪よりも大径であり、請求項1〜6のいずれか一項に記載の姿勢変換装置。
  8. 自力で立ち上がることが困難な患者を座位姿勢から直立した立位姿勢まで姿勢変換させるための方法であって、
    座位姿勢の患者の前方に位置する水平軸を中心に垂直平面内で揺動するアームと、
    該アームの先端に設けられた胸パッドと、
    患者の両脇から背中にわたって延びて前記胸パッドと協働して患者を包囲する支持部材と、
    患者の膝を支える膝パッドとを用意し、
    前記アームを横方向に延びる第1位置で、前記支持部材を使って座位姿勢の患者を固定する第1工程と、
    前記アームに対して前記胸パッドの向きを固定した状態で前記アームを上方向に延びる第2位置まで揺動させて、患者の下半身を伸ばすと共に水平状態の前記胸パッドに支えられた前倒し姿勢にする第2工程と、
    該第2工程に続いて、前記アームを上方に伸ばすと共に水平状態の前記胸パッドを垂直状態まで変化させて、患者の上半身を起こす第3工程とを有し、
    これにより座位姿勢の患者の姿勢を直立した起立姿勢に変換する姿勢変換方法。
  9. 前記胸パッドが患者の胸部から腹部にかけて全体的に支持する大きさを有する、請求項8に記載の姿勢変換方法。
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