JP6377888B2 - 姿勢可変立位式移動装置及びその制御方法 - Google Patents

姿勢可変立位式移動装置及びその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は姿勢可変立位式移動装置及びその制御方法に関する。
例えば、医療機関や介護施設などにおいては、下肢が麻痺した患者をベッドから車椅子に移乗させる場合、看護または介護士が患者の上体を起こし、当該患者を持ち上げてベッドから車椅子に移していた。また、車椅子に座った状態の患者をベッドに移乗させる場合も看護または介護士が患者を持ち上げて車椅子からベッドに移していた。
このような看護や介護士の負担を軽減するため、下肢が麻痺した患者の立ち上がりを支援する装置の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−02443号公報
上記特許文献1の装置は、下肢が麻痺した患者が車椅子に座った状態で移動するものであり、車椅子からベッドに移乗する際に車椅子の座部を上昇させて当該患者の腰を持ち上げて座位姿勢から立位姿勢に移行させる機構を有する構成となっている。しかしながら、特許文献1のものを使用しても当該下肢が麻痺した患者が立位姿勢の状態からベッドに移動する場合、車椅子をベッド側方に横付けしてから看護または介護士の手伝いが必要であり、あるいはベッドから車椅子に移乗する場合も下肢が麻痺した患者が一人で車椅子まで歩行できないため、看護または介護士の手伝いがないと移乗することが難しかった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した姿勢可変立位式移動装置及びその製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
本発明は、車輪を有する移動ベースと、
前記車輪を回転駆動する車輪駆動手段と、
前記移動ベースに搭乗者の足を固定する足固定部と、
前記搭乗者の上体の前方向への体重移動に応じて座位姿勢から立位姿勢に変化、及び立位姿勢から座位姿勢に変化させる際の体重移動に伴って当該搭乗者の動作を支援する姿勢支援機構と、を備え、
前記車輪駆動手段は、前記搭乗者の上体が前記姿勢支援機構により立位姿勢に保持された状態で前記移動ベースを移動させることを特徴とする。
本発明によれば、搭乗者の上体の前方向への体重移動に応じて座位姿勢から立位姿勢に変化、及び立位姿勢から座位姿勢に変化させる際に当該搭乗者の動きを支援する姿勢支援機構を有するため、看護または介護士の手伝いがなくても姿勢支援機構により一人でベッドから移動ベースに移乗したり、あるいは移動ベースからベッドに移動することも可能である。
本発明による姿勢可変立位式移動装置の一実施形態を示す斜視図である。 搭乗者が立位姿勢で移動可能な状態を示す側面図である。 搭乗者が立位姿勢で移動可能な状態を示す背面側からみた斜視図である。 駆動輪を支持するリンク機構及び膝サポートを示す正面図である。 駆動輪を支持するリンク機構の傾き動作を示す正面図である。 姿勢支援機構の構成を示す側面図である。 各ガススプリングによる発生モーメントと搭乗者の姿勢変化による負荷モーメントの範囲との関係を示すグラフである。 搭乗者の座位姿勢を示す斜視図である。 搭乗者の座位姿勢を示す側面図である。 搭乗者が立位姿勢から座位姿勢に変化する際の姿勢変化を模式的に示す図である。 姿勢可変立位式移動装置の制御系を示すブロック図である。 制御部の制御処理を説明するためのフローチャートである。 立位姿勢で移動する場合の正面図である。 立位姿勢で左方向の上体を傾けた移動状態を示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
〔実施形態1〕
図1は本発明による姿勢可変立位式移動装置の一実施形態を示す斜視図である。図2は搭乗者が立位姿勢で移動可能な状態を示す側面図である。図3は搭乗者が立位姿勢で移動可能な状態を示す背面側からみた斜視図である。図4は駆動輪を支持するリンク機構及び膝サポートを示す正面図である。
図1〜図4に示されるように、姿勢可変立位式移動装置10は、搭乗者Pが立位姿勢で移動する移動体であり、下肢が麻痺した障害者でも移乗支援を行う姿勢支援機構20が搭載されている。さらに、姿勢可変立位式移動装置10は、移動ベース30と、一対の駆動輪40、50と、一対の従動輪60、62と、制御部70と、バッテリ80と、駆動輪支持機構90と、従動輪支持機構100とを有する。
移動ベース30は、金属プレートからなり、中央に姿勢支援機構20、制御部70と、バッテリ80とが搭載されている。バッテリ80は、モータを駆動するため、比較的大きく、重量も大きい。このバッテリ80が移動ベース30上に設置されることで、装置全体の低重心化を図り、移動時の安定性が向上する。また、移動ベース30の左右側面には、一対の駆動輪40、50と、それぞれ車軸41、51に同軸的に連結されたモータユニット42、52とを有する。尚、移動ベース30は、4個の車輪により移動可能に支持されており、前輪が駆動輪40、50であり、後輪が従動輪60、62である。
姿勢支援機構20は、後述する押圧手段としてのガススプリングの押圧力で搭乗者Pの姿勢変化を支援する構成であり、当該搭乗者Pの姿勢が立位姿勢から座位姿勢に変化、又は座位姿勢から立位姿勢に変化する際の体重移動を支援するように動作する。また、姿勢支援機構20は、搭乗者Pを立位姿勢に保持するため、搭乗者Pの膝が当接する一対の膝サポータ22と、搭乗者Pの腰及び胴体を保持する上体サポート部24とを有する。
図4に示されるように、膝サポータ22は、搭乗者Pが移動ベース30に搭乗して立位姿勢になったとき当該搭乗者Pの膝が当接する位置に設けられており、膝の前方向移動を制限するストッパとして作用する。また、上体サポート部24は、姿勢支援機構20の上部から搭乗者Pの腰部付近まで延在形成された外骨格構造体26と、外骨格構造体26の端部に連結された腰部固定帯(上体固定帯)28及び連結部材27を介して外骨格構造体26に連結された胴体固定帯(上体固定帯)29とを有する。
従って、立位姿勢の搭乗者Pは、腰部固定帯28及び胴体固定帯29が腰部及び胴体に固定されることで外骨格構造体26と一体化される。そのため、搭乗者Pは、外骨格構造体26により上体を支持されると共に、容易に立位姿勢を保持することができる。尚、外骨格構造体26は、搭乗者Pの両側後方に配置されており、座位姿勢のときでも直接搭乗者Pと接触しないように取り付けられている。
また、外骨格構造体26は、腰部及び胴体の動作が胴体固定帯29及び連結部材27を介して伝達されて上体動作を検知する姿勢検知センサ170、180を有する。姿勢検知センサ170、180は、例えば、2器のポテンショメータからなり、搭乗者Pの腰部及び胴体の前後方向、鉛直方向のZ軸回りの2自由度分の動きを監視している。尚、姿勢検知センサ170、180としては、搭乗者Pの腰部及び胴体の前後方向、Z軸回りの各方向の動作が検知できればよいので、ポテンショメータ以外の方式のセンサ(角度センサや加速度センサなど)を用いても良い。
姿勢支援機構20は、移動ベース30の中央に起立している。そのため、搭乗者Pは、両足が姿勢支援機構20を跨ぐ格好で搭乗する。そして、靴(靴が無い場合、両足の足首より下方の部分)が移動ベース30に設けられた足固定ベルト(足固定部)110により姿勢支援機構20の左右両側に形成された靴支持面に固定される。尚、足固定ベルト110は、例えば、面ファスナ等からなり、下肢が麻痺した人の場合でも上体をかがめることで簡単に着脱操作が行えるように構成されている。
モータユニット42、52には、駆動輪40、50を回転駆動するモータ(車輪駆動手段)44、54と、電磁ブレーキ46、56とが内蔵されている。モータ44、54及び電磁ブレーキ46、56は、後述するように制御部70の制御処理によって演算された制御信号に基づいてバッテリ80からの通電をコントロールされて停止、前進、後退、前進左旋回、前進右旋回、後退左旋回、後退右旋回を行うように駆動力及び制動力を発生する。また、減速時は、モータ44、54において回生制動が行われるため、駆動輪40、50の回転速度が減速される。
図4に示されるように、移動ベース30の左右両側に配置された駆動輪40、50は、駆動輪支持機構90を構成するリンク機構により左側と右側で異なる高さ位置に変位可能に支持されている。すなわち、駆動輪40、50は、左右方向の旋回時に機体平衡を保つため、駆動輪支持機構90により左右方向に傾斜可能に支持されている。従って、重心が高くなる立位姿勢による移動時においては、駆動輪支持機構90の傾倒動作により、搭乗者Pはバランスを取りながら左右旋回を安定的に行うことが可能になる。また、駆動輪支持機構90は、走行する路面が左右方向に傾斜している場合にも、駆動輪40、50の左右高低差を調整するように動作する。
駆動輪支持機構90は、駆動輪40、50の車軸41、51を支持する垂直アーム91、92と、垂直アーム91、92の中間に連結された上部水平アーム93と、垂直アーム91、92の下端に連結された下部水平アーム94とを有する。さらに、駆動輪支持機構90は、上部水平アーム93及び下部水平アーム94の中間点を回動可能に支持する垂直ブラケット95と、一端が垂直アーム91、92の下端に掛止され、他端が上部水平アーム93の中間部に掛止されたコイルバネ96、97とを有する。垂直ブラケット95は、移動ベース30の前面から後面に貫通する水平方向の軸98により回転拘束を受けた状態で固定されている。また、当該軸98により従動輪支持機構100と前部下側リンク94が連結されて軸回りのねじれ方向及び軸長方向に拘束されており、垂直ブラケット95は、その軸98の軸周りに回動可能に移動ベース30に組み付けられている。
図4、図5に示されるように、駆動輪支持機構90は、垂直アーム91、92と、上部水平アーム93と、下部水平アーム94とにより構成され平行リンク機構により駆動輪40、50を支持している。また、コイルバネ96、97は、垂直アーム91、92の下端と上部水平アーム93の中間部との間装架されており、駆動輪40、50の車軸41、51に対して復帰方向のモーメントを作用させる。そのため、コイルバネ96、97のバネ力により旋回時の駆動輪40、50の左右方向の傾きや段差通過時に発生する駆動輪40、50の上下方向の動きを緩和すると共に、駆動輪40、50を同じ高さ位置に復帰させることができる。
図1〜図3に示されるように、従動輪支持機構100は、移動ベース30の後部に連結されており、V字状に形成されたV字ブラケット112と、V字ブラケット112の一対の先端部に連結された車輪支持部114、115とを有する。車輪支持部114、115は、上端がV字ブラケット112に対して鉛直方向に貫通しており、軸回り(旋回方向)に回動可能に支持されている。車輪支持部114、115の下端部は、従動輪60、62の回転軸の両端に連結されるように二股形状に形成されている。
また、従動輪60、62は、駆動輪40、50よりも小径で、且つV字ブラケット112により低い位置に支持されている。そのため、例えば、下肢に障害のある搭乗者Pが便器を利用するため、姿勢可変立位式移動装置10を便器側に後退させる場合、V字ブラケット112が便器の基部に接触しないよう後退させることができる。すなわち、姿勢可変立位式移動装置10では、従動輪60、62を便器の両側に位置させるように後退することができるので、搭乗者Pが便器にすわることができる位置まで便器に接近することが可能になる。
〔姿勢支援機構20の構成〕
図6は姿勢支援機構20の構成を示す側面図である。図6に示されるように、姿勢支援機構20は、第1の回動部材120と、第2の回動部材130と、第1のガススプリング(第1の押圧手段)140、140Aと、第2のガススプリング(第2の押圧手段)150、150Aと、外骨格構造体26(図6では図示を省略)とを有する。
第1の回動部材120は、下端部に連結された軸122が移動ベース30に起立する支持板160により前後方向に回動可能に支持されている。また、支持板160には、第1の回動部材120の嵌合ピン124が嵌合する円弧状穴162が設けられている。第1の回動部材120の嵌合ピン124は、円弧状穴162の内壁の形成位置により回動範囲を規制されている。そのため、第1の回動部材120の前後方向の回動範囲は、嵌合ピン124が円弧状穴162の内壁に当接することで決まり、前後方向に傾き過ぎることも防止される。
第2の回動部材130の嵌合ピン136は、円弧状穴126の内壁の形成位置により回動範囲を規制されている。そのため、第2の回動部材130の前後方向の回動範囲は、嵌合ピン136が円弧状穴126の内壁に当接することで決まり、自重で下方向に傾き過ぎることも防止される。また、第2の回動部材130は、第1の回動部材120の上端に連結された軸132により上下方向に回動可能に支持されている。
また、第2の回動部材130は、軸132から離間した後側の下部に外骨格構造体26が固定される固定部138を有する。尚、外骨格構造体26の取付構造の説明は省略する。
第1のガススプリング140、140Aは、下端141、141Aが支持板160に連結され、上端143、143Aが第1の回動部材120の前側に連結されている。第1のガススプリング140、140Aは、ガス圧による押圧力と、上端143、143Aから軸122までの距離とによって決まる発生モーメントを第1の回動部材120に付与する。
よって、第1のガススプリング140、140Aは、第1の回動部材120を前後方向に押圧しており、立上がり動作する際の搭乗者Pの足首関節を伸展方向に動作するように支援する。また、第1のガススプリング140、140Aは、搭乗者Pが立位姿勢から座位姿勢に移行する場合には、第1の回動部材120の後退動作を抑制するように支えながら足首関節の屈曲方向の動作を支援する。
第2のガススプリング150、150Aは、下端151、151Aが第1の回動部材120の後側に連結され、上端153、153Aが第2の回動部材130の先端部、中間部に連結されている。また、第2のガススプリング150、150Aは、ガス圧による押圧力と上端153、153Aから軸132までの距離とによって決まる発生モーメントを第2の回動部材130に付与する。
よって、第2のガススプリング150、150Aは、第2の回動部材130を上方向に押圧しており、座位姿勢から立位姿勢へ移行する立上がり動作する際の搭乗者Pの膝関節を伸展方向に動作するように支援する。また、第2のガススプリング150、150Aは、搭乗者Pが立位姿勢から座位姿勢に移行する着座動作する場合には、第2の回動部材の降下動作を抑制するように下方から支えながら膝関節の屈曲方向の動作を支援する。
ガススプリング140、150は、フリーピストンタイプのフリーロックガススプリングを使用しており、シリンダ内に封入されたオイルが通過するオリフィスを閉鎖することでロックする構成になっている。すなわち、ガススプリング140、150は、ロック解除レバー142,152によりオイルの流通を閉止することで伸縮動作をロックするロック機構を有し、ロック解除レバー142,152の操作によりロック機構によるロックを解除する伸縮固定機能付きガススプリングである。従って、姿勢支援機構20は、姿勢支援を受ける前段階においては、姿勢支援機構20がロックされて動作しないため、安定状態を維持している。そして、姿勢支援を受ける際は、ロック解除レバー142,152をロック解除操作してロック機構のロックを解除することで姿勢支援機構20は、支援動作可能な状態に切り替わる。
尚、第1のガススプリング140、140A及び第2のガススプリング150、150Aは、ピストンロッドとガスが封入されたシリンダとからなり、負荷に対する伸縮動作方向に所定の押圧力を発生する。
また、各第1、第2のガススプリングは、それぞれ2本ずつ配置した構成を例に挙げて説明しているが、搭乗者Pの体重による負荷モーメントの大きさに対応する押圧力が発生できれば1本ずつでも良い。
また、第1のガススプリング140、140A及び第2のガススプリング150、150Aの代わりにばね力を発生するばね部材を用いても良い。
ここで、各ガススプリング140、140A、150、150Aの取付位置による押圧力の作用について説明する。
第1のガススプリング140、140Aの発生モーメントM(Nm)は、次式で表せる。次式において、θは軸122と軸132とを結ぶ軸間の傾斜角度(肢体姿勢)[rad]、g(θ)はガススプリング140の傾斜角[rad]、g(θ)はガススプリング140Aの傾斜角[rad]、l(θ)、l(θ)は伸長[m]、f(l(θ))、f(l(θ))はガススプリング140、140Aの押圧力である。また、xはガススプリング140の下端141と軸122との水平距離(m)、xはガススプリング140Aの下端141Aと軸122との水平距離(m)である。
M=x(l(θ))sin(g(θ))+x(l(θ))sin(g(θ))・・・(1)
また、第2のガススプリング150、150Aの発生モーメントも同様に演算することができる。第1のガススプリング140、140A及び第2のガススプリング150、150Aによる発生モーメントは、搭乗者Pの体重による負荷モーメントに対応するように設定されている。すなわち、各ガススプリング140、140A、150、150Aの取付位置と発生する所定の押圧力とによって決まる発生モーメントが当該搭乗者Pの体重移動によって、負荷モーメントが減少し、相対的にガススプリングによる発生モーメントが大きくなったとき、搭乗者Pが座位姿勢から立位姿勢へ変化する際の膝関節が伸展方向に動作が支援される。また、搭乗者Pが立位姿勢から座位姿勢へ変化する際の動作も同様に支援される。
すなわち、各ガススプリング140、140A、150、150Aは、搭乗者Pの上体の前後方向の動作に伴う体重移動による負荷モーメントに対する押圧力を発生し、この押圧力による発生モーメントが体重移動による負荷モーメントを超える場合に搭乗者Pの座位姿勢から立位姿勢に変化する際の動作を支援するように取り付けられている。
図7は、各ガススプリングによる発生モーメントと搭乗者の姿勢変化による負荷モーメントの範囲との関係を示すグラフである。図7に示されるように、グラフIは膝関節の最大負荷モーメント、グラフIIは膝関節の標準負荷モーメント、グラフIIIは膝関節の発生モーメント、IVは足首関節の最大負荷モーメント、グラフVは足首関節の標準負荷モーメント、グラフVIは足首関節の発生モーメントを示す。すなわち、グラフI〜IIIは、搭乗者Pの大腿部(膝から上の部分)の動作に伴うモーメントを示し、グラフIV〜VIは搭乗者Pの下腿部(膝から下の足首部分)の動作に伴うモーメントを示す。
第2のガススプリング150、150Aは、グラフIIIに沿った特性で発生モーメントが得られるように取り付けられる。また、第1のガススプリング140、140Aは、グラフVIに沿った特性で発生モーメントが得られるように取り付けられる。
すなわち、第1のガススプリング140、140Aは足関節に、第2のガススプリング150、150Aは膝関節にそれぞれ作用する当該搭乗者Pの体重に基づく負荷モーメントの遷移範囲内に発生モーメントが収まる押圧力を発生させるように、ガス圧、シリンダ径、ピストンストローク、取付位置などの各条件が設定されている。
これにより、姿勢支援機構20は、例えば、搭乗者Pが上体を垂直方向に起して後方に体重移動する動作を行うと負荷モーメントのグラフI〜II、IV〜Vの遷移範囲に対して各ガススプリング140、140A、150、150Aによる発生モーメントが低下する。この場合、搭乗者Pの体重による負荷モーメントに対する各ガススプリング140、140A、150、150Aの発生モーメントが小さくなるので、搭乗者Pの動作支援が不足するため、立位姿勢から座位姿勢への姿勢変化を支援することが可能になる。
また、例えば、搭乗者Pが上体を前傾姿勢にして腰を浮かすようにして前方に体重移動する動作を行うと負荷モーメントのグラフIII,VIに対して各ガススプリング140、140A、150、150Aの発生モーメントが上昇する。この場合、搭乗者Pの体重移動による負荷モーメントに対する各ガススプリング140、140A、150、150Aの発生モーメントが大きくなるので、搭乗者Pの動作支援が可能になる。これにより、看護または介護士の手伝いがなくても姿勢支援機構20により一人でベッドや椅子から移動ベース30に移乗したり、あるいは移動ベース30からベッドや椅子に移動することも可能である。
ここで、図7に示す各グラフI〜VIと搭乗者Pの姿勢との関係を説明する。
図7において、角度20°〜80°のエリアは膝関節の動き(図10に示すθ1)を表し、図10(B)に示す膝角度θ1=20°から図10(A)に示す膝角度θ1=80°に対応する。つまり、グラフI〜IIIは、図10のθ2=100°の立位姿勢時に膝角度θ1を20°〜80°の間で動かした時のモーメントをプロットしたものである。
同様に、角度80°〜100°のエリアは、足首関節の動き(図10に示すθ2)を表し、図10(C)に示す足首角度θ2=80°から図10(B)に示す足首角度θ2=100°に対応する。つまり、グラフIV〜VIは、図10に示す角度θ2を80°〜100°の間で動かした時のモーメントをプロットしたものである。このとき、第1回動部材120と第2の回動部材130とは、伸縮ロックされた第1のガススプリング140により結合されているため、膝角度θ1は足首角度θ2が20°増加するのに伴い、0°から20°に変化する。
従って、各姿勢において、上体を前傾させれば負荷モーメントが下限のグラフII、Vまで減少し、ガススプリングの発生モーメントのグラフIII、VIを下回る(ガススプリングのアシスト力が搭乗者Pの負荷を超える)ことで立ち上がり動作が発生する。また、搭乗者Pが上体を鉛直にすれば負荷モーメントが上限のグラフI、IVまで増加し、ガススプリングの発生モーメントのグラフIII、VIを上回る(搭乗者Pの負荷がガススプリングのアシスト力を超える)ことで着席動作が発生します。
膝及び足首の各関節の動きは独立で、立ち上がり動作の際にはまず図10(C)に示す座位姿勢において足首関節をロックする第1のガススプリング140のロックを解除し上体を前傾することで第1のガススプリング140、140Aのアシスト力を引き出し、搭乗者Pが足首関節周りに回転するように起き上がって図10(B)に示す中間姿勢に達する。このとき、膝関節の第2ガススプリング150のロックが作動していて、第1回動部材120と第2の回動部材130との相対姿勢(角度)は保たれる。
また、搭乗者Pが中間姿勢(B)に達したら第1のガススプリング140により足関節をロックし、続いて、上体を起こして第2のガススプリング150による膝関節のロックを解除する。再度上体を前傾させると、膝関節が第2のガススプリング150,150Aのアシスト力により伸展し立位姿勢(A)に移行する。そして、第2のガススプリング150により膝関節をロックして立位姿勢を維持する。
尚、着席動作は逆の手順で各ガススプリング140,150のロックを解除しながら上体を鉛直にすることで負荷モーメントを増加させることで着席動作を実行できる。
図8は搭乗者Pの座位姿勢を示す斜視図である。図9は搭乗者Pの座位姿勢を示す側面図である。図8及び図9に示されるように、搭乗者Pは、足が移動ベース30に固定された状態で後方に体重移動することで、後方に設置された椅子200に座ることができる。尚、椅子200は、通常の市販されているもので、日常的に使用されるベッド、あるいは公園のベンチに座る場合も同じである。
姿勢支援機構20は、第2の回動部材130に外骨格構造体26が固定されており、外骨格構造体26の腰部固定帯28及び胴体固定帯29が当該搭乗者Pの腰部及び胴体に固定されている。そのため、搭乗者Pが腰部を降ろして膝関節を屈曲方向に動作すると、搭乗者Pの体重による負荷モーメントに対する各ガススプリング140、140A、150、150Aの発生モーメントが小さくなるので、搭乗者Pの動作支援が不足して徐々に腰部の高さ位置が下がることになる。そして、搭乗者Pは、足が移動ベース30に固定された状態で椅子200に座ることができる。なお、姿勢可変立位式移動装置10は、搭乗者Pが立位姿勢で移動するため、搭乗者Pが座位姿勢のときはモータへの通電が遮断された停止状態になる。
また、外骨格構造体26は、腰部固定帯28及び連結部材27を介して胴体固定帯29が当該搭乗者Pの腰部及び胴体に固定されるため、姿勢検知センサ170、180により搭乗者Pの腰部及び胴体の動作方向及び動作角度を検知できる。姿勢検知センサ170、180の姿勢検知信号は、制御部70に入力され、当該姿勢検知信号に基づいて制御部70において、モータ制御信号が生成される。
図10は搭乗者が立位姿勢から座位姿勢に変化する際の姿勢変化を模式的に示す図である。図10(A)に示されるように、搭乗者Pが立位姿勢のときは、例えば、膝関節の角度はθ1=80[deg]、足首関節の角度はθ2=100[deg]である。
図10(B)に示されるように、搭乗者Pが立位姿勢から座位姿勢に移行する際の中間姿勢のときは、膝関節の角度はθ1=20[deg]、足首関節の角度はθ2=100[deg]である。この中間姿勢では、胴体が前方に移動して前傾姿勢となる。この前傾姿勢においては、膝関節については図7に示すIとII間の範囲(図中上下方向)で負荷モーメントが減少、足関節については同図IVとV間の範囲(図中上下方向)で負荷モーメントが減少することにより、相対的に各ガススプリング140、140A、150、150Aの発生モーメント(図7中膝関節での発生モーメントはグラフIII、足関節での発生モーメントはグラフVIで表されている)が上昇することになる。
この場合、搭乗者Pの体重移動による負荷モーメントに対する各ガススプリング140、140A、150、150Aの発生モーメントが大きくなるので、搭乗者Pの動作支援が可能になる。そして、搭乗者Pが上体を後方に移動するにつれて膝関節については図7に示すグラフIとグラフII間の遷移範囲(図7中上下方向の範囲)で負荷モーメントが増加、足関節についてはグラフIVとグラフV間の遷移範囲(図7中上下方向)で負荷モーメントが増加することにより、相対的に各ガススプリング140、140A、150、150Aによる発生モーメントが低下することになる。これにより、搭乗者Pは、上体を後方に移動させると共に、徐々に上体の位置を低くするように姿勢を変化させることができる。
図10(C)に示されるように、搭乗者Pが座位姿勢のときは、大腿部が椅子200に載置された状態であるので、例えば膝関節の角度はθ1=0[deg]、足首関節の角度はθ2=80[deg]である。また、椅子200に座った座位姿勢では、姿勢可変立位式移動装置10と椅子200との干渉を防ぐため、搭乗者Pは下退部を前方に伸ばした姿勢となる。そのため、足首関節の角度は、例えばθ2=80[deg]となる。
座位姿勢時には搭乗者Pの操作に基づきガススプリング140、150のロック機構が働いているので姿勢遷移後には押圧力は発生しない。従って、搭乗者Pはガススプリングの押圧力を気にせず座位姿勢を保つことが可能である。
また、搭乗者Pが椅子200から立ち上がる場合は、上記座る場合の動作と逆の動作による体重移動を行う。すなわち、搭乗者Pは、図10(C)に示す椅子200に座った姿勢から前傾姿勢に移行することで、膝関節については図7に示すグラフIとグラフII間の遷移範囲(図7中上下方向の範囲)で負荷モーメントが減少、足関節についてはグラフIVとグラフV間の遷移範囲(図7中上下方向の範囲)で負荷モーメントが減少することにより、相対的に各ガススプリング140、140A、150、150Aの発生モーメントが上昇することになる。従って、搭乗者Pが前傾姿勢に移行するタイミングで各ガススプリング140、140A、150、150Aの押圧力による発生モーメントが相対的に上昇して腰部及び胴体を持ち上げる力が搭乗者Pに作用する。これにより、搭乗者Pは、椅子200に座った姿勢から前傾姿勢に移行する動作過程で足関節を伸展方向に動作させるように第1のガススプリング140、140Aに支援され、さらに膝関節が伸展方向に動作するように第2のガススプリング150、150Aに支援されるため、下肢が麻痺しているにも拘わらず、健常者と同じように立ち上がることができる。このように、搭乗者Pは、上体の体重移動を伴う姿勢変化により姿勢支援機構20の支援動作を受けて一人でベッドや椅子から移動ベース30に移乗したり、あるいは移動ベース30からベッドや椅子に移動することも可能になる。
また、姿勢支援機構20は、モータの駆動力を使わずに搭乗者Pの姿勢変化を支援できるので、電源が不要であり、停電時でも搭乗者Pの動作支援を行うことができる。また、姿勢支援機構20は、搭乗者Pの下肢が麻痺している場合には、立位と座位とを繰り返すことで足首、膝、股間の各関節を動作させるリハビリテーション支援装置としても使用できる。
〔制御系の構成〕
図11は姿勢可変立位式移動装置の制御系を示すブロック図である。図11に示されるように、制御部70は、マイクロコンピュータなどからなり、モータ44、54及び電磁ブレーキ46、56、バッテリ80、上体を検知する姿勢検知センサ170、180が電気的に接続されている。さらに、制御部70には、膝角度θ1を検知する膝角度センサ190、足首角度θ2を検知する足首角度センサ192が電気的に接続されている。尚、膝角度センサ190は、図6中の軸132又は軸132に連結されたギヤ等に設けられ、足首角度センサ192は図6中の軸122又は軸122に連結されたギヤ等に設けられている。そのため、膝角度センサ190は、第1の回動部材120と第2の回動部材130との相対回動角度を膝関節角度として検出するポテンショメータからなる。また、足首角度センサ192は、支持板160に対する第1の回動部材120の相対回動角度を足首角度として検出するポテンショメータからなる。
また、制御部70は、メモリに予め各制御プログラムが格納されている。制御プログラムとしては、搭乗者Pの姿勢を判定する制御プログラム(姿勢判定手段)70Aと、搭乗者Pが立位姿勢の状態で当該搭乗者Pの上体の動きから移動意思を判定する制御プログラム(移動意思判定手段)70Bと、判定された移動意思に基づいてモータ44,54への制御信号を演算する制御プログラム(演算手段)70Cと、当該立位姿勢の搭乗者の上体の動きに応じて駆動輪40、50の回転、停止、回転方向、速さを制御する制御プログラム(駆動制御手段)70Dと、を有する。
図12は制御部の制御処理を説明するためのフローチャートである。図12に示されるように、制御部70は、ステップS11で電磁ブレーキ46、56をオンにして駆動輪40,50を制動する。これで、姿勢可変立位式移動装置10の移動が禁止され、搭乗者Pが座位姿勢から立位姿勢(図13参照)に移行する過程での移動が防止される。
次のステップS12では、姿勢検知センサ170、180により検知された搭乗者Pの腰部及び胴体の前後方向、鉛直方向のZ軸回りの2自由度分の姿勢検知信号及び膝角度センサ190、足首角度センサ192により検知された搭乗者Pの各関節の角度信号を読み込む。
続いて、ステップS13に進み、姿勢検知センサ170、180により検知された搭乗者Pの胴体の前後方向、鉛直方向のZ軸回りの2自由度分の姿勢検知信号に基づいて搭乗者Pの胴体の前後方向、Z軸回りの各方向の姿勢から立位姿勢か否かを判定する。尚、膝角度センサ190、足首角度センサ192では、搭乗者Pの各関節の角度θ1,2を監視しており、ステップS13では膝角度センサ190、足首角度センサ192から取得される関節角情報(θ1、θ2)と胴体姿勢を基に立位姿勢判定を行なう。ステップS13において、搭乗者Pが立位姿勢ではないと判定された場合(NOの場合)、当該搭乗者Pが座位姿勢又は中間姿勢(図10(B)(C)参照)と判断し、ステップS11に戻り、電磁ブレーキ46、56をオンにして駆動輪40,50を制動する。
また、ステップS13において、前述した図10(A)に示すように、膝関節の角度はθ1=80[deg]、足首関節の角度はθ2=100[deg]である場合に搭乗者Pが立位姿勢であると判定し(YESの場合)、ステップS14に進み、搭乗者Pが立位姿勢における姿勢検知センサ170、180により検知された搭乗者Pの胴体の前後方向、Z軸回りの2自由度分の姿勢検知信号及び膝角度センサ190、足首角度センサ192により検知された各関節の角度信号を読み込む。このときの姿勢検知信号及び各関節角度信号は、搭乗者Pの上体(腰部及び胴体)の姿勢を表しており、搭乗者Pの移動意思による移動方向を意味している。
〔前進モード〕
続いて、ステップS15に進み、搭乗者Pの上体(腰部及び胴体部)が前傾姿勢か否かをチェックする。ステップS15において、搭乗者Pの上体(腰部及び胴体部)が前傾姿勢であると判定された場合(YESの場合)、ステップS16に進み、移動意思が前進であると判定して電磁ブレーキ46、56をオフにして駆動輪40,50の制動を解除する。続いて、ステップS17では、モータ制御量を演算して左右のモータ44、54を同時に前進方向に駆動する。これで、搭乗者Pは立位姿勢のまま前進することができる。この後は、上記ステップS12の処理に戻る。
〔後退モード〕
また、上記ステップS15において、搭乗者Pの上体(腰部及び胴体部)が前傾姿勢でない場合(NOの場合)、ステップS20に進み、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾姿勢か否かを判定する。ステップS20において、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾姿勢であると判定された場合(YESの場合)、ステップS21に進み、電磁ブレーキ46、56をオフにして駆動輪40,50の制動を解除する。続いて、ステップS22では、モータ制御量を演算して左右のモータ44、54を同時に後退方向に駆動する。これで、搭乗者Pは立位姿勢のまま後退することができる。この後は、上記ステップS12の処理に戻る。
〔右旋回モード〕
また、上記ステップS20において、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾姿勢でないと判定された場合(NOの場合)、ステップS23に進み、搭乗者Pの上体(胴体部)が右傾姿勢か否かを判定する。ステップS23において、搭乗者Pの上体(胴体部)が右傾姿勢であると判定された場合(YESの場合)、ステップS24に進み、搭乗者Pが右旋回の移動意思を指示しているものと判定し、電磁ブレーキ46、56をオフにして駆動輪40,50の制動を解除する。
続いて、ステップS25では、モータ制御量を演算して左側のモータ44を前進方向に駆動し、右側のモータ54を停止する。これで、搭乗者Pは立位姿勢のままその場で右旋回することができる。この後は、上記ステップS12の処理に戻る。
〔左旋回モード〕
また、上記ステップS23において、搭乗者Pの上体(胴体部)が右傾姿勢でないと判定された場合(NOの場合)、ステップS26に進み、搭乗者Pの上体(胴体部)が左傾姿勢か否かを判定する。ステップS26において、搭乗者Pの上体(胴体部)が左傾姿勢であると判定された場合(YESの場合)、ステップS27に進み、搭乗者Pが左旋回の移動意思を指示しているものと判定して電磁ブレーキ46、56をオフにして駆動輪40,50の制動を解除する。
続いて、ステップS28では、モータ制御量を演算して右側のモータ54を前進方向に駆動し、左側のモータ44を停止する。これで、搭乗者Pは立位姿勢のままその場で左旋回することができる。この後は、上記ステップS12の処理に戻る。
〔前進右旋回モード〕
また、上記ステップS26において、搭乗者Pの上体(胴体部)が左傾姿勢でないと判定された場合(NOの場合)、ステップS29に進み、搭乗者Pの上体(胴体部)が前傾右傾姿勢か否かを判定する。ステップS29において、搭乗者Pの上体(胴体部)が前傾右傾姿勢であると判定された場合(YESの場合)、ステップS30に進み、搭乗者Pが前進右旋回の移動意思が指示されたものと判定して電磁ブレーキ46、56をオフにして駆動輪40,50の制動を解除する。
続いて、ステップS31では、モータ制御量を演算して左右のモータ44、54を前進方向に駆動し、且つ左側のモータ44を加速する。この場合、左側の駆動輪40が右側の駆動輪50よりも加速されているので、前進しながら右旋回できる。これで、搭乗者Pは立位姿勢のまま前進しながら右旋回することができる。この後は、上記ステップS12の処理に戻る。
〔前進左旋回モード〕
また、上記ステップS29において、搭乗者Pの上体(胴体部)が前傾右傾姿勢でないと判定された場合(NOの場合)、ステップS32に進み、搭乗者Pの上体(胴体部)が前傾左傾姿勢か否かを判定する。ステップS32において、搭乗者Pの上体(胴体部)が前傾左傾姿勢であると判定された場合(YESの場合)、ステップS33に進み、搭乗者Pが前進左旋回の移動意思を指示していると判定し、電磁ブレーキ46、56をオフにして駆動輪40,50の制動を解除する。
続いて、ステップS34では、モータ制御量を演算して左右のモータ44、54を前進方向に駆動し、且つ右側のモータ54を加速する。この場合、右側の駆動輪50が左側の駆動輪40よりも加速されているので、前進しながら左旋回できる。これで、搭乗者Pは立位姿勢のまま前進しながら左旋回することができる。この後は、上記ステップS12の処理に戻る。
〔後退右旋回モード〕
また、上記ステップS32において、搭乗者Pの上体(胴体部)が前傾右傾姿勢でないと判定された場合(NOの場合)、ステップS35に進み、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾右傾姿勢か否かを判定する。ステップS35において、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾右傾姿勢であると判定された場合(YESの場合)、ステップS36に進み、搭乗者Pが後退右旋回の移動意思を指示しているものと判定して電磁ブレーキ46、56をオフにして駆動輪40,50の制動を解除する。
続いて、ステップS37では、モータ制御量を演算して左右のモータ44、54を後退方向に駆動し、且つ左側のモータ44を加速する。この場合、左側の駆動輪40が右側の駆動輪50よりも加速されているので、後退しながら右旋回できる。これで、搭乗者Pは立位姿勢のまま後退しながら右旋回することができる。この後は、上記ステップS12の処理に戻る。
〔後退左旋回モード〕
また、上記ステップS35において、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾右傾姿勢でないと判定された場合(NOの場合)、ステップS38に進み、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾左傾姿勢か否かをチェックする。ステップS38において、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾右傾姿勢であると判定された場合(YESの場合)、ステップS39に進み、搭乗者Pが後退左旋回の移動意思を指示しているものと判定して電磁ブレーキ46、56をオフにして駆動輪40,50の制動を解除する。
続いて、ステップS40では、モータ制御量を演算して左右のモータ44、54を後退方向に駆動し、且つ左側のモータ44を加速する。この場合、右側の駆動輪50が左側の駆動輪40よりも加速されているので、後退しながら左旋回できる。これで、搭乗者Pは立位姿勢のまま前進しながら左旋回することができる。この後は、上記ステップS12の処理に戻る。
〔停止モード〕
また、上記ステップS38において、搭乗者Pの上体(胴体部)が後傾右傾姿勢でないと判定された場合(NOの場合)、ステップS41に進み、搭乗者Pの安全にため、左右のモータ44、54への通電を遮断して回生ブレーキを作動すると共に、電磁ブレーキ46、56をオンにして駆動輪40,50を制動して停止させる。
上記説明では、下肢が麻痺した障害者の移動手段として用いる場合について説明したが、搭乗者Pとしては、足に障害のある障害者でも良いし、あるいは健常者でも良いのは勿論である。
尚、ステップS26、S29、S32、S35、S38において、姿勢検知センサ170,180により取得される胴体姿勢は前後傾、Z軸周りのねじりの情報のみで、旋回はZ軸周りの胴体ねじれ姿勢を基に制御することが可能である。また、搭乗者Pの左右傾斜により装置自体が左右傾倒した際には、従動輪支持機構100と移動ベース30の相対姿勢(水平軸回り角度)を監視するセンサにより、左右方向の傾斜角度を検出して搭乗者Pの姿勢の傾きを判定してもよい。
10 姿勢可変立位式移動装置
20 姿勢支援機構
22 膝サポータ
24 上体サポート部
26 外骨格構造体
28 腰部固定帯
29 胴体固定帯
30 移動ベース
40、50 駆動輪
41、51 車軸
42、52 モータユニット
44、54 モータ(車輪駆動手段)
46、56 電磁ブレーキ
60、62 従動輪
70 制御部
80 バッテリ
90 駆動輪支持機構
91、92 垂直アーム
93 上部水平アーム
94 下部水平アーム
95 垂直ブラケット
96、97 コイルバネ
100 従動輪支持機構
110 足固定ベルト(足固定部)
112 V字ブラケット
114、115 車輪支持部
120 第1の回動部材
122、132 軸
124、136 嵌合ピン
126、162 円弧状穴
130 第2の回動部材
138 固定部
140、140A 第1のガススプリング(第1の押圧手段)
150、150A 第2のガススプリング(第2の押圧手段)
160 支持板
170、180 姿勢検知センサ
190 膝角度センサ
192 足首角度センサ
200 椅子

Claims (10)

  1. 車輪を有する移動ベースと、
    前記車輪を回転駆動する車輪駆動手段と、
    前記移動ベースに搭乗者の足を固定する足固定部と、
    前記搭乗者の上体の前方向への体重移動に応じて座位姿勢から立位姿勢に変化、及び立位姿勢から座位姿勢に変化させる際の体重移動に伴って当該搭乗者の動作を支援する姿勢支援機構と、を備え、
    前記姿勢支援機構は前記移動ベースの中央に起立して設置され、前記搭乗者が立位姿勢になったときに前記搭乗者の膝に当接する一対の膝サポートと、前記搭乗者の腰部付近に延存形成されて大腿部の後ろ側を支持する外骨格構造体とを有し、前記一対の膝サポートと前記外骨格構造体とで前記立位姿勢を支援し、
    前記車輪駆動手段は、前記搭乗者の上体が前記姿勢支援機構により立位姿勢に保持された状態で前記移動ベースを移動させ
    前記外骨格構造体は前記姿勢支援機構の回動部に接続され、座位姿勢のときに移動面と平行になる第1位置と、立位姿勢のときに前記移動面に対して起立する第2位置との間で回動可能であることを特徴とする姿勢可変立位式移動装置。
  2. 前記姿勢支援機構の前記回動部は、
    前記移動ベース上に起立し、前後方向に回動可能に支持された第1の回動部材と、
    前記第1の回動部材の上端に上下方向に回動可能に連結された第2の回動部材と、
    前記第1の回動部材を前方向に押圧する第1の押圧手段と、
    前記第2の回動部材を上方向に押圧する第2の押圧手段と、
    を有し、前記外骨格構造体は前記第2の回動部材の上部に固定され、前記外骨格構造体の端部に連結されて前記搭乗者の上体に固定される上体固定帯をさらに有し、
    前記第1の回動部材、前記第2の回動部材及び前記外骨格構造体は、前記第1の押圧手段と、前記第2の押圧手段の押圧力を前記上体固定帯に伝達して当該搭乗者の前記座位姿勢の膝関節および足首関節を伸展方向に支援することを特徴とする請求項1に記載の姿勢可変立位式移動装置。
  3. 前記第1の押圧手段と、前記第2の押圧手段は、負荷に対する伸縮動作方向に所定の押圧力を発生するガススプリングであることを特徴とする請求項2に記載の姿勢可変立位式移動装置。
  4. 前記ガススプリングは、前記膝関節に作用する当該搭乗者の体重に基づく負荷モーメントの遷移範囲内に対応する押圧力を発生させることを特徴とする請求項3に記載の姿勢可変立位式移動装置。
  5. 前記ガススプリングは、前記搭乗者の上体の前後方向の動作に伴う体重移動による負荷モーメントに対する押圧力を発生し、前記押圧力による発生モーメントが前記体重移動による負荷モーメントを超える場合に前記搭乗者の座位姿勢から立位姿勢に変化する際の動作を支援するように取り付けられたことを特徴とする請求項3又は4に記載の姿勢可変立位式移動装置。
  6. 前記ガススプリングは、伸縮動作をロックするロック機構を有し、前記ロック機構のロック解除により押圧力を発生させる伸縮固定機能付きガススプリングであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の姿勢可変立位式移動装置。
  7. 前記搭乗者が立位姿勢の状態で当該搭乗者の上体の動きを検知する動作検知手段と、
    前記動作検知手段により検知された当該上体の動作に応じた制御信号を生成する制御手段と、
    を備え、
    前記車輪駆動手段は、立位姿勢の当該搭乗者の上体の動きに応じて前記車輪を回転駆動することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の姿勢可変立位式移動装置。
  8. 前記制御手段は、
    搭乗者Pの姿勢を判定する姿勢判定手段と、
    搭乗者Pが立位姿勢の状態で当該搭乗者Pの上体の動きから移動意思を判定する移動意思判定手段と、
    判定された移動意思に基づいて前記車輪駆動手段への制御信号を演算する演算手段と、
    当該立位姿勢の搭乗者の上体の動きに応じて前記車輪の回転、停止、回転方向を制御することを特徴とする請求項7に記載の姿勢可変立位式移動装置。
  9. 前記移動ベースは、
    前記車輪駆動手段により駆動される駆動輪と、
    前記駆動輪の回転駆動に追従する従動輪と有し、
    前記従動輪は、前記駆動輪よりも小径であり、且つ低位置に旋回可能に支持されることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の姿勢可変立位式移動装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載された姿勢可変立位式移動装置の制御方法であって、
    搭乗者の上体の動きを検知して当該搭乗者の姿勢を判定するステップ1と、
    前記搭乗者が立位姿勢の状態で当該搭乗者の上体の動きから移動意思を判定するステップ2と、
    判定された移動意思に基づいて前記車輪駆動手段への制御信号を演算するステップ3と、
    当該立位姿勢の搭乗者の上体の動きに応じて前記車輪の回転、停止、回転方向、速さを制御するステップと、
    を有することを特徴とする姿勢可変立位式移動装置の制御方法。
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