JP3705726B2 - 自動デコンプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車、小型のオールテラインビィークル(All Train vihcle;小型不整地走行車、以下、単にATVとも言う)、スノーモビル、あるいは小型レジャービィークル、小型滑走艇等に適した小型OHC型(オーバー・ヘッド・カム型)エンジンの自動デコンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
自動二輪車、小型ATV(小型不整地走行車)、スノーモビル、あるいは小型レジャービィークル、小型滑走艇等には、小型のOHC型エンジン(以下、単に小型エンジンともいう)を搭載したものがある。そして、この種の小型エンジンには、エンジン始動時に減圧して始動トルクを軽減するためのデコンプ装置が装置されているものがある。
【0003】
そして、近年、上記デコンプ装置も、エンジンが所定回転数以下の回転数域で自動的に作動する自動デコンプ装置が開発され採用されている。例えば、先行技術として、本出願人にかかる実願昭58−24605号(実開昭59−130011号)等がある。
【0004】
この自動デコンプ装置は、原理的には、エンジンのカムシャフトが所定回転数以下の回転数域では、排気用のカム面の内方に突出動自在に設けられた「デコンプリフター」が突出状態になって、排気用のロッカーアームを作動させて、排気弁を僅かに「開」にして、シリンダ内を大気側に開放して該シリンダ内の圧力を減圧し、エンジンの始動トルクを軽減するようになっている。
【0005】
ところで、上記従来の自動デコンプ装置の場合、始動時のトルクを軽減する「デコンプ装置」という目的から、低速の所定回転数(具体的には、アイドリング回転数)以下でのみ作動し、それ以上の回転数では非作動状態にしなければならない。従って、上記「デコンプリフター」を操作するために、カムシャフトの一端に設けられているデコンプ制御機構は、低速の所定回転以下の領域において確実に作動(切替え動作)しなければならないことから、できるだけカムシャフトの回転による遠心力を感度良く感知させるべく、カムシャフトの軸芯を通過しカムスプロケットの直径と略等しい長さのアーム状のチェンジ部材を設けている。このため、デコンプ制御機構のチェンジ部材の寸法(長さ方向の寸法)が大きくなる。また、このチェンジ部材を、所定回転数以上の回転数域でのみ作動させてデコンプ状態を解除するべく、該チェンジ部材の端部のカム溝と係合し遠心力によって揺動するリンク部材を、揺動自在に配置するとともに、このリンク部材を、スプリングによって、上記所定回転数以上でのみ揺動するように付勢している。
【0006】
この結果、デコンプ制御機構全体の外形が大きくなってしまい、ひいては、エンジンのシリンダヘッド部分が大きくなり、小型エンジンとしては嵩高くなり、ATVや自動二輪車あるいは小型滑走艇のように騎乗型の乗物に使用する小型エンジンとして使用する場合には、エンジンのシリンダヘッド部分のスペースがタイトになり、エンジンの搭載位置が限定されることにもなる。また、上記従来の自動デコンプ装置の場合、機構的に複雑であることから部品点数および組立工数が多く、従って、価格的に高価なものになっていた。
【0007】
本発明は、このような現況に鑑みおこなわれたもので、全体がコンパクトにでき且つ部品点数を少なくできる自動デコンプ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を、以下のような構成からなる小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置によって解決することができる。即ち、
本発明にかかる小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置は、カムシャフトの排気用カム面の内部にカム面から外方に突出・後退自在に配置されており、カムシャフト内に同芯状に挿通された操作シャフトの回転動作を介して作動するデコンプリフタを、デコンプ制御機構によって所定回転数以下の回転数域において突出させて、排気ロッカーアームを操作し、エンジン始動時にシリンダ内を減圧できるよう構成された小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置であって、
上記デコンプ制御機構が、
カムシャフト側に枢着されている枢支部がカムシャフトの軸芯から離間した位置に形成されるとともに外縁がカムスプロケットの外縁に沿って湾曲し先端部で操作シャフト側に係合しており、カムシャフトの回転に伴って枢支部を中心に外方に揺動するウェイト部材と、
上記ウェイト部材の枢支部から離間した部位を揺動動作域のカムシャフトの軸芯側の位置に付勢する付勢部材とを有するとともに、
上記ウェイト部材の先端部の操作シャフト側に係合している部位が、操作シャフトの軸芯を隔てた、上記枢支部の反対側の位置であり、
上記枢支部が、カムシャフトの軸芯に対して略点対象に一対該カムシャフトの周囲に設けられており、これら各枢支部にそれぞれウェイト部材が該枢支部を中心に揺動自在に且つ回転方向に対して同じ向きに一対配置されるとともに、
一対の上記ウェイト部材の先端部が操作シャフト側に係合している各部位が、カムシャフトの軸芯に対して略点対象になっており、
上記付勢部材が上記ウェイト部材間に互いに近接する方向に付勢するよう配設されることによって、該ウェイト部材を揺動動作域のカムシャフトの軸芯側の位置に付勢するよう構成されていることを特徴とする。
【0009】
しかして、このように構成された小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置によると、上述のように構成されているため、操作シャフトを所要の角度範囲回動させるのに必要なウェイト部材の回転角度が小さくてすみ、従って、ウェイト部材の揺動動作域(揺動角度)を狭くできることから、デコンプ制御機構の外形がコンパクトになり、小型OHC型エンジンのシリンダヘッド部分をコンパクトにできる。また、部品点数も少なくなることから、部品および組立工数が削減でき、安価に提供することができる。
【0010】
また、本発明にかかる小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置において、ウェイト部材がカムシャフトの軸芯に対して点対象的に該カムシャフトの周囲に一対設けられており、付勢部材が上記一対のウェイト部材間に互いに近接する方向に付勢するよう配設されることによって、該ウェイト部材を揺動動作域のカムシャフトの軸芯側の位置に付勢するよう構成されていると、一つのウェイト部材をより小型にでき、さらにコンパクトにできるとともに、動バランス的にも好ましい構成となる。
【0011】
さらに、本発明にかかる小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置において、カムシャフトの一端に前記カムスプロケットが一体に取着され、このカムスプロケットの側面に、ウェイト部材が枢着され、該カムスプロケットの側面に、ウェイト部材の揺動動作域を規制する規制用の突起部が形成されるとともに、この突起部に当接する当接部がウェイト部材に形成されていると、実施する上で好ましい構成となる。
【0012】
また、本発明にかかる小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置において、突起部の一つが、対峙して設けられている他方のウェイト部材の一部で形成されていると、さらに部品点数が削減できる点で、またコンパクトにできる点で、好ましい構成となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例にかかる小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置について、このエンジンが搭載される不整地走行車両の構成とともに、図面を参照しながら、具体的に説明する。
【0014】
図1は本実施例にかかる自動デコンプ装置を具備する小型OHC型エンジンを搭載した不整地走行車両の全体側面図、図2は本実施例にかかるデコンプ制御機構の作動時の要部の構成を示す図で、(a)は図4のIIa−IIa矢視方向から見たデコンプ制御機構の要部を表す側面図、(b)はデコンプ制御機構が(a)の状態におけるときのデコンプリフターを図4のIIb−IIb矢視方向から見た上半分の状態を示すデコンプリフター部分の部分拡大図、図3はデコンプ制御機構の非作動時の要部の構成を示す図で、(a)はデコンプ制御機構の要部の側面図、(b)はデコンプ制御機構が図2(a)の状態におけるときのデコンプリフターを図4のIIb−IIb矢視方向から見た上半分の状態を示すデコンプリフター部分の部分拡大図、図4は自動デコンプ装置全体の構成を示す図で、破断線Xの左側の部分はカムシャフトを長手方向に沿って断面するとともに、右側の部分は図2のIV−IV矢視方向から見た断面図、図5は図1〜3に示す自動デコンプ装置を採用した小型OHCエンジンのシリンダヘッド部分を示す断面図である。
【0015】
図1に示すように、騎乗型四輪不整地走行車Aは、車体Frに旋回自在に取り付けられた操舵用のバー型のハンドルHn、左右の前輪Wf、及び左右の後輪Wrを有している。さらに、騎乗型四輪不整地走行車Aには、ハンドルHnの前側に前部キャリヤCfが配設され、ハンドルHnの後方にカバーTと、さらにその後方に騎乗用のシートSeとが配設され、該シートSeの後側に後部キャリヤCrが配設されている。また、上記シートSeの左右両側の前方斜め下方の、前輪Wf及び後輪Wrの車軸の高さに略等しい高さ部位には、フートボードFbがそれぞれ配設されている。そして、上記カバーTの下方に、下端がフートボードFbの高さに略等しい高さになるよう、エンジン幅を狭く且つシリンダヘッド部分をコンパクトにしたV型2気筒の小型OHC型4サイクルエンジン(以下、単にV型エンジンという)Eが配設されている。このV型エンジンEの2つの気筒は、前後方向に挟み角を持つよう前後に配置されている。
【0016】
そして、V型エンジンEは、図示しないトルクコンバータおよび変速ギヤユニット、略前後方向に配設された前方出力軸Pfあるいは後方出力軸Pr、およびデファレンシャル装置(図示せず)を介して、前輪Wfあるいは後輪Wrを駆動する。
【0017】
このように構成された騎乗型四輪不整地走行車Aでは、ライダーが、シートSeに跨り、足をフートボードFb上に置き、ハンドルHnを両手で握った姿勢で、該走行車Aを運転する。従って、エンジンEの幅が狭く、且つシリンダヘッド部分がコンパクトであることが、ライダーが跨がり易く且つエンジンの搭載位置の自由度が大きくなる点で好ましい。
【0018】
この小型OHC型エンジンには、以下のような構成からなるデコンプ制御機構を備えた自動デコンプ装置が設けられている。即ち、
図4,図5に図示するように、カムシャフト20の軸芯部には、貫通穴20Aが形成されており、この貫通穴20A内には、操作シャフト1が挿通されている。この操作シャフト1の先端は、この実施例の場合、カムシャフト20の排気用のカム面20Eが形成されている部位まで延設されており、この操作シャフト1の先端部には、三日月状に削除されて形成された平面部1aが形成されている。この平面部1aを含む部分円周面1Aは、図4,図2(b)に図示するように、デコンプリフター3の底面3aに摺接し、上記平面部1aがデコンプリフター3の底面3aと当接している状態では、該デコンプリフター3の先端が排気用のカム面20E内に収容された状態(図3(b)参照)となり、一方、部分円周面1Aの円周状の部分がデコンプリフター3の底面3aと当接している状態では、該デコンプリフター3の先端が排気用のカム面20Eから外径方に突出した状態(図2(b)参照)となるよう構成されている。
【0019】
また、上記カムシャフト20の基端面(図4,図5において右端面)20Bには、カムシャフト20を駆動するカムスプロケット15が、六角穴付きボルト17によって固定されている。このカムシャフト20の基端方には、上記デコンプリフター3を動作させるためのデコンプ制御機構Aが形成されている。以下、このデコンプ制御機構Aについて具体的に説明する。
【0020】
図2〜5に図示するように、上記カムシャフト20の基端面20Bの軸芯周部には、円筒状の凹部20cが形成され、この凹部20cには、上記操作シャフト1の基端に形成されているフランジ部1Bが収容されている。そして、このフランジ部1Bには、回転中心O1 を挟んで二つの係止ピン2が軸長手方向に突設されている。
【0021】
そして、上記カムスプロケット15の外周部には、スプロケット15の回転中心O15を隔てて二つの各貫通穴15Cが形成されている。
【0022】
そして、上記各貫通穴15Cには、それぞれウェイト部材5の枢支部5Aが回転可能に取着され、該ウェイト部材5は、この枢支部5Aを中心に所定角度内(揺動動作域)を揺動できるようになっている。具体的には、この実施例の場合、図2(a)に図示するウェイト部材5が内径側に位置している状態から、図3(a)に図示するウェイト部材5が外径側に位置している状態まで、所定角度範囲(揺動動作域)だけ、揺動できるよう構成されている。
【0023】
上記ウェイト部材5は、図2(a),図3(a)に図示するように、外縁がカムスプロケット15の外縁の曲率半径よりやや小さい曲率半径からなる湾曲した形状からなり、該ウェイト部材5の先端部5Cは、カムシャフト20の軸芯O20(上記回転中心O15と同じ位置)を隔てて、上記枢支部5Aの反対側に位置する。そして、この先端部5Cには、上記係止ピン2と係合する係合溝5dが形成されている。この係合溝5dは、ウェイト部材5が枢支部5Aを中心に揺動する際に、該先端部5Cの揺動軌跡Rに対して略直交する方向に形成され、該揺動によって、係止ピン2を、フランジ部1Bの回転中心(上記カムシャフト20の軸芯O20と同じ位置)を中心に揺動させるよう構成されている。
【0024】
そして、上記二つのウェイト部材5は、上記カムシャフト20の軸芯O20に対して、点対象となるよう、一対カムスプロケット15の側面上に揺動自在に配置されている。また、これら各ウェイト部材5の中央部分の内周付近にそれぞれ係止穴5eが形成され、この係止穴5e間に、互いに近接する方向に付勢するコイルスプリング27が配設され、カムスプロケット15が回転しない状態では、ウェイト部材5を、図2(a)に図示する状態に保持するよう構成されている。
【0025】
また、図2(a),図3(a)、図4に図示するように、上記カムスプロケット15のウェイト部材5が配設されている側の端面には、規制用の突起部6が形成されるとともに、このウェイト部材5には、この突起部6と当接する当接部5gが該ウェイト部材5のカムスプロケット15側の面に形成されている。つまり、ウェイト部材5が最も外径方に揺動した際に、この当接部5gが上記突起部6に当接することによって、それ以上外径方に揺動するのを規制している。また、上記対峙する他方のウェイト部材5の枢支部5Aから少し離れた位置に先端部5Cの頭部5fに合致した凹部5Lが形成され、この凹部5Lが規制用の突起部として機能している。つまり、この凹部5Lは、対峙する一方のウェイト部材5の先端部5Cの側面視においてフック状になった頭部5fと当接することによって、該ウェイト部材5が最も内径方に揺動した際に、それ以上内径方に揺動するのを規制している。
【0026】
また、上記凹部5Lからなる規制用の突起部に代えて、ボルト17の頭部を、規制用の突起部として機能させてもよい。つまり、このボルト17の頭部に、ウェイト部材5の側面視において凹状になった部分5rを当接させることによって、ウェイト部材5が最も内径方に揺動した際に、それ以上内径方に揺動するのを規制するような構成であってもよい。
【0027】
また、上記デコンプリフター3は、図2(b),図3(b),図4に図示するように、頭部が部分球状に形成されている。そして、このデコンプリフター3は、上記カム面20Eに形成されている収納穴20eに嵌装されているスリーブ23内にカム面20Eから外径方に突出可能に収納されるとともに、コイルスプリング25によって、カム面20E内に収納された状態、つまりデコンプリフター3の頭部の頂点がカム面20Eと等しいか若しくは軸芯側に後退した状態に収納されている。
【0028】
しかして、このように構成された自動デコンプ装置は、以下のように作用する。即ち、
エンジンの始動前の状態においては、図2(a),(b)に図示するように、二つのウェイト部材5は、上記コイルスプリング27によって、互いに近接するように付勢されていることから、これらのウェイト部材5に係止ピン2を介して係止されている上記操作シャフト1は、カムシャフト20内で、図2(b)に図示する状態になっている。つまり、操作シャフト1の部分円周面1Aの円周部分が、デコンプリフター3の底面3aに摺接し、従ってデコンプリフター3はカム面20Aから外径方に突出した状態となり、排気用のロッカーアーム10(ロッカーアーム10については図5参照)の当接部をリフトアップした状態となっている。従って、この状態において、図示しないエンジンの排気バルブは「開」の状態となっている。
【0029】
このため、この状態において、電動スタータあるいは手動式のリコイルスタータによって、エンジンを始動しようとすると、シリンダ内は大気側に開放された状態となっていることから減圧されて、小さな回転トルクで始動することが可能となる。
【0030】
そして、上記電動スタータあるいはリコイルスタータによって、エンジンが所定の回転数、具体的には例えばアイドリング回転数以上で回転するようになると、ウェイト部材5に作用する遠心力によって、上記コイルスプリング27のばね力に打ち勝って、図3(a)に図示する如く、該ウェイト部材5が枢支部5Aを中心に外径方に揺動する。この状態になると、ウェイト部材5と係止ピン2を介して係止されている操作シャフト1は、カムシャフト20内で回転して、図3(b)に図示するように、デコンプリフター3の底面3aは、部分円周面1Aの平面部1aに当接する。この結果、デコンプリフター3の頭部はカム面20A内に収納されるため、排気用のロッカーアーム10がカム面20Aと当接した状態となり、図示しないエンジンの排気バルブは「閉」の状態となり、シリンダは密閉された状態となり、通常の運転がおこなえる状態、つまりデコンプ状態が解除された状態となる。
【0031】
そして、この構成では、係止ピン2の回転中心に対する回動角度を必要なだけ十分とっても、ウェイト部材5の揺動角は小さくなるので、この状態においても、図3(a)に図示するように、ウェイト部材5がカムスプロケット15の外縁からあまり突出せず、従って、このデコンプ制御機構Aの径方向の寸法をコンパクトにすることができる。また、図4、図5に図示するように、このデコンプ制御機構Aは、カムスプロケット15の厚み方向において、ウェイト部材5とカムスプロケット15が近接して配置され、これらの間に全ての構成要素が配置されているため、デコンプ制御機構Aは、カムスプロケット15の厚み方向においてもコンパクトにすることができる。特に、ウェイト部材5のカムスプロケット15側の側面の一部を削除し、この部分15fに上記突起部6の一部が収容されるとともに、該突起部6に当接する当接部5gが形成されている点でも、コンパクトな構造になっている。
【0032】
そして、上述のように作用する本発明にかかる自動デコンプ装置では、図5に図示するように、デコンプ制御機構が、上述のようにコンパクトに構成されるため、エンジンのシリンダヘッド部分をコンパクトにすることが可能となる。従って、エンジンのヘッド部分がコンパクトになることから、騎乗型四輪不整地走行車に搭載するエンジンとしては好適なエンジンを提供することができるとともに、エンジンの搭載位置の自由度がより大きくなる。
また、部品点数および組立工数が従来のものに比べて低減できるため、安価に供給することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明にかかる自動デコンプ装置によれば、エンジンのシリンダヘッド部分をコンパクトにすることが可能となる。従って、自動二輪車,ATV,小型滑走艇等の騎乗型の乗物のエンジンとして好適なエンジンとなる。
【0034】
また、部品点数および組立工数が従来のものに比べて低減できるため、安価に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例にかかる自動デコンプ装置を具備する小型OHC型エンジンを搭載した不整地走行車両の全体側面図である。
【図2】 本実施例にかかるデコンプ制御機構の作動時の要部の構成を示す図で、(a)は図4のIa−Ia矢視方向から見たデコンプ制御機構の要部の側面図、(b)はデコンプ制御機構が(a)の状態におけるときのデコンプリフターを図4のIIb−IIb矢視方向から見た上半分の状態を示すデコンプリフター部分の部分拡大図である。
【図3】 デコンプ制御機構の非作動時の要部の構成を示す図で、(a)はデコンプ制御機構の要部の側面図、(b)はデコンプ制御機構が図2(a)の状態におけるときのデコンプリフターを図4のIIb−IIb矢視方向から見た上半分の状態を示すデコンプリフター部分の部分拡大図である。
【図4】 自動デコンプ装置全体の構成を示す図で、破断線Xの左側の部分はカムシャフトを長手方向に沿って断面するとともに、右側の部分は図2のIII−III 矢視方向から見た断面図である。
【図5】 図1〜3に示す自動デコンプ装置を採用した小型OHCエンジンのシリンダヘッド部分を示す断面図である。
【符号の説明】
A……デコンプ制御機構
1……操作シャフト
5……ウェイト部材
5A……枢支部
5C……先端部
15……カムスプロケット
17……コイルスプリング
20……カムシャフト
020……軸芯
Claims (4)
- カムシャフトの排気用カム面の内部にカム面から外方に突出・後退自在に配置されており、カムシャフト内に同芯状に挿通された操作シャフトの回転動作を介して作動するデコンプリフタを、デコンプ制御機構によって所定回転数以下の回転数域において突出させて、排気ロッカーアームを操作し、エンジン始動時にシリンダ内を減圧できるよう構成された小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置であって、
上記デコンプ制御機構が、
カムシャフト側に枢着されている枢支部がカムシャフトの軸芯から離間した位置に形成されるとともに外縁がカムスプロケットの外縁に沿って湾曲し先端部で操作シャフト側に係合しており、カムシャフトの回転に伴って枢支部を中心に外方に揺動するウェイト部材と、
上記ウェイト部材の枢支部から離間した部位を揺動動作域のカムシャフトの軸芯側の位置に付勢する付勢部材とを有するとともに、
上記ウェイト部材の先端部の操作シャフト側に係合している部位が、操作シャフトの軸芯を隔てた、上記枢支部の反対側の位置であり、
上記枢支部が、カムシャフトの軸芯に対して略点対象に一対該カムシャフトの周囲に設けられており、これら各枢支部にそれぞれウェイト部材が該枢支部を中心に揺動自在に且つ回転方向に対して同じ向きに一対配置されるとともに、
一対の上記ウェイト部材の先端部が操作シャフト側に係合している各部位が、カムシャフトの軸芯に対して略点対象になっており、
上記付勢部材が上記ウェイト部材間に互いに近接する方向に付勢するよう配設されることによって、該ウェイト部材を揺動動作域のカムシャフトの軸芯側の位置に付勢するよう構成されていることを特徴とする小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置。 - 前記各枢支部に配置される各ウェイト部材は同じ形態のものであり、これら各ウェイト部材が一対上記カムシャフトに対して略点対象に配置されていることを特徴とする請求項1記載の小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置。
- 前記一対のウェイト部材の各先端部が、相手方のウェイト部材の枢支部のカムシャフトの軸芯側の位置にあることを特徴とする請求項1又は2記載の小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置。
- 前記付勢部材がコイルスプリングにより構成されており、このコイルスプリングがカムシャフトの軸芯の延長線上を通過するよう配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載の小型OHC型エンジンの自動デコンプ装置。
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