JP6075228B2 - エンジンのデコンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン始動時にデコンプ動作によって排気バルブを開放して燃焼室を減圧させるためのエンジンのデコンプ装置に関する。
従来、エンジンの始動を容易にするための装置としてデコンプ装置が知られている。デコンプ装置は、例えばスタータモータの駆動力などを利用してエンジンを始動する際に、排気バルブを僅かに開放し、圧縮行程における燃焼室内の混合気を僅かに逃がすように動作(デコンプ動作)する。これにより、圧縮乗り越えトルク(エンジンフリクション)を減少させ、エンジンの始動を容易にする。
例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている従来のデコンプ装置は、排気バルブの開閉を制御する排気カムを有するカムシャフトに回動可能に設けられるデコンプカム軸と、デコンプカム軸の一端において排気カムのカム面に対して出没可能に設けられるデコンプカムと、カムシャフトの回動に伴う遠心力の作用でデコンプカムを回動させるデコンプアームと、を備えている。
エンジン始動時には、排気バルブの開閉を制御する排気カムのカム面からデコンプカムが突出することで、圧縮行程において排気バルブを僅かに開放し、燃焼室を減圧する。一方、エンジンが始動し、カムシャフトの回転速度が速くなると、カムシャフトの回転で発生する遠心力によりデコンプカムが回転し、デコンプカムが排気カムのカム面内に没入することで、圧縮行程において排気バルブが閉鎖されたままになる。
特開2003−254025号公報 特開2011−149340号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載のデコンプ装置では、デコンプアームとデコンプカムが一体に設けられており、デコンプアームの回転角とデコンプカムの回転角が等しいため、デコンプカムの回転がデコンプアームの回転角に制約されてしまう。そのため、デコンプカムの回転角を十分に確保することが難しく、排気カムのカム面からのデコンプカムの突出長が不十分になり、デコンプアームの反力によってデコンプカムが意図に反して回転させられ、デコンプ装置の動作不良やデコンプアームの打音が発生するという問題がある。
また、このデコンプ装置において、デコンプカムの回転角を十分に確保しようとすると、デコンプアームの回転角も大きくなり、デコンプアームの回転動作が不安定になるという問題がある。さらに、デコンプ装置周辺のスペースも必要となり、レイアウトに制約が出るという問題や、デコンプアームの回転角度を規制するための専用プレートを設けているため、部品点数が増え、コストアップや重量増加の要因になるという問題なども生じている。
一方、上記した特許文献2に記載のデコンプ装置では、デコンプアーム自身でその揺動角度を規制する構造を採用しているため、デコンプアームの構造が複雑となり、その製造が難しくなり、製造上の制約が発生するという問題がある。また、このデコンプ装置を、シングルオーバーヘッドカムシャフト(SOHC)型の動弁機構を備えたエンジンに適用した場合には、中心のボルトを逃げるためにデコンプアームをコの字形状とする必要があり、強度が低下するという問題もある。
本発明は、上記した問題に鑑みなされたものであり、構造の簡素化、デコンプアームの軽量化、及びコストダウンを図ると共に、デコンプ動作及びその解除動作を円滑且つ確実に行わせることのできるエンジンのデコンプ装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、エンジン始動時にデコンプ動作によって排気バルブを開放して燃焼室を減圧させるためのエンジンのデコンプ装置であって、排気カムを有するカムシャフトの軸方向に延在して回動可能に設けられるデコンプカム軸と、該デコンプカム軸の一方の端部において前記排気カムのカム面に対して出没可能に設けられるデコンプカムと、少なくとも2本のカムスプロケットボルトにより前記カムシャフトの端部に固定されるカムスプロケットに沿って揺動可能且つ前記デコンプカム軸の他方の端部に係合可能なようにデコンプアームピボットを介して軸支されるデコンプアームと、を備え、前記デコンプアームの揺動範囲が前記2本のスプロケットボルトによって規制されるように構成されていることを特徴とする。
この特徴によれば、デコンプアームの揺動範囲を規制するために専用の部品を設ける必要がない。したがって、デコンプアームの構造を簡素化することができると共に部品点数の削減が可能となり、デコンプアームの製造を容易に行うことができ、デコンプアームの強度の向上を容易に図ることができると共に、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
また、本発明に係るエンジンのデコンプ装置において、前記エンジンの停止時に前記デコンプカムが前記排気カムのカム面から突出してデコンプ動作位置に移動するように前記デコンプアームを付勢するスプリングが設けられていることを特徴とする。
この特徴によれば、デコンプ動作を円滑且つ確実に行うことができ、デコンプ装置の性能の向上を図ることができる。
また、本発明に係るエンジンのデコンプ装置において、前記スプリングが前記デコンプアームピボットに設けられていることを特徴としてもよい。
この特徴によれば、簡単な構造で、デコンプ解除動作を円滑且つ確実に行うことができる。
また、本発明に係るエンジンのデコンプ装置において、前記デコンプアームピボットは、前記カムシャフトの中心から径方向に離れた位置を中心として前記カムシャフトに対する前記カムスプロケットの角度を固定する前記カムスプロケット角度基準ピンであり、前記デコンプアームは前記カムスプロケット角度基準ピンを介して前記カムシャフト及び前記カムスプロケットに軸支されていることを特徴としてもよい。
この特徴によれば、デコンプアームの揺動支点としてカムスプロケット角度基準ピンを利用することでデコンプアームピボットを別体に設ける必要がない。したがって、デコンプアームの構造を簡素化することができると共に部品点数の削減が可能となり、デコンプアームの製造を容易に行うことができ、デコンプアームの強度の向上を容易に図ることができると共に、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
また、本発明に係るエンジンのデコンプ装置において、前記デコンプアームピボットは、前記カムシャフトの中心から径方向に離れた位置を中心とするカムスプロケット角度基準ピンよりさらに径方向外側に離れた位置を中心として前記カムスプロケットに固定されており、前記デコンプアームは前記デコンプアームピボットを介して前記カムスプロケットに軸支されていることを特徴としてもよい。
この特徴によれば、デコンプアームの揺動支点からデコンプカム軸までの距離を長く確保することができるため、デコンプアームの揺動動作が安定し、デコンプ動作及びその解除動作を円滑且つ確実に行わせることができ、デコンプ装置の性能を高めることができる。
本発明によれば、構造の簡素化、デコンプアームの軽量化、及びコストダウンを図ると共に、デコンプ動作及びその解除動作を円滑且つ確実に行わせることができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
本発明に係るエンジンのデコンプ装置の一実施形態を適用したスクータ型自動二輪車を示す左側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置においてデコンプ動作時の状態を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置においてデコンプ動作時のデコンプカムの状態を示す図4のA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置においてデコンプ動作解除時の状態を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置においてデコンプ動作解除時のデコンプカムの状態を示す図4のA−A断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を図9の反対側から示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1を参照しつつ、本発明に係るエンジンのデコンプ装置の一実施形態を適用したスクータ型自動二輪車10について説明する。図1は本発明に係るエンジンのデコンプ装置の一実施形態を適用したスクータ型自動二輪車10を示す左側面図である。なお、以下の説明において、前後左右の向きは、車両乗車時の運転者を基準にする。
スクータ型自動二輪車10は、アンダーボーン型の車体フレーム11を備えている。この車体フレーム11は、前頭部のステアリングパイプ12の後部からアンダフレーム13が下方へ向かって延出され、このアンダフレーム13の下部からシートレール14が後斜め上方へ延出されて構成されている。
ステアリングパイプ12には、フロントフォーク15が上端に形成されたハンドルバー16と共に左右に回動自在に支持され、このフロントフォーク15の下端に前輪17が軸支されている。アンダフレーム13の下部中央には、スイングブラケット18を介してパワーユニット19が、支持軸としてのピボット軸20回りに上下方向に揺動可能に枢支されている。
パワーユニット19は、スクータ用として一般的に用いられるものであり、エンジン21と伝動装置22が一体に構成され、伝動装置22の後部に後輪23が直接軸支されている。伝動装置22の後部とシートレール14との間には、リアクッションユニット24が上下に掛け渡されており、このリアクッションユニット24によりパワーユニット19及び後輪23が緩衝懸架されている。
車体フレーム11におけるシートレール14の上方には、着座シート25が開閉自在に載置され、この着座シート25の下方にヘルメット等を収納可能な物品収納室(図示せず)が設けられている。このため、着座シート25を開放することによって、前記物品収納室に物品の出し入れが可能になる。
車体フレーム11の前部と後部は、それぞれ合成樹脂製の前部車体カバー26と後部車体カバー27とにより覆われて車体外観が整えられている。前部車体カバー26はレッグシールド28を形成しており、また、後部車体カバー27は、着座シート25の下方で前記物品収納室とエンジン21の前部の周囲などを覆っている。
ハンドルバー16と着座シート25との間には、低床式のステップボード29が設けられている。このステップボード29は合成樹脂製であり、前部車体カバー26と後部車体カバー27とを連続させるようデザインされている。
(第1の実施形態)
次に、主に図2〜図8を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置について詳細に説明する。ここで、図2は第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す斜視図、図3は第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す分解斜視図、図4は第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す断面図、図5は第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置においてデコンプ動作時の状態を示す側面図、図6は第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置においてデコンプ動作時のデコンプカムの状態を示す図4のA−A断面図、図7は第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置においてデコンプ動作解除時の状態を示す側面図、図8は第1の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置においてデコンプ動作解除時のデコンプカムの状態を示す図4のA−A断面図である。
図1中のエンジン21は、シングルオーバーヘッドカムシャフト(SOHC)型の動弁機構を備えた4サイクルエンジンであり、シリンダヘッド(図示せず)の内部に一本のカムシャフト30を備えている。カムシャフト30は、両端部にそれぞれ設けられたボールベアリング31,32によって前記シリンダヘッドに回動自在に支持されている。カムシャフト30上の一方の端部側には、一方のボールベアリング31より内側に、吸気バルブ開閉用の吸気カム33及び排気バルブ開閉用の排気カム34が他方の端部側に向かって順に隣接して配置されている。
カムシャフト30の他方の端部には、カムシャフト30の中心に取り付けられるスプロケットノックピン41とこのスプロケットノックピン41を挟んで両側に設けられる2本のカムスプロケットボルト35a,35bとによって、カムスプロケット36が固定されている。カムスプロケット36は、カムチェーン(図示せず)を介してカムドライブギア(図示せず)に連結され、クランクシャフト(図示せず)の回転が前記カムチェーンを介してカムスプロケット36に伝達されることによりカムシャフト30が回転し、前記動弁機構が作動するようになっている。
カムシャフト30に対するカムスプロケット36の角度は、カムシャフト30の中心から径方向に離れた位置を中心とするカムスプロケット角度基準ピン37により固定されている。各カムスプロケットボルト35a,35bとカムスプロケット角度基準ピン37には、支持プレート38が係止されており、この支持プレート38により各カムスプロケットボルト35a,35b及びカムスプロケット角度基準ピン37の抜脱が防止されるようになっている。
カムシャフト30の周面の一部分には、排気カム34からカムスプロケット36側に向かってシャフト収納溝39が軸方向に沿って凹設されている。このシャフト収納溝39は、軸方向視でカムシャフト30の中心を挟んで排気カム34のリフト部34aの反対側、すなわち排気カム34のベース円34b(排気バルブをリフトしない部位)の範囲内に設けられている。また、カムスプロケット36には、このシャフト収納溝39に対応する位置に貫通孔40が形成されている。
カムシャフト30にはデコンプ装置50が設けられている。デコンプ装置50は、カムシャフト30の軸方向に延在して回動可能に設けられるデコンプカム軸51と、カムスプロケット36に沿って揺動可能に設けられるデコンプアーム52と、により主に構成されている。
デコンプカム軸51は、カムスプロケット36の貫通孔40を貫通してカムシャフト30のシャフト収納溝39に収容され、カムシャフト30及び他方のボールベアリング32によって回動可能に支持されている。
デコンプカム軸51の一方の端部には、デコンプカム53が形成されている。デコンプカム53は、軸方向視でD字形状の円弧部分53aと弦部分53bとにより構成されており、このデコンプカム53の円弧部分53aは排気カム34のベース円34bのカム面に対して径方向に出没可能に形成されている。
デコンプカム軸51の他方の端部には、扁平な円柱形状の鍔部54がカムスプロケット36の貫通孔40より大径に形成されており、この鍔部54には、中心から径方向に向かって係合溝55が形成されている。
デコンプアーム52は、デコンプカム軸51と別体に形成され、デコンプアームピボットとして機能するカムスプロケット角度基準ピン37によってカムシャフト30の他方の端部及びカムスプロケット36に揺動可能に軸支されている。
デコンプアーム52は、図5及び図7に良く示されているように、軸方向視において、デコンプカム軸51から2本のカムスプロケットボルト35a,35bの間を通ってカムスプロケット角度基準ピン37まで直線状に延出する平板形状の直線部56と、直線部56に対して屈曲して形成されると共にカムスプロケット角度基準ピン37からカムスプロケット36の外周円に向かって幅広となるように形成される平板形状のウェイト部57と、を備え、略L字型形状のアーム構造を有している。直線部56の先端部の内面側には、係合ピン58が軸方向に突設されており、この係合ピン58は、デコンプカム軸51に平行に形成され、デコンプカム軸51の係合溝55に係合している。
デコンプアーム52とカムシャフト30との間には、戻しスプリング59が介装されている。この戻しスプリング59は、例えばコイル状に形成され、カムスプロケット角度基準ピン37に周設されており、デコンプアーム52の揺動によって生じる遠心力に抗す方向にデコンプアーム52を付勢するようになっている。
次に、上記した構成を備えたデコンプ装置50の作用について説明する。
エンジン21の始動時には、図5に示すように、デコンプアーム52の直線部56が一方(図5の左側)のカムスプロケットボルト35aに当接する姿勢が戻しスプリング59の付勢力により保持されることで、カムスプロケット角度基準ピン37を支点としたデコンプアーム52の一方向(図5の反時計回り方向)への揺動が規制される。また、この時、図6に示すように、デコンプカム53の円弧部分53aは、排気カム34のベース円34bのカム面に対して突出した状態になっている。
このため、エンジン21の始動時にキックスタータを操作又はセルモータを起動して、カムシャフト30を回転させると、エンジン21の圧縮工程において、デコンプカム53の円弧部分53aがリフター(図示省略)を押し上げて前記排気バルブを若干量リフトさせ、前記燃焼室内の混合気を僅かに逃がすように動作(デコンプ動作)する。これにより、エンジン21の圧縮工程において、前記燃焼室内が減圧され、エンジン21の始動を容易に行うことができるようになる。
その後、カムシャフト30の回転数が所定回転数、例えばアイドル回転数に到達すると、図7に示すように、デコンプアーム52は、遠心力の作用によって戻しスプリング59の付勢力に抗して、カムスプロケット角度基準ピン37を支点に他方向(図7の時計回り方向)へ揺動し、この揺動は、デコンプアーム52の直線部56が他方(図5の右側)のカムスプロケットボルト35bに当接することで規制される。このデコンプアーム52の揺動によって、デコンプカム軸51はデコンプアーム52の揺動方向の反対方向(図7の反時計回り方向)へ回動し、図8に示すように、デコンプカム53の円弧部分53aは、排気カム34のベース円34bのカム面内に没入し収納され、デコンプ動作が解除される。これにより、エンジン21の圧縮工程において、前記排気バルブは閉鎖されたままの状態になり、エンジン21は通常の運転を行うことができる。
その後、エンジン21を停止させるべく減速すると、デコンプアーム52に作用する遠心力が減少する。このため、デコンプアーム52は、戻しスプリング59の付勢力の作用で前記一方向に揺動する。これにより、デコンプカム軸51がデコンプアーム52の回動方向の反対方向へ回動し、デコンプカム53の円弧部分53aを排気カム34のベース円34bのカム面に対して突出させ、この状態でエンジン21が停止される。
上記した構成を備えたデコンプ装置50によれば、デコンプ動作及びその動作解除時にデコンプアーム52の揺動範囲が2本のカムスプロケットボルト35a,35bにより規制されるように構成されている。また、デコンプアーム52は、軸方向視において、その揺動支点(カムスプロケット角度基準ピン37)とデコンプカム軸51とを直線部56で結ぶ単純な略L字型形状のアーム構造を有している。すなわち、従来のようにデコンプアームの揺動角度を規制するためにデコンプアームを段付き形状等の複雑な構造にする必要がなく、デコンプアーム52の構造を簡素化することができる。このため、デコンプアーム52の製造を容易に行うことができ、デコンプアーム52の強度の向上を容易に図ることができると共に、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
また、デコンプアーム52の揺動角度を規制するために専用の部品を設ける必要がなく、さらに、デコンプアーム52の揺動支点としてカムスプロケット角度基準ピン37を利用することでデコンプアームピボットを別体に設ける必要がない。このため、部品点数の削減が可能となり、デコンプ装置50の構造をさらに簡素化することができ、軽量化及びコストダウンを一段と図ることができる。
また、デコンプアーム52を略L字型形状とすることができ、デコンプアーム52のウェイト部57の形状が自由になり、デコンプアーム52の重心を任意に調整することができるため、デコンプアーム52の揺動動作が安定し、デコンプ動作及びその解除動作を円滑且つ確実に行わせることができ、デコンプ装置50の性能を高めることができる。
また、デコンプアーム52は、デコンプカム軸51と別体に形成されているため、デコンプカム53の回転角や排気カム34のカム面からのデコンプカム53の突出長を十分に確保することができ、デコンプ装置50の動作不良やデコンプアーム52の打音の発生を防止することができる。さらに、デコンプアーム52をデコンプカム軸51と別体に形成することにより、デコンプアーム52の揺動角度を小さくすることができるため、デコンプ装置50周辺のスペースを削減することができ、レイアウトの自由度を高めることができる。
(第2の実施形態)
次に、主に図9〜図11を参照しつつ、本発明の第2の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置について詳細に説明する。ここで、図9は第2の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す斜視図、図10は第2の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を図9の反対側から示す斜視図、図11は第2の実施形態に係るエンジンのデコンプ装置を示す断面図である。なお、以下の説明において、上記した第1の実施形態に係るデコンプ装置50と同様の構成については、図9〜図11中、図2〜図8と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るデコンプ装置60において、デコンプアーム61は、デコンプカム軸51と別体に形成され、カムスプロケット角度基準ピン37よりさらに径方向外側に離れた位置を中心としてカムスプロケット36にかしめられて固定されるデコンプアームピボット62を介して、カムスプロケット36に揺動可能に軸支されている。
デコンプアーム61は、図9に良く示されているように、軸方向視において、デコンプカム軸51から2本のカムスプロケットボルト35a,35bの間を通ってデコンプアームピボット62まで直線状に延出する平板形状の直線部63と、直線部63に対して屈曲して形成されると共にデコンプアームピボット62からカムスプロケット36の外周円に向かって幅広となるように形成される平板形状のウェイト部64と、を備え、略L字型形状のアーム構造を有している。直線部63の先端部の内面側には、係合ピン58が軸方向に突設されており、この係合ピン58は、デコンプカム軸51に平行に形成され、デコンプカム軸51の係合溝55に係合している。
デコンプアーム61とカムスプロケット36との間には、戻しスプリング66が介装されている。この戻しスプリング66は、例えばコイル状に形成され、デコンプアームピボット62に周設されており、デコンプアーム61の揺動によって生じる遠心力に抗す方向にデコンプアーム61を付勢するようになっている。
上記した構成を備えたデコンプ装置60によれば、デコンプ動作及びその動作解除時にデコンプアーム61の揺動範囲が2本のカムスプロケットボルト35a,35bにより規制されるように構成されている。また、デコンプアーム61は、軸方向視において、その揺動支点(デコンプアームピボット62)とデコンプカム軸51とを直線部63で結ぶ単純な略L字型形状のアーム構造を有している。すなわち、従来のようにデコンプアームの揺動角度を規制するためにデコンプアームを段付き形状等の複雑な構造にする必要がなく、デコンプアーム61の構造を簡素化することができる。このため、デコンプアーム61の製造を容易に行うことができ、デコンプアーム61の強度の向上を容易に図ることができると共に、軽量化及びコストダウンを図ることができる。また、デコンプアーム61の揺動角度を規制するために専用の部品を設ける必要がないため、部品点数の削減が可能となり、さらなる軽量化及びコストダウンを図ることができる。
また、デコンプアーム61は、カムスプロケット角度基準ピン37よりさらに径方向外側に離れた位置にあるデコンプアームピボット62を揺動支点としており、この揺動支点から係合ピン58までの距離を長く確保することができる。また、デコンプアーム61を略L字型形状とすることができ、デコンプアーム61のウェイト部64の形状が自由になり、デコンプアーム61の重心を任意に調整することができる。したがって、デコンプアーム61の揺動動作が安定し、デコンプ動作及びその解除動作を円滑且つ確実に行わせることができ、デコンプ装置60の性能を高めることができる。
また、デコンプアーム61は、デコンプカム軸51と別体に形成されているため、デコンプカム53の回転角や排気カム34のカム面からのデコンプカム53の突出長を十分に確保することができ、デコンプ装置60の動作不良やデコンプアーム61の打音の発生を防止することができる。さらに、デコンプアーム61をデコンプカム軸51と別体に形成することにより、デコンプアーム61の揺動角度を小さくすることができるため、デコンプ装置60周辺のスペースを削減することができ、レイアウトの自由度を高めることができる。
なお、上記した本発明の実施形態では、本発明をスクータ型自動二輪車10のエンジン21に適用した場合について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明はスクータ型自動二輪車10以外の自動二輪車等のエンジンにも適用可能であることは言う迄もない。
また、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係るエンジンのデコンプ装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
21 エンジン
30 カムシャフト
34 排気カム
35a,35b カムスプロケットボルト
36 カムスプロケット
37 カムスプロケット角度基準ピン
50 デコンプ装置
51 デコンプカム軸
52 デコンプアーム
53 デコンプカム
59 戻しスプリング
61 デコンプアーム
62 デコンプアームピボット
66 戻しスプリング

Claims (5)

  1. エンジン始動時にデコンプ動作によって排気バルブを開放して燃焼室を減圧させるためのエンジンのデコンプ装置であって、
    排気カムを有するカムシャフトの軸方向に延在して回動可能に設けられるデコンプカム軸と、
    該デコンプカム軸の一方の端部において前記排気カムのカム面に対して出没可能に設けられるデコンプカムと、
    少なくとも2本のカムスプロケットボルトにより前記カムシャフトの端部に固定されるカムスプロケットに沿って揺動可能且つ前記デコンプカム軸の他方の端部に係合可能なようにデコンプアームピボットを介して軸支されるデコンプアームと、
    を備え、前記デコンプアームの揺動範囲が前記2本のスプロケットボルトによって規制されるように構成されていることを特徴とするエンジンのデコンプ装置。
  2. 前記エンジンの停止時に前記デコンプカムが前記排気カムのカム面から突出してデコンプ動作位置に移動するように前記デコンプアームを付勢するスプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのデコンプ装置。
  3. 前記スプリングは、前記デコンプアームピボットに設けられていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンのデコンプ装置。
  4. 前記デコンプアームピボットは、前記カムシャフトの中心から径方向に離れた位置を中心として前記カムシャフトに対する前記カムスプロケットの角度を固定する前記カムスプロケット角度基準ピンであり、前記デコンプアームは前記カムスプロケット角度基準ピンを介して前記カムシャフト及び前記カムスプロケットに軸支されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のエンジンのデコンプ装置。
  5. 前記デコンプアームピボットは、前記カムシャフトの中心から径方向に離れた位置を中心とするカムスプロケット角度基準ピンよりさらに径方向外側に離れた位置を中心として前記カムスプロケットに固定されており、前記デコンプアームは前記デコンプアームピボットを介して前記カムスプロケットに軸支されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のエンジンのデコンプ装置。
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