JP6612465B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、クランク軸の動力を動弁装置のカム軸に伝えるカムチェーンを備えた内燃機関に関する。
シリンダヘッド部内において動弁系を駆動するカム軸と、クランク軸の動力をカム軸に伝えるカムチェーンと、カム軸とクランク軸との間に配置されたガイドホイールと、ガイドホイールとクランク軸との間においてカムチェーンに当接するカムチェーンリフタが配置された内燃機関が開示されている。
特開2009−197769号公報
このような内燃機関では、ガイドホイールと、クランク軸との間のカムチェーンにおいては、カムチェーンにカムチェーンリフタが当接しているため、カムチェーンが上下若しくは左右に振動することを少なく抑えられるが、カム軸とガイドホイールとの間のカムチェーンにおいては、内燃機関の稼働中にカムチェーンが上下若しくは左右に振動し、カムチェーンがガイドローラに当接しない瞬間が発生することがあり、カムチェーンが他の部材に接触する打音が発生することがあった。さらに、カム軸とガイドホイールの間のカムチェーンの張力が低いため、カムチェーンをガイドホイールに押し付ける力が低く、ガイドホイールの外周をカムチェーンが舐めながら相対移動して、ガイドホイールの外周を振動したカムチェーンが叩くことでガイドホイールの外周が削られてしまうことがあった。
本発明は、係る難点を克服するために、
シリンダヘッド部と、シリンダボディと、クランクケースを備える内燃機関であって、
前記クランクケースに回転自在に支持されるクランク軸と、
前記シリンダヘッド部内において動弁機構を駆動するカム軸と、
前記クランク軸と一体に回転される駆動スプロケットと、
前記カム軸と一体に回転されるカムスプロケットと、
前記駆動スプロケットと前記カムスプロケットとの間に巻き掛けられ、前記クランク軸の動力を前記カム軸に伝えるカムチェーンと、
前記カムチェーンの移動軌跡の内側に位置して前記カム軸と前記クランク軸との間に設けられ、前記カムチェーンと接するガイドホイールと、
前記ガイドホイールと前記クランク軸との間で、前記カムチェーンの環状の移動軌跡の外側から前記カムチェーンに当接して、前記カムチェーンに張力を加えるカムチェーンリフタとを備えた内燃機関において、
前記ガイドホイールと前記カムスプロケットとの間で、前記カムチェーンに当接して、前記カムチェーンをガイドするカムチェーンガイドを設けたことを特徴とする内燃機関である。
本発明は前記したように構成されているので、カムスプロケットと、ガイドホイールとの間で、カムチェーンに当接して、カムチェーンをガイドするカムチェーンガイドを設けることで、ガイドホイールにカムチェーンが当接している状態を維持しやすくなり、内燃機関の稼働中のカムチェーンが上下若しくは左右に振動することを抑制することができ、カムチェーンが他の部材に接触する打音を低減できる。さらに、ガイドホイールにカムチェーンが当接している状態を維持しやすくなるので、ガイドホイールの外周を振動したカムチェーンが叩くことが発生しにくくなり、ガイドホイールが削られることを抑制して、ガイドホイールの耐久性を向上させることができる。
前記構成において、
前記内燃機関の稼働時に、
前記カムチェーンが前記駆動スプロケットから前記ガイドホイールへ進行する領域において、前記カムチェーンリフタを前記カムチェーンに当接し、
前記カムチェーンが前記カムスプロケットから前記ガイドホイールへ進行する領域において、前記カムチェーンガイドを前記カムチェーンに当接することもできる。
前記構成によれば、駆動スプロケットとカムスプロケットには、環状のカムチェーンの両端部が巻き掛けられているので、駆動スプロケットとカムスプロケットにはカムチェーンの張力がかかり、駆動スプロケットとカムスプロケットに対してカムチェーンが相対移動することは少ないが、ガイドホイールに当接するカムチェーンにかかる張力は比較的少なく、ガイドホイールに対してカムチェーンが相対的に移動してしまう状態が多かった。しかし、前記構成によれば、内燃機関の稼働時に、カムチェーンが駆動スプロケットからガイドホイールへ進行する領域において、カムチェーンリフタがカムチェーンに当接され、カムチェーンがカムスプロケットからガイドホイールへ進行する領域において、カムチェーンガイドがカムチェーンに当接されるので、ガイドホイールに当接する際のカムチェーンに張力を加え、カムチェーンからガイドホイールへの押圧力を大きくすることができるので、ガイドホイールとの相対移動を低減させることができる。
前記ガイドホイールが前記カムチェーンを前記カムチェーンの移動軌跡の外側に向けて押圧するような前記ガイドホイールの外径および配置にすることもできる。
前記構成によれば、ガイドホイールの外径およびガイドホイールの配置が、カムチェーンをカムチェーンの移動軌跡の外側に向かって押圧するようにされているので、内燃機関の振動によりカムチェーンに揺れが発生し場合や、経年によりカムチェーンが延びた場合でも、カムチェーンがガイドホイールに当接された状態を維持しやすくなる。
前記構成において、前記ガイドホイールを支持するホイール支持軸を、前記シリンダボディに設け、
前記カムチェーンガイドのカムチェーン進行方向における長さを、前記カム軸と前記ホイール支持軸との軸間より短くすることもできる。
前記構成によれば、カムチェーンガイドのカムチェーン進行方向における長さは、カム軸とホイール支持軸の軸間より短いので、シリンダ軸線に直交する方向において、カムチェーンガイドと、カムスプロケット、ガイドホイールとの重複する部分を少なくすることができるので、内燃機関のシリンダ軸線に直交する幅が大きくなることを抑制することができる。
前記構成において、前記カムチェーンガイドは、シリンダ軸線方向と直交する方向に延びる支持脚部を備え、
前記支持脚部を、前記シリンダボディと前記シリンダヘッド部の間に保持することもできる。
前記構成によれば、カムチェーンガイドを内燃機関に締結する締結部材を削減して、製造コストを低減することができる。
前記構成において、前記内燃機関を、前記内燃機関のシリンダ軸線が略水平になるように、鞍乗り型車両に搭載し、
前記内燃機関は、前記シリンダヘッド部と、前記シリンダボディと、前記クランクケースを連通するカムチェーン室を有し、
前記カムチェーン室は、前記カム軸方向に直交するように前記シリンダヘッド部から前記クランクケースまで延びる底壁部と、前記底壁部から上方に延びる一対の側壁部とを備え、
前記カムチェーン室の前記底壁部と前記側壁部により、前記シリンダヘッド部におけるエンジンオイルを前記クランクケースに戻す油路を構成し、
前記支持脚部は、前記側壁部との間に前記油路の一部となる隙間を設けるように、前記シリンダヘッド部に支持されてもよい。
前記構成によれば、支持脚と側壁部との間に隙間を設けて油路の一部とすることで、シリンダヘッド部からのエンジンオイルを戻す油の流れを阻害することなく、エンジンオイルをクランクケースへ流すことができる。
前記構成において、前記カムチェーンガイドは、前記カムチェーンに当接するガイド面を有するガイド部を備え、
前記カムチェーンの進行方向と直交する方向に、前記ガイド面を幅広に設け、
前記支持脚部のうち、前記ガイド部と接続する接続部を、前記ガイド面より幅狭にし、
前記支持脚部の下端に、前記カムチェーンの進行方向と直交する方向に幅広に形成された幅広部が設けるとともに、前記カムチェーンの進行方向後方に延びる延出部を設け、
前記シリンダヘッド部前記シリンダボディとの合わせ面には、前記カムチェーンガイドの前記幅広部と前記延出部に対応した形状の支持脚保持部が設けることもできる。
前記構成によれば、カムチェーンガイドのガイド面が幅広に設けられることで、カムチェーンに直交する方向におけるカムチェーンの動きを低減することができる。また、ガイド面を幅広に設けても、支持脚部の接続部を幅狭にすることで、シリンダヘッド部からエンジンオイルを戻す油路の流れを阻害することが低減される。
さらに、支持脚部の下端にカムチェーンの進行方向と直交する方向に幅広に形成された幅広部を設け、カムチェーンの進行方向後方に延びる延出部を設け、シリンダヘッド部のシリンダボディとの合わせ面に、カムチェーンガイドの幅広部と前記延出部に対応した形状の支持脚保持部が設けられることで、カムチェーンガイドの幅広部と延出部を、シリンダヘッド部の支持脚保持部に嵌合して、カムチェーンガイドを予めシリンダヘッド部に仮止めすることができるので、カムチェーンガイドの組付け作業が容易になる。
また、支持脚部の下端にカムチェーンの進行方向と直交する方向に幅広に形成された幅広部を設けたことにより、カムチェーンガイドの左右方向の安定性が増大し、カムチェーンの左右方向の揺動を低減することができる。さらにまた、カムチェーンの進行方向後方に延びる延出部を設けたことにより、カムチェーンがガイド面に触れる際に生じるガイド面の接続部を中心としたトルクの発生によるカムチェーンガイドの長手方向の一方が下がり他方が上がる回動を低減することができる。
前記構成において、前記カムチェーンガイドには、前記カムチェーンの進行方向に直交する方向に延びる突起部が設けられ、
前記シリンダヘッド部には、前記突起部を支持する突起受け部が設けられ、
前記突起受け部には、前記突起部を摺動可能に支持する溝部が形成され、
前記突起部が挿入される前記溝部は、カムチェーン進行方向後端(98b)へ向けて開口され、
前記シリンダヘッド部における前記溝部のカムチェーン進行方向後端から、前記支持脚保持部のカムチェーン進行方向後端までの長さは、
前記カムチェーンガイドの前記突起部のカムチェーン進行方向前端から、前記支持脚部のカムチェーン進行方向後端までの長さより長く、
前記カムチェーンガイドの前記突起部のカムチェーン進行方向前端から、支持脚保持部のカムチェーン進行方向後端までの長さは、
前記シリンダヘッド部における前記溝部のカムチェーン進行方向前端から、カムチェーンガイドの近傍における前記シリンダヘッド部のシリンダボディとの合わせ面までの長さより長くしてもよい。
前記構成によれば、カムチェーンガイドに突起部を設け、シリンダヘッド部に前記突起部を受ける突起受け部を設けることで、チェーンガイドを容易かつ強固に支持することができる。
また、突起受け部が、突起部をカムチェーンの進行方向に摺動可能に支持するように設けられ、シリンダヘッド部における溝部のカムチェーン進行方向後端から、支持脚保持部のカムチェーン進行方向後端までの長さが、前記カムチェーンガイドの突起部のカムチェーン進行方向前端から、支持脚部のカムチェーン進行方向後端までの長さより長いので、カムチェーンガイドの突起部を、シリンダヘッドの突起受け部の溝部のカムチェーン進行方後端から溝部に嵌め込んで、カムチェーンガイドをカムチェーン進行方向に摺動して、シリンダヘッドの支持脚保持部にカムチェーンガイドの支持脚部を嵌めた際に、突起受け部から突起部が外れることがない。
さらに、カムチェーンガイドの突起部のカムチェーン進行方向前端から、支持脚部のカムチェーン進行方向後端までの長さは、シリンダヘッド部における突起受け部のカムチェーン進行方向前端から、カムチェーンガイドの近傍におけるシリンダヘッド部のクランクケースとの割面までの長さより長いので、カムチェーンガイドの突起部を、シリンダヘッドの突起受け部の溝部のカムチェーン進行方向後端から溝部に嵌め込んで、カムチェーンガイドをカムチェーン進行方向に摺動して、カムチェーンガイドの突起部を溝部のカムチェーン進行方向の最前端まで摺動すると、カムチェーンガイドの支持脚部のカムチェーン進行方向後端は、シリンダヘッド部のクランクケースの合わせ面よりカムチェーン進行方向前方に位置する。
このように配置されているので、カムチェーンガイドの支持脚部をシリンダヘッド部の支持脚保持部近傍に移動し、カムチェーンガイドをカムチェーン進行方向後方に移動して、支持脚部の幅広部と延出部を支持脚保持部に嵌め込んで仮止めした後、シリンダヘッド部とシリンダボディとを一体に固定することで、カムチェーンガイドを保持することができ、カムチェーンガイドを取り付ける締結部材を削減して、シリンダヘッド部とシリンダボディとでもってカムチェーンガイドを保持させることができる。
前記構成において、前記カムチェーンガイドの前記突起部を、前記支持脚部よりカムチェーン進行方向後方に設け、
前記ガイド面を、前記支持脚部から前記突起部側のカムチェーン進行方向後端までの長さが、前記支持脚部から他方の端部のカムチェーン進行方向前端までの長さより長くすることもできる。
前記構成によれば、突起部は突起受け部に摺動可能に支持されているため、突起部と突起受け部の溝部との間に若干の隙間が設けられており、カムチェーンとカムチェーンガイドが当接した際に、カムチェーンガイドに突起部を中心として回動させるトルクが発生する。しかし、突起部を支持脚部のカムチェーン進行方向後方に設けることで、発生したトルクを支持脚部にて受けることができるので、カムチェーンガイドの突起部を中心とした回動を抑制することができる。
また前記ガイド面は、支持脚部から突起部側のカムチェーン進行方向後端までの長さが、支持脚部から他方の端部のカムチェーン進行方向前端までの長さより長いので、カムチェーンからの力を受ける支持脚部から突起部までの間を長くすることができ、カムチェーンが当接されるガイド面の全体を長くすることができる。
前記構成において、前記カムスプロケットから前記クランク軸へ進行するカムチェーンにおいて、
前記ガイドホイールと前記クランク軸との間の前記カムチェーンに、前記カムチェーンの移動軌跡の外側から当接するガイドローラを、前記ガイドホイールより前記クランク軸寄りに設け、
前記カムチェーンと前記ガイドホイールとが当接する点と、前記カムチェーンと前記ガイドローラとが当接する点との距離は、
前記カムチェーンと前記カムスプロケットとが当接するカムチェーン進行方向前端と、前記カムチェーンと前記ガイドホイールとが当接する点の距離と略同一となるようにしてもよい。
前記構成によれば、カムスプロケットと駆動スプロケットとの間のカムチェーンは重力の影響を受け垂れるため、ガイドローラをクランク軸寄りに設けることで、駆動スプロケットへカムチェーンを確実に当接させることができる。さらに、カムチェーンがガイドローラとガイドホイールとが当接する箇所と、カムチェーンがカムスプロケットと当接している箇所を等間隔に設けることで、カムチェーンの垂れ下がりを少なくして支持することができる。
本発明によれば、ガイドホイールにカムチェーンが当接している状態を維持しやすくなり、内燃機関の稼働中のカムチェーンが上下若しくは左右に振動することを抑制することができ、カムチェーンが他の部材に接触する打音を低減できるとともに、ガイドホイールの外周を振動したカムチェーンが叩くことでガイドホイールの外周が削られてしまうことが少なくなり、ガイドホイールが削られることを抑制して、ガイドホイールの耐久性を向上させることができる。
本発明に係る一実施の形態の内燃機関を搭載した自動二輪車の右側面図である。 内燃機関の各軸線を通る断面図である。 内燃機関の縦断面図である。 内燃機関の縦断面図である。 内燃機関の縦断面図である。 カムチェーンガイドの斜視図である。 カムチェーンガイドの左側面図である。 カムチェーンガイドの上面図である。 カムチェーンガイドの後面図である。 図5の内燃機関をX-X線において切断したカムチェーンガイド近傍の断面斜視図である。 図5のXI-XI線に沿って切断したカムチェーンガイド近傍の内燃機関の断面斜視図である。 図5のXII-XII線に沿って切断したカムチェーンガイド近傍の内燃機関の断面図である。 図12のXIII-XIII線に沿って切断した内燃機関の断面斜視図である。 図12のXIV-XIV線に沿って切断した内燃機関の断面図である。 図12のXIII-XIII線に沿って切断し、カムチェーンガイドを仮想線で示した内燃機関の断面図である。
以下、本発明に係る内燃機関の一実施の形態について図1ないし図16に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態の内燃機関Eが搭載された自動二輪車1の側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る内燃機関20を備えた自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から後方斜め下向きにメインフレーム部材4が1本延出し、同メインフレーム部材4の後端部に左右一対のピボットプレート5,5が下方に垂設され、メインフレーム部材4の後部からは後方へ斜め上向きに左右一対のリヤフレーム部材6,6が延び、メインフレーム部材4とリヤフレーム部材6,6との間にサブフレーム部材7,7が架設されている。
ヘッドパイプ3に軸支されたステアリングシャフト8の上端にバーハンドル9が取り付けられ、ステアリングシャフト8の下部はフロントフォーク10に連結されており、フロントフォーク10の先端に前輪11が軸支されている。
ピボットプレート5にはスイングアーム13がピボット軸12で前端を軸支されて上下に揺動自在に連結され、同スイングアーム13の後端に後輪15が軸支されている。
このスイングアーム13と上方のリヤフレーム部材6との間にリヤクッション14が介装されている。
メインフレーム部材4の中央より後部寄りから下方に突設されたエンジンハンガー4hとピボットプレート5に支持されて内燃機関20が懸架されている。
内燃機関20は、4ストロークサイクル1気筒の空冷式内燃機関であり、クランク軸40を左右車幅方向に指向させ、内燃機関20のシリンダ軸線Lcを略水平にした横置き姿勢で、自動二輪車1の車体フレーム2に搭載される。
該内燃機関20は、図2に示されるように、クランク軸40を回転自在に軸支するクランクケース21と、クランクケースの21左右を側方から覆うケースカバー22を備えている。クランクケース21は、左右割りの一対の左クランクケース21L,右クランクケース21Rとからなり、ケースカバー22は、同左右クランクケース21L,21Rを左右側方から覆う一対の左ケースカバー22L,右ケースカバー22Rとからなる。
このクランクケース21には、図3に示されるように、前方に向かってシリンダボディ23およびシリンダヘッド部24が突出して設けられている。シリンダヘッド部24は、シリンダヘッド25およびシリンダヘッドカバー26からなり、クランクケース21に、シリンダボディ23、シリンダヘッド25、シリンダヘッドカバー26が順次重ねられている。シリンダボディ23のシリンダボア23aの中心軸線であるシリンダ軸線Lcは、ほぼ水平近くまで前傾している。
前方へ略水平に突出配置されたシリンダヘッド部24の上面からは、図1に示されるように、吸気管30が上方に延出し、同吸気管30はスロットルボディ31を介してメインフレーム部材4に取り付けられたエアクリーナ32に接続されている。
さらに、シリンダヘッド部24の下面から下方へ延出する排気管35は、屈曲して内燃機関20の下面に沿って後方に延び、内燃機関20より後方で車体右側に配置されたマフラ38に接続されている。
排気管35の途中には、第1触媒コンバータ36と第2触媒コンバータ37の2つの触媒コンバータが順次配設されている。シリンダヘッド部24寄りの上流側の第1触媒コンバータ36は、水平近くまで前傾したシリンダボディ23の下方にほぼ水平に前後斜め方向に指向して配設されており、下流側の第2触媒コンバータ37は、マフラ38の内部に配設されている。
第1触媒コンバータ36と第2触媒コンバータ37は、ともに三元触媒である。
第1触媒コンバータ36と第2触媒コンバータ37の2つに分割して触媒を持つことにより、大型の触媒コンバータと同じ容量を確保して浄化性能を向上させながら、各触媒コンバータが小さいことから配置の自由度が大きく、一方の第1触媒コンバータ36はシリンダボディ23の下方にコンパクトに配置され、他方の第2触媒コンバータ37はマフラ38内に収めることができる。
第1触媒コンバータ36は排気上流側にあってシリンダボディ23の下方に配置されるので、機関始動時に速やかに触媒が加熱され活性化して、始動の早い段階から排気の浄化をすることができる。
図1に示されるように、自動二輪車1の前方および左右はボディーカバー16で覆われている。車体フレーム2のヘッドパイプ3の前方をフロントカバー16aが覆っている。メインフレーム部材4の上方からメインフレーム部材4の左右側方を、シリンダボディ23,シリンダヘッド25,シリンダヘッドカバー26の左右側方にかけてレッグシールド16bが覆っている。メインフレーム部材4の後部およびリヤフレーム部材6の左右側方をボディーカバー16cが覆っている。
ボディーカバー16cの上部には、シート17と荷台18が前後に設けられており、ボディーカバー16の前側上部のシート17との間の開口はセンタカバー16dにより閉塞される。
内燃機関20におけるクランクケース21は、レッグシールド16bおよびボディーカバー16cによって覆われることなく、側方が露出している(図1参照)。
このクランクケース21の前部の右側方には、ピボットプレート5の下部から内燃機関20の下方を前方に延びたブレーキペダル28の上方に屈曲した先端部が揺動自在に位置している。
また、クランクケース21の前後中央部の側方には、ステップ29が位置している。
クランクケース21の後部右側方には、斜め後上方に延びたキックスタータペダル27が位置している。
図2は、内燃機関20のクランク軸40、メイン軸50、カウンタ軸51を通る断面展開図であり、クランク軸40、メイン軸50およびカウンタ軸51は、その軸線方向が平行になるように、クランクケース21内に配設されている。
内燃機関Eのクランク軸40は、左右クランクケース21L,21R内に収容される左右一対のクランクウエブ40w,40wを備え、該左右一対のクランクウエブ40w,40wからそれぞれ左側軸部40Lと右側軸部40Rが同軸一体に突出され、左右クランクウエブ40w,40wがその間をクランクピン40pで連結されてクランク形状に構成された一体構造のものである。
クランク軸40は、左側軸部40Lと右側軸部40Rのそれぞれクランクウエブ40w,40w側が左右クランクケース21L,21Rに左右一対の転がり軸受41,41を介して軸支されて、回転自在に支持されている。メイン軸50およびカウンタ軸51は、それぞれベアリング52を介して左右クランクケース21L,21Rに回転自在に支承されている。
メイン軸50の右端部50aには断接可能なクラッチ装置CLが設けられており、クランク軸40の回転駆動力は、クラッチ装置CLを介してメイン軸50に伝達され、さらに変速機Mを介してカウンタ軸51に伝達される。
変速機Mは、メイン軸50に設けられたメインギヤ群g1とカウンタ軸51に設けられたカウンタギヤ群g2とからなる変速ギヤ群Gと、変速操作機構により操作されるシフトドラム(不図示)およびシフトフォーク(不図示)を有する変速切替装置55を備えている。
シリンダボディ23のシリンダボア23a内に摺動自在に嵌合されたピストン42のピストンピン42pとクランク軸40のクランクピン40pとがコンロッド43により連結され、ピストン42の往復動が、コンロッド43を介してクランク軸40の回転動に変換される。
ピストン42の頂面がシリンダヘッド25の天井面との間に形成する燃焼室25aには、シリンダヘッド25の天井壁に嵌入された点火プラグ44が先端の電極を臨ませている。
クランク軸40の左側転がり軸受41から左方に延びる左側軸部40Lには、転がり軸受41側から左方に向かって駆動スプロケット45、スタータドリブンギヤ46、ACジェネレータ48が順次設けられる。
内燃機関20には、図2に示されるように、シリンダヘッドカバー26、シリンダヘッド25、シリンダボディ23、および左クランクケース21Lの左側および左ケースカバー22Lを連通するようにカムチェーン室90が構成されている。カムチェーン室90は、図2および図12に示されるように、内燃機関20の前方のカムスプロケット62が配設されている周辺においては、左右幅が広く形成された幅広部90cとなっている。
カムチェーン室90は、図3に示されるように、カム軸61方向に直交するようにシリンダヘッド部24のシリンダヘッドカバー26からクランクケース21まで延びる底壁部90aと、図11に示されるように、底壁部90aに上方の略垂直な方向に延びる一対の側壁部90bとを備えている。カムチェーン室90の底壁部90aと一対の側壁部90bにより、シリンダヘッド部24からクランクケース21に戻すための油路91が構成されている。動弁機構60等に供給されてカムチェーン室90内に飛散し、カムチェーン室90の底壁部90aに落下したエンジンオイルは、該油路91を通過してクランクケース21に戻される。
シリンダヘッド25とシリンダヘッドカバー26との間の境界に、動弁機構60を駆動するカム軸61が回動自在に支承されている。カム軸61の左端はカムチェーン室90に突設され、カムスプロケット62が一体に回転されるように嵌着されている。クランク軸40の左側軸部40Lには、一体に回転される駆動スプロケット45が結合されている。
駆動スプロケット45とカムスプロケット62との間には、クランク軸40の動力をカム軸61に伝える環状のカムチェーン63が架渡されている。クランク軸40が回転されると、カム軸61がクランク軸の1/2の回転数で回転駆動され、カム軸61の吸気カム61iと排気カム61eに各々接して揺動する吸気ロッカアーム64iと排気ロッカアーム64eが図示されない吸気バルブと排気バルブを所定のタイミングで開閉駆動して内燃機関20の吸排気を行う。
図3に示されるように、駆動スプロケット45とカムスプロケット62に巻き掛けられたカムチェーン63が適度の緊張を保つように、カムチェーン63に当接するように、ガイドホイール65、ガイドローラ67、カムチェーンリフタ装置70、カムチェーンガイド80が設けられている。カムチェーン63の環状の移動軌跡において、ガイドホイール65は内側からカムチェーン63に接し、ガイドローラ67、カムチェーンリフタ装置70、カムチェーンガイド80は外側からカムチェーン63に接する位置に配設されている。
ガイドホイール65は、シリンダ軸線Lc方向においてカム軸61とクランク軸40との間に位置して、カムチェーン63の移動軌跡の内側に配置されている。ガイドホイール65は、駆動スプロケット45からカムスプロケット62に移動する側のカムチェーン63と、カムスプロケット62から駆動スプロケット45へ移動する側のカムチェーン63と接するように設けられている。ガイドホイール65は、略円板形状であって、その外周面に周方向に亘って突条部65aが形成されており、カムチェーン63の左右方向の揺れを防いで、カムチェーン63をガイドするようになっている。
図2に示されるように、シリンダボディ23の左側壁には、内側に向かってカムチェーン室90に突出するように、ホイール支持軸66が螺合されている。該ホイール支持軸66にガイドホイール65は、回動自在に支持されている。ガイドホイール65は、図3に示されるように、シリンダボディ23に支持された状態で、その外縁65bがシリンダヘッド25とシリンダボディ23との合わせ面を越えるように配置されている。
ガイドホイール65は、カムチェーン63を、カムチェーン63の移動軌跡の外側に向かって押圧するような外径および配置に設定されており、図4に示されるような、ガイドホイール65、駆動スプロケット45、およびカムスプロケット62のそれぞれの外径の大きさおよび位置関係にされている。
図4では、駆動スプロケット45の歯元円45aと、カムスプロケット62の歯元円62aとの共通した接線のうち共通外接線をLtで示している。これらの一対の共通外接線Ltで囲まれる内側の領域を共通外接線内側領域A1、一対の共通外接線Ltの外側の領域を共通外接線外側領域A2と定義すると、ガイドホイール65、駆動スプロケット45、およびカムスプロケット62が内燃機関20に取り付けられた状態で、クランク軸40の軸方向視において、ガイドホイール65の中心点65cは、共通外接線内側領域A1に存し、ガイドホイール65の外縁65bは、両方の共通外接線外側領域A2まで張り出すようにガイドホイール65は設定されている。
このように、ガイドホイール65の外縁65bが、両方の共通外接線外側領域A2まで張り出しているので、カムチェーン63が駆動スプロケット45およびカムスプロケット62に巻き掛けられると、カムチェーン63は、ガイドホイール65によりカムチェーン63の移動軌跡の外側に向かって押圧された状態となり、内燃機関20の振動によりカムチェーン63に揺れが発生した場合や、経年によりカムチェーン63が延びた場合でも、カムチェーン63がガイドホイール65に当接された状態が維持される。
図3に示されるように、左クランクケース21Lには、ガイドホイール65とクランク軸40との間のカムチェーン63に張力を加えるカムチェーンリフタ装置70が設けられ、カムチェーン63の移動軌跡の外側よりカムチェーン63に当接して適度の緊張を与えている。
カムチェーンリフタ装置70は、支軸72によって揺動自在に枢支されているテンショナアーム71と、該テンショナアーム71の後端に当接して押しあげるオイルロック式カムチェーンリフタ74を備えている。テンショナアーム71は、左クランクケース21Lの壁体部21aのクランク軸40より上方に、支軸72によって揺動自在に枢支されている。テンショナアーム71は、支軸72の前後方向に向かって、前アーム71fと後アーム71rが延出している。
テンショナアーム71の後方斜め下方に伸びた後アーム71rの後端は、カムチェーンリフタ装置70のオイルロック式カムチェーンリフタ74のプッシュロッド75の頂部に当接し、オイルロック式カムチェーンリフタ74により上方へ付勢されている。前方に伸びた前アーム71fの前端にはテンションスプロケット73が軸支されている。テンションスプロケット73は、内燃機関20の稼働時に、駆動スプロケット45から送り出されてクランク軸40からガイドホイール65へ向かって進行するカムチェーン63に、上から押さえるようにして噛合している。
クランク軸40の駆動スプロケット45の斜め下であって、ガイドホイール65より後方でかつカムチェーン63の移動軌跡の外側に位置して、ガイドローラ67が配設されている。該ガイドローラ67は、左クランクケース21Lの壁体部21aからカムチェーン室90に突接されたガイドローラ支持軸68に、回転自在に取り付けられている。ガイドローラ67は、ガイドホイール65よりクランク軸40寄りに設けられている。ガイドローラ67は、内燃機関20の稼働時に、ガイドホイール65からクランク軸40へ向かって進行し駆動スプロケット45に引き込まれる側のカムチェーン63を、上方へ押し上げている。
図3に示されるように、カムチェーン63とガイドホイール65とが当接する点と、カムチェーン63とガイドローラ67とが当接する点との距離D2は、カムチェーン63とカムスプロケット62とが当接するカムチェーン進行方向における前端と、カムチェーン63とガイドホイール65とが当接する点の距離D3と略同一となるように、ガイドローラ67は配設されており、ガイドローラ67によりカムチェーン63の垂れ下がりが少なくなる。
図5に示されるように、ガイドホイール65とカムスプロケット62との間の、カムチェーン63の移動軌跡の外側に位置して、カムチェーン63の移動軌跡の外側から当接してガイドするカムチェーンガイド80が設けられている。該カムチェーンガイド80は、内燃機関20の稼働時に、カムスプロケット62からガイドホイール65へ進行する側のカムチェーン63に下方から当接するように配置されている。カムチェーンガイド80のチェーン進行方向における長さL1は、カム軸61とホイール支持軸66との軸間D1より短くされており、内燃機関20のシリンダ軸線Lcに直交する方向において、カムスプロケット62、ガイドローラ67との重複する部分を少なくすることができるので、内燃機関のシリンダ軸線に直交する幅が大きくなることを抑制している。
カムチェーンガイド80の説明においては、カムチェーンガイド80に当接するカムチェーン63の進行方向(カムスプロケット62からガイドホイール65への進行方向)における前方をカムチェーン進行方向前方と、カムチェーンガイド80に当接するカムチェーン63の進行方向における後方をカムチェーン進行方向後方と定義して説明する。図面ではカムチェーン進行方向を矢印で示している。
カムチェーンガイド80は、図6ないし図9に示されるように、カムチェーン63に当接するガイド面81aを有してカムチェーン63をガイドするガイド部81と、ガイド部81のカムチェーン進行方向前方寄りに、ガイド部81から略直角方向に延びて、シリンダボディ23とシリンダヘッド部24との間に支持される支持脚部82と、ガイド部81のカムチェーン進行方向後方の左右両側に突設された突起部83とを備えている。カムチェーンガイド80が内燃機関20に取り付けられた際には、支持脚部82は、ガイド部81からシリンダ軸線Lc方向と直交する方向に延びている。
ガイド部81は、カムチェーン63の進行方向に沿うように細長い形状で、その上面は側面視において、図7に示されるように、カムチェーン63の方向に突出する湾曲した弓型に形成されている。
ガイド部81のガイド面81aの幅は、図6および図8に示されるように、上面視において、カムチェーン63の進行方向と直交する方向に幅広に設けられている。ガイド部81のカムチェーン進行方向後方の一部は、他の部分に比べてさらに広いガイド幅広部81cとなっている。
ガイド面81aの左右両側にガイド面81aからカムチェーン63側へ突出したガイド突条部81bが形成されている。ガイド部81を通過するカムチェーン63は、左右両側のガイド突条部81bにより左右方向の振動が抑制される。
カムチェーンガイド80には、ガイド部81から、シリンダ軸線Lc方向と直交し、カムチェーン63の外側に向かって延びる支持脚部82が設けられている。支持脚部82のうち、ガイド部81と接続する接続部82bは、図6および図9に示されるように、ガイド部81のガイド面61aより幅狭に形成されている。接続部82bから脚部82aが、シリンダ軸線Lc方向と直交する方向に延びている。
図6に示されるように、支持脚部82の下端部82cには、カムチェーン63の進行方向と直交する方向に幅広に形成された幅広部82dが設けられている。該幅広部82dは、図6および図9に示されるように、ガイド部81の幅よりも広く、ガイド部81のガイド幅広部81cと略同じ幅に形成されている。さらに、支持脚部82の下端部82cには、図6および図7に示されるように、カムチェーン進行方向後方に延びる延出部82eが設けられている。支持脚部82の脚部82aの両側には、図6、図7および図9に示されるように、支持脚部82の延出方向に延び、支持脚部82の幅方向に向けて突出し、支持脚部82の延出方向に対して直角に切断した断面形状が略三角形状に形成されたカエシ部82hが形成されている。
カムチェーンガイド80のガイド部81のガイド幅広部81cの左右両側には、円筒形で先端が半球状に形成された突起部83が左右方向に突設されている。突起部83は、支持脚部82より、カムチェーン進行方向後方に設けられている。
ガイド面81aは、支持脚部82のカムチェーン進行方向における中心線から突起部83の方向側のカムチェーン進行方向後端81aまでの長さL2より、支持脚部82のカムチェーン進行方向における中心線から他方の端部であるカムチェーン進行方向前端81aまでの長さL3の方が短くなっている。
次に、前述のカムチェーンガイド80を保持するための保持構造について説明する。
シリンダヘッド部24のシリンダヘッド25に、図3、図11および図13に示されるように、カムチェーンガイド80の下端部82cの幅広部82dと延出部82eの形状に対応した支持脚保持部95が形成されている。支持脚保持部95は、カムスプロケット62からガイドホイール65へ送られるカムチェーン63の移動軌跡の外側に位置して、シリンダヘッド25のカムチェーン室90の底壁部90aであって、シリンダボディ23との合わせ面25bに設けられている。
支持脚保持部95は、カムチェーンガイド80の支持脚部82の下端部82cの幅広部82dおよび延出部82eが挿入される支持脚下端部挿入穴95aと、幅広部82dおよび延出部82eを保持する保持突部95bと、脚部82aが挿通される脚部挿通部95cから構成されている。
支持脚下端部挿入穴95aと脚部挿通部95cは、シリンダヘッド25のシリンダボディ23との合わせ面25bからカムチェーン進行方向後方に向かって窪んだ形状に形成され、支持脚下端部挿入穴95aには、カムチェーンガイド80の支持脚部82の下端部82cの幅広部82dおよび延出部82eが嵌入され、脚部挿通部95cは、下端部82cからガイド部へ延びる脚部82aの下部が挿通されるようになっている。脚部挿通孔95cの幅は、カムチェーンガイド80の支持脚部82のカエシ部82hの幅方向の一方端から他方端までの長さと、略同じ長さに設定されており、支持脚挿通部95cにカムチェーンガイド80の支持脚部82が挿入された際に、カエシ部82hの左右両端が支持脚保持部95cの壁に当接して、カムチェーンガイド80の仮止めの際に支持脚部82が抜けにくくなるので、カムチェーンガイド80のシリンダヘッド部24への仮組が容易に行えるようになっている。
シリンダヘッド25とシリンダボディ23とを一体に結合する前に、カムチェーンガイド80の支持脚部82をシリンダヘッド25の支持脚保持部95に嵌合させて保持させて、カムチェーンガイド80はシリンダヘッド25に仮止めされる。この際、図13に示されるように、カムチェーンガイド80の支持脚部82のカムチェーン進行方向前端面82gは、シリンダヘッド25の合わせ面25bと面一になるように形成されている。カムチェーンガイド80がシリンダヘッド25に仮止めされた後、シリンダヘッド25とシリンダボディ23とをスタッドボルト33で一体に締結すると、カムチェーンガイド80の支持脚部82はカムチェーン室90の底壁部90aに支持され、カムチェーンガイド80は、シリンダヘッド25とシリンダボディ23の間で保持される。
シリンダヘッド25には、図14および図15に示されるように、カムチェーンガイド80の左右の突起部83を摺動可能に支持する一対の突起受け部96が設けられている。なお、図15では溝部98の形状を理解しやすいように、カムチェーンガイド80を仮想線で示している。
突起受け部96は、図10に示されるように、カムチェーン室90の底壁部90aの左右両側から上方に向かって立ち上がる一対の側壁部90bのそれぞれに形成されている。一対の側壁部92bのそれぞれの壁面からは、カムチェーン室90の内側に向かって突壁部97が突出している。該突壁部97に溝部98が形成され、カムチェーンガイド80の突起部83は溝部98に摺動可能に支持される。
溝部98は、図14および図15に示されるように、カムチェーン63の進行方向における前後方向と略同じ方向に向かって長い矩形状に形成されている。
溝部98のカムチェーン進行方向に対して直角に切断した形状は、図10および図12に示されるように、カムチェーンガイド80の突起部83をカムチェーン進行方向に対して直角に切断した形状と略同じ形状に形成されている。溝部98の大きさは、突起部83の断面形状よりも少し大きく設定されており、カムチェーンガイド80の突起部83は、溝部98内を摺動することができるようになっている。
図12、図14および図15に示されるように、溝部98のカムチェーン進行方向後端98bは、カムチェーン室90の幅が広く形成された幅広部90cと連通されており、突起部83は、カムチェーン室90の幅広部90cから、溝部98のカムチェーン進行方向後端98bを通って溝部98に挿入される。溝部98のカムチェーン進行方向前端98aは突壁部97により閉塞されており、カムチェーンガイド80が、カムチェーン進行方向前方に向かって、突起部83がカムチェーン進行方向前端98aまで移動すると、それ以上カムチェーン進行方向前方に移動することがない。
カムチェーンガイド80が内燃機関20に保持された状態における、カムチェーンガイド80と、シリンダヘッド25と、シリンダヘッド25に設けられた支持脚保持部95と、シリンダヘッド25に設けられた突起受け部96の溝部98との位置関係は、以下のように設定されている。
図15に示されるように、シリンダヘッド25の突起受け部96の溝部98のカムチェーン進行方向後端98bから、支持脚保持部95のカムチェーン進行方向後端95dまでの長さAは、カムチェーンガイド80の突起部83のカムチェーン進行方向前端83aから、支持脚部82のカムチェーン進行方向後端82fまでの長さBより長く設定されている。
さらに、カムチェーンガイド80の突起部83のカムチェーン進行方向前端83aから、支持脚部82のカムチェーン進行方向後端82fまでの長さBは、シリンダヘッド部24における溝部98のカムチェーン進行方向前端96aから、カムチェーンガイド80の近傍におけるシリンダヘッド25のシリンダボディ23との合わせ面25bまでの長さCより長く設定されている。
カムチェーンガイド80は、シリンダヘッド25がシリンダボディ23にスタッドボルト33で一体に締結される前に、予めシリンダヘッド25に以下のように仮止めされる。
まず、カムチェーンガイド80の左右両側に設けられた突起部83を、カムチェーン室90の幅広部90cに入れ、該幅広部90cから、カムチェーン室90の両側壁部90bに設けられた突起受け部96の溝部98のカムチェーン進行方向後端98bから、溝部98内に挿入し、カムチェーンガイド80のガイド面61aのカムチェーン進行方向前端81a側を若干上に持ち上げて、突起部83を溝部98内でカムチェーン進行方向前方に向かってスライドさせて、カムチェーンガイド80をカムチェーン進行方向前方に向かって移動させる。
カムチェーンガイド80を、カムチェーン進行方向前方に向かって、溝部98の長手方向の長さ分移動させると、突起部83は溝部98の閉塞されたカムチェーン進行方向前端98aに当接して、カムチェーンガイド80のカムチェーン進行方向前方への移動が規制される。
このとき、カムチェーンガイド80の突起部83のカムチェーン進行方向前端83aから、支持脚部82のカムチェーン進行方向後端82fまでの長さBは、シリンダヘッド部24における溝部98のカムチェーン進行方向前端96aから、カムチェーンガイド80の近傍におけるシリンダヘッド25のシリンダボディ23との合わせ面25bまでの長さCより長く設定されているので、カムチェーンガイド80を、突起部83が溝部98のカムチェーン進行方向前端98aまで移動させれば、支持脚部82のカムチェーン進行方向後端82fは、シリンダヘッド25のシリンダボディ23との合わせ面25bよりもカムチェーン進行方向前方に位置される。よってカムチェーンガイド80の支持脚部82を、シリンダヘッド25の支持脚保持部95の近傍に移動することができる。
その後、カムチェーンガイド80を、カムチェーン進行方向前端81a側を下げつつ、支持脚部82の幅広部82dと延出部82eを、支持脚保持部95の支持脚下端部挿入穴95aに挿入するまで、カムチェーンガイド進行方向後方に向かって移動すると、カムチェーンガイドの支持脚部82は支持脚保持部95により支持されて、カムチェーンガイド80はシリンダヘッド25に仮止めされる。
この際、シリンダヘッド25の突起受け部96の溝部98のカムチェーン進行方向後端98bから、支持脚保持部95のカムチェーン進行方向後端95dまでの長さAは、カムチェーンガイド80の突起部83のカムチェーン進行方向前端83aから、支持脚部82のカムチェーン進行方向後端82fまでの長さBより長く設定されているので、カムチェーンガイド80の突起部83が、溝部98のカムチェーン進行方向後端98bから外れることがなく、突起部83は突起受け部96に支持された状態となる。
その後、シリンダヘッド25はシリンダボディ23に当接されて、スタッドボルト33により一体に締結される。シリンダヘッド25の支持脚下端部挿入穴95aに嵌入されたカムチェーンガイド80は、カムチェーンガイド進行方向前方からシリンダボディ23が当接され移動が規制され、カムチェーンガイド80は、シリンダヘッド25とシリンダボディ23との間に保持され、カムチェーンガイド80を固定するための締結部材が不要となる。
図3および図11に示されるように、カムチェーン室90は底壁部90aと、底壁部90aに上方の略垂直な方向に延びる一対の側壁部90bとにより、シリンダヘッド部24からクランクケース21に戻すための油路91が構成されている。カムチェーン室90の底壁部90aに、カムチェーンガイド80の支持脚部82が支持されている。図11に示されるように、カムチェーンガイド80は、前述したように、ガイド部81より支持脚部82の方が、幅が狭くされており、支持脚部82は、側壁部90bとの間に隙間92が設けられており、該隙間92が油路91の一部となってので、シリンダヘッド部24からのエンジンオイルを戻す油の流れが、カムチェーンガイド80により阻害されることなく、エンジンオイルをクランクケース21へ流すことができる。
本発明の一実施の形態の内燃機関20は、前記したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
本実施の形態の内燃機関20は、シリンダヘッド部24と、シリンダボディ23と、クランクケース21を備え、クランクケース21に回転自在に支持されるクランク軸40と、シリンダヘッド部24内において動弁機構60を駆動するカム軸61と、クランク軸40と一体に回転される駆動スプロケット45と、カム軸61と一体に回転されるカムスプロケット62と、駆動スプロケット45とカムスプロケット62との間に巻き掛けられ、クランク軸40の動力をカム軸61に伝えるカムチェーン63と、カムチェーン63の環状の移動軌跡の内側に位置してカム軸61とクランク軸40との間に設けられ、カムチェーン63と接するガイドホイール65と、ガイドホイール65とクランク軸40との間で、カムチェーン63の移動軌跡の外側からカムチェーン63に当接して、カムチェーン63に張力を加えるカムチェーンリフタ装置70とを備えており、ガイドホイール65とカムスプロケット62との間で、カムチェーン63に当接して、カムチェーン63をガイドするカムチェーンガイド80が設けられている。
本実施の形態の内燃機関20は、カムスプロケット62とガイドホイール65との間で、カムチェーン63の移動軌跡の外側からカムチェーン63に当接して、カムチェーン63をガイドするカムチェーンガイド80を設けることで、ガイドホイール65にカムチェーン63が当接している状態を維持しやすくなり、内燃機関20の稼働中のカムチェーン63が上下若しくは左右に振動することを抑制することができ、カムチェーン63が他の部材に接触する打音を低減できる。さらに、ガイドホイール65にカムチェーン63が当接している状態を維持しやすくなるので、ガイドホイール65の外周をカムチェーン63を振動したカムチェーン63が叩くことでガイドホイールの外周が削られてしまうことが発生しにくくなり、ガイドホイール65が削られることを抑制して、ガイドホイール65の耐久性を向上させることができる。
また、駆動スプロケット45とカムスプロケット62には、環状のカムチェーン63の両端部が巻き掛けられているので、駆動スプロケット45とカムスプロケット62にはカムチェーン63の張力がかかり、駆動スプロケット45とカムスプロケット62に対してカムチェーン63が相対移動することは少ないが、ガイドホイール65に当接するカムチェーン63にかかる張力は比較的少なく、ガイドホイール65に対してカムチェーン63が相対的に移動してしまう状態が多かった。しかし、本実施の形態では、内燃機関20の稼働時に、カムチェーン63が駆動スプロケット45からガイドホイール65へ進行する領域において、カムチェーンリフタ装置70がカムチェーン63に当接し、カムチェーン63がカムスプロケット62からガイドホイール65へ進行する領域において、カムチェーンガイド80がカムチェーン63に当接するので、ガイドホイール65に当接する際のカムチェーン63に張力を加え、カムチェーン63からガイドホイール65への押圧力を大きくすることができるので、ガイドホイール65との相対移動が低減する。
さらに、ガイドホイール65がカムチェーン63をカムチェーン63の移動軌跡の外側に向かって押圧するようなガイドホイール65の外径および配置にされているので、内燃機関20の振動によりカムチェーン63に揺れが発生し場合や、経年によりカムチェーン63が延びた場合でも、カムチェーン63がガイドホイール65に当接された状態を維持しやすくなる。
また、ガイドホイール65を支持するホイール支持軸66を、シリンダボディ23に設け、カムチェーンガイド80のカムチェーン進行方向における長さを、カム軸61とホイール支持軸66との軸間より短くしているので、シリンダ軸線Lcに直交する方向において、カムチェーンガイド80と、カムスプロケット62、ガイドホイール65との重複する部分が少なくなり、内燃機関20のシリンダ軸線Lcに直交する幅を抑制することができる。
さらにまた、カムチェーンガイド80は、シリンダ軸線Lc方向と直交する方向に延びる支持脚部82を備え、支持脚部82を、シリンダボディ23とシリンダヘッド25の間に保持されているので、カムチェーンガイド80を内燃機関20に締結する締結部材を削減して、製造コストを低減することができる。
また、内燃機関20は、内燃機関20のシリンダ軸線Lcが略水平になるように、自動二輪車に搭載され、内燃機関20は、シリンダヘッド部24と、シリンダボディ23と、クランクケース21を連通するカムチェーン室90を有し、カムチェーン室90は、カム軸61方向に直交するようにシリンダヘッド部24からクランクケース21まで延びる底壁部90aと、底壁部90aから上方に延びる一対の側壁部90bとを備え、カムチェーン室90の底壁部90aと側壁部90bにより、シリンダヘッド部24におけるエンジンオイルをクランクケース21に戻す油路91を構成して、支持脚部82は、側壁部90bとの間に油路91の一部となる隙間92を設けるように、シリンダヘッド部24のカムチェーン室90の底壁部90aに支持されているので、支持脚部82と側壁部90bとの間に隙間92を設けて油路91の一部とすることで、シリンダヘッド部24からのエンジンオイルを戻す油の流れを阻害することなく、エンジンオイルをクランクケース21へ流すことができる。
さらに、カムチェーン63のガイド面81aが幅広に設けられることで、カムチェーン63に直交する方向におけるカムチェーン63の動きを低減することができる。また、ガイド面81aを幅広に設けても、支持脚部82の接続部82bを幅狭にすることで、シリンダヘッド部24からエンジンオイルを戻す油路91の流れを阻害することが低減される。
また、支持脚部82の下端にカムチェーン63の進行方向と直交する方向に幅広に形成された幅広部82dを設け、カムチェーン63の進行方向後方に延びる延出部82eを設け、シリンダヘッド部のシリンダボディ23との合わせ面に、カムチェーンガイド80の幅広部82dと前記延出部82eに対応した形状の支持脚保持部95が設けられることで、カムチェーンガイド80の幅広部82dと延出部82eを、シリンダヘッド部の支持脚保持部95に嵌合して、カムチェーンガイド80を予めシリンダヘッド部に仮止めすることができるので、カムチェーンガイド80の組付け作業が容易になる。
さらにまた、支持脚部82の下端部82cにカムチェーン63の進行方向と直交する方向に幅広に形成された幅広部82dを設けたことにより、カムチェーンガイド80の左右方向の安定性が増大し、カムチェーン63の左右方向の揺動を低減することができる。カムチェーン63の進行方向後方に延びる延出部82eを設けたことにより、カムチェーン63がガイド面81aに触れる際に生じるガイド面81aの接続部82bを中心としたトルクの発生によるカムチェーンガイド80の長手方向の一方が下がり他方が上がる回動を低減することができる。
また、カムチェーンガイド80に突起部83を設け、シリンダヘッド部に突起部83を受ける突起受け部96を設けることで、チェーンガイドを容易かつ強固に支持することができる。
さらに、突起受け部96が、突起部83をカムチェーン63の進行方向に摺動可能に支持するように設けられ、シリンダヘッド部24における溝部98のカムチェーン進行方向後端98bから、支持脚保持部95のカムチェーン進行方向後端95dまでの長さAが、カムチェーンガイド80の突起部83のカムチェーン進行方向前端83aから、支持脚部82のカムチェーン進行方向後端82fまでの長さBより長いので、カムチェーンガイド80の突起部83を、シリンダヘッドの突起受け部96の溝部98のカムチェーン進行方向後端98bから溝部98に嵌め込んで、カムチェーンガイド80をカムチェーン進行方向に摺動して、シリンダヘッド25の支持脚保持部95にカムチェーンガイド80の支持脚部82を嵌めた際に、突起受け部96から突起部83が外れることがない。
さらに、カムチェーンガイド80の突起部83のカムチェーン進行方向前端83aから、支持脚部82のカムチェーン進行方向後端82fまでの長さBは、シリンダヘッド25における突起受け部96の溝部カムチェーン進行方向前端から、カムチェーンガイド80の近傍におけるシリンダヘッド部のクランクケース21との割面までの長さより長いので、カムチェーンガイド80の突起部83を、シリンダヘッドの突起受け部96の溝部98のカムチェーン進行方向後端98bから溝部98に嵌め込んで、カムチェーンガイド80をカムチェーン進行方向に摺動して、カムチェーンガイド80の突起部83を溝部98のカムチェーン進行方向の最前端まで摺動すると、カムチェーンガイド80の支持脚部82のカムチェーン進行方向後端は、シリンダヘッド部のクランクケース21の合わせ面よりカムチェーン進行方向前方に位置する。
このように配置されているので、カムチェーンガイド80の支持脚部82をシリンダヘッド部の支持脚保持部95近傍に移動し、カムチェーンガイド80をカムチェーン進行方向後方に移動して、支持脚部82の幅広部82dと延出部82eを支持脚保持部95に嵌め込んで仮止めした後、シリンダヘッド部とシリンダボディ23とを一体に固定することで、カムチェーンガイド80を保持することができ、カムチェーンガイド80を取り付ける締結部材を削減して、シリンダヘッド部とシリンダボディ23とでもってカムチェーンガイド80を保持させることができる。
カムチェーンガイド80の突起部83は、支持脚部82よりカムチェーン進行方向後方に設けられ、ガイド面81aが、支持脚部82から突起部83側のカムチェーン進行方向後端81aまでの長さL2が、支持脚部82から他方の端部のカムチェーン進行方向前端81aまでの長さL3より長くされている。また、突起部83は突起受け部96に摺動可能に支持されているため、突起部83と突起受け部96の溝部98との間に若干の隙間が設けられており、カムチェーン63とカムチェーンガイド80が当接した際に、カムチェーンガイド80に突起部83を中心として回動させるトルクが発生する。しかし、突起部83を支持脚部82のカムチェーン進行方向後方に設けることで、発生したトルクを支持脚部82にて受けることができるので、カムチェーンガイド80の突起部83を中心とした回動を抑制することができる。
また前記ガイド面81aは、支持脚部82から突起部83側のカムチェーン進行方向後端81aまでの長さL2が、支持脚部82から他方の端部のカムチェーン進行方向前端81aまでの長さL3より長いので、カムチェーン63からの力を受ける支持脚部82から突起部83までの間を長くすることができ、カムチェーン63が当接されるガイド面81aの全体を長くすることができる。
さらに、カムスプロケット62からクランク軸40へ進行するカムチェーン63において、ガイドホイール65とクランク軸40との間のカムチェーン63に、カムチェーン63の移動軌跡の外側から当接するガイドローラ67を、ガイドホイール65よりクランク軸40寄りに設け、カムチェーン63とガイドホイール65とが当接する点と、カムチェーン63とガイドローラとが当接する点との距離D2は、カムチェーン63とカムスプロケット62とが当接するカムチェーン進行方向前端と、カムチェーン63とガイドホイール65とが当接する点の距離D3と略同一とされているので、カムスプロケット62と駆動スプロケット45との間のカムチェーン63は重力の影響を受け垂れるため、ガイドローラをクランク軸寄りに設けることで、駆動スプロケット45へカムチェーン63を確実に当接させることができ、カムチェーン63がガイドローラとガイドホイール65とが当接する箇所と、カムチェーン63がカムスプロケット62と当接している箇所を等間隔に設けることで、カムチェーン63の垂れ下がりを少なくして支持することができる。
本実施の形態の内燃機関では、カムチェーンガイド80の支持脚部82は、シリンダヘッド部24のカムチェーン室90の底壁部90aに支持されていたが、カムチェーン室90の側壁部90bに支持されてもよい。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。また、本発明の内燃機関20は、自動二輪車に限定されず他種の鞍乗型車両にも幅広く適用することができる。
A…長さ、B…長さ、C…長さ、D1…軸間、D2…距離、D3…距離、Lc…シリンダ軸線、L1…長さ、L2…長さ、L3…長さ、
1…自動二輪車、
20…内燃機関、21…クランクケース、23…シリンダボディ、24…シリンダヘッド部、25…シリンダヘッド、25b…合わせ面、26…シリンダヘッドカバー、
40…クランク軸、45…駆動スプロケット、
60…動弁機構、61…カム軸、62…カムスプロケット、63…カムチェーン、65…ガイドホイール、66…ホイール支持軸、67…ガイドローラ、68…ガイドローラ支持軸、
70…カムチェーンリフタ装置、
80…カムチェーンガイド、81…ガイド部、81a…ガイド面、81a…カムチェーン進行方向後端、81a…カムチェーン進行方向前端、82…支持脚部、82a…脚部、82b…接続部、82c…下端部、82d…幅広部、82e…延出部、82f…カムチェーン進行方向後端、82g…カムチェーン進行方向前端面、83…突起部、83a…カムチェーン進行方向前端,
90…カムチェーン室、90a…底壁部、90b…側壁部、91…油路、92…隙間、95…支持脚保持部、95d…カムチェーン進行方向後端、96…突起受け部、98…溝部、98a…カムチェーン進行方向前端、98b…カムチェーン進行方向後端。

Claims (13)

  1. シリンダヘッド部(24)と、シリンダボディ(23)と、クランクケース(21)を備える内燃機関(20)であって、
    前記クランクケース(21)に回転自在に支持されるクランク軸(40)と、
    前記シリンダヘッド部(24)内において動弁機構(60)を駆動するカム軸(61)と、
    前記クランク軸と一体に回転される駆動スプロケット(45)と、
    前記カム軸(61)と一体に回転されるカムスプロケット(62)と、
    前記駆動スプロケット(45)と前記カムスプロケット(62)との間に巻き掛けられ、前記クランク軸(40)の動力を前記カム軸(61)に伝えるカムチェーン(63)と、
    前記カムチェーン(63)の環状の移動軌跡の内側に位置して、前記カム軸(61)と前記クランク軸(40)との間に設けられ、前記カムチェーン(63)と接するガイドホイール(65)と、
    前記カムチェーン(63)の移動軌跡の外側に位置して、前記ガイドホイール(65)と前記クランク軸(40)との間で、前記カムチェーン(63)の移動軌跡の外側から前記カムチェーン(63)に当接して、前記カムチェーン(63)に張力を加えるカムチェーンリフタ(70)とを備えた内燃機関(20)において、
    前記ガイドホイール(65)と前記カムスプロケット(62)との間で、前記カムチェーン(63)に当接して、前記カムチェーン(63)をガイドするカムチェーンガイド(80)を設けたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記内燃機関(20)の稼働時に、
    前記カムチェーンリフタ(70)は、前記カムチェーン(63)が前記駆動スプロケット(45)から前記ガイドホイール(65)へ進行する領域において、前記カムチェーン(63)に当接し、
    前記カムチェーンガイド(80)は、前記カムチェーン(63)が前記カムスプロケット(62)から前記ガイドホイール(65)へ進行する領域において、前記カムチェーン(63)に当接することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記ガイドホイール(65)は、前記カムチェーン(63)を、前記カムチェーン(63)の移動軌跡の外側に向けて押圧するような外径および配置にされていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記ガイドホイール(65)を支持するホイール支持軸(66)が、前記シリンダボディ(23)に設けられ、
    前記カムチェーンガイド(80)のチェーン進行方向における長さ(L1)は、前記カム軸(61)と前記ホイール支持軸(66)との軸間(D1)より短いことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の内燃機関。
  5. 前記カムチェーンガイド(80)は、シリンダ軸線(Lc)方向と直交する方向に延びる支持脚部(82)を備え、
    前記支持脚部(82)は、前記シリンダボディ(23)と前記シリンダヘッド部(24)の間に、保持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の内燃機関。
  6. 前記内燃機関(20)は、前記内燃機関(20)のシリンダ軸線(Lc)が略水平になるように、鞍乗り型車両に搭載され、
    前記内燃機関(20)は、前記シリンダヘッド部(24)と、前記シリンダボディ(23)と、前記クランクケース(21)を連通するカムチェーン室(90)を有し、
    前記カムチェーン室(90)は、前記カム軸(61)方向に直交するように前記シリンダヘッド部(24)から前記クランクケース(21)まで延びる底壁部(90a)と、前記底壁部(90a)から上方に延びる一対の側壁部(90b)とを備え、
    前記カムチェーン室(90)の前記底壁部(90a)と前記側壁部(90b)により、前記シリンダヘッド部(24)におけるエンジンオイルを前記クランクケース(21)に戻す油路(91)が構成され、
    前記支持脚部(82)は、前記側壁部(90b)との間に前記油路(91)の一部となる隙間(92)を設けるように、前記シリンダヘッド部(24)に支持されることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
  7. 前記カムチェーンガイド(80)は、前記カムチェーン(63)に当接するガイド面(81a)を有するガイド部(81)を備え、
    前記カムチェーン(63)の進行方向と直交する方向に、前記ガイド面(81a)は幅広に設けられ、
    前記支持脚部(82)のうち、前記ガイド部(81)と接続する接続部(82b)は、前記ガイド面(81a)より幅狭にされ、
    前記支持脚部(82)の下端(82c)に、前記カムチェーン(63)の進行方向と直交する方向に幅広に形成された幅広部(82d)が設けられるとともに、前記カムチェーン(63)の進行方向後方に延びる延出部(82e)が設けられ、
    前記シリンダヘッド部(24)の前記シリンダボディ(23)との合わせ面(25b)に、前記カムチェーンガイド(80)の前記幅広部(82d)と前記延出部(82e)に対応した形状の支持脚保持部(95)が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関。
  8. 前記カムチェーンガイド(80)には、前記カムチェーン(63)の進行方向に直交する方向に延びる突起部(83)が設けられ、
    前記シリンダヘッド部(24)には、前記突起部(83)を支持する突起受け部(96)が設けられ、
    前記突起受け部(96)には、前記突起部(83)を摺動可能に支持する溝部が形成され、
    前記突起部(83)が挿入される前記溝部(98)は、カムチェーン進行方向後端(98b)へ向けて開口し、
    前記シリンダヘッド部(24)における前記溝部(98)のカムチェーン進行方向後端(98b)から、前記支持脚保持部(95)のカムチェーン進行方向後端(95d)までの長さ(A)は、
    前記カムチェーンガイド(80)の前記突起部(83)のカムチェーン進行方向前端(83a)から、前記支持脚部(82)のカムチェーン進行方向後端(82f)までの長さ(B)より長く、
    前記カムチェーンガイド(80)の前記突起部(83)の前記カムチェーン進行方向前端(83a)から、前記支持脚部(82)の前記カムチェーン進行方向後端(82f)までの長さ(B)は、
    前記シリンダヘッド部(24)における前記溝部(98)のカムチェーン進行方向前端(98a)から、カムチェーンガイド(80)の近傍における前記シリンダヘッド部(24)のシリンダボディ(23)との合わせ面(25b)までの長さ(C)より長いことを特徴とする請求項7に記載の内燃機関。
  9. 前記カムチェーンガイド(80)の前記突起部(83)は、前記支持脚部(82)よりカムチェーン進行方向後方に設けられ、
    前記ガイド面(81a)は、前記支持脚部(82)から前記突起部(83)側のカムチェーン進行方向後端(81a)までの長さ(L2)が、前記支持脚部(82)から他方の端部のカムチェーン進行方向前端(81a)までの長さ(L3)より長いことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関。
  10. 前記カムスプロケット(62)から前記クランク軸(40)へ進行するカムチェーン(63)において、
    前記ガイドホイール(65)から前記クランク軸(40)の間の前記カムチェーン(63)に、前記カムチェーン(63)の移動軌跡の外側から当接するガイドローラ(67)を、前記ガイドホイール(65)より前記クランク軸(40)寄りに設け、
    前記カムチェーン(63)と前記ガイドホイール(65)とが当接する点と、前記カムチェーン(63)と前記ガイドローラ(67)とが当接する点との距離(D2)は、
    前記カムチェーン(63)と前記カムスプロケット(62)とが当接するカムチェーン進行方向前端と、前記カムチェーン(63)と前記ガイドホイール(65)とが当接する点の距離(D3)と略同一となることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の内燃機関。
  11. 前記カムチェーンガイド(80)は、前記カムチェーンガイド(80)の左右両側に設けられた突起部(83)により、前記シリンダヘッド部(24)に摺動可能に支持されることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の内燃機関。
  12. 前記カムチェーンガイド(80)は、シリンダ軸線(Lc)方向と直交する方向に延びる支持脚部(82)を備え、
    前記支持脚部(82)は、前記シリンダボディ(23)に設けられた油路(91)の一部の壁面を構成することを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の内燃機関。
  13. 前記カムチェーンガイド(80)には、前記カムチェーン(63)の進行方向に沿って、前記カムチェーン(63)側へ突出したガイド突条部(81b)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の内燃機関。
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