JP6495060B2 - 筒内噴射式内燃機関 - Google Patents
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Description
しかし、吸気弁の開閉操作と排気弁の開閉操作を1本のカムシャフトで行うSOHC式であって、1つの吸気弁と2つの排気弁を備える3弁式の筒内噴射式内燃機関に上記のようなレイアウトを採用しようとすると、燃料噴射弁と動弁機構とが干渉してしまうため、異なるレイアウトをとる必要がある。
また、シリンダヘッドには、1つだけ設けられた吸気弁に向かう吸気ポートが形成され、燃料噴射弁が吸気ポートと隣接して取付けられ、シリンダ軸線方向視において、それらがシリンダ軸線を挟んで略平行に並べて配列されるとともに、燃料噴射弁と吸気ポートとが、カムシャフトの軸線方向視で一部が重なるので、筒内噴射式内燃機関が幅方向に拡大するのを抑制することができるとともに、燃料噴射弁と吸気ポートの好ましい配置が得られる。
特許請求の範囲および本明細書の説明における前後左右上下等の向きは、本実施形態の筒内噴射式内燃機関を備えたパワーユニットを搭載した車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は鞍乗型車両、具体的には自動二輪車である。
図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
以上の点は、後述の本発明の実施形態2において同様である。
自動二輪車1の車体フレーム2は、車両の前部に位置するヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20の後方から下方やや斜め後に延出する一本のダウンチューブ21と、ダウンチューブ21の下部の側面に一端が接続され、他端が後方に向けて延出された後に後方斜め上に向けて屈曲する一対のメインパイプ22と、メインパイプ22の他端に接続され、後方斜め上に向けて延出される一対のシートフレーム23とを備えている。
なお、特許請求の範囲および本明細書において、「水平方向に傾斜」とは、車両側面視でシリンダ軸線Cが、水平方向に対して−30度から30度程度の範囲の角度で交差する状態を言う。
シリンダヘッド34の下部には排気管74が延出して後方に湾曲し、排気マフラー75に接続している。
図2に示されるように、シリンダヘッド34には、シリンダブロック33のシリンダボア33a中のピストン45の頂部に臨ませて燃焼室36が形成されるとともに、燃焼室36を覆う燃焼室天井壁37の上方に間隙を空けて動弁機構収容室底壁39cが形成され、その上方に画成される動弁機構収容室60内にはカムシャフトホルダ39が形成され、吸気弁42iおよび排気弁42e(図4参照)の開閉操作を行う動弁機構6が備えられる。
カムシャフトホルダ39は、動弁機構収容室底壁39cから前方に向けて、クランク軸41(図1参照)と平行な軸線を有するカムシャフト61の軸線に沿う方向に間隔をあけた位置に配置される一対の左シャフト支持部39a、右シャフト支持部39bが一体に立設形成されたもので、カムシャフト61は、左右のシャフト支持部39a、39bに左右のボールベアリング69A、69Bを介して回転自在に支承される。
燃焼室36に臨む燃焼室天井壁37を有するシリンダヘッド34には、図2中III−III矢視によるシリンダヘッド34の下面図である図3に示されるように、燃焼室天井壁37に開口する1つの吸気弁口40iと2つの排気弁口40eが設けられ、それぞれに吸気弁42iと排気弁42eが配設される。
すなわち左右水平方向に指向したカムシャフト61の右端に嵌着されたカムチェーン被動スプロケット67と、クランク軸41に嵌着された図示しないカムチェーン駆動スプロケットとの間にカムチェーン65がカムチェーン室66内を通って架渡されている。
なお、カムチェーン65は、歯付きベルト等同期伝動可能な他の無端伝動帯であってもよい。
しかして、吸気側ロッカアーム62iは、回転するカムシャフト61の吸気側カム64iに従い揺動し、吸気弁42iを所定のタイミングで開閉動作させ、排気側ロッカアーム62eは、回転するカムシャフト61の排気側カム64eに従い揺動し、排気弁42eを所定のタイミングで開閉動作させる。
また、筒内噴射用の燃料噴射弁8がノズル端部8aを燃焼室36に臨ませて、点火プラグ9が着火用電極9aを燃焼室36に臨ませて備えられる。
なお、本実施形態では、カムシャフト61の軸線Xは、シリンダ軸線C方向視で、燃焼室36の中心Oを通るので、直線X′は軸線Xと一致している。
そのため、燃料噴射弁8と点火プラグ9が互いに干渉するのを防がれている。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「中心」、直線間の「平行」、「直交」とは、数理的に厳密なものに限らず、装置の構造の実用上許容される範囲の幅を含むものとする。
また、その隣合う前述の残余の領域には、燃料噴射弁8がその軸線Aをカムシャフト61の軸線Xと直交して、ノズル端部8aと反対側を上方に向けて取付けられている。
そのため、内燃機関4が幅方向に拡大するのが抑制されている。
すなわち、カムシャフト61の軸線X方向視において、燃料噴射弁8が、カムシャフト61を収容する動弁機構収容室60の側方から傾斜されて配置されているので、燃焼室36上方にカムシャフト61を配置したSOHC式の内燃機関4であっても、効率よく配置できて、内燃機関4の小型化が図られている。
そのため、シリンダヘッド34に取付けられた燃料噴射弁8は、隣合う吸気ポート43iの周囲のシリンダヘッド34およびヘッドカバー35の上方への膨出部38によって、上方からの衝撃に対して保護されることになる。
すなわち、カムシャフト61の軸線Xに沿った断面内において、点火プラグ9が、カムシャフト61を収容する動弁機構収容室60の側方から傾斜されて配置されているので、燃焼室36上方に1本のカムシャフト61を配置したSOHC式の内燃機関4であっても、効率の良い配置ができて、内燃機関4の小型化が図られている。
本実施形態1は、1つの吸気弁42iと2つの排気弁42eとを備えた3弁式の内燃機関4であって、1つの吸気弁42iと2つの弁排気弁42eのうち、吸気弁42iの方を天側に配置した。
シリンダヘッド34の天側は乗員用シート15等で覆われるため、吸気弁42iに連なる吸気ポート43iと並んで天側に燃料噴射弁8を配置すれば、燃料噴射弁8をより好ましく保護でき、または、吸気弁42iに連なる吸気ポート43iと並んで天側に点火プラグ9を配置すれば、点火プラグ9をより好ましく保護できるものとなる。
実施形態2は、内燃機関4が自動二輪車(本発明における「車両」)1に搭載時、そのシリンダ軸線Cを鉛直方向に沿ってやや前傾して配置されるものである点が実施形態1の内燃機関4と異なるだけで、3弁式の構造、燃料噴射弁8と点火プラグ9の配置構造は同様であり、本発明に係り機能的に同様な部位には同じ符号を付して、説明を省略する。
また、図2から図5も参照して、クランク軸41は車幅方向に配向され、よってカムシャフト61も車幅方向に配向されている。したがって吸気弁42iは、カムシャフト61の軸線Xと直交方向で吸気ポート43i側、すなわち後側に配置され、排気弁42eは、カムシャフト61と直交方向で排気ポート43e側、すなわち前側に配置される。
したがって、本実施形態2は、1つの吸気弁42iと2つの排気弁42eとを備えた3弁式の内燃機関4であって、1つの吸気弁42iと2つの排気弁42eのうち、吸気弁42iの方を後側に配置したので、シリンダヘッド34の後側はエアクリーナ装置72等で覆われるため、吸気弁42iに連なる吸気ポート43iと並んで後側に燃料噴射弁8を配置すれば、燃料噴射弁8をより好ましく保護でき、または、吸気弁42iに連なる吸気ポート43iと並んで後側に点火プラグ9を配置すれば、点火プラグ9をより好ましく保護できるものとなる。
例えば、本発明の筒内噴射式内燃機関は、請求項1の要件を備える筒内噴射式内燃機関であればよい。
また、各機器の左右の配置は、説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものであってもよく、本発明に含まれる。
Claims (6)
- シリンダヘッド(34)にシリンダブロック(33)に臨む燃焼室(36)が形成されるとともに、同燃焼室(36)の吸気弁(42i)および排気弁(42e)の開閉操作を行う動弁機構(6)が備えられ、
前記吸気弁(42i)の開閉操作と前記排気弁(42e)の開閉操作を1本のカムシャフト(61)によって行うSOHC式の内燃機関であって、
1つの吸気弁(42i)と2つの排気弁(42e)を備える3弁式に構成され、
シリンダ軸線(C)方向視において、前記燃焼室(36)を、同燃焼室(36)の中心を通りカムシャフト(61)の軸線(X)と平行な直線(X′)と、それと同燃焼室(36)の中心(O)で直交する直線(Y)とによって4つの領域に区画し、前記吸気弁(42i)および前記排気弁(42e)は前記4つの領域のうちの3つにそれぞれ配置され、
ノズル端部(8a)を前記燃焼室(36)に臨ませた筒内噴射用の燃料噴射弁(8)と、着火用電極(9a)を前記燃焼室(36)に臨ませた点火プラグ(9)を備えた筒内噴射式内燃機関(4)において、
前記燃料噴射弁(8)のノズル端部(8a)が前記4つの領域のうちの残余の領域に配置され、
前記シリンダヘッド(34)には、1つだけ設けられた前記吸気弁(42i)に向かう吸気ポート(43i)が形成され、
前記燃料噴射弁(8)が前記吸気ポート(42i)と隣接して取付けられ、シリンダ軸線(C)方向視において、それらがシリンダ軸線(C)を挟んで略平行に並べて配列されるとともに、
前記燃料噴射弁(8)と前記吸気ポート(42i)とが、カムシャフト(61)の軸線(X)方向視で一部が重なることを特徴とする筒内噴射式内燃機関。 - シリンダ軸線(C)方向視において、前記燃料噴射弁(8)は軸線(A)をカムシャフト(61)の軸線(X)と直交し、前記点火プラグ(9)は軸線(B)をカムシャフト(61)の軸線(X)に沿うようにして同点火プラグ(9)の着火用電極(9a)が前記燃焼室(36)の中心(O)に配置され、互いにその軸線(A,B)を直交して配置されたことを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関。
- 前記カムシャフト(61)の軸線(X)方向視において、前記燃料噴射弁(8)が、前記カムシャフト(61)を収容する動弁機構収容室(60)の側方から傾斜されて配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の筒内噴射式内燃機関。
- 前記カムシャフト(61)の軸線(X)に沿った断面内において、前記点火プラグ(9)が、前記カムシャフト(61)を収容する動弁機構収容室(60)の側方から傾斜されて配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関。
- 前記筒内噴射式内燃機関(4)は車両(1)搭載時において、シリンダ軸線(C)が水平方向に傾斜させて配置されるとともに、前記吸気弁(42i)は天側、前記排気弁(42e)が地側に配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関。
- 前記筒内噴射式内燃機関(4)は車両(1)搭載時において、シリンダ軸線(C)が鉛直方向に沿うように配置されるとともに、前記吸気弁(42i)が後側、前記排気弁(42e)が前側に配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関。
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