JP6484274B2 - 鞍乗り型車両の内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、動弁系の摺動部への十分な給油をすることのできる鞍乗り型車両の内燃機関に関する。
従来の鞍乗り型車両の内燃機関において動弁系のデコンプ装置を備えた一例として、特許文献1に開示されたものがある。この内燃機関では、デコンプ装置のデコンプウエィトの遠心力に伴い回動するデコンプシャフト(特許文献1では操作シャフト)が、排気カムシャフトの軸中心に位置して形成されたデコンプシャフト穴に挿入されている。このような内燃機関では、吸排気カム面やジャーナル部への給油のために、排気カムシャフト内に給油通路を設けようとしても、デコンプシャフトが排気カムシャフトカムシャフトの軸中心に位置しているため、別途給油通路を設けることが難しく、デコンプシャフト穴の一部を給油通路と使用して動弁系の各所に給油を行っていたため、充分なオイルを動弁系の各所に供給することが難しかった。
特許第3705726号公報
そこで本発明は、前記課題を克服するために発明されたもので、その目的は、充分なオイルを動弁系の摺動部の各所に供給することのできる鞍乗り型車両の内燃機関を提供することである。
本発明は、シリンダヘッドに設けられるカムシャフトを動弁系への給油通路の一部とするとともに、カムシャフトの回転を利用した遠心式のデコンプ装置を備えた内燃機関の動弁装置において、
前記カムシャフトの一端側には前記シリンダヘッドに支持される一方の軸受ジャーナル部と、前記カムシャフトの他端側には他方の軸受ジャーナル部とを備え、
前記カムシャフトの前記一端側には、前記カムシャフトを駆動する入力スプロケット取付部が、前記他端側には、動弁カム部が設けられ、
前記入力スプロケット取付部から前記動弁カム部に向けて、前記デコンプ装置のデコンプシャフトが挿入されるデコンプシャフト穴が形成され、
前記デコンプシャフト穴は、前記カムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に形成されるとともに、
前記デコンプシャフト穴と平行に前記カムシャフトの前記一端側から前記他端側に向かって延び、一方の前記軸受ジャーナル部から他方の前記軸受ジャーナル部へと潤滑油を供給するカムシャフト内オイル通路が形成され
前記カムシャフトの前記一端側には、前記カムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に、前記デコンプシャフトと一体に回動するデコンプウェイトの回動が規制されるデコンプウェイト揺動規制部が設けられ、
前記デコンプウェイト揺動規制部には、前記デコンプシャフト穴と平行かつ前記カムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に、前記デコンプシャフトの抜け止め防ぐボルトが螺合されるデコンプシャフト抜け止め螺子部が設けられ、
前記一端側に前記デコンプシャフト穴と、前記カムシャフト内オイル通路と、前記デコンプシャフト抜け止め螺子部が、前記カムシャフトの軸心に対して放射状に設けられたことを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関である。
前記構成によれば、カムシャフトに設けられたデコンプシャフト穴が、カムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に形成されているので、デコンプシャフト穴と平行にカムシャフトの一端側から他端側に向かって延び、一方の軸受ジャーナル部から他方の軸受ジャーナル部へと潤滑油を供給するカムシャフト内オイル通路が形成されているので、デコンプシャフト穴を油路として用いず、別途カムシャフト内オイル通路を用いて一方の軸受ジャーナル部から他方の軸受ジャーナル部へと潤滑油を供給するので、充分なオイルを動弁系の摺動部の各所に供給することができる。
さらに、デコンプウェイト揺動規制部をカムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に設けて、さらにデコンプウェイト揺動規制部にデコンプ抜け止め螺子部を設けているので、デコンプウェイト揺動規制部とデコンプ抜け止め螺子部をカムシャフトの一端側に集中して配置することで、カムシャフト内オイル通路を大きく設けることが可能となり、より多くのオイルを動弁系に供給することができる。
また、本発明は、シリンダヘッドに設けられるカムシャフトを動弁系への給油通路の一部とするとともに、カムシャフトの回転を利用した遠心式のデコンプ装置を備えた内燃機関の動弁装置において、
前記カムシャフトの一端側には前記シリンダヘッドに支持される一方の軸受ジャーナル部と、前記カムシャフトの他端側には他方の軸受ジャーナル部とを備え、
前記カムシャフトの前記一端側には、前記カムシャフトを駆動する入力スプロケット取付部が、前記他端側には、動弁カム部が設けられ、
前記入力スプロケット取付部から前記動弁カム部に向けて、前記デコンプ装置のデコンプシャフトが挿入されるデコンプシャフト穴が形成され、
前記デコンプシャフト穴は、前記カムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に形成されるとともに、
前記デコンプシャフト穴と平行に前記カムシャフトの一端側から他端側に向かって延び、一方の前記軸受ジャーナル部から他方の前記軸受ジャーナル部へと潤滑油を供給するカムシャフト内オイル通路が形成され、
前記カムシャフトの一端側には、前記カムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に、前記デコンプシャフトと一体に回動するデコンプウェイトの回動が規制されるデコンプウェイト揺動規制部が設けられ、
前記デコンプウェイト揺動規制部には、前記デコンプシャフト穴と平行かつ前記カムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に、前記デコンプシャフトの抜け止め防ぐボルトが螺合されるデコンプシャフト抜け止め螺子部が設けられ、
前記デコンプ装置は、前記デコンプシャフトの回動に伴いカム山から出退するデコンプピンを備え、
前記カムシャフト内オイル通路は、前記カムシャフトの軸方向視で、前記デコンプピンを挟んで前記デコンプシャフト抜け止め螺子部の他方側に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関である。
前記構成によれば、カムシャフトに設けられたデコンプシャフト穴が、カムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に形成されているので、デコンプシャフト穴と平行にカムシャフトの一端側から他端側に向かって延び、一方の軸受ジャーナル部から他方の軸受ジャーナル部へと潤滑油を供給するカムシャフト内オイル通路が形成されているので、デコンプシャフト穴を油路として用いず、別途カムシャフト内オイル通路を用いて一方の軸受ジャーナル部から他方の軸受ジャーナル部へと潤滑油を供給するので、充分なオイルを動弁系の摺動部の各所に供給することができる。さらに、デコンプウェイト揺動規制部をカムシャフトの軸心に対してオフセットされた位置に設けて、さらにデコンプウェイト揺動規制部にデコンプ抜け止め螺子部を設けているので、デコンプウェイト揺動規制部とデコンプ抜け止め螺子部をカムシャフトの一端に集中して配置することで、カムシャフト内オイル通路を大きく設けることが可能となり、より多くのオイルを動弁系に供給することができる。
前記構成において、前記デコンプ装置は、前記デコンプシャフトの回動に伴いカム山から出退するデコンプピンを備え、
前記カムシャフトは、一方の前記軸受ジャーナル部と他方の前記軸受ジャーナル部との間および、他方の前記軸受ジャーナル部の外側とに一対のカム山を備え、
前記デコンプシャフト穴を、一方の前記軸受ジャーナル部と他方の前記軸受ジャーナル部の間まで延ばし、
前記カムシャフト内オイル通路を、カム軸方向視で、前記デコンプピンを挟んで前記デコンプシャフト抜け止め螺子部の他方側に配置することもできる。
前記構成によれば、デコンプピンと干渉せず、奥側のカム山部までカムシャフト内オイル通路を設けているので、奥側のカム山部にも十分な給油量を確保することが可能となる。
前記構成において、一方の前記軸受ジャーナル部の径を他方の前記軸受ジャーナル部の径に対して大径にし、
前記デコンプシャフト抜け止め螺子部を一方の前記軸受ジャーナル部を横断する貫通孔とすることもできる。
前記構成によれば、デコンプシャフト抜け止め螺子部が設けられた側の軸受ジャーナル部のみを大径とすることで、必要最小限の大型化とすることが可能となり、カムシャフトの軽量化を図ることができる。
前記構成において、前記カムシャフトのデコンプウェイト揺動規制部に、前記カムシャフトの加工基準となるセンター穴部が形成してもよい。
前記構成によれば、カムシャフトの端部にセンター穴部を形成して加工性を向上させつつ、センター穴部周囲の面がデコンプウェイトの位置規制部に利用することができる。
前記構成において、前記シリンダヘッドのヘッドカバー側の面は、前記内燃機関のクランクケースおよびシリンダボディを締結する取付部材を挿入して収納する取付部材収納穴を設け、
前記一方の前記軸受ジャーナル部を、前記シリンダヘッドの前記取付部材収納穴の上部に設けられたヘッド側ジャーナル受部と、前記カムシャフト上部に位置するカムシャフトホルダに形成されたホルダ側ジャーナル受部とで支持し、
前記カムシャフト内オイル通路を、前記シリンダヘッドの前記取付部材収納穴と連通してもよい。
前記構成によれば、シリンダヘッドの取付部材収納穴方向に送られるオイルに含まれる摩耗粉等が、シリンダヘッドの取付部材収納穴に保持することが可能となり、動弁系へ不純物が取り除かれたオイルを送ることができる。
前記構成において、前記カムシャフトには、スラスト規制用の鍔部を設け、
前記カムシャフト内部へのオイル通路を前記スラスト規制用の鍔部に隣接して設けることもできる。
前記構成によれば、鍔部周囲に発生した気泡が速やかにオイル通路を介して排出されるので、鍔部の潤滑性を向上することができる。
本発明によれば、充分なオイルを動弁系の摺動部の各所に供給することができる。
本発明の一実施の形態の鞍乗型車両の内燃機関が搭載された自動二輪車の右側面図である。 図1の内燃機関の右側面図である。 図13のIII-III矢視において切断した内燃機関の縦断面図である。 図13のIV-IV矢視において切断した内燃機関の縦断面図である。 図13のV-V矢視において切断した内燃機関の縦断面図である。 右ケースカバーを内側から見た図である。 図13のVII-VII矢視において切断した内燃機関の縦断面図である。 図7のVIII-VIII矢視要部拡大断面図である。 図5のIX-IX矢視した要部拡大断面図である。 テンショナリフタ周辺の内燃機関を斜め右後方から視た要部拡大斜視図である。 テンショナリフタを後方から見た図である。 図11のXII-XII矢視断面図である。 図7のXIII-XIII矢視断面図である。 図7のXIV-XIV矢視断面図である。 図14の吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトを取り外した図である。 図13のXVI-XVI矢視において切断した内燃機関の縦断面図である。 排気カムシャフトの右側面図である。 図17のXVIII-XVIII矢視断面図である。 図17のXIX-XIX矢視断面図である。 図17のXX-XX矢視断面図である。 図17の排気カムシャフトに、デコンプ装置を取り付けた図である。
本発明の一実施形態に係る鞍乗り型車両の内燃機関のデコンプ装置のオイル供給構造について、図1ないし図21に基づいて説明する。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る車載内燃機関のオイルフィルター取付け構造を備えた内燃機関を、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は鞍乗型車両であり、具体的には自動二輪車1である。また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。なお、図中に添記した黒小矢印は、本実施形態における本発明に係るオイルの流れを、模式的に示すものである。
本発明が適用された一実施の形態のデコンプ装置の給油構造について、図1ないし図21に基づいて説明する.本発明の一実施の形態のデコンプ装置の給油構造が適用された内燃機関Eが搭載される自動二輪車1の右側面図を図1に示す。
内燃機関Eは、自動二輪車1に搭載される水冷単気筒の4バルブWOHC式の4ストロークサイクル内燃機関である。内燃機関Eは、そのクランクケース20内の後部に変速機Mを一体に備えて、いわゆるパワーユニットを構成しており、そのクランクシャフト30を、自動二輪車1の車幅方向、すなわち左右方向に指向させて搭載されている。
自動二輪車1は、車両の前後方向を指向したフレーム3を備えており、フレーム3は前端に設けられるヘッドパイプ2に固定されている。ヘッドパイプ2から後方へ左右一対にメインフレーム部材3aが、若干下向きに延出した後に、徐々に下方に屈曲して下端に至っている。さらに、ヘッドパイプ2から斜め急角度に下方へダウンフレーム部材3bが延出して、メインフレーム部材3aの下端と連結されている。メインフレーム部材3aの中間部からは、左右一対のシートレール4が後方に延出し、シートレール4中央部とメインフレーム部材3aの下部とを連結した左右一対のバックステー5が、左右のシートレール4を夫々支持している。ヘッドパイプ2は前輪7を支持するフロントフォーク6を走行可能に支承している。
メインフレーム2aの下端部に設けられたピボット軸8に前端を回動自在に支持されたリヤフォーク9が、後方へ延出し、その後端に後輪10が軸支され、リヤフォーク9とメインフレーム2aのとの間に、図示しないリヤクッションが介装されている。メインフレーム2aの前部には、燃料タンク11が架設され、燃料タンク11の後方に乗員用シート12がシートレール4に支持されて設けられている。
内燃機関Eは、図1および図2に示されるように、クランクケース20上にシリンダ軸線を若干前傾させて、起立した姿勢で、メインフレーム2aとダウンフレーム2bに懸架される。
内燃機関Eは、図2および図7に示されるように、クランクケース20、シリンダボディ21、シリンダヘッド22が順次積み上げられ、シリンダヘッド22の上面側に設けられた取付部材収納穴としてのボルト収納穴22aから挿入したスタッドボルト26を、シリンダボディ21およびシリンダヘッド22に設けられたボルト挿通孔21b,22bに挿通し、クランクケース20に設けられたボルト穴20aに螺合して、クランクケース20、シリンダボディ21、シリンダヘッド22は一体にされる。シリンダヘッド22の上部にヘッドカバー23を取付けて、クランクケース20の左右はケースカバー25で覆われ、クランクケース20の下部にはオイルパン24が取り付けられている。シリンダボディ21には、上下に貫通するシリンダボア21a(気筒)が形成されシリンダボディ21とシリンダヘッド22とで気筒部とされている。
シリンダボディ21は、シリンダ軸線Lが鉛直方向に対して傾斜して配置されている。シリンダボア21a内にピストン28が上下方向に摺動可能に嵌合されており、クランクシャフト30のクランクピン30pはコンロッド29を介してピストン28と連結されている。シリンダヘッド22には燃焼室22cが形成されており、内燃機関Eの燃焼室22cにおける燃焼エネルギーは、ピストン28の運動エネルギーへ変換され、これによりピストン28が上下動されて、コンロッド29を介してクランクシャフト30が回転駆動されるようになっている。
図3に示されるように、内燃機関Eのクランクシャフト30は、クランクケース20に回転自在に支承されており、クランクシャフト30の後方に配設されるメインシャフト31と出力軸のカウンタシャフト32の間に変速歯車装置Gが構成されており、カウンタシャフト32には、後輪10の回転軸10aとの間にチェーン13が架け渡され、クランクシャフト30の動力が後輪10に伝達される。
シリンダヘッド22には、前記燃焼室22cの上壁面に開口する吸気弁口22dおよび排気弁口22eがそれぞれ一対ずつ形成され、吸気弁口22dと排気弁口22eの略中央に位置するように点火プラグ(不図示)が挿入される点火プラグ孔(不図示)が開口している。吸気弁口22dおよび排気弁口22eはそれぞれシリンダヘッド22に形成された吸気ポート22fおよび排気ポート22gと連通している。
吸気ポート22fには、図3に示されるように、燃料噴射弁15を備えたスロットルボディ14、コネクティングチューブ(不図示)、エアクリーナ(不図示)が順次連結されている。エアクリーナから吸入された外気は、燃料噴射弁15から噴霧される燃料と混合されて混合気となり、内燃機関Eの燃焼室22cへと送られて燃焼され、排気ガスは、図1に示された排気ポート22gに接続される排気管16を通りマフラー17へ送られて外気に排出される。
内燃機関Eは、吸気ポート22fから燃焼室22c内への吸気の流れを開閉する一対の吸気バルブ40と、燃焼室22cから排気ポート22gへの排気の流れを開閉する一対の排気バルブ41を具備している。吸気弁口22dには吸気弁口22dを開閉するための吸気バルブ40が、排気弁口22eには排気弁口22eを開閉するための排気バルブ41がそれぞれ配設されている。吸気バルブ40および排気バルブ41は、それぞれ傘部40a,41aおよび軸部40b,41bとからなっている。傘部40a、41aはバルブシート27が圧入された吸気弁口22d、排気弁口22eを開閉する弁体であって、軸部40b、41bは傘部40a、41aから燃焼室22cの外方に延び、シリンダヘッド22に嵌合されたバルブガイド42に摺動自在に嵌装されている。
吸気バルブ40および排気バルブ41の軸端部40c、41cはバルブガイド42の上方に突出されており、この軸端部40c、41cは、スプリングリテーナ43に保持されている。スプリングリテーナ43と、これと対向するようにシリンダヘッド22に支持されたバネ受け部材44との間に、吸気バルブ40の軸部40bおよび排気バルブ41の軸部41bの周りを囲むようにコイル状弁バネ45が圧縮状態で取り付けられており、該コイル状弁バネ45により吸気バルブ40および排気バルブ41は常に閉弁方向に付勢されている。
吸気バルブ40および排気バルブ41の開閉作動をなすための動弁装置50が、シリンダヘッド22の上部に、シリンダヘッド22およびヘッドカバー23よりなる動弁室49内に収容されている。該動弁装置50は、吸気カム63,64が形成された吸気カムシャフト60と、排気カム73,74が形成された排気カムシャフト70が、シリンダヘッド22と、シリンダヘッド22の上面にボルト98により取り付けられたカムシャフトホルダ140により回転自在に支承され、吸気カムシャフト60,排気カムシャフト70の回転に伴い、吸気カム63,64と排気カム73,74が回転し、吸気バルブ40と排気バルブ41を開閉するものである。
吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70の右側端には、図13されるように、それぞれ入力スプロケット55が一体に回転されるように取り付けられている。一対の入力スプロケット55は互いに歯合されており、図4に示されるように、これらの入力スプロケット55と、クランクシャフト30の右側軸部に結合されて一体に回転される出力スプロケット54とに、カムチェーン56が架け渡されており、クランクシャフト30の回転にともない吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70が回転されるようになっている。吸気カムシャフト60の回転により吸気ロッカアーム51が、排気カムシャフト70の回転により排気ロッカアーム52が、それぞれ所定タイミングで揺動され、吸気ロッカアーム51の押圧部51aが吸気バルブ40の軸端部40cを、排気ロッカアーム52の端部52aが排気バルブ41の軸端部41cをそれぞれ押動し、吸気弁口22dおよび排気弁口22eが所定のタイミングで開閉されるようになっている。
このように所定のタイミングで吸気バルブ40および排気バルブ41が開閉されるためには、カムチェーン56の張力は常に適正に保たれる必要がある。そこで、内燃機関Eには、カムチェーン56の自由振動を防止して一定の張力を与えるために、図4に示されるように、カムチェーン47の出力スプロケット54と入力スプロケット55との間の緊張側に、カムチェーン56を案内するカムチェーンガイド57、カムチェーン56の出力スプロケット54と入力スプロケット55との間の弛緩側に、カムチェーン56を所定圧力で押圧するためのカムチェーンテンショナ装置110が設けられている。
カムチェーンテンショナ装置110は、走行するカムチェーン56を押圧し摺動案内するカムチェーンテンショナ111と、カムチェーンテンショナ111を所定圧力で押圧するテンショナリフタ113とを備えている。カムチェーンテンショナ111は、クランクシャフト30側の下端部111aがカラー112を介してクランクケース20に揺動自在に支持される下ピボット式で、上端部11bが揺動されるようになっており、上端部111b側には外側からテンショナリフタ113のプランジャ115が当接されている。テンショナリフタ113は、シリンダヘッド22の傾斜上面側となる後面に、カムチェーン56に向けて配置され、カムチェーン56を上向きに押す方向に傾斜してシリンダヘッド22に取り付けられている。
前述した動弁装置50では、回転する吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70の摺動面等を潤滑するためのオイルが必要とされるので、内燃機関Eはオイルポンプ36から動弁装置50の吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70を含んだ動弁装置50にオイルを供給するための動弁装置オイル供給通路100を備えている。
また、カムチェーンテンショナ装置110のテンショナリフタ113のプランジャ115は摺動され、テンショナリフタ113内にオイルによる潤滑性が必要とされるので、動弁装置オイル供給通路100の分岐部102bから、動弁装置オイル供給通路100からテンショナリフタオイル供給通路102cが分岐され、テンショナリフタ113にオイルを供給するように構成されている。分岐部102bは、図5示されるように、テンショナリフタ113より高所に位置しており、分岐部102bよりも低い位置に配置されたテンショナリフタ113に、テンショナリフタオイル供給通路102cにより連通されている。
動弁装置オイル供給通路100は以下のように構成されている。
図4に示されるように、内燃機関Eはクランクシャフト30の動力が伝達されて回転するオイルポンプ36と、オイルポンプ36から送り出されたオイルが内燃機関Eの各所に送られる前に不純物を取り除くオイルフィルター137を備えている。吸気カムシャフト60、排気カムシャフト70およびテンショナリフタ113には、オイルポンプ36からオイルフィルター37を経由して導かれ不純物が取り除かれたオイルが送られる。
図5に示されるように、オイルパン24内にはストレーナ35が設けられており、クランクケース20内の下部には、内燃機関Eの各所に潤滑油を送るためのオイルポンプ36が設けられている。オイルパン24とクランクケース20には、ストレーナ35とオイルポンプ36の吸入口36aとを接続するオイル通路20bが設けられている。
図5および図6に示されるように、クランクケース20の略中央に位置して、潤滑油の不純物を取り除くオイルフィルター37がクランクケース20と右ケースカバー25とで挟まれて保持されている。オイルポンプ36の吐出口36bからオイルフィルター側に向かって、クランクケース20内にオイル通路20cが設けられている。
クランクケース20のオイル通路20cの端部は、図6に示されている右ケースカバー25のクランクケース20に接する面に設けられた連通口25aと連通している。右ケースカバー25内には、一端が連通口25aとなっているオイル通路25bが形成されており、オイル通路25bの他端は、オイルフィルター37の流入口37aに接続されている。さらに、右ケースカバー25内には、オイルフィルター37の流出口37bから、オイル通路25c、オイル溜り25d、オイル通路25eが連なって形成されている。オイル通路25dの端部は、クランクケース20に連通する連通口25fとなっており、クランクケース20の連通口20dと連通している。
図7に示されるように、クランクケース20の連通口20dからシリンダボディ21側へオイル通路20eが延びており、オイル通路20eは、クランクケース20のシリンダボディ21との合わせ面が凹状に切欠かれて形成された合わせ面オイル通路20fに接続されている。
合わせ面オイル通路20fは、図7に示されるように、シリンダボア21aを迂回して、スタッドボルト26のうち右側後方に位置したスタッドボルト26が螺合されるボルト穴20aの近傍まで形成され、シリンダボディ21のクランクケース20との合わせ面からボルト挿通孔21bまで穿設された連通路21cに接続されている。
シリンダボディ21のボルト挿通孔21bと、シリンダヘッド22のボルト挿通孔22bとは連通されており、シリンダヘッド22のボルト挿通孔22bのスタッドボルト26が挿入される側の端部は、スタッドボルト26が締結されると、スタッドボルト26の頭部26aで閉塞される。ボルト挿通孔21b,22bは、スタッドボルト26の軸部26bよりも径が大きく形成されており、ボルト挿通孔21b,22bスタッドボルト26の軸部26bとの間はオイルが流れるボルト挿通孔内オイル通路101となる。動弁装置オイル供給通路100として用いられるボルト挿通孔21b,22bは、シリンダボディ21およびシリンダヘッド22の一側面側(本実施の形態では後面側)に設けられている。動弁装置オイル供給通路100は、シリンダボディ21およびシリンダヘッド22をクランクケース20に固定するボルト挿通孔21b,22bを利用して上方の吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70へ導かれる。
シリンダヘッド22には、図5に示されるように、シリンダヘッド22の後面のテンショナリフタ113が取り付けられるテンショナリフタ取付面22hから前方かつ斜め上方に向かって、オイル通路102が穿設されている。オイル通路102の長手方向の略中央は、図8および図9に示されるように、ボルト挿通孔内オイル通路101と一部が重なるように交差しており、交差された部分は、ボルト挿通孔内オイル通路101と連通する連通口102aとなっている。この連通された連通口102aにおいて、後方に向かいテンショナリフタ113へオイルを送るテンショナリフタオイル供給通路102cと、前方に向かい動弁装置50の吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70へオイルを送る動弁装置側オイル通路102dとに分岐する分岐部102bとなっている。
シリンダヘッド22の中央寄り側には、ヘッドカバー23のカムシャフトホルダ140との合わせ面から下方に向かって穿設されて中央オイル通路103が設けられている。動弁装置オイル供給通路100の一部である動弁装置側オイル通路102dは、テンショナリフタオイル供給通路102cから、分岐部102bを通ってシリンダヘッド22の中央寄りに延長され、中央オイル通路103と連通されるように形成され、動弁装置側オイル通路102dの前方端部は、中央オイル通路103と接続している。る。中央オイル通路103の上端は、カムシャフトホルダ140に設けられたジャーナル部連通オイル通路104と連通している。
クランクシャフト30の動力が伝達されてオイルポンプ36が稼働されると、図5に示されるように、オイルパン24に溜められているオイルがストレーナ35からオイル通路20bを通り、オイルポンプ36へ吸入される。オイルポンプ36から所定圧をかけられて排出されるオイルは、オイル通路20cを通り、図6に示されるように、右ケースカバー25に設けられた連通口25aよりオイル通路25bへ送られ、オイルフィルター37、オイル通路25c、オイル溜め25d、オイル通路25eを順次通過し、図5に示されるように、クランクケース20のシリンダボディ21近くに設けられた連通口20dに送られる。
連通口20dに送られたオイルは、オイル通路20eから合わせ面オイル通路20fを通過し、シリンダボディ21の連通路21cからボルト挿通孔22bに送られ、ボルト挿通孔内オイル通路101を通り、シリンダヘッド22内まで送られ、ボルト挿通孔内オイル通路101の連通口102aからオイル通路102に流入し、分岐部102bから分流して、一方はテンショナリフタオイル供給通路102cからテンショナリフタ113へ送られ、他方は動弁装置側オイル通路102dから中央オイル通路103を通過し、動弁装置50へ送られる。
テンショナリフタオイル供給通路102cからオイルが送られるカムチェーンテンショナ装置110のテンショナリフタ113は、図4および図10に示されるように、シリンダヘッド22の後面のテンショナリフタ取付面22hに取り付けられている。図5に示されるように、テンショナリフタ取付面22hは、シリンダ軸線Lの傾斜方向に対して逆方向に傾斜するように形成されている。図5において、平面Pはテンショナリフタ取付面22hを含む平面を示している。
テンショナリフタ113は、図11および図12に示されるように、外殻となるテンショナボディ114と、先端がカムチェーンテンショナ111を押圧するプランジャ115を備えている。テンショナボディ114には、プランジャ115が収納されるプランジャ収納穴114aが形成されている。プランジャ収納穴114aの左右に位置してフランジ部114dが形成されており、フランジ部114dには、ボルト挿通孔114eが設けられている。テンショナボディ114の前面には、シリンダヘッド22のテンショナリフタ取付面22hに当接される取付面115eが形成されている。
テンショナボディ114のプランジャ収納穴114aには、雄ネジ部材116が挿入される。雄ネジ部材116は、後端側の径が大きく先端側は径が小さくされて段部を有した円柱形状に形成されており、先端側は雄ネジに切られた雄ネジ部116aとなっている。
プランジャ収納穴114aには捩りコイルバネ117が挿入され、該捩りコイルバネ117の後端117bは雄ネジ部材116の後端部116bに固着され、他端117aはテンショナボディ114の前方に固定されている。
テンショナボディ114のプランジャ収納穴114aには、カムチェーンテンショナ装置110のカムチェーンテンショナ111を押圧するプランジャ115が挿入される。プランジャ115は、雄ネジ部材116の前部が挿入される筒状部材115bと、該筒状部材115bの先端に嵌合されカムチェーンテンショナ111を押圧する押圧部材115aを具備している。筒状部材115b内側には、雄ネジ部材116の雄ネジ部116aと螺合する雌ネジ部115cが形成されている。筒状部材115bの後端には、プランジャ115が抜け落ちないためのストッパー部115dが内側に突設されている。
プランジャ115に筒状のカラー部材118は、雄ネジ部材116の段部に当接するまで外嵌され、キャップ部材119のプランジャ挿通孔119aにはプランジャ115が挿通されて、キャップ部材119はテンショナボディ114に固定される。プランジャ115は、キャップ部材119により、進退は可能であるが回動は規制されるように構成されている。
テンショナボディ114の後端には、雄ネジ部材回転治具挿入穴114cが形成されている。該雄ネジ部材回転治具挿入穴114c内に、雄ネジ部材116を回転させる雄ネジ部材回転治具(不図示)が挿入され、雄ネジ部材116が所定方向に回転されると、プランジャ115がプランジャボディ内に退避されるとともに、捩りコイルバネ117が捩られる。このような状態でテンショナリフタ113のプランジャ115の押圧部材115aがカムチェーンテンショナ111に向けて当接され、テンショナボディ114の取付面114fが、シリンダヘッド22の後面のテンショナリフタ取付面22hに、テンショナリフタ113のテンショナボディ114に設けられたボルト挿通孔114eにボルト120が挿通されて、テンショナリフタ取付面22hと直角方向にボルト120が螺合されて、テンショナリフタ113がシリンダヘッド22に取り付けられる。ボルト120が螺合されるシリンダヘッド22のボルト穴22iと、テンショナリフタオイル供給通路102cと、平行に形成されており、ボルト穴22iとテンショナリフタオイル供給通路102cとの方向を揃えることにより加工性が向上される。
テンショナリフタ113がシリンダヘッド22に取り付けられた後、雄ネジ部材回転治具を取り外すと、捩りコイルバネ117の復元力により、雄ネジ部材116が回転するとともに、雄ネジ部材116と螺合している雌ネジ部115cを有したプランジャ115が、カムチェーンテンショナ111側に前進して、カムチェーンテンショナ111を押圧する。雄ネジ部材回転治具挿入穴114cには、ボルト120が螺合されて閉塞される。
次に、動弁装置オイル供給通路100からオイルが送られる吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70を含んだ動弁装置50および動弁装置50のオイル通路について説明する。
吸気バルブ40を開閉するための吸気カムシャフト60が図13および図14に示されている。吸気カムシャフト60の右端部60a側にはシリンダヘッド22に支持される第1軸受ジャーナル部61が、吸気カムシャフト60の左端部60b側には第2軸受ジャーナル部62がそれぞれ形成されている。吸気カムシャフト60には、動弁カム部としての第1吸気カム63および第2吸気カム64が一体に設けられており、第1吸気カム63は吸気カムシャフト60の左端部60bに設けられ、第2吸気カム64は第1軸受ジャーナル部71と第2軸受ジャーナル部72との間に位置して設けられている。吸気カムシャフト60の右端部60aには、入力スプロケット取付部60cが設けられており、吸気カムシャフト60を駆動する入力スプロケット55が取り付けられる。
吸気カムシャフト60は内部が中空とされた管状部材で、右端部60aと左端部60bは閉塞部材89が嵌合されて閉塞されており、内部は、オイルが流通する吸気カムシャフト内オイル通路65となっている。第1軸受ジャーナル部61には、径方向に鍔状に突出しスラスト方向への移動を規制する鍔部69が形成されている。
吸気カムシャフト60の第1軸受ジャーナル部61には、図13に示されるように、鍔部69に隣接して、吸気カムシャフト内オイル通路65と連通する吸気カムシャフト供給通路66が設けられている。第2軸受ジャーナル部62には、吸気カムシャフト内オイル通路65と連通するジャーナル軸受給油通路68が設けられ、吸気カムシャフト60内から第2軸受ジャーナル部62の外周面にオイルが送られる。
第1吸気カム63および第2吸気カム64には、カム面から吸気カムシャフト内オイル通路65まで延びるカム面給油通路67が設けられ、吸気カムシャフト60内から第1吸気カム63および第2吸気カム64のカム面にオイルが送られる。
排気バルブ41を開閉するための排気カムシャフト70が、図17ないし図21に示されている。
排気カムシャフト70は、図21に示されるように、排気カムシャフト70の回転を利用した遠心式のデコンプ装置90を備えている。デコンプ装置90は、デコンプウェイト91aが一体に形成されたデコンプシャフト91と、デコンプシャフト91の回動にともない後述する排気カム73のカム面から進退するデコンプピン92と、デコンプシャフト91を回動方向に付勢するねじりコイルスプリング(不図示)とを備えている。
デコンプシャフト91は、デコンプウェイト91aが後述する排気カムシャフト70に設けられたデコンプウェイト揺動規制部78に当接する方向に、ねじりコイルスプリングにより常時付勢されている。この状態では、デコンプピン92が排気カム73のカム面から突出して、内燃機関Eが圧縮行程にあっても排気バルブ41が開放されて圧力を低下させるデコンプ状態となっている。内燃機関Eの始動時において排気カムシャフト70が所定回転数以下であると、デコンプ装置90は、上述のようなデコンプ状態となっている。
内燃機関Eが始動されて排気カムシャフト70が所定回転数以上になると、デコンプウェイト91aは、遠心力により排気カムシャフト70から外方に移動して、ねじりコイルスプリングの付勢力に抗ってデコンプシャフト91を回動してデコンプピン92を退避させ、デコンプ装置90はデコンプ状態からデコンプ解除状態にされる。
排気カムシャフト70の構造を以下説明する。排気カムシャフト70には、図13および図14に示されるように、右端部70a寄りにシリンダヘッド22に支持される第1軸受ジャーナル部71が、排気カムシャフト70の左端部70b側には第2軸受ジャーナル部72がそれぞれ設けられている。右側の第1軸受ジャーナル部71の径dは、左側の第2軸受ジャーナル部72の径dに対して大径に形成されている。
排気カムシャフト70には、動弁カム部としての第1排気カム73および第2排気カム74が一体に設けられており、第1排気カム73は排気カムシャフト70の左端部670bに設けられ、第2排気カム74は第1軸受ジャーナル部71と第2軸受ジャーナル部72との間に位置して設けられている。第1軸受ジャーナル部71には、径方向に鍔状に突出しスラスト方向への移動を規制する鍔部88が形成されている。排気カムシャフト70の右端部70aには、入力スプロケット取付部70cが設けられており、排気カムシャフト70を駆動する入力スプロケット55が取り付けられる。
図17に示されるように、第1排気カム73および第2排気カム74は、排気カムシャフト70の軸線を中心とする円弧状のベース円部73a,74aが設けられ、該ベース円部73a,74aよりも径方向外側に突出するようにベース円部73a,74aに連接されるカム山部73b,74bが形成されている。第1吸気カム63および第2吸気カム64も同様に、図3に示されるように、吸気カムシャフト60の軸線を中心とする円弧状のベース円部63a,64aが設けられ、該ベース円部63a,34aよりも径方向外側に突出するようにベース円部63a,64aに連接されるカム山部63b,64bが形成されている。
排気カムシャフト70の右端部70aには、図17および図18に示されるように、排気カムシャフト70の軸心Cに対してオフセットされた位置に、断面形状が扇形のデコンプウェイト揺動規制部78が突設されており、その側面にねじりコイルスプリングにより付勢されたデコンプシャフト91と一体のデコンプウェイト91aが当接される。デコンプウェイト揺動規制部78はデコンプウェイト91aの回動を規制している。デコンプウェイト揺動規制部78には、排気カムシャフト70の加工基準となるセンター穴部87が形成されている。
排気カムシャフト70には、図18および図20に示されるように、デコンプ装置90のデコンプシャフト91が挿入されるデコンプシャフト穴76が、入力スプロケット取付部75側の右端部70aから第1排気カム73に向けて、第1軸受ジャーナル部71と第2軸受ジャーナル部72の間まで延びて、排気カムシャフト70の軸線Lcと平行に形成されている。デコンプシャフト穴76は、図17に示されるように、排気カムシャフト70の軸心Cに対してオフセットされた位置に配設されている。
デコンプウェイト揺動規制部78には、図18に示されるように、デコンプシャフト穴76と平行に、デコンプシャフト91の抜け止め防ぐボルト94が螺合されるデコンプシャフト抜け止め螺子部79が設けられている。デコンプシャフト抜け止め螺子部79は、図17に示されるように、排気カムシャフト70の軸方向視において、カムシャフト70の軸心Cに対してオフセットされ、デコンプウェイト揺動規制部78の略中央に位置して形成されている。デコンプシャフト抜け止め螺子部79は、第1軸受ジャーナル部71を横断する貫通孔に形成されている。図21に示されるように、デコンプシャフト91がデコンプシャフト穴76に挿入された後、右方向から板状のデコンプシャフト抜け止め部材93が当接され、デコンプシャフト抜け止め部材93に設けられたボルト挿通孔93aにボルト94が挿通され、ボルト94がデコンプシャフト抜け止め螺子部79に螺合されて、デコンプシャフト91の抜け止めがされる。
排気カムシャフト70には、図17ないし図19に示されるように、デコンプシャフト穴76と平行に排気カムシャフト70の右端部70a側から左端部70b側に向かって延びる排気カムシャフト内オイル通路80が形成されている。排気カムシャフト内オイル通路80は、第1軸受ジャーナル部71から第2軸受ジャーナル部72へと潤滑油を供給するためのものである。排気カムシャフト内オイル通路80は、図17に示されるように、排気カムシャフト70の軸方向視で、デコンプピン92を挟んでデコンプシャフト抜け止め螺子部79の他方側に配置されている。
図19に示されるように、排気カムシャフト70の左端面から右方に向けて、オイルを溜めるオイル溜め82が穿設されている。オイル溜め82は、軸方向において第1排気カム73近傍まで延びており、左端の開口部は閉塞部材89により閉塞されている。オイル溜め82と排気カムシャフト内オイル通路80とは、連通路83により連通されている。
排気カムシャフト70の第1軸受ジャーナル部71には、図19に示されるように、鍔部88に隣接して、排気カムシャフト内オイル通路80と連通する排気カムシャフト給油通路81が設けられている。第2軸受ジャーナル部72には、オイル溜め82と連通するジャーナル軸受給油通路86が設けられ、排気カムシャフト70内から第2軸受ジャーナル部72の外周面にオイルが送られる。
第1排気カム73には、カム面から連通路83まで延びるカム面給油通路84が設けられ、第2排気カム74には、カム面からオイル溜め82と連通するカム面給油通路85が設けられている。カム面給油通路84,85により、排気カムシャフト70内から第1排気カム73および第2排気カム74のカム面にオイルが送られる。
前記した吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70は、図5に示されるように、シリンダヘッド22に設けられたヘッド側吸気ジャーナル受部131およびヘッド側排気ジャーナル受部132に載せられた後、カムシャフトホルダ140に設けられたホルダ側吸気ジャーナル受部141およびホルダ側排気ジャーナル受部142が当接するようにカムシャフトホルダ140が被せられ、カムシャフトホルダ140がシリンダヘッド22にボルト145により固定され、回転自在に支承される。吸気カムシャフト60と、排気カムシャフト70は、図13に示されるように、シリンダ軸線L方向視において、シリンダヘッド22の中心を挟んで互いに平行に配置されている。
ヘッド側吸気ジャーナル受部131は、図14に示されるように、吸気カムシャフト60の第1軸受ジャーナル部61を支承する第1ヘッド側吸気ジャーナル受部131aと、第2軸受ジャーナル部62を支承する第2ヘッド側吸気ジャーナル受部131bとで構成されている。また、ヘッド側排気ジャーナル受部132は、排気カムシャフト70の第1軸受ジャーナル部71を支承する第1ヘッド側排気ジャーナル受部132aと、第2軸受ジャーナル部72を支承する第2ヘッド側排気ジャーナル受部132bとで構成されている。
図14ないし図16に示されるように、第1ヘッド側吸気ジャーナル受部131aには、吸気カムシャフト60の鍔部69とは隙間が生じるように凹部133が形成されている。凹部133は、第1ヘッド側吸気ジャーナル受部131aの下方に設けられたボルト収納穴22aと連通している。また第1ヘッド側排気ジャーナル受部132aには、排気カムシャフト70の鍔部88とは隙間が生じるように凹部134が形成されている。凹部134は、第1ヘッド側排気ジャーナル受部132aの下方に設けられたボルト収納穴22aと連通している。
次にカムシャフトホルダ140について説明する。図13は、図7のXIII-XIII矢視切断面図であり、カムシャフトホルダ140とシリンダヘッド22との合わせ面と平行にカムシャフトホルダ140を切断したものである。
カムシャフトホルダ140の下面には、図5に示されるように、ホルダ側吸気ジャーナル受部141とホルダ側排気ジャーナル受部142とが形成されている。図13に示されるように、吸気カムシャフト60の第1軸受ジャーナル部61を支承する第1ホルダ側吸気ジャーナル受部141aと、第2軸受ジャーナル部62を支承する第2ホルダ側吸気ジャーナル受部141bとで構成されている。また、ホルダ側排気ジャーナル受部142は、排気カムシャフト70の第1軸受ジャーナル部71を支承する第1ホルダ側排気ジャーナル受部142aと、第2軸受ジャーナル部72を支承する第2ホルダ側排気ジャーナル受部142bとで構成されている。
第1ホルダ側吸気ジャーナル受部141aには、吸気カムシャフト60の鍔部69がと同じ幅に半円状に切り欠かれ鍔部69が嵌合されるスラスト規制凹部143が形成されており、吸気カムシャフト60のスラスト方向の移動を規制している。第1ホルダ側排気ジャーナル受部142aには、排気カムシャフト70の鍔部88がと同じ幅に半円状に切り欠かれ鍔部88が嵌合されるスラスト規制凹部144が形成されており、排気カムシャフト70のスラスト方向の移動を規制している。
カムシャフトホルダ140の下面には、図5に示されるように、動弁装置オイル供給通路100の中央オイル通路103の上端と連通しているジャーナル部連通オイル通路104が形成されている。ジャーナル部連通オイル通路104は、図13に示されるように、中央オイル通路103と連通した端部より、排気カムシャフト70と平行に延びた後に、吸気カムシャフト60方向と排気カムシャフト70方向へ分岐して形成されている。ジャーナル部連通オイル通路104の吸気カムシャフト60方向に延びた通路の端部は、図13に示されるように、スラスト規制凹部143に接続し、図14および図16に示されるように、凹部133の吸気ジャーナル受部オイル通路105と連通している。排気カムシャフト70方向へ延びた端部は、図13に示されるように、スラスト規制凹部144に接続し、図14および図16に示されるように、凹部134の排気ジャーナル受部オイル通路106と連通している。
吸気カムシャフト60および排気カムシャフト70のオイル通路は前述のように構成されているので、オイルポンプ36により所定圧がかけられて動弁装置オイル供給通路100を経由したオイルは以下のように各所に送られる。
オイルポンプ36からボルト挿通孔内オイル通路101、動弁装置側オイル通路102d、中央オイル通路103を経て、図13に示されるように、中央オイル通路103の上端よりジャーナル部連通オイル通路104の分岐部104aから吸気カムシャフト60側に分岐して、図16に示されるように、吸気ジャーナル受部オイル通路105に送られる。吸気ジャーナル受部オイル通路105に送られたオイルは、ボルト収納穴22aに貯留され、また図14に示されるように、吸気カムシャフト供給通路66から吸気カムシャフト60内に流入し、カム面給油通路67から吸気カム63,64のカム面にオイルを供給し、ジャーナル軸受給油通路68から第2ヘッド側吸気ジャーナル受部131bにオイルを供給する。
また、図13に示されるように、ジャーナル部連通オイル通路104の分岐部104aから排気カムシャフト70側に分岐したオイルは、図16に示されるように、排気ジャーナル受部オイル通路106に送られる。排気ジャーナル受部オイル通路106に送られたオイルは、ボルト収納穴22aに貯留され、また図14に示されるように、排気カムシャフト70の鍔部88に隣接して設けられた吸気カムシャフト供給通路66から吸気カムシャフト60内に流入し、カム面給油通路67から吸気カム63,64のカム面にオイルを供給し、ジャーナル軸受給油通路68から第2ヘッド側吸気ジャーナル受部131bにオイルを供給する。
本実施の形態は前記したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
本実施の形態の内燃機関Eは、シリンダヘッド22に設けられるカムシャフト70を動弁装置オイル供給通路100の一部とするとともに、カムシャフト70の回転を利用した遠心式のデコンプ装置90を備え、排気カムシャフト70の右端部70a側にはシリンダヘッド22に支持される第1軸受ジャーナル部71と、排気カムシャフト70の左端部70b側には第2軸受ジャーナル部72とを備え、カムシャフト70の右端部70a側には、排気カムシャフト70を駆動する入力スプロケット取付部70cが、左端部70bには、第2排気カム74が設けられ、入力スプロケット取付部70cから第2排気カム74に向けて、デコンプ装置90のデコンプシャフト91が挿入されるデコンプシャフト穴76が形成され、デコンプシャフト穴76は、カムシャフト70の軸心Cに対してオフセットされた位置に形成されるとともに、デコンプシャフト穴76と平行にカムシャフト70の右端部70a側から左端部70b側に向かって延び、第1軸受ジャーナル部71から第2軸受ジャーナル部72へと潤滑油を供給する排気カムシャフト内オイル通路80が形成されているので、デコンプシャフト穴76を油路として用いず、別途排気カムシャフト内オイル通路80を用いて第1軸受ジャーナル部71から第2軸受ジャーナル部72へと潤滑油を供給するので、充分なオイルを動弁系の摺動部の各所に供給することができる。
また、排気カムシャフト70の右端部70a側には、排気カムシャフト70の軸心Cに対してオフセットされた位置に、デコンプシャフト91と一体に回動するデコンプウェイト91aの回動が規制されるデコンプウェイト揺動規制部78が設けられ、デコンプウェイト揺動規制部78には、デコンプシャフト穴76と平行かつ排気カムシャフト70の軸心Cに対してオフセットされた位置に、デコンプシャフト91の抜け止め防ぐボルト94が螺合されるデコンプシャフト抜け止め螺子部79が設けられているので、デコンプウェイト揺動規制部78とデコンプシャフト抜け止め螺子部79を排気カムシャフト70の右端部70aに集中して配置することで、排気カムシャフト内オイル通路80を大きく設けることが可能となり、より多くのオイルを動弁系に供給することができる。
さらに、デコンプ装置90は、デコンプシャフト91の回動に伴い第1排気カム73から出退するデコンプピン92を備え、排気カムシャフト70は、第1軸受ジャーナル部71と第2軸受ジャーナル部72との間および、第2軸受ジャーナル部72の外側とに、第1排気カム73および第2排気カム74を備え、デコンプシャフト穴76は、第1軸受ジャーナル部71と第2軸受ジャーナル部72の間まで延びており、排気カムシャフト内オイル通路80は、カム軸方向視で、デコンプピン92を挟んでデコンプシャフト抜け止め螺子部79の他方側に配置され、デコンプピン92と干渉せず、奥側の第2排気カム74まで排気カムシャフト内オイル通路80を設けているので、奥側の排気カム74にも十分な給油量を確保することが可能となる。
さらにまた、第1軸受ジャーナル部71の径dを第2軸受ジャーナル部72の径dに対して大径にし、デコンプシャフト抜け止め螺子部79を第1軸受ジャーナル部71を横断する貫通孔としたので、デコンプシャフト抜け止め螺子部79が設けられた側の第1軸受ジャーナル部71のみを大径とすることで、必要最小限の大型化とすることが可能となり、排気カムシャフト70の軽量化を図ることができる。
また、排気カムシャフト70のデコンプウェイト揺動規制部78には、排気カムシャフト70の加工基準となるセンター穴部87が形成されているので、排気カムシャフト70の端部にセンター穴部87を形成して加工性を向上させつつ、センター穴部87周囲の面をデコンプウェイト91aの位置を規制するデコンプウェイト揺動規制部78に利用することができる。
さらに、シリンダヘッド22のヘッドカバー23側の面には、内燃機関Eのクランクケース20およびシリンダボディ21を締結するスタッドボルト26を挿入して収納するボルト収納穴22aが設けられ、第1軸受ジャーナル部71は、シリンダヘッド22のボルト収納穴22aの上部に設けられた第1ヘッド側排気ジャーナル受部132aと、排気カムシャフト70上部に位置するカムシャフトホルダ140に形成された第1ホルダ側排気ジャーナル受部142aとで支持され、排気カムシャフト内オイル通路80は、シリンダヘッド22のボルト収納穴22aと連通するので、シリンダヘッド22のボルト収納穴22a方向に送られるオイルに含まれる摩耗粉等が、シリンダヘッド22のボルト収納穴22aに保持することが可能となり、動弁系へ不純物が取り除かれたオイルを送ることができる。
また、排気カムシャフト70には、スラスト規制用の鍔部88が設けられ、排気カムシャフト70内部への排気カムシャフト給油通路81はスラスト規制用の鍔部88に隣接して設けられているので、鍔部88の周囲に発生した気泡が速やかに排気カムシャフト給油通路81を介して排出されるので、鍔部の潤滑性を向上することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。また、本発明の内燃機関は、自動二輪車に限定されず他種の鞍乗型車両にも幅広く適用することができる。
E…内燃機関、L…シリンダ軸線、Lc…軸線、C…軸心、
20…クランクケース、21…シリンダボディ、21b…ボルト挿通孔、22…シリンダヘッド、22a…ボルト収納穴、22b…ボルト挿通孔、22h…テンショナリフタ取付面、23…ヘッドカバー、30…クランクシャフト、36…オイルポンプ、37…オイルフィルター、56…カムチェーン、60…吸気カムシャフト、63…第1吸気カム、64…第2吸気カム、70…排気カムシャフト、70a…右端部、70b…左端部、71…第1軸受ジャーナル部、72…第2軸受ジャーナル部、73…第1排気カム、74…第2排気カム、76…デコンプシャフト穴、78…デコンプウェイト揺動規制部、79…デコンプシャフト抜け止め螺子部、80…排気カムシャフト内オイル通路、
90…デコンプ装置、91…デコンプシャフト、91a…デコンプウェイト、92…デコンプピン、
100…動弁装置オイル供給通路、102b…分岐部、102c…テンショナリフタオイル供給通路、102d…動弁装置側オイル通路、103中央オイル通路…、104…ジャーナル部連通オイル通路、110…カムチェーンテンショナ装置、111…カムチェーンテンショナ、113…テンショナリフタ、120…ボルト。

Claims (8)

  1. シリンダヘッド(22)に設けられるカムシャフト(70)を動弁系への給油通路(100)の一部とするとともに、カムシャフト(70)の回転を利用した遠心式のデコンプ装置(90)を備えた内燃機関の動弁装置において、
    前記カムシャフト(70)の一端(70a)側には前記シリンダヘッド(22)に支持される一方の軸受ジャーナル部(71)と、前記カムシャフト(70)の他端(70b)側には他方の軸受ジャーナル部(72)とを備え、
    前記カムシャフト(70)の前記一端(70a)側には、前記カムシャフト(70)を駆動する入力スプロケット取付部(70c)が、前記他端(70b)側には、動弁カム部(74)が設けられ、
    前記入力スプロケット取付部(70c)から前記動弁カム部(74)に向けて、前記デコンプ装置(90)のデコンプシャフト(91)が挿入されるデコンプシャフト穴(76)が形成され、
    前記デコンプシャフト穴(76)は、前記カムシャフト(70)の軸心(C)に対してオフセットされた位置に形成されるとともに、
    前記デコンプシャフト穴(76)と平行に前記カムシャフト(70)の前記一端(70a)側から前記他端(70b)側に向かって延び、一方の前記軸受ジャーナル部(71)から他方の前記軸受ジャーナル部(72)へと潤滑油を供給するカムシャフト内オイル通路(80)が形成され
    前記カムシャフト(70)の前記一端(70a)側には、前記カムシャフト(70)の軸心(C)に対してオフセットされた位置に、前記デコンプシャフト(91)と一体に回動するデコンプウェイト(91a)の回動が規制されるデコンプウェイト揺動規制部(78)が設けられ、
    前記デコンプウェイト揺動規制部(78)には、前記デコンプシャフト穴(76)と平行かつ前記カムシャフト(70)の軸心(C)に対してオフセットされた位置に、前記デコンプシャフト(91)の抜け止め防ぐボルト(94)が螺合されるデコンプシャフト抜け止め螺子部(79)が設けられ、
    前記一端(70a)側に前記デコンプシャフト穴(76)と、前記カムシャフト内オイル通路(80)と、前記デコンプシャフト抜け止め螺子部(79)が、前記カムシャフト(70)の軸心(C)に対して放射状に設けられたことを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関。
  2. 前記デコンプ装置(90)は、前記デコンプシャフト(91)の回動に伴いカム山(73)から出退するデコンプピン(92)を備え、
    前記カムシャフト(70)は、一方の前記軸受ジャーナル部(71)と他方の前記軸受ジャーナル部(72)との間および、他方の前記軸受ジャーナル部(72)の外側とに一対のカム山(73,74)を備え、
    前記デコンプシャフト穴(76)は、一方の前記軸受ジャーナル部(71)と他方の前記軸受ジャーナル部(72)の間まで延びており、
    前記カムシャフト内オイル通路(80)は、カム軸方向視で、前記デコンプピン(92)を挟んで前記デコンプシャフト抜け止め螺子部(79)の他方側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  3. シリンダヘッド(22)に設けられるカムシャフト(70)を動弁系への給油通路(100)の一部とするとともに、前記カムシャフト(70)の回転を利用した遠心式のデコンプ装置(90)を備えた内燃機関の動弁装置において、
    前記カムシャフト(70)の一端(70a)側には前記シリンダヘッド(22)に支持される一方の軸受ジャーナル部(71)と、前記カムシャフト(70)の他端(70b)側には他方の軸受ジャーナル部(72)とを備え、
    前記カムシャフト(70)の前記一端(70a)側には、前記カムシャフト(70)を駆動する入力スプロケット取付部(70c)が、前記他端(70b)側には、動弁カム部(74)が設けられ、
    前記入力スプロケット取付部(70c)から前記動弁カム部(74)に向けて、前記デコンプ装置(90)のデコンプシャフト(91)が挿入されるデコンプシャフト穴(76)が形成され、
    前記デコンプシャフト穴(76)は、前記カムシャフト(70)の軸心(C)に対してオフセットされた位置に形成されるとともに、
    前記デコンプシャフト穴(76)と平行に前記カムシャフト(70)の前記一端(70a)側から前記他端(70b)側に向かって延び、一方の前記軸受ジャーナル部(71)から他方の前記軸受ジャーナル部(72)へと潤滑油を供給するカムシャフト内オイル通路(80)が形成され、
    前記カムシャフト(70)の前記一端(70a)側には、前記カムシャフト(70)の軸心(C)に対してオフセットされた位置に、前記デコンプシャフト(91)と一体に回動するデコンプウェイト(91a)の回動が規制されるデコンプウェイト揺動規制部(78)が設けられ、
    前記デコンプウェイト揺動規制部(78)には、前記デコンプシャフト穴(76)と平行かつ前記カムシャフト(70)の軸心(C)に対してオフセットされた位置に、前記デコンプシャフト(91)の抜け止め防ぐボルト(94)が螺合されるデコンプシャフト抜け止め螺子部(79)が設けられ、
    前記デコンプ装置(90)は、前記デコンプシャフト(91)の回動に伴いカム山(73)から出退するデコンプピン(92)を備え、
    前記カムシャフト内オイル通路(80)は、前記カムシャフト(70)の軸方向視で、前記デコンプピン(92)を挟んで前記デコンプシャフト抜け止め螺子部(79)の他方側に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関。
  4. 前記カムシャフト(70)は、一方の前記軸受ジャーナル部(71)と他方の前記軸受ジャーナル部(72)との間および、他方の前記軸受ジャーナル部(72)の外側とに一対のカム山(73,74)を備え、
    前記デコンプシャフト穴(76)は、一方の前記軸受ジャーナル部(71)と他方の前記軸受ジャーナル部(72)の間まで延びていることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  5. 一方の前記軸受ジャーナル部(71)の径(d 1 )は他方の前記軸受ジャーナル部(72)の径(d 2 )に対して大径にされ、
    前記デコンプシャフト抜け止め螺子部(79)を一方の前記軸受ジャーナル部(71)を横断する貫通孔としたことを特徴とする請求項2または請求項4に記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  6. 前記カムシャフト(70)の前記デコンプウェイト揺動規制部(78)には、前記カムシャフト(70)の加工基準となるセンター穴部(87)が設けられることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  7. 前記シリンダヘッド(22)のヘッドカバー(23)側の面には、前記内燃機関(E)のクランクケース(20)およびシリンダボディ(21)を締結する取付部材(26)を挿入して収納する取付部材収納穴(22a)が設けられ、
    前記一方の前記軸受ジャーナル部(71)は、前記シリンダヘッド(22)の前記取付部材収納穴(22a)の上部に設けられたヘッド側ジャーナル受部(132a)と、前記カムシャフト(70)上部に位置するカムシャフトホルダ(140)に形成されたホルダー側ジャーナル受部(142a)とで支持され、
    前記カムシャフト内オイル通路(80)は、前記シリンダヘッド(22)の前記取付部材収納穴(22a)と連通することを特徴とする請求項6に記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  8. 前記カムシャフト(70)には、スラスト規制用の鍔部(88)が設けられ、
    前記カムシャフト(70)内部へのオイル通路(81)は前記スラスト規制用の鍔部(88)に隣接して設けられることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
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