JP2007092736A - 多気筒エンジンの換気装置 - Google Patents

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浩隆 枦
Hideko Shiozaki
英子 塩崎
Hidetoshi Takamatsu
英俊 高松
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Abstract

【課題】クランクシャフトを回転自在に支承する複数のクランクジャーナル壁が、それらのクランクジャーナル壁間にクランク室を形成してクランクケースに設けられ、隣接するクランク室同士を連通するようにして機械加工により円形に形成される連通孔が、各クランクジャーナル壁に同軸に設けられる多気筒エンジンの換気装置において、連通孔の形成によるクランクケースの強度低下をリブで補うとともに、隣接するクランク室相互間の空気の流通効率を高めてポンピングロスを効果的に低減する。
【解決手段】各クランクジャーナル壁68の少なくとも一部の少なくとも一面に、当該クランクジャーナル壁68に設けられる円形の連通孔169Aを囲んで無端状に連なる非円形のリブ170が突設される。
【選択図】 図12

Description

本発明は、クランクシャフトを回転自在に支承する複数のクランクジャーナル壁が、それらのクランクジャーナル壁間にクランク室を形成してクランクケースに設けられ、隣接するクランク室同士を連通するようにして機械加工により円形に形成される連通孔が、前記各クランクジャーナル壁に同軸に設けられる多気筒エンジンの換気装置に関する。
相互に隣接するクランク室同士を連通させることでポンピングロスを低減するために、機械加工により円形の連通孔を、各クランクジャーナル壁に穿設するようにした多気筒エンジンの換気装置が、たとえば特許文献1により既に知られている。
特開2000−136752号公報
ところが、各クランクジャーナル壁に連通孔が設けられることにより、クランクケースの強度が低下しないような配置が必要となり、クランクシャフトの軸方向に沿う両端のクランクジャーナル壁の外面に前記連通孔を囲むリブを形成することが考えられる。ところが、連通孔の内面に面一に連なる円形のリブを前記クランクジャーナル壁に形成すると、連通孔の軸長およびリブの厚みによっては、隣接するクランク室相互間を流通する空気の流れを阻害してしまう可能性がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、連通孔の形成によるクランクケースの強度低下をリブで補うとともに、隣接するクランク室相互間の空気の流通効率を高めてポンピングロスを効果的に低減し得るようにした多気筒エンジンの換気装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、クランクシャフトを回転自在に支承する複数のクランクジャーナル壁が、それらのクランクジャーナル壁間にクランク室を形成してクランクケースに設けられ、隣接するクランク室同士を連通するようにして機械加工により円形に形成される連通孔が、前記各クランクジャーナル壁に同軸に設けられる多気筒エンジンの換気装置において、前記各クランクジャーナル壁の少なくとも一部の少なくとも一面に、当該クランクジャーナル壁に設けられる円形の前記連通孔を囲んで無端状に連なる非円形のリブが突設されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記リブが、小円形部および大円形部が相互に連なって成る達磨形に形成されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、少なくとも一部のクランクジャーナル壁の少なくとも一面に連通孔を囲むリブが突設されることにより、クランクケースの剛性を高めることができる。しかもリブが円形の連通孔を囲んで非円形に形成されるので、少なくとも連通孔の周囲の一部をリブから離間させることができ、リブを含めた連通孔の実質的な軸長さを短くし、連通孔を流通する空気の流通効率を高め、ポンピングロスを効果的に低減することができる。
また請求項2記載の発明によれば、リブが達磨形に形成されるので、リブ内での連通孔の位置を機種毎の要求特性に応じて変更することができる。そのため異なった要求特性をもつ機種に同一クランクケースを流用した場合でも、クランクケースの剛性を確保しつつ複数の連通孔配置箇所を選択することができ、汎用性が向上する。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図14は本発明の一実施例を示すものであり、図1は自動二輪車の側面図、図2はエンジンの側面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図2の6−6線断面図、図7はオイルポンプからメインギャラリおよびサブギャラリまでのオイル供給系統を示す図、図8は図6の8−8線断面図、図9はクランクケースを図2の8矢視方向から見た図、図10は図6の10−10線矢視方向から見たロアケースの平面図、図11はアッパケースおよびロアケースの結合部分を図10の11−11線に沿って示す断面図、図12はシリンダブロックの縦断面図、図13は図12の13矢視図、図14は連通孔の位置を変化させたときの図13に対応する図である。
先ず図1において、小型車両である自動二輪車の車体フレームFが前端に備えるヘッドパイプ21には、前輪WFを軸支するフロントフォーク22が操向可能に支承され、ヘッドパイプ21から後ろ下がりに延びる左右一対のメインフレーム23…の下方に配置される多気筒たとえば4気筒のエンジンEのエンジン本体24が車体フレームFに搭載される。
エンジン本体24の上方には、エンジンEに供給される空気を浄化するためのエアクリーナ25が、前記ヘッドパイプ21の後方に位置するようにして配置され、このエアクリーナ25の後部および上部を覆う燃料タンク26が前記両メインフレーム23…上に搭載され、またエンジン本体24の前方にラジエータ27が配置される。
前記両メインフレーム23…の後部には、後ろ上がりに延びる左右一対のシートレール28…が連結されており、これらのシートレール28…には燃料タンク26の後方でライダーを座乗させるためのメインシート29が支持され、同乗者を乗せるためのピリオンシート30が前記メインシート29から後方に離れた位置でシートレール28…に支持される。
エンジン本体24に接続される排気系31は、エンジン本体24の前方からエンジン本体24の下方に延出され、さらに後輪WRおよびエンジン本体24間でエンジン本体24の下方から車体右側に向かうように彎曲しつつ立ち上がり、後輪WRの上方で後方に延出される。
メインフレーム23…の後部には下方に延びる左右一対のピボットプレート32…が連設されており、両ピボットプレート32…の上下方向中間部には、後輪WRを後端部に軸支するスイングアーム33の前端部が軸34を介して揺動可能に支承されており、両ピボットプレート32…の下部およびスイングアーム33間にはリンク機構35が設けられる。またスイングアーム33の前部に設けられたブラケット33aに上端部が連結されたリヤクッションユニット36の下端部が、前記リンク機構35の一部を構成するリンク37の前部に連結される。
前記エンジン本体24におけるクランクケース61内には、変速機72(後述の図3参照)が収納されており、この変速機72が備えるカウンタシャフト74からの動力がチェーン伝動手段41を介して後輪WRに伝達される。
前記チェーン伝動手段41は、前記カウンタシャフト74に固定される駆動スプロケット42と、後輪WRに固定される被動スプロケット43と、それらのスプロケット42,43に巻掛けられる無端状のチェーン44とで構成され、自動二輪車の進行方向前方を向いた状態でエンジンEの左側に配置される。
ヘッドパイプ21の前方は、合成樹脂から成るフロントカウル45で覆われ、車体の前部両側が、前記フロントカウル45に連なる合成樹脂製のセンターカウル46で覆われ、エンジン本体24を両側から覆う合成樹脂製のロアカウル47がセンターカウル46に連設される。またシートレール28…の後部はリヤカウル48で覆われる。
前輪WFの上方を覆うフロントフェンダー49はフロントフォーク21に取付けられ、シートレール28…には、後輪WRの上方を覆うリヤフェンダー50が取付けられる。
図2および図3において、エンジン本体24は、前上がりに傾斜したシリンダ軸線Cを有して車体フレームFに搭載されるものであり、直列に並ぶ4つのシリンダボア56…が設けられるシリンダバレル57ならびに該シリンダバレル57の下部に連なるアッパケース58を一体に有するシリンダブロック59と、前記アッパケース58と協働してクランクケース61を構成するようにしてシリンダブロック59の下部に結合されるロアケース60と、ロアケース60の下部すなわちクランクケース61の下部に結合されるオイルパン62と、前記シリンダブロック59の上部に結合されるシリンダヘッド63と、該シリンダヘッド63の上部に結合されるヘッドカバー64とを備える。
車幅方向に軸線を沿わせるクランクシャフト67に、各シリンダボア56…にそれぞれ摺動自在に嵌合されるピストン65…がコンロッド66…を介して連結されており、該クランクシャフト67…は、クランクケース61に設けられる複数のクランクジャーナル壁68…で回転自在に支承され、各クランクジャーナル壁68…は、アッパケース58側に設けられる上部壁68a…と、ロアケース60側に設けられる下部壁68b…とが相互に結合されて成る。
クランクシャフト67の軸方向に沿う一方側(この実施例では自動二輪車の進行方向に沿う右方側)のクランクジャーナル壁68から突出したクランクシャフト67の一端部には、オーバーランニングクラッチ69が装着される。このオーバーランニングクラッチ69は、従来周知のものであり、クランクシャフト67と平行な回転軸線を有してエンジン本体24におけるクランクケース61のアッパケース58に取付けられる始動モータ70(図2参照)からの回転動力をクランクシャフト67に入力するためのものであり、始動モータ70およびオーバーランニングクラッチ69間には、始動歯車伝動機構71が設けられる。
ところで、クランクシャフト67の出力は変速機72で変速されて駆動輪である後輪に伝達されるものであり、該変速機72は、クランクシャフト67と平行な軸線を有してクランクケース61のアッパケース58に回転自在に支承されるメインシャフト73と、該メインシャフト73と平行な軸線を有してアッパケース58およびロアケース60間で回転自在に支承されるカウンタシャフト74との間に、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列が設けられて成り、クランクケース61から突出したカウンタシャフト74の端部に、チェーン伝動手段41の一部を構成する駆動スプロケット42が固定される。
メインシャフト73の一端には、クランクシャフト67およびメインシャフト73間に介装される発進クラッチ75が装着されており、該発進クラッチ75が、ライダーの変速操作に応じて接続状態となったときにクランクシャフト67からの動力がメインシャフト73に伝達されることになる。
ところで、前記オーバーランニングクラッチ69および発進クラッチ75は、クランクシャフト67の軸線に沿う一方側でシリンダブロック59およびロアケース60の側壁(この実施例では自動二輪車の進行方向前方に向かって右側の側壁)から突出した位置に配置されており、シリンダブロック59およびロアケース60の前記側壁にはオーバーランニングクラッチ69および発進クラッチ75を覆うカバー76が締結される。
図3に注目して、クランクシャフト67の他端部は、クランクシャフト67の軸線に沿う他方側でのシリンダブロック59の側壁と、該シリンダブロック59に締結される発電機カバー77との間に形成される発電機室78に突入されており、該発電機室78内でクランクシャフト67の他端部には、ロータ79が固定される。また発電機カバー77の内面には、前記ロータ79で囲繞されるステータ80が固定されており、ロータ79およびステータ80で発電機81が構成される。
図4を併せて参照して、シリンダブロック59のシリンダバレル57およびシリンダヘッド63間には、各ピストン65…の頂部を臨ませる燃焼室83…が形成されており、シリンダヘッド63には、各燃焼室83…毎に一対ずつの吸気弁84…および排気弁85…が開閉作動可能に配設され、弁ばね86…,87…により各吸気弁84…および排気弁85…は閉弁方向にばね付勢される。
シリンダヘッド63…には、各吸気弁84…の頂部に当接するリフタ88…が各吸気弁84…の開閉作動軸線に沿う方向に摺動可能に嵌合されるとともに、各排気弁85…の頂部に当接するリフタ89…が各排気弁85…の開閉作動軸線に沿う方向に摺動可能に嵌合される。
リフタ88…には吸気側カム90…が吸気弁84…とは反対側から摺接されており、リフタ89…には排気側カム91…が排気弁85…とは反対側から摺接される。吸気側カム90…は吸気側カムシャフト92に一体に設けられており、排気側カム91…は排気側カムシャフト93に一体に設けられる。
シリンダヘッド63には、吸気側カムシャフト92および排気側カムシャフト93に共通にして各燃焼室83…に対応する位置に配置されるカムジャーナル壁94…と、吸気側カムシャフト92および排気側カムシャフト93に共通にして両カムシャフト92,93の軸方向に沿う一端側に配置されるカムジャーナル壁95とが一体に設けられ、吸気側カムシャフト92は、前記カムジャーナル壁94…,95にそれぞれ締結されるカムホルダ96…,97と、前記カムジャーナル壁94…,95とで回転自在に支承され、排気側カムシャフト93は、前記カムジャーナル壁94…,95にそれぞれ締結されるカムホルダ98…,97と、前記カムジャーナル壁94…,95とで回転自在に支承される。
図5を併せて参照して、吸気側および排気側カムシャフト92,93には、クランクシャフト67の回転動力が調時伝動装置100により1/2に減速されて伝達される。
この調時伝動装置100は、クランクシャフト67の軸方向一端側のクランクジャーナル壁68およびオーバーランニングクラッチ69間でクランクシャフト67に固着された駆動スプロケット101と、吸気側カムシャフト92の一端に固定される被動スプロケット102と、排気側カムシャフト93の一端に固定される被動スプロケット103と、各スプロケット101,102,103に巻掛けられる無端状のカムチェーン104とを備える。しかも駆動スプロケット101と、カムチェーン104の下部はシリンダブロック59およびカバー76間に収納されており、カムチェーン104の上部は、シリンダヘッド63に設けられたカムチェーン室105に走行可能に収容される。
カムチェーン104の緩み側、すなわち駆動スプロケット101および被動スプロケット102間のカムチェーン104には、テンショナアーム106、制御アーム107およびテンショナリフタ108を備えるチェーンテンショナ装置109によって一定の緊張力が付与される。
テンショナアーム106は、駆動スプロケット101の近傍でシリンダブロック59に第1ピボット110を介して揺動可能に支承されるテンショナアーム本体111と、カムチェーン104の緩み側外面に摺接するようにしてテンショナアーム本体111に取付けられる合成樹脂製のシュー112とから成る。テンショナアーム本体111は、カムチェーン104の緩み側外面に向けて弓なりに彎曲するようにしてばね鋼により帯状に形成され、シュー112はテンショナアーム本体111の前面を被覆するように形成される。
制御アーム107は、前記テンショナアーム本体111と同様にばね鋼により形成されるものであり、被動スプロケット102の近傍で第2ピボット113によってシリンダヘッド63に基端が揺動可能に支承されており、制御アーム107の揺動端は、テンショナアーム本体111の揺動端部背面に当接される。この制御アーム107の中間部背面には、ゴム等のクッション材114を介して受圧板115が接合されており、テンショナリフタ108は、前記受圧板115をテンショナアーム106側に付勢するようにしてシリンダヘッド63に取付けられる。
テンショナリフタ108は、シリンダヘッド63に締結されるリフタケース116と、受圧板115に当接する押圧部117を先端に有してリフタケース116に回転不能に支持される中空状のリフタロッド118と、リフタロッド118の中空部に螺合するねじ軸119と、リフタケース101内で前記ねじ軸119をリフタロッド118の進出方向に回転付勢する捩じりコイルばね120とを有する従来周知のものである。
このようなテンショナリフタ108において、捩じりコイルばね120の捩じり力は、ねじ軸119によってスラスト荷重に変換増幅され、リフタロッド118が制御アーム107側に付勢される。
図6を併せて参照して、クランクケース61におけるロアケース60には、クランクシャフト67と平行な回転軸線を有するオイルポンプ121が取付けられており、発進クラッチ75のクラッチハウジング122に相対回転不能に係合されるスプロケット123(図3参照)と、オイルポンプ121の回転軸124に固定されるスプロケット125とに無端状のチエーン126が巻掛けられる。
図7を併せて参照して、オイルパン62内のオイルはオイルストレーナ130を介してオイルポンプ121により汲み上げられ、ロアケース60に設けられた吐出路131にオイルポンプ121からオイルが吐出される。しかも吐出路131およびオイルパン62間にはリリーフ弁132が介装され、吐出路131のオイル圧は一定に維持される。
ところで、クランクジャーナル壁18…およびクランクシャフト67間の潤滑部、ならびに変速機72には、クランクケース61のロアケース60に設けられるメインギャラリ133からオイルが給油されるものであり、このメインギャラリ133は、オイルポンプ121の吐出口にオイルフィルタ134およびオイルクーラ135を介して接続され、クランクジャーナル壁18…およびクランクシャフト67間の潤滑部にオイルを導く通路136…がメインギャラリ133に通じるようにしてロアケース60に設けられる。
またクランクケース61のロアケース60には、シリンダヘッド63側にオイルを導くようにしてメインギャラリ133と並列にオイルフィルタ134の出口134aに接続されるサブギャラリ137が設けられる。
サブギャラリ137は、オイルフィルタ134の出口134aをオイルクーラ135に通じさせるようにして直線状に延びる第1通路部分137aと、第1通路部分137aとは反対方向に直線状に延びる第2通路部分137bとから成るものである。すなわち吐出路131がオイルフィルタ134の入口134bに接続されており、オイルフィルタ134の出口134aに通じる第1通路部分137aからオイルクーラ135に導入されたオイルは、オイルクーラ135の中心部に設けられる出口135bに同軸に通じるようにしてロアケース60に設けられている連通路138を介してメインギャラリ133に導かれる。
サブギャラリ137と、オイルクーラ135の出口118bに通じるメインギャラリ133とは、クランクシャフト67の軸線と平行な軸線を有してクランクケース61のロアケース60に設けられる。また吐出路131は、前記オイルクーラ135のフィルタ134の入口134bに一端を通じさせるようにしてロアケース60に設けられる通路部分131aと、該通路部分131aの他端およびオイルポンプ121の吐出口間を結ぶ接続管路139で形成される通路部分131bとから成るものであり、前記通路部分131aは、メインギャラリ133およびサブギャラリ137と直交する平面に軸線を有してメインギャラリ133およびサブギャラリ137の下方に配置され、前記接続管路139は、オイルストレーナ130が備えてオイルポンプ121の吸入口に接続される管路部130aを迂回するようにして屈曲成形される。
図8において、クランクケース61のアッパケース58およびロアケース60には、中間部に計量ノズル140が介設されるようにした変速機用通路141が、その一端をオイルポンプ121の近傍に開口するようにして設けられており、この変速機用通路141の一端は、接続管路142を介して連通路138に接続される。而して、該接続管路142は、前記吐出路131の一部の通路部分131bを形成する接続管路139と、立体的に交差するようにして屈曲成形される。このように接続管路139,142を立体的に交差させるようにして集約配置することにより、クランクケース61内に他の補機を配置するためのスペースを確保することができる。
図9において、オイルフィルタ134およびオイルクーラ135は、クランクケース61の外壁面、この実施例では自動二輪車の進行方向に沿うロアケース60の前部外壁面に取付けられる。
クランクケース61におけるロアケース60の外壁面には、オイルフィルタ134のハウジング143を取付けるための円形の取付け座144が設けられており、その取付け座144の中心部にサブギャラリ137に通じる円形の出口134aが配置され、吐出路131に通じる入口134bは出口134aから偏心した位置で取付け座144内に配置される。
また取付け座144に隣接した位置でロアケース60の外壁面には、オイルクーラ135が備えるハウジング145を取りつけるための取付け座146が、円形凹部147を形成するようにして設けられ、サブギャラリ137における第1通路部分137aは円形凹部147の内側面に開口され、その開口部がオイルクーラ135の入口135bとなる。また円形凹部147の中央部には出口135aが開口されており、この出口135aが連通路138を介してメインギャラリ133に連通する。
クランクシャフト67の軸線に沿う前記サブギャラリ137の一端および前記オイルフィルタ134間で、サブギャラリ137の第2通路部分137bから上方に立ち上がる分岐油路148がクランクケース61のロアケース60に設けられ、この分岐油路148は、アッパケース58およびシリンダバレル57に設けられてシリンダヘッド63側に延びるアッパケース側油路149の下端部に連通され、アッパケース側油路149の上端は、シリンダヘッド63に設けられるヘッド側油路150の下端に連通される。
アッパケース側油路149は、自動二輪車に進行方向前方に向かうにつれて上方位置となるように傾斜して、アッパケース58およびシリンダバレル57が一体に結合されて成るシリンダブロック59においてクランクシャフト67の軸線に沿う一端部に設けられる。一方、ロアケース60に設けられる分岐油路148は、クランクシャフト67の軸線に沿ってアッパケース側油路149よりも内方側で上下に延びるものであり、分岐油路148の上端は、アッパケース58およびロアケース60の結合面間に形成される連通路151を介してアッパケース側油路149の下端に連通する。
図10および図11において、前記連通路151をアッパケース58のロアケース60への結合面との間に形成するために、ロアケース60のアッパケース58への結合面には、一端に分岐油路148の上端を開口せしめた連通溝152が、クランクシャフト67の軸線に沿って分岐油路148よりも外方側に他端を配置するようにして設けられ、該連通溝152の他端には、アッパケース側油路149を通じさせるための円形の連通凹部153が形成される。
またアッパケース58およびロアケース60の結合面のうち前記連通路151が形成される部位は、前記結合面の他の部位よりも幅広に形成される。さらに前記連通路151の外方で、アッパケース58およびロアケース60の結合面間には溝154が形成されるものであり、この実施例では、ロアケース60のアッパケース58への結合面に前記溝154が形成される。
しかもアッパケース58はロアケース60に液状ガスケット155を介して結合されるのであるが、前記溝154が設けられる部位では、該溝154の外方でアッパケース58およびロアケース60の結合面に液状ガスケット155が塗布される
アッパケース側油路149の上端は、ヘッドカバー63のシリンダブロック59への結合面に設けられる凹部158(図5参照)に連通する。またシリンダブロック59のシリンダヘッド63への結合面には前記凹部158に通じる凹部159(図5参照)が設けられており、その凹部159にヘッド側油路150の下端が連通する。而してアッパケース側油路149の上端よりも内方側にヘッド側油路150の下端が位置しているのであるが、前記凹部158,159を経由することで、アッパケース側油路149の上端がヘッド側油路150の下端に連通する。
図5に注目して、前記ヘッド側油路150は、複数のカムジャーナル壁94…,95のうちクランクシャフト67の軸線に沿う一端側のカムジャーナル壁95に直線状に延びるようにして設けられる。一方、前記カムジャーナル壁95と、そのカムジャーナル壁95に締結されるカムホルダ97とには、排気側カムシャフト93を囲繞する環状溝160が設けられており、前記ヘッド側油路150の上端は該環状溝160に開口される。しかも図7で示すように、排気側カムシャフト93には、その排気側カムシャフト93の両端で閉じられる潤滑油路161が同軸に設けられるとともに、環状溝160を潤滑油路161に通じさせる連通孔162と、各排気側カム91…の側面に外端を開口させるとともに内端を潤滑油路160に通じさせる潤滑油孔163…とが設けられる。また他のカムジャーナル壁94…およびカムホルダ98…には排気側カムシャフト93を囲繞する環状溝(図示せず)が潤滑油路160に通じるようにして設けられる。
このようにしてヘッド側油路150からのオイルは排気側カムシャフト93内の潤滑油路160に供給され、各排気側カム91…およびリフタ89…の摺接部、ならびにカムジャーナル壁94…,95およびカムホルダ98…,97と排気側カムシャフト93との摺接部に前記潤滑油路160からオイルが供給されることになる。
前記カムジャーナル壁95および前記カムホルダ97に設けられて排気側カムシャフト93を囲繞する前記環状溝160と、カムジャーナル壁95およびカムホルダ97に設けられて吸気側カムシャフト92を囲繞する環状溝164とは、カムジャーナル壁95およびカムホルダ97の結合面の少なくとも一方(この実施例ではカムホルダ97)に設けられる連通溝135によって相互に連通され、環状溝164に通じる連通路166がヘッド側油路150と平行に延びるようにしてカムジャーナル壁95に直線状に設けられる。また前記連通路166は、テンショナリフタ108のリフタケース116に設けられた通路167に連通される。
ところでクランクシャフト67を回転自在に支承する複数のクランクジャーナル壁68…間には、クランク室168…が形成されるのであるが、各クランクジャーナル壁68…の上部壁68a…には、図12で示すように、隣接するクランク室168…同士を連通するようにして円形の連通孔169A…が機械加工により穿設される。而して図12において右側の2つのクランクジャーナル壁68…に設けられる2つの連通孔169A,169Aが同軸であるのに対し、左側の3つのクランクジャーナル壁68…には、同軸である3つの連通孔169A…が、前記2つの連通孔169A…とはオフセットした位置に軸線を有するようにして穿設される。
しかも各クランクジャーナル壁68…における上部壁68a…の少なくとも一部の少なくとも一面に、当該上部壁68a…に設けられる円形の前記連通孔169Aを囲んで無端状に連なる非円形のリブ170が突設される。而して上部壁68a…を一体に備えるシリンダブロック69は鋳造成形されるものであり、前記上部壁68a…の各シリンダボア56…に臨む側に突出部を設けることは困難であるので、クランクシャフト67の軸線に沿う両外方に配置される上部壁68a,68aの外面に前記リブ170,170が一体に突設される。
しかも図13で示すように、前記リブ170は、小円形部170aおよび大円形部170bが相互に連なって成る達磨形に形成されるものであり、小円形部170aおよび大円形部170bのいずれかの中央に軸線を配置するようにして連通孔169A…が上部壁68a…に穿設される。
而してシリンダボア56…を形成するようにしてシリンダブロック59にインサート結合されているライナ171…が穿孔工具での穿孔加工が困難な材料から成るものであり、ライナー171…からずれた位置に連通孔169A…を配置する場合には、図13で明示するように、たとえばリブ170…の小径部170a…内に連通孔169A…を配置するようにすればよく、またライナ171…が穿孔工具で容易に穿孔可能な材料からなるものであり、ライナー171に連通孔169B…の一部がかかるようにして連通孔169B…を穿孔加工する際には、図14で示すように、たとえばリブ170…の大径部170a…内に連通孔169B…を配置するようにすればよい。
次にこの実施例の作用について説明すると、アッパケース58とともにクランクケース61を構成するロアケース60には、オイルポンプ121に通じる供給源側油路137がクランクシャフト67の軸線と平行に延びて設けられるとともに、クランクシャフト67の軸線に沿うシリンダヘッド63の一端部に設けられるヘッド側油路150にオイルを導く分岐油路148が前記供給源側油路137から分岐して上方に立ち上がるようにして設けられるのであるが、クランクシャフト67の軸線に沿うアッパケース58およびシリンダバレル57の一端部には、ヘッド側油路150に通じて上下に延びるアッパケース側油路149が設けられ、クランクシャフト67の軸線に沿ってアッパケース側油路149よりも内方側でロアケース60に設けられる分岐油路148の上端およびアッパケース側油路149の下端間が、アッパケース58およびロアケース60の結合面間に形成される通する連通路151を介して連通されている。
したがって分岐油路148からアッパケース側油路149へとオイル通路がクランクシャフト67の軸線に沿う内方から外方へとオフセットすることになり、分岐油路148をアッパケース側油路149の下端よりもクランクシャフト67の軸線に沿う内方側に配置することを可能とし、クランクシャフト67の軸線に沿う方向でのロアケース60の幅Wを比較的小さく設定することができ、小型車両への搭載時の車体フレームFおよび排気系31の配置上の自由度を増大し、バンク角のさらなる確保を容易とすることができる。
またアッパケース58およびロアケース60の結合面のうち連通路151が形成される部位は、前記結合面の他の部位よりも幅広に形成され、連通路151の外方で前記結合面間に溝154が形成されるので、ロアケース60およびアッパケース58の結合面での液密性をより一層確実なものとすることができる。
さらに溝154の外方でアッパケース58およびロアケース60の結合面に液状ガスケット155が塗布されるので、はみ出した液状ガスケット155を溝154で受けるようにして液状ガスケット155が連通路151に入り込むのを防止することができる。
またクランクシャフト67を回転自在に支承する複数のクランクジャーナル壁68…が、それらのクランクジャーナル壁68…間にクランク室168…を形成してクランクケース61に設けられ、隣接するクランク室168…同士を連通するようにして機械加工により円形に形成される連通孔169Aまたは169Bが、各クランクジャーナル壁68…の上部壁68…に同軸に穿設されるのであるが、クランクジャーナル壁68…における上部壁68a…の少なくとも一部の少なくとも一面、この実施例では、クランクシャフト67の軸線に沿う両外方に配置される上部壁68a,68aの外面に、円形の前記連通孔169Aまたは169Bを囲んで無端状に連なる非円形のリブ170,170が一体に突設される。
したがってクランクケース61においてクランクシャフト67の軸線に沿う両外方に配置される上部壁68a,68aの剛性を高めることができる。しかもリブ170…が円形の連通孔169Aまたは169Bを囲んで非円形に形成されるので、少なくとも連通孔169Aまたは169Bの周囲の一部をリブ170…から離間させることができ、リブ170…を含めた連通孔169Aまたは169Bの実質的な軸長さを短くし、連通孔169Aまたは169Bを流通する空気の流通効率を高め、ポンピングロスを効果的に低減することができる。
しかもリブ170が、小円形部170aおよび大円形部170bが相互に連なって成る達磨形に形成されるものであるので、リブ170内での連通孔169Aまたは169Bの位置を機種毎の要求特性に応じて変更することができる。そのため異なった要求特性をもつ機種に同一クランクケース61を流用した場合でも、クランクケース61の剛性を確保しつつ複数の連通孔配置箇所を選択することができ、汎用性が向上する。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
自動二輪車の側面図である。 エンジンの側面図である。 図2の3−3線断面図である。 図3の4−4線断面図である。 図3の5−5線断面図である。 図2の6−6線断面図である。 オイルポンプからメインギャラリおよびサブギャラリまでのオイル供給系統を示す図である。 図6の8−8線断面図である。 クランクケースを図2の9矢視方向から見た図である。 図6の10−10線矢視方向から見たロアケースの平面図である。 アッパケースおよびロアケースの結合部分を図10の11−11線に沿って示す断面図である。 シリンダブロックの縦断面図である。 図12の13矢視図である。 連通孔の位置を変化させたときの図13に対応する図である。
符号の説明
61・・・クランクケース
67・・・クランクシャフト
68・・・クランクジャーナル壁
168・・・クランク室
169A,169B・・・連通孔
170・・・リブ
170a・・・小円形部
170b・・・大円形部

Claims (2)

  1. クランクシャフト(67)を回転自在に支承する複数のクランクジャーナル壁(68)が、それらのクランクジャーナル壁(68)間にクランク室(168)を形成してクランクケース(61)に設けられ、隣接するクランク室(168)同士を連通するようにして機械加工により円形に形成される連通孔(169A,169B)が、前記各クランクジャーナル壁(68)に同軸に設けられる多気筒エンジンの換気装置において、前記各クランクジャーナル壁(68)の少なくとも一部の少なくとも一面に、当該クランクジャーナル壁(68)に設けられる円形の前記連通孔(169A,169B)を囲んで無端状に連なる非円形のリブ(170)が突設されることを特徴とする多気筒エンジンの換気装置。
  2. 前記リブ(170)が、小円形部(170a)および大円形部(170b)が相互に連なって成る達磨形に形成されることを特徴とする請求項1記載の多気筒エンジンの換気装置。
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