JP2004324463A - エンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部配管を用いることなく潤滑オイルを供給可能なエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置を提供するにある。
【解決手段】シリンダヘッド20上部のカム室33内に設けられて吸・排気バルブを開閉操作するカムシャフト35ex,35inと、クランクシャフトの回転駆動力をカムシャフト35ex,35inに伝達するカムチェーン37と、オイルポンプによって圧送される潤滑オイルをシリンダヘッド20に導いてカムシャフト35ex,35inを潤滑するオイル通路82,83,84,88と、カムチェーン37の張りを調整するカムチェーンアジャスタ51とを備えたエンジン16において、カムシャフト35ex,35inに潤滑オイルを導くオイル通路通路82,83,84,88のうち、シリンダヘッド20に設けられた、カムシャフト35ex,35inを軸支する軸受部43Fa,43Raとカムハウジング44との合わせ面およびその近傍を通るオイル通路88からカムチェーンアジャスタ51に潤滑オイルを導くアジャスタ用オイル通路86を分岐させたものである。
【選択図】 図7
【解決手段】シリンダヘッド20上部のカム室33内に設けられて吸・排気バルブを開閉操作するカムシャフト35ex,35inと、クランクシャフトの回転駆動力をカムシャフト35ex,35inに伝達するカムチェーン37と、オイルポンプによって圧送される潤滑オイルをシリンダヘッド20に導いてカムシャフト35ex,35inを潤滑するオイル通路82,83,84,88と、カムチェーン37の張りを調整するカムチェーンアジャスタ51とを備えたエンジン16において、カムシャフト35ex,35inに潤滑オイルを導くオイル通路通路82,83,84,88のうち、シリンダヘッド20に設けられた、カムシャフト35ex,35inを軸支する軸受部43Fa,43Raとカムハウジング44との合わせ面およびその近傍を通るオイル通路88からカムチェーンアジャスタ51に潤滑オイルを導くアジャスタ用オイル通路86を分岐させたものである。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンにはその回転変動によりカムチェーン(タイミングチェーン)が撓んだときや、時間経過によってカムチェーンが伸びて弛みが出たとき等に、カムチェーンの張りを常に最適状態に調整することにより吸・排気バルブのタイミングや点火時期の狂い、騒音の発生等を防止するカムチェーンアジャスタが備えられている。
【0003】
カムチェーンアジャスタの一般的な構造としては、例えば特開平8−270455号公報(特許文献1参照)に示すように、タイミングチェーンの外側にチェーンアジャスタを配設し、このチェーンアジャスタによりタイミングチェーンにチェーンテンショナを押圧してタイミングチェーンに適正な張りを与えるようにしたものがある。
【0004】
そして、カムチェーンアジャスタは通常カムチェーンの回転により生じる潤滑オイルの飛沫により雰囲気潤滑されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−270455号公報(段落番号[0036]および図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カムチェーンアジャスタをオイルの飛沫による雰囲気で潤滑した場合、カムチェーンアジャスタの細部まで充分に潤滑オイルが行き渡らず、カムチェーンアジャスタの局部磨耗を発生させてしまう虞がある。
【0007】
そこで、例えばオイルホースにより外部から潤滑オイルをカムチェーンアジャスタに導く方法があるが、オイルホースの配索スペースの確保やコストの上昇等、問題が生じる。
【0008】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、外部配管を用いることなく潤滑オイルを供給可能なエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、シリンダヘッド上部のカム室内に設けられて吸・排気バルブを開閉操作するカムシャフトと、クランクシャフトの回転駆動力を上記カムシャフトに伝達するカムチェーンと、オイルポンプによって圧送される潤滑オイルを上記シリンダヘッドに導いて上記カムシャフトを潤滑するオイル通路と、上記カムチェーンの張りを調整するカムチェーンアジャスタとを備えたエンジンにおいて、上記カムシャフトに潤滑オイルを導く上記オイル通路のうち、上記シリンダヘッドに設けられた、上記カムシャフトを軸支する軸受部とカムハウジングとの合わせ面およびその近傍を通るオイル通路から上記カムチェーンアジャスタに潤滑オイルを導くアジャスタ用オイル通路を分岐させたものである。
【0010】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記アジャスタ用オイル通路の上端開口を上記カムシャフトの軸受部の上記カムハウジングとの合わせ面に臨ませ、上記カムチェーンの走行面に沿って上記カムハウジングの締着用ボルトの締付軸位置より外側に配置すると共に、上記エンジンの一側に形成されて上記カムチェーンを収納するカムチェーン室に臨む上記シリンダヘッドの内壁面に略直線的に配置したものである。
【0011】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記シリンダヘッドに形成される上記カムシャフトの軸受部と上記カムハウジングとの合わせ面とを前下がりに形成し、この合わせ面上に一対の上記カムシャフトを前後に離間して平行に配置すると共に、これらの上記カムシャフトのうち、高い方に位置するカムシャフトよりさらに高い位置に上記アジャスタ用オイル通路の上端開口を臨ませたものである。
【0012】
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記アジャスタ用オイル通路を、車両のサイドスタンドが配置された側とは反対側に設け、且つ上記カムチェーンアジャスタおよび上記アジャスタ用オイル通路の下端を上記カムシャフトの軸受部より下方に配置したものである。
【0013】
そしてまた、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記カムチェーン室の上方を上記カム室に連通させ、その車両の幅方向一側を上記シリンダヘッド内の動弁室に連通させると共、他側を外側壁によって閉塞し、その前後端を連続する壁面によって略矩形断面形状に形成する一方、上記カムチェーン室の後端壁面下方に上記カムチェーンアジャスタをその取り付け方向がカムチェーンの走行面上、且つ気筒軸に対して略直角になるよう取り付けたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、この発明を適用した自動二輪車の一例を示す左側面図である。図1に示すように、この自動二輪車1は車体フレーム2を有し、その前方にヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には図示しないサスペンション機構を内装し、前輪4を回動自在に支持する左右一対のフロントフォーク5やハンドルバー6等から構成されるステアリング機構7が設けられ、ハンドルバー6により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
【0016】
一方、車体フレーム2は、例えばツインチューブ型のもので、ヘッドパイプ3の直後で左右方向に拡開された後、互いに平行に後斜下方に延びる左右一対のタンクレールを兼ねたメインフレーム8と、これらのメインフレーム8の後端部に接続され、略上下方に向かって延びる左右一対のセンターフレーム9と、これらのセンターフレーム9の後上端から後方に延びる左右一対のシートレール10とから構成される。
【0017】
メインフレーム8の上方には燃料タンク11が配置され、シートレール10の上方には運転シート12が配置される。また、センターフレーム9の略中央下部にはピボット軸13が架設され、このピボット軸13にスイングアーム14がピボット軸13廻りにスイング自在に枢着されると共に、このスイングアーム14の後端に後輪15が回動自在に軸支される。そして、前後輪4,15間の車体中央下部、燃料タンク11下方にはエンジン16が配置される。
【0018】
さらに、この自動二輪車1は車体の前部が流線形のカウリング17で覆われており、走行中の空気抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護とが図られている。また、車両の進行方向に向かって左側のセンターフレーム9下部にはサイドスタンド18が設けられる。
【0019】
図2はエンジン16上部の左側面図あり、縦断面で示す。また、図3はエンジン16の右側面図であり、一部分を縦断面で示す。さらに、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。図2〜図4に示すように、エンジン16は4サイクル並列四気筒エンジンであり、主にシリンダヘッドカバー19、シリンダヘッド20、シリンダブロック21、そしてエンジンケース22から外形が構成される。
【0020】
エンジンケース22は分割式であり、例えば図における上下方向に三分割され、シリンダブロック21が一体に形成されたアッパーエンジンケース22aと、センターエンジンケース22bと、ロアーエンジンケース22cとから構成される。
【0021】
シリンダブロック21は直立よりやや前傾して配置され、シリンダヘッドカバー19、シリンダヘッド20、シリンダブロック21および各エンジンケース22a〜22cの合わせ面はシリンダブロック21の中心軸23(気筒軸)に直交して前下がり(または後ろ上がり)に形成される一方、ロアーエンジンケース22cの下面は略水平に形成される。
【0022】
アッパーエンジンケース22aとセンターエンジンケース22bとの合わせ面内側には軸受部24がそれぞれ上下に分割して形成され、これらの軸受部24にエンジン16の幅方向に延びるクランクシャフト25が回転自在に支持される。
【0023】
クランクシャフト25には、コンロッド26の大端部26aが連結され、また、コンロッド26の小端部26bにはピストン27が連結される。そして、シリンダブロック21内にはピストン27が図における略上下方向摺動自在に収納される。また、シリンダヘッド20とピストン27との間の空間には燃焼室28が形成され、その中央部には外方から点火プラグ29がねじ結合される。
【0024】
ピストン27の往復ストロークはクランクシャフト25により回転運動に変換され、センターエンジンケース22bとロアーエンジンケース22cとによって形成される空間内の図示しないクラッチ機構およびミッション機構を経てドライブチェーン30(図1参照)を介して駆動輪である後輪15に伝達される。
【0025】
クランクシャフト25の一端には充電装置31が設けられる。一方、クランクシャフト25の他端にはカムチェーンドライブスプロケット32が設けられる。カムチェーンドライブスプロケット32は、シリンダヘッド20上部のカム室33内に設けられた動弁装置34を構成するカムシャフト35ex,35in端に設けられたカムスプロケット36にカムチェーン37を介して作動連結される。そして、クランクシャフト25の回転駆動力がカムチェーン37を介してカムシャフト35ex,35inに伝達されることにより、動弁装置34が作動され、シリンダヘッド20内部の動弁室48内に配置された吸・排気バルブ38,39を開閉操作する。なお、シリンダヘッド20上部のカム室33はシリンダヘッドカバー19により上方から塞がれる。
【0026】
図5は、シリンダヘッド20のカム室33の上面図であり、シリンダヘッドカバー19を取り外した状態を示す。また、図6はシリンダヘッドカバー19を取り外したカム室33上面の右端を拡大した図であり、図7は図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【0027】
図5〜図7に示すように、シリンダヘッド20上部のカム室33内部には、車両の幅方向に延びる一対のカムシャフト35ex,35inが前後に離間して平行に配置される。なお、前側は排気バルブ39開閉操作用のカムシャフト35ex、後側は吸気バルブ38開閉操作用のカムシャフト35inである。
【0028】
各カムシャフト35ex,35inには排気カム40および吸気カム41が各気筒に対応して離間配置されると共に、カムシャフト35ex,35inの各カム40,41間および右端部にはジャーナル部42が形成され、これらのジャーナル部42がシリンダヘッド20に設けられた複数箇所の軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eおよびこれらの軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eとは別体に設けられたカムハウジング44とによって回転自在に軸支される。また、図7に示すように、カムハウジング44はカムシャフト35ex,35inを挟んでその前後からボルト45によってシリンダヘッド20の軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eに締着される。なお、図5および図6において符号46はシリンダヘッド20の軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eに形成された上記ボルト45の締め付け穴である。また、軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eとカムハウジング44との合わせ面はシリンダヘッド20とシリンダヘッドカバー19との合わせ面と略面一に、すなわち前下がりに形成される。
【0029】
図4に示すように、シリンダヘッド20およびシリンダブロック21(アッパーエンジンケース22a)の、車両の進行方向に向かって右側、すなわちサイドスタンド18とは反対側の端部には上記カムチェーン37を収納するカムチェーン室47が形成される。
【0030】
シリンダヘッド20のカムチェーン室47は、図6および図7に示すように、その上方がカム室33に連通すると共に、その車両の幅方向一側、本実施形態においては左側がシリンダヘッド20内の動弁室48に連通する一方、他側、本実施形態においては右側、は外側壁49によって閉塞され、その前後端は連続する壁面50によって略矩形断面形状に形成される。
【0031】
カムチェーン室47に臨む両カムシャフト35ex,35inの端部、すなわち右端部には上記カムスプロケット36が設けられる。また、両カムシャフト35ex,35inより下方の、カムチェーン室47の後端壁面にはカムチェーンアジャスタ51の取付座52が形成され、この取付座52にカムチェーンアジャスタ51がその取り付け方向がカムチェーン37の走行面上、且つ気筒軸23に対して略直角になるよう取り付けられる。
【0032】
さらに、図2に示すように、側面視で気筒軸23を挟んでカムチェーンアジャスタ51の反対側には、エンジン16懸架用のボス53が略同じ高さで配置される。また、カムチェーンアジャスタ51は前記メインフレーム8の上下幅内に収まるように配置される。
【0033】
カムチェーンアジャスタ51は、エンジン16の回転変動によりカムチェーン37が撓んだときや、時間経過によってカムチェーン37が伸びて弛みが出たとき等に、カムチェーン37の張りを常に最適状態に調整することにより吸・排気バルブ38,39のタイミングや点火時期の狂い、騒音の発生等を防止するものであり、本実施形態においてはその内部にラチェット機構54を備えた自動調整式のカムチェーンアジャスタが用いられる。そして、図7に示すように、カムチェーンアジャスタ51はカムチェーン37の外側に配設され、このカムチェーンアジャスタ51によりカムチェーン37にカムチェーンテンショナ55を押圧してカムチェーン37に適正な張りを与えるように構成される。
【0034】
図2に示すように、この自動二輪車1に用いられるエンジン16への混合気供給手段は燃料噴射式であって、シリンダヘッド20の後側に形成された吸気ポート56にフューエルインジェクタ57を備えたスロットルボディ58が接続される。スロットルボディ58は、その吸気通路59内にスロットルバルブ60を備え、このスロットルバルブ60の下流側に直接燃料を噴射するフューエルインジェクタ57が、上記カムチェーンアジャスタ51の上方に略水平に設けられる。そして、スロットルボディ58はエンジン16の後上方に配置され、スロットルボディ58の上流側にはエアクリーナ61が接続される。
【0035】
一方、シリンダヘッド20の前側に形成された排気ポート62にはエキゾーストパイプ63の上流端が接続される。エキゾーストパイプ63はエンジン16前部から下方に向かって延び、さらに後方に向かって延設され、その下流端にサイレンサ64が接続される。そして、エンジン16のシリンダヘッド20前方にはエンジン冷却系を構成するラジエター65が配置される。
【0036】
ところで、エンジン16にはエンジン潤滑装置が備えられており、図3および図4に示すように、ロアーエンジンケース22c下部に設けられたオイルパン66内に貯留された潤滑オイルがオイルポンプ67によってオイルフィルタ68およびオイルクーラ69を経由してクランクシャフト25や動弁装置34、ミッション機構(図示せず)等のエンジン16内各部に圧送される。
【0037】
ロアーエンジンケース22cの一側面には例えばクランクシャフト25によって駆動されるオイルポンプ67が配置される。オイルポンプ67のオイル汲み上げ口67aからはオイルパン66内に向かってオイル汲み上げ通路70が延設され、その上流端には潤滑オイル中の比較的大きな異物を除去するストレイナ71が設けられる。
【0038】
一方、オイルポンプ67のオイル吐出口67bからは第一サブギャラリ72がロアーエンジンケース22cの正面に配置されたオイルフィルタ68のオイル入口73に向かって延びると共に、オイルフィルタ68のオイル出口74からはオイルクーラ69のオイル入口75に向かってオイル連通路77が延びる。
【0039】
他方、クランクシャフト25の下方にはメインギャラリ78がエンジン16の幅方向にクランクシャフト25と平行に配設される。そして、オイルクーラ69のオイル出口76からメインギャラリ78に向かって第二サブギャラリ79が配設される。
【0040】
そして、メインギャラリ78からアッパーエンジンケース22aとセンターエンジンケース22bとの合わせ面内側に設けられたクランクシャフト25の軸受部24に向かってオイル供給路80が延設される。
【0041】
クランクシャフト25の軸受部24に向かって供給される潤滑オイルは、最も右側に設けられたクランクシャフト25の軸受部24から、シリンダブロック21(アッパーエンジンケース22a)の最も右側の気筒とカムチェーン室47との間の壁部に形成されてシリンダブロック21とシリンダヘッド20との合わせ面に向かって延びるオイル通路81を経て、シリンダヘッド20の最も右側の吸・排気バルブ38,39とカムチェーン室47との間の壁部に形成されてシリンダブロック21とシリンダヘッド20との合わせ面に向かって延びるオイル通路82から、カムシャフト35ex,35inの最も右端を軸支する軸受部43Fa,43Raに導かれる。
【0042】
オイル通路82はその途中で前後に分岐され、他のオイル通路である前側の分岐路83は前側に配置される排気バルブ39開閉操作用カムシャフト35exの軸受部43Fa後側に、他のオイル通路である後側の分岐路84は後側に配置される吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト3535inの軸受部43Ra前側にそれぞれ延設される。
【0043】
さらに、各カムシャフト35ex,35inの内部にはオイル通路85がその軸方向に延設され、カムシャフト35ex,35inの最も右端を軸支する軸受部43Fa,43Raに導かれた潤滑オイルがこのオイル通路85を通って他の軸受部43b〜43eに導かれてカムシャフト35ex,35inとの摺接面を潤滑する。また、カムシャフト35ex,35inを潤滑した潤滑オイルは動弁室48内を自然落下して吸・排気バルブ38,39を潤滑した後、シリンダブロック21(アッパーエンジンケース22a)に形成されるオイル戻し通路(図示せず)やカムチェーン室47を経てオイルパン66に戻される。なお、シリンダブロック21が直立よりやや前傾して配置される本エンジン16特有の構造から、潤滑オイルはエンジン16の前下部に位置する排気系側からオイルパン66に戻される。
【0044】
ところで、このエンジン16のカムチェーンアジャスタ51にはアジャスタ用オイル通路86を介して潤滑オイルが導かれて強制的に潤滑される。具体的には、アジャスタ用オイル通路86はシリンダヘッド20の、カムチェーンアジャスタ51の取付座52近傍の、カムチェーン室47に臨むシリンダヘッド20の内壁面に気筒軸23と略並行に、そして略直線的に配置される。
【0045】
また、アジャスタ用オイル通路86は、その上端開口86aが吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト35inの軸受部43Raのカムハウジング44との合わせ面に臨み、カムチェーン37の走行面に沿って吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト35inより後側の、カムハウジング44の締着用ボルト45の締付軸45a位置より外側に配置されると共に、アジャスタ用オイル通路86の下端はカムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Raより下方に配置された、カムチェーンアジャスタ51の取付座52に向かって延びる連絡通路87に接続される。そして、この連絡通路87にカムチェーンアジャスタ51のハウジング51aに形成されたオイル供給通路51bが接続される。
【0046】
一方、カムシャフト35ex,35inの最も右端を軸支する軸受部43Fa,43Raには他のオイル通路である周溝88が形成されており、そのうちの、吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト35inの軸受部43Raの周溝88はアジャスタ用オイル通路86の上端開口86aに向かって延設され、カムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Raに導かれた潤滑オイルはアジャスタ用オイル通路86に案内される。
【0047】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0048】
カムシャフト35ex,35inに潤滑オイルを導くオイル通路(オイル通路82、分岐路83、分岐路84および周溝88)のうち、シリンダヘッド20に設けられた、カムシャフト35ex,35inを軸支する軸受部43Fa,43Raとカムハウジング44との合わせ面およびその近傍を通るオイル通路(周溝88)からカムチェーンアジャスタ51に潤滑オイルを導くアジャスタ用オイル通路86を分岐させたことにより、カムチェーンアジャスタ51に潤滑オイルを導く外部配管が不要となって、エンジン16周りの省スペース化、軽量化を図ることができると共に、コストの削減も図れる。
【0049】
また、カムチェーンアジャスタ51に潤滑オイルが導かれることにより、カムチェーンアジャスタ51内部の磨耗、特にラチェット機構54を備えたカムチェーンアジャスタ51の場合はラチェット機構54の爪54a部分の局部磨耗が抑制され、耐久性が向上すると共に、カムチェーン37の騒音も低減する。さらに、カムチェーンアジャスタ51にはカムシャフト35ex,35inに圧送された後の潤滑オイルが導かれるため、例えば冷機始動時など潤滑オイルの粘性が高い状態であっても過剰な圧力の潤滑オイルがカムチェーンアジャスタ51に導かれることを防止する。
【0050】
また、アジャスタ用オイル通路86の上端開口86aを吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト35inの軸受部43Raのカムハウジング44との合わせ面に臨ませ、カムチェーン37の走行面に沿ってカムハウジング44の締着用ボルト45の締付軸45a位置より外側に配置すると共に、カムチェーン室47に臨むシリンダヘッド20の内壁面に略直線的に配置したことにより、例えアジャスタ用オイル通路86をシリンダヘッド20の内部に配管してもシリンダヘッド20が大型化することはなく、また、アジャスタ用オイル通路86を例えばボルト45の締め付け穴等と同時に加工できるので、加工性が良い。
【0051】
さらに、シリンダヘッド20に形成されるカムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eとカムハウジング44との合わせ面とを前下がりに形成し、この合わせ面上に一対のカムシャフト35ex,35inを前後に離間して平行に配置すると共に、これらのカムシャフト35ex,35inのうち、高い方に位置するカムシャフト、本実施形態においては後側の吸気バルブ38開閉操作用のカムシャフト35inよりさらに高い位置にアジャスタ用オイル通路86の上端開口86aを臨ませたことにより、カムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Raにおけるオイルリークのクリアランスからオイル通路内に空気が進入して通路内の潤滑オイルと置換しても、アジャスタ用オイル通路86はオイル溜まりとして機能するので、エンジン16を長期間停止した後の始動初期時に発生する虞があったカムチェーンアジャスタ51の底突き等の問題が回避可能になると共に、カムチェーンアジャスタ51がオイルパン66より高い位置にあっても、エンジン16始動時における潤滑オイルの供給遅れは問題とならない。
【0052】
さらにまた、アジャスタ用オイル通路86を、車両のサイドスタンド18が配置された側とは反対側に設け、且つカムチェーンアジャスタ51およびアジャスタ用オイル通路86の下端をカムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Raより下方に配置したことにより、アジャスタ用オイル通路86はオイル溜まりとして機能するので、エンジン16を長期間停止した後の始動初期時に発生する虞があったカムチェーンアジャスタ51の底突き等の問題が回避可能になると共に、カムチェーンアジャスタ51がオイルパン66より高い位置にあっても、エンジン16始動時における潤滑オイルの供給遅れは問題とならない。
【0053】
そして、シリンダヘッド20のカムチェーン室47の上方をカム室33に連通させ、その車両の幅方向一側をシリンダヘッド20内の動弁室48に連通させると共、他側を外側壁49によって閉塞し、その前後端を連続する壁面50によって略矩形断面形状に形成する一方、カムチェーン室47の後端壁面下方にカムチェーンアジャスタ51をその取り付け方向がカムチェーン37の走行面上、且つ気筒軸23に対して略直角になるよう取り付けたことにより、カムチェーン室47の形成のために別体のカバー等が不要となる。その結果、カムチェーン室47の剛性やシール性が向上する。
【0054】
また、カムチェーンアジャスタ51を気筒列の方向から取り付けないので、エンジン16の幅寸法をコンパクトにでき、車体フレーム2への搭載性が向上すると共に、カムチェーンアジャスタ51はエキゾーストパイプ63から離れた位置に配置されるため、カムチェーンアジャスタ51内部に貯溜された潤滑オイルが熱によって劣化することがない。
【0055】
なお、上述した実施形態においては内部にラチェット機構54を備えた自動調整式のカムチェーンアジャスタ51を用いた例を示したが、ネジを用いた手動調整式のカムチェーンアジャスタ(図示せず)にも適用可能である。その場合、ネジ部分の局部磨耗が防止される。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置によれば、エンジン周りの省スペース化、軽量化を図ることができると共に、コストの削減も図れる。
【0057】
また、アジャスタ用オイル通路がオイル溜まりとして機能するので、エンジンを長期間停止した後の始動初期時に発生する虞があった問題が回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置の一実施形態を示す自動二輪車の左側面図。
【図2】エンジン上部の左側面(縦断面)図。
【図3】エンジンの右側面(一部分が縦断面)図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】シリンダヘッドのカム室上面図(シリンダヘッドカバーを取り外した状態)。
【図6】シリンダヘッドカバーを取り外したカム室上面の右端を拡大した図。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 自動二輪車
16 エンジン
18 サイドスタンド
20 シリンダヘッド
23 気筒軸
25 クランクシャフト
33 カム室
35ex,35in カムシャフト
37 カムチェーン
38 吸気バルブ
39 排気バルブ
43Fa 排気バルブ開閉操作用カムシャフトの最も右端を軸支する軸受部
43Ra 吸気バルブ開閉操作用カムシャフトの最も右端を軸支する軸受部
43b〜43e カムシャフトの軸受部
44 カムハウジング
45 カムハウジング締着用ボルト
45a ボルトの締付軸
47 カムチェーン室
48 動弁室
49 カムチェーン室の外側壁
50 カムチェーン室前後端の連続する壁面
51 カムチェーンアジャスタ
67 オイルポンプ
81 オイル通路
82 オイル通路
83 前側の分岐路(オイル通路)
84 後側の分岐路(オイル通路)
86 アジャスタ用オイル通路
86a アジャスタ用オイル通路の上端開口
88 周溝(オイル通路)
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンにはその回転変動によりカムチェーン(タイミングチェーン)が撓んだときや、時間経過によってカムチェーンが伸びて弛みが出たとき等に、カムチェーンの張りを常に最適状態に調整することにより吸・排気バルブのタイミングや点火時期の狂い、騒音の発生等を防止するカムチェーンアジャスタが備えられている。
【0003】
カムチェーンアジャスタの一般的な構造としては、例えば特開平8−270455号公報(特許文献1参照)に示すように、タイミングチェーンの外側にチェーンアジャスタを配設し、このチェーンアジャスタによりタイミングチェーンにチェーンテンショナを押圧してタイミングチェーンに適正な張りを与えるようにしたものがある。
【0004】
そして、カムチェーンアジャスタは通常カムチェーンの回転により生じる潤滑オイルの飛沫により雰囲気潤滑されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−270455号公報(段落番号[0036]および図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カムチェーンアジャスタをオイルの飛沫による雰囲気で潤滑した場合、カムチェーンアジャスタの細部まで充分に潤滑オイルが行き渡らず、カムチェーンアジャスタの局部磨耗を発生させてしまう虞がある。
【0007】
そこで、例えばオイルホースにより外部から潤滑オイルをカムチェーンアジャスタに導く方法があるが、オイルホースの配索スペースの確保やコストの上昇等、問題が生じる。
【0008】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、外部配管を用いることなく潤滑オイルを供給可能なエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、シリンダヘッド上部のカム室内に設けられて吸・排気バルブを開閉操作するカムシャフトと、クランクシャフトの回転駆動力を上記カムシャフトに伝達するカムチェーンと、オイルポンプによって圧送される潤滑オイルを上記シリンダヘッドに導いて上記カムシャフトを潤滑するオイル通路と、上記カムチェーンの張りを調整するカムチェーンアジャスタとを備えたエンジンにおいて、上記カムシャフトに潤滑オイルを導く上記オイル通路のうち、上記シリンダヘッドに設けられた、上記カムシャフトを軸支する軸受部とカムハウジングとの合わせ面およびその近傍を通るオイル通路から上記カムチェーンアジャスタに潤滑オイルを導くアジャスタ用オイル通路を分岐させたものである。
【0010】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記アジャスタ用オイル通路の上端開口を上記カムシャフトの軸受部の上記カムハウジングとの合わせ面に臨ませ、上記カムチェーンの走行面に沿って上記カムハウジングの締着用ボルトの締付軸位置より外側に配置すると共に、上記エンジンの一側に形成されて上記カムチェーンを収納するカムチェーン室に臨む上記シリンダヘッドの内壁面に略直線的に配置したものである。
【0011】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記シリンダヘッドに形成される上記カムシャフトの軸受部と上記カムハウジングとの合わせ面とを前下がりに形成し、この合わせ面上に一対の上記カムシャフトを前後に離間して平行に配置すると共に、これらの上記カムシャフトのうち、高い方に位置するカムシャフトよりさらに高い位置に上記アジャスタ用オイル通路の上端開口を臨ませたものである。
【0012】
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記アジャスタ用オイル通路を、車両のサイドスタンドが配置された側とは反対側に設け、且つ上記カムチェーンアジャスタおよび上記アジャスタ用オイル通路の下端を上記カムシャフトの軸受部より下方に配置したものである。
【0013】
そしてまた、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記カムチェーン室の上方を上記カム室に連通させ、その車両の幅方向一側を上記シリンダヘッド内の動弁室に連通させると共、他側を外側壁によって閉塞し、その前後端を連続する壁面によって略矩形断面形状に形成する一方、上記カムチェーン室の後端壁面下方に上記カムチェーンアジャスタをその取り付け方向がカムチェーンの走行面上、且つ気筒軸に対して略直角になるよう取り付けたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、この発明を適用した自動二輪車の一例を示す左側面図である。図1に示すように、この自動二輪車1は車体フレーム2を有し、その前方にヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には図示しないサスペンション機構を内装し、前輪4を回動自在に支持する左右一対のフロントフォーク5やハンドルバー6等から構成されるステアリング機構7が設けられ、ハンドルバー6により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
【0016】
一方、車体フレーム2は、例えばツインチューブ型のもので、ヘッドパイプ3の直後で左右方向に拡開された後、互いに平行に後斜下方に延びる左右一対のタンクレールを兼ねたメインフレーム8と、これらのメインフレーム8の後端部に接続され、略上下方に向かって延びる左右一対のセンターフレーム9と、これらのセンターフレーム9の後上端から後方に延びる左右一対のシートレール10とから構成される。
【0017】
メインフレーム8の上方には燃料タンク11が配置され、シートレール10の上方には運転シート12が配置される。また、センターフレーム9の略中央下部にはピボット軸13が架設され、このピボット軸13にスイングアーム14がピボット軸13廻りにスイング自在に枢着されると共に、このスイングアーム14の後端に後輪15が回動自在に軸支される。そして、前後輪4,15間の車体中央下部、燃料タンク11下方にはエンジン16が配置される。
【0018】
さらに、この自動二輪車1は車体の前部が流線形のカウリング17で覆われており、走行中の空気抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護とが図られている。また、車両の進行方向に向かって左側のセンターフレーム9下部にはサイドスタンド18が設けられる。
【0019】
図2はエンジン16上部の左側面図あり、縦断面で示す。また、図3はエンジン16の右側面図であり、一部分を縦断面で示す。さらに、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。図2〜図4に示すように、エンジン16は4サイクル並列四気筒エンジンであり、主にシリンダヘッドカバー19、シリンダヘッド20、シリンダブロック21、そしてエンジンケース22から外形が構成される。
【0020】
エンジンケース22は分割式であり、例えば図における上下方向に三分割され、シリンダブロック21が一体に形成されたアッパーエンジンケース22aと、センターエンジンケース22bと、ロアーエンジンケース22cとから構成される。
【0021】
シリンダブロック21は直立よりやや前傾して配置され、シリンダヘッドカバー19、シリンダヘッド20、シリンダブロック21および各エンジンケース22a〜22cの合わせ面はシリンダブロック21の中心軸23(気筒軸)に直交して前下がり(または後ろ上がり)に形成される一方、ロアーエンジンケース22cの下面は略水平に形成される。
【0022】
アッパーエンジンケース22aとセンターエンジンケース22bとの合わせ面内側には軸受部24がそれぞれ上下に分割して形成され、これらの軸受部24にエンジン16の幅方向に延びるクランクシャフト25が回転自在に支持される。
【0023】
クランクシャフト25には、コンロッド26の大端部26aが連結され、また、コンロッド26の小端部26bにはピストン27が連結される。そして、シリンダブロック21内にはピストン27が図における略上下方向摺動自在に収納される。また、シリンダヘッド20とピストン27との間の空間には燃焼室28が形成され、その中央部には外方から点火プラグ29がねじ結合される。
【0024】
ピストン27の往復ストロークはクランクシャフト25により回転運動に変換され、センターエンジンケース22bとロアーエンジンケース22cとによって形成される空間内の図示しないクラッチ機構およびミッション機構を経てドライブチェーン30(図1参照)を介して駆動輪である後輪15に伝達される。
【0025】
クランクシャフト25の一端には充電装置31が設けられる。一方、クランクシャフト25の他端にはカムチェーンドライブスプロケット32が設けられる。カムチェーンドライブスプロケット32は、シリンダヘッド20上部のカム室33内に設けられた動弁装置34を構成するカムシャフト35ex,35in端に設けられたカムスプロケット36にカムチェーン37を介して作動連結される。そして、クランクシャフト25の回転駆動力がカムチェーン37を介してカムシャフト35ex,35inに伝達されることにより、動弁装置34が作動され、シリンダヘッド20内部の動弁室48内に配置された吸・排気バルブ38,39を開閉操作する。なお、シリンダヘッド20上部のカム室33はシリンダヘッドカバー19により上方から塞がれる。
【0026】
図5は、シリンダヘッド20のカム室33の上面図であり、シリンダヘッドカバー19を取り外した状態を示す。また、図6はシリンダヘッドカバー19を取り外したカム室33上面の右端を拡大した図であり、図7は図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【0027】
図5〜図7に示すように、シリンダヘッド20上部のカム室33内部には、車両の幅方向に延びる一対のカムシャフト35ex,35inが前後に離間して平行に配置される。なお、前側は排気バルブ39開閉操作用のカムシャフト35ex、後側は吸気バルブ38開閉操作用のカムシャフト35inである。
【0028】
各カムシャフト35ex,35inには排気カム40および吸気カム41が各気筒に対応して離間配置されると共に、カムシャフト35ex,35inの各カム40,41間および右端部にはジャーナル部42が形成され、これらのジャーナル部42がシリンダヘッド20に設けられた複数箇所の軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eおよびこれらの軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eとは別体に設けられたカムハウジング44とによって回転自在に軸支される。また、図7に示すように、カムハウジング44はカムシャフト35ex,35inを挟んでその前後からボルト45によってシリンダヘッド20の軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eに締着される。なお、図5および図6において符号46はシリンダヘッド20の軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eに形成された上記ボルト45の締め付け穴である。また、軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eとカムハウジング44との合わせ面はシリンダヘッド20とシリンダヘッドカバー19との合わせ面と略面一に、すなわち前下がりに形成される。
【0029】
図4に示すように、シリンダヘッド20およびシリンダブロック21(アッパーエンジンケース22a)の、車両の進行方向に向かって右側、すなわちサイドスタンド18とは反対側の端部には上記カムチェーン37を収納するカムチェーン室47が形成される。
【0030】
シリンダヘッド20のカムチェーン室47は、図6および図7に示すように、その上方がカム室33に連通すると共に、その車両の幅方向一側、本実施形態においては左側がシリンダヘッド20内の動弁室48に連通する一方、他側、本実施形態においては右側、は外側壁49によって閉塞され、その前後端は連続する壁面50によって略矩形断面形状に形成される。
【0031】
カムチェーン室47に臨む両カムシャフト35ex,35inの端部、すなわち右端部には上記カムスプロケット36が設けられる。また、両カムシャフト35ex,35inより下方の、カムチェーン室47の後端壁面にはカムチェーンアジャスタ51の取付座52が形成され、この取付座52にカムチェーンアジャスタ51がその取り付け方向がカムチェーン37の走行面上、且つ気筒軸23に対して略直角になるよう取り付けられる。
【0032】
さらに、図2に示すように、側面視で気筒軸23を挟んでカムチェーンアジャスタ51の反対側には、エンジン16懸架用のボス53が略同じ高さで配置される。また、カムチェーンアジャスタ51は前記メインフレーム8の上下幅内に収まるように配置される。
【0033】
カムチェーンアジャスタ51は、エンジン16の回転変動によりカムチェーン37が撓んだときや、時間経過によってカムチェーン37が伸びて弛みが出たとき等に、カムチェーン37の張りを常に最適状態に調整することにより吸・排気バルブ38,39のタイミングや点火時期の狂い、騒音の発生等を防止するものであり、本実施形態においてはその内部にラチェット機構54を備えた自動調整式のカムチェーンアジャスタが用いられる。そして、図7に示すように、カムチェーンアジャスタ51はカムチェーン37の外側に配設され、このカムチェーンアジャスタ51によりカムチェーン37にカムチェーンテンショナ55を押圧してカムチェーン37に適正な張りを与えるように構成される。
【0034】
図2に示すように、この自動二輪車1に用いられるエンジン16への混合気供給手段は燃料噴射式であって、シリンダヘッド20の後側に形成された吸気ポート56にフューエルインジェクタ57を備えたスロットルボディ58が接続される。スロットルボディ58は、その吸気通路59内にスロットルバルブ60を備え、このスロットルバルブ60の下流側に直接燃料を噴射するフューエルインジェクタ57が、上記カムチェーンアジャスタ51の上方に略水平に設けられる。そして、スロットルボディ58はエンジン16の後上方に配置され、スロットルボディ58の上流側にはエアクリーナ61が接続される。
【0035】
一方、シリンダヘッド20の前側に形成された排気ポート62にはエキゾーストパイプ63の上流端が接続される。エキゾーストパイプ63はエンジン16前部から下方に向かって延び、さらに後方に向かって延設され、その下流端にサイレンサ64が接続される。そして、エンジン16のシリンダヘッド20前方にはエンジン冷却系を構成するラジエター65が配置される。
【0036】
ところで、エンジン16にはエンジン潤滑装置が備えられており、図3および図4に示すように、ロアーエンジンケース22c下部に設けられたオイルパン66内に貯留された潤滑オイルがオイルポンプ67によってオイルフィルタ68およびオイルクーラ69を経由してクランクシャフト25や動弁装置34、ミッション機構(図示せず)等のエンジン16内各部に圧送される。
【0037】
ロアーエンジンケース22cの一側面には例えばクランクシャフト25によって駆動されるオイルポンプ67が配置される。オイルポンプ67のオイル汲み上げ口67aからはオイルパン66内に向かってオイル汲み上げ通路70が延設され、その上流端には潤滑オイル中の比較的大きな異物を除去するストレイナ71が設けられる。
【0038】
一方、オイルポンプ67のオイル吐出口67bからは第一サブギャラリ72がロアーエンジンケース22cの正面に配置されたオイルフィルタ68のオイル入口73に向かって延びると共に、オイルフィルタ68のオイル出口74からはオイルクーラ69のオイル入口75に向かってオイル連通路77が延びる。
【0039】
他方、クランクシャフト25の下方にはメインギャラリ78がエンジン16の幅方向にクランクシャフト25と平行に配設される。そして、オイルクーラ69のオイル出口76からメインギャラリ78に向かって第二サブギャラリ79が配設される。
【0040】
そして、メインギャラリ78からアッパーエンジンケース22aとセンターエンジンケース22bとの合わせ面内側に設けられたクランクシャフト25の軸受部24に向かってオイル供給路80が延設される。
【0041】
クランクシャフト25の軸受部24に向かって供給される潤滑オイルは、最も右側に設けられたクランクシャフト25の軸受部24から、シリンダブロック21(アッパーエンジンケース22a)の最も右側の気筒とカムチェーン室47との間の壁部に形成されてシリンダブロック21とシリンダヘッド20との合わせ面に向かって延びるオイル通路81を経て、シリンダヘッド20の最も右側の吸・排気バルブ38,39とカムチェーン室47との間の壁部に形成されてシリンダブロック21とシリンダヘッド20との合わせ面に向かって延びるオイル通路82から、カムシャフト35ex,35inの最も右端を軸支する軸受部43Fa,43Raに導かれる。
【0042】
オイル通路82はその途中で前後に分岐され、他のオイル通路である前側の分岐路83は前側に配置される排気バルブ39開閉操作用カムシャフト35exの軸受部43Fa後側に、他のオイル通路である後側の分岐路84は後側に配置される吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト3535inの軸受部43Ra前側にそれぞれ延設される。
【0043】
さらに、各カムシャフト35ex,35inの内部にはオイル通路85がその軸方向に延設され、カムシャフト35ex,35inの最も右端を軸支する軸受部43Fa,43Raに導かれた潤滑オイルがこのオイル通路85を通って他の軸受部43b〜43eに導かれてカムシャフト35ex,35inとの摺接面を潤滑する。また、カムシャフト35ex,35inを潤滑した潤滑オイルは動弁室48内を自然落下して吸・排気バルブ38,39を潤滑した後、シリンダブロック21(アッパーエンジンケース22a)に形成されるオイル戻し通路(図示せず)やカムチェーン室47を経てオイルパン66に戻される。なお、シリンダブロック21が直立よりやや前傾して配置される本エンジン16特有の構造から、潤滑オイルはエンジン16の前下部に位置する排気系側からオイルパン66に戻される。
【0044】
ところで、このエンジン16のカムチェーンアジャスタ51にはアジャスタ用オイル通路86を介して潤滑オイルが導かれて強制的に潤滑される。具体的には、アジャスタ用オイル通路86はシリンダヘッド20の、カムチェーンアジャスタ51の取付座52近傍の、カムチェーン室47に臨むシリンダヘッド20の内壁面に気筒軸23と略並行に、そして略直線的に配置される。
【0045】
また、アジャスタ用オイル通路86は、その上端開口86aが吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト35inの軸受部43Raのカムハウジング44との合わせ面に臨み、カムチェーン37の走行面に沿って吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト35inより後側の、カムハウジング44の締着用ボルト45の締付軸45a位置より外側に配置されると共に、アジャスタ用オイル通路86の下端はカムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Raより下方に配置された、カムチェーンアジャスタ51の取付座52に向かって延びる連絡通路87に接続される。そして、この連絡通路87にカムチェーンアジャスタ51のハウジング51aに形成されたオイル供給通路51bが接続される。
【0046】
一方、カムシャフト35ex,35inの最も右端を軸支する軸受部43Fa,43Raには他のオイル通路である周溝88が形成されており、そのうちの、吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト35inの軸受部43Raの周溝88はアジャスタ用オイル通路86の上端開口86aに向かって延設され、カムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Raに導かれた潤滑オイルはアジャスタ用オイル通路86に案内される。
【0047】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0048】
カムシャフト35ex,35inに潤滑オイルを導くオイル通路(オイル通路82、分岐路83、分岐路84および周溝88)のうち、シリンダヘッド20に設けられた、カムシャフト35ex,35inを軸支する軸受部43Fa,43Raとカムハウジング44との合わせ面およびその近傍を通るオイル通路(周溝88)からカムチェーンアジャスタ51に潤滑オイルを導くアジャスタ用オイル通路86を分岐させたことにより、カムチェーンアジャスタ51に潤滑オイルを導く外部配管が不要となって、エンジン16周りの省スペース化、軽量化を図ることができると共に、コストの削減も図れる。
【0049】
また、カムチェーンアジャスタ51に潤滑オイルが導かれることにより、カムチェーンアジャスタ51内部の磨耗、特にラチェット機構54を備えたカムチェーンアジャスタ51の場合はラチェット機構54の爪54a部分の局部磨耗が抑制され、耐久性が向上すると共に、カムチェーン37の騒音も低減する。さらに、カムチェーンアジャスタ51にはカムシャフト35ex,35inに圧送された後の潤滑オイルが導かれるため、例えば冷機始動時など潤滑オイルの粘性が高い状態であっても過剰な圧力の潤滑オイルがカムチェーンアジャスタ51に導かれることを防止する。
【0050】
また、アジャスタ用オイル通路86の上端開口86aを吸気バルブ38開閉操作用カムシャフト35inの軸受部43Raのカムハウジング44との合わせ面に臨ませ、カムチェーン37の走行面に沿ってカムハウジング44の締着用ボルト45の締付軸45a位置より外側に配置すると共に、カムチェーン室47に臨むシリンダヘッド20の内壁面に略直線的に配置したことにより、例えアジャスタ用オイル通路86をシリンダヘッド20の内部に配管してもシリンダヘッド20が大型化することはなく、また、アジャスタ用オイル通路86を例えばボルト45の締め付け穴等と同時に加工できるので、加工性が良い。
【0051】
さらに、シリンダヘッド20に形成されるカムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Ra,43b〜43eとカムハウジング44との合わせ面とを前下がりに形成し、この合わせ面上に一対のカムシャフト35ex,35inを前後に離間して平行に配置すると共に、これらのカムシャフト35ex,35inのうち、高い方に位置するカムシャフト、本実施形態においては後側の吸気バルブ38開閉操作用のカムシャフト35inよりさらに高い位置にアジャスタ用オイル通路86の上端開口86aを臨ませたことにより、カムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Raにおけるオイルリークのクリアランスからオイル通路内に空気が進入して通路内の潤滑オイルと置換しても、アジャスタ用オイル通路86はオイル溜まりとして機能するので、エンジン16を長期間停止した後の始動初期時に発生する虞があったカムチェーンアジャスタ51の底突き等の問題が回避可能になると共に、カムチェーンアジャスタ51がオイルパン66より高い位置にあっても、エンジン16始動時における潤滑オイルの供給遅れは問題とならない。
【0052】
さらにまた、アジャスタ用オイル通路86を、車両のサイドスタンド18が配置された側とは反対側に設け、且つカムチェーンアジャスタ51およびアジャスタ用オイル通路86の下端をカムシャフト35ex,35inの軸受部43Fa,43Raより下方に配置したことにより、アジャスタ用オイル通路86はオイル溜まりとして機能するので、エンジン16を長期間停止した後の始動初期時に発生する虞があったカムチェーンアジャスタ51の底突き等の問題が回避可能になると共に、カムチェーンアジャスタ51がオイルパン66より高い位置にあっても、エンジン16始動時における潤滑オイルの供給遅れは問題とならない。
【0053】
そして、シリンダヘッド20のカムチェーン室47の上方をカム室33に連通させ、その車両の幅方向一側をシリンダヘッド20内の動弁室48に連通させると共、他側を外側壁49によって閉塞し、その前後端を連続する壁面50によって略矩形断面形状に形成する一方、カムチェーン室47の後端壁面下方にカムチェーンアジャスタ51をその取り付け方向がカムチェーン37の走行面上、且つ気筒軸23に対して略直角になるよう取り付けたことにより、カムチェーン室47の形成のために別体のカバー等が不要となる。その結果、カムチェーン室47の剛性やシール性が向上する。
【0054】
また、カムチェーンアジャスタ51を気筒列の方向から取り付けないので、エンジン16の幅寸法をコンパクトにでき、車体フレーム2への搭載性が向上すると共に、カムチェーンアジャスタ51はエキゾーストパイプ63から離れた位置に配置されるため、カムチェーンアジャスタ51内部に貯溜された潤滑オイルが熱によって劣化することがない。
【0055】
なお、上述した実施形態においては内部にラチェット機構54を備えた自動調整式のカムチェーンアジャスタ51を用いた例を示したが、ネジを用いた手動調整式のカムチェーンアジャスタ(図示せず)にも適用可能である。その場合、ネジ部分の局部磨耗が防止される。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置によれば、エンジン周りの省スペース化、軽量化を図ることができると共に、コストの削減も図れる。
【0057】
また、アジャスタ用オイル通路がオイル溜まりとして機能するので、エンジンを長期間停止した後の始動初期時に発生する虞があった問題が回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置の一実施形態を示す自動二輪車の左側面図。
【図2】エンジン上部の左側面(縦断面)図。
【図3】エンジンの右側面(一部分が縦断面)図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】シリンダヘッドのカム室上面図(シリンダヘッドカバーを取り外した状態)。
【図6】シリンダヘッドカバーを取り外したカム室上面の右端を拡大した図。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 自動二輪車
16 エンジン
18 サイドスタンド
20 シリンダヘッド
23 気筒軸
25 クランクシャフト
33 カム室
35ex,35in カムシャフト
37 カムチェーン
38 吸気バルブ
39 排気バルブ
43Fa 排気バルブ開閉操作用カムシャフトの最も右端を軸支する軸受部
43Ra 吸気バルブ開閉操作用カムシャフトの最も右端を軸支する軸受部
43b〜43e カムシャフトの軸受部
44 カムハウジング
45 カムハウジング締着用ボルト
45a ボルトの締付軸
47 カムチェーン室
48 動弁室
49 カムチェーン室の外側壁
50 カムチェーン室前後端の連続する壁面
51 カムチェーンアジャスタ
67 オイルポンプ
81 オイル通路
82 オイル通路
83 前側の分岐路(オイル通路)
84 後側の分岐路(オイル通路)
86 アジャスタ用オイル通路
86a アジャスタ用オイル通路の上端開口
88 周溝(オイル通路)
Claims (5)
- シリンダヘッド上部のカム室内に設けられて吸・排気バルブを開閉操作するカムシャフトと、クランクシャフトの回転駆動力を上記カムシャフトに伝達するカムチェーンと、オイルポンプによって圧送される潤滑オイルを上記シリンダヘッドに導いて上記カムシャフトを潤滑するオイル通路と、上記カムチェーンの張りを調整するカムチェーンアジャスタとを備えたエンジンにおいて、上記カムシャフトに潤滑オイルを導く上記オイル通路のうち、上記シリンダヘッドに設けられた、上記カムシャフトを軸支する軸受部とカムハウジングとの合わせ面およびその近傍を通るオイル通路から上記カムチェーンアジャスタに潤滑オイルを導くアジャスタ用オイル通路を分岐させたことを特徴とするエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置。
- 上記アジャスタ用オイル通路の上端開口を上記カムシャフトの軸受部の上記カムハウジングとの合わせ面に臨ませ、上記カムチェーンの走行面に沿って上記カムハウジングの締着用ボルトの締付軸位置より外側に配置すると共に、上記エンジンの一側に形成されて上記カムチェーンを収納するカムチェーン室に臨む上記シリンダヘッドの内壁面に略直線的に配置した請求項1記載のエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置。
- 上記シリンダヘッドに形成される上記カムシャフトの軸受部と上記カムハウジングとの合わせ面とを前下がりに形成し、この合わせ面上に一対の上記カムシャフトを前後に離間して平行に配置すると共に、これらの上記カムシャフトのうち、高い方に位置するカムシャフトよりさらに高い位置に上記アジャスタ用オイル通路の上端開口を臨ませた請求項1または2記載のエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置。
- 上記アジャスタ用オイル通路を、車両のサイドスタンドが配置された側とは反対側に設け、且つ上記カムチェーンアジャスタおよび上記アジャスタ用オイル通路の下端を上記カムシャフトの軸受部より下方に配置した請求項1、2または3記載のエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置。
- 上記カムチェーン室の上方を上記カム室に連通させ、その車両の幅方向一側を上記シリンダヘッド内の動弁室に連通させると共、他側を外側壁によって閉塞し、その前後端を連続する壁面によって略矩形断面形状に形成する一方、上記カムチェーン室の後端壁面下方に上記カムチェーンアジャスタをその取り付け方向がカムチェーンの走行面上、且つ気筒軸に対して略直角になるよう取り付けた請求項1、2、3または4記載のエンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003117286A JP2004324463A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | エンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置 |
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JP2003117286A JP2004324463A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | エンジンのカムチェーンアジャスタ潤滑装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011038462A (ja) * | 2009-08-10 | 2011-02-24 | Honda Motor Co Ltd | エンジンにおける給油構造 |
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2003
- 2003-04-22 JP JP2003117286A patent/JP2004324463A/ja active Pending
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