JP2011038462A - エンジンにおける給油構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンにおける給油通路を複雑化させることなく、シリンダヘッドに設けられた油圧式テンショナに対し確実かつ十分に給油を行うことが可能なエンジンにおける給油構造を提供する。
【解決手段】吸気側カムシャフト9、排気側カムシャフト10等を潤滑する潤滑油を供給するカムシャフト給油通路Yを、シリンダブロック5とシリンダヘッド6との間に跨がるように延ばして設け、テンショナリフタ18への給油通路であるテンショナ給油通路Zを、カムシャフト給油通路Yのシリンダブロック5側の分岐通路48から分岐させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダヘッドに油圧式テンショナが設けられるエンジンにおいて油圧式テンショナを含むエンジン内各部に給油を行うエンジンにおける給油構造に関する。
この種の給油構造として、クランクシャフトに給油を行う給油通路をシリンダブロックに形成したエンジンにおいて、前記給油通路をシリンダヘッドに設けられる油圧テンションナまで延長し、この延長した給油通路から油圧式テンショナに給油を行う構造が知られている(特許文献1参照)。また、カムシャフト等に給油を行う給油通路をシリンダヘッドに形成したエンジンにおいて、前記給油通路をシリンダヘッドに設けられた油圧式テンショナまで延長し、この延長した給油通路から油圧式テンショナに給油を行う構造が知られている(特許文献2参照)。
特開2006−144999号公報 特許第3954951号公報
ところで、特許文献1に係る構造では、シリンダブロックを貫通して縦向きに延びる油圧式テンショナ専用の給油通路を形成する必要があるため、シリンダブロックにおける給油通路の数が増えて複雑となるうえ、これらの縦穴の加工が増えて加工工数が増加してしまう。
これに対し、特許文献2に係る構造では、カムシャフト等に給油を行う給油通路をシリンダヘッドに設けられた油圧式テンショナまで延長するため、シリンダブロックにおける給油通路の数を増加させないようにすることができる。しかし、この特許文献2に係る構造では油圧式テンショナまでの給油通路が長くなるうえ、カムシャフト等への給油後に油圧式テンショナに給油がされるため、油圧の低下を招かないようにシリンダヘッドへ供給するオイル量を増加させるような対処が必要となる。
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、エンジン内各部に給油を行う給油通路を複雑化させることなく、シリンダヘッドに設けられた油圧式テンショナに対し確実かつ十分に給油を行うことが可能なエンジンにおける給油構造の提供を目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、エンジン(例えば実施の形態におけるエンジン1)の各部に潤滑油を給油する給油通路を介してシリンダヘッド(例えば実施の形態におけるシリンダヘッド6)に配置される油圧式テンショナ(例えば実施の形態におけるテンショナリフタ18)に給油を行うエンジンにおける給油構造において、前記給油通路は、少なくとも前記シリンダヘッドにおける各部(例えば実施の形態における吸気側カムシャフト9、排気側カムシャフト10等)を潤滑する潤滑油を供給するシリンダヘッド用潤滑油通路(例えば実施の形態におけるカムシャフト給油通路Y)を、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間に跨がるように延ばして設け、前記油圧式テンショナへの給油通路(例えば実施の形態におけるテンショナ給油通路Z)を、前記シリンダヘッド用潤滑油通路の前記シリンダブロック側から分岐させたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記シリンダヘッド用潤滑油通路を、前記シリンダヘッドにおける前記油圧式テンショナの取り付け位置に対して側面視でシリンダ軸線(例えば実施の形態におけるシリンダ軸線C1)を挟んで反対側に配置し、前記油圧式テンショナへの給油通路を、前記シリンダブロックの上面と前記シリンダヘッドの下面との合面(例えば実施の形態における合面L2)であって、前記シリンダブロック上面のシリンダボア(例えば実施の形態におけるシリンダボア♯1)の外周壁(例えば実施の形態におけるシリンダボア外周壁44)に形成した溝(例えば実施の形態における分岐通路48)にて構成したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記シリンダブロックは、動弁系連動部材(例えば実施の形態におけるカムチェーン14)を収容する収容室(例えば実施の形態におけるカムチェーン収容室40)を前記シリンダボアの外周壁の側方に一体に形成し、前記シリンダボアの外周壁は、前記収容室の内壁を兼ねることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記シリンダヘッドに設けられる動弁系部材(例えば実施の形態における動弁装置(VC))を駆動する油圧アクチュエータ(例えば実施の形態における油圧アクチュエータ15)を前記シリンダヘッドに設け、前記油圧アクチュエータに潤滑油を供給する作動油通路(例えば実施の形態におけるアクチュエータ用給油第一通路38)を、前記シリンダブロックにおいて前記シリンダヘッド用潤滑油通路に沿わせて近接配置したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記シリンダヘッド内における前記油圧式テンショナへの給油通路の少なくとも一部を、前記油圧式テンショナの軸線(例えば実施の形態における軸線C3)に沿って形成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記油圧式テンショナの軸線に沿って形成される前記油圧式テンショナへの給油通路を、側面視で前記油圧式テンショナの外径(例えば実施の形態におけるD1)内の位置で、該油圧式テンショナに接続したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記シリンダヘッド用潤滑油通路の前記シリンダヘッド側を、前記シリンダブロックの上面に形成される前記溝の途中から上方に延出させたことを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記油圧式テンショナへの給油通路を分岐させる前に、潤滑油に含まれる異物を捕集するためのトラップ部(例えば実施の形態におけるガスケット150におけるトラップ孔152)を前記シリンダヘッド用潤滑油通路に設けたことを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記シリンダヘッド用潤滑油通路、及び、前記シリンダヘッド用潤滑油通路から分岐される前記油圧式テンショナへの給油通路を、前記シリンダヘッドに設けられた前記油圧アクチュエータから避けて形成したことを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、前記シリンダブロック上面に形成した前記溝を鋳型により鋳抜きしたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、シリンダブロックとシリンダヘッドとを跨ぐように延ばされたシリンダヘッド用潤滑油通路のうちのシリンダブロック側の通路から油圧式テンショナへの給油通路を分岐させて構成し、シリンダブロックにおける縦向き通路の少なくとも一部を共用させて、シリンダヘッド用潤滑油通路及び油圧式テンショナへの給油通路を構成したので、縦向き給油通路の数を少なくして給油通路を簡素化できる。さらに、シリンダヘッド用潤滑油通路においてシリンダヘッドの上流側で油圧式テンショナへの給油通路を分岐させているので、オイルの油圧が比較的高い状態で油圧式テンショナへ給油を行うことができ、油圧の低下による油切れのおそれもなく、オイル供給量を特別に増量させる対応が不要となる。
請求項2に記載した発明によれば、側面視でシリンダ軸線を挟んで油圧式テンショナと反対側に位置するシリンダヘッド用潤滑油通路から分岐する油圧式テンショナへの給油通路を、シリンダブロックの上面であってシリンダボアの外周壁に溝状に構成したので、油圧式テンショナへの給油通路を容易に形成できる。より詳しくは、シリンダブロック内でシリンダに直交する方向への貫通通路を設けた場合には、シリンダボアを避けるように複雑な通路加工が必要となることが考えられるが、油圧式テンショナへの給油通路がシリンダブロック上面において溝状に構成されるので、貫通通路に較べて加工が容易であり、例えばシリンダを迂回するような複雑な通路を形成する必要がある場合でも容易に加工が行える。
請求項3に記載した発明によれば、動弁系連動部材を収容する収容室の内壁を兼ねるシリンダボアの外周壁に溝状の油圧式テンショナへの給油通路を形成したので、溝を設けることによりシリンダボアの外周壁を厚肉にする必要がある場合であっても、シリンダボアの外周壁の寸法増加分を収容室内で吸収させることでき、エンジン全体としての大型化を抑制できる。
請求項4に記載した発明によれば、シリンダヘッドに設けられる動弁系部材を駆動する油圧アクチュエータをシリンダヘッドに設け、該油圧アクチュエータに潤滑油を供給する作動油通路を、シリンダブロックにおいてシリンダヘッド用潤滑油通路に沿わせて近接配置したので、各通路を拡散させず、集約させることによりエンジンの大型化が抑制できる。
請求項5に記載した発明によれば、シリンダヘッド内における油圧式テンショナへの給油通路の少なくとも一部を、油圧式テンショナの軸線に沿って形成したので、油圧式テンショナへのオイル供給を円滑に行えるうえに、油圧式テンショナの取り付け孔の加工と給油通路への加工の方向を同じにして加工性を高めることができる。
請求項6に記載した発明によれば、油圧式テンショナの軸線に沿って形成した油圧式テンショナへの給油通路を、側面視で油圧式テンショナの外径内の位置で、油圧式テンショナに接続させたので、油圧式テンショナへの給油通路から油圧式テンショナの外径内にオイルを供給できるため、油圧式テンショナへの給油通路を最短で形成でき簡素化することができる。
請求項7に記載した発明によれば、シリンダヘッド用潤滑油通路のシリンダヘッド側を、シリンダブロックの上面に形成される溝の途中から上方に延出させたので、シリンダヘッド用潤滑油通路を、シリンダブロック側とシリンダヘッド側とでオフセットした位置に配置できるため、オイル通路を複雑とせず、配置自由度を向上させることができる。
請求項8に記載した発明によれば、油圧式テンショナへの給油通路をシリンダヘッド用潤滑用通路から分岐させる前に、潤滑油に含まれる異物を捕集するためのトラップ部をシリンダヘッド用潤滑油通路に設けたので、潤滑油に含まれる異物がシリンダヘッドの被オイル供給部及び油圧式テンショナの両方に送られることを、単一の異物捕集手段で抑制できる。
請求項9に記載した発明によれば、シリンダヘッド用潤滑油通路、及び、シリンダヘッド用潤滑油通路から分岐される油圧式テンショナへの給油通路を、シリンダヘッドに設けられた油圧式テンショナから避けて形成したので、シリンダヘッドにおいて油圧アクチュエータと、シリンダヘッド用潤滑油通路及び油圧式テンショナへの給油通路とが干渉せずに配置されるため、互いのオイル通路が影響されることを防止できる。
請求項10に記載した発明によれば、シリンダブロック上面に形成した溝が鋳型により鋳抜きされて形成されるため、機械加工が不要であり、加工工数の削減を図ることができる。
本発明の実施の形態に係るエンジンの側面図である。 上記エンジンの動弁機構の要部の平面図であり、(a)は低速側カムでの作動位置にある状態を、(b)は高速側カムでの作動位置にある状態をそれぞれ示した図である。 テンショナリフタを示し、(a)はテンショナリフタの断面図であり、(b)は正面図である。 クランクケースにおけるアッパーケース要部の側面図である。 クランクケースにおけるアッパーケース要部の底面図である。 シリンダブロック要部の平面図である。 ガスケットの一部の平面図である。 図7の部分拡大図である。 シリンダヘッド要部の底面図である。 シリンダヘッド及びヘッドカバーの側面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示される本発明の実施形態に係るエンジン1は直列4気筒型エンジンであって、例えば自動二輪車に搭載されるものとして構成されている。なお、以下の説明では、図1の上方をエンジン1の上方とし、右方をエンジン1の前方とし、また図1を含む各図には、エンジン1の上方を示す矢印UP、エンジン1の前方を示す矢印FR、エンジン1の左方を示す矢印LHを適所に示している。
エンジン1のクランクケース2は、アッパーケース3とロアケース4とで上下半割り構造に構成されている。アッパーケース3には斜め前上方に傾斜するシリンダブロック5が一体形成され、このシリンダブロック5にはシリンダ軸線C1に沿って延びるシリンダが幅方向において4つ並んだ状態で形成されている。シリンダブロック5の上部にはシリンダヘッド6が結合され、シリンダヘッド6の上部にはヘッドカバー7が結合されている。
アッパーケース3とロアケース4とが相互に結合した状態では、アッパーケース3とロアケース4との合面(分割面)L1上にクランクシャフト8を軸支するための軸受部が形成され、この軸受部にはクランクシャフト8がその軸方向をエンジン1の幅方向(紙面直交方向)に沿わせたかたちで回転自在に軸支されている。クランクシャフト8にはシリンダヘッド6側に向けて斜め前上方に延びるコンロッド(図示せず)が結合され、コンロッドの先端にはピストン(図示せず)が固定されている。当該ピストンはシリンダブロック5内のシリンダに摺動自在に嵌合され、その頂部をシリンダブロック5とシリンダヘッド6とで形成される燃焼室に向けて指向させた状態となっている。
シリンダヘッド6において燃焼室の上方には、一端が燃焼室で開口する吸気側ポート(IN、図9参照)及び排気側ポート(EX、図9参照)が形成されている。これら吸気側ポート(IN)及び排気側ポート(EX)の上方には、吸気バルブ6A(図2参照)、排気バルブ(図示せず)、及びこれらを開閉作動させるロッカーアーム12A(図2参照)等からなる動弁装置(VC)が配置され、さらに、この動弁装置(VC)の上方には吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10が設けられている。
吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10は、シリンダヘッド6とヘッドカバー7との間において、図示しないロッカーアームホルダ及びカムシャフトホルダにより、軸方向をエンジン1の幅方向に沿わせたかたちで回転可能に軸支されている。吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10の一端にはそれぞれカムスプロケット11A,11Bが設けられ、これらカムスプロケット11A,11Bにはカムチェーン14が巻き回されている。
カムチェーン14は、シリンダヘッド6及びシリンダブロック5の一側方において形成され上下方向に延びる後述のカムチェーン収容室40(図6参照)に挿通されて、吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10からシリンダブロック5の底部側まで延び、クランクシャフト8の一端に設けられた駆動スプロケット13に係合されている。吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10は、カムチェーン14によりクランクシャフト8からの回転を伝達され、伝達された回転を基に動弁装置(VC)を作動させる。
上記動弁装置(VC)は、カムチェーン14を介してクランクシャフト8からの回転を伝達された吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10のカムにより、吸気側ポート(IN)及び排気側ポート(EX)を開閉させるように構成されている。
ここでエンジン1では、回転域に応じて動弁装置(VC)内のロッカーアーム12A(図2参照)を軸方向にスライドさせて、吸排バルブのバルブ開閉タイミングやリフト量を変化させる可変動弁機構を採用している。この可変動弁機構では、ロッカーアーム12A(図2参照)をスライドさせる駆動源として油圧を利用しており、カムチェーン14の側方のシリンダヘッド6の側面には可変動弁機構を作動させるための油圧アクチュエータ15が設けられている。
油圧アクチュエータ15は、供給されたオイルを利用して動弁装置(VC)内のロッカーアーム12A(図2参照)を軸方向に移動させるものであり、図示しないが、有底円筒状の油圧シリンダと、該油圧シリンダ内に同軸かつストローク可能に収容されるプランジャと、油圧シリンダに対して潤滑油(以下、オイル)を供給し、プランジャをストロークさせるスプールバルブとを有している。油圧アクチュエータ15は、前記油圧シリンダの内部とシリンダヘッド6に形成された後述のアクチュエータ用給油第二通路45とを連通させ、前記スプールバルブの切り替えに応じてプランジャを突出させるように構成されている。
可変動弁機構について詳しく説明すると、この可変動弁機構は、エンジン回転数が所定の回転数未満の低速回転域では吸気側カムシャフト9,排気側カムシャフト10における低速回転用のカムを用いて吸気バルブ6A(図2参照)及び排気バルブを開閉作動させると共に、エンジン回転数が所定の回転数以上の高速回転域では吸気側カムシャフト9,排気側カムシャフト10における高速回転用のカムを用いて吸気バルブ及び排気バルブを開閉作動させるものであり、図2に示すような構造を有している。
図2において符号9Aは吸気側カムシャフト9のカムを示し、本図に示すようにカム9Aは、低速回転用の左右第一カム9B及び9C、及び高速回転用の左右第二カム9D,9Eから構成されている。また、図2において符号12Aはロッカーアームを示し、符号12Bはロッカーアーム12Aを揺動可能に支持するロッカーアームシャフトを示している。なお、ロッカーアームシャフト12Bは、上述したように吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10の下方においてその軸方向をエンジン1の幅方向に沿わせたかたちで軸支されている。
ロッカーアーム12Aは、エンジン1の運転停止時及び低速回転域での運転時にはロッカーアームシャフト12Bの軸線C2沿う方向(軸C2方向)で左方への移動限界位置にあり(図2(a)参照)、この状態において、ロッカーアーム12Aの左右カム摺接部12Cは、それぞれ左右第一カム9B,9Cの下方において各カム9B,9Cの外周面(カム面)に摺接可能な位置に配置され、左右バルブ押圧部12Dは、その右側部で吸気バルブ6Aのステム先端部を押圧可能な位置に配置される。このとき、ロッカーアーム12Aは左右第一カム9B,9Cにより揺動して吸気バルブ6Aを開閉作動可能になる。
一方、ロッカーアーム12Aは、エンジン1の高速回転域での運転時には軸C2方向で右方への移動限界位置にあり、(図2(b)参照)、この状態において、ロッカーアーム12Aの左右カム摺接部12Cは、それぞれ左右第二カム9D,9Eの下方において各カム9D,9Eの外周面(カム面)に摺接可能な位置に配置され、左右バルブ押圧部12Dは、その左側部で吸気バルブ6Aのステム先端部を押圧可能な位置に配置される。このとき、ロッカーアーム12Aは左右第二カム9D,9Eにより揺動して吸気バルブ6Aを開閉作動可能になる。
すなわち、可変動弁機構が採用された動弁装置(VC)では、油圧アクチュエータ15における上記プランジャの進退動を利用し、ロッカーアーム12Aを軸C2方向にスライドさせ、左右第一カム9B,9Cと左右第二カム9D,9Eとの切り替えを行うように構成されている。
図1に戻り、次に、シリンダヘッド6の後方側にはカムチェーン14に張力を付与する油圧式テンショナ部16が構成されている。油圧式テンショナ部16は、シリンダヘッド6の後部に形成されたテンショナ固定部17に固定されたテンショナリフタ18と、シリンダヘッド6内に設けられテンショナリフタ18からの付勢力を伝達されるテンショナアーム19及び制御アーム20とで構成されている。
テンショナリフタ18は、図3(a)に示すようにシリンダヘッド6に締結されるフランジ部18Aを有する円筒状のリフタケース18Bと、制御アーム20の後面に当接する押圧部18Cを先端に有してリフタケース18Bに回転不能に支持される中空状のリフタロッド18Dと、リフタロッド18Dの中空部に螺合するねじ軸18Eと、リフタケース18B内でねじ軸18Eをリフタロッド18Dの進出方向に回転付勢する捩りコイルばね18Fとを有している。
そして、テンショナリフタ18においてフランジ部18Aには、図3(b)に示すようにシリンダヘッド6のテンショナ固定部17との締結のための挿通孔18Gがリフタケース18Bの直径方向に並んだ状態で形成されている。また、フランジ部18Aの一部には外径方向に湾出した肉厚部が形成され、この肉厚部にはリフタケース18B内に形成される油室に連通するオイル供給通路18Hが形成されている。このオイル供給通路18Hは、シリンダヘッド6に形成される後述するテンショナ用給油通路49に接続されるものである。
テンショナアーム19は、弧状の形状を呈し、その一端をクランクシャフト8の斜め後上方に形成されたピボット部19Aを介してアッパーケース3内に揺動自在に支持されている。テンショナアーム19の前面には弧状の面に沿った合成樹脂からなるシューが固着され、このシューはカムチェーン14に当接されている。またテンショナアーム19の後面は制御アーム20に当接されている。
そして、制御アーム20は、カムスプロケット11Aの斜め後下方において形成されたピボット部20Aを介してシリンダヘッド6に揺動自在に支持され、その前面はテンショナアーム19に当接されている。また、制御アーム20の後面はテンショナリフタ18のリフタロッド18Dの先端に当接されている。
このような油圧式テンショナ部16では、カムチェーン14に緩みが生じると、テンショナリフタ18において、捩りコイルばね18Fの弾発力によりリフタロッド18Dがリフタケース18Bから突出すると共に、リフタケース18B内に形成された油室にシリンダヘッド6側から送り込まれたオイルが流入する。一方、カムチェーン14が緊張して、リフタロッド18Dに、該リフタロッド18Dを後退させる方向の荷重が作用すると、油室内のオイルがリフタロッド18Dの後退に抵抗して、カムチェーン14の振動を抑制する。カムチェーンは、このような油圧式テンショナ部16により適度な張力をカムチェーン14に付与される。
ところで、クランクシャフト8の回転はクランクシャフト8後方のクランクケース2内に設けられたクラッチ21に伝達される。クラッチ21はクランクケース2内のアッパーケース3に形成されたクラッチ室に収容されている。
クラッチ21は、クランクケース2内に配置された変速機22が備えるメインシャフト23にクランクシャフト8からの回転を伝達するものであり、メインシャフト23の一端においてメインシャフト23と相対回転可能に支持されている。
クラッチ21は所謂、発進クラッチであり、摩擦板とクラッチ板とを当接又は離反させることで断続動作をする周知のものである。クラッチ21の外周面(クラッチハウジング)には被動ギヤ24が固定され、この被動ギヤ24はクランクシャフト8に固定された駆動ギヤ25に噛合されている。クラッチ21において摩擦板とクラッチ板とが当接した場合、駆動ギヤ25からの回転が被動ギヤ24を介してメインシャフト23に伝達され、メインシャフト23に伝達された回転は、その後、変速機22で適宜変速され駆動輪等に伝達される。
また、上述したようにクランクシャフト8の回転がクラッチ21に伝達される一方で、クランクシャフト8の回転はメインシャフト23に設けられたオイルポンプ駆動ギヤ26を介してオイルポンプ27にも伝達される。
オイルポンプ駆動ギヤ26は、メインシャフト23のクラッチ21側において、クラッチ21のクラッチハウジングと一体となって回転可能となるように支持され、このオイルポンプ駆動ギヤ26にはオイル駆動チェーン28が巻き回されている。このオイル駆動チェーン28はオイルポンプ27の図示しない回転軸に固定されたオイルポンプ被動ギヤ29に係合され、メインシャフト23からの回転をオイルポンプ27に伝達するものである。
オイルポンプ27はクラッチ21の下方のロアケース4に固定され、このオイルポンプ27には下方に向けて延びるオイルストレーナ30の一端が結合され、オイルストレーナ30の他端はロアケース4下部に結合されたオイルパン31に連通されている。またオイルポンプ27の前方にはエンジン1の前後方向に沿って延びる吐出路32がロアケース4に形成され、この吐出路32は、一端をオイルポンプ27と連通されるとともに、他端をロアケース4の前方側に設けられたオイルフィルタ33に連通されている。これにより、オイルポンプ27によりオイルストレーナ30を介してオイルパン31からオイルを汲み上げらえたオイルは、吐出路32を介してオイルフィルタ33に圧送されるようになっている。
オイルフィルタ33は、圧送されたオイルを清浄化するものであり、メインギャラリー34、及びメインギャラリー34の前方においてメインギャラリー34と略平行に形成されるサブギャラリー35に連通されている。
メインギャラリー34は、クランクシャフト8、変速機22等にオイルを給油するためのオイル通路であり、ロアケース4においてクランクシャフト8の下方に形成され、その上部において給油通路36に連通されている。給油通路36は、ロアケース4においてメインギャラリー34からクランクシャフト8に向けて上方に延びるように形成され、その上部は、アッパーケース3とロアケース4とで形成されるクランクシャフト8を軸支するための複数の軸受部等に連通されている。
一方、サブギャラリー35は、吸気側カムシャフト9、排気側カムシャフト10、油圧アクチュエータ15、及びテンショナリフタ18等の被オイル供給部に対してオイルを給油するためのオイル通路であり、ロアケース4においてメインギャラリー34の前方に形成されている。サブギャラリー35は、図示しないオイルクーラーを介してメインギャラリー34に連通されるとともに、ロアケース4に形成されサブギャラリー35から分割面L1に向けて上方に延びる給油通路37に連通されている。このような構成により、オイルフィルタ33によって清浄化されたオイルは、サブギャラリー35からメインギャラリー34に送り込まれてクランクシャフト8等に供給されるとともに、給油通路37を介してシリンダヘッド6の被オイル供給部に供給されるようになっている。
給油通路37には、シリンダヘッド6側へオイルを供給するための供給通路として、油圧アクチュエータ15にオイルを給油するためのアクチュエータ給油通路Xと、吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10にオイルを給油するためのカムシャフト給油通路Yと、テンショナリフタ18にオイルを給油するためのテンショナ給油通路Zとが接続されている。以下では、図4〜図10も参照しながら、給油通路37からシリンダヘッド6内の被オイル供給部まで延びる各給油通路について説明する。
これら給油通路37から延びる給油通路の概略構成を説明すると、図1に示すように、上記アクチュエータ給油通路Xは、シリンダブロック5に形成されるアクチュエータ用給油第一通路38と、シリンダヘッド6に形成されるアクチュエータ用給油第二通路45とで構成されている。また、上記カムシャフト給油通路Yは、シリンダブロック5に形成される共用通路39と、シリンダヘッド6に形成されるクランク溝46と、シリンダブロック5に形成される分岐通路48の一部と、シリンダヘッド6に形成されるカムシャフト用給油通路50とで構成されている。また、上記テンショナ給油通路Zは、シリンダブロック5に形成される共用通路39から分岐される分岐通路48と、シリンダヘッド6に形成されるテンショナ用給油通路49とで構成されている。以下、アクチュエータ給油通路X、カムシャフト給油通路Y、及びテンショナ給油通路Zを構成する各部についての詳細を説明する。
先ず、シリンダブロック5においては、図4にも示すアクチュエータ用給油第一通路38と共用通路39とが形成されている。アクチュエータ用給油第一通路38はアクチュエータ給油通路Xを構成するもので、共用通路39はカムシャフト給油通路Yを構成するものである。これらアクチュエータ用給油第一通路38及び共用通路39はともに、テンショナリフタ18の取り付け位置に対してシリンダ軸線C1を挟んで反対側に配置され、ロアケース4とアッパーケース3との合面(分割面L1)から上方に延び、アッパーケース3のシリンダブロック5の上面で開口し、それぞれの下端では給油通路37と連通されている。
アクチュエータ給油通路Xを構成するアクチュエータ用給油第一通路38は、図5に示すようにアッパーケース3の下面では溝状に形成されている。溝状のアクチュエータ用給油第一通路38は、カムチェーン14からエンジン1の幅方向に沿って順に並び、それぞれが前後方向に延びる第一クランクジャーナル壁41,第二クランクジャーナル壁42,第三クランクジャーナル壁43・・のうちの、第二クランクジャーナル壁42の上面から幅方向外側に向けて延び、カムチェーン14が収容されるカムチェーン収容室40(クランクケース側)側方に位置する第一クランクジャーナル壁41の上面に至っている。アクチュエータ用給油第一通路38は、溝状に形成された部位においては、ロアケース4の上面と当接することで油路を構成する。
アクチュエータ用給油第一通路38は、第一クランクジャーナル壁41の下面からは、第一クランクジャーナル壁41、及びこの第一クランクジャーナル壁41と上部で一体に連なるシリンダブロック5のシリンダボア外周壁44(図6参照)を貫通する貫通孔として構成されている。貫通孔として構成されたアクチュエータ用給油第一通路38は、シリンダブロック5の下面から斜め上方に向けて傾斜して延び、図6に示すようにシリンダブロック5の上面で開口している。
ここで上記シリンダボア外周壁44は、図6に示されるシリンダブロック5に形成されたシリンダボア♯1(4つのシリンダボアのうちエンジン1において端部に位置するものシリンダボア)の側方に位置するシリンダブロック5の一部側壁を言うものとする。また、図6にはシリンダボア外周壁44の側方に形成されたカムチェーン収容室40(シリンダブロック側)が示されている。このカムチェーン収容室40は、図6に示すようにシリンダの幅方向外側に位置するシリンダボア外周壁44を内壁とし、シリンダブロック5の幅方向の側壁部5Aを外壁として、シリンダブロック5の側方においてシリンダブロック5に一体に形成されている。
そして、アクチュエータ用給油第一通路38の上部開口は、図1に示すようにシリンダブロック5とシリンダヘッド6との合面L2において、シリンダヘッド6の下面から斜め上方に延びるアクチュエータ用給油第二通路45に接続されている。この際、アッパーケース3とシリンダヘッド6との合面L2には図7に示すガスケット150が介在されている。
ガスケット150には、図7に示すようにアクチュエータ用給油第一通路38とアクチュエータ用給油第二通路45とを連通させるためのアクチュエータ用給油通路連通孔151が形成されている。このアクチュエータ用給油通路連通孔151は、アクチュエータ用給油第一通路38の上部開口と略同一径に設定されている。
そしてアクチュエータ用給油第二通路45は、図9に示すように吸気側ポート(IN)等が形成される燃焼室側方のシリンダヘッド6の圧肉部であるシリンダ連続壁47の下面から形成されている。このアクチュエータ用給油第二通路45は、図10に示すようにシリンダ連続壁47の下面から上方に延び、その後、幅方向外側に向けて開口するように形成されている。
そしてアクチュエータ用給油通路S45の上部開口は、上述した油圧アクチュエータ15に連通される。このようにしてアクチュエータ用給油第一通路38及びアクチュエータ用給油第二通路45により、サブギャラリー35からのオイルを油圧アクチュエータ15に供給するアクチュエータ給油通路Xが構成されている。なお、図8には油圧アクチュエータ15を便宜のため図示していない。
次に、カムシャフト給油通路Yを構成する共用通路39は、図4,図5に示すように、アッパーケース3の下面においてはアクチュエータ用給油第一通路38から分岐するように溝状に形成され、この分岐位置からカムチェーン14の側方に位置するクランクジャーナル壁41まで至っている。カムシャフト給油通路Yは、溝状に形成された部位においてはロアケース4の上面と当接することで油路を構成する。
共用通路39は、クランクジャーナル壁41の下面からは、第一クランクジャーナル壁41、及び、この第一クランクジャーナル壁41と上部で一体に連なるシリンダブロック5のシリンダボア外周壁44を貫通する貫通孔として構成されている。貫通孔として構成された共用通路39は、斜め上方に向けて傾斜して延び、図6に示すようにアッパーケース3の上面で開口している。
そして共用通路39の上部開口は、図10に示すようにアッパーケース3とシリンダヘッド6との合面L2において、シリンダヘッド6の下面に形成されたクランク溝46に接続されている。ここでアッパーケース3とシリンダヘッド6との合面L2との間には、上述したようにガスケット150が介在しており、ガスケット150には共用通路39とクランク溝46とを連通させるトラップ孔152、及び、クランク溝46とシリンダブロック5の上面に形成された分岐通路48を連通させるクランク連通孔153が形成されている。
クランク溝46は、図9に示すように吸気側ポート(IN)等が形成される燃焼室側方のシリンダヘッド6の圧肉部であるシリンダ連続壁47の下面において、当該シリンダ連続壁47の長手方向に沿ったバスタブ型の溝として形成されている(図10も参照のこと)。図1,図10等に示すようにクランク溝46の深さは、シリンダ連続壁47において油圧アクチュエータ15あるいは油圧アクチュエータ15の取り付け位置の下方に設定され、油圧アクチュエータ15と干渉しないように(離れて)形成されている。このクランク溝46の長手方向の一側は共用通路39との接続位置とされ、他側は後述する分岐通路48との接続位置とされている。
また、ガスケット150のトラップ孔152は、図7,図8に示すように、その内径が共用通路39の内径よりも小さく設定され、ガスケット150の共用通路39との当接面の周辺領域において、共用通路39の中心から離間して三つ形成されている。トラップ孔152は、それぞれの一部が共用通路39と重なるように形成され、それぞれのトラップ孔152と共用通路39とが重なり合う領域からクランク溝46にオイルを分散して流し込むように構成されている。
また、ガスケット150のクランク連通孔153は、図7に示すように、クランク溝46の長手方向に沿ってトラップ孔152から離間して形成されている。すなわち、共用通路39からのオイルは、トラップ孔152を介してクランク溝46に一端流れ込んで後、クランク連通孔153を介してシリンダブロック5の上面に形成された分岐通路48に流れ込むようになっている。
分岐通路48は、カムシャフト給油通路Yの一部を構成するとともに、テンショナ給油通路Zの一部を構成するものである。この分岐通路48は、シリンダブロック5のシリンダボア外周壁44の上面において、図4,図6に示すように溝状に形成され、エンジン1の前後方向に沿って共用通路39側からテンショナリフタ18側に向けて延び、シリンダヘッド6の下面と当接することで油路を構成している。
先ず、カムシャフト給油通路Yの一部である分岐通路48の態様について説明すると、この分岐通路48は、その延び方向途中において、排気側カムシャフト10の略直下のシリンダヘッド6の下面で開口するカムシャフト用給油通路50に連通されている。ここで、分岐通路48とカムシャフト用給油通路50との間にはガスケット150が介在し、ガスケット150には、図7,図8に示すように分岐通路48とカムシャフト用給油通路50とを連通させるためのオイル連通孔154が形成されている。
そして、カムシャフト用給油通路50は、図10に示すように、シリンダヘッド6の下面からシリンダヘッド6の排気側カムシャフト10の軸端部を支持する排気側軸受部6Bまで延出するように形成されている。そして、カムシャフト用給油通路50の上部開口は、半円弧状に形成に形成された排気側軸受部6Bの周面に接続されている。これにより、カムシャフト用給油通路50からのオイルが排気側軸受部6Bに供給されるようになっており、共用通路39、クランク溝、分岐通路48の一部、及びカムシャフト用給油通路50により、サブギャラリー35からのオイルを排気側カムシャフト10等に供給するカムシャフト給油通路Yが構成されている。
なお、排気側軸受部6Bの端部は、図10に示すようにヘッドカバー7の上面に形成され、吸気側カムシャフト9側へ延びる連通溝6Cと連通し、この連通溝6Cは吸気側カムシャフト9を軸支する吸気側軸受部6Dと連通している。また、吸気側カムシャフト9及び排気側カムシャフト10は中空に形成されており、それぞれが排気側軸受部6B及び吸気側軸受部6Dに軸支される軸端部で開口して、中空内部にオイルを送り込むように構成されている。
次に、テンショナ給油通路Zの一部である分岐通路48の態様について説明すると、この分岐通路48のテンショナリフタ18側の端部は、図1や図10に示すようにシリンダヘッド6におけるテンショナリフタ18側の下面から上方に延出し、その後、テンショナリフタ18側に折曲するテンショナ用給油通路49に連通されている。ここで、分岐通路48とテンショナ用給油通路49との間にはガスケット150が介在し、ガスケット150には、図7,図8に示すように分岐通路48とテンショナ用給油通路49とを連通させるためのオイル連通孔155が形成されている。
そして、このテンショナ用給油通路49はシリンダヘッド5の後方に形成され、シリンダヘッド6の下面から上方に延出した後、折曲して、図9,図10に示すようにテンショナ固定部17を貫通して、テンショナリフタ18のオイル供給通路18Hに連通されている。これにより、テンショナ用給油通路49からのオイルがテンショナリフタ18に供給されるようになっており、共用通路39から分岐される分岐通路48及びテンショナ用給油通路49により、サブギャラリー35からのオイルをテンショナリフタ18に供給するテンショナ給油通路Zが構成されている。
ここで図10においてC3はテンショナリフタ18の軸線を示し、S1はテンショナ用給油通路49の折曲部位の延び方向を示し、またD1はテンショナリフタ18の側面視の外径を示している。上記テンショナ用給油通路49の折曲部位とテンショナリフタ18との接続について詳しく説明すると、テンショナ用給油通路49の折曲部位は、図10に示すように、テンショナリフタ18の軸方向に沿って、換言すれば、テンショナリフタ18の軸方向と略平行に形成され、また、側面視でテンショナリフタ18の外径D1内においてテンショナリフタ18のオイル供給通路18Hに連通されている。
以上に説明したように本実施の形態では、図1,図10等に示すようにカムシャフト給油通路Yのうちシリンダブロック5に設けられる共用通路39から分岐させるようにしてテンショナリフタ18への給油通路であるテンショナ給油通路Zを構成し、シリンダブロック5における縦向き通路の少なくとも一部を共用させて、カムシャフト給油通路Y及びテンショナ給油通路Zを構成したので、縦向き給油通路の数を少なくして給油通路を簡素化できる。さらに、カムシャフト給油通路Yにおいて排気側カムシャフト10等に至る前の上流側でテンショナ給油通路Zを分岐させているので、オイルの油圧が比較的高い状態でテンショナリフタ18へ給油を行うことができ、油圧の低下による油切れのおそれもない。
また、本実施の形態では、図1,図6等に示すように、エンジン1の側面視でシリンダ軸線C1を挟んでテンショナリフタ18と反対側に位置するカムシャフト給油通路Yから分岐する分岐通路48を、シリンダブロック5上面のシリンダボア外周壁44において溝状に構成したので、テンショナリフタ18までの給油通路を容易に形成できる。つまり、シリンダブロック5内でシリンダに直交する方向への貫通通路を設けた場合には、シリンダボアを避けるように複雑な通路加工が必要となることが考えられるが、分岐通路48がシリンダブロック5上面において溝状に構成されるので、貫通通路に較べて加工が容易であり、例えばシリンダを迂回するような複雑な通路を形成する必要がある場合でも容易に加工が行える。
また、本実施の形態では、図6等に示すように、カムチェーン収容室40の内壁を兼ねるシリンダボア外周壁44に溝状の分岐通路48を形成したので、溝を設けることによりシリンダボア外周壁44を厚肉にする必要がある場合であっても、シリンダボア外周壁44の寸法増加分をカムチェーン収容室40内で吸収させることでき、エンジン1全体としての大型化を抑制できる。
また、本実施の形態では、図1,図10等に示すように、シリンダヘッド6に設けられる動弁装置(VC)を駆動する油圧アクチュエータ15をシリンダヘッド6に設け、該油圧アクチュエータ15に潤滑油を供給する作動油通路であるアクチュエータ用給油第一通路38をシリンダブロック5において共用通路39に沿わせて近接配置したので、各通路を拡散させず、集約させることによりエンジン1の大型化が抑制できる。
また、本実施の形態では、図10等に示すようにシリンダヘッド6内におけるテンショナリフタ18への給油通路であるテンショナ給油通路Zの少なくとも一部、具体的にはテンショナ用給油通路49の一部を、テンショナリフタ18の軸線C3に沿って形成したので、テンショナリフタ18へのオイル供給を円滑に行えるうえに、テンショナリフタ18の取り付け孔の加工と供給通路への加工の方向を同じにして加工性を高めることができる。
また、本実施の形態では、図10等に示すように、テンショナリフタ18の軸線C3に沿って形成したテンショナリフタ18への給油通路であるテンショナ用給油通路49を、側面視でテンショナリフタ18の外径内の位置で、テンショナリフタ18に接続させたので、テンショナ用給油通路49からテンショナリフタ18の外径内にオイルを供給できるため、テンショナ用給油通路49を最短で形成でき簡素化することができる。
また、本実施の形態では、図1,図9,図10等に示すように、カムシャフト給油通路Yのシリンダヘッド6側であるカムシャフト用給油通路50を、シリンダブロック5の上面に形成される溝状の分岐通路48の途中から上方に延出させたので、シリンダブロック5に形成された共用通路39に対してシリンダヘッド6に形成されたカムシャフト用給油通路50をオフセットした位置に配置できるため、オイル通路を複雑とせず、配置自由度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、テンショナ給油通路Zをカムシャフト給油通路Yから分岐させる前に、カムシャフト給油通路Yにおいて、潤滑油に含まれる異物を捕集するためのガスケット150のトラップ孔152を設けたので、潤滑油に含まれる異物が排気側カムシャフト10等及びテンショナリフタ18の両方に送られることを、単一の異物捕集手段で抑制できる。
また、本実施の形態では、図1,図10等に示すように、カムシャフト給油通路Y及び該カムシャフト給油通路Yから分岐されるテンショナ給油通路Zを、シリンダヘッド6に設けられた油圧アクチュエータ15から避けて形成したので、シリンダヘッド6において油圧アクチュエータ15と、カムシャフト給油通路Y及びテンショナ給油通路Zとが干渉せずに配置されるため、互いのオイル通路が影響されることを防止できる。
また、本実施の形態では、分岐通路48をシリンダブロック5のシリンダボア外周壁44の上面において溝状に形成し、シリンダヘッド6下面と当接させることで通路を構成しているが、この溝状の分岐通路48は鋳型により鋳抜きされて形成されるため、機械加工を不要としており、加工工数の削減が図られている。
なお、本実施の形態では、シリンダヘッド6のカムシャフトに給油を行うためのカムシャフト給油通路Yを、共用通路39と、クランク溝46と、分岐通路48の一部と、カムシャフト用給油通路50とで構成したが、カムシャフトの給油通路として、クランク溝46をなくし、共用通路39とカムシャフト用給油通路50とをシリンダブロック5とシリンダヘッド6にかけて直線的に接続するようにしてカムシャフトの給油通路を構成しても良い。この場合には分岐通路48をシリンダブロック5において共用通路39と直接接続すれば良い。このようにした場合にも、上述と同様に、縦向き給油通路の数を少なくして給油通路を簡素化でき、油圧の低下による油切れのおそれのないエンジンにおける給油構造を実現できる。
1 エンジン
5 シリンダブロック
6 シリンダヘッド
9 吸気側カムシャフト(シリンダヘッドにおける各部)
10 排気側カムシャフト(シリンダヘッドにおける各部)
14 カムチェーン(動弁系連動部材)
15 油圧アクチュエータ
18 テンショナリフタ(油圧式テンショナ)
38 アクチュエータ用給油第一通路(作動油通路)
39 共用通路(シリンダヘッド用潤滑油通路)
40 カムチェーン収容室(収容室)
44 シリンダボア外周壁(外周壁)
46 クランク溝(シリンダヘッド用潤滑油通路)
48 分岐通路(シリンダヘッド用潤滑油通路、油圧式テンショナへの給油通路)
49 テンショナ用給油通路(油圧式テンショナへの給油通路)
50 カムシャフト用給油通路(シリンダヘッド用潤滑油通路)
152 トラップ孔(トラップ部)
Y カムシャフト給油通路(シリンダヘッド用潤滑油通路)
Z テンショナ給油通路(油圧式テンショナへの給油通路)
C1 シリンダ軸線
C3 軸線(油圧式テンショナの軸線)
L2 合面
VC 動弁装置

Claims (10)

  1. エンジンの各部に潤滑油を給油する給油通路を介してシリンダヘッドに配置される油圧式テンショナに給油を行うエンジンにおける給油構造において、
    前記給油通路は、少なくとも前記シリンダヘッドにおける各部を潤滑する潤滑油を供給するシリンダヘッド用潤滑油通路を、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間に跨がるように延ばして設け、
    前記油圧式テンショナへの給油通路を、前記シリンダヘッド用潤滑油通路の前記シリンダブロック側から分岐させたことを特徴とするエンジンにおける給油構造。
  2. 前記シリンダヘッド用潤滑油通路を、前記シリンダヘッドにおける前記油圧式テンショナの取り付け位置に対して側面視でシリンダ軸線を挟んで反対側に配置し、
    前記油圧式テンショナへの給油通路を、前記シリンダブロックの上面と前記シリンダヘッドの下面との合面であって、前記シリンダブロック上面のシリンダボアの外周壁に形成した溝にて構成したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンにおける給油構造。
  3. 前記シリンダブロックは、動弁系連動部材を収容する収容室を前記シリンダボアの外周壁の側方に一体に形成し、
    前記シリンダボアの外周壁は、前記収容室の内壁を兼ねることを特徴とする請求項2に記載のエンジンにおける給油構造。
  4. 前記シリンダヘッドに設けられる動弁系部材を駆動する油圧アクチュエータを前記シリンダヘッドに設け、
    前記油圧アクチュエータに潤滑油を供給する作動油通路を、前記シリンダブロックにおいて前記シリンダヘッド用潤滑油通路に沿わせて近接配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンにおける給油構造。
  5. 前記シリンダヘッド内における前記油圧式テンショナへの給油通路の少なくとも一部を、前記油圧式テンショナの軸線に沿って形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンにおける給油構造。
  6. 前記油圧式テンショナの軸線に沿って形成される前記油圧式テンショナへの給油通路を、側面視で前記油圧式テンショナの外径内の位置で、該油圧式テンショナに接続したことを特徴とする請求項5に記載のエンジンにおける給油構造。
  7. 前記シリンダヘッド用潤滑油通路の前記シリンダヘッド側を、前記シリンダブロックの上面に形成される前記溝の途中から上方に延出させたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のエンジンにおける給油構造。
  8. 前記油圧式テンショナへの給油通路を分岐させる前に、潤滑油に含まれる異物を捕集するためのトラップ部を前記シリンダヘッド用潤滑油通路に設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエンジンにおける給油構造。
  9. 前記シリンダヘッド用潤滑油通路、及び、前記シリンダヘッド用潤滑油通路から分岐される前記油圧式テンショナへの給油通路を、前記シリンダヘッドに設けられた前記油圧アクチュエータから避けて形成したことを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載のエンジンにおける給油構造。
  10. 前記シリンダブロック上面に形成した前記溝を鋳型により鋳抜きしたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンにおける給油構造。
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