JP3664265B2 - 鞍乗型車両用パワーユニット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、三輪車または四輪車等の車両に搭載されるパワーユニットに関し、特にバギー車と称せられる荒地走行用鞍乗型車両に適する内燃機関と変速機とを一体化した車両用パワーユニットに関するものである。
【0002】
【従来技術】
クランク軸および変速機軸を車両の進行方向に指向させて鞍乗型車両に搭載された車両用パワーユニットとして、従来では、実開昭63−125139号公報に記載されたパワーユニット(図15参照)があった。
【0003】
図15に図示されたパワーユニットでは、内燃機関のシリンダ孔01が鉛直に指向した状態で、クランクケース02の上に、シリンダブロック03、シリンダヘッド04およびヘッドカバー05が順次重ねられて相互に一体に結合され、シリンダ孔01の直下のクランク軸06の左方に変速機軸07が配設され、該変速機軸07の下方に副軸08が配置され、該副軸08の右方でかつクランク軸06の直下に出力軸09が配設され、その他の軸はクランク軸06の周囲を囲むように配置されている。
【0004】
またシリンダ孔01の右側にカム軸010 が配置され、該カム軸010 とクランク軸06とはチェン伝達機構011 で連結され、カム軸010 の回転で上下に揺動されるカムフォロア012 と図示されないロッカアームとにプッシュロッド013 が介装されており、クランク軸06の回転に対応してプッシュロッド013 が間欠的に昇降され、図示されない吸排気弁が開閉されるようなっている。
【0005】
【解決しようとする課題】
図15に図示の従来の車両用パワーユニットでは、クランク軸06の左方および下方に亘って変速機軸群07,08,09が配置され、残余の軸はクランク軸06の下方から右方に亘って配置されているので、クランクケース02の左右巾および上下高さが増大して、パワーユニットの小型化が困難である。
【0006】
また、シリンダ孔01の右側にプッシュロッド式動弁機構が配置されているため、パワーユニット頭部が右方に張出し、車両に搭載した状態では、パワーユニットの上方に位置するシートに運転者が跨座した場合に、パワーユニットが運転者の内股に接近し過ぎることがある。
【0007】
【課題を解決するための手段および効果】
本発明は、このような難点を克服した鞍乗型車両用パワーユニットの改良に係り、内燃機関のクランクケースと変速機ケースとが一体化され、該ケースに回転自在に軸支されたクランク軸および複数の変速機軸よりなる変速機軸群がそれぞれ鞍乗型車両の進行方向に指向するとともに、パワーユニット車巾方向中央部が車両の車巾方向略中央部に位置して搭載されたパワーユニットにおいて、前記内燃機関の動弁装置は、プッシュロッド式動弁装置であり、 前記複数の変速機軸である副軸26 , リバース軸27 , 駆動軸28は略上下方向に配列された状態で、前記クランク軸の一側方に位置して前記変速機軸群が配置されるとともに、前記クランク軸の他側方に位置し該クランク軸に隣接してカム軸が回転自在に軸支され、パワーユニットの正面形状が略二等辺三角形状になるように、前記シリンダヘッドと、該シリンダヘッドに一体に結合されたシリンダブロックとが、前記クランクケース上方にて前記クランク軸から変速機軸群側に傾斜して設けられ、前記シリンダヘッドには、シリンダ軸線に対し車巾方向一側方に点火プラグが配設されるとともに、車巾方向他側方に前記動弁装置により開閉駆動される吸・排気弁が配設され、該吸・排気弁を開閉駆動する前記動弁装置のプッシュロッドは、前記シリンダヘッドおよびシリンダブロックとにてシリンダ軸線に対し車巾方向他側方に配設されたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、前記したように、複数の変速機軸である副軸26 , リバース軸27 , 駆動軸28が略上下方向に配列された状態で、クランク軸の一側方に位置して前記変速機軸群が配置されるとともに、前記クランク軸の他側方に位置し該クランク軸に隣接してカム軸が回転自在に軸支され、さらにシリンダヘッドとシリンダブロックがクランクケース上方にて前記クランク軸から変速機軸群側に傾斜して設けられることにより、パワーユニットが構成されているために、該パワーユニットの車巾方向寸法と上下寸法とが短縮化されるとともに正面視で該パワーユニットの外郭部の形状が、底辺が下方で頂点が上方の三角形に形成される。その結果、前記パワーユニットの小型化と低重心化とが可能となり、該パワーユニットを搭載した鞍乗型車両が小型化される。
また、前述したようなクランク軸に対する複数の変速機軸の配列状態および配置位置関係と、該クランク軸に対するカム軸の配置位置関係とに加え、パワーユニットの正面形状が略二等辺三角形状になるように、前記シリンダヘッドとシリンダブロックとが、クランクケース上方にて前記クランク軸から変速機軸群側に傾斜して設けられて、パワーユニットが構成されているために、該パワーユニットの外郭部の正面視形状が左右対称の前記略二等辺三角形に近い形状となっている。従って、運転者は、自然な運転姿勢で該パワーユニット上のシートに楽に跨座することができる。
【0009】
また、シリンダヘッドの傾いた側に点火プラグが配設されているため、シリンダヘッドの上方のシートや燃料タンクに邪魔されずに、点火プラグを容易に交換することができる。
【0010】
【実施例】
以下、図1ないし図14に図示された本発明の一実施例について説明する。
【0011】
図1に図示されたバギー車と称せられる荒地走行用鞍乗型車両Aでは、チャンネル状メインフレームB1 が左右対をなし車体上方に前後方向へ指向して架設され、該チャンネル状メインフレームB1 の下方にパイプ状フレームB2 が一体に設けられ、これらチャンネル状メインフレームB1 およびパイプ状フレームB2 よりなる車体フレームBの前後部にそれぞれ左右一対のバルーン型低圧タイヤを装着した前車輪Wfおよび後車輪Wrが懸架されている。
【0012】
また荒地走行用鞍乗型車両Aの上部には、前方から後方に向い操向ハンドルH,燃料タンクTおよびシートSが順次配設され、これら燃料タンクTおよびシートSの下方にて、車体フレームBの中央部に、前車輪Wf,後車輪Wrを駆動するパワーユニットPが搭載されている。
【0013】
また荒地走行用鞍乗型車両Aには、前車輪Wf,後車輪Wrの略上部をそれぞれ覆うフェンダFと、その上面に位置したキャリヤCとがそれぞれ設けられている。
【0014】
さらに車体フレームBの中央下部には、シートSに跨座した運転者の両足を支えるステップDが配設され、右方のステップDの近くには、図示されないブレーキペダルが配置されるとともに、左方ステップDの近くにはチェンジペダル(図示されず)が配置されている。
【0015】
さらにまたパワーユニットPは、内燃機関Eのクランクケースと、変速機Mのミッションケースとを一体化して構成され、該内燃機関Eは、シリンダヘッド1とシリンダブロック2と前クランクケース3と後クランクケース4と前ケースカバー5と後ケースカバー6とに分割されており、図示されない結合ボルトでもって相互に一体化された前クランクケース3,後クランクケース4は、その下部両側の取付けボス8にて、図2および図3に図示されるように、弾性マウント部材9を介して左右のパイプ状フレームB2 に結合されるようになっている。
【0016】
しかも図6ないし図9に図示されるように、相互に一体に結合された前クランクケース3,後クランクケース4上にシリンダブロック2が重ねられ、シリンダブロック2および前クランクケース3,後クランクケース4に設けられている2本のボルト孔10に、シリンダ・ケース結合ボルト11が、嵌挿されて螺合緊締され、またシリンダブロック2の上にシリンダヘッド1およびロッカアームホルダ19が重ねられ、ロッカアームホルダ19,シリンダヘッド1,シリンダブロック2に設けられている1本のボルト孔12に、ホルダ・ヘッド・シリンダ結合ボルト13が、嵌挿されて螺合緊締されるとともに、シリンダヘッド1,シリンダブロック2に設けられている1本のボルト孔14に、ヘッド・シリンダ結合ボルト15が、嵌挿されて螺合緊締され、さらにシリンダヘッド1,シリンダブロック2,前クランクケース3および後クランクケース4に設けられている2本のボルト16に、ヘッド・シリンダ・ケース結合ボルト17が、嵌挿されて螺合緊締され、さらにまたロッカアームホルダ19,シリンダヘッド1,シリンダブロック2,前クランクケース3および後クランクケース4に設けられているボルト孔18に、図示されない結合ボルトが、嵌挿されて螺合緊締されており、かして、シリンダヘッド1,シリンダブロック2,前クランクケース3,後クランクケース4およびロッカアームホルダ19が一体的に結合されるようになっている。
【0017】
また荒地走行用鞍乗型車両Aの走行方向に指向して内燃機関Eの前クランクケース3,後クランクケース4に回転自在に軸支されているクランク軸20は、図5に図示されるように、前クランクケース3,後クランクケース4の中央よりもやや、右方に偏して配置され、該クランク軸20から斜左上方に指向するように、シリンダブロック2およびシリンダヘッド1が左方へ傾けられ、シリンダ21に摺動自在に嵌装されたピストン22は、クランク軸20のクランクピン23にコネクティングロッド24を介して連結されており、ピストン22の昇降によってクランク軸20は回転駆動されるようになっている。
【0018】
さらにクランク軸20の左方に変速機Mの主軸25と副軸26とが順次配置されるとともに、主軸25,副軸26の中間上方にリバース軸27が配置され、かつ副軸26の下方に駆動軸28が配置された状態で、主軸25,副軸26,リバース軸27,駆動軸28はクランク軸20と平行して前クランクケース3,後クランクケース4に回転自在に軸支されている。
【0019】
さらにクランク軸20の斜右上方にカム軸29が配置されるとともに、その下方にバランサ軸30が配置され、かつ主軸25の下方で駆動軸28の右方に位置してシフトドラム31が配置された状態で、カム軸29,バランサ軸30,シフトドラム31は前クランクケース3,後クランクケース4に回転自在に軸支されている。
【0020】
さらにまた図4に図示されるようにクランク軸20とカム軸29とに、それぞれスプロケット32,33が設けられ、該スプロケット32,33に無端チェン34が架渡されており、クランク軸20が回転すると、カム軸29が1/2の回転速度で回転駆動されるようになっている。
【0021】
しかしてスプロケット32,33は前クランクケース3より前方へ突出した位置に配置されているため、図4に図示されるように、主軸25のベアリングホルダ35にチェンテンショナー36が上下に揺動自在に枢支され、該ベアリングホルダ35の先端下面にスリッパ37が設けられ、前クランクケース3の上方から嵌合されて図示されないボルトにより取付けられたアジャスト装置38の圧下部が、図12に図示されるように、チェンテンショナー36より前方へ突出した受部39に当接するようになっており、アジャスト装置38の圧下部の付設力でへ付勢されるチェンテンショナー36により、無端チェン34は適度の張り状態に設定されるようになっている。
【0022】
そして図11に図示されるように、バランサ軸30の前方に位置して油圧ポンプ40が配設され、該油圧ポンプ40の回転軸はバランサ軸30に直結されており、内燃機関Eが運転状態になると、油圧ポンプ40はバランサ軸30と一体となって回転駆動され、内燃機関Eおよび変速機Mの潤滑部分に潤滑油が供給されるようになっている。
【0023】
また図11および図13に図示されるように、カム軸29に吸気カム41と排気カム42が一体に形成され、該排気カム42の前方に隣接してデコンプカム43が付設されるとともに、吸気カム41に後方にリブ44が形成され、しかも前クランクケース3には、カム軸29の前部を支持するボールベアリング45の外周面と同一径でかつカム軸29のベース円径よりも大径の円筒面部46とその後方に係止段部47とが形成されるとともに、吸気カム41,排気カム42,デコンプカム43が図14に図示されるような位置関係にある状態で、カム軸29が前方へ引抜可能に、係止段部47に切欠部48,49が形成されている。
【0024】
さらに吸気カム41,排気カム42の上方に位置して前クランクケース3,後クランクケース4にタペット50が上下に昇降可能に嵌合され、図5に図示されるように、ロッカアームホルダ19にロッカシャフト51を介して揺動自在に枢支されたロッカアーム52の右端と前記タペット50とにプッシュロッド53が介装されており、カム軸29の回転に対応してロッカアーム52が上下に揺動され、シリンダ21の中心より右方に位置してロッカシャフト51の左端に当接している吸気弁54および排気弁55が開閉駆動されるようになっている。
【0025】
さらにまたシリンダ21の中心線より左方に位置してシリンダ21の中心線に対しさらに左方へ傾斜して、点火栓56が装着されている。
【0026】
また吸気弁54が設けられている吸気通路57に気化器59が接続されるとともに、排気弁55が設けられている排気通路58に図示されない排気管が接続されている。
【0027】
さらにクランク軸20の後部にACG60のロータ60rが装着され、後クランクケース4に装着されている後ケースカバー6に、ACGカバー7が着脱自在に装着され、該ACGカバー7にACG60のステータ60sが装着されるとともに、図10に図示されるように、該ACGカバー7にはACG60やその他の電装部品が装着されており、ACGカバー7を取外すと、ACG60のステータ60sやパルサー61やその他の電装部品を一斉にACGカバー7とともに取出すことができるようになっている。
【0028】
さらにまたクランク軸20の後端に始動輪62が装着され、これに相対してリコイルスタータ63が配設されており、該リコイルスタータ63を手動操作することにより、内燃機関Eを始動させることができるようになっている。
【0029】
また図11に図示されるように、ACG60のロータ60rの前方に位置し一方向クラッチ64を介して始動歯車65がクランク軸20に遊嵌され、後クランクケース4に取付けられているスタータモータ66の出力軸66aは減速歯車装置67を介して始動歯車65に連結されており、スタータモータ66が回転すると、減速歯車装置67、始動歯車65、一方向クラッチ64を介してクランク軸20が回転駆動されて、内燃機関Eが自動的に始動されるようになっている。
【0030】
さらにクランク軸20の前端に遠心式発進クラッチ70が設けられるとともに、主軸25の前端に多板式変速クラッチ71が設けられ、該遠心式発進クラッチ70の出力歯車70aは多板式変速クラッチ71の入力歯車71aに噛合されており、クランク軸20が停止または所定回転数以下で回転している場合では、遠心式発進クラッチ70は遮断状態となり、所定回転数を越えた場合には、遠心式発進クラッチ70は接続状態となるように、遠心式発進クラッチ70は構成されている。
【0031】
さらにまた図10に図示されるように、主軸25と副軸26とに、多段変速歯車列72が介装され、副軸26の出力歯車26aは駆動軸28の入力歯車28aに噛合され、また図12に図示されるように主軸25の出力歯車25aはリバース軸27の入力歯車27aに噛合されるとともに、リバース軸27の出力歯車27bは副軸26のリバース入力歯車26bに噛合されており、左方ステップDの近くのチェンジペダルを所要の変速位置またはリバース位置に操作すると、その操作時のみ多板式変速クラッチ71が遮断されるとともに、多段変速歯車列72および副軸26のリバース入力歯車26bが切換られて、副軸26は所要の変速比または正逆転状態に設定されて回転駆動されるようになっている。
【0032】
図1ないし図14に図示の実施例は前記したように構成されているので、運転者がシートSに跨座し、足をステップDに乗せ、スタータモータ66、またはリコイルスタータ63でもって内燃機関Eを始動させた状態で、操向ハンドルHの右方グリップを握って、その下方に配設されている操作レバー(図示せず)を操作すると、気化器59が開放されて、内燃機関Eが加速され、クランク軸20が所定回転数を越えた時に、遠心式発進クラッチ70が自動的に接続されて、荒地走行用鞍乗型車両Aは走行を始めることができる。
【0033】
またクランク軸20、主軸25、副軸26、リバース軸27、駆動軸28は全て荒地走行用鞍乗型車両Aの走行方向に指向しているため、傘歯車装置を最小限にすることができ、内燃機関Eの動力を前車輪Wf,後車輪Wrの前輪差動装置Gf,後輪駆動歯車装置Grに伝達することができ、動力伝達系の重量を軽減することができる。
【0034】
さらにパワーユニットPにおいては、クランク軸20の上部を左方へ傾けるとともにクランク軸20の下部を前クランクケース3、後クランクケース4の左右巾中心よりやや右方に偏して配置し、クランク軸20の左方に変速機Mの主軸25、副軸26、リバース軸27、駆動軸28およびシフトドラム31を配置し、クランク軸20の右方にカム軸29、バランサ軸30、油圧ポンプ40、スタータモータ66、動弁系タペット50、ロッカシャフト51、ロッカアーム52およびプッシュロッド53を配置したため、前クランクケース3、後クランクケース4の左右巾を狭く抑えたまま、前クランクケース3、後クランクケース4の高さを低くすることができてパワーユニットPの小型化を図ることができ、またパワーユニットPの正面形状を略二等辺三角形状にし、パワーユニットPの重心を下げることができるとともに、内股にパワーユニットが接近しないので、パワーユニットPの上方のシートSに運転者は楽に跨座することができる。
【0035】
さらにまたシリンダ21が左方へ傾き、かつシリンダ21の中心より左方へ偏してさらに点火栓56が左方へ傾いているため、シリンダ21の上方の燃料タンクT,シートSに邪魔されずに点火栓56の交換を容易に行なうことができる。
【0036】
またクランク軸20を左方へ傾けるとともにカム軸29をクランク軸20よりも右上方に配置し、かつプッシュロッド53をシリンダ21の右側方に配置したため、プッシュロッドをクランク軸の上方に設けたものと比べると、内燃機関Eのクランク軸方向寸法を短縮して、パワーユニットP全体の前後長さを短くすることができ、しかもプッシュロッド53の長さを短縮して、動弁系の往復部の重量を軽減することができる。
【0037】
さらにバランサ軸30はカム軸29の下方に位置し、該バランサ軸30の軸線上に油圧ポンプ40が配置されているため、パワーユニットP内の潤滑油面Oに対する油圧ポンプ40の高さを低くでき、油圧ポンプ40の吸入高さを低減して、潤滑油吸込みを円滑に遂行させることができる。
【0038】
さらにまたシリンダヘッド1とシリンダブロック2と前クランクケース3と、後クランクケース4と、ロッカアームホルダ19とを、図6ないし図9に図示するように結合したため、これらシリンダヘッド1、シリンダブロック2、前クランクケース3、後クランクケース4およびロッカアームホルダ19を相互に強固に一体化することができるとともに、シリンダ・ケース結合ボルト11、ヘッド・シリンダ・ケース結合ボルト17およびボルト孔18に螺合緊締されている図示されないボルトを締めるだけで、シリンダヘッド1、シリンダブロック2およびロッカアームホルダ19を相互に結合したまま、前クランクケース3、後クランクケース4に対して容易に外すことができる。
【0039】
しかも、前クランクケース3、後クランクケース4に対してシリンダヘッド1、シリンダブロック2を外してカム軸29を交換しようとした際には、図13に図示するように、カム軸29とスプロケット33とを結合するボルト33aを抜取って、スプロケット33をカム軸29より外した場合に、タペット50を前クランクケース3、後クランクケース4から上方へ抜取った後、吸気カム41を切欠部48に位置を合せるとともに、排気カム42、デコンプカム43を切欠部49に位置を合せない限り、吸気カム41のベース円上に落ちたタペット50にリブ44が係止し、または吸気カム41、排気カム42、デコンプカム43が係止段部47に係止して、カム軸29の引抜きが不可能となり、その結果、タペット50が誤って前クランクケース3、後クランクケース4内に落下してしまい、前クランクケース3、後クランクケース4を分解しなければ、前クランクケース3、後クランクケース4内のタペット50を取出すことができないという、不具合を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用パワーユニットを搭載した荒地走行用鞍乗型車両の概略斜視図である。
【図2】図1の要部拡大側面図である。
【図3】図2のIII −III 矢視図である。
【図4】前ケースカバーを外した状態のパワーユニットの正面図である。
【図5】後ケースカバーを外しかつシリンダヘッド、シリンダブロックの中心を截断した一部縦断背面図である。
【図6】図7のVI−VI線に沿って截断した内燃機関の縦断面である。
【図7】シリンダヘッドの平面図である。
【図8】シリンダブロックの平面図である。
【図9】前クランクケース、後クランクケースの要部平面図である。
【図10】図4のX−X線に沿って截断したパワーユニットの縦断面図である。
【図11】図5のXI−XI線に沿って截断したパワーユニットの縦断面図である。
【図12】図4のXII −XII 線に沿って截断したパワーユニットの縦断面図である。
【図13】図11の要部拡大縦断面である。
【図14】図13のXIV −XIV 矢視図である。
【図15】従来の車両用パワーユニットの縦断面図である。
【符号の説明】
A…荒地走行用鞍乗型車両、B…車体フレーム、C…キャリヤ、D…ステップ、E…内燃機関、F…フェンダ、Gf…前輪差動装置、Gr…後輪駆動歯車装置、H…操向ハンドル,M…変速機、O…潤滑油面、P…パワーユニット、S…シート、T…燃料タンク、Wf…前車輪、Wr…後車輪、1…シリンダヘッド、2…シリンダブロック、3…前クランクケース、4…後クランクケース、5…前ケースカバー、6…後ケースカバー、7…ACGカバー、8…取付けボス、9…弾性マウント部材、10…ボルト孔、11…シリンダ・ケース結合ボルト、12…ボルト孔、13…ホルダ・ヘッド・シリンダ結合ボルト、14…ボルト孔、15…ヘッド・シリンダ結合ボルト、16…ボルト、17…ヘッド・シリンダ・ケース結合ボルト、18…ボルト孔、19…ロッカアームホルダ、20…クランク軸、21…シリンダ、22…ピストン、23…クランクピン、24…コネクティングロッド、25…主軸、26…副軸、27…リバース軸、28…駆動軸、29…カム軸、30…バランサ軸、31…シフトドラム、32, 33…スプロケット、34…無端チェン、35…ベアリングホルダ、36…チェンテンショナー、37…スリッパ、38…アジャスト装置、39…受部、40…油圧ポンプ、41…吸気カム、42…排気カム、43…デコンプカム、44…リブ、45…ボールベアリング、46…円筒面部、47…係止段部、48, 49…切欠部、50…タペット、51…ロッカシャフト、52…ロッカアーム、53…プッシュロッド、54…吸気弁、55…排気弁、56…点火栓、57…吸気通路、58…排気通路、59…気化器、60…ACG、61…パルサー、62…始動輪、63…リコイルスタータ、64…一方向クラッチ、65…始動歯車、66…スタータモータ、67…減速歯車装置、68, 69…歯車、70…遠心式発進クラッチ、71…多板式変速クラッチ、72…多段変速歯車列。
Claims (1)
- 内燃機関のクランクケースと変速機ケースとが一体化され、該ケースに回転自在に軸支されたクランク軸および複数の変速機軸よりなる変速機軸群がそれぞれ鞍乗型車両の進行方向に指向するとともに、パワーユニット車巾方向中央部が車両の車巾方向略中央部に位置して搭載されたパワーユニットにおいて、
前記内燃機関の動弁装置は、プッシュロッド式動弁装置であり、
前記複数の変速機軸である副軸26 , リバース軸27 , 駆動軸28は略上下方向に配列された状態で、前記クランク軸の一側方に位置して前記変速機軸群が配置されるとともに、前記クランク軸の他側方に位置し該クランク軸に隣接してカム軸が回転自在に軸支され、
パワーユニットの正面形状が略二等辺三角形状になるように、前記シリンダヘッドと、該シリンダヘッドに一体に結合されたシリンダブロックとが、前記クランクケース上方にて前記クランク軸から変速機軸群側に傾斜して設けられ、
前記シリンダヘッドには、シリンダ軸線に対し車巾方向一側方に点火プラグが配設されるとともに、車巾方向他側方に前記動弁装置により開閉駆動される吸・排気弁が配設され、
該吸・排気弁を開閉駆動する前記動弁装置のプッシュロッドは、前記シリンダヘッドおよびシリンダブロックとにてシリンダ軸線に対し車巾方向他側方に配設されたことを特徴とする鞍乗型車両用パワーユニット。
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