JP3679793B2 - 洗浄器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄器、特に、しかし専らではないが家庭用自動食器洗い器等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の家庭用前面装填自動食器洗い器は食器を積むために2つのラックを有し、その一方は洗い室の下域に、そして他方はその上域に設けられている。かかる自動食器洗い器は、通常、900mmの最大高さを有する典型的家庭用キッチンベンチの下に適合するように設計されている。一般的に、下ラックはより大きい食器、例えば、直径280mmまでの皿用として設計され、かつ全体的な高さ制限のために上ラックは高さの低い皿用にのみ設計される。かかる自動食器洗い器は製造業者により指示される以外の異なる寸法の食器を一緒にしたときに装填される食器負荷を効率的に洗浄(一回の洗浄で)することができない点で融通性に欠ける。例えば、下ラック内に収容できる数を越えた径の大きい皿の装填は、例え上ラックが空であっても、完全に2つに分かれた洗浄サイクルで洗浄されなければならない。更に、洗浄した食器を全てまず除去しなければ、次の汚れた食器を装填することはできない。更に、全負荷量よりも少量の洗浄は非効率的である。自動食器洗い器が完全に充満されるまで洗浄は遅延させなければならない。
【0003】
上述の最初の2つの問題は2つの自動食器洗い器の使用によりある程度解決される。しかし、費用とスペースの要因は、通常、実行可能な選択の問題ではない。本発明は2つのモジュール型の対を1モジュールとして使用できるより小さい自動食器洗い器を提供することにより前記問題を解決することを提案する。この自動食器洗い器はキッチンベンチの下へ2つのモジュールを「上下」に積むことのできる非常に低い高さを有している。
高さの低い機械の構成は厳しい設計上の制約を受ける。
【0004】
殆どの従来自動食器洗い器において、洗浄液ポンプ、排水ポンプ、組み合わされた電動モータ等は洗浄室の下に設置することによって洗浄室に利用できる高さに抑えられている。US特許第3,587,939号(Nystuen 他)において、普通の誘導モータにより駆動される洗浄、排水ポンプが開示されており、洗浄、排水ポンプは洗浄室の内側に設置され、かつ誘導モータは洗浄水内で作動するように潜水設置されている。この装置の欠点はモータ固定子を洗浄液から密閉する必要のあることである。潜水モータ回転子およびポンプのケーシングの外部の固定子により作動する排水ポンプはEP第287,984号(Askoll SPA)に開示されている。しかし、このポンプはモータ回転子およびポンプの羽根車のそれぞれに2つの分離室を必要とし使用上簡単でない。更に、開示されたモータを洗浄液ポンプの駆動用として使用することはできない。
【0005】
EP第76,739号(Esswein) EP第268,835号(Industrie Zanussi) およびUS特許第3,810,480号(Smith and Faust) は他の構造を開示しており、そこでは洗浄、排水ポンプはモータの回転方向がいずれか一方のポンプの作動を決定する共通モータにより駆動される。これらの構造は自動食器洗い器の高さ要件を大きく減少させるものでない。
【0006】
US特許第3,645,453号(Morgan)およびGB第1,119,449号は洗浄液ポンプのケーシングを一体部として合体したスプレイアームを開示しており洗浄室内に設置される背の低くい洗浄液ポンプを製造している。しかし、これらの装置は洗浄室の外部モータを必要とし、かつ洗浄室へ侵入するモータ駆動シャフト用の動的封鎖を必要とする。
【0007】
キッチンカップボード内に据えつけて摺動によりカップボードから伸張させることのできる上面装填の小さい自動食器洗い器("Bauknecht") がPhilips Appliancesにより製造されているが、これは上述の問題を指向するものでなく、特にカップボードを開放してカップボードから洗浄室を完全に引き出した後に洗浄室の蓋を上げることを使用者に要求する。
【0008】
洗浄液量を精確に測定して温水室へ送る前に水の予備加熱を可能にするために、家庭用冷水供給源から供給される分離水受けタンクを使用することは既知である。かかる装置はDE第3,531,095号、GB第2,139,083号、GB第2,139,084号(Bosch-Siemens) に開示されている。更に、かかる冷水を充填したタンクを使用して乾燥サイクル中に洗浄室内の水蒸気を凝縮させることはDE第2,730,489号(Bosch-Siemens) に開示されている。上記の全ての装置において、金属加工タンクが使用されており金属洗浄室上に設置されているがこれは製造コストを高くする。
【0009】
近年市販の自動食器洗い器は洗浄室の床上に金属シース付耐熱要素を設置している。基材上に厚いフィルム抵抗体を付着させて電気加熱要素を加工することは知られている。かかる加熱器はエネルギ調節器等の低電力用途に使用されている。US特許第4,843,218号(Bosch-Siemens) は厚膜技術を使用して電気調理要素を加工することを提案している。しかしながら、かかる従来技術は、洗浄液の効率的かつ直接的加熱が必要とされる自動食器洗い器用としての厚膜抵抗加熱器を意図していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は前記の欠点を解消する、または少なくとも有用な選択を大衆に提供することのできる洗浄器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、洗浄物を収容するように構成された洗浄室であって、羽根車を有し且つ電動モータによって駆動されるポンプによって圧送された洗浄液が内部を循環する洗浄室を備えた洗浄器であって、前記モータは、回転子を有し、前記羽根車は、駆動可能に前記回転子に連結され、前記羽根車が、前記洗浄室内の洗浄液と連通し、さらに、前記モータが、前記回転子と協働する固定子であって、前記洗浄室の壁が前記固定子と回転子との間に位置するように、前記洗浄室の外に取付けられている固定子を有している、ことを特徴とする洗浄器が提供される。
【0012】
本発明の好ましい態様によれば、支持手段が前記洗浄室内に取付けられ、前記支持手段が前記回転子を回転可能に支持している。
【0013】
【発明の実施の形態】
好適形態において、本発明の自動食器洗い器は従来前面装填家庭用自動食器洗い器の略半分の高さで構成されている。かかる自動食器洗い器は単独または複数対、通常は、一対で使用されることが意図されている。
【0014】
図1から図3において、本発明による自動食器洗い器は1つまたは2つを使用するための異なる設置概念が示されている。本発明はモジュール型自動食器洗い器のユニットを提供することを企図している。図1において、2つのかかる自動食器洗い器2は代表的には床レベル上850から900mmの範囲にある流しベンチ1の下に相互に積み重ねて示されている。図2において、2つの自動食器洗い器2の1つは流しベンチ1の一部を形成する流しの両側上に設置されている。図3において、単一自動食器洗い器2は流しベンチ1の下に設けられている。本発明により自動食器洗い器の高さは低くなっているので、ベンチ設置ができる。従って、各自動食器洗い器2はいずれの従来の食器負荷をも収容できる独立自己収納式自動食器洗い器のモジュール型ユニットと考えることができる。
【0015】
2つのモジュール型自動食器洗い器ユニット2が相互に積み重ねられると、その形態は従来自動食器洗い器の外部寸法と同等になることは図1から理解できる。図2のごとく、ベンチトップ下に横へ並べて設置された2つのモジュールユニット2は従来自動食器洗い器と同一容量を有するが、使用者が自動食器洗い器の下半分を使用するために腰をかがめなければならない不便を解消する。更に、洗浄室3(図5参照)は引出しの形態で取り付けられることにより自動食器洗い器ユニットのキャビネット4から摺動自在に引き出すことのができる点でアクセスが改良されている。
【0016】
2つの独立モジュールを設置時に対にしないような装備の幾つかのモジュール型対装置が製造できる。例えば、図1の形態は、独立の自動食器洗い器のキャビネットを機械的に連結することによりメインテナンス時に対にできる。かかる場合、本装置は後述のごとく配管装置を組合わせれば有利である。2つの独立の自動食器洗い器の提供は操作モードに相当の融通性を与える。
【0017】
1.混合した食器負荷について1つのモジュール操作、または2つのモジュール操作を同時にできる。各モジュールは最大形の食器負荷を収容できるので、大きい食器用として大容量の自動食器洗い器の提供を可能にする。
2.1または2のモジュールは必ずしも同時である必要はなく、各モジュールは汚れの軽い食器にも汚れの重い食器にも使用でき、かつ適宜洗浄プログラムを個別モジュールに合わせてセットできる。
3.1モジュールに汚れた食器を次第に装填し、かつ他方のモジュールは浄化した食器負荷を再使用するときにのみ空にすればよい。
4.1モジュールを汚れの軽い負荷用とし、かつ他方のモジュールを汚れの重い負荷用としてプログラムすることができる。
5.1モジュールを汚れた食器を装填すると同時にスイッチオンできる。即ち、比較的少ない負荷で効率的に洗浄できる。
【0018】
(キャビネットの構成)
図4を参照すると、好適態様において、本発明の自動食器洗い器のキャビネットはシート状金属により形成され、上部5、下部6、および側部7および8、および背部(図示せず)を有する5設置箱構造体を形成している。キャビネット4の開放前部は2つのポータル部材10および11を有するポータルフレームとしてフランジを有し、上記ポータル部材はコーナー12と13から先端部14および15へ幅狭くなり、かつ下面に沿って中央結合部16へ向かって幅狭くなっている。これは上記キャビネット内に適切な寸法の開口部の形成を可能にすると同時に上記キャビネットの前部に適性剛性を付与する。この技術はいずれかの側に開口部を有する箱構造体の強度問題を解決しかつ自動食器洗い器のキャビネット以外の多用途に応用できる。ポータルフレーム部材10および11は非常に薄い金属部材により16で結合され、この部材は構造条件により事実上ピンジョイントを含む。同様に、ポータル部材の先端部14および15はピンジョイントによりフランジ部18へ効果的に結合される。この部分は効果的にビームを形成して上記ポータル部材の先端部を一緒に結合する。ポータルフレームに関する従来使用と異なり、ジョイント16はパネル6に直角の大きな負荷を受けない。本発明において上記ポータルフレームの機能は、横断方向の負荷に対する支柱を提供することであり、ジョイント16を設けるために抵抗モーメントを要件としない。
【0019】
上記ポータル部材は逆にすることができるが図示配置は後述の排水ポンプのための隙間を形成するのに役立つ。同様に、これはポータルフレーム部材の形状が洗浄室の形状に実質的に追従していることを意味するが、それ自体は大きな皿を理想的に保持できるように形成される。
【0020】
(引出しおよび洗浄装置への連結)
本発明の1特徴は自動食器洗い器を提供することであり、そのために食器を設置するための洗浄室は洗浄装置に必要なあらゆる他の構成部材と共に、摺動によりキャビネット内に設置されて、引出しとして機能する。この形態は図5に示されており、図5では洗浄室3はキャビネット4内に摺動自在に設置されて、部分的に引き出した位置で示されている。
【0021】
美的な前板20が洗浄室3の前部へ嵌め込まれて引出し(図示せず)と合体している。完全に収納または閉鎖されると(図6に示されたように)前板20はキャビネット4の前部と当接する。
上記自動食器洗い器は開放空洞内、通常、ベンチ下に設置されることが意図されており、それにより前板20は効果的にその空洞を閉鎖して従来の前面装填食器洗い器と同様に食器洗い器の外から見える部材を構成する。
【0022】
上記キャビネットと異なり、洗浄室3は1片のプラスチック成形品として形成されるのが好ましい。これはシート状金属加工を越える自明の利点を有する。引出し形態の採用は可撓性のある伸張自在のケーブルおよびホースを上記キャビネットと上記洗浄装置との間に装備する必要のあることを意味する。引出し設置部材のための電気接続部は上記キャビネットへ取り付けられたソケット31および上記洗浄室へ取り付けられたプラグ32であってよい。引出し17が実質的に完全にしかるべき位置に着いたときに接続される。しかし、固定ワイヤは可撓性ケーブルループにより形成されるのが好ましい。この形態において、電線は図6から8に示された排水ホースへ複合的に取り付けられてもよい。
【0023】
摺動洗浄室3に対する給排水は次のごとく行われる。排水ホース35(図6から8)はループ状に形成されかつ中央部36が上記室の運動方向を横切るように配設され、2つのアーム37と38は該中央部へ連結される。図6、図7および図8を比較するとわかるように、排水ホースのアーム37、38は、中央部36に連結されて折れており、(引き出し17の運動方向と直交する)同一平面内にほぼ位置している図6の位置から、図6に示す位置と直角な平面内にほぼ位置する図8の位置に移動する。この配設は上記洗浄室が閉鎖位置のときに上記排水ホースを収容するために必要とされる空間を最小にする。
【0024】
上記洗浄装置の給水制御方法は図9に示されている。洗浄ホース40は放水口53と電気的に作動する水バルブ51との間で連結されている。バルブ51は、例えば、ソレノイドバルブであってよい。バルブ51は使用時に家庭用給水タップ46へ連結される。バルブ51はホース40に合わせて成形される。更に、電線がホース40に合わせて成形されてバルブ51へ電気的に接続される。電気コネクタ47がケーブル端部へ取り付けられてキャビネットに設置されたソケットを介して食器洗い器制御装置への接続を可能にする。
【0025】
(水受けタンク)
洗浄水は受けタンク33へ供給される。受けタンク33は洗浄室3と部分的に一体成形される(図10参照)。洗浄室3は閉鎖フランジ43を1端壁上に有する。成形プラスチックカバー部材44が線45に沿って上記フランジへ溶接されてタンク33を形成している。タンク33は洗浄室と壁34を共有する。洗浄室3よりも小さい水平断面の分離タンクの使用は洗浄に使用する水量の測定を精確にする。これは特に、比較的少量の水、典型的には2リットルが使用される点で重要である。
【0026】
受けタンク33を洗浄室の水量測定に使用する方法について図11および図13から図15を参照して以下に説明する。図において、給水ホース40は冷水の供給源に連結される電気的に作動する入口バルブ51へ連結される。この給水ホース40はキャビネット4へ固定された放水口53で終端する。放水口53は洗浄室3が閉鎖位置のときにのみタンク33へ放水する。または、可撓性ホース52(図18)はキャビネット4からタンク33へ固定された放水口54へ連結されてよい。いずれの場合においても、入口バルブ51は洗浄室3が閉鎖位置以外の場合には開放しない。これを実行するためにインタロックスイッチが設置されてよい。または図5に関して上述したようにして遮断された電気接続部が設けられてよい。
【0027】
タンク33の充填制御はリードスイッチ62および63を作動させることのできるフロート61内に永久磁石を有する水域感知手段60により決定される。入口バルブ51が開放して上記タンクを所定レベルまで充填する。それにより、フロート61は上昇し、最低レベルのリードスイッチ62を作動させて図14に示されたように入口バルブ51を閉鎖する。後述するように水は種々の目的からタンク33内に保存されるが、洗浄室3への放水が必要とれさる場合には次のごとくなる。入口バルブ51が再び開放して水域をサイホン管55のループの頂点の直上レベルまで上昇させ、その上でサイホン作用により上記タンクの全内容がサイホン管出口57から洗浄室3へ送出される。上リードスイッチ63は水域がサイホン管55の頂点上に上昇するときを感知し、そこで入口バルブ51は閉鎖する。バルブ51を流れる水の流速はスイッチ63をトリガーするためにサイホン管の流速を越えるものでなければならない。
【0028】
サイホン作用と同時にバルブ51をスイッチオフするために他の方法が採用できる。感知手段をサイホン管55の放水脚内へ入れることができる。また、リードスイッチ63をサイホン作用が生じるレベルよりも下に位置決めし、リードスイッチ62からリードスイッチ63へ水域が上昇するまでの時間を利用して、給水源の流速を計算する。サイホンを作用させるために必要とされる水域にするための付加的時間を決定するために他の計算がなされてよい。入口バルブ51はこの計算時間の終了後にスイッチオフされてよい。
【0029】
図10に最良に示されたようにタンク33は洗浄室3と壁34を共有する。この壁は熱伝導性であって上記洗浄室と水受けタンクとの間の熱交換を行う。上記洗浄室に使用されるプラスチック材は、それ自体、熱を適当に移動させることのできるだけの伝導性を有するか、または金属壁が挿入されていてよい。タンク33が洗浄またはリンスのために使用前に温水で充填されるとき、水および洗浄室の内部は加熱された水の熱移動により予備加熱される。他方、上記タンク内の冷水は壁34を冷たくする。この現象は後述の乾燥サイクル時に利用される。
【0030】
水受けタンク33の形態は以下の構成から成る。
(a)入口水量を測定するための容器、
(b)洗浄室の内側の気流を洗浄プログラムの終了時に凝縮して洗浄負荷物を乾燥させることのできる洗浄室の表面を冷却する手段、
(c)入口水の供給量を洗浄室へ送る前に予備加熱して温度上昇時に生じる洗浄負荷物の熱衝撃の危険を取除くことのできる熱交換機、および
(d)液体を洗浄室へ移送するときに加熱時間を短縮して洗浄装置の作動中に予備加熱を発生させ、それによりエネルギ消費を節減する。
【0031】
(図40および図41を参照した配管)
2つの自動食器洗い器が上述のごと組み合わせて使用される場合、2つの自動食器洗い器は家庭用取付具を使用して設置できるように配管されている。2つの異なる給水方法が図40および図41のそれぞれに示されている。図40において、各食器洗い器の給水ホース40は冷水タップへ連結されるデュアルバルブ51の出口上で終端する。このバルブの各部は2つの食器洗い器内のそれぞれの制御器により別々に制御される。図41において、上食器洗い器用の給水ホース40は下食器洗い器の放水口53へも水を供給する2方弁またはシャトルバルブ48へ連結されている。バルブ48はバルブ51から水を受ける。バルブ48は作動して上洗浄器と下洗浄器との間へ水を分流する。
【0032】
(洗浄室の蓋)
本発明の好適態様において洗浄室3(および組み合わされた洗浄装置)は摺動する引出し17(図19参照)として装備されているので食器は上面に装填されかつ水密蓋66が設けられている。蓋66は洗浄室3ではなくキャビネット4内に設けられていて引出し17が完全に閉鎖されたときにのみ洗浄室の上部と係合する。従って、上記引出しが引出されるときに上記蓋は上記キャビネット内に残る。使用者はこの蓋の開閉に直接的に関与しない。蓋昇降機構が設置されていて、上記引出しが開閉されるときに上記蓋を昇降させ、かつ上記引出しが完全に閉鎖されたときに上記蓋を所定位置へ係止する。
【0033】
上記昇降機構は補助フレーム24を含み、この補助フレームは27で補助フレーム24へ蝶番止めされ、かつ28でキャビネット4の1部を形成するフレーム部材29へ蝶番止めされた4つの連携部材(リンク部材)26によって取り付けられている。上記連携部材と蝶番は成形ポリプロピレンをユニットとしてまたはリビングヒンジとして形成されるのが好ましい。蓋66は補助フレーム24によって浮遊可能に保持され、引張バネ30が補助フレーム24と蓋を所定位置まで上方へ付勢して、蓋66を洗浄室3の上部から上昇させる。図21は蓋の閉鎖点にほぼ完全に収納した洗浄室3を示す。洗浄室3上の当接フランジ(左へ移動する)は蓋66と接触しかつ蓋昇降機構の一部24と接触する。洗浄室3が更に、左側へ移動すると、昇降機構の補助フレーム24が連携部材26を半時計方向へ回転させ、上記補助フレームと蓋とを内方(左側へ)かつ下側へ移動させる。洗浄室(引出し)、蓋および蓋昇降機構の相関変位は図23にグラフで示されている。このグラフにおいて、可動部の当接はA点で生じ、上記洗浄室のB点へのそれ以上の収納により上記蓋および蓋昇降機構を内側(xの上昇値)下方へ移動させ、それにより上記蓋は上記開放洗浄室の上部へ締めつけられる。この位置で上記蓋は係止される。洗浄室3のそれ以上の収納により当接フランジは補助フレーム24の当接部(これはこれ以上移動しない)上へ上昇し、蓋66(これは上記補助フレーム内で自由に摺動する)と共にグラフ上のC点(図22の物理的位置)へ移動する。この『ホーム』位置において上記蓋および室フランジは共に締めつけられる。バッファ21はB点とC点との間の移動を制限する。
【0034】
(洗浄室食器支持体)
洗浄室3内の食器の位置決めは洗浄室の下部上のラック70により促進される。孔、切欠きまたは他の細部71が図24に示されたように洗浄室3の少なくとも1側壁上に設けられてよい。これらの細部は上記洗浄室壁内に好ましくはプラスチック材等で成形されてよく、皿またはリムを有する食器等の大きい食器を洗浄力に対して支持できるように配設される。本発明においてラックは摺動自在ではなく固定されているが、食器を支持するためにより便利な食器支持体を提供するラックが使用されるのが好ましい。しかし、上記ラックは上記洗浄室の空間を最大限にする形態でなければならず、この観点から図12に示されているように食器(皿200等)の下縁部をスプレイアームのハブ下まで延在させるものでなければならない。
【0035】
(洗浄装置回転パーツ)
図12および図25を参照すると、洗浄室3は上面内に散布孔またはノズル76を有するスプレイアーム75を有する。洗浄/リンス水ポンプ77は電動モータ78により回転し、かつこのモータは同時に排水ポンプ79を回転させる。洗浄液ポンプ77の入口85は、その周辺に一連の孔81を有する環状入口を有するフィルタプレート104下で環状通路または空間80により形成される。洗浄室3の成形床82は上記環状通路を形成するために凹部になっている。スプレイアーム75は中央もしくはハブ部121から下方向へ湾曲した外端部86を有し、図示されたように対称的に湾曲している。この曲率の目的はより大きな食器(図12に示されたような皿200等)を低い高さの洗浄室3内に収容するためである。
【0036】
各洗浄およびリンスサイクルに使用される水の供給量が少ないことにより(2リットル)、低い吸引ヘッドが洗浄液ポンプ77に利用できる。これは圧力降下が小さくてよいことを意味し、このことはポンプ吸引速度が遅くなければならないことを意味する。これを達成するために、大きい取水領域が必要になる。洗浄液ポンプが大きい取水領域を要件とする結果として、小量の液体量を最小吸引ヘッドにより連続的に作動させるために、洗浄液ポンプの入口へ送る前に洗浄液を濾過する装置を組み入れるために利用できる高さは従来自動食器洗い器と比較して低い。
【0037】
上述のごとく、上記取水領域は、略350mmの外径と300mmの内径を有する孔81付環状リング(フィルタプレート104内)から成るフィルタにより覆われている。液体が流れるこの孔付領域をできる限り清潔に維持するために、活性フィルタ洗浄装置が使用される。図36および図37を参照すると、1以上のジェット150がスプレイアーム75内に設けられていて上記スプレイアームが回転するときに先立ってフィルタプレート104上の清掃効果を発揮する。
【0038】
大きな汚れ粒子153は上記孔から半径方向に円形凹部152上へ一掃されかつ上記フィルタプレートのまわりを回転して受動フィルタまたはストレーナ151を有する水溜め134へ排斥される。従来自動食器洗い器に見られるフィルタ装置ではストレーナ151は使用者の規則的点検を必要とする。図36に示されたように、ストレーナ151は、ジェット150によって汚れが一掃されるために、それを取り除くための「口」の形状になっている。
【0039】
上記スプレイアーム、洗浄液ポンプ、モータ、および排水ポンプの配置は図25および図27の拡大図から理解できる。スプレイアーム75はスプレイアームのそれぞれの外方部分84および86へ通じる2つの分配渦形室88および89を有する洗浄液ポンプケーシング87を一体的に含む。ケーシング87と出口88および89との間は図27に示されたように接線渦形成部により接続されるのが好ましい。スプレイアームの内で洗浄液圧を確実に利用できるようにするために、渦形面88と89はスプレイアームのエッジと接触する前に終わっている。これにより液体は上記内部へ向かって逆流し、この内部のノズル90に圧力を加える。
【0040】
洗浄液ポンプ羽根車95(図28に詳細に示されている)は下エッジで前方へ湾曲するブレード96を有する。好ましい形態においてモータ78は永久磁石、同期ACモータであるので該モータが無負荷状態で始動することが重要である。これを達成するために、洗浄室内の静水域は上記洗浄液ポンプ羽根車の下部へ接触するように設定される。これは図25の水域記号により示されている。しかし、ここで使用される遠心型ポンプは自己プライミッグでない。これは羽根車95がそのブレードの下部上に軸流型の前面ブレード部97を有するからである。上記モータが無負荷下で始動した後に、上記羽根車の先導エッジ97が液体を上昇させ、そして上記ポンプがプライミングして通常に作動する。先導エッジ97は、また、上記モータが排水方向へ(洗浄方向と反対へ)回転しているときに本装置に有利である。後方に対面するブレードは液体のピックアップに抵抗し、かつ洗浄液ポンプは作動しない。
【0041】
モータ回転子100(図27)はプラスチックケース内へ収納したフェライト永久磁石を使用して形成され、かつスプラインを付けたシャフト99を有していて洗浄液ポンプ羽根車95と係合して洗浄液ポンプ羽根車95を駆動させる。モータ回転子100はその下プラスチック面上に排水ポンプの羽根車101を有する。排水ポンプの横断面図は図29に示されている。羽根車101は上記モータ回転子が矢印103の方向へ回転するときに排水ポンプが液体を洗浄室から排水させることのできる形態の羽根102を有する。これについては更に詳細に後述する。上記モータ回転子が反対方向へ回転して(矢印104参照)洗浄液ポンプを作動させるときに、同一方向へ回転するときの羽根車およびケーシングの形態が最適でない場合には排水ポンプのポンプ作用を実質的に阻止する。排水ポンプ出口109内には非復帰バルブが設けられていて排水ホースから洗浄室への流出を停止させる。
【0042】
上記排水ポンプが作用したときに水が上記回転子のまわりのバイパスへ流れて洗浄室へ流入するのを阻止するために、浅いプラスチックの羽根車105(図27)が回転子100の上面上に形成されている。羽根車の8個のブレードは約1.5mmの高さを有する。これは排水方向へ向流を発生させる。この流動学的シールはバイパス液体流に対してのみ作用する。これはプライミング時の排水ポンプの空気の吸排を阻止しない。衛生上の理由とは別に、排水の逆流は上記回転子の磨耗および上記スプレイアームのノズルの汚染の原因となることに注意されたい。
【0043】
排水ポンプケーシング106(図25、図27および図35)は洗浄室3の床内に精密許容差水溜めを設けることにより形成されている。洗浄室3に対して上部で開放している。この水溜めは上記床へ一体成形するかまたは分離成形して取り付ける。モータ回転子100はケーシング106内でシャフト107上に設置される。モータ回転子100を上記洗浄室内へ設置して洗浄液内に潜水させることは本発明の1つの特徴である。モータ固定子111(図38参照)は上記洗浄室の外側に設置され排水ポンプケーシング106によって上記回転子から分離している。好適態様において上記固定子は4つの突極110を有し、2対の固定子(110aおよび110b)を形成している。排水ポンプケーシング106は排水ポンプ入口108および排水ポンプ出口109を有する。図25および図27に図示された配置では、洗浄装置の分解が非常に簡単にできるようになっている。上記スプレイアームはその軸受け115から上昇させることにより簡単に除去できる。モータ回転子100および組み合わされた洗浄液ポンプ羽根車95はフィルタプレート104を上昇させることによって水溜め106から上昇する。従って、全作業部品は、実質的に、簡単に除去できるので排水ポンプケーシング106の清掃を可能にする。作業部品を各作業位置へ保持するためにいかなる固定具をも必要としない。同様装備が自動食器洗い器以外の用途、例えば、衣料洗濯機にも使用できる。
【0044】
排水溜め134の好ましい形態(図27に、そして図35に概略図示した)は洗浄室基部82内に設置されているので洗浄室内の液体は、実質的に、全てそこへ排水される。排水ポンプ入口108は排水溜め134の下部120へ連結されている。排水溜め134への洗浄排液性を更に改良するために、上記洗浄室の床に、図39に図示したように、排水溜め134へ開放する最下点161を有する螺旋状水路160を上記フィルタプレートの下に設けた。
【0045】
上述のモジュール型食器洗い器の利点を達成するために、モータポンプの組合せ構造においてスプレイアーム75の最高レベル121(図25)から電動モータの最低レベルまでの洗浄液ポンプおよび電動モータの高さを非常に低くする、例えば、55mmオーダにすることは重要なことである。上記モータの下へ延在する上記排水ポンプケーシングを含み高さは75mmである。
【0046】
図30を参照すると、ノズル116はスプレイアーム75の端部86および84内に設けられている。これは洗浄液117aの実質的水平のジェットを可能にする。このジェットの平面にある上記洗浄室壁のコーナー部は突起118を有して偏向羽根を形成し、ジェットスプレイ117aを実質的垂直ジェット117bに偏向させる。これは洗浄室のコーナー部における垂直スプレイの範囲を確実にする。ここでは小さい僅かな半径の丸いコーナーがスプレイアームの直径の外側に首尾よく使用されている。図30において、グラス201は洗浄室のコーナー部内に収容された状態で示されており、上記偏向スプレイから利益を受ける。
【0047】
(水加熱器)
洗浄サイクルは温水の使用を必要とするので食器洗い器へ供給された冷水を高い温度まで加熱するための加熱器を設ける必要がある。
本発明において水加熱器は図25および図34の概略図で示されたように洗浄室の床内に設けられている。この加熱器は下側上で直接的に熱接触する加熱抵抗素子142を有する円形金属加熱プレートにより形成される。加熱プレート141は約250mmの直径であって、洗浄室の床の中央部を形成し、かつ該床内に形成された円形孔143内に密閉可能に取り付けられている。この加熱器プレートは中央孔144を有し、これは水溜め、即ち排水ケーシング106を収容し、水溜めケーシング106はモータ回転子100および排水ポンプ、即ち排水ポンプ羽根車101を収容する。シール145および146はそれぞれ加熱プレート排水溜めと床連結部を密閉する。
【0048】
加熱プレート141は磁器エナメル被覆鋼から形成される。抵抗素子142のパターンは上記加熱プレートのエナメル下面または外面上に形成される。これらの素子は厚膜技術を使用して加工され、レジストペーストまたはインクが所望トラックパターン内のエナメル基盤上に付着またはプリントされて溶融固化される。このトラックは導電部とレジスト部により形成されてよい。上記加熱器への電力接続は上記トラックの導電性非加熱部147へ行われる。印加されると上記レジストトラックは熱を放散させ、この熱は上記鋼プレートへ、従って、該プレートの反対面に接触している液体へ伝えられる。温度制御回路機構のフィードバックを可能にするために温度センサが厚膜技術により上記プレート上に形成されてよい。上記洗浄液ポンプの負荷は流れを表示しかつ不適切な洗浄液流の検出に基づいて上記加熱器のスイッチをオフにするためにモニタされてもよい。厚膜技術は加熱温度保護連携部、上記モータの相互連結部、および上記モータ固定子の巻線の終端点の接続部の形成に使用できる。
【0049】
上記加熱プレートは洗浄サイクル中に上記加熱プレートの上面上を流れる洗浄液を加熱するために相当に広い領域(従来の管状シース要素との比較で)を提供する。この形態の加熱器は低電力密度加熱を可能にし、かつその低い表面温度は安全性を改善すると共に隣接するプラスチック構成要素に対する熱損傷の危険を最小限にする。
【0050】
好ましい形態において、上記加熱プレートは上記洗浄室の床内に実質的に水平に設置される。これは設置を容易にして定常的で実質的層状の洗浄液を洗浄室へ流す。しかし、上記加熱プレートを垂直に設置しかつ上記洗浄室の、タンク33と共有する壁34ではない、1側壁内に位置付けることができる。
【0051】
(モータおよびモータ駆動)
充填、リンス、排水、および洗浄サイクルはプログラムされたマイクロコンピュータ120(図26参照)、例えば、ナショナルセミコンダクタ社のCOP881Cを使用者が操作してマイクロプロセッサコンソール126をそのマイクロコンピュータ120の出力へ接続することにより制御できる。水入口バルブ51はマイクロコンピュータ120の出力へ接続されている。
【0052】
マイクロコンピュータ120の主機能は同期モータ78の始動と回転を制御することであり、これは1回転方向で洗浄しかつ他方向で排水するためである。モータ78は交流電流同期モータであり、その固定子の磁界は1対以上の磁極上の巻線により形成される。図25、図27および図38の好ましい形態において、固定子111の1磁極対110aは他の磁極対110bに対して90度幾何学的に変位している。1磁極の電流は他の磁極の主電流との関係で位相変位している。回転子100内の永久磁石(図示せず)は径方向へ整列した2極を有する。該永久磁石は固定子の磁界に同期して回転し、その負荷によって決定される固定子の磁界との関係で所定角を形成する。
【0053】
AC同期モータである場合、始動方法は上記回転子を必要方向へ同期速度で回転させることを必要とする。これを達成するための整流を形成する駆動回路は図26に示されている。対応する波形線図は図32に示されている。主電圧の極性は極性検出器によりモニタされ、かつ磁石の位置は固定子の巻線128および129内の逆EMF感知によりモニタされる。コンパレータ123および124は逆EMFのゼロクロッシングを検出する。コンパレータ127、123および124の出力はそれぞれ波形32(b)、32(d)および32(g)により示されている。他のセンサ(逆EMF以外の)、例えば、光またはホール効果感知等のセンサが使用できる。固定子巻線は後述のごとくそれぞれトライアック121および122によって単一位相AC電源に接続される。スイッチ転換はプログラムされたマイクロコンピュータ120により制御される。モータ78の回転方向はマイクロコンピュータ120内に収納された始動整流アルゴリズムにより決定される。このアルゴリズムは瞬時主電圧の極性(波形32(b))を瞬時回転子の磁石位置(波形32(b)または32(g))と比較する。その結果として生じるトルクが要求方向である場合にのみアルゴリズムはゲートパルス(波形32(e)および32(h)をトライアック121および122へ送る。当然ながら、トライアックが一旦スイッチオンされると、各装置を流れる電流がゼロになるまでその状態を続ける。結果としての固定子巻線の電流は波形32(f)および32(c)として示されており、位相はそれぞれのゲート信号との関係で変位する。逆EMF信号は非印加固定子巻線から誘導されてよい。ここに開示の駆動方法は、電力のパルスが上記モータの回転に有効である場合に、電源サイクル内のある点でその電源から簡単に電力を得ることを含む。電源から誘導される直流電流から整流波形を同期させる試みはされていない。
【0054】
上記マイクロコンピュータが上記回転子の速度が回転している上記固定子の磁界に近同期する周波数を逆EMFゼロクロッシングから決定する場合、上記モータは分相モータとしていかなる電子整流をも必要とすることなく電源から直接的に印加されて回転する。電子整流時に唯一の固定子巻線が一回だけ印加され、かつこれがモータ電力を限定する。同期回転のためにトライアック122はスイッチオンを維持して巻線対128を電源へ接続し、他方トライアック122はスイッチオフになる。同時に、トライアック123はスイッチオンして、巻線対129へ90度遅れの電流を流す抵抗器−コンデンサ回路網133を介して巻線129の対を印加する。
【0055】
上記モータを必要な入力電圧および出力電力の範囲にわたって回転させるためにモータの入力電力を制限する方法が採用されている。
これは固定子巻線128の電流供給を遮断する位相角へトライアック121を転換することにより達成され、そのようにして電流量を調整してモータの入力電力を制御する。
【0056】
上述のモータおよびモータ制御装置によってモータトルクはモニタされ、洗浄液ポンプおよび排水ポンプのモード条件は次のように決定される。
(i)洗浄液ポンプを通常に作動させ、(ii)洗浄液ポンプを換気し、(iii)装置内の水を低または無にし、(iv)洗浄液の泡を発生させ、(v)洗浄液ポンプを遮断または停止させ、(vi)排水ポンプを通常運転にし、(vii)全液体を排水モードで排出し、かつ(viii)排水ポンプを遮断または停止させる。
【0057】
上記モータのトルクは次のごとくモニタされる。図33において、各磁極対巻線128および129はVa と Ia および Vb と Ib の電圧値および電流値を有する。上記マイクロコンピュータが上記2つの位相角間の関係を所定範囲の値と比較すれば、その時の上記モータの潜在的トルク出力の程度が決定できる。
上記モータが排水のために反対方向へ回転する場合、その始動方法は変らない。しかし、同期または近同期速度が検出され、かつ回転モードが選択される場合には、1対の磁極のみが連続回転する。即ち、上記モータは単一磁極対モータになる。上記排水ポンプが作動するために必要な電力は小さいので2対磁極上で反対方向へ回転するために必要な煩瑣はそれ以上必要ない。
【0058】
上述の用途のためのモータの回転モードは駆動回路からの整流を含まないが、他の小電力の用途においては上記モータは駆動回路による永久的整流が必要となる。上記モータ固定子の形態は図27に示されている。2つの直交突極対110aおよび110bは巻線128および129を担持する。その磁極タップは排水ポンプケーシングまたは水溜め106よりも僅かに大きい半径の共通円上にある。上記突極は従来法によりモータグレード鉄層により形成される。
【0059】
突極の磁束復帰路は積層鉄リング125により提供される。このリングは突極の構造的支持を補助する。突極はリング125内に適宜形状の凹部156を形成して終端部に『鳩尾』を形成している。リング125は連続長のラミネート細片をスタンピングして形成され(図43参照)、突極のために鳩尾を形成する凹部156を有し、かつ図42に示された矩形リング形に結合される。この固定子のブランク材は先端から螺旋状に巻かれ、図示された矩形の所定厚の積層束にされ、突極と鳩尾係合するために各コーナに凹部156を有する。
【0060】
使用時に、上記固定子は自動食器洗い器上洗浄室の床下に装備され、上記突極は水溜め106の周辺と係合し、上記水溜め内に設置された永久磁石モータ100と並設される。このようにして高さの非常に低いパンケーキ形モータが形成され、このモータは、回転子が水溜めの内側に据えつけられ、かつモータの空隙間にある水溜めの壁の厚みによって固定子から分離されているので、洗浄室を動的シャフトで密閉する必要がないという利点を有する。
【0061】
(作用)
本発明による自動食器洗い器の作用は次の通りである。引出し17をキャビネット4から引き出し、そして洗浄室内のラックへ食器を積む。次に、引出し17を閉鎖すると同時に蓋66が洗浄室3の上部を密閉する。次に、マイクロコンピュータ120が手により選択されたサイクルの運転を開始する。入口バルブ51が開放して図14に示された水域まで水タンクを充填する、即ち、サイホン管55のループ直下まで充填する。該入口バルブが再度開放してサイホン管が作用する間タンク33を充填し、その後に上記入口バルブが閉鎖する。洗浄室3へ放出される制御水量は選択によりリンスまたは洗浄に使用できる。リンス洗浄が必要であれば、電動モータ78がスイッチオンされて適宜方向へ回転し、洗浄液ポンプ95を作動させる。洗浄液ポンプケーシングがスプレイアームの一部により形成された結果として、そのポンプ羽根車とスプレイアームとの間の反作用によりスプレイアームは部分的流体結合により回転する。同時に、洗浄液ポンプがスプレノズル76から放水する。放水後、汚水は洗浄室の下部へ戻り、フィルタプレート内の孔81を通過し、通路80から洗浄液ポンプへ吸い込まれて再循環する。
【0062】
洗浄サイクルは、洗浄室内の水が洗浄液ポンプの作動中加熱されることを除きリンスサイクルと実質的に同一である。1サイクルの洗浄が、例えば、冷水リンスが終了するときに、電動モータ78は停止し、そしてその回転方向を逆転する。その結果、排水ポンプ羽根車101が作動してリンス水を洗浄室からホース37へ廃棄のために配送する。排液終了後に、上記と同様にして洗浄室の再充填が行われる。
【0063】
洗浄プログラムの終了時に乾燥サイクルが開始する。食器上の水は洗浄室および装填物内の残留熱により蒸発する。タンク33は冷水119で充填される。共通壁34が最後の温リンス後に生成しかつ凝縮する洗浄室3内の水蒸気を冷却する。これは食器洗い器から水蒸気を温換気する必要をなくす。乾燥サイクル終了後に引出し17を開放し、所望により貯蔵または使用のために食器を除去する。
【0064】
洗剤は洗剤容器から洗浄室へ小出しされるであろう。かかる洗剤容器例は本出願人による1990年6月27日付けニュージーランド特許第234271号または本出願人による191年6月12日付けニュージーランド特許第238504号に開示されている。
【0065】
普通に汚れた負荷の代表的洗浄プログラム例を以下に説明する。
1)食器洗い器に装填し、プログラムを選択し、かつスイッチオンする。
2)制御器を作動させ、入口バルブおよびサイホンを始動し、かつタブを充填する(タンクは既に充填されて前回使用から予備サイホン点になっている)。
3)冷水予備リンスのために洗浄液ポンプを始動する。加熱は行わない。3分間。
4)洗浄液ポンプを停止し、モータを反転させ、かつ洗浄液を排出する。
5)タブを再充填し、かつ主洗浄のために洗浄液ポンプを再始動させる。加熱器をスイッチオンして65度まで温度を上昇させる。45度で洗剤容器から洗剤を解放する。
6)65度に達したときに、加熱器の作動を停止する。洗浄を続ける。タンクを予備サイホン点まで充填し、かつタブ内の温い洗浄液により予備加熱する。
7)65度を5分間続けた後に、洗浄を停止し、モータを反転させてタブの排水をする。
8)第1後リンスのためにタブを予備加熱液で充填する。このリンスは加熱しない。タンクを予備サイホン点まで再充填しかつ予備加熱する。
9)3分後に洗浄を停止し、液体を排出し、予備加熱液をタブへ充填する。
10)加熱器を65度にして最後のリンスを開始する。55度でリンス剤を添加する。
11)65度で最液の排水を行う。
12)排水終了後に、タンクを予備サイホン点まで再充填して乾燥サイクルを開始する。
13)所望により、略30分後に洗浄負荷の除去に入る。このプログラムは略35分間を要し、使用水量は8リットルである。
【0066】
(利点)
本発明の自動食器洗い器は少なくとも1以上の好ましい形態において次の利点を有する。
1.モータ
−永久磁石回転子が洗浄液内で回転し、それにより本装置内に液体を保有するための動的シールとの接触の必要性を解消する。
−永久磁石、同期型モータは強制冷却を必要としない比較的高効率モータである。
−選択された磁極形態は高さ(軸方向において)の低いモータを可能にする。
−電子始動方法は簡単かつ信頼性がある。
−モータは原理を実行し、かつ自己モニタシステムは定常的同期運転を確実にする。非同期回転が検出される場合には、モータは停止しかつ自動的に再始動する。モータは2対の磁極を有していて必要とされる高トルクを達成し、かつ第2セットの磁極コンデンサは90度シフトして必要とされる電子を最小限にする。
−反対回転時に、モータは1磁極対を使用することにより必要とされる電子素子を減少させる。
【0067】
2.洗浄液ポンプおよびスプレイアーム
−スプレイアーム内側への洗浄液ポンプの設置は2装置を連結する従来配管工事に要求されたいずれの必要性をも解消する。これは本装置には事実上の『デッド』量が無く、ポンプ作動に必要な液体量を最小限にすることを意味する。
−同様に、配管工事の不要性は損失を最小限にすることを意味する。即ち、高い水圧効率を達成する。
−スプレイアームの回転は洗浄液ポンプ羽根車とポンプ渦形室との間の部分的流体結合によって発生する。回転速度調節はジェットによる小程度の反作用を利用して行うことができる。通常、ポンプは配設前に水溜め下に設置されて配管工事によりスプレイアームへ連結される分離ユニットである。ある食器洗い器は水溜めの1部としてポンプハウジングを有する。かかる装置は次の欠点を有する。
a)分離ポンプとスプレイアームの垂直空間要件は極めてコンパクトな食器洗い器の設計の可能性を喪失させる。
b)複雑な管機構は摩擦損失により非効率の原因になる。
c)管とスプレイアームとの間への配管設置は洗浄液のデッド量になり、液体消費節減の努力に反する。
【0068】
本発明は少なくとも好ましい形態において、上記欠点を解消してそれ以上の次の利点を提供することを課題とする。
a)ポンプおよびスプレイアーム、ここでは遠心型ポンプが回転スプレイアームと一体的に設置される。このポンプは洗浄液を配管に邪魔されないスプレイアームのアームへ直接的に放出する。
b)ポンプとスプレイアームのコンパクト性は食器洗い器の所定高さまたは所定装填容量内での最大の使用可能空間を提供してコンパクト食器洗い器の設計を促進する。
c)ポンプとスプレイアームとの間にいかなる管機構も存在せず、従って、摩擦損失がないので、全体的効率は従来装置と比較して大幅に改良されている。この結果、より少量の電力がモータに要求されるだけである。
d)配管機構の割愛により、本装置の運転前に要求される充填量は最小絶対量であり、これは水の使用量を少なくしかつエネルギ消費を小さくする。
e)ポンプ羽根車とポンプハウジングとの間の流体結合により、スプレイアームを回転させる動力は羽根車からスプレイアームへ伝達される。従って、従来反作用ジェットは使用されてよいが使用されないのが好ましく、これは付加的洗浄液を必要としかつ洗浄作用に、通常、寄与しない。
f)完全ポンプとスプレイ装置を2パーツで製造し、その一方はスプレイアームポンプのハウジングであり、他方はポンプ羽根車であり、従って、本装置は本質的にシンプルである。
g)閉塞によりポンプが機能不全になった場合、スプレイアームの昇降により清掃のために羽根車および他のパーツを露出させることができる。
h)ポンプおよびスプレイアームのための分離担持装置が省略されている。
i)パーツの合理化は製造コストを削減する。
j)普通は食器洗い器タブの外側にあるが、ポンプ出口管機構とスプレイアームとの間に連結部は必要ないので、この領域の潜在的漏れは解消される。
−洗浄液ポンプを通気(空気の吸排)しないで単に最小の吸引ヘッドを利用するのみで作動させるために、ポンプ用の大きな取込み領域が使用される。取込み領域は略300mm径と略7mm高さの環状領域である。ポンプの吸排水性能は2mヘッドで65リットル/分の範囲にあり、ポンプを運転するのに単に2リットの液体を必要とするのみである。
−洗浄液ポンプ羽根車は混合流型であり、ラジアルの遠心出口を有し、入口の誘導軸流を最適にする。
【0069】
この入口誘導流は洗浄モードにおいてポンプのプライミング効果を高め、かつ排水モードのときのスプレイアームの渦形プライミングの防止を助ける。排水モードにおいて、洗浄液ポンプにより生成する抗力は入口誘導流により小さくなる。
上記効果は排水モードの必要電力を減少させ、1対の磁極上のモータ回転を促進する−このポンプのプライミング能力の改良の結果として、洗浄液ポンプの取込み領域は洗浄液ポンプハウジング下に首尾よく設置される。
【0070】
排水ポンプ
排水ポンプ羽根車は、最大のポンプ性能が排水モード、未だ反対方向、即ち、洗浄モードで達成されるように最適に構成されたパドル型ポンプである。ポンプが作動することなくかつ小さい抗力が生じるのみである。
排水ポンプが逆運転するときに発生する小さい抗力は洗浄液ポンプの駆動に利用できる最大モータ電力が存在することを意味する。
【0071】
ポンプ
−排水羽根車の細部はモータ回転子と一体成形されている。
−排水ポンプハウジングはモータハウジングおよび回転子用の中央平面の軸受けと一体的である。
−排水ポンプが遮断、閉塞、または何らかの役務を必要とする場合には、スプレイアーム7を除去することによりアクセスでき、フィルタプレート104がモータ回転子100およびその軸受けシャフト99を上昇させ、回転子ハウジングを同時に形成する排水ポンプハウジング100を露出する。
−ハウジングポンプの始動により、排水ポンプ内に存在する望ましくない空気はモータ回転子とモータハウジングとの間から脱出する。空気が通過した後に、この通路の洗浄液の流れを検査するために、遠心ポンプ羽根車の細部がモータ回転子の上面上に成形されていて、脱出しようとするいずれの液体流をも効果的に阻止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】キッチン設備にモジュールとして設置できる本発明による自動食器洗い器の選択例を示す。
【図2】キッチン設備にモジュールとして設置できる本発明による自動食器洗い器の選択例を示す。
【図3】キッチン設備にモジュールとして設置できる本発明による自動食器洗い器の選択例を示す。
【図4】本発明による自動食器洗い器のキャビネットの斜視図である。
【図5】本発明による自動食器洗い器の1態様の断面図であってキャビネットから一部を引き出した洗浄装置を示す。
【図6】図5の自動食器洗い器を完全に収納した状態から完全に伸張させた状態を示し、かつ特に洗浄装置の排水ホースの伸張状態を示す。
【図7】図5の自動食器洗い器を完全に収納した状態から伸張させた状態を示し、かつ特に洗浄装置の排水ホースの伸張状態を示す。
【図8】図5の自動食器洗い器を完全に収納した状態から完全に伸張させた状態を示し、かつ特に洗浄装置の排水ホースの伸張状態を示す。
【図9】単一自動食器洗い器のモジュールの給水系の概略図である。
【図10】洗浄室と共有する壁を有する受けタンクを示す洗浄室の背面の概略長手断面図である。
【図11】受けタンクの概略横断面図である。
【図12】スプレイアーム、洗浄液ポンプ、電動モータ、および排水ポンプの構造を示す洗浄装置の下部の直径方向の断面図である。
【図13】受けタンクの水の充填状態を示す自動食器洗い器の概略横断面図を示す。
【図14】受けタンクの水の充填状態を示す自動食器洗い器の概略横断面図を示す。
【図15】受けタンクの水の充填状態を示す自動食器洗い器の概略横断面図を示す。
【図16】自動食器洗い器の選択的充填形態を示す概略長手断面図を示す。
【図17】自動食器洗い器の選択的充填形態を示す概略長手断面図を示す。
【図18】自動食器洗い器の選択的充填形態を示す概略長手断面図を示す。
【図19】洗浄室の蓋の位置を示す自動食器洗い器の概略長手断面図である。
【図20】自動食器洗い器の蓋および蓋昇降機構の概略図を示す。
【図21】閉鎖段階の開始時の蓋を示す蓋の内部と蓋昇降機構の詳細側立面図である。
【図22】閉鎖段階の終了時の蓋を示す蓋の内部と蓋昇降機構の詳細側立面図である。
【図23】閉鎖段階中の引出し、蓋および蓋昇降機の相対的変位を示すグラフである。
【図24】皿等の食器を所定位置に保持するための手段の1態様を示す洗浄室の部分平面図である。
【図25】水路の詳細を示す図12に対応する洗浄装置の下部の概略部分断面図である。
【図26】電動モータ制御回路の回路ブロック図である。
【図27】主スプレイアーム、洗浄液ポンプおよびモータ要素の分解図である。
【図28】洗浄液ポンプの羽根車の拡大図である。
【図29】排水ポンプの羽根車の底面図である。
【図30】洗浄室壁のコーナー部のジェット偏向形成物を示すスプレイアームおよび洗浄室壁の部分図である。
【図31】洗浄室壁の直線部からのジェット偏向を示す図30と同様の図である。
【図32】電動モータの駆動回路により形成されるパルスの波形線図である。
【図33】モータトルクのモニタリングを示すフェーザー図である。
【図34】厚膜処理加熱要素の形態を示す加熱プレートの下側の平面図である。
【図35】排水ポンプと組合わせの排水溜めの斜視図である。
【図36】洗浄水フィルタジェット清掃装置を示す洗浄室の底の斜視図である。
【図37】洗浄フィルタジェット清掃装置を示す洗浄装置の直径方向断面図である。
【図38】仕切り板により分離して積み重ねた主洗浄装置要素を示すための洗浄室排水路を通る水平断面図を示す。
【図39】螺旋状排水路を示す洗浄室床の詳細部分図である。
【図40】複合対を形成する2つのモジュール型自動食器洗い器を連結する水ホースの2つの選択的態様を示す概略図である。
【図41】複合対を形成する2つのモジュール型自動食器洗い器を連結する水ホースの2つの選択的態様を示す概略図である。
【図42】モータ固定子の投影図である。
【図43】図42の固定子を成形する前のブランク層材の一部を示す。
【図44】図4のキャビネットを形成するためのブランクの平面図である。
【符号の説明】
2…自動食器洗い器
3…洗浄室
4…キャビネット
12,13…コーナー
18…フランジ部
16…ジョイント
17…引出し
24…補助フレーム(昇降機構)
26…連携部材
29…フレーム部材
33…タンク
35…排水ホース
37,38…アーム
40…給水ホース
43…閉鎖フランジ
44…カバー部材
46…家庭用給水タップ
48…シャトルバルブ
51…入口バルブまたは水バルブ
53…放水口
55…サイホン管
61…フロート
62,63…リードスイッチ
66…蓋
70…ラック
76…ノズル
75…スプレイアーム
77…洗浄液ポンプ(洗浄/リンス水ボンプ)
78…電動モータ
79…排水ポンプ
81…孔
85…入口
104…フィルタプレート
82…床
87…洗浄液ポンプケーシング
88,89…分配渦形室(渦形面)
95…洗浄液ポンプ羽根車
96…ブレード
99…シャフト
100…モータ回転子
101…排水ポンプの羽根車(排水ポンプ)
102…羽根
104…フィルタプレート
105…羽根車
106…排水ポンプケーシング(水溜め)
107…シャフト
108…排水ポンプ入口
109…排水ポンプ出口
110…固定子
110a,110b…磁極対
111…モータ固定子
115…軸受け
116…ノズル
120…マイクロコンピュータ
128、129…巻線(巻線対)
133…抵抗器−コンデンサ回路網
134…排水溜め
141…加熱プレート
142…加熱抵抗素子
145,146…シール
151…受動フィルタまたはストレーナ
160…螺旋城水路
Claims (2)
- 洗浄物を収容するように構成された洗浄室であって、羽根車を有し且つ電動モータによって駆動されるポンプによって圧送された洗浄液が内部を循環する洗浄室を備えた洗浄器であって、
前記モータは、回転子を有し、
前記羽根車は、駆動可能に前記回転子に連結され、
前記羽根車が、前記洗浄室内の洗浄液と連通し、さらに、
前記モータが、前記回転子と協働する固定子であって、前記洗浄室の壁が前記固定子と回転子との間に位置するように、前記洗浄室の外に取付けられている固定子を有している、
ことを特徴とする洗浄器。 - 支持手段が前記洗浄室内に取付けられ、
前記支持手段が前記回転子を回転可能に支持している、
請求項1に記載の洗浄器。
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